JP2015111970A - 制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム - Google Patents

制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステム Download PDF

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Abstract

【課題】基準位置の学習精度が高く、基準位置学習に関する機能の異常を検出可能な制御装置を提供する。【解決手段】電流制限回路75は、電流検出回路74により検出される電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限する。MPU80は、基準位置学習手段として機能し、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつ、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置で停止するまでモータ20を回転させ、モータ20の基準位置を学習する。MPU80の異常検出部82は、異常検出手段として機能し、基準位置を学習しているとき、電流検出回路74により検出した電流値に基づき、電流制限回路75の異常を検出可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、モータの駆動を制御する制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステムに関する。
従来、車両制御の分野において、車両状態を変化させるアクチュエータを車両の運転者の指令によってバイワイヤ制御回路により電気制御するバイワイヤシステムが知られている。例えば特許文献1には、運転者の指令によってシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤシステムが開示されている。このシステムでは、ブラシレスモータを有するアクチュエータの駆動を制御することにより、シフトレンジ切替装置内のディテントプレートを回転駆動し、シフトレンジを切り替えている。
特開2004−308752号公報
特許文献1のシフトバイワイヤシステムでは、シフトレンジを切り替えるとき、モータの回転に同期して所定角度毎にパルス信号を出力するエンコーダのパルス信号のカウント値に基づき、モータを目標レンジに対応する目標回転位置に回転させることにより、シフトレンジを目標レンジに切り替えている。また、特許文献1のシフトバイワイヤシステムでは、シフトレンジの切り替え制御を開始する前、すなわち、モータの通常の駆動制御を開始する前、ディテントプレートが可動範囲の限界位置で停止するまでモータを回転させることによりモータの基準位置を学習する基準位置学習制御を行っている。基準位置を学習することにより前記限界位置とモータの基準位置とが一致し、以後、モータを目標回転位置に回転させる通常の駆動制御が可能になる。
ところで、基準位置学習制御を行うとき、モータの各相に流れる電流を電圧に応じたデューティー比で制御するシステムでは、電圧が同じであっても温度変化や経時変化等による巻線抵抗の変化によってモータの巻線の各相に流れる電流の値が変化してモータのトルクが変化し、基準位置の学習精度が低下する場合がある。この点に関し、特許文献1のシステムでは何ら考慮されていない。よって、特許文献1のシステムでは、温度変化や経時変化等、条件の変化により基準位置の学習精度が低下するおそれがある。
そこで、基準位置学習制御を行うとき、モータの巻線の各相に流れる電流の和の値が所定の範囲内となるよう、巻線に流れる電流を制限すれば、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化が抑制され、条件の変化にかかわらず基準位置の学習精度が向上すると考えられる。しかしながら、モータの巻線の各相に流れる電流の和の値を検出する手段、および、巻線に流れる電流を制限する手段を物理的な回路等で構成する場合、当該回路が故障すると、基準位置を正しく学習できなくなるおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基準位置の学習精度が高く、基準位置学習に関する機能の異常を検出可能な制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステムを提供することにある。
本発明は、複数の相の巻線を有し電源から供給される電力により回転することで駆動対象を回転駆動するモータを制御する制御装置であって、スイッチング手段と制御部と電流検出回路と電流制限回路と基準位置学習手段と異常検出手段とを備えている。
スイッチング手段は、巻線の各相に対応するよう複数設けられ、オン作動することにより対応する巻線への通電を許容し、オフ作動することにより対応する巻線への通電を遮断する。制御部は、スイッチング手段のオンオフ作動を制御することにより、モータの駆動を制御する。電流検出回路は、巻線およびスイッチング手段を流れる電流の値である電流値を検出する。
電流制限回路は、電流検出回路により検出される電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、巻線およびスイッチング手段を流れる電流を制限する。基準位置学習手段は、電流制限回路により巻線およびスイッチング手段を流れる電流を制限しつつ、駆動対象が可動範囲の限界位置で停止するまでモータを回転させ、モータの基準位置を学習する。異常検出手段は、基準位置学習手段により基準位置を学習しているとき、電流検出回路により検出した電流値に基づき、電流制限回路の異常を検出可能である。
