JP6357896B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
光半導体装置(以下、LEDとも言う)は、長寿命、低消費電力、耐衝撃性、高速応答性、軽薄短小化の実現などの特徴を有し、液晶ディスプレイ、携帯電話、情報端末などのバックライト、車載照明、屋内外広告、屋内外照明など多方面への展開が飛躍的に進んでいる。
LEDは、通常、光半導体素子上に蛍光体を含有する硬化性組成物を塗布し、これを硬化させることにより、光半導体素子を封止して製造される。
このようなLEDの封止材に用いられる硬化性組成物としては、例えば、特許文献1に、一分子中に少なくとも2個のケイ素原結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、特定の平均組成式で表されるオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒と、無機系の蛍光材(蛍光体)とを含有する硬化性シリコーン組成物が開示されている。
特開2014−62198号公報
昨今、LEDの用途拡大が進むなか、LEDの明るさ(全光束)の一層の向上が求められている。
本発明者らが特許文献1を参考に、オルガノポリシロキサンとヒドロシリル化反応用触媒と無機蛍光体とを含有する組成物を調製し、これをLEDの封止材に用いたところ、得られたLEDの全光束は昨今求められるレベルを必ずしも満たすものではないことが明らかになった。
また、LEDの全光束の向上を目的として、有機蛍光体の併用等を検討したところ、従来の無機蛍光体を含有する硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDから色座標が大きく変化してしまう場合があることが明らかになった。
そこで、本発明は、LEDの封止材に用いたときに、従来の無機蛍光体を含有する硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDから色座標が大きく変化することなく、高い全光束を示す、硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、無機蛍光体と、最大吸収波長および最大発光波長が特定の有機蛍光体とを併用することで上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン(A)と、
1分子中に、少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(B)と、
ヒドロシリル化反応用触媒(C)と、
最大吸収波長が550nm以下であり、最大発光波長が600nm以下である有機蛍光体(D)と、
無機蛍光体(E)とを含有し、
上記無機蛍光体(E)の含有量が、上記オルガノポリシロキサン(A)と上記オルガノポリシロキサン(B)と上記ヒドロシリル化反応用触媒(C)との合計100質量部に対して、0.1〜50質量部である、硬化性樹脂組成物。
(2) 上記オルガノポリシロキサン(A)が、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有し、かつ、重合度が10超である直鎖状オルガノポリシロキサンであり、
オルガノポリシロキサン(B)が、1分子中に、少なくとも3個のアルケニル基および少なくとも1個のアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサンである、上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
(3) 上記有機蛍光体(D)の熱分解温度が、250℃以上である、上記(1)または(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
(4) 上記有機蛍光体(D)が、ナフタルイミド誘導体およびペリレン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(5) 上記有機蛍光体(D)のトルエンに対する溶解度が、0.01質量%以上である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(6) 上記有機蛍光体(D)の含有量が、上記オルガノポリシロキサン(A)と上記オルガノポリシロキサン(B)と上記ヒドロシリル化反応用触媒(C)との合計100質量部に対して、0.000001〜0.3質量部である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(7) 光半導体素子封止用組成物である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
以下に示すように、本発明によれば、LEDの封止材に用いたときに、従来の無機蛍光体を含有する硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDから色座標が大きく変化することなく、高い全光束を示す、硬化性樹脂組成物を提供することができる。
