JP6358217B2 - 画像形成システム及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成システム及び画像形成装置に関する。
従来、用紙に画像形成を行う画像形成装置に対して、画像形成後の用紙にステープル処理、折り処理、断裁処理等を行う用紙処理装置が接続された画像形成システムが用いられている。
このような画像形成装置と用紙処理装置からなる画像形成システムにおいて、画像形成装置が、用紙処理装置で行われる所定の処理に必要となる先行紙との用紙間隔を確保したうえで、用紙処理装置に後続紙を搬送する制御技術が知られている。画像形成装置が、用紙処理装置から通知される用紙間隔以上を確保して用紙を搬送すれば、用紙の衝突等によるジャムが発生することなく、用紙処理装置側で所定の処理を実行することができる。
例えば、綴じ手段を備える後処理装置において、綴じ位置の間隔に応じて変化する綴じ手段の移動時間を考慮して、前束最終紙と次束先頭紙との用紙間隔を制御する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、後処理モードの切り換えが行われる際、変更前の後処理モードと変更後の後処理モードの組み合わせ毎に予め設定された切り換え時間に基づいて、変更前の最終紙と変更後の先頭紙との用紙間隔を制御する技術が開示されている(特許文献2参照)。
ところで、用紙処理装置により行われる処理の中には、当該処理前に準備動作が必要なものがある。用紙処理装置では、必要な準備動作を可能な限り早く行うことで、早期に画像形成装置から用紙を受け入れ可能な状態を確保し、ジャムの発生を防いでいる。
例えば、用紙処理装置において、測色計を使用して測色を行うためには、準備動作として「白色校正」と「プレ発光」を行う必要がある。「白色校正」は、測色計により校正用の白色面(校正面)を読み取って、測色計の基準値を定める処理である。「プレ発光」は、測色計において光源として用いられているLED(Light Emitting Diode)を所定時間点灯させ、光量を安定化させる処理である。
特開2000−177921号公報 特開2005−323059号公報
しかしながら、測色計を使用する場合、LEDの発熱により光量が低下するため、正常に測色するには、準備動作が完了した後一定時間内に測色を行う必要があり、一定時間を超えると、再度準備動作を行う必要がある。
画像形成装置と用紙処理装置からなる画像形成システムにおいて、測色計を使用して測色を行い、色味の質を確保しつつ画像形成を行う場合に、上記従来技術のように、準備動作として「白色校正とプレ発光」を可能な限り早く実行してしまうと、1枚目の用紙が測色計の位置に搬送されるまで測色を実行できないので、実際に測色可能な用紙の枚数が減り、生産性が低下してしまうという問題があった。
図12に、従来の画像形成システムにおいて測色を行う際の各位置での用紙の搬送の様子と測色計の状態を示す。各位置の数字は、何枚目の用紙であるかを示している。横軸は時間である。ここでは、準備動作(白色校正とプレ発光)の完了後、37秒間測色が可能となっている。
このシステムでは、画像形成装置の給紙開始位置からレジスト位置、本体排紙位置を経て測色計の位置まで用紙が搬送されるのに、16秒かかっている。また、準備動作(白色校正とプレ発光)には6秒かかるため、1枚目の用紙の給紙開始から6秒後には測色可能な状態となっているが、測色可能な時間のうち、10秒間は測色が行われず、生産性が悪かった。
また、この場合、測色可能な一定時間が終了する14枚目の用紙の測色後、再度準備動作を行う必要があり、画像形成装置では、準備動作にかかる時間分だけ15枚目の用紙の搬送を待つことになる。
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、準備動作が完了した後一定時間内に実行すべき所定の処理について、生産性を確保することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、用紙上に画像を形成する画像形成装置と、当該画像形成装置から搬送される用紙に対して所定の処理を行う処理部を有する用紙処理装置と、を備える画像形成システムであって、前記処理部は、前記所定の処理を連続して行っているか否かにかかわらず、前記所定の処理を可能とするための準備動作が完了した後一定時間内のみ前記所定の処理の実行が可能となるものであり、前記用紙処理装置は、前記所定の処理の対象となる複数枚の用紙のうち1枚目の用紙が前記処理部に到達する時に前記準備動作が完了するように、前記準備動作の開始タイミングを制御する制御部を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記処理部は、前記画像形成装置から搬送される用紙上に形成された画像を読み取るものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記処理部は、前記画像形成装置から搬送される用紙上に形成された画像を測色する測色計であり、前記準備動作は、前記測色計に対する白色校正及び前記測色計の光源のプレ発光である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記制御部は、前記1枚目の用紙が前記処理部に到達するタイミングと、前記準備動作にかかる時間と、に基づいて、前記準備動作の開始タイミングを決定する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、前記制御部は、前記画像形成装置において使用される給紙トレイ、前記画像形成装置において実施される調整の種類、用紙種類又は装置接続構成のうち少なくとも一つに基づいて、前記1枚目の用紙が前記処理部に到達するタイミングを予測する。
請求項6に記載の発明は、用紙上に画像を形成する画像形成部と、当該画像形成部から搬送される用紙に対して所定の処理を行う処理部と、を備える画像形成装置であって、前記処理部は、前記所定の処理を連続して行っているか否かにかかわらず、前記所定の処理を可能とするための準備動作が完了した後一定時間内のみ前記所定の処理の実行が可能となるものであり、前記所定の処理の対象となる複数枚の用紙のうち1枚目の用紙が前記処理部に到達する時に前記準備動作が完了するように、前記準備動作の開始タイミングを制御する制御部を備える。
本発明によれば、準備動作が完了した後一定時間内に実行すべき所定の処理について、生産性を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成システムの概略構成図である。 (a)は、用紙搬送時の測色計とその周辺の構成を示す図である。(b)は、校正時の測色計とその周辺の構成を示す図である。 画像形成システムの各装置の機能的構成を示すブロック図である。 給紙トレイ−給紙時間対応テーブルの例を示す図である。 調整種類−調整時間対応テーブルの例を示す図である。 用紙種類−画像形成時間対応テーブルの例を示す図である。 装置接続構成−搬送時間対応テーブルの例を示す図である。 測色モード−準備動作時間対応テーブルの例を示す図である。 画像形成装置において実行される処理を示すフローチャートである。 画像読取装置において実行される処理を示すフローチャートである。 画像形成システムにおいて測色を行う際の各位置での用紙の搬送の様子と測色計の状態を示す処理イメージである。 従来の画像形成システムにおいて測色を行う際の各位置での用紙の搬送の様子と測色計の状態を示す処理イメージである。
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成システムの実施の形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
図1は、画像形成システム100の概略構成図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置10と、用紙処理装置としての画像読取装置20と、中綴じ装置30と、を備える。画像形成装置10と画像読取装置20、画像読取装置20と中綴じ装置30は、相互にデータ通信可能に接続されている。
画像形成装置10は、原稿から画像を読み取って得られた画像データ、又は、外部装置から受信した画像データに基づいて、電子写真方式により用紙上にカラー画像を形成する。
画像形成装置10は、操作表示部12、スキャナー部13、画像形成部14、給紙部15、レジストローラー161、反転機構162等を備える。
操作表示部12は、表示部121及び操作部122により構成される。
表示部121は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部11(図3参照)から入力される表示信号の指示に従って各種画面を表示する。
操作部122は、表示部121の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ユーザーの操作に基づく操作信号を制御部11に出力する。
スキャナー部13は、光源、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー、A/D変換器等により構成され、光源から原稿へ照明走査した光の反射光を結像して光電変換することにより原稿の画像を読み取り、読み取った画像をA/D変換し、得られた画像データを制御部11に出力する。
画像形成部14は、スキャナー部13により得られた画像データ、又は、外部装置から受信した画像データに基づいて、給紙部15から供給された用紙上に画像を形成する。