本発明では、モータの基準位置を学習するとき、電流検出回路により検出する電流値に基づき、電流制限回路により巻線およびスイッチング手段を流れる電流を制限しつつ、モータを回転させるため、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化、および、モータのトルクの変化を抑制することができる。これにより、温度変化や経時変化等、条件の変化にかかわらず基準位置の学習精度を向上させることができる。
また、本発明では、異常検出手段によって、電流検出回路により検出した電流値に基づき、電流制限回路の異常を検出可能である。これにより、電流制限回路に異常が発生している状態で基準位置の学習が行われるのを回避することができる。したがって、基準位置の学習が正しく行われなかったことによりモータが誤作動したり、制御不能になったりするのを防ぐことができる。
本発明の一実施形態による制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステムを示す模式図。 本発明の一実施形態による制御装置を適用したシフトレンジ切替装置、および、その近傍を示す斜視図。 本発明の一実施形態の制御装置によるモータの制御に関する処理を示すフロー図。 本発明の一実施形態の制御装置による異常検出に関する処理を示すフロー図。 本発明の一実施形態の制御装置が基準位置学習手段および異常検出手段として機能しているときに電流検出回路により検出される電流値の時間の経過に伴う変化を示す図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による制御装置、および、これを用いたシフトバイワイヤシステムを図1に示す。
シフトバイワイヤシステム1は、アクチュエータ10、シフトレンジ切替装置30、制御装置としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)60等を備えている。シフトバイワイヤシステム1は、例えば自動変速機3とともに車両に搭載され、車両の運転者の指令に基づきアクチュエータ10およびシフトレンジ切替装置30を駆動させることにより、バイワイヤ制御で自動変速機3のシフトレンジを切り替える。
アクチュエータ10は、ハウジング11、モータ20、エンコーダ12、減速機13、および、出力軸14等を有している。
モータ20は、本実施形態では、例えばスイッチトリラクタンス(SR)モータであり、永久磁石を用いることなく駆動力を発生する3相駆動型のブラシレスモータである。モータ20は、ステータ21、巻線22、ロータ23、および、モータ軸24等を有している。
ステータ21は、例えば複数の鉄板を積層することにより円環状に形成され、ハウジング11の内側に固定されるようにして収容されている。ステータ21は、径方向内側へ突出する突極を周方向に等間隔で複数有している。本実施形態では、ステータ21は、突極を12個有している。
巻線22は、ステータ21の各突極に巻き回されるようにして複数設けられている。ここで、各巻線22は、モータ20の複数の相(U相、V相、W相)に対応している。本実施形態では、12個の巻線22のうち、4つずつがそれぞれU相、V相、W相に対応している。
ロータ23は、例えば複数の鉄板を積層することにより円柱状に形成され、ステータ21の内側において回転可能に設けられている。ロータ23は、径方向外側へ突出する突極を周方向に等間隔で複数有している。本実施形態では、ロータ23は、突極を8個有している。
モータ軸24は、ロータ23の中心にロータ23と一体に設けられ、ロータ23とともに回転可能である。モータ軸24は、ハウジング11により回転可能に支持されている。これにより、ロータ23は、モータ軸24とともにステータ21の内側において回転可能である。
各相の巻線22への通電が順次切り替えられると、ステータ21に回転磁界が生じ、ロータ23が回転する。
モータ20は、車両の電源としてのバッテリ2から電力を供給されることにより回転する。ECU60は、バッテリ2から各相の巻線22への通電を切り替えることにより、モータ20の駆動を制御する。
エンコーダ12は、アクチュエータ10のハウジング11内に設けられている。エンコーダ12は、ロータ23と一体に回転する磁石と、ハウジング11に固定された基板に実装され、磁石と対向配置されて磁石における磁束発生部の通過を検出する、磁気検出用のホールIC等により構成されている。エンコーダ12は、モータ20(ロータ23)の回転角の変化分に応じてA相、B相のパルス信号を出力する。
減速機13は、モータ20のモータ軸24の回転運動を減速して出力軸14から出力し、シフトレンジ切替装置30に伝達する。シフトレンジ切替装置30は、減速機13から出力された回転駆動力をマニュアルバルブ4、および、パーキングロック機構50へ伝達する(図2参照)。
シフトレンジ切替装置30は、図2に示すようにマニュアルシャフト31、ディテントプレート32およびディテントスプリング34などを有している。マニュアルシャフト31は、アクチュエータ10の出力軸14に接続し、モータ20の回転駆動力によって回転駆動される。ディテントプレート32は、マニュアルシャフト31から径方向外側に伸びてマニュアルシャフト31と一体に構成されている。これにより、ディテントプレート32は、マニュアルシャフト31と一体にアクチュエータ10によって回転駆動される。ここで、ディテントプレート32は、特許請求の範囲における「駆動対象」に対応している。
