JP2017119848A - 有機ケイ素化合物、該有機ケイ素化合物を含む熱硬化性組成物、および光半導体用封止材料 - Google Patents
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- SNTJJNOVXFYVDO-UHFFFAOYSA-N CC(C)(C(C)(CC1)[Si+]1(C)O[Si+](C)(C)C=C)O[Si+](C(C1)O[Si+](C)(C)C=C)(c2c1cccc2)c1ccccc1 Chemical compound CC(C)(C(C)(CC1)[Si+]1(C)O[Si+](C)(C)C=C)O[Si+](C(C1)O[Si+](C)(C)C=C)(c2c1cccc2)c1ccccc1 SNTJJNOVXFYVDO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
【課題】 表面平滑性に優れ、蛍光体の凝集が少なく、蛍光体が均一に分散した、屈折率が高い硬化物、および色ばらつきの少ない光半導体装置を提供する。【解決手段】 フェニル基を有するダブルデッカー型のポリシルセスキオキサン骨格に、ヒドロシリル化反応しうるSiH官能基を持たせて、2重結合を有するアルケニル官能基を持ったシリコーン樹脂と反応させ熱硬化樹脂組成物とした場合に、化学結合により樹脂強度や密着性を高めて、表面平滑性あるいは蛍光体の分散材として寄与させ、屈折率が1.48以上の樹脂との相溶性を向上させるような化合物を用いる熱硬化性樹脂組成物とする。【選択図】 なし
Description
表面平滑性に優れ、蛍光体の凝集が少なく、蛍光体が均一に分散した、屈折率が高い硬化物、および色ばらつきの少ない光半導体装置を提供する。
白色LEDが照明等の用途に用いられてきているが、大出力化に伴いLEDパッケージの発熱が問題となっている。また、エポキシ樹脂を封止材料に用いた場合には、その発熱による黄変が避けられなくなっているため、エポキシ樹脂に変わってシリコーン樹脂が白色LEDの封止材料に用いられてきている。LEDに用いられるシリコーン樹脂はフェニルシリコーン樹脂とメチルシリコーン樹脂との2種類に大きく分けられる。
フェニルシリコーン樹脂は、屈折率が高く光の取り出し効率が良いことと、ガスバリア性が高い理由から、多くのLEDパッケージで使用されている。一方で、フェニルシリコーン樹脂は、温度に対する粘度変化が大きいため、蛍光体を分散させた樹脂を硬化させた際の粘度低下が大きく、蛍光体の沈降や、蛍光体粒子同士の凝集が起きやすく、さらには、硬化後の表面平滑性が悪いという問題があった。そのため、色のバラつきや輝度のバラつきが生じる問題を有していた。
表面平滑性を改善するために、シリコーン系またはフッ素系のレベリング材を添加混合することでベナールセルの発生を抑え、表面平滑性を改善している(特許文献1を参照)。
また、表面平滑性や蛍光体の凝集を抑制するために、分子量が1000〜3000のジメチルシリコーンを分子鎖内部に持った両末端ジフェニルビニルのシリコーン化合物を添加混合することで同問題を改善している(特許文献2を参照)。
しかしながら、特許文献1にある市販で得られるシリコーン系あるいはフッ素系のレベリング材では、表面平滑を抑制するには不十分で、ベナールセルの抑制効果はあるものの、表面の波打ちが残る問題を有していた。また、これらの市販のレベリング材は、フェニルシリコーン樹脂に対して相溶性が良いとは言えず、硬化後の透過率が下がる問題も有していた。
また、特許文献2にある分子量が1000〜3000のジメチルシリコーンを分子鎖内部に持った両末端ジフェニルビニルのシリコーン化合物は、全体の分子量が短く、ある一定の効果は予想されるも表面平滑性を出すには十分ではない。
表面平滑性に優れ、蛍光体粒子の同士の凝集が起こりにくく、蛍光体の分散性に優れた熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた物品を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、両末端にビニル基を有する分子量が1500以上のオルガノポリシロキサンと分子量が1000以下のオルガノポリシロキサンコーンとをSiH基を有するシルセスキオキサンと反応させた有機ケイ素化合物が上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
また、本発明の有機ケイ素化合物を主配合成分として用いた組成物を硬化させてなる硬化物が、非常に優れた耐熱性を有することを見出した。
また、本発明の有機ケイ素化合物を主配合成分として用いた組成物を硬化させてなる硬化物が、非常に優れた耐熱性を有することを見出した。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1. 式(1)で表される化合物。
式(1)において、
Xは独立して、式(X−I)、式(X−II)、式(X−III)、または式(X−IV)で表される基であり、式(X−I)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(X−I)で表される基と、式(X−II)、式(X−III)、および式(X−IV)で表される基の割合とが異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の、式(X−I)で表される基の数をA、式(X−II)で表される基の数をB、式(X−III)で表される基の数をC、式(X−IV)で表される基の数をDとした場合に、A+2B+2C+2D=4であり、0.5≦A≦3.0であり、0.1<2B<2.0であり、0<2C<2.0であり、かつ0≦2D≦1.0であり;
R1は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
nは1〜100を満たす平均値である。
1. 式(1)で表される化合物。
式(1)において、
Xは独立して、式(X−I)、式(X−II)、式(X−III)、または式(X−IV)で表される基であり、式(X−I)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(X−I)で表される基と、式(X−II)、式(X−III)、および式(X−IV)で表される基の割合とが異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の、式(X−I)で表される基の数をA、式(X−II)で表される基の数をB、式(X−III)で表される基の数をC、式(X−IV)で表される基の数をDとした場合に、A+2B+2C+2D=4であり、0.5≦A≦3.0であり、0.1<2B<2.0であり、0<2C<2.0であり、かつ0≦2D≦1.0であり;
R1は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
nは1〜100を満たす平均値である。
式(X−II)において、
R2およびR3は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
rは−OSi(R3)2−の繰り返しの数であり、20〜1000を満たす平均値である。
式(X−III)において、
R4およびR5は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
sは−OSi(R5)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値である。
式(X−IV)において、
R6およびR7は炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルであり、2つのR7のうちの少なくとも一つはフェニルであり;
tは−OSi(R7)2−の繰り返しの数であり、1〜1000を満たす平均値である。
2. 項1に記載の式(1)で表される化合物を含有し、熱硬化で得られる硬化物の屈折率が1.48以上である熱硬化性樹脂組成物。
3. 以下の(A)、(B)、(C)、および(D)を含有する熱硬化性樹脂組成物。
(A) SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとの反応物であって、SiH基とアルケニル基とを含む熱硬化性樹脂。
(B) アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン化合物。
(C) 項1に記載の式(1)で表される化合物。
(D) ヒドロシリル化反応触媒。
(A) SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとの反応物であって、SiH基とアルケニル基とを含む熱硬化性樹脂。
(B) アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン化合物。
(C) 項1に記載の式(1)で表される化合物。
(D) ヒドロシリル化反応触媒。
4. (A)におけるシルセスキオキサンがダブルデッカー型シルセスキオキサンである項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
5. さらに、(E)、(F)、および(G)から選択される少なくとも1つを含有する項3または項4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(E) SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとアルケニル基を有するエポキシ化合物とアルケニル基を有するシリル化合物とを反応させることにより得られる、SiH基を有する熱硬化性樹脂。
(F) SiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物。
(G) エポキシ基を有するシランカップリング剤。
(E) SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとアルケニル基を有するエポキシ化合物とアルケニル基を有するシリル化合物とを反応させることにより得られる、SiH基を有する熱硬化性樹脂。
(F) SiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物。
(G) エポキシ基を有するシランカップリング剤。
6. (A)が、式(2)で示される化合物である項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
式(2)において、
X’は独立して、式(X’−I)、式(X’−II)、または式(X’−III)で表される基であり、式(1)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(X’−I)で表される基と式(X’−II)で表される基と式(X’−III)で表される基の割合が異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の式(X’−I)で表される基の数をA’、式(X’−II)で表される基の数をB’、式(X’−III)で表される基の数をC’とした場合に、A’+2B’+C’=4であり、0<A’≦3であり、0≦B’≦1であり、0<C’≦3であり;
R1’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルかであり;
mは1〜100を満たす平均値である。
式(X’−II)において、
R2’およびR3’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
r’は−OSi(R3’)2−の繰り返しの数であり、2〜20を満たす平均値である。
式(X’−III)において、
R4’およびR5’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
s’は−OSi(R5’)2−の繰り返しの数であり、2〜20を満たす平均値であり;
R0は炭素数2〜5の1つの二重結合を有する不飽和炭化水素基であり、R0’は、R0と同じ炭素数である飽和炭化水素基である。
式(2)において、
X’は独立して、式(X’−I)、式(X’−II)、または式(X’−III)で表される基であり、式(1)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(X’−I)で表される基と式(X’−II)で表される基と式(X’−III)で表される基の割合が異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の式(X’−I)で表される基の数をA’、式(X’−II)で表される基の数をB’、式(X’−III)で表される基の数をC’とした場合に、A’+2B’+C’=4であり、0<A’≦3であり、0≦B’≦1であり、0<C’≦3であり;
R1’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルかであり;
mは1〜100を満たす平均値である。
式(X’−II)において、
R2’およびR3’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
r’は−OSi(R3’)2−の繰り返しの数であり、2〜20を満たす平均値である。
式(X’−III)において、
R4’およびR5’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
s’は−OSi(R5’)2−の繰り返しの数であり、2〜20を満たす平均値であり;
R0は炭素数2〜5の1つの二重結合を有する不飽和炭化水素基であり、R0’は、R0と同じ炭素数である飽和炭化水素基である。
7. (B)が式(3)で表される化合物である項3〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
式(3)において、
R8およびR9は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
nは、−OSi(R9)2−の繰り返しの数であり、1〜50を満たす平均値である。
式(3)において、
R8およびR9は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
nは、−OSi(R9)2−の繰り返しの数であり、1〜50を満たす平均値である。
8. (E)が、式(E1)で表される化合物である項3〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
式(E1)において、
X’’は独立して、式(a)、式(b)、式(c−i)、式(c−ii)、式(c−iii)、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基であり、式(E1)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(a)で表される基と、式(b)、式(c−i)、式(c−ii)、式(c−iii)、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基の割合とが異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の、式(a)で表される基の数をA’’、式(b)で表される基の数をB’’、式(c−i)、式(c−ii)、または式(c−iii)で表される基の数をC’’、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基の数をD’’とした場合に、A’’+2B’’+C’’+D’’=4であり、0.5≦A’’≦3.0であり、0.5≦2B’’≦2.0であり、0.1≦C’’≦2.0であり、0≦D’’≦1.0であり;
R1’’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
lは1〜100を満たす平均値である。
式(b)において、
R2’’およびR3’’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
tは−OSi(R3’’)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。
式(d−i)におけるR4’’、式(d−ii)におけるR4’’’、および式(d−iii)におけるR4 ’’ ’’は独立して、メチル、エチル、ブチル、またはイソプロピルであり;
式(d−ii)におけるxは、−OSi(R4’’’)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値であり;