画像形成部14は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する感光体ドラム141Y,141M,141C,141K、中間転写ベルト142、2次転写ローラー143、定着部144等を備える。
感光体ドラム141Yは、一様に帯電された後、イエロー色の画像データに基づいてレーザービームにより走査露光され、静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム141Y上の静電潜像にイエロー色のトナーが付着され、現像が行われる。
感光体ドラム141M,141C,141Kについても、扱う色が異なることを除いて、感光体ドラム141Yと同様であるため、説明を省略する。
感光体ドラム141Y,141M,141C,141K上に形成された各色のトナー像は、回転する中間転写ベルト142上に逐次転写される(1次転写)。すなわち、中間転写ベルト142上には、4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
給紙部15から供給された用紙は、レジストローラー161により画像形成位置と用紙位置とが合うように、2次転写ローラー143側に送り出される。中間転写ベルト142上のカラートナー像は、2次転写ローラー143により、用紙上に一括して転写される(2次転写)。
定着部144は、カラートナー像が転写された用紙を加熱する加熱ローラー、当該用紙を加圧する加圧ローラーを備え、加熱・加圧によりカラートナー像を用紙に定着させる。
用紙の両面に画像形成が行われる場合には、反転機構162により、用紙面が反転される。
給紙部15は、給紙トレイT1〜T8を備え、画像形成部14に用紙を供給する。各給紙トレイT1〜T8には、給紙トレイ毎に予め定められた紙種やサイズの用紙が収納されている。
画像読取装置20は、画像形成装置10から搬送される用紙に対して、必要に応じて用紙上に形成された画像を読み取る。
画像読取装置20は、ラインセンサー22、処理部としての測色計23、反転機構251等を備える。
ラインセンサー22は、主走査方向(用紙搬送方向と直交する方向であって用紙面に平行な方向)における画像形成幅全体に亘ってCCDがライン状に配列され、一次元画像を読み取るものであり、画像形成された用紙が搬送されるタイミングに合わせて読取動作を行うことで、用紙上に形成された二次元画像の画像データを取得する。ラインセンサー22は、取得された画像データを制御部21(図3参照)に出力する。ラインセンサー22は、画像形成部14により用紙上に形成された画像の位置や色、汚れ等を検査する際に用いられる。
測色計23は、所定の処理として、画像形成装置10から搬送される用紙上に形成された画像を読み取る処理を行う。測色計23は、用紙上に形成された画像から波長毎に分光反射率を検出し、画像を測色する分光測色計である。測色計23は、用紙上の画像を読み取って得られた測色データを制御部21に出力する。測色データは、画像形成装置10において、画像の色調整、ガンマ調整、トナー濃度調整等を行う際に用いられる。測色計23により読み取られる画像は、例えば、各色のカラーパッチや階調パターン等から構成されている。
図2(a)及び(b)に、測色計23とその周辺の構成を示す。
測色計23は、用紙搬送経路252に沿って設けられており、外装231の内部に、光源としてのLED232、測色素子233、レンズ234等を備える。
図2(a)に示すように、用紙搬送経路252に用紙Pが搬送される場合には、搬送面241が測色計23の読み取り面と対向するように配置される。
測色時、LED232は、用紙Pに対して光を照射する。
測色素子233は、用紙Pにおいて反射され、レンズ234を介して到達した光を受光し、波長毎の分光反射率に応じた測色値(XYZ値、L値等)を制御部21に出力する。
図2(b)に示すように、測色計23の校正を行う場合には、校正面242が測色計23の読み取り面と対向するように配置される。校正面242は、測色計23の白色の基準となる板により構成されている。
白色校正時、測色計23は、校正面242を読み取り、読み取り結果を制御部21に出力する。制御部21は、校正面242の読み取り結果に基づいて、測色計23の出力値を校正する。
測色計23において測色を可能とするためには、準備動作として、測色計23に対する白色校正と、測色計23のLED232のプレ発光と、を行う必要がある。「白色校正」は、測色計23により校正面242を読み取って、測色計23の基準値を定める処理である。「プレ発光」は、LED232を所定時間点灯させ、光量を安定化させる処理である。
測色計23は、準備動作が完了した後一定時間内のみ、測色の実行が可能となる。
搬送面241と校正面242は、モーター(駆動体)24の回転により、切り替えられる。用紙搬送時には、校正面242にゴミや傷が付かないように、搬送面241が用紙搬送経路252側に向けられる(図2(a)参照)。
