JP6358254B2 - カーボンナノチューブ分散液の製造方法、複合材料用組成物の製造方法および複合材料の製造方法、並びに、複合材料および複合材料成形体 - Google Patents

カーボンナノチューブ分散液の製造方法、複合材料用組成物の製造方法および複合材料の製造方法、並びに、複合材料および複合材料成形体

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Description

本発明は、カーボンナノチューブ分散液の製造方法、複合材料用組成物の製造方法、複合材料の製造方法、複合材料および複合材料成形体に関するものである。具体的には、本発明は、カーボンナノチューブ分散液の製造方法、当該カーボンナノチューブ分散液を用いた複合材料用組成物の製造方法、および、当該複合材料用組成物を用いた複合材料の製造方法に関するものである。また、本発明は、当該複合材料の製造方法により得られる複合材料、および、当該複合材料を用いて形成した複合材料成形体に関するものである。
従来、導電性や機械的特性に優れる材料として、樹脂やゴム等の高分子材料にカーボン材料を配合してなる複合材料が使用されている。そして、近年では、導電性や機械的特性の向上効果が高いカーボン材料として、カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)が注目されている。中でも、単層カーボンナノチューブ(以下「単層CNT」と称することがある。)は、高い導電性を示す繊維状の導電性フィラーであり、配合量が少量であっても複合材料の導電性や機械的特性を良好に向上させ得ることから、複合材料用のカーボン材料として特に注目されている。
ここで、複合材料の導電性や機械的特性を良好に向上させる観点からは、CNTなどのカーボン材料を高分子材料のマトリックス中に均一に分散させる必要がある。そこで、溶媒中にCNTを均一に分散させたカーボンナノチューブ分散液と、高分子材料とを混合してなる複合材料用組成物を用いて複合材料を調製することにより、高分子材料のマトリックス中にCNTが均一に分散した複合材料を得る技術が提案されている。
しかし、単層CNTなどのCNTは、比表面積が大きく、CNT同士が凝集して絡み合い易い。そのため、カーボン材料としてCNTを使用した複合材料の製造においては、CNTが均一に分散したカーボンナノチューブ分散液を効率的に調製する技術が求められている。
そこで、例えば特許文献1では、溶媒中に粗分散させたCNTを、せん断力、衝撃波、キャビテーションなどを利用して破断することにより、破断されたCNTが高度に分散したカーボンナノチューブ分散液を得る技術が提案されている。また、例えば特許文献2では、超音波ホモジナイザーを使用し、溶媒中の凝集したCNTを切断しつつ解すことにより、CNTが高度に分散したカーボンナノチューブ分散液を得る技術が提案されている。
特開2006−16222号公報 特開2010−254546号公報
しかし、CNTを積極的に破断または切断しつつ分散させる上記従来のカーボンナノチューブ分散液の製造方法では、分散処理時のCNTの損傷が大きい。そのため、得られたカーボンナノチューブ分散液を用いて調製した複合材料が、所望の導電性や機械的特性を発揮できない場合があった。
そこで、本発明は、CNTの損傷を抑制しつつ、CNTが高度に分散したカーボンナノチューブ分散液を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該製造方法を用いて製造されたカーボンナノチューブ分散液を使用した、複合材料用組成物の製造方法および複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、導電性や機械的特性に優れる複合材料および複合材料成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成することを目的として、鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、所定の比表面積を有するカーボンナノチューブは、粗分散液とした後、背圧を負荷した状態および/または分散液を冷却した状態で気泡の発生を抑制してせん断力を与えると、意外にも、キャビテーション(気泡の発生および消滅)による分散効果がなくとも均一かつ効率的に分散させることができ、そのようにして得られる分散液ではCNTに対する損傷が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のカーボンナノチューブ分散液の製造方法は、比表面積が600m2/g以上であるカーボンナノチューブを含む粗分散液にせん断力を与えてカーボンナノチューブを分散させ、カーボンナノチューブ分散液を得る工程(A)を含み、前記工程(A)では、前記カーボンナノチューブ分散液への背圧の負荷と、前記カーボンナノチューブ分散液の冷却との少なくとも一方を実施することを大きな特徴の1つとする。このように、粗分散液にせん断力を与えてカーボンナノチューブを分散させる際に、背圧を負荷するか、および/または、冷却すれば、分散液中での気泡の発生を抑制できる。その結果、CNTへの気泡の付着や、気泡の発生によるエネルギーロスを抑制して、比表面積が大きいCNTであっても、均一かつ効率的に分散させることができる。なお、CNTへの気泡の付着の抑制による分散性の向上効果は、比表面積が600m2/g以上のCNTを分散させる際に特に良好に得ることができる。また、分散液中での気泡の発生を抑制することで、キャビテーションに起因したCNTの損傷を抑制することができる。
なお、本発明において、「比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積(BET比表面積)を指す。
ここで、本発明のカーボンナノチューブ分散液の製造方法は、前記工程(A)により得られるカーボンナノチューブ分散液の背圧を多段階で降圧する工程(B)を更に含むことが好ましい。工程(A)で背圧を負荷する場合、カーボンナノチューブ分散液の背圧を多段階で降圧すれば、背圧を負荷したカーボンナノチューブ分散液を大気圧に開放する際の圧力降下により分散液中で気泡が発生するのを抑制することができるので、CNTの損傷発生を更に抑制しつつ、CNTを均一かつ効率的に分散させることができる。