以下に、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、本発明の組成物とも言う)は、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン(A)と、1分子中に、少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(B)と、ヒドロシリル化反応用触媒(C)と、最大吸収波長が550nm以下であり、最大発光波長が600nm以下である有機蛍光体(D)と、無機蛍光体(E)とを含有する。ここで、無機蛍光体(E)の含有量は、上記オルガノポリシロキサン(A)と上記オルガノポリシロキサン(B)と上記ヒドロシリル化反応用触媒(C)との合計100質量部に対して、0.1〜50質量部である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、LEDの封止材に用いたときに、従来の無機蛍光体を含有する硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDから色座標が大きく変化することなく、高い全光束を示すものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと考えられる。
すなわち、本発明の組成物では無機蛍光体に加えて、最大吸収波長および最大発光波長が特定の有機蛍光体を併用するため、無機蛍光体の波長変換が及び難い領域の光を無機蛍光体が波長変換可能な光へと変換する。そのため、無機蛍光体の波長変換領域が見掛け上拡大され、全光束が向上するものと考えらえる。ここで、上述のとおり、本発明の有機蛍光体はその最大吸収波長および最大発光波長が特定であるため、無機蛍光体の波長変換領域外への変換が少ない。結果として、本発明の組成物をLEDの封止材に用いた場合、無機蛍光体を含有する硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDから色座標が大きく変化しないものと考えられる。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。なお、本発明の組成物は均一であることが好ましい。
[オルガノポリシロキサン(A)]
本発明の組成物に含有されるオルガノポリシロキサン(A)は、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子(Si−H)を有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されない。
オルガノポリシロキサン(A)は、後述するオルガノポリシロキサン(B)のアルケニル基に対して付加反応(ヒドロシリル化反応)する。このとき、オルガノポリシロキサン(A)は、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有しているため、オルガノポリシロキサン(B)同士を架橋する架橋剤として機能し得る。
本発明の組成物は、2以上の異なるオルガノポリシロキサン(A)を含有してもよい。
オルガノポリシロキサン(A)の重量平均分子量(Mw)は、硬化物に靱性が生じやすいという理由から、500〜1,000,000が好ましく、1,000〜150,000がより好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量とは、クロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量であるものとする。
また、オルガノポリシロキサン(A)の25℃における粘度は、20〜1,000,000mPa・sが好ましく、200〜100,000mPa・sがより好ましい。
なお、本発明において、粘度とは、JIS K7117−1の4.1(ブルックフィールド形回転粘度計)に準拠し、25℃において測定されたものとする。
〔直鎖状オルガノポリシロキサン(a)〕
オルガノポリシロキサン(A)は、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有し、かつ、重合度が10超である直鎖状オルガノポリシロキサン(a)であるのが好ましい。
直鎖状オルガノポリシロキサン(a)の重合度は、色座標の変化がより小さく、また、全光束がより向上する理由から、15以上であるのが好ましく、30超であるのがより好ましく、30超1,000以下であるのがさらに好ましく、30超500以下であるのが特に好ましい。
なお、本明細書において、直鎖状オルガノポリシロキサン(a)の重合度は、その直鎖状オルガノポリシロキサン(a)におけるケイ素原子数から両末端にある2個のケイ素原子数を引いた数に等しい。
例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン(a)が後述する式(1)で表されるオルガノポリシロキサンである場合、その重合度は、式(1)中のnが示す値である。
また、直鎖状オルガノポリシロキサン(a)は、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さいことから、少なくとも1個のアリール基を有しており、ケイ素原子結合全有機基の少なくとも30モル%がアリール基であるのが好ましく、少なくとも40モル%がアリール基であるのがより好ましい。
このアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、フェニル基であるのが好ましい。
直鎖状オルガノポリシロキサン(a)中のケイ素原子に結合する基としては、例えば、脂肪族不飽和基を有さない置換または非置換の一価炭化水素基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられる。
本発明においては、硬化物が強靭性となる理由から、直鎖状オルガノポリシロキサン(a)が有するケイ素原子結合水素原子が2個のみであるのが好ましく、両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有する態様がより好ましい。
