JP3800529B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンコーダの出力信号に基づいてモータの通電相を順次切り換えることでロータを回転駆動するモータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、構造が簡単で安価なモータとして需要が増加しているスイッチトリラクタンスモータ等のブラシレス型のモータは、ロータの回転に同期してパルス信号を出力するエンコーダを搭載し、このエンコーダの出力信号をカウントしてそのカウント値に基づいてロータの回転位置を検出して通電相を順次切り換えることでロータを回転駆動するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のエンコーダ付きのモータは、起動後のエンコーダの出力信号のカウント値に基づいてロータの起動位置からの回転量(回転角度)を検出できるだけであるので、電源投入後に、何等かの方法で、ロータの絶対的な回転位置を検出して、ロータの回転位置と通電相との対応関係をとらないと、モータを正常に駆動することができない。
【0004】
そこで、例えば、スイッチトリラクタンスモータでは、特開2000−69779号公報に示すように、起動開始時に、2つの相を同時に励磁(通電)して、一定時間経過後に、そのときのロータの回転位置を基準にして通電相を決めるようにしたものがある。
【0005】
しかし、起動開始時に、2つの相を同時に励磁しただけでは、必ずしもロータが2つの通電相に対応する位置まで回転するとは限らず、ロータの回転位置と通電相との対応関係がとれない場合がある。
【0006】
また、上記公報には、2相通電をしても、不安定点が存在することもあると記載されている。この対策として、上記公報は、1相通電し、その後、2つの相を同時に励磁するようにしている。最初に、1つの相を励磁することで、2つの相を励磁することによる不安定領域を除き、その後、2つの相を励磁することで、唯一の安定点にロータを回転させることができ、確実にロータの基準位置を学習できると記載されている。
【0007】
しかしながら、1つの相を励磁する場合は、2つの相を励磁する場合よりも、トルクが小さいため、1つの相に対応する位置までロータが回転しにくい。従って、最初に1つの相を励磁しただけでは、2つの相を励磁する際の不安定領域を除くことができず、依然として、ロータの基準位置を誤学習するおそれがある。
【0008】
本発明はこれらの事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、電源投入後の初期駆動によりロータの回転位置と通電相との対応関係を確実にとることができるモータ制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のモータ制御装置は、電源投入後の初期駆動時にモータの通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡させることで、いずれかの通電相でロータの回転位置と該通電相とを一致させて該ロータを回転駆動し、該ロータの回転により所定角度間隔で発生するエンコーダの出力信号をカウントして、初期駆動終了時のカウント値とロータの回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に、エンコーダの出力信号のカウント値と初期駆動終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定するようにしたものである。このように、初期駆動時に通電相の切り換えを一巡させれば、初期駆動が終了するまでに、いずれかの通電相で必ずロータの回転位置と通電相とが一致して、それ以後、通電相の切り換えに同期してロータが回転して、このロータの回転に同期して所定角度間隔でエンコーダからパルス信号が出力されるようになる。従って、初期駆動終了時のエンコーダの出力信号のカウント値を見れば、初期駆動が終了するまでにロータが実際に通電相の切り換えに同期して回転した角度(回転量)が分かり、それによって、初期駆動終了時のエンコーダの出力信号のカウント値とロータの回転位置と通電相との対応関係が分かるため、この対応関係を学習することで、その後の通常駆動時に、エンコーダの出力信号のカウント値と初期駆動終了時の学習結果とに基づいて正しい通電相を選択してモータを正常に回転させることができる。
【0010】
