JP6357798B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
エンコーダから出力される例えばパルス信号をカウントし、そのカウント値に基づいてロータの回転位置を検出することで、ロータを目標位置まで回転駆動するモータ制御装置がある。そのようなモータを制御する場合には電源投入時にロータの回転位置を特定する必要があり、例えば特許文献1には、電源投入時の初期駆動中に通電相を切り換えることでロータの回転位置を特定し、その結果に基づいてロータの基準位置を学習するモータ制御装置が記載されている。
特開2004−129451号公報
しかしながら、近年、電源投入後またはモータ制御開始前により早くロータの基準位置を学習したいという要望が増えつつある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロータの回転位置をより早く特定し、ロータの基準位置を学習するまでの時間を短縮することができるモータ制御装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、モータ制御装置は、電源投入後またはモータ制御開始前に予め定められている所定期間に渡ってオープンループ制御にて二相通電する初期駆動を実行し、A相信号およびB相信号の組み合わせが二相通電している通電相に対応して予め設定されているA相信号およびB相信号の組み合わせと一致するか否かを判定し、一致したと判定すると、当該一致した組み合わせに対応して予め設定されている補正値を特定し、特定した補正値を用いてロータの基準位置を学習する。これにより、初期駆動中に通電相を切り換えなくても、1回の通電によりロータの回転位置を特定することができる。したがって、ロータの基準位置を学習するまでの時間を短縮することができる。
第1実施形態のモータ制御装置が制御するモータの駆動対象となるレンジ切換制御装置の構成を模式的に示す図 モータの内部構成を模式的に示す図 モータの駆動回路を模式的に示す図 レンジ切換制御装置の電気的構成を模式的に示す図 エンコーダと磁気検出素子との位置関係を模式的に示す図 エンコーダのロータリマグネットと磁気検出素子との位置関係を模式的に示す図 通電相とエンコーダの出力との対応関係を示す図 VW相に二相通電した場合のSRモータの状態を模式的に示す図その1 U相に一相通電した場合のSRモータの状態を模式的に示す図 VW相に二相通電した場合のSRモータの状態を模式的に示す図その2 通電相と補正値との対応関係を示す図 基準位置学習処理の流れを示す図 第2実施形態による基準位置学習処理の流れを示す図
以下、本発明の複数の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に共通する部位については共通する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について、図1から図12を参照しながら説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態で制御対象となるレンジ切換機構11の構成を説明する。レンジ切換機構11の駆動源となるモータ12は、本実施形態ではスイッチドリラクタンスモータ(以下、SRモータとも称する)を採用している。このモータ12は、減速機構26(図4参照)を内蔵している。また、モータ12は、その出力軸13の回転位置を検出する出力軸センサ14が設けられている。この出力軸13には、ディテントレバー15が固定されている。
ディテントレバー15には、L字形のパーキングロッド18が固定されている。このパーキングロッド18は、その先端部に設けられた円錐体19がロックレバー21に当接している。ロックレバー21は、円錐体19の位置に応じて軸22を中心にして上下動することで、パーキングギヤ20を回転可能または回転不能に切り換える。このパーキングギヤ20は、自動変速機27(図4参照)の出力軸に設けられている。そのため、パーキングギヤ20が回転可能であれば車両の駆動輪も回転可能である一方、パーキングギヤ20が回転不能となると車両の駆動輪も回転不能となる。
このパーキングギヤ20の回転可能/回転不能の切り換えは、以下のようにして行われる。レンジ切換機構11には、ディテントレバー15をパーキングレンジ(以下「Pレンジ」と称する)あるいは他のレンジ(以下「NotPレンジ」と称する)に保持するためのディテントバネ23が設けられている。このディテントバネ23は、支持ベース17に固定されており、その先端に設けられている係合部23aがディテントレバー15に設けられている凹部と係合することで、ディテントレバー15の位置決めを行っている。具体的には、ディテントバネ23の係合部23aがディテントレバー15のPレンジ保持凹部24に係合したとき、ディテントレバー15は、Pレンジの位置に保持される。一方、ディテントバネ23の係合部23aがディテントレバー15のNotPレンジ保持凹部25に係合したとき、ディテントレバー15は、NotPレンジの位置に保持される。
Pレンジでは、パーキングロッド18がロックレバー21に接近する方向に移動している。このため、円錐体19の径大部がロックレバー21の下方に入り込み、ロックレバー21が押し上げられる。これにより、ロックレバー21の凸部21aがパーキングギヤ20に嵌まり込み、パーキングギヤ20が回転不能にロックされる。その結果、自動変速機27の出力軸つまりは駆動輪もロックされた状態となる。この状態が、いわゆるパーキング状態である。
一方、NotPレンジでは、パーキングロッド18がロックレバー21から離れる方向に移動する。このため、円錐体19の径大部がロックレバー21の下方から抜け出てロックレバー21が下降する。これにより、ロックレバー21の凸部21aがパーキングギヤ20から外れ、パーキングギヤ20のロックが解除される。その結果、自動変速機27の出力軸も回転可能な状態となる。この状態は、車両が走行可能な状態である。