式(d−iii)におけるyは、−OSi(R4’’ ’’)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値であり;
式(d−iii)におけるR0は炭素数2〜5の1つの二重結合を有する不飽和炭化水素基である。
式(E1)において、
X’’は独立して、式(a)、式(b)、式(c−i)、式(c−ii)、式(c−iii)、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基であり、式(E1)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(a)で表される基と、式(b)、式(c−i)、式(c−ii)、式(c−iii)、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基の割合とが異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の、式(a)で表される基の数をA’’、式(b)で表される基の数をB’’、式(c−i)、式(c−ii)、または式(c−iii)で表される基の数をC’’、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基の数をD’’とした場合に、A’’+2B’’+C’’+D’’=4であり、0.5≦A’’≦3.0であり、0.5≦2B’’≦2.0であり、0.1≦C’’≦2.0であり、0≦D’’≦1.0であり;
R1’’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
lは1〜100を満たす平均値である。
式(b)において、
R2’’およびR3’’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
tは−OSi(R3’’)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。
式(d−i)におけるR4’’、式(d−ii)におけるR4’’’、および式(d−iii)におけるR4 ’’ ’’は独立して、メチル、エチル、ブチル、またはイソプロピルであり;
式(d−ii)におけるxは、−OSi(R4’’’)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値であり;
式(d−iii)におけるyは、−OSi(R4’’ ’’)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値であり;
式(d−iii)におけるR0は炭素数2〜5の1つの二重結合を有する不飽和炭化水素基である。
9. 式(E1)において、R1’’がメチルであり、lが1〜25を満たす平均値であり、Xは独立して、式(a)、式(b)、式(c−i)、または式(d−i)で表される基である項8に記載の熱硬化性樹脂組成物。
10. (F)が式(5)または式(6)で表される化合物である項3〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
式(5)において
R10及びR11は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
Tは−OSi(R11)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。
式(6)において
R12は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
R13は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
Uは−OSi(R13)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。
式(5)において
R10及びR11は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
Tは−OSi(R11)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。
式(6)において
R12は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
R13は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
Uは−OSi(R13)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。
11. 熱硬化性樹脂組成物全量基準で、(A)の配合割合が50〜95質量%であり、(B)の配合割合が0.1〜20質量%であり、(C)の配合割合が0.01〜50%であり、(D)の配合割合が0.001ppm〜10ppmである項3〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
12. 熱硬化性樹脂組成物全量基準で、(A)の配合割合が5〜50質量%であり、(B)の配合割合が1〜25質量%であり、(C)の配合割合が50〜65%であり、(D)の配合割合が0.001ppm〜10ppmである項3〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
13. 熱硬化性樹脂組成物全量基準で、(E)の配合割合が0〜10質量%であり、(F)の配合割合が0〜20質量%であり、(G)の配合割合が0〜5質量%である項5〜12に記載の熱硬化性樹脂組成物。
14. さらに蛍光体を含む項2〜13のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
15. さらにシリカまたは金属酸化物を含む項2〜14のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物
16. 項2〜15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を成型して得られるプリプレグ。
17. 項2〜15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物、または項16に記載のプリプレグを硬化させて得られる硬化物。
18. 項2〜15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物、または項16に記載のプリプレグを含有する光半導体用組成物。
19. 項18に記載の光半導体用組成物を封止剤として含む光半導体発光素子または光半導体受光素子
20. 塗膜状またはシート状であり、厚みが0.1μm〜3,000μmである、項17に記載の硬化物。
本発明の有機ケイ素化合物を、ヒドロシリル化反応触媒を有する屈折率が1.48以上のフェニルシリコーン樹脂熱硬化性樹脂組成物に含有させることにより、その硬化物の表面平滑性が優れたものになる。また、さらに蛍光体を含ませた場合には、蛍光体凝集度合いが非常に少ない硬化物となり得る。
また、本発明の有機ケイ素化合物を主配合成分として用いることにより、耐熱性が良い硬化物を与える組成物を得ることができる。
また、本発明の有機ケイ素化合物を主配合成分として用いることにより、耐熱性が良い硬化物を与える組成物を得ることができる。
<本発明の有機ケイ素化合物>
本発明の有機ケイ素化合物は、式(1)で表される。
式(1)において、
Xは独立して、式(X−I)、式(X−II)、式(X−III)、または式(X−IV)で表される基であり、式(X−I)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(X−I)で表される基と、式(X−II)、式(X−III)、および式(X−IV)で表される基の割合とが異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の、式(X−I)で表される基の数をA、式(X−II)で表される基の数をB、式(X−III)で表される基の数をC、式(X−IV)で表される基の数をDとした場合に、A+2B+2C+2D=4であり、0.5≦A≦3.0であり、0.1<2B<2.0であり、0<2C<2.0であり、かつ0≦2D≦1.0であり;
R1は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
nは1〜100を満たす平均値である。
本発明の有機ケイ素化合物は、式(1)で表される。
式(1)において、
Xは独立して、式(X−I)、式(X−II)、式(X−III)、または式(X−IV)で表される基であり、式(X−I)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(X−I)で表される基と、式(X−II)、式(X−III)、および式(X−IV)で表される基の割合とが異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の、式(X−I)で表される基の数をA、式(X−II)で表される基の数をB、式(X−III)で表される基の数をC、式(X−IV)で表される基の数をDとした場合に、A+2B+2C+2D=4であり、0.5≦A≦3.0であり、0.1<2B<2.0であり、0<2C<2.0であり、かつ0≦2D≦1.0であり;
R1は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
nは1〜100を満たす平均値である。
式(X−II)において、
R2およびR3は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
rは−OSi(R3)2−の繰り返しの数であり、20〜1000を満たす平均値である。
式(X−III)において、
R4およびR5は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
sは−OSi(R5)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値である。
式(X−IV)において、
R6およびR7は炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルであり、2つのR7のうちの少なくとも一つはフェニルであり;
tは−OSi(R7)2−の繰り返しの数であり、1〜1000を満たす平均値である。
ここで、構成部位の役割について述べる。
式(1)で表される化合物は、フェニル基を有するダブルデッカー型のポリシルセスキオキサン骨格を有し、式(X−I)で示されるSiH官能基を持たせ、式(X−II)と式(X−III)と式(X−IV)を連結させた共重合体を形成させるベースとなるものである。
式(X−I)で表される部位は、ヒドロシリル化反応しうるSiH官能基であり、2重結合を有するアルケニル官能基を持ったシリコーン樹脂と反応させ熱硬化樹脂組成物とした場合に、化学結合により樹脂強度や密着性を高める役割を有する。
式(X−II)で表される部位は、本発明の表面平滑性あるいは蛍光体の分散材として寄与する。
式(X−III)と式(X−IV)で表される部位は、屈折率が1.48以上の樹脂との相溶性を向上するための成分として用いる。
本発明の有機ケイ素化合物の好ましい屈折率は、1.46〜1.50の範囲であり、より好ましい屈折率は1.47〜1.49の範囲である。
式(1)で表される化合物は、フェニル基を有するダブルデッカー型のポリシルセスキオキサン骨格を有し、式(X−I)で示されるSiH官能基を持たせ、式(X−II)と式(X−III)と式(X−IV)を連結させた共重合体を形成させるベースとなるものである。
式(X−I)で表される部位は、ヒドロシリル化反応しうるSiH官能基であり、2重結合を有するアルケニル官能基を持ったシリコーン樹脂と反応させ熱硬化樹脂組成物とした場合に、化学結合により樹脂強度や密着性を高める役割を有する。
式(X−II)で表される部位は、本発明の表面平滑性あるいは蛍光体の分散材として寄与する。
式(X−III)と式(X−IV)で表される部位は、屈折率が1.48以上の樹脂との相溶性を向上するための成分として用いる。
本発明の有機ケイ素化合物の好ましい屈折率は、1.46〜1.50の範囲であり、より好ましい屈折率は1.47〜1.49の範囲である。
本発明の式(1)で表される有機ケイ素化合物は、式(1−a)で表される化合物(シルセスキオキサン誘導体)と式(1−b)、式(1−c)または式(1−d)で表される化合物(両末端にビニル基を有するジオルガノポリシロキサン)とを、ヒドロシリル化反応することで得られる。
式(1−a)において、
R1は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
式(1−b)において、
R2およびR3は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
rは−OSi(R3)2−の繰り返しの数であり、20〜1000を満たす平均値である。
式(1−c)において、
R4およびR5は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
sは−OSi(R5)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値である。
式(1−d)において、
R6およびR7は炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルであり、2つのR7のうちの少なくとも1つはフェニルであり;
tは−OSi(R7)2−の繰り返しの数であり、1〜1000を満たす平均値である。
式(1−a)において、
R1は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
式(1−b)において、
R2およびR3は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
rは−OSi(R3)2−の繰り返しの数であり、20〜1000を満たす平均値である。
式(1−c)において、
R4およびR5は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
sは−OSi(R5)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値である。
式(1−d)において、
R6およびR7は炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルであり、2つのR7のうちの少なくとも1つはフェニルであり;
tは−OSi(R7)2−の繰り返しの数であり、1〜1000を満たす平均値である。
式(1−a)で表される化合物であるシルセスキオキサン誘導体は、例えば国際公開2004/024741号パンフレットに開示されている方法により合成することができる。式(1−a)で表される化合物の例(以下DD−4Hと表記する。Meはメチルを表す。)を示す。
式(1−b)、式(1−c)、または式(1−d)で表される化合物である両末端にビニル基を有するジオルガノポリシロキサンは、すべて公知の方法により合成することができ、また市販の化合物を用いてもよい。
式(1−a)で表される化合物と、式(1−b)、式(1−c)、または式(1−d)で表される化合物とのヒドロシリル化反応は、公知の方法が使用でき、溶媒中で反応を行うことが好ましい。
ヒドロシリル化反応に用いる溶剤は、反応の進行を阻害しないものであれば特に制限されない。好ましい溶剤は、ヘキサンやヘプタンなどの炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤などである。これらの溶剤は単独で使用しても、その複数を組み合わせて使用してもよい。これらの溶剤の中でも、芳香族炭化水素系溶剤、その中でもトルエンが最も好ましい。
ヒドロシリル化反応に用いる溶剤は、反応の進行を阻害しないものであれば特に制限されない。好ましい溶剤は、ヘキサンやヘプタンなどの炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤などである。これらの溶剤は単独で使用しても、その複数を組み合わせて使用してもよい。これらの溶剤の中でも、芳香族炭化水素系溶剤、その中でもトルエンが最も好ましい。