そして、上述したカーボンナノチューブ分散液の製造方法により得られたカーボンナノチューブ分散液は、ラテックスなどの高分子材料含有液と混合して複合材料用組成物を製造する際に用いることができる。
また、上述のようにして得られた複合材料用組成物は、複合材料を製造する際に用いることができる。
そして、上述の複合材料用組成物を凝固させて得られた複合材料および当該複合材料を成形してなる複合材料成形体は、損傷が抑制されたCNTが均一に分散しているので、所望の性能を発揮することができる。
本発明によれば、CNTの損傷を抑制しつつ、CNTが高度に分散したカーボンナノチューブ分散液を効率的に製造する方法を提供することができる。
また、本発明によれば、当該製造方法を用いて製造されたカーボンナノチューブ分散液を使用した、複合材料用組成物の製造方法および複合材料の製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、導電性や機械的特性に優れる複合材料および複合材料成形体を提供することができる。
本発明に従う代表的なカーボンナノチューブ分散液の製造方法において使用し得る分散システムの概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明のカーボンナノチューブ分散液の製造方法は、溶媒中にCNTを均一に分散させてなるカーボンナノチューブ分散液を製造する際に用いることができる。
そして、本発明のカーボンナノチューブ分散液の製造方法を用いて製造したカーボンナノチューブ分散液は、例えば、ラテックスなどの高分子材料含有液と混合して複合材料用組成物を製造する際に用いることができる。なお、カーボンナノチューブ分散液は、ラテックス等と混合することなく、そのままの状態で導電性薄膜の形成などに使用してもよい。
また、上記複合材料用組成物は、複合材料を製造する際に用いることができる。そして、複合材料は、用途に応じて成形し、複合材料成形体としてから用いることができる。
(カーボンナノチューブ分散液の製造方法)
本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法は、比表面積が600m2/g以上であるカーボンナノチューブを含む粗分散液にせん断力を与えてカーボンナノチューブを分散させ、カーボンナノチューブ分散液を得る工程を含む。そして、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法は、粗分散液にせん断力を与えてカーボンナノチューブを分散させる際に、カーボンナノチューブ分散液に背圧を負荷するか、および/または、カーボンナノチューブ分散液を冷却することを大きな特徴の1つとする。
<粗分散液>
粗分散液は、CNTと、溶媒とを含む。そして、粗分散液は、溶媒にCNTを添加し、任意にミキサー等を用いて無加圧下で混合して得ることができるが、粗分散液の調製は、できるだけCNTに損傷を与えない処理方法を用いて行うことが好ましい。
なお、粗分散液には、任意に、分散剤などの添加剤を含有させてもよい。
[カーボンナノチューブ(CNT)]
粗分散液に分散させるCNTは、溶媒に添加する前の比表面積が600m2/g以上であることが必要である。当該CNTは、未開口のものであっても開口したものであってもよい。未開口のCNTにあっては、比表面積が800m2/g以上であることが好ましく、1,200m2/g以下であることが好ましく、1,000m2/g以下であることが更に好ましい。一方、開口したCNTにあっては、比表面積が1,300m2/g以上であることが好ましく、2,500m2/g以下であることが好ましく、2,300m2/g以下であることが更に好ましい。CNTの比表面積が600m2/g以上であれば、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法を用いてカーボンナノチューブ分散液を調製した際に、特に良好な分散性の向上効果が得られる。また、CNTの比表面積が600m2/g以上であれば、カーボンナノチューブ分散液を用いて調製した複合材料の導電性や機械的特性を良好に向上させることができる。更に、CNTの比表面積が上記範囲内にあれば、CNTの分散性を向上させることができると共に、粗分散液にせん断力を与えてカーボンナノチューブを分散させる際のCNTの損傷を十分に防止することができる。
ここで、CNTは、比表面積が600m2/g以上であるCNTであれば、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブであってもよいし、多層カーボンナノチューブであってもよい。中でも、CNTは、単層カーボンナノチューブであることが好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、カーボンナノチューブ分散液を用いて調製した複合材料の導電性や機械的特性を更に向上させることができる。
また、CNTは、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
更に、CNTは、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が1以上20以下であることが好ましい。G/D比が1以上20以下であれば、CNTの配合量が少量であっても、カーボンナノチューブ分散液を用いて調製した複合材料の導電性や機械的特性を十分に向上させることができる。
また、CNTは、平均直径(Av)に対する直径分布(3σ)の比(3σ/Av)が、0.20超0.60未満であることが好ましく、0.25超であることがより好ましく、0.50超であることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを使用すれば、CNTの配合量が少量であっても、カーボンナノチューブ分散液を用いて調製した複合材料の導電性や機械的特性を十分に向上させることができる。
なお、「直径分布(3σ)」とは、カーボンナノチューブの直径の標本標準偏差(σ)に3を乗じたものを指す。そして、「カーボンナノチューブの平均直径(Av)」および「カーボンナノチューブの直径の標本標準偏差(σ)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いてカーボンナノチューブ100本の直径を測定して求めることができる。