このような直鎖状オルガノポリシロキサン(a)としては、分子鎖両末端がジオルガノハイドロジェンシロキシ基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンであるのが好ましく、例えば、下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
HR SiO(R SiO)SiR H ・・・(1)
式(1)中、各Rは独立に、脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の一価炭化水素基である。Rの一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられ、なかでも、炭素数1〜18のアルキル基であるのが好ましく、メチル基(以下、「Me」で示すことがある)であるのがより好ましい。
なお、Rの少なくとも1個はアリール基であり、少なくとも30モル%はアリール基であるのが好ましく、少なくとも40モル%がアリール基であるのがより好ましい。アリール基は、炭素数6〜18のアリール基であり、フェニル基(以下、「Ph」で示すことがある)であるのが好ましい。
式(1)中、nは平均値で10超の正数であり、15以上の正数であることが好ましく、30超の正数がより好ましく、30超1,000以下の正数がさらに好ましく、30超500以下の正数が特に好ましい。
<直鎖状オルガノポリシロキサン(a)の製造方法(その1)>
直鎖状オルガノポリシロキサン(a)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、1分子中に2個以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(a1)と、ケイ素原子に結合した水素原子を有するジシロキサン(a2)とを反応させて、副生成物として水(HO)を与え、任意で当該反応により残ったシラノール基を脱水縮合することにより、上述した直鎖状オルガノポリシロキサン(a)を主生成物として得る方法が挙げられる。
このとき、例えば、H−NMRによって反応追跡を行い、オルガノポリシロキサン(a1)が有するシラノール基に由来するピークの消滅、または、反応に用いた成分以外の成分に由来するピークの出現を確認することにより、主生成物である直鎖状オルガノポリシロキサン(a)および副生成物を含む反応生成物が得られたものとして、反応終了とすることができる。
上記反応に用いられるオルガノポリシロキサン(a1)としては、例えば、下記式(2)で表されるオルガノポリシロキサンが挙げられ、また、ジシロキサン(a2)としては、例えば、下記式(3)で表されるジシロキサンが挙げられる。
HO(R SiO)H ・・・(2)
HR SiOSiR H ・・・(3)
なお、式(2)および式(3)中、Rは、上述したRと同義である。また、式(2)中、mは平均値で、上述したn以下の正数である。
上記製造方法では、例えば、式(2)のオルガノポリシロキサン(a1)が有するシラノール基の一部を、式(3)のジシロキサン(a2)に由来する−SiR Hで封鎖し、残りのシラノール基を縮合させることで、高分子化される。このため、直鎖状オルガノポリシロキサン(a)の重合度は、ジシロキサン(a2)の仕込み量に依存することになる。
上記反応における各成分の配合量比は、オルガノポリシロキサン(a1)中のシラノール基10モルに対して、ジシロキサン(a2)が0.001〜0.2モルとなる量であるのが好ましい。
上記反応は、撹拌により行われるのが好ましい。撹拌に際しては、例えば、50〜65℃の温度範囲で加熱するのが好ましく、また、撹拌時間(反応時間)は、例えば、1〜5時間であるのが好ましい。
<直鎖状オルガノポリシロキサン(a)の製造方法(その2)>
直鎖状オルガノポリシロキサン(a)の他の製造方法としては、例えば、環状メチルフェニルシロキサンオリゴマーを分子鎖末端封鎖剤(例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)と重合触媒(例えば、水酸化カリウム、カリウムジメチルシロキサノレート、水酸化テトラメチルアンモニウムまたはテトラメチルアンモニウムジメチルシロキサレート)存在下で加熱して平衡化重合し、重合触媒を中和または熱分解し、次いで、副生成物として生じ得る後述する環状オルガノシロキサン(例えば、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサンおよび1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−シクロテトラフェニルシクロテトラシロキサン)を加熱減圧下で除去することにより、製造することができる。
本発明の組成物は、色座標の変化がより小さく、また、全光束がより向上する理由から、分子量が150〜1200の環状オルガノシロキサンの含有量の合計が7.5質量%以下であるのが好ましく、実質的に含有していないのがより好ましい。そのため、直鎖状オルガノポリシロキサン(a)の製造方法としては、上述した直鎖状オルガノポリシロキサン(a)の製造方法(その1)を採用するのが好ましい。
ここで、環状オルガノシロキサンとしては、例えば、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
(R SiO2/2 ・・・(I)
式(I)中、各Rは独立に、脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の一価炭化水素基であり、上記式(1)中のRと同義であり、Rの少なくとも1個はアリール基である。