ディテントプレート32には、マニュアルシャフト31と平行に突出するピン33が設置されている。ピン33は、マニュアルバルブ4と接続している。そのため、ディテントプレート32がマニュアルシャフト31とともに回転することにより、マニュアルバルブ4は軸方向へ往復移動する。すなわち、シフトレンジ切替装置30は、アクチュエータ10の回転駆動力を直線運動に変換してマニュアルバルブ4に伝達する。
ディテントプレート32は、マニュアルシャフト31の径方向外側に凹部41、42、43、44を有している。凹部41は、ディテントプレート32の回転方向の一方側に形成されている。凹部44は、ディテントプレート32の回転方向の他方側に形成されている。凹部42、43は、凹部41と凹部44との間に形成されている。
本実施形態では、凹部41は、自動変速機3のシフトレンジである「Pレンジ」に対応して形成されている。凹部42は、「Rレンジ」に対応して形成されている。凹部43は、「Nレンジ」に対応して形成されている。凹部44は、「Dレンジ」に対応して形成されている。
ディテントスプリング34は、弾性変形可能に形成されており、先端に規制部としてのディテントローラ35を有している。ディテントスプリング34は、ディテントローラ35をディテントプレート32の中心(マニュアルシャフト31)方向に付勢している。マニュアルシャフト31を経由してディテントプレート32に回転方向の所定の力が加わると、ディテントローラ35は各凹部41〜44間に形成される凸部を乗り越えて隣接する他の凹部41〜44へ移動する。そのため、アクチュエータ10によってマニュアルシャフト31を回転させることにより、マニュアルバルブ4の軸方向の位置、および、パーキングロック機構50の状態が変化し、自動変速機3のシフトレンジが変更される。なお、ディテントローラ35が各凹部41〜44間の凸部を乗り越えるとき、ディテントスプリング34は撓むようにして弾性変形する。また、このとき、ディテントローラ35は、回転しながら各凹部41〜44および凸部を移動する。
ディテントローラ35が凹部41、42、43、44のいずれかに嵌り込むことでディテントプレート32の回転を規制することにより、マニュアルバルブ4の軸方向の位置、および、パーキングロック機構50の状態が決定される。これにより、自動変速機3のシフトレンジが固定される。このように、ディテントプレート32およびディテントローラ35は、所謂「節度機構」として機能する。
本実施形態では、図2に示すようにシフトレンジが「Pレンジ」側から「Rレンジ」、「Nレンジ」および「Dレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ10の出力軸14が回転する方向を、正回転方向と定義する。一方、シフトレンジが「Dレンジ」側から「Nレンジ」、「Rレンジ」および「Pレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ10の出力軸14が回転する方向を、逆回転方向と定義する。
図2は、シフトレンジが「Dレンジ」であるとき、すなわち、「Pレンジ」以外のレンジであるときのパーキングロック機構50の状態を示している。この状態では、パーキングギア54は、パーキングロックポール53によってロックされていない。そのため、車両の車輪の回転は妨げられない。この状態から、アクチュエータ10の出力軸14が逆回転方向に回転すると、ディテントプレート32を介してロッド51が図2に示す矢印Xの方向に押され、ロッド51の先端に設けられたテーパ部52がパーキングロックポール53を図2に示す矢印Yの方向に押し上げる。その結果、パーキングロックポール53がパーキングギア54に噛み合い、パーキングギア54がロックされる。その結果、車輪の回転が規制された状態となる。このとき、ディテントスプリング34のディテントローラ35はディテントプレート32の凹部41に嵌り込んだ状態(ディテントローラ35が凹部41の中心に位置する状態)であり、自動変速機3の実際のレンジ(以下、「実レンジ」という。)は「Pレンジ」である。
次に、ECU60について詳細に説明する。
ECU60は、演算手段としてのMPU、記憶手段としてのRAMおよびROM、その他回路、ならびに、入出力手段等を有する小型のコンピュータである。ECU60は、車両に搭載された各種センサからの信号、ならびに、ROMおよびRAMに格納されたデータ等に基づき、ROMに格納された各種プログラムに従って、各種装置および機器類を制御するよう作動する。ECU60は、車両の電源であるバッテリ2に電気的に接続されており、このバッテリ2から供給される電力によって作動する。
図1に示すように、ECU60は、リレー65、MOS61、62、63、リレー駆動回路71、MOS駆動回路72、エンコーダ検出回路73、電流検出回路74、電流制限回路75、MPU80等を備えている。
リレー65は、バッテリ2とモータ20との間に設けられ、オン作動することによりバッテリ2からモータ20への電力の供給を許容し、オフ作動することによりバッテリ2からモータ20への電力の供給を遮断する。
MOS61、62、63は、例えばMOSFET等のスイッチング素子であり、モータ20の巻線22の各相に対応するよう計3つ設けられている。ここで、U相の巻線22は、導線によりMOS61のドレイン端子に接続される。また、V相の巻線22は、導線によりMOS62のドレイン端子に接続される。さらに、W相の巻線22は、導線によりMOS63のドレイン端子に接続される。