ここで、CNTの平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。CNTの平均直径(Av)が0.5nm以上であれば、CNTの凝集を抑制し、カーボンナノチューブ分散液中でのCNTの分散性を更に高めることができる。また、CNTの平均直径(Av)が15nm以下であれば、カーボンナノチューブ分散液を用いて調製した複合材料の機械的特性を十分に向上させることができる。
なお、上述したCNTの平均直径(Av)および直径分布(3σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
そして、CNTは、透過型電子顕微鏡を用いて100本のCNTの直径を測定し、横軸に直径、縦軸に頻度を取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
また、CNTは、合成時における構造体の長さが100μm以上5,000μm以下であることが好ましく、300μm以上2,000μm以下であることが更に好ましい。本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法を使用すれば、合成時の構造体の長さが100μm以上のCNTを使用した場合であっても、分散時のCNTの損傷発生を十分に抑制することができる。なお、合成時の構造体の長さが長いほど、分散時にCNTに破断や切断などの損傷が発生し易いので、合成時の構造体の長さは5,000μm以下であることが好ましい。
更に、CNTの重量密度は、0.002g/cm3以上0.2g/cm3以下であることが好ましい。重量密度が0.2g/cm3以下であれば、CNT同士の結びつきが弱くなるので、CNTを更に均一に分散させることができる。また、重量密度が0.002g/cm3以上であれば、CNTの一体性を向上させ、バラけることを抑制できるため取り扱いが容易になる。
なお、上述した性状を有するCNTとしては、例えば、日本国特許第4,621,896号公報(欧州特許出願公開第1787955号)、および、日本国特許第4,811,712号公報(米国特許出願公開第2009/297846号)に記載されているスーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブ(以下、「SGCNT」と称することがある。)が好ましい。
なお、スーパーグロース法とは、CVD法において、原料ガスと共に水などの触媒賦活物質を触媒に接触させることにより、触媒の活性および寿命を著しく増大させる方法である。
[溶媒]
CNTを分散させる溶媒としては、特に限定されることなく、例えば、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒およびこれらの混合溶媒、並びに、水が挙げられる。なお、溶媒としては、水と他の溶媒との混合物も用いることができる。これらの溶媒は、それぞれ単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上述した中でも、操作性やCNTの分散性の観点からは、溶媒としては、溶解性パラメータ(SP値)が8(cal/cm31/2以上の溶媒が好ましく、溶媒の溶解性パラメータは、26(cal/cm31/2以下であることが好ましい。具体的には、溶媒としては、溶解性パラメータの大きい、水(23.4)、1−メチル−2−ピロリドン(11.2)、ジメチルホルムアミド(12.1)、ジメチルスルホキシド(12.3)、ジメチルアセトアミド(10.8)、トルエン(8.9)、メタノール(14.5)、テトラヒドロフラン(9.1)、酢酸エチル(9.1)、アセトニトリル(11.9)、エチレングリコール(14.6)、メチルイソブチルケトン(8.4)およびブチルアルコール(11.4)を用いることが好ましい。なお、括弧内の数値は、溶解性パラメータの値を示している。
ここで、「溶解性パラメータ」とは凝集エネルギー密度の平方根と定義され、混合によるエントロピー変化がほとんどなく、エンタルピー変化が起こる正則な溶液をもとにHildebrandとScottにより提唱されたパラメータであり、代表的な溶媒の溶解性パラメータは「ポリマーハンドブック第3版 ワイリー−インターサイエンス社(1989年)」(Polymer Handbook 3rd Ed. Willey−Interscience,1989))に例示されている。
[添加剤]
粗分散液中に任意に配合し得る添加剤としては、特に限定されることなく、分散剤などの既知の添加剤が挙げられる。
ここで、分散剤としては、CNTの分散を補助し得る既知の分散剤を用いることができる。具体的には、溶媒が水を含む場合に好適に用いられる水系用分散剤として、例えば界面活性剤および多糖類が挙げられる。中でも界面活性剤がより好ましく、アニオン性界面活性剤がさらに好ましい。CNTの分散性と複合材料への応用性に優れるからである。また、溶媒が有機溶媒からなる場合に好適に用いられる非水系用分散剤として、例えばπ共役系高分子およびエチレン鎖を主鎖とする高分子が挙げられる。中でも、入手容易であることから、エチレン鎖を主鎖とする高分子(例えば、ポリスチレン、ポリビニルピロリドンなど)が好ましい。
[粗分散液の性状]
ここで、粗分散液中のCNTの量は、溶媒と分散剤との合計量100質量部当たり、0.1質量部以上とすることが好ましく、0.5質量部以上とすることが更に好ましく、10質量部以下とすることが好ましく、5質量部以下とすることが更に好ましい。溶媒と分散剤との合計量100質量部当たりのCNTの量を0.1質量部以上とすれば、カーボンナノチューブ分散液を用いて複合材料成形体などを製造する際の生産性を高めることができる。また、溶媒と分散剤との合計量100質量部当たりのCNTの量を10質量部以下とすれば、CNTの分散性を高めることができると共に、分散処理時にCNT同士が接触して損傷するのを抑制することができる。
また、粗分散液に分散剤として界面活性剤を配合する場合、分散剤の濃度は、臨界ミセル濃度以上であればよい。
<粗分散液中のカーボンナノチューブの分散処理>