更に、本発明は、モータとしてスイッチトリラクタンスモータを使用し、初期駆動時に1相通電と2相通電とを交互に切り換えるようにしても良い。スイッチトリラクタンスモータは、永久磁石が不要で構造が簡単であるため、安価であり、温度環境等に対する耐久性・信頼性も高いという利点がある。そして、初期駆動時に1相通電と2相通電とを交互に切り換えるようにすれば、常に1相のみに通電する1相励磁方式や常に2相ずつ通電する2相励磁方式と比較して、1ステップ(1回の励磁)当たりのロータ回転角度が1/2となるため、初期駆動中にロータの回転位置と通電相とを確実に同期させることができると共に、トルクが大きい2相通電でロータの振動を停止させて、エンコーダの出力信号を安定させることができる。
【0011】
この場合、初期駆動中の1相通電の時間を2相通電の時間よりも短くするようにしても良い。つまり、初期駆動中にロータの回転位置と通電相との同期がとれた後でも、トルクが小さい1相通電では、ロータが振動するため、1相通電の時間を短くして、できるだけ速やかに次の2相通電に切り換えることで、ロータの振動を速やかに停止させてエンコーダの出力信号を安定させることができると共に、初期駆動の時間を短くすることができる。
【0012】
また、請求項のように、初期駆動を2相通電から開始するようにしても良い。このようにすれば、仮に、初期駆動開始当初のロータの位置が最初の2相通電に対応する位置に正確に一致していなくても、その2相通電の大きなトルクが及ぶ範囲内であれば、初期駆動開始当初からロータの回転位置と通電相とを同期させることができる。
【0013】
また、請求項のように、初期駆動の途中で該初期駆動を終了して通常駆動に移行する必要が生じたときに、次の2相通電(2相通電の実行中に通常駆動に移行する必要が生じたときはその2相通電)が終了してから通常駆動に移行すると共に、該2相通電終了時の前記エンコーダの出力信号のカウント値と前記ロータの回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に、エンコーダの出力信号のカウント値と前記2相通電終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定するようにしても良い。
【0014】
上述したように、2相通電では、トルクが大きいため、ロータの位置が2相通電に対応する位置から多少ずれていたとしても、ロータを2相通電に対応する位置まで回転させることができる。このため、初期駆動中に2相通電を1〜2回行うだけで、ロータの回転位置と通電相との同期がとれる確率は高いものと思われる。従って、初期駆動の途中で該初期駆動を終了して通常駆動に移行する必要が生じたときには、次の2相通電(又は現在の2相通電)が終了してから通常駆動に移行するようにすれば、初期駆動の途中で、エンコーダの出力信号のカウント値とロータの回転位置と通電相との対応関係を学習してから、通常駆動に速やかに移行することができる。
【0015】
また、請求項のように、エンコーダは、ロータの回転に同期して所定の位相差(一般的には電気角で90°の位相差)を有するA相信号とB相信号を出力すると共に、該ロータの基準回転位置でZ相信号を出力する構成とし、初期駆動時にA相信号及びB相信号のエッジをカウントして、初期駆動終了時のカウント値とロータの回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に、エンコーダの出力信号のカウント値と初期駆動終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定すると共に、Z相信号が出力されるときのカウント値とロータの回転位置と通電相との対応関係がずれていないか否かを判定し、ずれていれば、そのずれを補正するようにしても良い(以下この補正を「Z相補正」という)。
【0016】
この構成では、エンコーダから出力されるZ相信号によってロータの基準回転位置を正確に検出できるため、例えば、Z相信号が出力されるときの通電相(カウント値)がロータの基準回転位置に対応する通電相(カウント値)であるか否かを判定することで、ロータの回転位置と通電相(カウント値)との対応関係がずれていないか否かを確認することができ、もし、ずれていれば、そのずれを補正することで、信頼性の高いモータ制御を行うことができる。
【0017】
この場合、Z相補正が繰り返し行われるような場合は、誤ったZ相補正が行われている可能性があるので、請求項のように、通常駆動中にZ相補正が所定回数行われたときに該Z相補正をZ相補正禁止手段により禁止するようにしても良い。このようにすれば、誤ったZ相補正の繰り返しによるモータ停止・誤作動を防止することができる。
【0018】
また、請求項のように、Z相補正をA相信号又はB相信号のエッジ割り込み処理により実行するようにしても良い。このようにすれば、Z相補正を通電相の切り換えタイミングに同期させることができる。
【0019】
