JP6359445B2 - サッシュモールディング - Google Patents
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Description
フロントドアのドアサッシュは、ドア本体の後部から上方に延在するサイド枠部と、ドア本体の前部からサイド枠部の上端に向けて延在するアッパー枠部とを備える。
サッシュモールディングは、アッパー枠部に沿う長尺形状をなし、アッパー枠部の側表面を覆うと共にアッパー枠部の幅方向の両縁部に係合して保持される。
例えば特許文献1に開示されるように、ドアウエザストリップは、ドア開口内縁の車内側に圧接する中空形のシール部と、ドア開口内縁の車外側に圧接するリップ形のシール部(シールリップ)を有する。
そして、車両用ドアを閉じたときに、ドアウエザストリップがドア開口内縁に圧接することにより、車両用ドアと車体パネルとの間が水密に封止される。
ドアウエザストリップは、フロントガラスの側辺に沿って延在するため、車両走行時には、フロントガラスから車両側面(車両用ドア)に沿って流れる走行風が略U字形の溝を横切る。このとき、走行風の流れが乱れて、風切音を発生させる。特に、高速走行時には、騒音が増大するという問題がある。
〔第一実施形態〕
図1は、本発明の第一実施形態に係るサッシュモールディング50が装着される車両Aを示す斜視図である。車両AのフロントガラスGと左側のフロントドア1を車外側から見た図である。
図2は、本発明の第一実施形態に係るサッシュモールディング50を示す断面図(図1のII−II断面図)である。
ドア本体5とドアサッシュ10に囲まれる領域は窓開口13であって、ドアガラス14が昇降可能に配置される。
ドアサッシュ10は、ドア本体5の後部から上方に向けて延在するサイドサッシュ11と、サイドサッシュ11の上端からドア本体5の前部に向けて延在するアッパサッシュ12と、を備える。サイドサッシュ11の上端とアッパサッシュ12の後端は、接合される。
アッパサッシュ12の前方側は、車体パネルB(Aピラー)のドア開口内縁Bsに沿って延在する。
また、ドアサッシュ10のうち、車両Aの内部(室内)を向く方向を車内側、車両Aの外部を向く方向を車外側と呼ぶ。
サッシュ本体15は、金属製板材(鉄板)をロール成形して形成される。サッシュ本体15は、側面部16、接続部20およびフレーム部26を有する。
側面部16は、車外側を向く略平板状の部位である。接続部20は、側面部16の裏面(車内側の面)から車内側に延びる略平板状の部位である。フレーム部26は、車内側に位置して、接続部20に接続する略箱状の部位である。
接続部20のフレーム内周側(接続部20の下面)には、ガラスガイド部22が形成される。また、接続部20のフレーム外周側(接続部20の上面)には、ウェザストリップ保持部24が形成される。
ガラスガイド部22には、ガラスラン30が嵌合保持される。
ガラスラン30は、ゴムまたは軟質の合成樹脂からなり、サッシュ本体15の長手方向に沿って延設される。
ガラスラン30は、ガラスガイド部22の開口縁近傍から突出して、対向し合う一対のリップ32等を有する。一対のリップ32は、ドアガラス14がガラスガイド部22の内部に進入したときに、ドアガラス14に押圧されて弾性変形する。そして、一対のリップ32がドアガラス14の両側面に当接して、ドアガラス14を挟持する。
ウェザストリップ保持部24には、ウェザストリップ40が嵌合保持される。
ウェザストリップ40は、ゴムまたは軟質の合成樹脂からなり、サッシュ本体15の長手方向に沿って延設される。
ウェザストリップ40は、フレーム外周側に向けて突出して、サッシュ本体15に当接するシール部42等を有する。シール部42は、ウェザストリップ保持部24よりも車内側において、中空形状に形成される。
ウェザストリップ40のシール部42は、フロントドア1を閉じたときに、車体パネルBのドア開口内縁Bsに当接して弾性変形する。そして、シール部42が車体パネルBのドア開口内縁Bsに密着して、車体パネルBとフロントドア1の間を水密に塞ぐ。
本体部51は、例えばステンレス等の金属製板材により形成される。本体部51は、側表面17を覆う平板形の意匠部52と、意匠部52の幅方向の両縁を車内側に折り返した保持片53,54を有する。