なお、上記した出力軸センサ14は、モータ12の減速機構26の出力軸13の回転角度に応じた電圧を出力する回転センサによって構成されている。この回転センサは、例えばポテンショメータを採用することができる。そのため、回転センサからの出力電圧を検知することで、現在のレンジがPレンジであるかNotPレンジであるかを把握することができる。
次に、モータ12の構成を説明する。
図2に示すように、モータ12は、一般的なSRモータと同様に、ステータ31に突極31aが設けられ、ロータ32に突極32aが設けられた突極構造となっている。このモータ12は、永久磁石が不要であるとともに、比較的簡易な構造で実現できるという利点がある。円筒状に形成されたステータ31は、その内周部に、本実施形態では12個の突極31aが等間隔に形成されている。つまり、突極31aは、ステータ31の内周側に30°間隔で設けられている。また、ステータ31の内周に配置されているロータ32には、その外周部に、本実施形態では8個の突極32aが等間隔に形成されている。つまり、突極32aは、ロータ32の外周側に45°間隔で設けられている。
ロータ32の各突極32aとステータ31の各突極31aとは、モータ12が駆動され、各相に通電されると、ロータ32の回転に伴って微小なギャップを介して順次対向する。なお、図2では、図面の簡略化のために、それぞれ2個の突極31aおよび突極32aにのみ符号を付している。なお、突極31aおよび突極32aの数は上記に限定されるものでは無く、後述するように突極31a、突極32a、エンコーダ46の磁気検出素子48、磁気検出素子49、磁気検出素子50(図5および図6参照)の互いの位置関係を充足する状態であれば、適宜その数を変更してもよい。
ステータ31の各突極31aには、U相、V相、W相の合計6個のコイル33と、U’相、V’相、W’相の合計6個のコイル34が巻回されている。本実施形態の場合、コイル33、34は、ステータ31の12個の突極31aに対して、図示時計回りにV相→W相→U相→V相→W相→U相→V’相→W’相→U’相→V’相→W’相→U’相の順で巻回されている。
これらU相、V相、W相のコイル33およびU’相、V’相、W’相のコイル34は、図3に示すように、2系統のモータ励磁部35およびモータ励磁部36を構成するように結線されている。モータ励磁部35は、U相、V相、W相のコイル33がY結線により接続されている。このとき、同相の2個のコイル33は、それぞれ直列に接続されている。モータ励磁部36は、U’相、V’相、W’相のコイル34がY結線により接続されている。このとき、同相の2個のコイル34は、それぞれ直列に接続されている。これらのモータ励磁部35およびモータ励磁部36は、U相とU’相が同時に通電され、V相とV’相が同時に通電され、W相とW’相が同時に通電される。
モータ励磁部35およびモータ励磁部36は、車両に搭載されたバッテリ40を電源として、個別のモータドライバ37およびモータドライバ38によってそれぞれ駆動される。このように、モータ励磁部35およびモータ励磁部36とモータドライバ37およびモータドライバ38とを設け、2系統の励磁部を備えることで、一方の系統が故障したとしても、他方の系統にてモータ12を回転駆動させることができる。なお、本発明を実施する上では、モータ励磁部およびモータドライバは1系統であってもよい。
モータドライバ37およびモータドライバ38は、各相に例えばトランジスタやIGBT等のスイッチング素子39を1個ずつ設けたユニポーラ駆動方式の回路構成を採用している。なお、各相にスイッチング素子39を2個ずつ設けたバイポーラ駆動方式の回路構成を採用してもよい。
モータドライバ37およびモータドライバ38は、ECU41によってスイッチング素子39のオン/オフが制御される。このECU41は、図4に示すように、モータ12を駆動するモータドライバ37、モータドライバ38とともに、本実施形態ではレンジ切換制御装置42に搭載されている。
レンジ切換制御装置42には、Pレンジへの切換操作を行うPレンジスイッチ43、NotPレンジへの切換操作を行うNotPレンジスイッチ44の操作信号が入力される。ユーザによりPレンジスイッチ43あるいはNotPレンジスイッチ44が操作されると、操作信号がレンジ切換制御装置42に入力されるとともに、選択されたレンジが車両のインストルメントパネル(図示省略)に設けられたレンジ表示部45に表示される。
モータ12には、ロータ32の回転位置を検出するためのエンコーダ46が設けられている。このエンコーダ46は、例えば磁気式のロータリエンコーダにより構成されている。これらモータ12、レンジ切換制御装置42およびエンコーダ46等により、モータ制御装置60が構成されている。
エンコーダ46は、図5に示すように、ロータ32と同軸に回転するロータリマグネット47、および、3個の磁気検出素子48、磁気検出素子49、磁気検出素子50により構成されている。ロータリマグネット47は、ロータ32に固定されており、図6に示すように、N極およびS極の磁極が周方向に交互に等ピッチで着磁された円環状に形成されている。磁気検出素子48〜50は、例えばホールICで構成されており、ロータリマグネット47に対向配置されている。
本実施形態では、ロータリマグネット47のN極とS極の着磁ピッチが7.5°に設定されている。このロータリマグネット47の着磁ピッチは、モータ12の励磁1回当たりのロータ32の回転角度と同じに設定されている。そのため、1相−2相励磁方式でモータ12の通電相の切り換えを6回行うと、全ての通電相の切り換えが一巡してロータ32とロータリマグネット47が一体的に7.5°×6=45°回転する。このロータリマグネット47の45°の回転角度範囲に存在するN極とS極の数は、合計6極となっている。