MOS61、62、63の各ソース端子には導線の一端が接続されている。当該導線の他端は、互いに接続されて合流箇所P1を形成している。合流箇所P1は、抵抗を経由してバッテリ2の低電位側、すなわち、グランドに接続されている。
MPU80は、種々の演算を行う半導体チップである。
リレー駆動回路71は、リレー65に接続している。リレー駆動回路71は、リレー65に対しオン信号を出力することによりリレー65をオン作動させる。これにより、リレー65がオン状態になる。本実施形態では、リレー65にオン信号が出力されていないときは、リレー65はオフ状態である。
MPU80は、リレー駆動回路71を制御することにより、リレー65のオンオフ状態を制御可能である。リレー65がオン状態のとき、バッテリ2からモータ20への電力の供給が許容されるため、モータ20は回転可能である。
MOS駆動回路72は、MOS61、62、63の各ゲート端子に接続している。MOS駆動回路72は、MOS61、62、63の各ゲート端子にオン信号(駆動信号)を出力することにより、MOS61、62、63をオン作動させる。これにより、MOS61、62、63がオン状態になる。本実施形態では、MOS61、62、63にオン信号が出力されていないときは、MOS61、62、63はオフ状態である。
MPU80は、概念的な機能部として駆動信号算出部81を有している。MPU80は、駆動信号算出部81で各MOS61、62、63に対する駆動信号を算出し、算出した駆動信号がMOS駆動回路72から出力されるようMOS駆動回路72を制御することにより、MOS61、62、63のオンオフ状態を制御可能である。例えばリレー65がオン状態で、かつ、MOS61がオン状態のとき、U相の巻線22に電流が流れる。また、リレー65がオン状態で、かつ、MOS62がオン状態のとき、V相の巻線22に電流が流れる。また、リレー65がオン状態で、かつ、MOS63がオン状態のとき、W相の巻線22に電流が流れる。一方、MOS61、62、63がオフ状態のときは、対応する相の巻線22に電流は流れない。ここで、MOS61、62、63は、特許請求の範囲における「スイッチング手段」に対応している。
MPU80は、MOS駆動回路72を経由してMOS61、62、63のオンオフ作動を制御することにより、モータ20の駆動を制御する。ここで、MPU80(駆動信号算出部81)およびMOS駆動回路72は、特許請求の範囲における「制御部」に対応している。
エンコーダ検出回路73は、エンコーダ12に接続するよう設けられている。エンコーダ12は、モータ20(ロータ23)の回転角の変化分に応じてA相、B相のパルス信号をエンコーダ検出回路73に対し出力する。ECU60は、エンコーダ検出回路73が検出したエンコーダ12のパルス信号を検出可能である。
上述のように、本実施形態でのエンコーダ12は、モータ20の回転に応じてパルス信号を出力するインクリメンタル型のエンコーダである。ECU60は、エンコーダ12から出力されたパルス信号に応じてカウント用の値(パルス信号カウント値)を減少(カウントダウン)または増大(カウントアップ)させる。これにより、ECU60は、モータ20(ロータ23)の回転状態を検出可能である。ECU60は、エンコーダ12によってモータ20の回転状態を検出することにより、モータ20を脱調させることなく高速回転させることができる。なお、車両電源のオン毎(シフトバイワイヤシステム1の起動毎)に、モータ20の励磁通電相学習(エンコーダ12から出力されたパルス信号に応じたカウント値と通電相の同期)のための初期駆動制御が行われる。この初期駆動制御により、アクチュエータ10の回転を適切に制御できるようになる。
電流検出回路74は、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流が合流する箇所である合流箇所P1に接続するよう設けられている。これにより、電流検出回路74は、合流箇所P1を流れる電流の値である電流値を検出可能である。MPU80は、電流検出回路74を経由して、合流箇所P1を流れる電流の電流値を検出可能である。
電流制限回路75は、電流検出回路74およびMOS駆動回路72に接続するよう設けられている。電流制限回路75は、電流検出回路74により検出される電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、MOS駆動回路72を制御することにより、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限することができる。
ECU60は、シフト選択手段としてのレンジセレクタ5のセレクタセンサ6に電気的に接続している(図1参照)。
セレクタセンサ6は、車両の運転者がレンジセレクタ5を操作することにより指令したレンジ(以下、「指令レンジ」という。)を検出する。セレクタセンサ6は、検出した信号をECU60のMPU80へ出力する。
ECU60のMPU80は、セレクタセンサ6から出力された指令レンジに関する信号に基づき、目標レンジを決定する。より具体的には、本実施形態では、セレクタセンサ6の信号、ブレーキの信号、および、車速センサの信号等に基づき目標レンジを決定する。ECU60は、自動変速機3のシフトレンジが、決定された目標レンジとなるようアクチュエータ10の回転を制御する。すなわち、モータ20を目標レンジに対応する目標回転位置に回転させることにより、シフトレンジを目標レンジに切り替える。これにより、自動変速機3の実レンジが、運転者の意図するレンジに切り替わる。