また、式(I)中、pは3〜6の整数である。
式(I)で表される化合物としては、例えば、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロトリシロキサン等が挙げられる。
[オルガノポリシロキサン(B)]
本発明の組成物に含有されるオルガノポリシロキサン(B)は、1分子中に、少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されない。
オルガノポリシロキサン(B)の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜300,000であるのが好ましく、1,000〜100,000であるのがより好ましい。
〔分岐鎖状オルガノポリシロキサン(b)〕
オルガノポリシロキサン(B)は、1分子中に、少なくとも3個のアルケニル基および少なくとも1個のアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン(b)であるのが好ましい。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられ、ビニル基(以下、「Vi」で示すことがある)であるのが好ましい。
1分子中のアルケニル基は、2〜12質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
また、分岐鎖状オルガノポリシロキサン(b)は、少なくとも1個のアリール基を有しており、ケイ素原子結合全有機基の少なくとも30モル%はアリール基であるのが好ましく、少なくとも40モル%はアリール基であるのがより好ましい。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、フェニル基であるのが好ましい。
これにより、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さくなるうえ、オルガノポリシロキサン(A)が同じくアリール基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン(a)である場合には直鎖状オルガノポリシロキサン(a)との相溶性に優れ、濁り等が抑えられ、硬化物の透明性に優れる。
分岐鎖状オルガノポリシロキサン(b)中のその他のケイ素原子に結合する基としては、例えば、アルケニル基およびアリール基を除く置換または非置換の一価炭化水素基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられ、その他少量の基として、ケイ素原子結合水酸基やケイ素原子結合アルコキシ基を有してもよい。このアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
このような分岐鎖状オルガノポリシロキサン(b)は、下記平均単位式(4)で表されるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。ここで、平均単位式は、オルガノポリシロキサンを構成する全シロキサン単位を1モルとした場合の各シロキサン単位のモル数を表したものである。
(RSiO3/2(R SiO2/2(R SiO1/2(SiO4/2(X1/2 ・・・(4)
式(4)中、各Rは独立に、置換または非置換の一価炭化水素基である。この一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数2〜18のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられる。
ただし、1分子中、Rの少なくとも3個はアルケニル基であり、アルケニル基であるRが2〜12質量%となる量が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
また、1分子中、Rの少なくとも1個はアリール基であり、全Rの少なくとも30モル%はアリール基であるのが好ましく、少なくとも40モル%はアリール基であるのがより好ましい。
式(4)中、Xは水素原子またはアルキル基である。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基が挙げられ、メチル基であるのが好ましい。
式(4)中、aは正数であり、bは0または正数であり、cは0または正数であり、dは0または正数であり、eは0または正数であり、かつ、b/aは0〜10の範囲内の数であり、c/aは0〜5の範囲内の数であり、d/(a+b+c+d)は0〜0.3の範囲内の数であり、e/(a+b+c+d)は0〜0.4の範囲内の数である。
オルガノポリシロキサン(A)のケイ素原子結合水素原子と、オルガノポリシロキサン(B)のアルケニル基とのモル比(以下、便宜的に「Si−H/Si−Viモル比」ともいう)は特に制限されないが、色座標の変化がより小さく、また、全光束がより向上する理由から、0.05〜5.0であるのが好ましく、0.1〜2.0であるのがより好ましく、0.5〜1.5であるのがさらに好ましい。
オルガノポリシロキサン(A)の含有量とオルガノポリシロキサン(B)の含有量との質量比(A/B)は特に制限されないが、色座標の変化がより小さく、また、全光束がより向上する理由から、0.05〜5.0であるのが好ましく、0.1〜2.0であるのがより好ましく、0.5〜1.5であるのがさらに好ましい。
[ヒドロシリル化反応用触媒(C)]
本発明の組成物に含有されるヒドロシリル化反応用触媒(C)は、オルガノポリシロキサン(A)と併用されて、オルガノポリシロキサン(B)のアルケニル基に対する付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進する触媒として機能する。