ヒドロシリル化反応は、室温、常圧で実施することができ、反応を促進させるために加熱してもよい。反応による発熱または好ましくない反応等を制御するために冷却してもよい。ヒドロシリル化反応では、必要に応じて触媒を用いることができる。ヒドロシリル化触媒を添加することによって、反応をより容易に進行させることができる。好ましいヒドロシリル化触媒の例は、白金触媒であって、カルステッド(Karsted’t)触媒、スパイヤー(Spier)触媒、ヘキサクロロプラチニック酸などであり、これらは一般的によく知られた触媒である。これらのヒドロシリル化触媒は、反応性が高いので少量添加すれば十分に反応を進めることができる。その使用量は、触媒に含まれる遷移金属のヒドロシリル基に対する割合で、10−9〜1モル%である。好ましい添加割合は10−7〜10−3モル%である。
反応の方法は、式(1−a)で表される化合物と、式(1−b)、式(1−c)、および式(1−d)で表される化合物とを一括で反応させてもよく、または、1段階目で式(1−a)および式(1−b)で表される化合物をあらかじめ反応させた後に、2段階目で式(1−c)および式(1−b)で表される化合物とを反応させてもよい。
ここで、式(1−a)と、式(1−b)、式(1−c)、および式(1−d)との反応モル割合に関して説明する。式(1−a)は、4つのSiH基を有する化合物であり、式(1−b)、式(1−c)、および式(1−d)は、2つのビニル基を有する化合物である。式(1−a)と反応させる式(1−b)、式(1−c)、および式(1−d)の合計のモル割合が0.5倍に近づくほど分子同士の架橋成分が多くなり、本発明の化合物は高分子量の化合物になる。モル割合が0.5倍を超えた状態では分子同士の架橋が非常に進行した状態であり、ゲル状となるため熱硬化性樹脂として使用できない。(1−a)と反応させる式(1−b)、式(1−c)、および式(1−d)の合計のモル比が0倍であれば架橋成分が全くない状態であり、すなわち反応のモル比を0倍より多く0.5倍以下の範囲で変えることによって本発明の化合物の分子量を調整することができる。
式(1−b)は、本発明の表面平滑性、蛍光体の凝集抑制に寄与するための必須の反応成分であり、式(1−a)に対する反応のモル割合は少なくとも0.05倍以上は必要であり、式(1−c)または式(1−d)は、屈折率が1.48以上である熱硬化性樹脂組成物との相溶性を持たせるための任意の成分であり、式(1−b)、式(1−c)、および式(1−d)の合計のモル割合が0.5以下の範囲で調整すればよい。
式(1−b)は、本発明の表面平滑性、蛍光体の凝集抑制に寄与するための必須の反応成分であり、式(1−a)に対する反応のモル割合は少なくとも0.05倍以上は必要であり、式(1−c)または式(1−d)は、屈折率が1.48以上である熱硬化性樹脂組成物との相溶性を持たせるための任意の成分であり、式(1−b)、式(1−c)、および式(1−d)の合計のモル割合が0.5以下の範囲で調整すればよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ヒドロシリル化反応触媒が配合された屈折率1.48以上のシリコーン系樹脂に本発明の有機ケイ素化合物を含有されてなる熱硬化性樹脂組成物である。
ヒドロシリル化反応触媒が配合された屈折率1.48以上のシリコーン系樹脂の組成の中味としては、例えば、フェニルトリクロロシランまたはフェニルトリメトキシシランを加水分解縮合反応させたものに、ジメチルクロルシランのようなSiH官能基を持った化合物あるいはジメチルビニルクロルシランのようなビニル基を持った化合物で反応を停止させたようなフェニル官能基を有するTレジン構造体が挙げられる。また、両末端にビニル基またはSiH基を有するフェニルメチルシリコーンあるいはジフェニルシリコーンあるいは、ジメチルシリコーンとジフェニルシリコーンの共重合体が挙げられる。
ヒドロシリル化反応触媒が配合された屈折率1.48以上のシリコーン系樹脂の組成の中味としては、例えば、フェニルトリクロロシランまたはフェニルトリメトキシシランを加水分解縮合反応させたものに、ジメチルクロルシランのようなSiH官能基を持った化合物あるいはジメチルビニルクロルシランのようなビニル基を持った化合物で反応を停止させたようなフェニル官能基を有するTレジン構造体が挙げられる。また、両末端にビニル基またはSiH基を有するフェニルメチルシリコーンあるいはジフェニルシリコーンあるいは、ジメチルシリコーンとジフェニルシリコーンの共重合体が挙げられる。
また、ヒドロシリル化反応触媒が配合された屈折率1.48以上のシリコーン系樹脂は、市販品を用いてもよい。このような市販品の例として、OE−6630、OE−6631、OE−6336、OE−6450、OE−6665、OE−6662(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、ASP−1111、ASP−1120、SCR−1011、SCR−1012、SCR−1016(以上、信越化学(株)製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、以下の(A)、(B)、(C)、および(D)を含有することを特徴とする。
(A) SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとの反応物であって、SiH基とアルケニル基とを含む熱硬化性樹脂
(B) アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン化合物。
(C) 式(1)で表される化合物
(D) ヒドロシリル化反応触媒
以下、各成分について説明する。
(A) SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとの反応物であって、SiH基とアルケニル基とを含む熱硬化性樹脂
(B) アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン化合物。
(C) 式(1)で表される化合物
(D) ヒドロシリル化反応触媒
以下、各成分について説明する。
<(A) SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとの反応物であって、SiH基とアルケニル基とを含む熱硬化性樹脂>
熱硬化性樹脂(A)は、SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとの反応物である。SiH基を有するシルセスキオキサンとしては、ダブルデッカー型シルセスキオキサンおよびT8構造のカゴ型シルセスキオキサンが挙げられる。T8構造のカゴ型シルセスキオキサンは8個の官能基を有しているのに対して、本発明で用いているダブルデッカー型シルセスキオキサンは4つの官能基しか有しておらず、構造の制御が行いやすい。また完全縮合型のカゴ型シルセスキオキサンと違い、本発明で好適に用いているダブルデッカー型シルセスキオキサンは不完全縮合型であり、分子の自由度が比較的高く、柔軟性に優れる。このような観点からダブルデッカー型シルセスキオキサンが好ましい。
熱硬化性樹脂(A)は、SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとの反応物である。SiH基を有するシルセスキオキサンとしては、ダブルデッカー型シルセスキオキサンおよびT8構造のカゴ型シルセスキオキサンが挙げられる。T8構造のカゴ型シルセスキオキサンは8個の官能基を有しているのに対して、本発明で用いているダブルデッカー型シルセスキオキサンは4つの官能基しか有しておらず、構造の制御が行いやすい。また完全縮合型のカゴ型シルセスキオキサンと違い、本発明で好適に用いているダブルデッカー型シルセスキオキサンは不完全縮合型であり、分子の自由度が比較的高く、柔軟性に優れる。このような観点からダブルデッカー型シルセスキオキサンが好ましい。
式(2)において、X’は独立して、式(X’−I)、式(X’−II)、または式(X’−III)で表される基である。R1は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。mは1〜100を満たす平均値であり、好ましいmは1である。
式(X−II)において、R2’およびR3’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルである。rは−OSi(R3’)2−の繰り返しの数であり、2〜20を満たす平均値である。好ましいrは、2〜10である。
式(X’−III)において、R4およびR5は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルである。sは−OSi(R5’)2−の繰り返しの数であり、2〜20を満たす平均値である。好ましいs’は、2〜10であり、より好ましいs’は2〜4である。R0は炭素数2〜5の1つの二重結合を有する不飽和炭化水素基であり、R0’はR0と同じ炭素数である飽和炭化水素基である。
式(2)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(X’−I)で表される基と式(X’−II)で表される基と式(X’−III)で表される基の割合が異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の式(X−I)で表される基の数をa、式(X’−II)で表される基の数をb、式(X‘−III)で表される基の数をcとした場合に、a+2b+c=4であり、0<a≦3であり、0≦b≦1であり、0<c≦3である。
本発明において、a+2b+c=4であり、0<a≦3であり、0≦b≦1であり、0<c≦3を満たす範囲の化合物について説明する。
a>cであれば、式(1)で表される化合物は、平均的にビニル基よりSiH基の数の方が多く、いわゆるSiH基型の熱硬化性樹脂と定義できる。
熱硬化性樹脂(A)としては、SiH基型の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。aは、硬化物とした際の優れた特性を顕著とさせる観点から、好ましいaは、1.0〜3.0である。より好ましいaは、1.5〜2.5である。式(1)で表される化合物中の、a、b、およびcは、任意により、例えば、国際公開第2011/145638号に記載の製造方法に準拠することにより調整できる。
熱硬化性樹脂(A)の配合割合は、本発明の全熱硬化性樹脂組成物中、5〜95%とすることが好ましい。目的とする樹脂の特性に応じて最適配合割合は変わるが、硬度が高い樹脂を得るためには50〜95%とすることが通常さらに好ましい。また、シート形状の樹脂を得るためには、硬度が低く柔らかいシートを得るため配合割合を5〜50%とすることも選択される。
式(3)において、R8およびR9は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルである。nは、−OSi(R9)2−の繰り返しの数であり、1〜50を満たす平均値である。
オルガノポリシロキサン化合物(B)は、本発明の硬化組成物の粘度の調整や、硬化物に強度または柔軟性を補佐するための成分である。式(3)において、R8およびR9が、全て炭素数1〜4のアルキルの場合は、好ましくはメチル(Me)が用いられ、式(3−1)で表される化合物となる。
式(3−1)において、n’は1〜20を満たす平均値である。n’が20以下であると本発明の硬化組成物との相溶性が良好となり好ましい。柔軟性を付与するためには、5以上が好ましく、ガスバリア性を付与するためには、10以下が好ましい。柔軟性とガスバリア性を両立させるために、5〜8が特に好ましい。
また、式(3)においてR8およびR9の少なくとも1つがフェニルである式(3−2)または式(3−3)で表される化合物も好適に用いることができる。
式(3−2)において、xは1〜50を満たす平均値であり、好ましいxは1〜20である。
式(3−3)において、y+zは、1〜50を満たす平均値であり、屈折率調整とガスバリア性の観点からy/(y+z)<0.5を満たす値が好ましい。硬化物に柔軟性を付与するためには、y+zが10以上であることが好ましい。
これらのアルケニル基を2個以上有するオルガノシロキサン化合物(B)は、任意により組み合わせて使用してもよい。
オルガノシロキサン化合物(B)は、公知慣用の方法により製造することができる。式(3−1)で表されるオルガノシロキサン化合物は、例えば、テトラメチルビニルジシロキサンとオクタメチルシクロテトラシロキサンとを活性白土等の固体酸触媒存在下に平衡化反応させた後、ろ過により固体酸触媒を除去し、その後、0.13kPa程度の真空条件、100〜120℃の温度条件下で低沸カットさせることにより製造できる。式(3−2)または式(3−3)で表されるオルガノシロキサン化合物も、公知慣用の方法により製造できる。また、工業的にGELEST社より入手可能である。
オルガノシロキサン化合物(B)の配合割合は、本発明の全熱硬化性樹脂組成物中、25質量%以下とすることが好ましい。オルガノシロキサン化合物(B)の配合割合を25質量%以下とすることにより、耐熱性が向上し、樹脂強度が高まるため、好ましい。
<(C) 式(1)で表される化合物>
本発明の式(1)で表される化合物が、本発明における課題の解決を導く成分であり、式(1)の化合物を配合することにより、樹脂強度や密着性、表面平滑性あるいは蛍光体の分散を向上させることが出来る。
本発明の式(1)で表される化合物が、本発明における課題の解決を導く成分であり、式(1)の化合物を配合することにより、樹脂強度や密着性、表面平滑性あるいは蛍光体の分散を向上させることが出来る。
本発明の式(1)で表される化合物(C)の配合割合は、本発明の全熱硬化性樹脂組成物中、0.01〜60%とすることが好ましい。目的とする樹脂の特性に応じて最適配合割合は変わるが、0.01〜50%とすることが通常さらに好ましい。
<(D) ヒドロシリル化反応触媒>
ヒドロシリル化反応触媒(D)として、Pt触媒を用いる。Pt触媒は、白金を含む触媒であり、白金は酸化されていなくてもよいし、酸化されていてもよい。酸化された白金としては、例えば、酸化白金が挙げられる。部分的に酸化された白金としては、例えば、アダムス触媒などが挙げられる。
ヒドロシリル化反応触媒(D)として、Pt触媒を用いる。Pt触媒は、白金を含む触媒であり、白金は酸化されていなくてもよいし、酸化されていてもよい。酸化された白金としては、例えば、酸化白金が挙げられる。部分的に酸化された白金としては、例えば、アダムス触媒などが挙げられる。
Pt触媒としては、例えば、カルステッド触媒(Karsted’t catalyst)、スパイヤー触媒(Speier catalyst)およびヘキサクロロプラチニック酸などが挙げられる。これらは一般的によく知られた触媒である。このなかでも酸化されていないタイプのカルステッド触媒が好ましく用いられる。
本発明の全熱硬化性樹脂組成物中のPt触媒の配合割合は、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化を進めるのに十分な量であることが好ましく、具体的には、0.01ppm〜10ppmとすることが好ましく、0.1ppm〜1ppmとすることがより好ましい。
Pt触媒の配合割合を0.01ppm以上とすることにより、硬化を進行させることが可能である。Pt触媒の配合割合を0.1ppm以上とすることにより硬化を速やかに進行させることが可能である。また、Pt触媒の配合割合を10ppm以下とすることにより、硬化物の耐熱性を保持させることが可能である。
<(E) SiH基を有するシルセスキオキサン、アルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサン、アルケニル基を有するエポキシ化合物およびアルケニル基を有するシリル化合物を反応させることにより得られる、SiH基を有する熱硬化性樹脂>
SiH基を有するシルセスキオキサン、アルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサン、アルケニル基を有するエポキシ化合物およびアルケニル基を有するシリル化合物を反応させることにより得られる、SiH基を有する熱硬化性樹脂(E)としては、例えば、式(E1)で表される化合物が挙げられる。
SiH基を有するシルセスキオキサン、アルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサン、アルケニル基を有するエポキシ化合物およびアルケニル基を有するシリル化合物を反応させることにより得られる、SiH基を有する熱硬化性樹脂(E)としては、例えば、式(E1)で表される化合物が挙げられる。
式(E1)において、X’’はそれぞれ独立して、下記式(a)、式(b)、式(c−i)、式(c−ii)、式(c−iii)、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基であり、式(1)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(a)で表される基と式(b)〜式(d−iii)で表される基の割合が異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の、