用紙の両面に対して、ラインセンサー22や測色計23により画像が読み取られる場合には、反転機構251により、用紙面が反転される。
中綴じ装置30は、画像読取装置20から搬送される用紙に対して、必要に応じて中綴じ処理を行う。
中綴じ装置30は、中綴じ部32、排紙トレイT11,T12等を備える。
中綴じ部32は、用紙を中折り(二つ折り)し、中折りされた用紙を所定枚数重ね合わせて綴じることにより中綴じ冊子を作成する。
排紙トレイT11には、中綴じ部32により作成された中綴じ冊子、又は、中綴じ処理が行われずに中綴じ装置30を通過した用紙束が排出される。排紙トレイT12には、中綴じ処理が行われずに中綴じ装置30を通過した用紙束が排出される。
図3は、画像形成システム100の各装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置10は、制御部11、操作表示部12、スキャナー部13、画像形成部14、給紙部15、搬送部16、記憶部17、通信部18等を備える。なお、既に説明した機能部については、説明を省略する。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置10の各部の動作を集中制御する。
搬送部16は、用紙を搬送するための搬送ローラーを備え、給紙部15から用紙を画像形成部14に供給し、画像形成後の用紙が画像読取装置20に排出されるまで、画像形成装置10内において用紙を搬送する。また、搬送部16は、レジストローラー161、反転機構162を備える。
記憶部17は、ハードディスクやフラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置により構成され、各種データを記憶する。例えば、記憶部17には、各種設定情報が記憶される。設定情報には、用紙サイズ、用紙処理モード、使用する給紙トレイ、調整の種類、用紙種類(紙種)、装置接続構成、測色モード等が含まれる。
用紙処理モードとは、画像読取装置20、中綴じ装置30において実行される用紙処理(画像読取処理、中綴じ処理等)を示す情報である。
装置接続構成とは、画像形成装置10から画像読取装置20(準備動作が完了した後一定時間内のみの実行が可能となる所定の処理を行う用紙処理装置)までの各装置の接続状態を示す情報である。
測色モードとは、測色計23にて測色を行う際の読み取りモード(通常測色モード、高精度測色モード等)である。
通信部18は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部装置や、画像読取装置20との間でデータの送受信を行う。
制御部11は、画像読取装置20により画像を読み取って得られたデータに基づいて、画質調整を行う。例えば、制御部11は、ラインセンサー22により得られた画像データに基づいて、画像の位置ずれ、色ずれ等を補正する。また、制御部11は、測色計23により得られた測色データに基づいて、画像の色調整、ガンマ調整、トナー濃度調整等を行う。
画像読取装置20は、制御部21、ラインセンサー22、測色計23、モーター24、搬送部25、記憶部26、通信部27等を備える。なお、既に説明した機能部については、説明を省略する。
制御部21は、CPU、ROM、RAM等により構成される。CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、画像読取装置20の各部の動作を集中制御する。
モーター24は、搬送面241及び校正面242を、各面が測色計23の読み取り面と対向するように移動させる。
搬送部25は、用紙を搬送するための搬送ローラーを備え、画像形成装置10から搬入された用紙がラインセンサー22や測色計23の読み取り位置を通過し、中綴じ装置30に排出されるまで、画像読取装置20内において用紙を搬送する。また、搬送部25は、反転機構251を備える。
記憶部26は、ハードディスクやフラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置により構成され、各種データを記憶する。例えば、記憶部26には、給紙トレイ−給紙時間対応テーブル261、調整種類−調整時間対応テーブル262、用紙種類−画像形成時間対応テーブル263、装置接続構成−搬送時間対応テーブル264、測色モード−準備動作時間対応テーブル265が記憶されている。
図4に、給紙トレイ−給紙時間対応テーブル261の例を示す。給紙トレイ−給紙時間対応テーブル261には、給紙トレイT1〜T8のそれぞれに対して、給紙時間が対応付けられている。給紙時間は、給紙トレイから給紙が開始されてから、用紙先端がレジストローラー161の位置に搬送されるまでの時間である。例えば、給紙トレイT1から給紙される場合の給紙時間は、4秒である。