本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法では、上述した粗分散液にせん断力を与えて粗分散液中のCNTを更に分散させ、カーボンナノチューブ分散液を調製する。そして、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法では、粗分散液中のCNTを分散させる際に、カーボンナノチューブ分散液に背圧を負荷するか、および/または、カーボンナノチューブ分散液を冷却することを必要とする。
なお、カーボンナノチューブ分散液に背圧を負荷する場合、カーボンナノチューブ分散液に負荷した背圧は、大気圧まで一気に降圧させてもよいが、多段階で降圧することが好ましい。
[分散システム]
ここで、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法では、特に限定されることなく、例えば図1に示すような構成の分散システム10を用いて粗分散液にせん断力を与え、粗分散液中のCNTを分散させることができる。
なお、以下では、図1に示す分散システム10を使用し、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法の一例を用いてカーボンナノチューブ分散液を製造する場合について説明するが、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法では、図1に示す分散システム10以外の分散システムを使用してもよい。
図1に示す分散システム10は、粗分散液を貯留するタンク1と、タンク1に貯留された粗分散液を加圧し、分散器3へと送る高圧ポンプ2と、加圧された粗分散液中のCNTを分散させる分散器3とを備えている。また、分散システム10は、分散器3で得たカーボンナノチューブ分散液を冷却する熱交換器4と、熱交換器4で冷却したカーボンナノチューブ分散液の圧力(背圧)を多段階に分けて降圧する多段降圧器5とを備えている。更に、分散システム10は、多段降圧器5で降圧されたカーボンナノチューブ分散液をタンク1へと返送する返送ライン6と、多段降圧器5で降圧されたカーボンナノチューブ分散液の流路を切り替える流路切り替え弁(三方弁)7とを備えている。
[粗分散液の加圧]
高圧ポンプ2では、粗分散液が例えば10〜400MPa、好ましくは50〜250MPaまで加圧される。そして、加圧された粗分散液は、分散器3へと送られる。
[粗分散液中のカーボンナノチューブの分散]
分散器3では、粗分散液にせん断力が与えられ、粗分散液中のCNTが分散する。そして、分散器3からは、分散器3に流入した粗分散液の圧力よりも低い圧力(背圧)のカーボンナノチューブ分散液が流出する。
具体的には、分散器3は、特に限定されることなく、粗分散液の流入側から流出側に向かって、内径がd1の分散器オリフィスと、内径がd2の分散空間と、内径がd3の終端部と(但し、d2>d3>d1である。)、を順次備えている。
そして、分散器3では、流入した高圧の粗分散液が、分散器オリフィスを通過することで、圧力の低下を伴いつつ、高流速の流体となって分散空間に流入する。また、分散空間に流入した高流速の粗分散液は、分散空間内を高速で流動し、その際にせん断力を受ける。その結果、粗分散液の流速が低下すると共に、粗分散液中のCNTが良好に分散する。そして、終端部からは、流入した粗分散液の圧力よりも低い圧力(背圧)のカーボンナノチューブ分散液が流出する。
なお、カーボンナノチューブ分散液の背圧は、カーボンナノチューブ分散液の流れに負荷をかけることでカーボンナノチューブ分散液に負荷することができ、例えば、後述する多段降圧器5を分散器3よりも下流側に配設することにより、カーボンナノチューブ分散液に所望の背圧を負荷することができる。また、分散器3は、カーボンナノチューブ分散液を冷却するための熱交換器や冷却液供給機構を備えていてもよい。
ここで、この分散器3では、粗分散液にせん断力を与えてCNTを分散させる際にカーボンナノチューブ分散液に背圧を負荷しているので、背圧を負荷しない場合と比較し、分散空間内に流入した際の圧力降下に起因する分散液中での気泡の発生を抑制することができる。その結果、キャビテーション(気泡の発生および消滅)に起因したCNTの損傷、特に、気泡が消滅する際の衝撃波に起因したCNTの損傷を抑制することができる。また、CNTへの気泡の付着や、気泡の発生によるエネルギーロスを抑制して、比表面積が大きいCNTであっても、均一かつ効率的に分散させることができる。
なお、CNTへの気泡の付着の抑制による分散性の向上効果は、比表面積が大きいCNT、特に、比表面積が600m2/g以上のCNTにおいて非常に大きい。CNTの比表面積が大きく、表面に気泡が付着し易いCNTであるほど、気泡が発生して付着した際に分散性が低下し易いからである。
なお、上述した分散器3では、CNTのサイズに対し充分大きな内径の分散器オリフィスを使用しているので、CNTの含有量が多い高濃度粗分散液(例えば、溶媒と分散剤との合計量100質量部当たり、0.5質量部以上のCNTを含有する粗分散液)を用いた場合であっても、CNTにより流路が閉塞する虞が少ない。
[カーボンナノチューブ分散液の冷却]
熱交換器4では、分散器3でせん断力を与えられて高温になったカーボンナノチューブ分散液を冷却することにより、カーボンナノチューブ分散液中で気泡が発生するのを更に抑制する。なお、熱交換器4の配設に替えて、粗分散液を予め冷却しておくことによりカーボンナノチューブ分散液中で気泡が発生するのを抑制してもよい。
[カーボンナノチューブ分散液の降圧]
多段降圧器5では、カーボンナノチューブ分散液の背圧を多段階で降圧することにより、分散システム10の出口でカーボンナノチューブ分散液を大気圧に開放した際に、カーボンナノチューブ分散液中に気泡が発生するのを抑制する。
具体的には、多段降圧器5は、特に限定されることなく、複数の降圧器を直列に接続して構成されている。そして、各降圧器は、カーボンナノチューブ分散液の流量を絞るような構成(例えば、オリフィス)を有しており、カーボンナノチューブ分散液の背圧を降圧させる。
なお、各降圧器において降圧させるカーボンナノチューブ分散液の背圧の大きさは、例えばオリフィスの内径を変更することにより調整することができる。そして、例えば下流側に向かうに従って降圧器のオリフィスの内径が小さくなるように多段降圧器を設計すれば、背圧を段階的に降圧させることができる。ここで、カーボンナノチューブ分散液中での気泡の発生を十分に抑制し、CNTの損傷発生を抑制する観点からは、背圧は、カーボンナノチューブ分散液を大気圧中に開放した際に気泡が発生しない圧力まで低下させることが好ましい。