式(a)で表される基の数をA’’として、
式(b)で表される基の数をB’’として、
式(c−i)、式(c−ii)または式(c−iii)で表される基の数をC’’として、
そして式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基の数をD’’とした場合に、
A’’+2B’’+C’’+D’’=4であり、0.5≦A’’≦3.0であり、0.5≦2B’’≦2.0であり、0.1≦C’’≦2であり、0≦D’’≦1.0である。
式(a)で表される基の数をA’’として、
式(b)で表される基の数をB’’として、
式(c−i)、式(c−ii)または式(c−iii)で表される基の数をC’’として、
そして式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基の数をD’’とした場合に、
A’’+2B’’+C’’+D’’=4であり、0.5≦A’’≦3.0であり、0.5≦2B’’≦2.0であり、0.1≦C’’≦2であり、0≦D’’≦1.0である。
R1’’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、lは1〜100を満たす平均値である。
式(b)において、R2’’およびR3’’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルである。t’’は−OSi(R3’’)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。
式(d−i)〜(d−iii)において、R4’’、R4’’’、およびR4’’’’は独立して、メチル、エチル、ブチル、またはイソプロピルである。xは−OSi(R4’’’)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。yは−OSi(R4 ’’’’)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値である。R0は炭素数2〜5の1つの二重結合を有する不飽和炭化水素基である。
式(a)で表される基は、SiH基を有するシルセスキオキサン由来の基であり、式(b)で表される基に相当する化合物と、式(c−i)〜(c−iii)で表される基に相当するエポキシ誘導体、必要に応じて用いられる式(d−i)〜式(d−iii)で表される基に相当する化合物とが反応した後のSiH残基である。したがって、式(a)で表される基は、本発明の化合物を密着付与材として適用するシルセスキオキサンとオルガノポリシロキサンとの反応物である熱硬化性樹脂と反応し得るため、本発明の化合物の密着付与材としての機能を強化する役割を持つ。
式(b)で表される基は、シルセスキオキサンの架橋成分であり、本発明の化合物に柔軟性を与えることができる。具体的には、例えば、式(1−1)で表される化合物のように、ポリマー構造をとる。
式(1−1)において、X1およびX2は、式(a)、式(b)、式(c−i)〜(c−iii)、または式(d−i)〜式(d−iii)で表される基である。R17は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、好ましいR17はメチルである。uは0〜1000を満たす平均値である。
式(b)で表される基の数であるB’’の値が大きくなればなるほど、分子同士の架橋成分が多くなり、本発明の化合物は高分子量の化合物になる。B’’=0であれば、架橋成分が全く無い状態である。0<B’’<1の範囲では、Bの値が大きくなるにつれて架橋成分が増加し、分子量は増加する。B’’>1の範囲では、分子同士の架橋が非常に進行した状態であり、ゲル状となるため熱硬化性樹脂として使用できない。B’’の値を0<B’’≦1の範囲内で変えることによって、本発明の化合物の分子量を調整することができる。
式(c−i)〜(c−iii)で表される基は、シルセスキオキサンとオルガノポリシロキサンとの架橋体中のSiH残基に結合したエポキシ基であり、LED用ハウジング基材との密着性を高める役割を持つ。(c−i)の成分は、エポキシ基に加えイソシアヌル環骨格を有する基であり、金属との密着性も高める役割を有する。
式(d−i)〜式(d−iii)で表される基は、シルセスキオキサンとオルガノポリシロキサンとの架橋体中のSiH残基に結合したアルコキシシリル基またはトリアルキルシリル基またはビニルシリル基である。
下記式(d−i)で表される基は、任意の成分である。式(d−i)で表される基は、金属との密着を向上する目的や、樹脂との相溶性を向上する目的で用いられる。
式(d−i)において、R4’’は独立して、メチル、エチル、ブチル、またはイソプロピルである。
式(d−ii)で表される基は、任意の成分である。式(d−ii)で表される基は、樹脂との相溶性を向上する目的、粘度を調整する目的、または硬化性樹脂組成物を硬化させた後の硬度を調整する目的で用いられる。
式(d−ii)において、R4’’’は独立して、メチル、エチル、ブチル、またはイソプロピルであり、好ましいR4’’’はメチルである。xは−OSi(R4’’’)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。好ましいxは1〜10を満たす平均値である。
式(d−iii)で表される基は、任意の成分である。式(d−iii)で表される基は、樹脂との相溶性を向上する目的、粘度を調整する目的、または硬化性樹脂組成物を硬化させた後の硬度を調整する目的で用いられる。
式(d−iii)において、R4 ’’’’は独立して、メチル、エチル、ブチル、またはイソプロピルであり、好ましいR4’’’’はメチルである。yは−OSi(R4’’’’)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値である。
A’’+2B’’+C’’+D’’=4であり、0.5≦A’’≦3.0であり、0.5≦2B’’≦2.0であり、0.1≦C’’≦2であり、0≦D’’≦1.0である。AからDの値は、本発明の化合物を密着付与材として適用する熱可塑性樹脂組成物の性質に合わせて任意に調整できる。
式(d−ii)または式(d−iii)で表される基を得るための反応試剤と反応の方法についてさらに説明する。
まず式(d−ii)で表される基または式(d−iii)で表される基を得るための反応試剤について説明する。
下記反応式に示すように、環状のオクタメチルテトラシクロシロキサン(D4)に対して、過剰モルのジビニルテトラジシロキサン(DVDS)とヘキサメチルジシロキサン(MM)を酸触媒存在下に平衡化反応を行い、化合物a、化合物b、化合物cの平衡化混合物を得て、式(d−ii)で表される基または式(d−iii)で表される基を得るための反応試剤とする。
反応式において、aは1〜20であり、bは1〜20であり、cは1〜20である。
D4に対するDVDSとMMを合わせた反応の好ましいモル比は2以上である。モル比が2以上であれば、生成するシロキサン鎖の分子量は短く、蒸留で除去可能な成分となり、後の精製工程にて、反応に関与しなかった余分の化合物a、化合物b、および化合物cの除去が容易になる。
式(c−i)かつ、式(d−ii)または式(d−iii)で表される基を得るための反応の方法について説明する。
下記反応式に示すように、第1段目の反応おいて、SiH基を4つ持つダブルデッカー型の化合物であるDD−4Hと(c−i)であるMA−DGICを先にヒドロシリル化反応させ、式(c−i)で表される基を有する化合物をまず得る。なお式(c−i)の化合物は、四国化成株式会社よりMA−DGICとして販売されている。DD−4Hは国際公開第2004/024741号に記載された方法に従って合成することができる。
次いで、下記反応式に示すように、2段目の反応において、上記1段目の化合物中のSiH基のモル数に対して、化合物a、化合物b、化合物cの混合物のビニル基のモル数が過剰になるようにヒドロシリル化反応させることにより、下記生成物を得る。
反応式において、aiは、0.1≦ai≦3.5、Xiは、0≦2Xi≦2.0、Yiは0≦Yi≦3.0、Ziは0.1≦Zi≦3.5、Wiは0≦Wi≦3.0である。
ビニル基のモル数が過剰になるようにヒドロシリル化反応させるが、100℃以上、さらには120℃以上の高温度領域においても消失することはなく残存SiH基が残る。
反応に関与しなかった余分の化合物a、化合物b、化合物cは、薄膜蒸発器を用いた蒸留にて留去することができる。あるいは溶媒抽出法によっても除去することは可能である。あるいは発明者の任意により、そのまま残存させてもよい。薄膜蒸発器を用いた蒸留において余分の化合物a、化合物b、化合物cを留去させる場合の温度は、120℃〜180℃の範囲が好ましく、操作圧力は0.13kPa以下が好ましい。
溶媒抽出法において余分の化合物a、化合物b、化合物cを除去するための好ましい溶剤は、溶解力が大きく、沸点の比較的低い溶剤である。好ましい溶媒は、低級アルコールである。特に好ましい溶媒はメタノールである。さらに精製度を上げるためには、溶媒抽出操作の繰り返しを多くすればよい。
次に式(d−iii)で表される基のみを得る方法について詳細に記載する。
下記反応式に示すように、第1段目の反応おいて、DD−4HとMA−DGICを先にヒドロシリル化反応させ、式(c−i)で表される基を有する化合物をまず得る。
第2段目の反応において用いる反応剤は、式(4)で表される化合物を用いる。
式(4)において、R’およびR”は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり、rは0〜100の整数である。好ましいR’またはR”は、メチルである。好ましいrは1〜100である。より好ましいrは2〜20である。
下記反応式に示すように、上記1段目の化合物中のSiH基のモル数に対して、式(4)で表される化合物のビニル基のモル数が過剰になるようにヒドロシリル化反応させることにより、下記生成物を得る。
反応式において、aiiは、0.1≦aii≦3.5、Xiiは、0≦2Xii≦2.0、Yiiは0≦Yii≦3.0、Ziiは0.1≦Zii≦3.5、rは1〜20である。
式(4)で表される化合物のビニル基のモル数が過剰になるようにヒドロシリル化反応させるが、100℃以上、さらには120℃以上の高温度領域においても消失することはなく残存SiH基が残る。
反応に関与しなかった余分のオルガノポリシロキサンは、ビニル基を有する化合物であるので熱硬化性可能な樹脂成分としてそのまま残存させてもよい。あるいは適宜溶媒抽出等で除去してもよい。余分のオルガノポリシロキサンを除去するための好ましい溶剤は、溶解力が大きく、沸点の比較的低い溶剤である。好ましい溶媒は、低級アルコールである。特に好ましい溶媒はメタノールである。さらに精製度を上げるためには、溶媒抽出操作の繰り返しを多くすればよい。
また、SiH基を有する熱硬化性樹脂(E)としては、例えば、式(E2)で表される化合物が挙げられる。
式(E2)において、R2’’’、R3’’’はそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから選択される基であり、rは0〜100の整数である。aiiは、0.1≦aii≦3.5、Xiiは、0≦2Xii≦2.0、Yiiは0≦Yii≦3.0、Ziiは0.1≦Zii≦3.5である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物全量基準で、SiH基を有する熱硬化性樹脂(E)を0.1〜10質量%含有することが好ましく、1〜5質量%含有することがより好ましい。SiH基を有する熱硬化性樹脂(E)の配合割合を1質量%以上とすることにより、LEDハウジング基材との密着強度を向上させることが可能である。
なお、SiH基を有する熱硬化性樹脂(E)におけるエポキシ部は、任意に用いることができるものであることから、エポキシ部の合計が熱硬化性樹脂組成物全量基準で0.01〜10質量%となるような質量部で含有することが好ましく0.05〜5質量%となるような質量部で含有することがより好ましい。
<(F) SiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物>
オルガノポリシロキサン化合物(F)には、片末端にのみSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物(F1)と両末端にSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン(F2)がある。
<(F1) 片末端にのみSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物>
片末端にのみSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物としては、式(5)で表される化合物が挙げられる。
オルガノポリシロキサン化合物(F)には、片末端にのみSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物(F1)と両末端にSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン(F2)がある。
<(F1) 片末端にのみSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物>
片末端にのみSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物としては、式(5)で表される化合物が挙げられる。
式(5)において、R10およびR11は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、好ましいR10またはR11はメチルまたはブチルである。Tは−OSi(R11)2−の繰り返しの数である。Tは1〜20を満たす平均値である。好ましいTは2〜15を満たす平均値である。
オルガノポリシロキサン化合物(F1)は、硬化物の硬度を低くしたい時に用いる。すなわち本発明の熱硬化性樹脂組成物の構成成分(A)が有するアルケニル基と反応させることができ、このことにより全体の架橋密度を下げることにより、低硬度化を達成できる。
(F1)の配合が多い程、硬化物の硬度を下げることができる。本発明の熱硬化性樹脂組成物における(F1)の含有量は、硬化物の屈折率が1.5以上を保てるになるような含有量であることが好ましい。硬化物の屈折率が1.5以上を保てるような含有量とすることにより、LED用封止剤として光の取り出し効率が向上し、密着性を高めることができる。
(F1)の数平均分子量は、148〜2000であることが好ましく、400〜1000であることがより好ましい。(F1)の数平均分子量が400以下であると、揮発性が高くなり硬化組成物を配合し硬化させる段階で気散する恐れがあるため400以上の数平均分子量がより好ましい。
また、(F1)の数平均分子量を2000以下とすることにより、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物の透明性を保つことが可能である。
(F1)の配合割合は、本発明の趣旨から特に定める必要はないが、本発明の有機ケイ素化合物を配合させた本発明の全熱硬化性樹脂組成物の硬化物硬度を低めに調整したい場合は、2〜20質量%とすることが好ましい。
<(F2) 両末端にSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン>
(F2)で定義される化合物は、両末端にSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物であり、例えば式(6)で表わされる化合物が挙げられる。
(F2)で定義される化合物は、両末端にSiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物であり、例えば式(6)で表わされる化合物が挙げられる。
R12は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、R13は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルである。Uは−OSi(R13)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。
好ましいR13はメチルまたはフェニルである。より好ましいR12はメチルである。