以上説明した請求項1〜に係る発明は、スイッチトリラクタンスモータ等のブラシレス型のモータを駆動源とする各種装置に適用でき、例えば、請求項のように、車両のパーキングレンジと他のレンジとを切り換えるレンジ切換機構を駆動するモータの制御装置に適用しても良い。これにより、信頼性の高いモータ駆動式のレンジ切換装置を構成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両のレンジ切換装置に適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
まず、図1に基づいてレンジ切換機構11の構成を説明する。レンジ切換機構11の駆動源となるモータ12は、例えばスイッチトリラクタンスモータにより構成され、減速機構26(図4参照)を内蔵し、その出力軸13の回転位置を検出する出力軸センサ14が設けられている。この出力軸13には、ディテントレバー15が固定されている。
【0022】
また、ディテントレバー15にはL字形のパーキングロッド18が固定され、このパーキングロッド18の先端部に設けられた円錐体19がロックレバー21に当接している。このロックレバー21は、円錐体19の位置に応じて軸22を中心にして上下動してパーキングギヤ20をロック/ロック解除するようになっている。パーキングギヤ20は、自動変速機27の出力軸に設けられ、このパーキングギヤ20がロックレバー21によってロックされると、車両の駆動輪が回り止めされた状態(パーキング状態)に保持される。
【0023】
一方、ディテントレバー15をパーキングレンジ(以下「Pレンジ」と表記する)と他のレンジ(以下「NotPレンジ」と表記する)に保持するためのディテントバネ23が支持ベース17に固定され、このディテントバネ23の先端に設けられた係合部23aがディテントレバー15のPレンジ保持凹部24に嵌まり込んだときに、ディテントレバー15がPレンジの位置に保持され、該ディテントバネ23の係合部23aがディテントレバー15のNotPレンジ保持凹部25に嵌まり込んだときに、ディテントレバー15がNotPレンジの位置に保持されるようになっている。
【0024】
Pレンジでは、パーキングロッド18がロックレバー21に接近する方向に移動して、円錐体19の太い部分がロックレバー21を押し上げてロックレバー21の凸部21aがパーキングギヤ20に嵌まり込んでパーキングギヤ20をロックした状態となり、それによって、自動変速機27の出力軸(駆動輪)がロックされた状態(パーキング状態)に保持される。
【0025】
一方、NotPレンジでは、パーキングロッド18がロックレバー21から離れる方向に移動して、円錐体19の太い部分がロックレバー21から抜け出てロックレバー21が下降し、それによって、ロックレバー21の凸部21aがパーキングギヤ20から外れてパーキングギヤ20のロックが解除され、自動変速機27の出力軸が回転可能な状態(走行可能な状態)に保持される。
【0026】
尚、前述した出力軸センサ14は、モータ12の減速機構26の出力軸13の回転角度に応じた電圧を出力する回転センサ(例えばポテンショメータ)によって構成され、その出力電圧によって現在のレンジがPレンジとNotPレンジのいずれであるかを確認できるようになっている。
【0027】
次に、図2に基づいてモータ12の構成を説明する。本実施形態では、モータ12として、スイッチトリラクタンスモータ(以下「SRモータ」と表記する)が用いられている。このSRモータ12は、ステータ31とロータ32が共に突極構造を持つモータで、永久磁石が不要で構造が簡単であるという利点がある。円筒状のステータ31の内周部には、例えば12個の突極31aが等間隔に形成され、これに対して、ロータ32の外周部には、例えば8個の突極32aが等間隔に形成され、ロータ32の回転に伴い、ロータ32の各突極32aがステータ31の各突極31aと微小ギャップを介して順番に対向するようになっている。ステータ31の12個の突極31aには、U相、V相、W相の合計6個の巻線33と、U’相、V’相、W’相の合計6個の巻線34が順番に巻回されている。尚、ステータ31とロータ32の突極31a,32aの数は適宜変更しても良いことは言うまでもない。
【0028】
本実施形態の巻線33,34の巻回順序は、ステータ31の12個の突極31aに対して、例えば、V相→W相→U相→V相→W相→U相→V’相→W’相→U’相→V’相→W’相→U’相の順序で巻回されている。図3に示すように、U相、V相、W相の合計6個の巻線33と、U’相、V’相、W’相の合計6個の巻線34は、2系統のモータ励磁部35,36を構成するように結線されている。一方のモータ励磁部35は、U相、V相、W相の合計6個の巻線33をY結線して構成され(同じ相の2個の巻線33はそれぞれ直列に接続されている)、他方のモータ励磁部36は、U’相、V’相、W’相の合計6個の巻線34をY結線して構成されている(同じ相の2個の巻線34はそれぞれ直列に接続されている)。2つのモータ励磁部35,36は、U相とU’相が同時に通電され、V相とV’相が同時に通電され、W相とW’相が同時に通電される。