ヒドロシリル化反応用触媒(C)としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等が挙げられ、白金系触媒であることが好ましい。白金系触媒の具体例としては、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、塩化白金酸−アルコール配位化合物、白金のジケトン錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドロシリル化反応用触媒(C)の含有量は、触媒量であるが、本発明の組成物の硬化性が優れるという理由から、上述したオルガノポリシロキサン(A)およびオルガノポリシロキサン(B)の合計100質量部に対して、0.0000001〜0.1質量部であるのが好ましく、0.000001〜0.01質量部であるのがより好ましい。
[有機蛍光体(D)]
有機蛍光体(D)は、最大吸収波長が550nm以下であり、最大発光波長(最大放出波長)が600nm以下である有機蛍光体(蛍光を発する有機物質)であれば特に制限されない。有機蛍光体(D)は2種以上を併用してもよい。
上記最大吸収波長は350〜550nmであることが好ましく、380〜540nmであることがより好ましく、380nm以上450nm未満であることがさらに好ましい。
上記最大発光波長は380〜600nmであることが好ましく、400〜550nmであることがより好ましく、400nm以上460nm未満であることがさらに好ましい。
なお本明細書において、最大吸収波長とは、光の吸収率が最大となる吸収波長を意味する。また、最大発光波長とは、発光強度が最大となる発光波長を意味する。
有機蛍光体(D)の好適な態様としては、例えば、アリールアミン誘導体、アントラセン誘導体(フェニルアントラセン誘導体)、ペンタセン誘導体、アゾール誘導体(オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾアザトリアゾール誘導体)、チオフェン誘導体(オリゴチオフェン誘導体)、カルバゾール誘導体、ジエン系(シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体)、スチリル誘導体、(ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、スチルベン誘導体)、シロール誘導体、スピロ化合物、トリフェニルアミン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ピラゾール誘導体(ピラゾリン誘導体)、ピリジン環化合物、ピロール誘導体(ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体)、フルオレン誘導体、フェナントロリン誘導体、ピレン誘導体(フェナントレン誘導体)、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、フェニレン化合物、ローダミン類、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、ベンゾオキサジノン誘導体、キナゾリノン誘導体、キノフタロン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体などが挙げられる。なかでも、色座標の変化がより小さく、また、全光束がより向上する理由から、ナフタルイミド誘導体およびペリレン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、ナフタルイミド誘導体であることがより好ましい。
有機蛍光体(D)の熱分解温度は特に制限されないが、250℃以上であることが好ましい。なお、本明細書において、熱分解温度とは、窒素雰囲気下で熱重量分析(TGA測定)を行った場合に、質量が5質量%減少するときの温度を表す。
有機蛍光体(D)のトルエンに対する溶解度は特に制限されないが、0.01質量%以上であることが好ましい。有機蛍光体(D)のトルエンに対する溶解度が0.01質量%以上であると、本発明の組成物の製造において、有機蛍光体(D)をトルエン溶液として混合することができるため、本発明の組成物の均一性が向上する。なお、本明細書において、有機蛍光体(D)のトルエンに対する溶解度とは、25℃のトルエンに有機蛍光体(D)を飽和状態になるまで溶解させたときの、トルエンに対する有機蛍光体(D)の割合(質量%)を表す。
本発明の組成物において、有機蛍光体(D)の含有量は特に制限されないが、上記オルガノポリシロキサン(A)と上記オルガノポリシロキサン(B)と上記ヒドロシリル化反応用触媒(C)との合計100質量部に対して、0.000001〜1.0質量部であることが好ましく、0.00001〜0.3質量部であることがより好ましく、0.1〜0.2質量部であることがさらに好ましい。
[無機蛍光体(E)]
本発明の組成物に含有される無機蛍光体(E)は蛍光を発する無機物質であれば特に制限されないが、その具体例としては、LEDに広く利用されている、酸化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体、窒化物系蛍光体、硫化物系蛍光体、酸硫化物系蛍光体等からなる黄色、赤色、緑色、青色発光蛍光体が挙げられる。無機蛍光体(E)は2種以上を併用してもよい。無機蛍光体は粉状の無機蛍光粉であることが好ましい。