R13がすべてメチルの場合のUは、2〜20が好ましい。R13がフェニルの場合のUの範囲は1〜4が好ましく、より好ましくは1である。
R13がすべてメチルの場合のUは、2〜20が好ましい。R13がフェニルの場合のUの範囲は1〜4が好ましく、より好ましくは1である。
化合物(F2)は、本発明の有機ケイ素化合物を配合させた熱硬化性樹脂組成物の硬化物の樹脂の靭性を高めるために用いる。すなわち熱硬化性樹脂である(A)が有するアルケニル基と反応させることができ、(A)が有するポリセスキオキサンを共重合により高分子化できることにより硬化物の静的粘弾性のおける伸びの物性値が大きくなり樹脂の靭性を高めることができる。
化合物(F2)の配合量は、硬化物の屈折率が1.5以上を保てるような含有量であることが好ましい。硬化物の屈折率が1.5以上を保てるような含有量とすることにより、LED用封止材として光の取り出し効率が向上する。
(F2)の数平均分子量は、R13は炭素数が1のメチルの場合は、148〜2000であることが好ましく、400〜1000であることがより好ましい。
また、R13がフェニルの場合は、(F2)の好ましい数平均分子量は、300〜1000である。より好ましい形態は、以下の化学式で表される。
また、R13がフェニルの場合は、(F2)の好ましい数平均分子量は、300〜1000である。より好ましい形態は、以下の化学式で表される。
また、(F2)のR13がメチルの場合は、数平均分子量を2000以下とすることにより、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物の透明性を保つことが可能である。
(F2)の配合割合は、本発明の趣旨から特に定める必要はないが、本発明の有機ケイ素化合物を配合させた本発明の全熱硬化性樹脂組成物の硬化物の靭性を高める目的で、2〜20質量%とすることが好ましい。
<(G) エポキシ基を有するシランカップリング剤>
エポキシ基を有するシランカップリング剤(G)としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。これらの中でも3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
エポキシ基を有するシランカップリング剤(G)としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。これらの中でも3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
シランカップリング剤(G)を配合する場合の配合割合は、本発明の全熱硬化性樹脂組成物中、0.1〜5.0質量%とすることが好ましく、0.2〜2質量%とすることがより好ましい。さらに好ましくは0.25質量%〜1.0質量%とすることがより好ましい。シランカップリング剤(G)の配合割合を0.1質量%以上とすることにより、硬化性樹脂のLEDパッケージ基材に対する濡れ性が増し、例えばヒートサイクル耐性を維持させることが可能である。また、シランカップリング剤(G)の配合割合を5.0質量%以下とすることにより、耐熱性を保持させることが可能である。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の式(1)で表される(C)の配合割合を50%とすることにより、耐熱性に優れた硬化物を与える、もう一つの特徴を熱硬化性樹脂組成物に与えることができる。
上記の特性を付与するには、熱硬化性樹脂組成物全量基準で、(A)の配合割合が5〜50質量%であり、(B)の配合割合が1〜25質量%であり、(C)の配合割合が50〜65%であり、(D)の配合割合が0.001ppm〜10ppmであり、(E)の配合割合が0〜10質量%であり、(F)の配合割合が0〜20質量%であり、(G)の配合割合が0〜5質量%であることが好ましい。
上記の特性を付与するには、熱硬化性樹脂組成物全量基準で、(A)の配合割合が5〜50質量%であり、(B)の配合割合が1〜25質量%であり、(C)の配合割合が50〜65%であり、(D)の配合割合が0.001ppm〜10ppmであり、(E)の配合割合が0〜10質量%であり、(F)の配合割合が0〜20質量%であり、(G)の配合割合が0〜5質量%であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、チクソ性の付与や光学特性付与、機械的強度の付与といった任意の目的に応じて、さらに無機化合物を分散させて用いる事ができる。使用する無機化合物に限定はなく、公知の材料が使用できる。また、無機化合物の構造は、アモルファスでもよく、結晶をなしていてもよい。分散させる無機化合物の組み合わせも限定されない。無機化合物としては、各種の蛍光体や金属酸化物を好適に用いることができる。勿論、蛍光体や金属酸化物を併用して使用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に蛍光体を分散させることで、発光機能を有し、LED用の組成物として用いることができる。本発明の熱硬化性樹脂組成物における蛍光体の含有量は、1〜90質量%であることが好ましく、2〜50質量%であることがより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いる事ができる蛍光体に制限はない。また、組成物中における蛍光体の濃度分布が均一であっても、異なっていてもよい。使用する蛍光体の種類、または蛍光体の濃度分布の有無およびその分布の条件は、LEDの使用環境や用途、目的に応じて決定すればよい。
蛍光体は、LEDチップから放出される青色光、紫色光、紫外光を吸収して波長を変換し、LEDチップの光と異なる波長の赤、橙色、黄色、緑色、青色領域の波長の光を放出するものである。これにより、LEDチップから放出される光の一部と、蛍光体から放出される光の一部とが混合して、白色を含む多色系のLEDが得られる。具体的には、青色系LEDにLEDからの光によって黄色系の発光色を発光する蛍光体を光学的に組み合わせることによって、単一のLEDチップを用いて白色系を発光させることができる。
上述のような蛍光体には、緑色に発光する蛍光体、青色に発光する蛍光体、黄色に発光する蛍光体、赤色に発光する蛍光体等の種々の蛍光体がある。本発明に用いられる具体的な蛍光体としては、有機蛍光体、無機蛍光体、蛍光顔料、蛍光染料等公知の蛍光体が挙げられる。有機蛍光体としては、アリルスルホアミド・メラミンホルムアルデヒド共縮合染色物やペリレン系蛍光体等を挙げることができ、長期間使用可能な点からペリレン系蛍光体が好ましく用いられる。本発明に特に好ましく用いられる蛍光物質としては、無機蛍光体が挙げられる。以下に本発明に用いられる無機蛍光体について記載する。
緑色に発光する蛍光体として、例えば、[SrAl2O4:Eu]、[Y2SiO5:Ce,Tb]、[MgAl11O19:Ce,Tb]、[Sr7Al12O25:Eu]、[(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)Ga2S4:Eu]がある。
青色に発光する蛍光体として、例えば、[Sr5(PO4)3Cl:Eu]、[(SrCaBa)5(PO4)3Cl:Eu]、[(BaCa)5(PO4)3Cl:Eu]、[(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)2B5O9Cl:Eu,Mn]、[(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)(PO4)6Cl2:Eu,Mn]がある。
緑色から黄色に発光する蛍光体として、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦括されたイットリウム・ガドリニウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット酸化物蛍光体、及び、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・ガリウム・アルミニウム酸化物蛍光体などがある(いわゆるYAG系蛍光体)。具体的には、[Ln3M5O12:R(Lnは、Y、Gd、Laから選ばれる少なくとも1以上であり、Mは、Al、Caの少なくともいずれか一方を含み、Rは、ランタノイド系である。)]、[(Y1−xGax)3(Al1−yGay)5O12:R(Rは、Ce、Tb、Pr、Sm、Eu、Dy、Hoから選ばれる少なくとも1以上であり、0<Rx<0.5、0<y<0.5である。)]を使用することができる。
赤色に発光する蛍光体として、例えば、[Y2O2S:Eu]、[La2O2S:Eu]、[Y2O3:Eu]、[Gd2O2S:Eu]がある。
赤色に発光する蛍光体として、例えば、[Y2O2S:Eu]、[La2O2S:Eu]、[Y2O3:Eu]、[Gd2O2S:Eu]がある。
また、現在主流の青色LEDに対応し発光する蛍光体としては、[Y3(Al,Ga)5O12:Ce,(Y,Gd)3Al5O12:Ce,Lu3Al5O12:Ce,Y3Al5O12:Ce]などのYAG系蛍光体、[Tb3Al5O12:Ce]などのTAG系蛍光体、[(Ba,Sr)2SiO4:Eu]系蛍光体や[Ca3Sc2Si3O12:Ce]系蛍光体、[(Sr,Ba,Mg)2SiO4:Eu]などのシリケート系蛍光体、[(Ca,Sr)2Si5N8:Eu]、[(Ca,Sr)AlSiN3:Eu]、[CaSiAlN3:Eu]などのナイトライド系蛍光体、[Cax(Si,Al)12(O,N)16:Eu]などのオキシナイトライド系蛍光体、さらには[(Ba,Sr,Ca)Si2O2N2:Eu]系蛍光体、[Ca8MgSi4O16Cl2:Eu]系蛍光体、[SrAl2O4:Eu,Sr4Al14O25:Eu]などの蛍光体が挙げられる。
これらの中では、YAG系蛍光体、TAG系蛍光体、シリケート系蛍光体が、発光効率や輝度などの点で好ましく用いられる。また、これら以外にも、用途や目的とする発光色に応じて公知の蛍光体を用いることができる。
次に、無機化合物が金属酸化物である場合について説明する。金属酸化物として、シリカ,アルミナ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが好適に用いられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における金属酸化物の割合は、熱硬化性樹脂組成物全量に対する質量比で1〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは1〜20質量%である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における金属酸化物の割合は、熱硬化性樹脂組成物全量に対する質量比で1〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは1〜20質量%である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に酸化チタンや酸化アルミニウムを使用した場合にはリフレクタ用材料としても好適に用いうる。リフレクタ材料に関しては、ポリフタルアミド樹脂が幅広く利用されている。しかしながらポリフタルアミド樹脂は長期間使用による劣化、特に変色が起こりやすいことが指摘されており、本発明の熱硬化性樹脂組成物はこの問題を解決できる。
また、例えばシリカでは、天然に産する珪石を細粒化(天然シリカ)したものを使用してもよく、産業的に合成されたシリカ(合成シリカ)を使用してもよい。天然シリカの場合、結晶であるため結晶軸を持つ。このため、結晶由来の光学的な特徴を期待することができるものの、比重が合成シリカと比べてやや高いため、熱硬化性樹脂組成物中での分散に影響する場合がある。また、天然物を粉砕して得る場合、不定形状の粒子である場合、粒径分布が広い材料となる場合がある。
合成シリカは、湿式合成シリカ及び乾式合成シリカがあるが、本発明では特に使用の限定はない。ただし、合成シリカでは製法に関わらず結晶水を持つ場合があり、この結晶水が熱硬化性樹脂組成物若しくは硬化物、またはLED素子等に何らかの影響を与える可能性がある場合は、結晶水数も考慮して選択することが好ましい。
合成シリカは、結晶ではなくアモルファスであるため、結晶軸がなく、結晶由来の光学的な特徴はあまり期待できない。しかしながら、粒子分布の制御のほか、粒子径を極めて小さくできるなどの特徴を活かすことができる。
特に、ヒュームドシリカはナノオーダーの粒子径であり、粒子の分散性に優れている。さらに同じ重さで比較した場合は、粒子径が小さいほど表面積の総和が大きくなることから、光の反射方向がより多様化するので、より好ましく用いることができる。
また、一般にシリカは表面積が大きく、かつ表面に存在するシラノールの効果により親水性の材料(親水性シリカ)であるが、化学修飾により疎水性シリカとすることもできる。どちらの性質のシリカを使用するかは、目的により選択されるが、本発明においては、実験的な検証では親水性シリカの使用が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の混合調製方法としては特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本ロールまたはビーズミル等の混合機を用いて、常温または加温下で、上述した硬化促進剤、シリコーン樹脂、および、必要に応じて上記熱硬化剤、酸化防止剤等の各所定量を混合する方法が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、半硬化状態で成型し、任意の形状にすることができる。成型方法に制限はなく、例えば熱プレス成型やフィルムコーター、押出し成型などの成形機、またスクリーン印刷、グラビア印刷、平版印刷などの印刷法・・・・が挙げられる。また上記成型物は、プリプレグのように再加工し、次工程で用いる事ができる。例えば、塗膜状またはシート状のような平面状に成型されたプリプレグは、これを細かく切り出して、チップのような形状として封止や接着用の材料にすることが可能である。また、射出成型やコンプレッション成型法を用いることによって、反射機能を備えたLEDハウジング材料、リフレクタ材料にすることが可能である。
なお、本書において、形状を問わず熱硬化性樹脂組成物を成型したものを、プリプレグと表現する。
なお、本書において、形状を問わず熱硬化性樹脂組成物を成型したものを、プリプレグと表現する。
上記、塗膜状またはシート状のような平面状に成型されたプリプレグの厚みは、蛍光体含有量と、所望の光学特性から決められる。具体的には、塗膜状であれば0.1μm以上であり、シート状であれば10μm〜3000μm程度が成型可能である。光学特性・耐熱性を高める観点からは、蛍光体シートの膜厚は1000μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。蛍光体シートを1000μm以下の膜厚にすることによって、バインダ樹脂による光吸収や光散乱を提言することができるので、光学的に優れた蛍光体シートとなる。
また、本発明の蛍光体シートは蛍光体粒子同士の凝集度合いが極めて少ないために光半導体装置に適用した場合、色のバラつきを小さく、また光取り出し効率を向上させることができる。
また、本発明の蛍光体シートは蛍光体粒子同士の凝集度合いが極めて少ないために光半導体装置に適用した場合、色のバラつきを小さく、また光取り出し効率を向上させることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物またはこのプリプレグを加熱処理し、目的の物品(硬化物)を得る。硬化物を得る条件としては、温度は60〜200℃であることが好ましく、好ましくは80〜160℃であることがより好ましい。また、時間は1時間〜24時間であることが好ましく、経済的な観点からは、2時間〜5時間であることがより好ましい。
なお、物品は、それ自体が1つの製品として機能するものの他、例えば封止材のように特定の構造体中に存在し、部材の一部として硬化してなるものも物品に含まれる。