本実施形態のエンコーダ12は、インクリメンタル型のエンコーダのため、モータ20(ロータ23)の相対的な回転位置しか検出することができない。そのため、モータ20を回転させることでシフトレンジを所望のレンジに切り替えるにあたっては、モータ20の絶対位置に対応する基準位置を学習し、ディテントプレート32の可動範囲(回転可能範囲)の限界位置と基準位置とを一致させておく必要がある。モータ20の基準位置を学習した後は、学習した基準位置と所定回転量(制御定数)とに基づき各シフトレンジに対応するモータ20の回転位置を演算により求め、当該演算により求めた回転位置となるようモータ20を回転させることで、実レンジを所望のシフトレンジに切り替えることができる。本実施形態では、ECU60のMPU80は、ディテントプレート32の可動範囲の端部(PレンジまたはDレンジ)に対応するモータ20の基準位置を学習する。
また、ECU60のMPU80は、基準位置を学習した後においては、当該基準位置と、所定回転量と、エンコーダ12からのパルス信号カウント値(モータ20の回転位置)とに基づく演算により、そのときの実レンジを間接的に検出することができる。本実施形態では、ECU60は、検出した実レンジの情報を、例えば、車両の運転席前方に設けられた表示装置7に表示する。これにより、運転者は、その時点の実レンジを確認することができる。本実施形態では、ディテントプレート32の各シフトレンジ(P、R、N、D)に対応する凹部41、42、43、44のそれぞれの範囲内にディテントローラ35の中心が位置するときのモータ20の回転位置に基づき、対応する実レンジを検出可能である。
ところで、MPU80が基準位置学習制御を行うとき、モータ20の各相に流れる電流を電圧に応じたデューティー比で制御する場合、電圧が同じであっても温度変化や経時変化等による巻線抵抗の変化によってモータ20の巻線22の各相に流れる電流の値が変化してモータ20のトルクが変化し、基準位置の学習精度が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、基準位置学習制御を行うとき、電流検出回路74および電流制限回路75により、合流箇所P1を流れる電流の電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限する。これにより、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化が抑制され、条件にかかわらず基準位置の学習精度が向上する。
本実施形態では、MPU80は、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつ、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置(PレンジまたはDレンジに対応する位置)で停止するまでモータ20を回転させる。このとき、MPU80は、3相の巻線22のうち2相に通電しつつ、通電相を順次切り替える「2相通電方式」によりモータ20(ロータ23)を回転させる。MPU80は、モータ20の回転が停止し所定時間が経過したときのエンコーダ12からのパルス信号のカウント値に基づき、基準位置を学習する。
このように、本実施形態では、MPU80は、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつ、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置で停止するまでモータ20を回転させ、モータ20の基準位置を学習する。ここで、MPU80は、特許請求の範囲における「基準位置学習手段」に対応している。また、MPU80による基準位置の学習に関する制御を「基準位置学習制御」という。また、基準位置学習制御を行うとき、ディテントローラ35がPレンジまたはDレンジに対応する凹部41または凹部44の壁部に突き当たるようモータ20を回転させることから、基準位置学習制御を「壁当て学習制御」または「突き当て学習制御」等ということがある。
MPU80は、通常、エンコーダ12からのパルス信号カウント値に基づきステータ21に対するロータ23の回転位置を検出しつつモータ20の巻線22の通電相を順次切り替えることでロータ23を目標回転位置まで回転駆動する。すなわち、MPU80は、ロータ23(モータ20)の回転状態をフィードバックしながらモータ20を回転駆動することでシフトレンジを目標レンジに切り替える。以下、MPU80による上記制御を「通常駆動制御」という。
次に、MPU80によるモータ20の制御について、図3に基づき説明する。
図3に示す一連の処理S100は、イグニッションスイッチがオン、すなわち、車両電源がオンされ、シフトバイワイヤシステム1が起動すると開始される。
S101では、MPU80は、初期異常診断を行う。具体的には、MPU80は、例えばリレー65等のシフトバイワイヤシステム1の各部に異常が発生していないか否かを診断する。ここで、異常を検出した場合、例えば表示装置7に警告灯を表示する等して、シフトバイワイヤシステム1に異常が生じていることを運転者に通知する。例えばS101で異常が検出されなかった場合、処理はS102へ移行する。
S102では、MPU80は、上述の初期駆動制御を行う。これにより、アクチュエータ10(モータ20)の回転を適切に制御できるようになる。S102の後、処理はS103へ移行する。
S103では、MPU80は、上述の基準位置学習制御を行う。これにより、ディテントプレート32の可動範囲の限界位置と基準位置とが一致し、以後、モータ20の通常駆動制御が可能な状態となる。なお、MPU80は、S103で基準位置の学習を行うとき、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつモータ20を回転させる。S103の後、処理はS104へ移行する。