図5に、調整種類−調整時間対応テーブル262の例を示す。調整種類−調整時間対応テーブル262には、画像形成装置10において実施される調整の種類(調整なし、カラーレジスト調整、ガンマ調整、帯電電位調整、トナー濃度調整等)に対して、調整時間が対応付けられている。調整時間は、画像形成装置10において実施される調整にかかる時間である。例えば、画像形成装置10においてカラーレジスト調整が実施される場合の調整時間は、30秒である。
図6に、用紙種類−画像形成時間対応テーブル263の例を示す。用紙種類−画像形成時間対応テーブル263には、用紙種類(薄紙、普通紙、厚紙等)に対して、画像形成時間が対応付けられている。ここでは、画像形成時間として、用紙先端がレジストローラー161により送り出されてから、用紙先端が画像形成装置10から排出されるまでの時間を用いる。例えば、用紙種類が薄紙である場合の画像形成時間は、3秒である。
図7に、装置接続構成−搬送時間対応テーブル264の例を示す。装置接続構成−搬送時間対応テーブル264には、装置接続構成(本体直結、本体+用紙挿入装置+用紙処理装置、本体+加湿装置+用紙処理装置等)に対して、用紙処理装置までの搬送時間が対応付けられている。この搬送時間は、用紙先端が画像形成装置10(本体)から排出されてから用紙処理装置に到達するまでの時間である。本実施の形態では、搬送時間として、用紙先端が画像形成装置10から排出されてから、用紙上に形成された測色対象となる画像が画像読取装置20の測色計23により測色される位置に到達するまでの時間を用いる。例えば、画像形成装置10と画像読取装置20とが用紙挿入装置を介して接続されている場合の搬送時間は、16秒である。
図8に、測色モード−準備動作時間対応テーブル265の例を示す。測色モード−準備動作時間対応テーブル265には、測色モード(通常測色モード、高精度測色モード等)に対して、準備動作時間が対応付けられている。準備動作時間とは、準備動作にかかる時間である。例えば、通常測色モードが指定されている場合の準備動作時間は、6秒である。
通信部27は、画像形成装置10、中綴じ装置30との間でデータの送受信を行う。
制御部21は、画像形成装置10から搬送される、測色の対象となる1枚目の用紙が測色計23に到達する時に準備動作が完了するように、準備動作の開始タイミングを制御する。この際、制御部21は、画像形成装置10において使用される給紙トレイ、画像形成装置10において実施される調整の種類、用紙種類、装置接続構成に基づいて、1枚目の用紙が測色計23に到達するタイミングを予測する。そして、制御部21は、1枚目の用紙が測色計23に到達するタイミングと、準備動作にかかる時間と、に基づいて、準備動作の開始タイミングを決定する。
制御部21は、ラインセンサー22により得られた画像データや測色計23により得られた測色データを、通信部27を介して画像形成装置10に送信する。なお、画像読取装置20から画像形成装置10に送信されるデータは、画像を読み取って得られたデータそのものでなくてもよく、画像形成装置10において画質調整に利用可能なデータであればよい。
中綴じ装置30は、制御部31、中綴じ部32、搬送部33、記憶部34、通信部35等を備える。なお、既に説明した機能部については、説明を省略する。
制御部31は、CPU、ROM、RAM等により構成される。CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、中綴じ装置30の各部の動作を集中制御する。
搬送部33は、用紙を搬送するための搬送ローラーを備え、画像読取装置20から搬入された用紙が排紙トレイT11,T12に排出されるまで、中綴じ装置30内において用紙を搬送する。
記憶部34は、ハードディスクやフラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置により構成され、各種データを記憶する。
通信部35は、画像読取装置20との間でデータの送受信を行う。
次に、本実施の形態の画像形成システム100における動作について説明する。
図9は、画像形成装置10において実行される処理を示すフローチャートである。この処理は、画像形成の開始指示を契機として行われる処理であり、制御部11のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
まず、制御部11は、通信部18を介して、画像読取装置20に用紙サイズ、用紙処理モード等のデータを通知する(ステップS1)。
次に、制御部11は、画像を読み取るモードが指定されているか否かを判断する(ステップS2)。画像を読み取るモードとは、測色計23により測色を行うモードである。
画像を読み取るモードが指定されている場合には(ステップS2;YES)、制御部11は、通信部18を介して、画像読取装置20に、画像形成装置10において使用される給紙トレイ、画像形成装置10において実施される調整の種類、用紙種類、装置接続構成、測色モードを通知する(ステップS3)。