[カーボンナノチューブ分散液の回収]
そして、多段降圧器5から排出されたカーボンナノチューブ分散液は、流路切り替え弁(三方弁)7を用いてカーボンナノチューブ分散液の流路を分散システム10の出口側に切り替えることにより、回収することができる。なお、CNTの分散が不十分な場合には、任意に、流路切り替え弁(三方弁)7を用いてカーボンナノチューブ分散液の流路を返送ライン6へと切り替え、カーボンナノチューブ分散液を循環させて再び分散処理してもよい。
以上のような構成を有する分散システムは、例えば、製品名「BERYU SYSTEM PRO」(株式会社美粒製)として市販されている分散装置を用いて構築することができる。この分散装置は、上述の、タンク1と、高圧ポンプ2と、分散器3と、熱交換器4と、を備えたものである。そして、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法は、当該分散システムの使用説明に従って適宜分散条件を設定して、実施することができる。
なお、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法に用いる分散システムとしては、分散処理時にカーボンナノチューブ分散液を冷却することにより気泡の発生を抑制する分散システムを用いてもよい。具体的には、分散システムとしては、上述した分散器3に替えて、カーボンナノチューブ分散液を冷却するための熱交換器や冷却液供給機構を有する分散器を備えており、背圧を負荷せずに粗分散液にせん断力を与えて分散処理を行う分散システムを用いてもよい。
(複合材料用組成物の製造方法)
本発明に係る複合材料用組成物の製造方法は、上述したカーボンナノチューブ分散液の製造方法により得たカーボンナノチューブ分散液と、高分子材料含有液とを混合する工程を含むことを特徴とする。なお、複合材料用組成物には、複合材料用組成物を用いて調製する複合材料の用途に応じて各種添加剤を配合してもよい。
<カーボンナノチューブ分散液>
カーボンナノチューブ分散液としては、上述したカーボンナノチューブ分散液の製造方法により得たカーボンナノチューブ分散液を使用することができる。ここで、カーボンナノチューブ分散液は、目視可能な凝集塊が存在しない、均一な分散状態であることが好ましい。
<高分子材料含有液>
CNTを分散させる溶媒として水または水とその他の溶媒との混合物を用いた場合、高分子材料含有液としてはラテックスを用いるのが好適である。
一方、CNTを分散させる溶媒として有機溶媒を用いた場合、高分子材料含有液としては、所用の有機溶媒に高分子材料を溶解してなる高分子材料溶液を用いるのが好適である。
[ラテックス]
ラテックスとしては、複合材料用組成物を用いて調製する複合材料の用途に応じた高分子材料のラテックスを用いることができる。具体的には、ラテックスとしては、ゴムまたは樹脂のラテックスを用いることができる。
ここで、ゴムラテックスとしては、特に限定されることなく、天然ゴムラテックス、合成ジエン系ゴムラテックス(ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ビニルピリジンゴム、ブチルゴムなどのラテックス)などが挙げられる。
また、樹脂ラテックスとしては、特に限定されることなく、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、シリコーン樹脂などのラテックスが挙げられる。
なお、上述したラテックスは、例えば、以下の方法を用いて調製することができる。
(1)有機溶媒に溶解した樹脂またはゴムの溶液を、界面活性剤の存在下に水中で乳化し、必要により有機溶媒を除去してラテックスを得る方法
(2)樹脂またはゴムを構成する単量体を、乳化重合もしくは懸濁重合して、直接ラテックスを得る方法
なお、ラテックス中の高分子材料成分(固形分)の濃度は、特に限定されないが、ラテックス中での均一分散性の点から、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは20〜60質量%である。
[高分子材料溶液]
高分子材料溶液は、カーボンナノチューブ分散液と相分離せずに混合可能なものであれば、特に限定されるものではない。高分子材料溶液は公知の方法に従って適宜調製される。
ここで、高分子材料溶液の有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、メタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトニトリル、エチレングリコール、メチルイソブチルケトン、ブチルアルコールおよび1−オクタノール等が挙げられる。
また、高分子材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレンおよびアクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
なお、高分子材料溶液中の高分子材料成分の濃度は、特に限定されないが、高分子材料溶液の粘性を適正に保ち、良好な操作性を確保する観点からは、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜20質量%である。
<添加剤>
添加剤としては、特に限定されることなく、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、架橋剤、顔料、着色剤、発泡剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、軟化剤、粘着付与剤、可塑剤、離型剤、防臭剤、香料などを挙げることができる。
なお、これらの添加剤は、本発明の所望の効果の発現が阻害されない限り、複合材料用組成物に配合することなく、複合材料用組成物を用いて複合材料を調製した後、溶融混練等を用いて当該複合材料に直接配合してもよい。
<複合材料用組成物の調製>
複合材料用組成物は、カーボンナノチューブ分散液と、高分子材料含有液と、任意に添加剤とを、例えば撹拌羽、磁気撹拌装置、遊星ミルなどの既知の撹拌機を用いて混合することにより、得ることができる。