【0029】
これら2つのモータ励磁部35は、車両に搭載されたバッテリ40を電源として、それぞれ別個のモータドライバ37,38によって駆動される。このように、モータ励磁部35,36とモータドライバ37,38をそれぞれ2系統ずつ設けることで、一方の系統が故障しても、他方の系統でSRモータ12を回転させることができるようになっている。図3に示すモータドライバ37,38の回路構成例では、各相毎にトランジスタ等のスイッチング素子39を1個ずつ設けたユニポーラ駆動方式の回路構成としているが、各相毎にスイッチング素子を2個ずつ設けたバイポーラ駆動方式の回路構成を採用しても良い。尚、本発明は、モータ励磁部とモータドライバをそれぞれ1系統ずつ設けた構成としても良いことは言うまでもない。
【0030】
各モータドライバ37,38の各スイッチング素子39のオン/オフは、ECU41(制御手段)によって制御される。図4に示すように、このECU41と各モータドライバ37,38は、レンジ切換制御装置42に搭載され、このレンジ切換制御装置42には、Pレンジへの切換操作を行うPレンジスイッチ43と、NotPレンジへの切換操作を行うNotPレンジスイッチ44の操作信号が入力される。Pレンジスイッチ43又はNotPレンジスイッチ44の操作により選択されたレンジは、インストルメントパネル(図示せず)に設けられたレンジ表示部45に表示される。
【0031】
SRモータ12には、ロータ32の回転位置を検出するためのエンコーダ46が設けられている。このエンコーダ46は、例えば磁気式のロータリエンコーダにより構成されており、その具体的な構成は、図5及び図6に示すように、N極とS極が円周方向に交互に等ピッチで着磁された円環状のロータリマグネット47がロータ32の側面に同軸状に固定され、このロータリマグネット47に対向する位置に、3個のホールIC等の磁気検出素子48,49,50が配置された構成となっている。本実施形態では、ロータリマグネット47のN極とS極の着磁ピッチが7.5°に設定されている。このロータリマグネット47の着磁ピッチ(7.5°)は、SRモータ12の励磁1回当たりのロータ32の回転角度と同じに設定されている。後述するように、1−2相励磁方式でSRモータ12の通電相の切り換えを6回行うと、全ての通電相の切り換えが一巡してロータ32とロータリマグネット47が一体的に7.5°×6=45°回転する。このロータリマグネット47の45°の回転角度範囲に存在するN極とS極の数は、合計6極となっている。
【0032】
更に、ロータ32の基準回転位置に相当する位置のN極(N’)とその両側のS極(S’)がそれ以外の磁極よりも径方向の幅が広くなるように形成されている。尚、本実施形態では、SRモータ12の通電相の切り換えが一巡する間にロータ32とロータリマグネット47が一体的に45°回転することを考慮して、ロータ32の基準回転位置に相当する幅広な着磁部分(N’)が45°ピッチで形成されており、従って、ロータリマグネット47全体として、基準回転位置に相当する幅広な着磁部分(N’)が合計8個形成されている。尚、基準回転位置に相当する幅広な着磁部分(N’)は、ロータリマグネット47全体として、1個のみ形成した構成としても良い。
【0033】
このロータリマグネット47に対して3個の磁気検出素子48,49,50が次のような位置関係で配置されている。A相信号を出力する磁気検出素子48とB相信号を出力する磁気検出素子49は、ロータリマグネット47の幅狭な着磁部分(N,S)と幅広な着磁部分(N’,S’)の両方に対向し得る位置の同一円周上に配置されている。一方、Z相信号を出力する磁気検出素子50は、ロータリマグネット47の幅狭な着磁部分(N,S)よりも径方向外側又は内側の位置で、且つ、幅広な着磁部分(N’,S’)のみに対向し得る位置に配置されている。A相信号とB相信号を出力する2個の磁気検出素子48,49の間隔は、図7に示すように、A相信号とB相信号の位相差が、電気角で90°(機械角で3.75°)となるように設定されている。ここで、“電気角”はA・B相信号の発生周期を1周期(360°)とした場合の角度で、“機械角”は機械的な角度(ロータ32の1回転を360°とした場合の角度)であり、A相信号の立ち下がり(立ち上がり)からB相信号の立ち下がり(立ち上がり)までにロータ32が回転する角度がA相信号とB相信号の位相差の機械角に相当する。また、Z相信号を出力する磁気検出素子50は、Z相信号とB相信号(又はA相信号)との位相差が0となるように配置されている。
【0034】