酸化物系蛍光体としては、セリウムイオンを包含するイットリウム、アルミニウム、ガーネット系のYAG系緑色〜黄色発光蛍光体、セリウムイオンを包含するテルビウム、アルミニウム、ガーネット系のTAG系黄色発光蛍光体、および、セリウムやユーロピウムイオンを包含するシリケート系緑色〜黄色発光蛍光体が例示される。
酸窒化物蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するケイ素、アルミニウム、酸素、窒素系のサイアロン系赤色〜緑色発光蛍光体が例示される。
窒化物系蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するカルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、ケイ素、窒素系のカズン系赤色発光蛍光体が例示される。
硫化物系としては、銅イオンやアルミニウムイオンを包含するZnS系緑色発色蛍光体が例示される。
酸硫化物系蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するY2O2S系赤色発光蛍光体が例示される。
無機蛍光体(E)の最大吸収波長は特に制限されないが、400〜1000nmであることが好ましく、420〜800nmであることがより好ましい。
無機蛍光体(E)の最大発光波長(最大放出波長)は特に制限されないが、450〜1000nmであることが好ましく、470〜800nmであることがより好ましい。
本発明の組成物において、無機蛍光体(E)の含有量は、上記オルガノポリシロキサン(A)と上記オルガノポリシロキサン(B)と上記ヒドロシリル化反応用触媒(C)との合計100質量部に対して、0.1〜50質量部である。なかでも、1〜10質量部であることが好ましい。無機蛍光体(E)の含有量が、上記オルガノポリシロキサン(A)と上記オルガノポリシロキサン(B)と上記ヒドロシリル化反応用触媒(C)との合計100質量部に対して、0.1〜50質量部の範囲から外れると色座標の変化大きくなり、また、全光束が不十分となる。
[任意成分]
〔硬化遅延剤〕
本発明の組成物は、さらに、硬化遅延剤を含有していてもよい。硬化遅延剤は、本発明の組成物の硬化速度や作業可使時間を調整するための成分であり、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールなどの炭素−炭素三重結合を有するアルコール誘導体;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インなどのエンイン化合物;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラヘキセニルシクロテトラシロキサンなどのアルケニル基含有低分子量シロキサン;メチル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン、ビニル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シランなどのアルキン含有シラン;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、硬化遅延剤の含有量は特に制限されないが、上記オルガノポリシロキサン(A)と上記オルガノポリシロキサン(B)との合計100質量部に対して、0.00001〜0.1質量部であることが好ましく、0.0001〜0.01質量部であることがより好ましい。
〔添加剤〕
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、紫外線吸収剤、充填剤(特にシリカ)、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料のような添加剤を更に含有することができる。
これらの添加剤のうち、充填剤としてシリカを用いるのが好ましい。
なお、上記シリカの種類としては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を挙げられる。
[硬化性樹脂組成物の製造方法]
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した必須成分および任意成分を混合することによって製造する方法が挙げられる。なかでも、本発明の組成物の均一性が向上する理由から、上述した有機蛍光体(D)を予めトルエンに溶解させておき、有機蛍光体(D)をトルエン溶液として混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物を硬化して硬化物を得る方法も特に限定されず、例えば、本発明の組成物を、80〜200℃、10分〜720分加熱する方法が挙げられる。
[用途]
本発明の組成物は、例えば、ディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光・電子機能有機材料、半導体集積回路周辺材料等の分野において、例えば、接着剤、プライマー、封止材等として使用できる。
とりわけ、本発明の組成物は、LEDの封止材に用いたときに、従来の無機蛍光体を含有する硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDから色座標が大きく変化することなく、高い全光束を示すことから、光半導体封止用組成物として好適に使用することができる。
本発明の組成物を適用できる光半導体は特に制限されず、例えば、発光ダイオード(LED)、有機電界発光素子(有機EL)、レーザーダイオード、LEDアレイ等が挙げられる。