ここで、カーボンナノチューブ分散液と、高分子材料含有液とを混合する際のCNTの損傷を防止しつつ、複合材料用組成物中でCNTを均一に分散させる観点からは、混合時間は、10分以上、24時間以下とすることが好ましい。
また、複合材料用組成物中のCNTの量は、高分子材料100質量部に対して、0.01質量部以上とすることが好ましく、0.1質量部以上とすることがより好ましく、0.25質量部以上とすることが更に好ましく、また、10質量部以下とすることが好ましく、7質量部以下とすることがより好ましく、5質量部以下とすることが更に好ましい。高分子材料100質量部当たりのCNTの量を0.01質量部以上とすれば、複合材料用組成物を用いて調製した複合材料に十分な導電性や機械的特性を付与することができる。また、高分子材料100質量部当たりのCNTの量を10質量部以下とすれば、CNTの損傷を防止しつつ、複合材料用組成物中でCNTを均一に分散させることができる。
(複合材料の製造方法)
本発明に係る複合材料の製造方法は、上述した複合材料用組成物を凝固させる工程を含むことを特徴とする。
<複合材料用組成物の凝固>
高分子材料含有液としてラテックスを用いた場合、複合材料用組成物は、公知のラテックスの凝固方法を準用して凝固させることができる。具体的には、複合材料用組成物を凝固させて複合材料を得る方法としては、例えば、複合材料用組成物を水溶性の有機溶媒に加える方法、酸を複合材料用組成物に加える方法、塩を複合材料用組成物に加える方法が挙げられる。
ここで、水溶性の有機溶媒としては、複合材料用組成物中の高分子材料が溶解せず、かつ、分散剤が溶解する溶媒を選択することが好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。
また、酸としては、酢酸、蟻酸、リン酸、塩酸等の、ラテックスの凝固に一般的に用いられる酸が挙げられる。
更に、塩としては、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、塩化カリウム等の、ラテックスの凝固に一般的に用いられる公知の塩が挙げられる。
一方、高分子材料含有液として高分子材料溶液を用いた場合、複合材料用組成物は、高分子材料の凝固方法として公知の再沈殿法またはスチーム凝固法を準用して凝固させることができる。
なお、複合材料用組成物を凝固させて得た複合材料は、損傷が抑制されたCNTを、高分子材料からなるマトリックス中に均一に分散させた状態で含有している。そして、当該複合材料は、任意に乾燥させた後、複合材料成形体の材料として用いることができる。
(複合材料成形体)
ここで、複合材料成形体は、上述した複合材料を、所望の成形品形状に応じた成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロール機等により成形して得ることができる。なお、複合材料成形体には、任意に架橋処理を施してもよい。
そして、上述のようにして得られた複合材料成形体では、損傷が抑制されたCNTが、高分子材料からなるマトリックス中に均一に分散しているので、優れた導電性や機械的特性が得られる。
なお、複合材料成形体は、特に限定されることなく、ホース、タイヤ、電磁波シールドの材料などとして用いることができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において使用したカーボンナノチューブは、それぞれ以下の方法で合成した。また、複合材料の導電率および皮膜の表面抵抗率は、それぞれ以下の方法を使用して評価した。
(カーボンナノチューブの合成)
<合成例1:SGCNT−1の合成>
特許第4621896号公報の記載に従い、スーパーグロース法によってSGCNT−1を得た。
具体的には次の条件において、カーボンナノチューブを成長させた。
炭素化合物:エチレン;供給速度50sccm
雰囲気(ガス):ヘリウム、水素混合ガス;供給速度1000sccm
圧力:1大気圧
水蒸気添加量:300ppm
反応温度:750℃
反応時間:10分
金属触媒:鉄薄膜;厚さ1nm
基板:シリコンウェハー
得られたSGCNT−1は、BET比表面積が1050m2/g(未開口)であり、ラマン分光光度計での測定において、単層CNTに特長的な100〜300cm-1の低波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のSGCNT−1の直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、直径分布(3σ)が1.9nm、それらの比(3σ/Av)が0.58であった。
<合成例2:SGCNT−2の合成>
合成例1の金属触媒の鉄薄膜の厚みを、5nmにした以外は同様の手法により、SGCNT−2を得た。得られたSGCNT−2は、BET比表面積が620m2/g(未開口)であり、ラマン分光光度計での測定において、単層CNTに特長的な100〜300cm-1の低周波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のSGCNT−2の直径を測定した結果、平均直径(Av)が5.9nm、直径分布(3σ)が3.3nm、それらの比(3σ/Av)が0.56であった。なお、透過型電子顕微鏡で観察したところ、SGCNT−2は二層CNTを含むCNTであった。
<合成例3:SGCNT−3の合成>
合成例1の金属触媒の鉄薄膜の厚みを、3nmにした以外は同様の手法により、SGCNT−3を得た。得られたSGCNT−3は、BET比表面積が820m2/g(未開口)であり、ラマン分光光度計での測定において、単層CNTに特長的な100〜300cm-1の低周波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のSGCNT−3の直径を測定した結果、平均直径(Av)が5.8nm、直径分布(3σ)が3.3nm、それらの比(3σ/Av)が0.57であった。
(評価方法)
<導電率>
低抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、製品名「ロレスタ(登録商標)−GP MCP−T610」)を使用し、JIS K7194に準拠した方法で以下のように測定した。