S104では、MPU80は、上述の通常駆動制御を開始する。これにより、自動変速機3のシフトレンジが、運転者の意図するシフトレンジに変更される。
イグニッションスイッチがオフされると、処理は一連の処理S100を抜ける。
MPU80は、概念的な機能部として異常検出部82を有している。次に、MPU80の異常検出部82による電流制限回路75の異常検出に関する処理について、図4に基づき説明する。
図4に示す一連の処理S200は、イグニッションスイッチがオン、すなわち、車両電源がオンされ、シフトバイワイヤシステム1が起動すると開始される。
S201では、MPU80(異常検出部82)は、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限している状態か否かを判断する。電流を制限している状態であると判断した場合(S201:YES)、処理はS202へ移行する。一方、電流を制限していない状態であると判断した場合(S201:NO)、処理は一連の処理S200を抜ける。
本実施形態では、上述のようにS103で基準位置学習制御を行うときのみ、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限するため、S201でYESと判断されるのは、基準位置学習制御を行っているときである。
S201でNOと判断され、一連の処理S200を抜けたとき、イグニッションスイッチがオンの状態であれば、再び一連の処理S200が開始される。
S202では、MPU80(異常検出部82)は、モータ20の停止状態が所定時間以上継続したか否かを判断する。具体的には、MPU80は、例えばMOS駆動回路72から出力される駆動信号が所定の2相に固定されることでモータ20は停止していると判断し、駆動信号が固定されてから例えば50ms以上経過したか否かを判断する。
モータ20の停止状態が所定時間(50ms)以上継続したと判断した場合(S202:YES)、処理はS203へ移行する。一方、モータ20の停止状態は所定時間(50ms)以上継続していないと判断した場合(S202:NO)、処理は一連の処理S200を抜ける。
S202でNOと判断され、一連の処理S200を抜けたとき、イグニッションスイッチがオンの状態であれば、再び一連の処理S200が開始される。
S203では、MPU80(異常検出部82)は、電流検出回路74により検出した電流値の平均値が所定の範囲内か否かを判断する。具体的には、MPU80は、例えば、電流検出回路74により検出した電流値の平均値が、所定の電流値に対し±1(A)の範囲内か否かを判断する。
電流検出回路74により検出した電流値の平均値は所定の範囲内であると判断した場合(S203:YES)、処理はS204へ移行する。一方、電流検出回路74により検出した電流値の平均値は所定の範囲内でない、すなわち、所定の範囲外であると判断した場合(S203:NO)、処理はS205へ移行する。
S204では、MPU80(異常検出部82)は、電流制限回路75の異常に関するフラグをオフにする。S204の後、処理は一連の処理S200を抜ける。
S205では、MPU80(異常検出部82)は、電流制限回路75の異常に関するフラグをオンにする。S205の後、処理は一連の処理S200を抜ける。
MPU80(異常検出部82)は、一連の処理S200を抜けたとき、電流制限回路75の異常に関するフラグがオフの場合、「電流制限回路75に異常は生じていない」と判断する。これにより、S104の通常駆動制御が開始される。
一方、MPU80(異常検出部82)は、一連の処理S200を抜けたとき、電流制限回路75の異常に関するフラグがオンの場合、「巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を適切に制限できない異常が電流制限回路75に生じている」と判断し、例えば表示装置7に警告灯を表示する等して、シフトバイワイヤシステム1に異常が生じていることを運転者に通知する。また、MPU80は、電流制限回路75の異常に関するフラグがオンの場合、S104の通常駆動制御を開始しない。
MPU80の異常検出部82は、上述の一連の処理S200、および、その後の処理において、特許請求の範囲における「異常検出手段」として機能する。
図5は、MPU80が基準位置学習手段および異常検出手段として機能しているときに電流検出回路74により検出される電流値の時間の経過に伴う変化を示す図である。
図5に示すように、時刻t0で基準位置学習制御が開始されると、2相通電方式によりモータ20が回転する。このとき、合流箇所P1を流れる電流の電流値は、比較的不安定である。時刻t1でディテントプレート32が可動範囲の限界位置(PレンジまたはDレンジに対応する位置)で停止しモータ20の回転が停止すると、合流箇所P1を流れる電流の電流値は、比較的安定する。
本実施形態では、モータ20の回転が停止(時刻t1)してから所定時間(例えば50ms)経過後(時刻t2)、MPU80は、S203で、電流検出回路74により検出した電流値の平均値が所定の範囲内か否かを判断する。つまり、本実施形態では、MPU80は、合流箇所P1を流れる電流の電流値が比較的安定しているときに、電流制限回路75の異常検出を行う。
以上説明したように、(1)本実施形態は、複数の相の巻線22を有しバッテリ2から供給される電力により回転することでディテントプレート32を回転駆動するモータ20を制御するECU60であって、MOS61、62、63とMPU80と電流検出回路74と電流制限回路75と基準位置学習手段と異常検出手段とを備えている。