ステップS3の後、又は、ステップS2において、画像を読み取るモードが指定されていない場合には(ステップS2;NO)、通信部18は、画像読取装置20から給紙待ち要求時間を受信する(ステップS4)。給紙待ち要求時間とは、画像読取装置20や中綴じ装置30で実行される用紙処理に基づいて要求される、用紙毎の待ち時間である。ステップS4では、連続して給紙される複数の用紙のそれぞれに対する給紙待ち要求時間を受信する。
制御部11は、給紙対象となる用紙に対する給紙待ち要求時間に基づいて、画像読取装置20から要求された分だけ給紙を待つ(ステップS5)。
次に、制御部11は、給紙部15及び搬送部16を制御して、指定された給紙トレイから給紙を行わせる(ステップS6)。
次に、制御部11は、指定された調整を行う(ステップS7)。ただし、調整なしが指定されている場合には、調整は行われない。
次に、制御部11は、画像形成部14及び搬送部16を制御して、画像形成対象の画像データに基づいて、用紙上に画像を形成させる(ステップS8)。
次に、制御部11は、搬送部16を制御して、用紙を画像読取装置20側に搬送させる(ステップS9)。
ここで、制御部11は、画像形成が終了したか否かを判断する(ステップS10)。画像形成が終了していない場合には(ステップS10;NO)、制御部11は、ステップS5に戻り、処理を繰り返す。
ステップS10において、画像形成が終了した場合には(ステップS10;YES)、画像形成装置10における処理が終了する。
図10は、画像読取装置20において実行される処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部21のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
まず、通信部27は、画像形成装置10から各種データを受信する(ステップS11)。具体的には、通信部27は、ステップS1において送信された用紙サイズ、用紙処理モード等のデータを受信する。画像を読み取るモードが指定されている場合には、通信部27は、さらに、ステップS3において送信された給紙トレイ、調整種類、用紙種類、装置接続構成、測色モードを受信する。
次に、制御部21は、用紙サイズや用紙処理モードに基づいて、連続して給紙される複数の用紙のそれぞれに対する給紙待ち要求時間を算出し、通信部27を介して、画像形成装置10に給紙待ち要求時間を通知する(ステップS12)。
次に、制御部21は、画像を読み取るモードが指定されているか否かを判断する(ステップS13)。
画像を読み取るモードが指定されている場合には(ステップS13;YES)、制御部21は、準備動作の開始タイミングを決定する(ステップS14)。具体的には、1枚目の用紙が測色計23に到達するタイミングと、準備動作にかかる時間と、に基づいて、準備動作の開始タイミングを決定する。
準備動作の開始タイミングは、以下の式により求められる。
準備動作を開始するまでの待ち時間
=(給紙時間+調整時間+画像形成時間+搬送時間)−準備動作時間
(給紙時間+調整時間+画像形成時間+搬送時間)は、1枚目の用紙が給紙されてから測色計23に到達するまでの時間に相当する。すなわち、この時間は、1枚目の用紙が測色計23に到達するタイミングの予測値である。
例えば、給紙トレイT1に収納されているA3サイズの普通紙を用い、画像形成装置10における調整は実施せず、通常測色モードで測色を行う場合を例とする。また、画像形成システム100における装置接続構成は、本体(画像形成装置10)+用紙処理装置(画像読取装置20)+中綴じ装置30であり、画像読取装置20は本体と直結している。
制御部21は、給紙トレイ−給紙時間対応テーブル261(図4参照)を参照して、使用される給紙トレイに対応する給紙時間を取得する。給紙トレイT1から給紙する場合の給紙時間は、4秒である。
制御部21は、調整種類−調整時間対応テーブル262(図5参照)を参照して、画像形成装置10において実施される調整の種類に対応する調整時間を取得する。画像形成装置10において調整が実施されない場合の調整時間は、0秒である。
制御部21は、用紙種類−画像形成時間対応テーブル263(図6参照)を参照して、用紙種類に対応する画像形成時間を取得する。用紙種類が普通紙である場合の画像形成時間は、3秒である。
制御部21は、装置接続構成−搬送時間対応テーブル264(図7参照)を参照して、装置接続構成に対応する搬送時間を取得する。画像読取装置20が本体と直結している場合の搬送時間は、9秒である。
制御部21は、測色モード−準備動作時間対応テーブル265(図8参照)を参照して、測色モードに対応する準備動作時間を取得する。測色モードが通常測色モードである場合の準備動作時間は、6秒である。