各磁気検出素子48,49,50の出力は、N極(N’極)と対向したときにハイレベル“1”となり、S極(S’極)と対向したときにローレベル“0”となる。尚、Z相信号用の磁気検出素子50の出力は、ロータ32の基準回転位置に相当する幅広なN’極に対向する毎にハイレベル“1”となり、それ以外の位置では、ローレベル“0”となる。
【0035】
本実施形態では、ECU41が後述する図15のエンコーダカウンタルーチンによってA相信号とB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジをカウントして、そのエンコーダカウント値に応じてSRモータ12の通電相を切り換えることでロータ32を回転駆動する。この際、A相信号とB相信号の発生順序によってロータ32の回転方向を判定し、正回転(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)ではエンコーダカウント値をカウントアップし、逆回転(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)ではエンコーダカウント値をカウントダウンする。これにより、ロータ32が正回転/逆回転のいずれの方向に回転しても、エンコーダカウント値とロータ32の回転位置との対応関係が維持されるため、正回転/逆回転のいずれの回転方向でも、エンコーダカウント値によってロータ32の回転位置(回転角度)を検出して、その回転位置に対応した相の巻線33,34に通電してロータ32を回転駆動する。
【0036】
図7は、ロータ32を逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)に回転させたときのエンコーダ46の出力波形と通電相の切換パターンを示している。逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)と正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)のいずれの場合も、ロータ32が7.5°回転する毎に1相通電と2相通電とを交互に切り換えるようになっており、ロータ32が45°回転する間に、例えば、U相通電→UW相通電→W相通電→VW相通電→V相通電→UV相通電の順序で通電相の切り換えを一巡するようになっている。そして、この通電相の切り換え毎に、ロータ32が7.5°ずつ回転して、A相、B相信号用の磁気検出素子48,49に対向するロータリマグネット47の磁極がN極→S極(N’極→S’極)又はS極→N極(S’極→N’極)に変化してA相信号とB相信号のレベルが交互に反転し、それによって、ロータ32が7.5°回転する毎に、エンコーダカウント値が2ずつカウントアップ(又はカウントダウン)する。また、通電相の切り換えが一巡してロータ32が45°回転する毎に、Z相用の磁気検出素子50がロータ32の基準回転位置に相当する幅広なN’極に対向して、Z相信号がハイレベル“1”となる。尚、本明細書では、A相、B相、Z相信号がハイレベル“1”となることを、A相、B相、Z相信号が出力されると言う場合がある。
【0037】
ところで、エンコーダカウント値は、ECU41のRAMに記憶されるため、ECU41の電源がオフされると、エンコーダカウント値の記憶が消えてしまう。そのため、ECU41の電源投入直後のエンコーダカウント値(0)は、実際のロータ32の回転位置(通電相)に対応したものとならい。従って、エンコーダカウント値に応じて通電相を切り換えるためには、電源投入後にエンコーダカウント値と実際のロータ32の回転位置とを対応させて、エンコーダカウント値と通電相とを対応させる必要がある。
【0038】
そこで、本実施形態では、レンジ切換制御装置42のECU41によって後述する図8及び図9に示す初期駆動ルーチンを実行することで、ECU41への電源投入後の初期駆動時に、SRモータ12の通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡させてエンコーダ46のA相信号及びB相信号のエッジをカウントし、初期駆動終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に、エンコーダカウント値と初期駆動終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定するようにしている。
【0039】
この初期駆動時の学習は、具体的には次のようにして行われる。図12に示すように、PレンジでECU41に電源が投入されたときに初期駆動を行う場合は、例えば、W相通電→UW相通電→U相通電→UV相通電→V相通電→VW相通電の順序で通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡し、ロータ32を正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)に駆動する。