また、ロータ32の基準回転位置に相当する位置のN極(便宜的に、N’極と称する)、およびその両側に配置されるS極(便宜的に、S’極と称する)の着磁部分は、他の磁極よりも径方向の大きさが幅広に形成されている。本実施形態の場合、上記したようにモータ12の通電相の切り換えが一巡する間にロータ32とロータリマグネット47が一体に45°回転することから、ロータ32の基準回転位置に相当する幅広な着磁部分であるN’極およびS’極も45°ピッチで配置されている。つまり、ロータリマグネット47には、基準回転位置に相当する幅広な着磁部分が合計8個形成されている。
3個の磁気検出素子48〜50は、ロータリマグネット47に対して、次のような位置関係で配置されている。A相信号を出力する磁気検出素子48とB相信号を出力する磁気検出素子49とは、ロータリマグネット47の幅狭な着磁部分(N極およびS極)と幅広な着磁部分(N’極およびS’極)の両方に対向し得る位置の同一円周上に配置されている。なお、着磁部分に対向し得る位置とは、磁気検出素子にて着磁部分の磁極を検出可能な位置である。磁気検出素子48および磁気検出素子49は、回転軸を中心とした中心角が48.75°となる位置に配置されている。
また、Z相信号を出力する磁気検出素子50は、ロータリマグネット47の幅狭な着磁部分よりも径方向外側または内側の位置であって、且つ、幅広な着磁部分にのみに対向し得る位置に配置されている。すなわち、磁気検出素子50は、幅狭な着磁部分とは対向しない位置に配置されている。本実施形態では、磁気検出素子50は、幅狭な着磁部分よりも径方向外側に設けられている。この磁気検出素子50は、磁気検出素子49からみて、磁気検出素子48と反対側に中心角が30°となる位置に配置されている。
A相信号を出力する磁気検出素子48とB相信号を出力する磁気検出素子49との間隔は、A相信号とB相信号の位相差が電気角で90°(機械角では3.75°)となるように設定されている。ここで、“電気角”とは、A相信号およびB相信号の発生周期を1周期(360°)とした場合の角度で、“機械角”は機械的な角度(ロータ32の1回転を360°とした場合の角度)である。そのため、A相信号の立ち下がりからB相信号の立ち下がりまで、あるいは、A相信号の立ち上がりからB相信号の立ち上がりまでにロータ32が回転する角度が、A相信号とB相信号の位相差の機械角に相当する。また、Z相信号を出力する磁気検出素子50は、Z相信号と本実施形態ではB相信号との位相差が0となるように配置されている。なお、Z相信号とA相信号との位相差が0となるように配置してもよい。
磁気検出素子48〜50は、N極およびN’極と対向したときにハイレベル“1”を出力し、S極およびS’極と対向したときにローレベル“0”を出力する。なお、Z相信号用の磁気検出素子50は、ロータ32の基準回転位置に相当する幅広なN’極に対向する毎にハイレベル“1”を出力し、それ以外の位置ではローレベル“0”を出力する。
ECU41は、A相信号とB相信号の立ち上がりおよび立ち下がりの両方のエッジをカウントし、そのエンコーダカウント値に応じてモータ12の通電相を切り換えることでロータ32を回転駆動する。このとき、A相信号とB相信号の発生順序によってロータ32の回転方向を判定し、正回転(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)ではエンコーダカウント値をカウントアップし、逆回転(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)ではエンコーダカウント値をカウントダウンする。
これにより、ロータ32が正回転あるいは逆回転のいずれの方向に回転したとしても、エンコーダカウント値とロータ32の回転位置との対応関係が維持される。したがって、ロータ32が正回転および逆回転のいずれの回転方向で回転したとしても、エンコーダカウント値に基づいてロータ32の回転位置(回転角度)を検出でき、その回転位置に対応した相のコイル33、コイル34に通電することでロータ32を回転駆動することができる。
具体的には、レンジ切換制御装置42は、逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)と正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)のいずれの場合でも、ロータ32が7.5°回転する毎に一相通電と二相通電とを交互に切り換える。例えば、レンジ切換制御装置42は、ロータ32が45°回転する間にU相通電→UW相通電→W相通電→VW相通電→V相通電→UV相通電の順序で通電相の切り換えを一巡するようになっている。このとき、周知のように、ロータ32の突極32aは、通電された突極31aにまず引き寄せられ、通電相が切り替わることで次の突極31aに引き寄せられ、それが繰り返されてロータ32が回転することになる。
磁気検出素子48および磁気検出素子49に対向するロータリマグネット47の磁極は、通電相の切り換え毎にロータ32が7.5°ずつ回転することから、N極→S極(N’極→S’極等も含む)またはS極→N極(S’極→N’極等も含む)に変化する。そして、この磁極の切り替わりに応じて、A相信号およびB相信号のレベルが交互に反転する。その結果、ロータ32が7.5°回転する毎に、エンコーダカウント値が2ずつカウントアップまたはカウントダウンされる。また、通電相の切り換えが一巡してロータ32が45°回転する毎に、Z相用の磁気検出素子50がロータ32の基準回転位置に相当する幅広なN’極に対向して、Z相信号がハイレベル“1”となる。
このようなエンコーダ46が設けられているモータ12でレンジ切換制御を行う場合、目標位置となる指令シフトレンジがPレンジからNotPレンジまたはその反対方向に切り換えられる毎に、ロータ32が回転駆動される。具体的には、エンコーダカウント値に基づいてモータ12の通電相を順次切り換えることでロータ32を目標位置に向かって回転駆動するフィードバック制御(以下「F/B制御」と称する)が実行される。そして、エンコーダカウント値が目標位置に応じて設定された目標カウント値に到達した時点で、ロータ32の回転位置が目標位置に到達したと判断してF/B制御を終了し、ロータ32を目標位置で停止させるようにしている。このように、ECU41は、エンコーダカウント手段および制御手段を構成している。