光半導体封止用組成物としての本発明の組成物の使用方法としては、例えば、光半導体に本発明の組成物を付与し、本発明の組成物が付与された光半導体を加熱して本発明の組成物を硬化させる方法が挙げられる。このときシート状に硬化させてもよい。
本発明の組成物を付与し硬化させる方法は特に制限されず、例えば、ディスペンサーを使用する方法、ポッティング法、スクリーン印刷、トランスファー成形、インジェクション成形等が挙げられる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<オルガノポリシロキサン(A)の製造>
(直鎖状オルガノポリシロキサンA1)
撹拌機および還流冷却管付きのフラスコに、下記式(8)で表されるシラノール基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン100gおよびトリフルオロメタンスルホン酸0.1gを投入し、撹拌し70℃で加熱した。ポリマーが目的粘度になったところで、トルエン100gを加え、酸を水洗により除去することで、下記式(9)で表される両末端シラノールポリマーを得る。このポリマーに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン10gおよびトリフルオロメタンスルホン酸0.1gを投入、撹拌し60℃で2時間加熱した。その後トルエンを150g加え、生成した水を系外へ排出した。トルエン層を3回水洗した後、減圧濃縮することで、下記式(10)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンA1を得た。なお、直鎖状オルガノポリシロキサンA1は、「1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有し、かつ、重合度が10超である直鎖状オルガノポリシロキサン」である。
HO(MePhSiO)H ・・・(8)
HO(MePhSiO)50H ・・・(9)
HMeSiO(MePhSiO)50SiMeH ・・・(10)
(直鎖状オルガノポリシロキサンA2)
上記式(8)で表されるシラノール基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンの脱水縮合時の目的粘度を変更した以外は、上記と同様にして、下記式(11)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンA2を得た。なお、直鎖状オルガノポリシロキサンA2は、「1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有し、かつ、重合度が10超である直鎖状オルガノポリシロキサン」である。
HMeSiO(MePhSiO)180SiMeH ・・・(11)
<オルガノポリシロキサン(B)の製造>
(分岐鎖状オルガノポリシロキサンB1)
攪拌機、還流冷却管、投入口および温度計付きの四口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン21.4g、水60g、トリフルオロメタンスルホン酸0.14gおよびトルエン200gを投入して混合し、攪拌しつつフェニルトリメトキシシラン151.5gを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間加熱還流した。冷却後、下層を分離し、トルエン溶液層を3回水洗した。水洗したトルエン溶液層に5%炭酸水素ナトリウム水溶液100gを加え、攪拌しつつ75℃に昇温して1時間還流した。冷却後、下層を分離し、上層のトルエン溶液層を3回水洗した。残ったトルエン溶液層を減圧濃縮し、25℃で半固体状である下記平均単位式(17)で表されるメチルフェニルビニルポリシロキサン樹脂である分岐鎖状オルガノポリシロキサンB1を得た。なお、分岐鎖状オルガノポリシロキサンB1は、「1分子中に、少なくとも3個のアルケニル基および少なくとも1個のアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン」である。
(ViMeSiO1/20.22(PhSiO3/20.78 ・・・(17)
<硬化性樹脂組成物の調製>
上述した直鎖状オルガノポリシロキサンA1(50質量部)と、上述した直鎖状オルガノポリシロキサンA2(50質量部)と、上述した分岐鎖状オルガノポリシロキサンB1(160質量部)と、ヒドロシリル化反応用触媒として白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(商品名:3%Pt−VTS−VTS、エヌ・イーケムキャット社製)(0.00001質量部)と、硬化遅延剤として3−メチル−1−ブチン−3−オール(東京化成工業社製)(0.001質量部)とを混合した。この混合物を100質量部として、さらに下記第1表に示される有機蛍光体のトルエン溶液(濃度:0.1質量%)(有機蛍光体として下記第1表に示される量(質量部))と、無機蛍光体としてYAG0902(YAG系蛍光体、ネモト・ルミマテリアル社製)(8質量部)とを配合し、真空攪拌機で均一に混合して硬化性樹脂組成物(参考例、実施例および比較例の硬化性樹脂組成物)を調製した。なお、参考例1では有機蛍光体を配合しなかった。また、比較例1では有機蛍光体および無機蛍光体を配合しなかった。また、比較例2では無機蛍光体を配合しなかった。
<評価用サンプルの作製>
得られた硬化性樹脂組成物を、ディスペンサーを用いて、LEDパッケージ(リフレクタ:PPA(ポリフタルアミド))に注入した。その後、加熱して、硬化性樹脂組成物を硬化させ、評価用サンプルを作製した。
<全光束の評価>