まず、調製した複合材料450mgを、真空下において、温度120℃、圧力0.4MPa、加圧時間5分の条件で真空プレス成形し、直径が約40〜60mm、厚さが100〜500μmの薄膜円盤状に成形した。その後、10mm×10mmの正方形状試験片を4個切り出し、測定サンプルとした。低抵抗率計の四端針プローブには、PSPプローブを選択した。測定サンプルを絶縁ボードの上に固定し、測定サンプルの中心位置(縦5mm横5mmの位置)にプローブを押し当て、10Vの電圧をかけ導電率を測定した。4個の測定サンプルの導電率を測定し、その平均値を複合材料の導電率とした。
<表面抵抗率>
低抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、製品名「ロレスタ(登録商標)−GP MCP−T610」)を使用し、JIS K7194に準拠した方法で以下のように測定した。
具体的には、調製した皮膜について、四端子法を用いて、温度25℃、湿度20%RHの環境で表面抵抗率を測定した。
(実施例1)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)1質量%水溶液500mLに、合成例1で得られたSGCNT−1を2.5g加え、界面活性剤としてSDBSを含有する粗分散液を得た。このSGCNT−1入り粗分散液を、分散時に背圧を負荷する多段圧力制御装置(多段降圧器)を設けた高圧ホモジナイザー(株式会社美粒製、製品名「BERYU SYSTEM PRO」)に充填し、100MPaの圧力で粗分散液の分散処理を行った。具体的には、背圧を負荷しつつ、粗分散液にせん断力を与えてSGCNT−1を分散させた。なお、分散処理は、高圧ホモジナイザーから流出した分散液を再び高圧ホモジナイザーに返送しつつ行った。
その結果、10分間の分散処理で、視認できる凝集体のないSGCNT−1分散液が得られた。
次いで、得られたSGCNT−1分散液5.8gと、0.5gのアクリロニトリル・ブタジエンゴムラテックス(日本ゼオン社製、製品名「Nipol(登録商標)1561」)とを混合して、2時間撹拌することにより複合材料用組成物を得た。その後、2−プロパノールと撹拌子とをビーカー中に入れ、撹拌状態にある2−プロパノールを準備した。そこに、作製した複合材料用組成物を徐々に添加することにより、2−プロパノール中で、クラム状の複合材料を凝固させた。その後、吸引濾過により2−プロパノールから複合材料を取り出し、真空乾燥機中(温度40℃)で、24時間以上真空乾燥することにより、0.225gの複合材料1を得た。なお、複合材料の収率(=〔(得られた複合材料の質量)/{(仕込んだゴムの質量)+(仕込んだSGCNT−1の質量)}〕×100%)は98%であった。この複合材料1を薄膜円盤状に成形した複合材料成形体は、柔軟性があるゴム状物質であり、その導電率は、3.1S/cmであった。
(実施例2)
実施例1において、高圧ホモジナイザーに充填する粗分散液を、濃度1質量%のSDBS水溶液500mLにSGCNT−1を1g加えたものに変更した以外は実施例1と同様にして分散処理を行い、SGCNT−1分散液を得た。
その結果、7分間の分散処理で、視認できる凝集体のないSGCNT−1分散液が得られた。
次いで、得られたSGCNT−1分散液2.3gと、0.5gのアクリロニトリル・ブタジエンゴムラテックス(日本ゼオン社製、製品名「Nipol(登録商標)1561」)とを混合した以外は実施例1と同様にして、複合材料2を得た。複合材料2を薄膜円盤状に成形した複合材料成形体は、柔軟性があるゴム状物質であり、その導電率は、2.81S/cmであった。
(実施例3)
実施例1で使用したSGCNT−1を、合成例2で得たSGCNT−2に変更した以外は実施例1と同様にして、SGCNT−2分散液および複合材料3を得た。なお、10分間の分散処理で、視認できる凝集体のないSGCNT−2分散液が得られた。また、得られた複合材料3を薄膜円盤状に成形した複合材料成形体は、柔軟性があるゴム状物質であり、その導電率は、3.92S/cmであった。
(実施例4)
実施例1で使用したSGCNT−1を、合成例3で得たSGCNT−3に変更した以外は実施例1と同様にして、SGCNT−3分散液および複合材料4を得た。なお、10分間の分散処理で、視認できる凝集体のないSGCNT−3分散液が得られた。また、得られた複合材料4を薄膜円盤状に成形した複合材料成形体は、柔軟性があるゴム状物質であり、その導電率は、4.00S/cmであった。
(比較例1)
高圧ホモジナイザー(株式会社美粒製、製品名「BERYU SYSTEM PRO」)に替えて、高圧湿式ジェットミル(吉田機械興業社製、製品名「B−ED」)を使用し、分散時に背圧を負荷しなかった以外は実施例2と同様にして、粗分散液の分散処理を行った。
その結果、10分以内の処理ではSGCNT−1の凝集体が残存したままであった。そこで継続して分散処理を実施し、分散処理開始から60分後に凝集塊のない比較例SGCNT−1分散液を得た。
次いで、SGCNT−1分散液を、比較例SGCNT−1分散液に変えた以外は実施例2と同様の操作により、複合材料5を得た。複合材料5を薄膜円盤状に成形した複合材料成形体は、柔軟性があるゴム状物質であり、その導電率は、0.84S/cmであった。
比較例1の複合材料成形体の導電率は、実施例2の複合材料成形体の導電率の1/3未満の値となっており、このことから、比較例1の複合材料成形体に含まれるSGCNT−1は大きく損傷していることが分かる。
(比較例2)
比較例1のSGCNT−1の添加量を、2.5gに変えた以外は、比較例1と同様の操作により分散処理を実施したところ、処理途中で高圧湿式ジェットミルが閉塞し、分散処理を実施することができなかった。
(実施例5)
1−メチル−2−ピロリドン(NMP)500mLに、合成例1で得たSGCNT−1を7.5g加え、粗分散液を得た。このSGCNT−1入り粗分散液を、分散時に背圧を負荷する多段圧力制御装置(多段降圧器)を設けた高圧ホモジナイザー(株式会社美粒製、製品名「BERYU SYSTEM PRO」)に充填し、200MPaの圧力で粗分散液の分散処理を行った。具体的には、背圧を負荷しつつ、粗分散液にせん断力を与えてSGCNT−1を分散させた。なお、分散処理は、高圧ホモジナイザーから流出した分散液を再び高圧ホモジナイザーに返送しつつ行った。