さて、ECU41がカウントするエンコーダカウント値は、例えばRAM等に記憶される。このため、ECU41の電源がオフされると、エンコーダカウント値が消去される。その場合、ECU41の電源投入直後のエンコーダカウント値は、初期値の0となっており、実際のロータ32の回転位置に対応したものとなっていない。そのため、上記したようにエンコーダカウント値に基づいて通電相を切り換えるためには、電源投入後にエンコーダカウント値と実際のロータ32の回転位置とを対応させ、エンコーダカウント値と通電相とを対応させる必要がある。
そこで、本実施形態では、以下のようにして電源投入後の初期状態におけるロータ32の回転位置を特定している。
まず、本実施形態の構成における通電相とA相信号およびB相信号の出力との対応関係について、図7を参照しながら説明する。この通電相とA相信号およびB相信号の出力との対応関係は、対象となる通電相にオープンループ制御にて通電した際、上記したステータ31およびロータ32の構成や磁気検出素子48および磁気検出素子49の配置といった機械的な要因により決定されるものである。換言すると、本実施形態のようにステータ31に12個の突極31aを設け、ロータ32に8個の突極32aを設け、ロータリマグネット47のN極とS極の着磁ピッチを7.5°に設定し、磁気検出素子48と磁気検出素子49とのなす角を48.75°となるように配置し、コイル33およびコイル34を上記した図2に示す順で配置した場合、オープンループ制御にて通電する通電相とA相信号およびB相信号との対応関係は、一義的に決定される。以下、これら本実施形態の機械的な要因を、便宜的に機械的要因と称する。
この図7には、特定の通電相に通電した場合におけるA相信号およびB相信号の出力状態が示されている。より平易に言えば、ある相に通電をし、ロータ32の突極32aがステータ31の通電されている突極31aに1対1で引きつけられた状態、つまり、ロータ32が静止した状態におけるA相信号およびB相信号の出力状態が示されている。
例えば、通電相がVW相の二相通電の場合、図8(A)に示すようにロータ32の突極32aが、ステータ31の通電中の突極31aに1対1で引きつけられて静止したとする。より詳細には、図8(B)に示すように、ロータ32の8個の突極32aが、通電されているVW相の8個の突極31aに1対1で引きつけられたとする。なお、図8(B)には、二相通電時に突極32aが突極31aに1対1で引きつけられている部位を領域R1として示している。この場合、本実施形態では、A相信号およびB相信号は、上記した機械的要因により共に1が出力される。つまり、図7に示すように、通電相がVW相である場合、A相信号およびB相信号の出力は共に1となっている。
あるいは、通電相がU相のみの一相通電の場合、図9(A)に示すようにロータ32の突極32aが、ステータ31のU相の突極31aに引きつけられて静止したとする。より詳細には、図9(B)に示すように、ロータ32の4個の突極32aが、通電されているU相の4個の突極31aに1対1で引きつけられたとする。なお、図9(B)には、一相通電時に突極32aが突極31aに1対1で引きつけられている部位を、領域R2として示している。この場合、本実施形態では、A相信号およびB相信号は、上記した機械的要因により共に0が出力される。つまり、図7に示すように、通電相がU相である場合、A相信号およびB相信号の出力は共に0となっている。
同様に、A相信号およびB相信号は、上記した機械的要因により、W相の一相通電時およびV相の一相通電時には共に0が出力され、UW相の二相通電時およびUV相の二相通電時には共に1が出力される。このため、特定の相に一相通電または二相通電を行い、通電相とA相信号およびB相信号の出力状態とが図7に示す対応関係を満たしていれば、ロータ32の回転位置を特定することができる。
ところで、例えばUW相に二相通電した場合、上記した図8のように突極32aが突極31aに1対1で引きつけられる状態以外の状態となることがある。具体的には、図10(A)に示すように、ロータ32の1個の突極32aが、ステータ31の通電されている2個の突極31aに引きつけられる状態が起こり得る。この場合、図10(B)に示すように、ロータ32の4個の突極32aが、通電されているVW相の突極31a間の4箇所に引きつけられることになる。なお、図10(B)には、突極32aが2個の突極31aの間に引きつけられている部位を、領域R3として示している。
この場合、本実施形態では、A相信号およびB相信号は、上記した機械的な要因により共に0が出力される。ただし、この図10(B)に示す状態は、上記した図9(B)に示すU相に一相通電して突極32aが突極31aに1対1で引きつけられた状態に正に一致する。すなわち、VW相に二相通電した際、A相信号およびB相信号の出力が共に0であったならば、ロータ32は、U相に一層通電し1対1で突極32aが突極31aに1対1で引きつけられた状態の回転位置であると特定することができる。
なお、図示は省略するが、上記した機械的要因により、UV相に二相通電し、突極32aが2個の突極31aに引きつけられた場合には、ロータ32は、W相に一層通電し、突極32aが突極31aに1対1で引きつけられた状態と同じ回転位置となる。また、UW相に二相通電し、突極32aが2個の突極31aに引きつけられた場合には、ロータ32は、V相に一層通電し、突極32aが突極31aに1対1で引きつけられた状態と同じ回転位置となる。