保持片53,54は、本体部51の長手方向に沿って延設される。
保持片54の基端側(車外側の部位)は、サッシュ本体15の側面部16の縁部18に当接するように係合する。
保持片54の基端側のうち、フレーム外周側を向く面(フレーム内周側に窪む湾曲形状の面)は、シールリップ部60が当接(摺接)する当接面55となる。
シールリップ部60は、初期状態において略C字形に形成されて、保持片54の長手方向に沿って延設される(図3(a)参照)。
シールリップ部60は、第一シールリップ61と第二シールリップ65を有する。
第一シールリップ61は、保持片54の先端側からフレーム外周側に向けて延在する部位である。第二シールリップ65は、第一シールリップ61の先端からフレーム内周側に向けて延在する部位である。
サッシュモールディング50のシールリップ部60は、フロントドア1を閉じたときに、車体パネルBのドア開口内縁Bsに当接して弾性変形する。そして、シールリップ部60が車体パネルBのドア開口内縁Bsに密着して、車体パネルBとフロントドア1の間を水密に塞ぐ。つまり、シールリップ部60は、ウェザストリップ40と同様の機能を有する。
第一シールリップ61は、保持片54の先端側から延出して、車体パネルBのドア開口内縁Bsに向けて突出する。第二シールリップ65は、第一シールリップ61の先端から延出して、サッシュモールディング50の保持片54の基端側(当接面55)に向けて突出する。
図3(b)に示すように、第一シールリップ61は、フロントドア1を閉じたとき(ドア閉時)に、フレーム外周側に膨らむ湾曲形状に弾性変形する。これにより、第一シールリップ61が車体パネルBのドア開口内縁Bsに密着して、車体パネルBとフロントドア1の間を水密に塞ぐ。
図3(b)に示すように、第二シールリップ65は、フロントドア1を閉じたとき(ドア閉時)に、フレーム内周側に膨らむ湾曲形状に弾性変形する。これにより、第二シールリップ65が保持片54の当接面55に密着して、車体パネルBとフロントドア1の間を塞ぐ。
第二シールリップ65は、保持片54の当接面55に摺接したときに、車外側に露出する面(露出面65s)が本体部51の意匠部52と略同一面上に配置される。言い換えれば、第二シールリップ65は、車体パネルBとフロントドア1の間を、溝を形成することなく、露出面65sにより略平坦に塞ぐ。
第二シールリップ65が保持片54の当接面55に密着することにより、シールリップ部60と保持片54に囲まれた空間S1が密閉される。
シールリップ部60は、本体部51の保持片54の先端から延出して車体パネルBのドア開口内縁Bsに当接する第一シールリップ61と、第一シールリップ61の先端から延出して保持片54に当接可能な第二シールリップ65と、を有する。
そして、第一シールリップ61は、車体パネルBのドア開口内縁Bsに密着して、車体パネルBとフロントドア1の間を水密に塞ぐ。また、第二シールリップ65は、保持片54に当接(摺接)して、車体パネルBとフロントドア1の間を塞ぐ。このため、フロントドア1を閉じたときに、車体パネルBとフロントドア1に溝状の空間が形成されることがない。
このとき、車体パネルBとフロントドア1の間に溝状の空間が形成されていないので、風切音が殆ど発生しない。走行風は、車体パネルBからフロントドア1へと流れるときに、乱れることなく、後方に向けて円滑に流れる。
したがって、サッシュモールディング50は、車体パネルBとフロントドア1の間における風切音の発生を防止して、高速走行時における騒音を抑制できる。
特に、車外側に位置する第二シールリップ65が車内側に巻き込まれるように弾性変形するので、第二シールリップ65の成形寸法にばらつきがあったとしても、第二シールリップ65が車体パネルBとフロントドア1の間から食み出て、車両Aの側面よりも出っ張ってしまうことがない。このため、車両Aの外観が悪化することがない。
走行風が車体パネルBからフロントドア1へと流れるときに、車両Aの側面の気圧が低下する。一方、室内側の空間S2は常圧であるため、室内側の空間S2の空気が車外に向けて吸い出される。
このため、通気孔63が存在しない場合には、室内側の空間S2の空気が第一シールリップ61をさらに弾性変形させて、車外に吸い出される場合がある。つまり、車体パネルBのドア開口内縁Bsに密着した第一シールリップ61が室内側の空間S2の空気により剥がされる。