得られた評価用サンプルについて、電流20mAにおける全光束[lm]を測定した。結果を第1表に示す(全光束)。結果は参考例1の全光束を1.000とする相対値で表した。実用上、全光束は1.000よりも高いことが好ましい。
<色座標の評価>
得られた評価用サンプルについて、電流20mAにおける色座標(x、y)を測定した。そして、参考例1の色座標(x、y)からのずれを算出し、xとyともにずれが3%以内である場合を「A」、xとyともにずれが±5%以内である場合(ただし、xとyともにずれが±3%以内の場合を除く)を「B」、xとyの少なくとも一方のずれが±5%超である場合を「C」として評価した。結果を第1表に示す(色座標)。従来の無機蛍光体を含有する硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDから色座標が大きく変化しないという観点から、「A」または「B」であることが好ましく、「A」であることがより好ましい。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。なお、有機蛍光体D1〜D3の熱分解温度はいずれも250℃以上であった。また、有機蛍光体D1〜D3のトルエンに対する溶解度はいずれも0.01質量%以上であった。なお、有機蛍光体D1〜D3は上述した有機蛍光体(D)に該当し、有機蛍光体X1は上述した有機蛍光体(D)に該当しない。
・有機蛍光体D1:Lumogen F Violet 570(ナフタルイミド誘導体、最大吸収波長:378nm、最大発光波長:413nm、BASF社製)
・有機蛍光体D2:103(最大吸収波長:443nm、最大発光波長:363nm、昭和化学工業社製)
・有機蛍光体D3:SC−200(最大吸収波長:380nm、最大発光波長:444nm、日本化学工業所社製)
・有機蛍光体X1:Lumogen F Red 305(ペリレン誘導体、最大吸収波長:578nm、最大発光波長:613nm、BASF社製)
・無機蛍光体E1:YAG0902(YAG系蛍光体、ネモト・ルミマテリアル社製)
第1表から分かるように、有機蛍光体(D)と無機蛍光体(E)とを併用する本願実施例の硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDは、無機蛍光体(E)のみを含有する参考例1の硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDから色座標が大きく変化することなく、高い全光束を示した。
実施例1と2との対比から、有機蛍光体(D)の含有量が上記オルガノポリシロキサン(A)と上記オルガノポリシロキサン(B)と上記ヒドロシリル化反応用触媒(C)との合計100質量部に対して0.1質量部以上である実施例1はより高い全光束を示した。
一方、有機蛍光体(D)以外の蛍光体と無機蛍光体(E)とを併用した比較例3の硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDは、無機蛍光体(E)のみを含有する参考例1の硬化性樹脂組成物を封止材に用いたLEDから色座標が大きく変化し、また、全光束も不十分であった。

Claims (6)

  1. 1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン(A)と、
    1分子中に、少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(B)と、
    ヒドロシリル化反応用触媒(C)と、
    最大吸収波長が550nm以下であり、最大発光波長が600nm以下である有機蛍光体(D)と、
    無機蛍光体(E)とを含有し、
    前記有機蛍光体(D)の含有量が、前記オルガノポリシロキサン(A)と前記オルガノポリシロキサン(B)と前記ヒドロシリル化反応用触媒(C)との合計100質量部に対して、0.000001〜1.0質量部であり、
    前記無機蛍光体(E)の含有量が、前記オルガノポリシロキサン(A)と前記オルガノポリシロキサン(B)と前記ヒドロシリル化反応用触媒(C)との合計100質量部に対して、0.1〜50質量部である、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記オルガノポリシロキサン(A)が、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有し、かつ、重合度が10超である直鎖状オルガノポリシロキサンであり、
    オルガノポリシロキサン(B)が、1分子中に、少なくとも3個のアルケニル基および少なくとも1個のアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサンである、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記有機蛍光体(D)の熱分解温度が、250℃以上である、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記有機蛍光体(D)が、ナフタルイミド誘導体およびペリレン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記有機蛍光体(D)のトルエンに対する溶解度が、0.01質量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 光半導体素子封止用組成物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
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