つまり、VW相に二相通電した場合には、A相信号およびB相信号が共に1となる状態と、U相に一相通電して1対1で引きつけられている場合と同じくA相信号およびB相信号が共に0となる状態とが発生し得る。また、UV相に二相通電した場合には、A相信号およびB相信号が共に1となる状態と、W相に一相通電して1対1で引きつけられている場合と同じくA相信号およびB相信号が共に0となる状態とが発生し得る。また、UW相に二相通電した場合には、A相信号およびB相信号が共に1となる状態と、V相に一相通電して1対1で引きつけられている場合と同じくA相信号およびB相信号が共に0となる状態とが発生し得る。その一方で、二相通電した場合には、上記した機械的要因により、上記以外のA相信号とB相信号との組み合わせが発生することは無い。
そのため、二相通電時におけるA相信号およびB相信号の出力状態が図7に示した対応関係と一致すれば、そのままロータ32の回転位置を特定することができる。一方、仮にA相信号およびB相信号の出力状態が図7に示した対応関係と一致していなくても、A相信号およびB相信号が共に0を出力すれば、ロータ32の回転位置を一義的に特定することができるのである。
次に、ロータ32の電源投入時の回転位置を特定する具体的な流れについて説明する。
図11は、通電相と対応する補正値との対応関係を示している。例えば、ロータ32を正回転の方向に回転駆動するために、通電シーケンスとしてVW相(Seq1)→W相(Seq2)→UW相(Seq3)→V相(Seq4)→UV相(Seq5)→V相(Seq6)の順で通電されるとする。この場合、上記したように、エンコーダカウント値は2ずつカウントアップ(またはカウントダウン)されることから、最初の通電シーケンスでは、最終的に2カウントされることになる。
このため、電源投入後またはF/B制御によるモータ制御開始前の初期状態においてVW相に二相通電し、その状態でロータ32が静止し、図7に示したようにVW相通電時にA相信号およびB相信号が共に1となっていれば、補正値としてエンコーダカウント値の「2」が選択される。同様に、通電相とA相信号およびB相信号の出力状態とが一致すれば、W相の一相通電であれば補正値として「4」が選択され、UW相の二相通電であれば補正値として「6」が選択され、U相の一相通電であれば補正値として「8」が選択され、UV相の二相通電であれば補正値として「10」が選択され、V相の一相通電であれば補正値として「12」が選択されることになる。
以下、ロータ32の回転位置を特定して基準位置に対する学習値(後述するGcnt)を求めるための基準位置学習処理について、VW相に二相通電する場合を例にしながら説明する。なお、以下の処理はレンジ切換制御装置42のECU41により行われるものであるが、説明の簡略化のため、モータ制御装置60を主体として説明する。
モータ制御装置60は、電源投入後の初期駆動時に、図12に示す基準位置学習処理を繰り返し実行している。この基準位置学習処理において、モータ制御装置60は、まず、オープンループ制御により所定の通電相へ二相通電を行う(S1)。本実施形態では、VW相へ二相通電している。そして、モータ制御装置60は、通電を開始してから経過した時間である通電時間を、通電時間カウンタ(CT)によりカウントする(S2)。本実施形態では、このステップS2において、CT=CT+1と1msec単位でインクリメントすることで通電時間を計時している。つまり、この基準位置学習処理では、特定の通電相に通電が継続される。
次に、モータ制御装置60は、通電を開始してから所定期間が経過したか否か、つまり、CT>所定期間となったか否かを判定する(S3)。ここで、所定期間は、オープンループ制御を行う期間として予め設定されている。例えば、所定期間は、二相通電を開始した後、ロータ32が静止すると予想される時間等を考慮して設定されている。より具体的には、例えばVW相を最初の通電相とするのであれば、ロータ32が最も遠い回転位置にあると仮定し、そのロータ32が上記した図8(B)あるいは図10(B)のような状態で静止するまでに予想される期間を設定することが考えられる。
モータ制御装置60は、CT>所定期間でないと判定すると(S3:NO)、そのままリターンし、次の基準位置学習処理のサイクルを実行する。なお、基準位置学習処理は繰り返し実行されるため、既に通電が開始されていれば、ステップS1は実質的に省略される。
一方、モータ制御装置60は、CT>所定期間であると判定すると(S3:YES)、そのときのA相信号=1且つB相信号=1であるかを判定する(S4)。そして、モータ制御装置60は、A相信号=1且つB相信号=1であると判定すると(S4:YES)、つまり、通電相とA相信号およびB相信号の出力状態とが図7に示す対応関係を満たしていると判定すると、ロータ32の初期位置を特定し、GcntにVW相の補正値を設定する(S5)。
ここで、ロータ32の初期位置は、初期駆動が終了した時点におけるロータ32の回転位置に相当する。この場合、A相信号およびB相信号が共に1であることから、通電相とA相信号およびB相信号との対応関係は、図7に示したVW相の対応関係と一致する。そのため、ロータの回転位置は、図8(B)に示したように突極32aが1個の突極31aに引きつけられた状態であると特定できる。
また、Gcntは、ロータ32の基準位置に対する学習値、つまり、基準位置からのずれに相当するエンコーダカウント値である。このGcntに基づいて、モータ制御装置60は、初期駆動終了後のF/B制御時にエンコーダカウント値をGcntで補正することで、正しい通電相を選択できるようにしている。例えば、F/B制御時の目標位置のエンコーダカウント値が100であったとすると、Gcntを特定した時点でのロータ32の回転位置は基準位置からGcntだけずれていることになる。そのため、正回転であればロータ32をエンコーダカウント値=100−Gcntとなるまで回転させることで、目標位置まで回転駆動することができる。なお、基準位置から逆方向にGcntだけずれていることになるため、逆回転であれば、ロータ32をエンコーダカウント値=100+Gcntとなるまで回転させることで、目標位置まで回転駆動することができる。