MOS61、62、63は、巻線22の各相に対応するよう設けられ、オン作動することにより対応する巻線22への通電を許容し、オフ作動することにより対応する巻線22への通電を遮断する。MPU80は、MOS61、62、63のオンオフ作動を制御することにより、モータ20の駆動を制御する。電流検出回路74は、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流の値である電流値を検出する。
電流制限回路75は、電流検出回路74により検出される電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限する。MPU80は、基準位置学習手段として機能し、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつ、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置で停止するまでモータ20を回転させ、モータ20の基準位置を学習する。MPU80の異常検出部82は、異常検出手段として機能し、基準位置を学習しているとき、電流検出回路74により検出した電流値に基づき、電流制限回路75の異常を検出可能である。
本実施形態では、モータ20の基準位置を学習するとき、電流検出回路74により検出する電流値に基づき、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつ、モータ20を回転させるため、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化、および、モータ20のトルクの変化を抑制することができる。これにより、温度変化や経時変化等、条件の変化にかかわらず基準位置の学習精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、異常検出部82によって、電流検出回路74により検出した電流値に基づき、電流制限回路75の異常を検出可能である。これにより、電流制限回路75に異常が発生している状態で基準位置の学習が行われるのを回避することができる。したがって、基準位置の学習が正しく行われなかったことによりモータ20が誤作動したり、制御不能になったりするのを防ぐことができる。
また、(2)本実施形態では、異常検出部82は、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置で停止することでモータ20の回転が停止してから所定時間経過後に電流検出回路74により検出した電流値に基づき、電流制限回路75の異常を検出可能である。つまり、本実施形態では、モータ20の回転が停止してから所定時間経過後、合流箇所P1に流れる電流の電流値が安定したときに電流制限回路75の異常検出を行う。そのため、電流制限回路75の異常検出を高精度に行うことができる。
また、(3)本実施形態では、異常検出部82は、電流検出回路74により検出した電流値の平均値が所定の範囲内であった場合、「電流制限回路75は正常である」と判断し、電流検出回路74により検出した電流値の平均値が所定の範囲外であった場合、「電流制限回路75に異常が生じている」と判断する。このように、比較的簡単な処理により電流制限回路75の異常検出を行うため、処理に要する時間を短縮することができるとともに、異常検出部82の処理負荷を抑制することができる。
また、(4)本実施形態では、シフトバイワイヤシステム1は、上述のECU60とECU60により制御されるモータ20とモータ20により回転駆動されることによってシフトレンジを切り替え可能なディテントプレート32とを備えている。本実施形態では、上述のECU60により、温度変化や経時変化等、条件の変化にかかわらず基準位置の学習精度を向上させることができる。また、電流制限回路75の異常を検出することにより、モータ20が誤作動すること、および、モータ20が制御不能になることを回避できる。よって、本実施形態のECU60は、シフトバイワイヤシステム1の制御に用いるのに好適である。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、異常検出部82が、ディテントプレート32が可動範囲の限界位置で停止することでモータ20の回転が停止してから所定時間経過後に電流検出回路74により検出した電流値に基づき、電流制限回路75の異常を検出する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、異常検出部82は、電流制限回路75により巻線22およびMOS61、62、63を流れる電流を制限しつつ基準位置学習制御を行っているとき、モータ20の停止前に、電流検出回路74により検出した電流値に基づき、電流制限回路75の異常を検出することとしてもよい。
また、上述の実施形態では、基準位置学習制御を行うとき、3相の巻線のうち2相に通電しつつ、通電相を順次切り替える「2相通電方式」によりモータを回転させる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、基準位置学習制御を行うとき、例えば、3相の巻線のうち1相に通電する1相通電と2相に通電する2相通電とを交互に切り替える「1−2相通電方式」によりモータを回転させることとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、例えば4相以上の巻線を有するモータを制御対象としてもよい。また、制御対象のモータとしては、エンコーダの出力信号(パルス信号)に基づきモータの回転位置を検出し通電相を切り替えるのであれば、スイッチトリラクタンスモータに限らず、他のブラシレスの同期モータであってもよい。