【0040】
一方、NotPレンジでECU41に電源が投入されたときに初期駆動を行う場合は、例えば、V相通電→UV相通電→U相通電→UW相通電→W相通電→VW相通電の順序で通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡し、ロータ32を逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)に駆動する。
【0041】
この初期駆動時には、1相通電の時間T1を2相通電の時間T2よりも短くし、例えばT1=10ms、T2=100msに設定する。初期駆動中にロータ32の回転位置と通電相との同期がとれた後でも、トルクが小さい1相通電では、ロータ32が振動するため、1相通電の時間T1を短くして、できるだけ速やかに次の2相通電に切り換えることで、ロータ32の振動を速やかに停止させてエンコーダ46の出力信号を安定させるようにしている。
【0042】
このように、初期駆動時に通電相の切り換えを一巡させれば、初期駆動が終了するまでに、いずれかの通電相で必ずロータ32の回転位置と通電相とが一致して、それ以後、通電相の切り換えに同期してロータ32が回転して、このロータ32の回転に同期してエンコーダ46からA相信号及びB相信号が出力されるようになる。
【0043】
この初期駆動中に、エンコーダ46のA相信号及びB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジをカウントする。従って、初期駆動終了時のエンコーダカウント値を見れば、初期駆動が終了するまでにロータ32が実際に通電相の切り換えに同期して回転した角度(回転量)が分かり、それによって、初期駆動終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係が分かる。
【0044】
図12の例では、初期駆動時に最初の通電相(W相)からロータ32が回転し、通電相の切り換え毎にロータ32が7.5°ずつ回転してエンコーダカウント値が2ずつカウントアップし、初期駆動終了時にエンコーダカウント値が12となる。
【0045】
これに対し、例えば、初めの3回の励磁(W相通電→UW相通電→U相通電)でロータ32が回転しない場合、つまり4回目以降の励磁(UV相通電→V相通電→VW相通電)でロータ32の回転位置と通電相とが同期してロータ32が3回の励磁分だけ回転する場合は、初期駆動終了時までにロータ32が7.5°×3=22.5°回転して、エンコーダカウント値が2×3=6となる。従って、初期駆動終了時のエンコーダカウント値を見れば、初期駆動が終了するまでにロータ32が実際に通電相の切り換えに同期して回転した角度(回転量)が判明する。
【0046】
初期駆動の最後の通電相は、常にVW相となるが、エンコーダカウント値は、必ずしも12になるとは限らず、例えば8、或は4である場合もある。初期駆動終了後の通常駆動時には、エンコーダカウント値に基づいて通電相が決定されるため、初期駆動によるエンコーダカウント値のずれを修正しないと、通常駆動時に正しい通電相を選択することができない。
【0047】
そこで、本実施形態では、初期駆動終了時のエンコーダカウント値を初期位置ずれ学習値として学習し、その後の通常駆動時にエンコーダカウント値を初期位置ずれ学習値で補正することで、初期駆動終了時のエンコーダカウント値と通電相(ロータ32の回転位置)とのずれを補正して、通常駆動時に正しい通電相を選択できるようにしている。
【0048】
初期駆動終了後は、図12に示すように、まず初期駆動終了時の通電相(VW相)と同じ相に例えば10ms通電してロータ32の位置を初期駆動終了時の位置に保持し、その後、後述するフィードバック制御(以下「F/B制御」と表記する)により、その時点のエンコーダカウント値と初期位置ずれ学習値とに基づいて通電相を切り換えてロータ32を目標位置Acntの方向へ回転させる。これにより、ロータ32の回転位置(エンコーダカウント値)が目標位置Acntから例えば0.5°以内に到達した時点で、通電相の切り換えを終了してロータ32を停止させ、その後は、同じ相に通電し続けてロータ32の停止状態を保持し、この保持状態を例えば50ms継続する。この後、目標位置Acntが変化しなければ、通電を停止する。
【0049】