その結果、8分間の分散処理で、滑らかなペースト状の高濃度SGCNT−1分散液が得られた。
次いで、得られた高濃度SGCNT−1分散液を、ガラス板上に塗工し、80℃で4時間、160℃で8時間加熱乾燥した。その結果、均一な黒色の皮膜がガラス板上に形成され、その表面抵抗率は0.843Ω/□であった。
(実施例6)
実施例5で使用した溶媒を、1−メチル−2−ピロリドンからメチルイソブチルケトンに変え、使用するCNTをSGCNT−1から合成例2で得たSGCNT−2に変えた以外は実施例5と同様の操作により、高濃度SGCNT−2分散液を得た。
その結果、8分間の分散処理で、滑らかなペースト状の高濃度SGCNT−2分散液が得られた。
次いで、得られた高濃度SGCNT−2分散液を、ガラス板上に塗工し、80℃で4時間、160℃で8時間加熱乾燥した。その結果、均一な黒色の皮膜がガラス板上に形成され、その表面抵抗率は0.221Ω/□であった。
(実施例7)
実施例5で使用した溶媒を、1−メチル−2−ピロリドンからメチルイソブチルケトンに変え、使用するCNTをSGCNT−1から合成例3で得たSGCNT−3に変えた以外は実施例5と同様の操作により、高濃度SGCNT−3分散液を得た。
その結果、8分間の分散処理で、滑らかなペースト状の高濃度SGCNT−3分散液が得られた。
次いで、得られた高濃度SGCNT−3分散液を、ガラス板上に塗工し、80℃で4時間、160℃で8時間加熱乾燥した。その結果、均一な黒色の皮膜がガラス板上に形成され、その表面抵抗率は0.200Ω/□であった。
(比較例3)
高圧ホモジナイザー(株式会社美粒製、製品名「BERYU SYSTEM PRO」)に替えて、高圧湿式ジェットミル(吉田機械興業社製、製品名「B−ED」)を使用し、分散時に背圧を負荷しなかった以外は実施例5と同様にして、粗分散液の分散処理を実施したところ、処理途中で高圧湿式ジェットミルが閉塞し、処理を実施することができなかった。
(比較例4)
実施例5で使用したSGCNT−1をHiPCO(単層カーボンナノチューブ、Unidym社製、BET比表面積540m2/g(未開口))に替えた以外は実施例5と同様の操作により、比較例高濃度CNT分散液を得た。なお、8分間の分散処理を行って得た比較例高濃度CNT分散液には、視認できる凝集体が存在した。
次いで、得られた比較例高濃度CNT分散液を、ガラス板上に塗工し、80℃で4時間、160℃で8時間加熱乾燥したが、均一な皮膜を得ることができなかった。
実施例1〜4と比較例1、および、実施例5〜7と比較例4より、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法によれば、CNTの損傷を抑制しつつ、CNTが高度に分散したカーボンナノチューブ分散液が得られることが分かる。特に、実施例1〜4および比較例1より、本発明に係る製造方法に従い製造されたカーボンナノチューブ分散液を使用すれば、調製した複合材料および複合材料成形体が良好な導電性を発揮し得ることが分かる。また、実施例5〜7および比較例4より、本発明に係る製造方法に従い製造されたカーボンナノチューブ分散液を使用すれば、均一で導電性に優れる皮膜が得られることが分かる。
また、実施例1、5および比較例2、3より、オリフィスから噴出される液体を衝突させた際の衝撃により分散を行う通常の高圧湿式ジェットミルを使用した場合には、細管にCNTが詰まってしまうのに対し、CNTに対し充分大きな内径のオリフィスを通過させた際に生じるせん断力により分散処理を行い、且つ、オリフィスの内径が漸次減少する多段降圧器を有する高圧ホモジナイザーを使用すれば、高濃度のカーボンナノチューブ分散液を調製し得ることが分かる。
本発明によれば、CNTの損傷を抑制しつつ、CNTが高度に分散したカーボンナノチューブ分散液を効率的に製造する方法を提供することができる。
また、本発明によれば、当該製造方法を用いて製造されたカーボンナノチューブ分散液を使用した、複合材料用組成物の製造方法および複合材料の製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、導電性や機械的特性に優れる複合材料および複合材料成形体を提供することができる。
1 タンク
2 高圧ポンプ
3 分散器
4 熱交換器
5 多段降圧器
6 返送ライン
7 流路切り替え弁(三方弁)
10 分散システム

Claims (7)

  1. 比表面積が600m/g以上であるカーボンナノチューブを含む粗分散液にせん断力を与えてカーボンナノチューブを分散させ、カーボンナノチューブ分散液を得る工程(A)、および
    前記工程(A)により得られるカーボンナノチューブ分散液の背圧を多段階で降圧する工程(B)を含み、
    前記工程(A)では、前記カーボンナノチューブ分散液への背圧の負荷を実施する、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  2. 前記工程(A)で、前記カーボンナノチューブ分散液の冷却を更に実施する、請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  3. 比表面積が600m /g以上であるカーボンナノチューブを含む粗分散液にせん断力を与えてカーボンナノチューブを分散させ、カーボンナノチューブ分散液を得る工程(A)を含み、
    前記工程(A)では、前記カーボンナノチューブ分散液の冷却を実施する、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  4. 前記工程(A)で、前記カーボンナノチューブ分散液への背圧の負荷を更に実施する、請求項3に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法により得られたカーボンナノチューブ分散液と、高分子材料含有液とを混合する工程(X)を含む、複合材料用組成物の製造方法。
  6. 請求項に記載の複合材料用組成物の製造方法により得られた複合材料用組成物を凝固させる工程(Y)を含む、複合材料の製造方法。
  7. 請求項に記載の複合材料の製造方法により得られる複合材料を成形する工程を含む、複合材料成形体の製造方法
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