上記式により、準備動作を開始するまでの待ち時間が求められる。
準備動作を開始するまでの待ち時間=(4+0+3+9)−6=10(秒)
次に、制御部21は、決定した準備動作の開始タイミングまで待機する(ステップS15)。
次に、制御部21は、白色校正及びプレ発光(準備動作)を行わせる(ステップS16)。具体的には、制御部21は、モーター24を制御し、校正面242を測色計23の読み取り面に対向させた状態で、測色計23に校正面242を読み取らせ、読み取り結果に基づいて、測色計23を校正する。また、制御部21は、測色計23のLED232を所定時間(例えば、2秒間)発光させ、LED232の光量を安定化させる。
次に、制御部21は、搬送部25を制御して、画像形成装置10から搬送される用紙を受け入れ(ステップS17)、測色計23に用紙上に形成された画像を読み取らせる(測色)(ステップS18)。制御部21は、測色により得られた測色データを、通信部27を介して画像形成装置10に送信する。
制御部21は、搬送部25を制御して、画像が読み取られた後の用紙を中綴じ装置30側に搬送させる(ステップS19)。
ここで、制御部21は、画像形成装置10における画像形成が終了したか否かを判断する(ステップS20)。
画像形成が終了していない場合には(ステップS20;NO)、制御部21は、ステップS16の準備動作(白色校正及びプレ発光)が完了してから一定時間内であるか否かを判断する(ステップS21)。
準備動作が完了してから一定時間内である場合には(ステップS21;YES)、制御部21は、ステップS17に戻り、処理を繰り返す。
ステップS21において、準備動作が完了してから一定時間を超えた場合には(ステップS21;NO)、ステップS16に戻り、制御部21は、再度準備動作を行わせる。
ステップS13において、画像を読み取るモードが指定されていない場合には(ステップS13;NO)、制御部21は、搬送部25を制御して、画像読取装置20内において用紙を中綴じ装置30側に搬送させる(ステップS22)。
ここで、制御部21は、画像形成装置10における画像形成が終了したか否かを判断する(ステップS23)。
画像形成が終了していない場合には(ステップS23;NO)、制御部21は、ステップS22に戻り、処理を繰り返す。
ステップS20において、画像形成が終了した場合(ステップS20;YES)、又は、ステップS23において、画像形成が終了した場合には(ステップS23;YES)、画像読取装置20における処理が終了する。
図11は、画像形成システム100において測色を行う際の各位置での用紙の搬送の様子と測色計の状態を示す処理イメージである。各位置の数字は、何枚目の用紙であるかを示している。横軸は時間である。ここでは、準備動作(白色校正とプレ発光)の完了後、37秒間測色が可能となっている。また、画像形成装置10における調整は、実施されないこととする(調整時間0秒)。
図11に示す例では、画像形成装置10の給紙開始位置(給紙トレイ)からレジスト位置(レジストローラー161)まで用紙を搬送するのに4秒かかっている。これは、給紙トレイT1,T2から給紙する際の給紙時間に相当する(図4参照)。
また、レジスト位置から本体排紙位置(画像形成装置10から用紙が排出される位置)まで用紙を搬送するのに3秒かかっている。これは、普通紙又は薄紙に対する画像形成時間に相当する(図6参照)。
また、本体排紙位置から測色計23の位置まで用紙を搬送するのに9秒かかっている。これは、画像読取装置20が画像形成装置10と直結している場合の搬送時間に相当する(図7参照)。
このような条件(給紙時間、画像形成時間、搬送時間)では、1枚目の用紙の給紙が開始されてから16秒後に、用紙が測色計23の位置に到達することになる。
測色モードが通常測色モードである場合には、準備動作時間は6秒であるから(図8参照)、1枚目の用紙の給紙が開始されてから白色校正を開始するまでの待ち時間は10秒となる。
図11に示すように、測色計23における白色校正の開始を給紙開始から10秒遅らせることで、画像形成装置10の給紙部15から給紙された1枚目の用紙が測色計23の位置に到達した時(給紙開始から16秒後)に、ちょうど準備動作(白色校正とプレ発光)が完了し、測色計23が測色可能な状態となる。
測色計23は、準備動作の完了後、37秒間測色が可能であるから、19枚目までの用紙を測色することができる。画像読取装置20において、19枚目の用紙の測色が終了すると、再度準備動作が必要となるため、画像形成装置10では、準備動作にかかる時間分だけ20枚目の用紙の搬送を待つことになる。
以上説明したように、画像形成システム100によれば、測色対象となる1枚目の用紙が測色計23に到達する時に測色の準備動作が完了するように、準備動作の開始タイミングを制御するので、準備動作が完了した後一定時間内に実行すべき所定の処理(測色)について、生産性を確保することができる。