なお、物品は、それ自体が1つの製品として機能するものの他、例えば封止材のように特定の構造体中に存在し、部材の一部として硬化してなるものも物品に含まれる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物またはこのプリプレグの用途は特に限定されないが、例えば、封止剤、ハウジング材、リード電極または放熱板等に接続するためのダイボンド材、発光ダイオード等の光半導体素子の発光素子をフリップチップ実装した場合のアンダーフィル材、発光素子上のパッシベーション膜として用いることができる。なかでも、光半導体素子からの発光による光を効率よく取り出すことのできる光半導体装置を製造できることから、封止剤、リフレクタ材料、蛍光体シート、アンダーフィル材またはダイボンド材として好適に用いることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の硬度は、発明者が任意で調整してよい。また屈折率は1.5以上の高屈折率であることが好ましい。屈折率が1.5以上であると、LEDの光取り出し効率に優れた硬化物となる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物で発光素子を封止する方法としては特に限定されず、例えば、モールド型枠中に本発明の光半導体用組成物を予め注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等を浸漬した後、硬化させる方法、および発光素子を挿入した型枠中に本発明の光半導体用組成物を注入し硬化する方法が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を注入する方法としては、例えば、ディスペンサーによる注入、トランスファー成形および射出成形が挙げられる。更に、その他の封止方法としては、例えば、本発明の光半導体用組成物を発光素子上へ滴下、孔版印刷、スクリーン印刷、および、マスクを介して塗布し硬化させる方法、および底部に発光素子を配置したカップ等に本発明の光半導体用組成物をディスペンサー等により注入し、硬化させる方法が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を封止剤として含む光半導体発光素子あるいは光半導体受光素子もまた、本発明の1つである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、例えば、透明性、耐熱性、耐熱黄変性などに優れている。そのため、硬化物を含む物品は、半導体の封止材、光半導体の封止材、蛍光体シート、リフレクタ、絶縁膜、シール剤、光学レンズなどの用途に好適に用いることができる。また、透明材料、光学材料、光学フィルム、光学シート、接着剤、電子材料、絶縁材料、層間絶縁膜、塗料、インク、コーティング材料、成形材料、ポッティング材料、液晶シール剤、表示デバイス用シール剤、太陽電池封止材料、レジスト材料、カラーフィルター、電子ペーパー用材料、ホログラム用材料、太陽電池用材料、燃料電池用材料、表示材料、記録材料、防水材料、防湿材料、電池用固体電解質、ガス分離膜に用いることができる。また、他の樹脂への添加剤等に用いることができる。
本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されない。
本発明の有機ケイ素化合物の合成実施例と比較合成例で使用した試薬は以下のとおりである。
ビニル基当量から計算した分子量が2600である両末端ビニルシリコーン
ビニル基当量から計算した分子量が1350である両末端ビニルシリコーン
ビニル基当量から計算した分子量が720である両末端ビニルシリコーン
以上の化合物は公知慣用の方法で合成した。合成に用いた原料は下記のとおりである。
1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン(信越化学株式会社製)
オクタメチルテトラシロキサン (モメンティブパホーマンス株式会社製)
活性白土 商標名ガレオンアースNS (水澤化学工業株式会社製)
ビニル基当量から計算した分子量が2600である両末端ビニルシリコーン
ビニル基当量から計算した分子量が1350である両末端ビニルシリコーン
ビニル基当量から計算した分子量が720である両末端ビニルシリコーン
以上の化合物は公知慣用の方法で合成した。合成に用いた原料は下記のとおりである。
1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン(信越化学株式会社製)
オクタメチルテトラシロキサン (モメンティブパホーマンス株式会社製)
活性白土 商標名ガレオンアースNS (水澤化学工業株式会社製)
[合成例1]
<ビニル基当量から計算した分子量が2600である両末端ビニルシリコーン>
300mlの4つ口フラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを39.1g(0.21モル)とオクタメチルテトラシロキサンを523.2g(1.77モル)、活性白土を10.5g仕込んだ。内容物を窒素雰囲気下に80℃で6時間反応させた。活性白土を加圧ろ過により除去した後、ろ液をエバポレーターにて120℃、1mmHgの条件で低沸分をカットし、無色透明の液体を443g得た。得られた生成物のビニル基当量は、ヨウ素価分析から1300g/molであった。ビニル基当量から計算した分子量は2600g/molと計算された。
<ビニル基当量から計算した分子量が2600である両末端ビニルシリコーン>
300mlの4つ口フラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを39.1g(0.21モル)とオクタメチルテトラシロキサンを523.2g(1.77モル)、活性白土を10.5g仕込んだ。内容物を窒素雰囲気下に80℃で6時間反応させた。活性白土を加圧ろ過により除去した後、ろ液をエバポレーターにて120℃、1mmHgの条件で低沸分をカットし、無色透明の液体を443g得た。得られた生成物のビニル基当量は、ヨウ素価分析から1300g/molであった。ビニル基当量から計算した分子量は2600g/molと計算された。
[合成例2]
<ビニル基当量から計算した分子量が1350である両末端ビニルシリコーン>
300mlの4つ口フラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを37.3g(0.2モル)とオクタメチルテトラシロキサンを193g(0.65モル)、活性白土を2.3g仕込んだ。内容物を窒素雰囲気下に80℃で6時間反応させた。活性白土を加圧ろ過により除去した後、ろ液をエバポレーターにて120℃、1mmHgの条件で低沸分をカットし、無色透明の液体を230g得た。得られた生成物のビニル基当量は、ヨウ素価分析から675g/mol であった。ビニル基当量から計算した分子量は1350であり、化学式は下記で表された。
<ビニル基当量から計算した分子量が1350である両末端ビニルシリコーン>
300mlの4つ口フラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを37.3g(0.2モル)とオクタメチルテトラシロキサンを193g(0.65モル)、活性白土を2.3g仕込んだ。内容物を窒素雰囲気下に80℃で6時間反応させた。活性白土を加圧ろ過により除去した後、ろ液をエバポレーターにて120℃、1mmHgの条件で低沸分をカットし、無色透明の液体を230g得た。得られた生成物のビニル基当量は、ヨウ素価分析から675g/mol であった。ビニル基当量から計算した分子量は1350であり、化学式は下記で表された。
[合成例3]
<ビニル基当量から計算した分子量が720である両末端ビニルシリコーン>
300mlの4つ口フラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを84g(0.45モル)とオクタメチルテトラシロキサンを133.6g(0.45モル)、活性白土を2.1g仕込んだ。内容物を窒素雰囲気下に80℃で6時間反応させた。活性白土を加圧ろ過により除去した後、ろ液をエバポレーターにて120℃、1mmHgの条件で低沸分をカットし、無色透明の液体を145g得た。得られた生成物のビニル基当量は、ヨウ素価分析から360g/molであった。ビニル基当量から計算した分子量は720であり、化学式は下記で表された。
<ビニル基当量から計算した分子量が720である両末端ビニルシリコーン>
300mlの4つ口フラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを84g(0.45モル)とオクタメチルテトラシロキサンを133.6g(0.45モル)、活性白土を2.1g仕込んだ。内容物を窒素雰囲気下に80℃で6時間反応させた。活性白土を加圧ろ過により除去した後、ろ液をエバポレーターにて120℃、1mmHgの条件で低沸分をカットし、無色透明の液体を145g得た。得られた生成物のビニル基当量は、ヨウ素価分析から360g/molであった。ビニル基当量から計算した分子量は720であり、化学式は下記で表された。
本発明で合成した化合物の数平均分子量と重量平均分子量は、以下のように測定した。
日本分光(株)製の高速液体クロマトグラフシステムCO−2065plusを使用し、試料濃度1重量%のTHF溶液20μLを分析サンプルとして、カラム:ShodexKF804L(昭和電工(株)製)(直列に2本接続)、カラム温度:40℃、検出器:RI、溶離液:THF、及び溶離液流速:1.0mL/分でGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。
日本分光(株)製の高速液体クロマトグラフシステムCO−2065plusを使用し、試料濃度1重量%のTHF溶液20μLを分析サンプルとして、カラム:ShodexKF804L(昭和電工(株)製)(直列に2本接続)、カラム温度:40℃、検出器:RI、溶離液:THF、及び溶離液流速:1.0mL/分でGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。
本発明で合成した化合物の屈折率は、アッベ屈折計((株)アタゴ製NAR−2T)によりナトリウムランプのD線(586nm)を用いて屈折率を測定した。
ポリマー合成に使用した原料は、以下のとおりである。
1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−1,5−ジビニルトリシロキサン(韓国Biogen社製)
カルステッド触媒:商品名PT−VTS(ユミコアジャパン株式会社製)
[合成実施例1] C1成分のポリマー
温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積200mLの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を100g(76.8mmol)、ビニル基当量から計算した分子量が2600である両末端ビニルシリコーン81.7g(31.4mmol)、およびビニル基当量から計算した分子量が720である両末端ビニルシリコーン22.8g(31.7mmol)、溶媒としてトルエン182gを入れた。 窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が115℃に達した後、カルステッド触媒3μlを加えて、そのまま24時間、115℃で加熱攪拌を行った。その後エバポレーターにて120℃、1mmHgの減圧条件下でトルエンを留去した。
得られた生成物の分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=14100、重量平均分子量:Mw=67200であった。屈折率は1.471であった
得られた生成物のH−NMRを図1に示す。なお測定溶媒には重アセトンを使用した。
1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−1,5−ジビニルトリシロキサン(韓国Biogen社製)
カルステッド触媒:商品名PT−VTS(ユミコアジャパン株式会社製)
[合成実施例1] C1成分のポリマー
温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積200mLの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を100g(76.8mmol)、ビニル基当量から計算した分子量が2600である両末端ビニルシリコーン81.7g(31.4mmol)、およびビニル基当量から計算した分子量が720である両末端ビニルシリコーン22.8g(31.7mmol)、溶媒としてトルエン182gを入れた。 窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が115℃に達した後、カルステッド触媒3μlを加えて、そのまま24時間、115℃で加熱攪拌を行った。その後エバポレーターにて120℃、1mmHgの減圧条件下でトルエンを留去した。
得られた生成物の分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=14100、重量平均分子量:Mw=67200であった。屈折率は1.471であった
得られた生成物のH−NMRを図1に示す。なお測定溶媒には重アセトンを使用した。
[合成実施例2] C2成分のポリマー
温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積300mLの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を100g(76.8mmol)、およびビニル基当量から計算した分子量が2600である両末端ビニルシリコーン81.7g(31.4mmol)、および1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−1,1−ジビニルトリシロキサン 11.9g(31mmol)、溶媒としてトルエンを100g入れた。
窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が115℃に達した後、カルステッド触媒3μlを加えて、そのまま24時間、115℃で加熱攪拌を行った。その後エバポレーターにて120℃、1mmHgの減圧条件下でトルエンを留去した。
得られた生成物の分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=10980、重量平均分子量:Mw=32590であった。屈折率は1.481であった。
得られた生成物のH−NMRを図2に示す。なお測定溶媒には重アセトンを使用した。
温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積300mLの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を100g(76.8mmol)、およびビニル基当量から計算した分子量が2600である両末端ビニルシリコーン81.7g(31.4mmol)、および1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−1,1−ジビニルトリシロキサン 11.9g(31mmol)、溶媒としてトルエンを100g入れた。
窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が115℃に達した後、カルステッド触媒3μlを加えて、そのまま24時間、115℃で加熱攪拌を行った。その後エバポレーターにて120℃、1mmHgの減圧条件下でトルエンを留去した。
得られた生成物の分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=10980、重量平均分子量:Mw=32590であった。屈折率は1.481であった。
得られた生成物のH−NMRを図2に示す。なお測定溶媒には重アセトンを使用した。
[比較合成例1] C相当比較合成例1のポリマー
温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積200mlの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を60.0g(46mmol)、およびビニル基当量から計算した分子量が1350である両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサン44.2g(32.7mmol)、溶媒としてトルエン(104g)を入れた。
窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が115℃に達した後、カルステッド触媒3μlを加えて、そのまま24時間、115℃で加熱攪拌を行った。その後エバポレーターにて120℃、1mmHgの減圧条件下でトルエンを留去し94gの無色透明液体を得た。
得られた生成物の分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=8600、重量平均分子量:Mw=19500であった。屈折率は1.481であった。
得られた生成物のH−NMRを図3に示す。なお測定溶媒には重アセトンを使用した。