その後、モータ制御装置60は、リターンする。この場合、初期位置が特定され、Gcntも設定されたことから、初期駆動は終了となる。
これに対して、モータ制御装置60は、A相信号=1且つB相信号=1でないと判定すると(S4:NO)、つまり、A相信号またはB相信号のうち少なくとも一方が0であると判定すると、初期位置を特定し、GcntにU相の補正値を設定する(S6)。本実施形態の機械的要因によれば、上記したようにVW相に二相通電した場合に発生し得るロータ32の回転位置は、図8(B)に示す状態か、図10(B)に示す状態のいずれかである。このため、VW相の二相通電においてA相信号=1且つB相信号=1でない場合、ロータ32は、図10(B)に示した回転位置にあると判断できる。
そのため、ステップS6では、ロータ32の初期位置が図8(B)ではない状態、すなわち、図10(B)に示すようにU相に一層通電して突極32aが突極31aに1対1で対応している状態(図9(B)参照)であると特定される。これにより、Gcntには、VW相の二相通電においてVW相に対応する通電相であるU相の補正値(図11参照)が設定される。
このように、モータ制御装置60は、通電相とA相信号およびB相信号の出力状態との対応関係に基づいて、ロータ32の初期位置を特定し、通電した相に対応して予め設定されている補正値を特定および設定することで、ロータ32の基準位置の学習、より詳細には、ロータ32の初期位置が基準位置からどれだけずれているかの学習を行っている。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
モータ制御装置60は、電源投入後またはモータ制御開始前に予め定められている所定期間に渡ってオープンループ制御にて二相通電する初期駆動を実行し、当該初期駆動中におけるA相信号およびB相信号の組み合わせが二相通電している通電相に対応して予め設定されているA相信号およびB相信号の組み合わせと一致するか否かを判定する。モータ制御装置60は、組み合わせが一致したと判定すると、当該一致した組み合わせに対応して予め設定されている補正値を特定する。そして、モータ制御装置60は、特定した補正値を用いてロータの基準位置を学習する。
つまり、モータ制御装置60は、オープンループ制御による二相通電を電源投入時に一度行うことで、ロータ32の回転位置(初期位置)が基準位置からどれだけずれているかを把握することができる。また、モータ制御装置60は、通電相を切り換えることなく、ロータ32の初期位置を特定することができる。したがって、従来のように通電相を切り換えてロータ32の初期位置を特定する場合に比べて、基準位置を学習するまでの時間を大幅に、且つ、確実に短縮することができる。また、学習時間が短くなることにより、モータ12のF/B制御を素早く立ち上げることができる。
モータ制御装置60は、初期駆動中におけるA相信号およびB相信号の組み合わせがオープンループ制御にて二相通電(例えばVW相)した際の組み合わせと一致しないと判定すると、当該組み合わせが他の相(本実施形態では、通電相がVW相であればU相)に通電した際の組み合わせに一致すると、当該一致した他の相の組み合わせに対応して予め設定されている補正値を特定し、当該特定した補正値を用いてロータ32の基準位置を学習する。
本実施形態の機械的要因によれば、二相通電したときのロータ32の回転位置は、突極32aが突極31aに1対1で引きつけられた状態(例えば図8(B)参照)、あるいは、突極32aが2個の突極31a間に引きつけられた状態(例えば図10(B)参照)のいずれかとなる。つまり、例えばVW相に二相通電した際にA相信号およびB相信号の組み合わせが図7に示した対応関係に一致しない場合、ロータ32は、図10(B)つまりは図9(B)に示すように、U相に一層通電して突極32aが突極31aに1対1で引きくけられた状態となる。そのため、二相通電した際にA相信号およびB相信号の組み合わせが一致しない場合であっても、通電相を切り換えることなく、ロータの初期位置を特定することができる。
モータ12としてスイッチドリラクタンスモータを採用しているので、永久磁石が不要で構造が簡単であり、安価且つ温度環境等に対する耐久性・信頼性を高くすることができる。
モータ制御装置60は、車両の自動変速機27のレンジを切り換えるレンジ切換機構11を駆動するモータの制御に適用されている。一般的に、レンジ切換機構11は、起動後に基準位置の学習を行い、いわゆる壁当てを経て現在のシフト位置を確定させている。その場合、本実施形態のモータ制御装置60のように基準位置を学習するまでの時間を短縮することができれば、起動後にシフト位置の情報を用いて処理を行う車両用システムに対していち早くシフト情報を提供することができ、利便性を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、図13を参照しながら説明する。第2実施形態は、基準位置学習処理の流れが第1実施形態と異なっている。なお、モータ制御装置の構成は第1実施形態と共通するので、同一の符号を付して説明する。また、通電相とA相信号およびB相信号との対応関係、および通電相に対応する補正値も第1実施形態と共通するため、図7および図11等も参照しながら説明する。
第2実施形態のモータ制御装置60は、電源投入後の初期駆動中に、図13に示す基準位置学習処理を繰り返し実行しており、初期通電相をVW相に設定してオープンループ制御にて二相通電を行う(S10)。ここで、初期通電相とは、初期駆動中に通電される最初の通電相に相当する。続いて、モータ制御装置60は、通電時間を通電時間カウンタ(CT)によりカウントする(S11)。なお、本実施形態でも、基準位置学習処理は1msecごとに繰り返されている。