また、上述の実施形態では、モータの相対的な回転位置を検出するエンコーダとして、磁気式のエンコーダを用いる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、例えば、光学式またはブラシ式のエンコーダを用いることとしてもよい。また、エンコーダは、A相、B相のパルス信号を出力するものに限らず、例えば、A相、B相に加え、補正用(インデックス用)のZ相信号を出力するものを用いてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、制御装置は、電源からモータへの電力の供給を許容または遮断するリレーを備えていなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ディテントプレートの凹部は、いくつ形成されていてもよい。すなわち、本発明を適用可能な自動変速機のレンジの数は4つに限らない。
本発明によるシフトバイワイヤシステムは、上述の実施形態と同様に「P」、「R」、「N」、「D」の4ポジションを切り替える無段変速機(CVT)やHV(ハイブリッド車)の自動変速機(A/T)の他、「P」または「notP」の2ポジションを切り替えるEV(電気自動車)もしくはHVのパーキング機構等のレンジ切替に用いることもできる。
また、上述の実施形態では、マニュアルシャフトに設けられたディテントプレート(駆動対象)に形成した複数の凹部とディテントローラとにより「節度機構」を構成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、複数の凹部とディテントローラとからなる「節度機構」を例えばアクチュエータ内の減速機近傍等に設けることとしてもよい。また、駆動対象の回転位置を所定の位置に保持可能であれば、凹部とディテントローラとからなる「節度機構」に限らず、他の構成による「節度機構」を備えることとしてもよい。
また、本発明の制御装置は、シフトレンジ切替装置に限らず、ブラシレスの同期モータを駆動源とする各種切替装置に適用することができる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
2 ・・・・バッテリ(電源)
20 ・・・モータ
22 ・・・巻線
32 ・・・ディテントプレート(駆動対象)
60 ・・・ECU(電子制御ユニット、制御装置)
61、62、63 ・・・MOS(スイッチング手段)
72 ・・・MOS駆動回路(制御部)
74 ・・・電流検出回路
75 ・・・電流制限回路
80 ・・・MPU(制御部、基準位置学習手段、異常検出手段)
81 ・・・駆動信号算出部(制御部)
82 ・・・異常検出部(異常検出手段)

Claims (4)

  1. 複数の相の巻線(22)を有し電源(2)から供給される電力により回転することで駆動対象(32)を回転駆動するモータ(20)を制御する制御装置(60)であって、
    前記巻線の各相に対応するよう複数設けられ、オン作動することにより対応する前記巻線への通電を許容し、オフ作動することにより対応する前記巻線への通電を遮断するスイッチング手段(61、62、63)と、
    前記スイッチング手段のオンオフ作動を制御することにより、前記モータの駆動を制御する制御部(72、80、81)と、
    前記巻線および前記スイッチング手段を流れる電流の値である電流値を検出する電流検出回路(74)と、
    前記電流検出回路により検出される電流値の平均値が所定の範囲内となるよう、前記巻線および前記スイッチング手段を流れる電流を制限する電流制限回路(75)と、
    前記電流制限回路により前記巻線および前記スイッチング手段を流れる電流を制限しつつ、前記駆動対象が可動範囲の限界位置で停止するまで前記モータを回転させ、前記モータの基準位置を学習する基準位置学習手段(80)と、
    前記基準位置学習手段により前記基準位置を学習しているとき、前記電流検出回路により検出した電流値に基づき、前記電流制限回路の異常を検出可能な異常検出手段(80、82)と、
    を備える制御装置。
  2. 前記異常検出手段は、前記駆動対象が可動範囲の限界位置で停止することで前記モータの回転が停止してから所定時間経過後に前記電流検出回路により検出した電流値に基づき、前記電流制限回路の異常を検出可能であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記異常検出手段は、
    前記電流検出回路により検出した電流値の平均値が所定の範囲内であった場合、「前記電流制限回路は正常である」と判断し、
    前記電流検出回路により検出した電流値の平均値が所定の範囲外であった場合、「前記電流制限回路に異常が生じている」と判断することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御装置(60)と、
    前記制御装置により制御される前記モータ(20)と、
    前記モータにより回転駆動されることによってシフトレンジを切り替え可能な前記駆動対象(32)と、
    を備えるシフトバイワイヤシステム(1)。
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