温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積200mlの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を60.0g(46mmol)、およびビニル基当量から計算した分子量が1350である両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサン44.2g(32.7mmol)、溶媒としてトルエン(104g)を入れた。
窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が115℃に達した後、カルステッド触媒3μlを加えて、そのまま24時間、115℃で加熱攪拌を行った。その後エバポレーターにて120℃、1mmHgの減圧条件下でトルエンを留去し94gの無色透明液体を得た。
得られた生成物の分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=8600、重量平均分子量:Mw=19500であった。屈折率は1.481であった。
得られた生成物のH−NMRを図3に示す。なお測定溶媒には重アセトンを使用した。
[比較合成例2] C相当比較合成例2のポリマー
温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積200mlの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を11.3g(8.7mmol)、および数平均分子量が2600である両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサン 19.4g(7.5mmol)、溶媒としてトルエン(31g)を入れた。窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が115℃に達した後、カルステッド触媒1.5μlを加えて、そのまま24時間、115℃で加熱攪拌を行った。その後エバポレーターにて120℃、1mmHgの減圧条件下でトルエンを留去し29gの無色透明液体を得た。
得られた生成物の分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=13900、重量平均分子量:Mw=58450であった。屈折率は1.46であった。
生成物のH−NMRを図4に示す。なお測定溶媒には重クロロホルムを使用した。
温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積200mlの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を11.3g(8.7mmol)、および数平均分子量が2600である両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサン 19.4g(7.5mmol)、溶媒としてトルエン(31g)を入れた。窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が115℃に達した後、カルステッド触媒1.5μlを加えて、そのまま24時間、115℃で加熱攪拌を行った。その後エバポレーターにて120℃、1mmHgの減圧条件下でトルエンを留去し29gの無色透明液体を得た。
得られた生成物の分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=13900、重量平均分子量:Mw=58450であった。屈折率は1.46であった。
生成物のH−NMRを図4に示す。なお測定溶媒には重クロロホルムを使用した。
以下、本発明の有機ケイ素化合物を用いた熱硬化性組成物の調製、この組成物から得られる硬化物、および物性評価試験方法について説明する。
使用した主な材料は以下のとおりである。
A成分:シルセスキオキサン誘導体ベースポリマー1
B1成分:DVTS(1,5−ジビニル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン)(GELEST社製)
B2成分:FM−2205(ビニル基当量が360g/molの両末端ビニルシリコーン)(JNC株式会社製)
B3成分:1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−1,5−ジビニルトリシロキサン(韓国Biogen社製)
C1成分:合成実施例1のベースポリマー
C2成分:合成実施例2のベースポリマー
D成分 :Pt触媒
E成分:シルセスキオキサン誘導体ポリマー2
F1成分:FM−0111(分子量が1000の片末端にSiH基を有する直鎖状シリコーン)(JNC株式会社製)
F2成分:1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニルトリシロキサン(韓国Biogen社製)
G成分;S510(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) (JNC株式会社製)
MVS−H:1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン GELEST社製
ECYH−OH:1−エチニルシクロヘキサノール 東京化成(株)製
蛍光体:NYAG4454−L INTEMATIX社製
A成分:シルセスキオキサン誘導体ベースポリマー1
B1成分:DVTS(1,5−ジビニル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン)(GELEST社製)
B2成分:FM−2205(ビニル基当量が360g/molの両末端ビニルシリコーン)(JNC株式会社製)
B3成分:1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−1,5−ジビニルトリシロキサン(韓国Biogen社製)
C1成分:合成実施例1のベースポリマー
C2成分:合成実施例2のベースポリマー
D成分 :Pt触媒
E成分:シルセスキオキサン誘導体ポリマー2
F1成分:FM−0111(分子量が1000の片末端にSiH基を有する直鎖状シリコーン)(JNC株式会社製)
F2成分:1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニルトリシロキサン(韓国Biogen社製)
G成分;S510(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) (JNC株式会社製)
MVS−H:1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン GELEST社製
ECYH−OH:1−エチニルシクロヘキサノール 東京化成(株)製
蛍光体:NYAG4454−L INTEMATIX社製
[シルセスキオキサン誘導体ベースポリマー1]
式(2)において、a[式(X’−I)]=2.34、b[式(X’−II)]=0、c[式(X’−III)]=1.66であり、m=1である化合物、下記化学式で表される化合物をシルセスキオキサン誘導体ベースポリマー1とした。
式(2)において、a[式(X’−I)]=2.34、b[式(X’−II)]=0、c[式(X’−III)]=1.66であり、m=1である化合物、下記化学式で表される化合物をシルセスキオキサン誘導体ベースポリマー1とした。
シルセスキオキサン誘導体ベースポリマー1は、下記反応式により、次の方法で合成した。温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積200mLの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を50g(0.0384モル)、1,5−ジビニル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(DVTS)を51.3g(0.197モル)(DD−4Hに対して5倍モル)、溶媒としてトルエンを37.5g入れた。
窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が115℃に達した後、Pt濃度がDD−4Hに対して0.005ppmになるように加えて、加熱攪拌を行った。GPCにより反応追跡を行い、7時間後に加熱を止めることにより反応を停止させた。反応液をナスフラスコに移しエバポレーターにて70℃、0.13kPaの減圧条件下でトルエン並びに過剰分のDVTSを留去し、25℃の粘度が95Pa・sの無色透明の液体を58g得た。分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=1200、重量平均分子量:Mw=1400であった。分析結果より、a[式(X−I)]=2.34、b[式(X−II)]=0、c[式(X−III)]=1.66であり、m=1である化合物と同定した。
<(E) SiH基を有するシルセスキオキサン、アルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサン、アルケニル基を有するエポキシ化合物およびアルケニル基を有するシリル化合物を反応させることにより得られる、SiH基を有する化合物>
[シルセスキオキサン誘導体ベースポリマー2]
本発明の(E)成分であるSiH基を有する化合物として、式(E1)において、A’[式(a)]=1.32、B’[式(b)]=0.69、C’[式(c−i)]=0.65、D’[式(d−i)]=0.65、m=8.8である下記式で表されるシルセスキオキサン誘導体ベースポリマー2を用いた。
[シルセスキオキサン誘導体ベースポリマー2]
本発明の(E)成分であるSiH基を有する化合物として、式(E1)において、A’[式(a)]=1.32、B’[式(b)]=0.69、C’[式(c−i)]=0.65、D’[式(d−i)]=0.65、m=8.8である下記式で表されるシルセスキオキサン誘導体ベースポリマー2を用いた。
シルセスキオキサン誘導体ベースポリマー2は、下記反応式により、次の方法で合成した。温度計、還流冷却器、および撹拌機を備えた内容積300mLの反応容器にシルセスキオキサン誘導体(DD−4H)を50g、ビニルシリコーン(FM−2205)を18.6g(0.0266モル)、モノアリルジエポキシイソシアヌレート(MA−DGIC)を7.47g(0.0252モル)、S210を3.7g(0.0252モル)、溶媒としてトルエン50gを入れた。
窒素雰囲気下、加熱攪拌を開始した。内容物が100℃に達した後、Pt濃度がDD−4Hに対して1ppmとなる量を加え、そのまま5時間加熱攪拌を行った。GCよりMA−DGICの消失を確認して反応を終了した。室温まで冷却した後、活性炭を1.6g加え3時間以上攪拌した後、ろ過により活性炭を除去した。ろ液をエバポレーターにて90℃、0.13kPaの減圧条件下に溶媒であるトルエンを留去した。74gの水アメ状の無色透明の液体を得た。
得られた生成物の分子量をGPCにより分析したところ、数平均分子量:Mn=3900、重量平均分子量:Mw=18200であった。
<蛍光体の凝集評価>
配合表(表1)に示した割合の原料をスクリュー管に入れ、スパチュラで激しく混合させた後、スクリュー管を自転・公転ミキサー[株式会社シンキー製「あわとり練太郎(登録商標)」ARE−250]にセットし、混合・脱泡を行った。
蛍光体を配合樹脂に分散させた。
この蛍光体含有樹脂を、帝人ジュポン社製の離型フィルム(商標名ピューレックス A53タイプ)上に前記の蛍光体混合樹脂を150μmのフィルムアプリケーターにて、コーティングした。これを100℃のオーブンに入れて1時間で半硬化させた。この蛍光体含有樹脂を硬化させたコーティングフィルムをマイクロスコープ(キーエンス株式会社 商品名VHX−2000、倍率500倍)で観察した。蛍光体粒子同士の凝集の度合いが大きいものを×、蛍光体粒子同士の凝集の度合いが中くらいのものを△、蛍光体粒子同士の凝集の度合いが少ないものを○とした(表2)。
配合表(表1)に示した割合の原料をスクリュー管に入れ、スパチュラで激しく混合させた後、スクリュー管を自転・公転ミキサー[株式会社シンキー製「あわとり練太郎(登録商標)」ARE−250]にセットし、混合・脱泡を行った。
蛍光体を配合樹脂に分散させた。
この蛍光体含有樹脂を、帝人ジュポン社製の離型フィルム(商標名ピューレックス A53タイプ)上に前記の蛍光体混合樹脂を150μmのフィルムアプリケーターにて、コーティングした。これを100℃のオーブンに入れて1時間で半硬化させた。この蛍光体含有樹脂を硬化させたコーティングフィルムをマイクロスコープ(キーエンス株式会社 商品名VHX−2000、倍率500倍)で観察した。蛍光体粒子同士の凝集の度合いが大きいものを×、蛍光体粒子同士の凝集の度合いが中くらいのものを△、蛍光体粒子同士の凝集の度合いが少ないものを○とした(表2)。
表2 表1の配合組成の蛍光体粒子凝集度合いの結果
本発明の有機ケイ素化合物を配合させたものの蛍光体粒子の凝集度合いは、非常に少なかった。一方、本発明の有機ケイ素化合物を配合させなかった場合の蛍光体粒子の凝集度合いは大きかった。
本発明の有機ケイ素化合物を配合させたものの蛍光体粒子の凝集度合いは、非常に少なかった。一方、本発明の有機ケイ素化合物を配合させなかった場合の蛍光体粒子の凝集度合いは大きかった。
<表面平滑性評価>
スクリュー管に表3と表4に示す配合割合で原料をそれぞれ入れ、スクリュー管を自転・公転ミキサー[株式会社シンキー製「あわとり練太郎(登録商標)」ARE−250]にセットし、混合・脱泡を行った。
縦横が10cm角のSUS板上に、固定版であるアルミ板とポリテトラフルオロエチレンシートを用いて縦横が7.5cm角の枠を設置した。この枠の中に、混合・ダッポウされた樹脂を約6g流し込み、オーブンにいれた。オーブンの温度を80℃30分、120℃30分、160℃2時間の条件に設定し、樹脂を硬化させた。室温まで戻った後、硬化物の表面を観察した。
ベナールセルが発生しているものを×、ベナールセルが発生していないものを○とした。表面に波打ちが明らかに見えるものを×、表面に波打ちが少し見えるのを△、波うちが全く見えなく表面が平滑なものを○とした(表4)。
スクリュー管に表3と表4に示す配合割合で原料をそれぞれ入れ、スクリュー管を自転・公転ミキサー[株式会社シンキー製「あわとり練太郎(登録商標)」ARE−250]にセットし、混合・脱泡を行った。
縦横が10cm角のSUS板上に、固定版であるアルミ板とポリテトラフルオロエチレンシートを用いて縦横が7.5cm角の枠を設置した。この枠の中に、混合・ダッポウされた樹脂を約6g流し込み、オーブンにいれた。オーブンの温度を80℃30分、120℃30分、160℃2時間の条件に設定し、樹脂を硬化させた。室温まで戻った後、硬化物の表面を観察した。
ベナールセルが発生しているものを×、ベナールセルが発生していないものを○とした。表面に波打ちが明らかに見えるものを×、表面に波打ちが少し見えるのを△、波うちが全く見えなく表面が平滑なものを○とした(表4)。
<粘度>
表3と表4に示す配合割合で混合された樹脂の粘度を、東機産業株式会社製のTV−22形粘度計コーンプレートタイプを使用し、恒温槽温度25℃にて測定した。
表3と表4に示す配合割合で混合された樹脂の粘度を、東機産業株式会社製のTV−22形粘度計コーンプレートタイプを使用し、恒温槽温度25℃にて測定した。
<光透過率>
ガラス基板上に厚さ4mmのスペーサーを用いて4mm厚の枠を作成し、この枠の中に表3に示す配合割合で混合された樹脂を流し込み、オーブンにいれた。オーブンの温度を80℃30分、120℃30分、160℃2時間の条件に設定し、樹脂を硬化させた。室温まで戻った後、硬化物を、日本分光株式会社製紫外可視分光光度計 V−650にて波長400nmにおける光の透過率を測定した。
ガラス基板上に厚さ4mmのスペーサーを用いて4mm厚の枠を作成し、この枠の中に表3に示す配合割合で混合された樹脂を流し込み、オーブンにいれた。オーブンの温度を80℃30分、120℃30分、160℃2時間の条件に設定し、樹脂を硬化させた。室温まで戻った後、硬化物を、日本分光株式会社製紫外可視分光光度計 V−650にて波長400nmにおける光の透過率を測定した。
<屈折率>
4mm厚の硬化物試験片は、硬化物をバンドソーにて切断し、JIS K7142(2008年)に従って試験片を作製した。この試験片を用いて、アッベ屈折計[株式会社アタゴ製NAR−2T]によりナトリウムランプのD線(586nm)を用いて屈折率を測定した。中間液はヨウ化メチレンを用いた。