次に、モータ制御装置60は、通電を開始してから所定期間が経過したか否か、つまり、CT>所定期間となったか否かを判定する(S12)。このとき、モータ制御装置60は、CT>所定期間となったと判定し(S12:YES)、A相信号=1且つB相信号=1であると判定すると(S13:YES)、第1実施形態と同様にロータ32の初期位置を特定し、Gcntに通電中の相の補正値、つまり、今回はVW相の補正値(図11参照)を設定する。
さて、本実施形態の場合、モータ制御装置60は、ステップS12においてCT>所定期間でないと判定すると(S12:NO)、エンコーダ出力が前回値と一致するか否かをさらに判定する(S18)。ここで、エンコーダ出力値とは、A相信号およびB相信号の出力状態であり、前回値とは、前回の基準位置学習処理が実行された際のエンコーダ出力値である。なお、前回値は、記憶手段としてのRAM等に記憶されており、電源投入後の初回に実行された基準位置学習処理では前回値が記憶されていない。
さて、モータ制御装置60は、基準位置学習処理を繰り返し実行した結果、通電時間カウンタがインクリメントされ(S11)、CT>所定期間ではない状態において(S12:NO)、エンコーダ出力が前回値と一致したと判定すると(S18:YES)、一致回数≧所定回数となったか否かをさらに判定する(S19)。ここで、所定回数は、ロータが静止したと判断できる値が、基準位置学習処理が1msecごとに繰り返されることを考慮して予め設定されている。なお、一致回数≧所定回数を判断するのは、初期駆動時に通電されてロータ32が回転した際、静止する前の状態で誤って誤検知されることを防止するためである。モータ制御装置60は、一致回数が≧所定回数となっていないと判定すると(S19:NO)、そのままリターンする。
これに対して、モータ制御装置60は、一致回数が≧所定回数となっていると判定すると(S19:YES)、つまり、所定期間は経過していないもののロータ32が静止していると判断できる状態になると、ステップS13に移行する。
そして、モータ制御装置60は、A相信号=1且つB相信号=1であると判定した場合には(S13:YES)、上記したように初期位置の特定およびGcntの設定を行う(S14)。
一方、モータ制御装置60は、A相信号=1且つB相信号=1でないと判定した場合には(S13:NO)、A相信号=0且つB相信号=0であるかをさらに判定する(S15)。なお、本実施形態では、上記の通り機械的要因によりA相信号=1且つB相信号=1でなければ、A相信号=0且つB相信号=0となるはずであるが、本実施形態では、モータ12や駆動回路等の故障を考慮して、A相信号=0且つB相信号=0であるか否かを判定している。
モータ制御装置60は、A相信号=0且つB相信号=0であると判定すると(S15:YES)、A相信号およびB相信号の組み合わせが図7に示す対応関係と一致することから、第1実施形態と同様に、初期位置を特定し、通電相(例えばVW相)に対応する相(通電相がVW相であればU相)の補正値をGcntに設定する(S16)。
このように、本実施形態のモータ制御装置60は、所定期間が経過する前であっても、ロータ32が静止したと判定できる状態となれば、所定期間の経過を待機することなく、初期位置の特定、およびGcntへの補正値の設定を行っている。
また、モータ制御装置60は、ステップS15においてA相信号=0且つB相信号=0でもないと判定すると(S15:NO)、つまり、初期位置が特定されずに基準位置を学習できなかったとすると、例外処理を実行する(S17)。なお、ステップS15:NOとなる状態は、モータ制御装置60に何らかの故障が生じた場合、あるいは、ステップS18〜S19の判定が誤判定であった場合のいずれかであると考えられる。そのため、モータ制御装置60は、例外処理において、その対処を行っている。
例えば、例外処理としては、通電時間カウンタを初期化する処理が考えられる。この場合、基準位置学習処理は、通電を開始するところから再度実行されることになる。これにより、例えば誤判定であったとすると、再実行された基準位置学習処理により正しい判定を行うことができる可能性がある。
あるいは、例外処理としては、通電時間カウンタを初期化するとともに、通電相を切り換える処理が考えられる。この場合、基準位置学習処理が通電を開始するところから、且つ、最初の通電相とは異なる状態で再度実行されることになる。これにより、例えばVW相への二相通電では初期位置を特定できず、UW相への二相通電であれば初期位置が特定できたとすると、V相について何らかの異常が発生している可能性を把握できる。
もちろん、例外処理としては、初期位置を特定できなかった旨を報知する異常報知処理であってもよい。また、異常報知処理と上記した再実行とを組み合わせてもよい。
このように、本実施形態のモータ制御装置60は、機械的要因によりロータ32が取り得る状態が決まっていたとしても、それが正しいかをさらに判定し、正しくない可能性がある場合には、その対処を例外処理にて行っている。
以上、説明した本実施形態のモータ制御装置60によれば、第1実施形態による効果に加えて、次のような効果を得ることができる。
モータ制御装置60は、初期駆動中におけるA相信号およびB相信号の組み合わせがオープンループ制御にて二相通電した際の組み合わせと一致しないと判定したとき、当該組み合わせが他の相に通電した際の組み合わせに一致するか否かをさらに判定し、一致したと判定すると、当該一致した他の相の組み合わせに対応して予め設定されている補正値を特定し、当該特定した補正値を用いてロータの基準位置を学習する。これにより、ロータ32の初期位置が通電相(例えばVW相)に対応する相(本実施形態では通電相がVW相であればU相)に引きつけられている状態であることを確認することができ、信頼性を向上させることができる。
また、短い学習時間で信頼性の高い基準位置の学習を行うことができるため、安全性が重視される車両への適用において好適である。