これに対して、サッシュモールディング50では、第一シールリップ61に車外側の空間S1と車内側の空間S2を連通する通気孔63が設けられる。このため、室内側の空間S2の空気は、シールリップ部60と保持片54に囲まれた空間S1に流れ込んで、第二シールリップ65を車外側に向けて弾性変形させる。ところが、第二シールリップ65は、内部側に回巻されて当接面55に摺接しているので、車外側に向けて弾性変形したとしても、第二シールリップ65の当接面55への摺接は維持される。したがって、車内の空気が車外に吸い出されて空気吸出音が発生するもない。
図4は、本発明の第二実施形態に係るサッシュモールディング150を示す図である。
以下の説明において、第一実施形態に係るサッシュモールディング50と同一の部材には、同一の符号を付して、その説明を省略等する。
本体部151は、金属製板材により形成される。本体部151は、平板形の意匠部52と、意匠部52の幅方向の両縁を車内側に折り返した保持片53,154を有する。
保持片53,154は、本体部51の長手方向に沿って延設される。
合成樹脂157は、保持片154の基端側を厚く被覆して、意匠部52の端部よりもフレーム外周側に突出するように形成される。
合成樹脂157のうち、フレーム外周側を向く面は、フレーム内周側に窪む湾曲形状に形成される。この湾曲形状の面は、シールリップ部60が当接(摺接)する当接面155となる。つまり、合成樹脂157に形成された当接面155は、第一実施形態における当接面55と同一の機能を有する。
シールリップ部60は、第一シールリップ61と第二シールリップ65を有する。
第二シールリップ65は、フロントドア1を閉じたとき(ドア閉時)に、サッシュモールディング150の保持片154の合成樹脂157に向けて移動する。そして、第二シールリップ65の先端側が合成樹脂157の当接面155に当接し、さらに当接面155に沿って車内側に向けて摺動する。これにより、第二シールリップ65は、車内側に向けて撓むように弾性変形する。
特に、サッシュモールディング150では、本体部51の保持片53,154が対称形状であるため、サッシュモールディング150の生産性が向上する。
また、サッシュモールディング150では、シールリップ部60の第二シールリップ65が当接(摺接)する湾曲形状の当接面155が、保持片154を被覆する合成樹脂157により形成される。このため、金属製板材を用いて湾曲形状の面を形成する場合に比べて、生産性が向上する。また、第二シールリップ65が摺接しやすい面を形成することができる。
サッシュモールディング50は、走行風が横切る開閉部位であれば、適用することができる。
例えば、保持片154よりもフレーム外周側に、車内側に向けて延在する突出部を設け、この突出部にシールリップ部60を一体成形してもよい。
二つの空間S1,S2が通気孔63を介して連通して空気が行き来できればよく、通気孔63の数や形状は任意に設定することができる。
Claims (3)
- ドアサッシュのアッパー枠部に取り付けられるサッシュモールディングであって、
前記アッパー枠部の車外側を覆う意匠部と、
前記意匠部の幅方向の端部から車内側に向けて延在する突出部と、
前記突出部と一体成形され、前記突出部の先端から車外側に向けて延在して車体パネルのドア開口内縁に当接する第一シールリップと、
前記第一シールリップの先端から前記突出部に向けて延在して、ドア閉時に先端側が前記突出部に当接可能な第二シールリップと、
を備え、
前記第一シールリップは、前記突出部を被覆して、前記幅方向の内側に窪む湾曲形状の当接樹脂面を形成する樹脂部を備え、
前記第二シールリップは、前記当接樹脂面に沿って摺動することを特徴とするサッシュモールディング。 - 前記突出部は、前記アッパー枠部に係合して前記意匠部を前記アッパー枠部に対して装着させる保持片であることを特徴とする請求項1に記載のサッシュモールディング。
- 前記第一シールリップは、車外側の空間と車内側の空間を連通する通気孔を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のサッシュモールディング。
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