4mm厚の硬化物試験片は、硬化物をバンドソーにて切断し、JIS K7142(2008年)に従って試験片を作製した。この試験片を用いて、アッベ屈折計[株式会社アタゴ製NAR−2T]によりナトリウムランプのD線(586nm)を用いて屈折率を測定した。中間液はヨウ化メチレンを用いた。
<硬度>
4mm厚の硬化物試験片を JIS K6253(2006年)の規定に準じて、D硬度を西東京精密株式会社製デュロメータWR−105Dにより、A硬度をWR−104Aにより測定した。
4mm厚の硬化物試験片を JIS K6253(2006年)の規定に準じて、D硬度を西東京精密株式会社製デュロメータWR−105Dにより、A硬度をWR−104Aにより測定した。
表5に示したように本発明の有機ケイ素化合物を配合させたものの硬化物の表面平滑性は、ベナールセルの発生が無く、表面の波うちも観察されず表面平滑性に優れた。
図8に実施例3の硬化物表面の写真を示す。一方、本発明の有機ケイ素化合物を配合させないものの硬化物の表面平滑性はベナールセルの発生や表面の波うちが観察されるか、ベナールセルの発生や表面の波うちが観察されなくても硬化物の透過率が低く、実用上使用できなかった。図9に比較例2の硬化物表面の写真を示す。
図8に実施例3の硬化物表面の写真を示す。一方、本発明の有機ケイ素化合物を配合させないものの硬化物の表面平滑性はベナールセルの発生や表面の波うちが観察されるか、ベナールセルの発生や表面の波うちが観察されなくても硬化物の透過率が低く、実用上使用できなかった。図9に比較例2の硬化物表面の写真を示す。
表6に示したように、屈折率が1.54の市販のLED封止材製品OE−6630またはOE−6636(共に、東レダウコーニング社製)に本発明の有機ケイ素化合物を配合させたものの硬化物の表面平滑性は、ベナールセルの発生が無く、表面の波うちも観察されず表面平滑性に優れた。一方で本発明の有機ケイ素化合物を配合させない屈折率が1.54の市販のLED封止材製品は硬化物の表面はベナールセルの発生や表面の波うちが観察され表面平滑性に優れなかった。
<本発明の式(1)の化合物を主配合成分として用いた、耐熱性に優れた硬化性組成物配合組成>
表7に示す配合表に示した割合の原料をスクリュー管に入れ、スパチュラで激しく混合させた後、スクリュー管を自転・公転ミキサー[株式会社シンキー製「あわとり練太郎(登録商標)」ARE−250]にセットし、混合・脱泡を行った。
粘度は前記と同様にTV−22形粘度計を用い恒温槽温度25℃にて測定した。
表7に示す配合表に示した割合の原料をスクリュー管に入れ、スパチュラで激しく混合させた後、スクリュー管を自転・公転ミキサー[株式会社シンキー製「あわとり練太郎(登録商標)」ARE−250]にセットし、混合・脱泡を行った。
粘度は前記と同様にTV−22形粘度計を用い恒温槽温度25℃にて測定した。
<硬化物作成および評価>
前記と同様に、ガラス板上に厚さ4mmのスペーサーを用いて4mm厚の枠を作成し、この枠の中に表7に示す配合割合で混合された樹脂を流し込み、オーブンにいれた。オーブンの温度を80℃30分、120℃30分、160℃2時間の条件に設定し、樹脂を硬化させた。室温まで戻った後、硬化物を、紫外可視分光光度計 V−650にて波長400nmにおける光の透過率を測定した。
また、4mm厚の硬化物をバンドソーにて切断し、JIS K7142(2008年)に従って試験片を作製した。この試験片を用いて、前記と同様にアッベ屈折計を用いて屈折率を測定した。
さらに、4mm厚の硬化物試験片を、前記と同様にD硬度およびA硬度を測定した。
前記と同様に、ガラス板上に厚さ4mmのスペーサーを用いて4mm厚の枠を作成し、この枠の中に表7に示す配合割合で混合された樹脂を流し込み、オーブンにいれた。オーブンの温度を80℃30分、120℃30分、160℃2時間の条件に設定し、樹脂を硬化させた。室温まで戻った後、硬化物を、紫外可視分光光度計 V−650にて波長400nmにおける光の透過率を測定した。
また、4mm厚の硬化物をバンドソーにて切断し、JIS K7142(2008年)に従って試験片を作製した。この試験片を用いて、前記と同様にアッベ屈折計を用いて屈折率を測定した。
さらに、4mm厚の硬化物試験片を、前記と同様にD硬度およびA硬度を測定した。
<耐熱性評価>
上記で得られた4mm厚の硬化物を200℃のオーブンに入れ、1000時間加熱後の硬化物を、紫外可視分光光度計 V−650にて波長400nmにおける光の透過率を測定し、加熱前との透過率の保持率を算出した。
表8に粘度・硬度・屈折率・透過率・200℃1000時間加熱後の波長400nmにおける透過率保持率を示す。ここでの比較例2、6、7は表3、表4の比較例配合組成と同じである。
上記で得られた4mm厚の硬化物を200℃のオーブンに入れ、1000時間加熱後の硬化物を、紫外可視分光光度計 V−650にて波長400nmにおける光の透過率を測定し、加熱前との透過率の保持率を算出した。
表8に粘度・硬度・屈折率・透過率・200℃1000時間加熱後の波長400nmにおける透過率保持率を示す。ここでの比較例2、6、7は表3、表4の比較例配合組成と同じである。
表8に示したように、本発明の有機ケイ素化合物を主配合成分として用いた実施例8、9、10は、200℃1000時間加熱後の波長400nmにおける透過率保持率が60%以上であり、比較例の30%以下と比較して優れた耐熱性を示した。優れた耐熱性を示すシリコーン系の硬化物は、1.45以下の低い屈性率となる傾向にある。屈折率1.5以上で、このように高い耐熱性を示す硬化物は、これまで知られていなかった。
本発明の有機ケイ素化合物は、フェニル系の熱硬化性樹脂組成物に含ませることにより、硬化物の表面平滑性を向上させることができる。従ってLED等の光半導体素子の封止材、またはコーティング材として用いた場合、表面の荒れによる乱反射等が抑制でき光の取り出し効率を向上させることに寄与する。また、本発明の有機ケイ素化合物を含んだ熱硬化性樹脂組成物は蛍光体と混合させて用いる場合において、蛍光体同士の凝集を抑制できるため蛍光体の分散性が向上し、LED照明としての色のバラつきを少なくすることに寄与する。本発明の有機ケイ素化合物を配合させた樹脂組成物は、LED等の光半導体素子の封止材、またはコーティング材として非常に有用である。
また、本発明の有機ケイ素化合物を主配合成分として用いた硬化性組成物は、耐熱性に優れており、大出力に耐えうるLED封止材として好適である。
また、本発明の有機ケイ素化合物を主配合成分として用いた硬化性組成物は、耐熱性に優れており、大出力に耐えうるLED封止材として好適である。
Claims (20)
- 式(1)で表される化合物。
式(1)において、
Xは独立して、式(X−I)、式(X−II)、式(X−III)、または式(X−IV)で表される基であり、式(X−I)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(X−I)で表される基と、式(X−II)、式(X−III)、および式(X−IV)で表される基の割合とが異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の、式(X−I)で表される基の数をA、式(X−II)で表される基の数をB、式(X−III)で表される基の数をC、式(X−IV)で表される基の数をDとした場合に、A+2B+2C+2D=4であり、0.5≦A≦3.0であり、0.1<2B<2.0であり、0<2C<2.0であり、かつ0≦2D≦1.0であり;
R1は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
nは1〜100を満たす平均値である。
式(X−II)において、
R2およびR3は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
rは−OSi(R3)2−の繰り返しの数であり、20〜1000を満たす平均値である。
式(X−III)において、
R4およびR5は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
sは−OSi(R5)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値である。
式(X−IV)において、
R6およびR7は炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルであり、2つのR7のうちの少なくとも一つはフェニルであり;
tは−OSi(R7)2−の繰り返しの数であり、1〜1000を満たす平均値である。 - 請求項1に記載の式(1)で表される化合物を含有し、熱硬化で得られる硬化物の屈折率が1.48以上である熱硬化性樹脂組成物。
- 以下の(A)、(B)、(C)、および(D)を含有する熱硬化性樹脂組成物。
(A) SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとの反応物であって、SiH基とアルケニル基とを含む熱硬化性樹脂。
(B) アルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン化合物。
(C) 請求項1に記載の式(1)で表される化合物。
(D) ヒドロシリル化反応触媒。 - (A)におけるシルセスキオキサンがダブルデッカー型シルセスキオキサンである請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに、(E)、(F)、および(G)から選択される少なくとも1つを含有する請求項3または4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(E) SiH基を有するシルセスキオキサンとアルケニル基を2個有するオルガノポリシロキサンとアルケニル基を有するエポキシ化合物とアルケニル基を有するシリル化合物とを反応させることにより得られる、SiH基を有する熱硬化性樹脂。
(F) SiH基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサン化合物。
(G) エポキシ基を有するシランカップリング剤。 - (A)が、式(2)で表される化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
式(2)において、
X’は独立して、式(X’−I)、式(X’−II)、または式(X’−III)で表される基であり、式(1)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(X’−I)で表される基と式(X’−II)で表される基と式(X’−III)で表される基の割合が異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の式(X’−I)で表される基の数をA’、式(X’−II)で表される基の数をB’、式(X’−III)で表される基の数をC’とした場合に、A’+2B’+C’=4であり、0<A’≦3であり、0≦B’≦1であり、0<C’≦3であり;
R1’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルかであり;
mは1〜100を満たす平均値である。
式(X’−II)において、
R2’およびR3’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
r’は−OSi(R3’)2−の繰り返しの数であり、2〜20を満たす平均値である。
式(X’−III)において、
R4’およびR5’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
s’は−OSi(R5’)2−の繰り返しの数であり、2〜20を満たす平均値であり;
R0は炭素数2〜5の1つの二重結合を有する不飽和炭化水素基であり、R0’は、R0と同じ炭素数である飽和炭化水素基である。 - (E)が、式(E1)で表される化合物である請求項3〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
式(E1)において、
X ’’は独立して、式(a)、式(b)、式(c−i)、式(c−ii)、式(c−iii)、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基であり、式(E1)で表される化合物1分子あたり[該化合物が式(a)で表される基と、式(b)、式(c−i)、式(c−ii)、式(c−iii)、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基の割合とが異なる化合物の混合物である場合は該化合物1分子平均]の、式(a)で表される基の数をA’’、式(b)で表される基の数をB”、式(c−i)、式(c−ii)、または式(c−iii)で表される基の数をC’’、式(d−i)、式(d−ii)、または式(d−iii)で表される基の数をD’’とした場合に、A ’’+2B ’’+C ’’+D ’’=4であり、0.5≦A ’’≦3.0であり、0.5≦2B ’’≦2.0であり、0.1≦C ’’≦2.0であり、0≦D ’’≦1.0であり;
R1 ’’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
lは1〜100を満たす平均値である。
式(b)において、
R2’’およびR3’’は独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルであり;
t’’は−OSi(R3’’)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値である。
式(d−i)におけるR4’’、式(d−ii)におけるR4’’’、および式(d−iii)におけるR4’’’’は独立して、メチル、エチル、ブチル、またはイソプロピルであり;
式(d−ii)におけるxは、−OSi(R4’’’)2−の繰り返しの数であり、1〜20を満たす平均値であり;
式(d−iii)におけるyは、−OSi(R4’’’’)2−の繰り返しの数であり、1〜10を満たす平均値であり;
式(d−iii)におけるR0は炭素数2〜5の1つの二重結合を有する不飽和炭化水素基である。 - 式(E1)において、R1’’がメチルであり、lが1〜25を満たす平均値であり、Xは独立して、式(a)、式(b)、式(c−i)、または式(d−i)で表される基である請求項8に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 熱硬化性樹脂組成物全量基準で、(A)の配合割合が50〜95質量%であり、(B)の配合割合が0.1〜20質量%であり、(C)の配合割合が0.01〜50%であり、(D)の配合割合が0.001ppm〜10ppmである請求項3〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 熱硬化性樹脂組成物全量基準で、(A)の配合割合が5〜50質量%であり、(B)の配合割合が1〜25質量%であり、(C)の配合割合が50〜65%であり、(D)の配合割合が0.001ppm〜10ppmである請求項3〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 熱硬化性樹脂組成物全量基準で、(E)の配合割合が0〜10質量%であり、(F)の配合割合が0〜20質量%であり、(G)の配合割合が0〜5質量%である請求項5〜12に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに蛍光体を含む請求項2〜13のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらにシリカまたは金属酸化物を含む請求項2〜14のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項2〜15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を成型して得られるプリプレグ。
- 請求項2〜15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物、または請求項16に記載のプリプレグを硬化させて得られる硬化物。
- 請求項2〜15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物、または請求項16に記載のプリプレグを含有する光半導体用組成物。
- 請求項18に記載の光半導体用組成物を封止剤として含む光半導体発光素子または光半導体受光素子
- 塗膜状またはシート状であり、厚みが0.1μm〜3,000μmである、請求項17に記載の硬化物。
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