モータ制御装置60は、初期駆動中にA相信号およびB相信号の組み合わせが一致するか否かの判定を繰り返し実行しており、所定期間が経過する前にロータが静止したと判断できる状態となれば、所定期間の経過を待機することなく一致した組み合わせに対応して予め設定されている補正値を用いてロータの基準位置を学習する。これにより、より迅速にロータ32の初期位置の特定、ひいては基準位置の学習が完了するまでの時間を短縮することができる。
モータ制御装置60は、初期駆動中に基準位置を学習できなかったとき、基準位置の学習を再度実行する、あるいは、通電相を切り換えた上で基準位置の学習を実行する。これにより、誤判定や故障等への対応を取ることができ、モータ制御装置60の信頼性を向上させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にて例示したものに限定されることなく、その範囲を逸脱しない範囲で任意に変形あるいは拡張することができる。
各実施形態ではPレンジとNotPレンジの2つのレンジを切り換える構成を例示したが、本発明は、例えばディテントレバーの回動動作に連動して自動変速機のレンジ切換弁とマニュアルバルブを切り換え、自動変速機のP、R、N、D等の各レンジを切り換えるレンジ切換機構にも適用することができる。
本発明が対象とするモータは、各実施形態にて例示したモータ12に限定されるものではなく、エンコーダの出力信号のカウント値に基づいてロータの回転位置を検出してモータの通電相を順次切り換えるブラシレス型のモータであれば、SRモータ以外のブラシレス型のモータへも適用できる。
本発明は、各実施形態で例示したレンジ切換制御装置42への適用に限定されるものではなく、SRモータ等のブラシレス型のモータを駆動源とする各種の装置に適用することができる。
エンコーダは、各実施形態で例示した磁気式のエンコーダ46に限定されるものではなく、例えば光学式のエンコーダやブラシ式のエンコーダを採用してもよい。
第1実施形態では、A相信号=1且つB相信号=1でなければA相信号=0且つB相信号=0と判定したが、図12に示す第1実施形態での基準位置学習処理に、図13に示す第2実施形態の基準位置学習処理のステップS15やS16の処理を加えてもよい。
図面中、11はレンジ切換機構、12はモータ、27は自動変速機、31はステータ、32はロータ、33はコイル、34はコイル、41はECU(エンコーダカウント手段、制御手段)、42はレンジ切換制御装置(モータ制御装置)、46はエンコーダ、60はモータ制御装置を示す。

Claims (6)

  1. 制御対象を回転駆動する複数相のコイル(33、34)を有するモータ(12)のロータ(32)の回転に同期して所定の位相差を有するA相信号およびB相信号を出力するエンコーダ(46)と、
    前記エンコーダ(46)のA相信号およびB相信号の立ち上がりおよび立ち下がりのエッジをカウントするエンコーダカウント手段(41)と、
    前記エンコーダカウント手段(41)のカウント値に基づいて前記ロータ(32)の回転位置を検出し、前記モータ(12)の通電相を順次切り換えることで前記ロータ(32)を目標位置まで回転駆動する制御手段(41)と、を備え、
    前記制御手段(41)は、電源投入後またはモータ制御開始前に予め定められている所定期間に渡って通電相を切り替えずに所定の通電相へ二相通電を行う初期駆動を実行し、A相信号およびB相信号の組み合わせが二相通電している通電相に対応して予め設定されているA相信号およびB相信号の組み合わせと一致するか否かを判定し、一致したと判定すると、電源投入前から予め通電相の組み合わせに対して設定されている補正値のうち当該一致した組み合わせに対応する補正値を特定し、特定した補正値を用いて前記ロータ(12)の基準位置を学習することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制御手段(41)は、前記初期駆動中におけるA相信号およびB相信号の組み合わせがオープンループ制御にて二相通電した際の組み合わせと一致しないと判定したとき、当該組み合わせが他の相に通電した際の組み合わせに一致するか否かをさらに判定し、一致したと判定すると、当該一致した他の相の組み合わせに対応して予め設定されている補正値を特定し、当該特定した補正値を用いて前記ロータの基準位置を学習することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御手段(41)は、初期駆動中にA相信号およびB相信号の組み合わせが一致するか否かの判定を繰り返し実行しており、前記所定期間が経過する前に前記ロータ(32)が静止したと判断できる状態となれば、前記所定期間の経過を待機することなく一致した組み合わせに対応して予め設定されている補正値を用いて前記ロータ(32)の基準位置を学習することを特徴とする請求項1または2記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御手段(41)は、前記初期駆動中に基準位置を学習できなかったとき、基準位置の学習を再度実行する、あるいは、通電相を切り換えた上で基準位置の学習を実行することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のモータ制御装置。
  5. 前記モータ(12)は、スイッチドリラクタンスモータであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のモータ制御装置。
  6. 前記モータは、車両の自動変速機(27)のレンジを切り換えるレンジ切換機構(11)を駆動することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のモータ制御装置。
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