具体的には、1枚目の用紙が測色計23に到達するタイミングと、準備動作にかかる時間と、に基づいて、準備動作の開始タイミングを決定するので、1枚目の用紙が測色計23に到達する時に準備動作が完了するような準備動作の開始タイミングの決定が容易になる。
また、画像形成装置10において使用される給紙トレイ、画像形成装置10において実施される調整の種類、用紙種類、装置接続構成に基づいて、給紙、調整、画像形成、画像形成後の搬送の各処理にかかる時間を考慮して、1枚目の用紙が測色計23に到達するタイミングを予測することができる。
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、画像形成装置10と、測色計23を有する画像読取装置20と、を備える画像形成システム100について説明したが、画像形成装置に測色計が内蔵されていてもよい。この場合、画像形成装置の内部に画像形成部、測色計等が備えられ、画像形成装置の制御部が、測色の対象となる1枚目の用紙が測色計に到達する時に準備動作が完了するように、準備動作の開始タイミングを制御する。
また、画像形成システム100において、画像読取装置20における準備動作を開始するまでの待ち時間を算出するのは、画像読取装置20の制御部21でなくてもよく、画像形成装置10の制御部11であってもよいし、画像読取装置20及び画像形成装置10以外の装置の制御部であってもよい。
また、上記実施の形態では、給紙トレイ、調整種類、用紙種類、装置接続構成に基づいて、1枚目の用紙が測色計23に到達するタイミングを予測する場合を例にして説明したが、給紙トレイ、調整種類、用紙種類、装置接続構成のうち少なくとも一つに基づいて、1枚目の用紙が測色計23に到達するタイミングを予測することとしてもよい。
また、上記実施の形態では、準備動作が必要な所定の処理を行う処理部として測色計23を例にして説明したが、準備動作が完了した後一定時間内のみ実行が可能となる他の処理を行うものであってもよい。
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
10 画像形成装置
11 制御部
14 画像形成部
16 搬送部
17 記憶部
18 通信部
20 画像読取装置
21 制御部
23 測色計
25 搬送部
26 記憶部
27 通信部
30 中綴じ装置
100 画像形成システム

Claims (6)

  1. 用紙上に画像を形成する画像形成装置と、当該画像形成装置から搬送される用紙に対して所定の処理を行う処理部を有する用紙処理装置と、を備える画像形成システムであって、
    前記処理部は、前記所定の処理を連続して行っているか否かにかかわらず、前記所定の処理を可能とするための準備動作が完了した後一定時間内のみ前記所定の処理の実行が可能となるものであり、
    前記用紙処理装置は、前記所定の処理の対象となる複数枚の用紙のうち1枚目の用紙が前記処理部に到達する時に前記準備動作が完了するように、前記準備動作の開始タイミングを制御する制御部を備える画像形成システム。
  2. 前記処理部は、前記画像形成装置から搬送される用紙上に形成された画像を読み取るものである請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記処理部は、前記画像形成装置から搬送される用紙上に形成された画像を測色する測色計であり、
    前記準備動作は、前記測色計に対する白色校正及び前記測色計の光源のプレ発光である請求項2に記載の画像形成システム。
  4. 前記制御部は、前記1枚目の用紙が前記処理部に到達するタイミングと、前記準備動作にかかる時間と、に基づいて、前記準備動作の開始タイミングを決定する請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  5. 前記制御部は、前記画像形成装置において使用される給紙トレイ、前記画像形成装置において実施される調整の種類、用紙種類又は装置接続構成のうち少なくとも一つに基づいて、前記1枚目の用紙が前記処理部に到達するタイミングを予測する請求項4に記載の画像形成システム。
  6. 用紙上に画像を形成する画像形成部と、当該画像形成部から搬送される用紙に対して所定の処理を行う処理部と、を備える画像形成装置であって、
    前記処理部は、前記所定の処理を連続して行っているか否かにかかわらず、前記所定の処理を可能とするための準備動作が完了した後一定時間内のみ前記所定の処理の実行が可能となるものであり、
    前記所定の処理の対象となる複数枚の用紙のうち1枚目の用紙が前記処理部に到達する時に前記準備動作が完了するように、前記準備動作の開始タイミングを制御する制御部を備える画像形成装置。
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