また、初期駆動の途中で、Pレンジスイッチ43又はNotPレンジスイッチ44が操作されてレンジ切換要求が発生した場合は、次の2相通電(2相通電の実行中にレンジ切換要求が発生したときはその2相通電)が終了してから通常駆動に移行すると共に、該2相通電終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に、エンコーダカウント値と2相通電終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定するようにしている。
【0050】
2相通電では、トルクが大きいため、ロータ32の位置が2相通電に対応する位置から多少ずれていたとしても、ロータ32を2相通電に対応する位置まで回転させることができる。このため、初期駆動中に2相通電を1〜2回行うだけでロータ32の回転位置と通電相との同期がとれる確率は高いものと思われる。従って、初期駆動の途中でレンジ切換要求が発生したときには、次の2相通電(又は現在の2相通電)が終了してから通常駆動に移行するようにすれば、初期駆動の途中で、エンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習してから、通常駆動に速やかに移行することができる。
【0051】
例えば、図13のタイムチャートに示すように、初期駆動の2回目の励磁(UW相通電)中に、PレンジからNotPレンジへのレンジ切換要求が発生したときには、このUW相通電で初期駆動を終了して通常駆動に移行すると共に、UW相通電終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習する。本実施形態では、初期駆動の途中で通常駆動に移行する場合でも、その初期駆動を最後まで実行したと仮定して、本来の初期駆動終了時のエンコーダカウント値を推定し、その推定値を初期位置ずれ学習値とするようにしている。例えば、図13に示すように、初期駆動をW相通電とUW相通電の2回の励磁で終了する場合は、その後に予定されていた4回の励磁を行わずに初期駆動を終了するため、未終了の4回の励磁(U相通電→UV相通電→V相通電→VW相通電)を行ったものと仮定して、4回の励磁分の回転角度に相当するカウントアップ値(2×4=8)をUW相通電終了時のエンコーダカウント値に加算して初期位置ずれ学習値を求める。
【0052】
以上説明した初期駆動の学習処理は、レンジ切換制御装置42のECU41によって図8及び図9に示す初期駆動ルーチンに従って実行される。本ルーチンは、ECU41への電源投入直後(イグニッションスイッチをOFF位置からACC位置へ操作した直後)に、初期駆動が終了するまで所定周期(例えば1ms周期)で実行される。
【0053】
本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、オープンループ制御実行フラグXopen=ON、又は、リカバリ処理実行フラグXrcv=ONであるか否かを判定する。ここで、オープンループ制御実行フラグXopenは、エンコーダ46又はSRモータ12が故障したときに実行されるオープンループ制御(フェイルセーフ処理)が実行されているか否かを判定するフラグであり、ONは実行されていることを意味する。また、リカバリ処理実行フラグXrcvは、一時的な動作異常が発生したときに一時的に実行されるリカバリ処理(オープンループ制御)が実行されているか否かを判定するフラグであり、ONは実行されていることを意味する。
【0054】
もし、上記ステップ101で、「Yes」と判定されれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了し、「No」と判定されれば、ステップ102に進み、ECU41のイニシャル処理から出力軸センサ14の出力電圧が安定するまで待つための所定時間(例えば100ms)が経過したか否かを判定する。そして、イニシャル処理から所定時間経過した時点で、ステップ103に進み、出力軸センサ14の出力電圧を読み込んで、この出力電圧がレンジ判定値以下であるか否かで、現在のレンジがPレンジかNotPレンジかを判定し、Pレンジであれば、ステップ104に進み、レンジ判定フラグXnpをPレンジを意味する「0」にセットし、NotPレンジであれば、ステップ105に進み、レンジ判定フラグXnpをNotPレンジを意味する「1」にセットする。
【0055】
この後、ステップ106に進み、レンジ判定フラグXnp=0(Pレンジ)であるか否かを判定し、レンジ判定フラグXnp=0(Pレンジ)であれば、ステップ107に進み、図10のPレンジ初期駆動ルーチンを実行し、レンジ判定フラグXnp=1(NotPレンジ)であれば、ステップ108に進み、図11のNotPレンジ初期駆動ルーチンを実行する。
【0056】
上記ステップ107で、図10のPレンジ初期駆動ルーチンが起動されると、ステップ201〜206で、初期駆動中の励磁回数をカウントする励磁回数カウンタCASEが0〜5のいずれであるかを判定する。この励磁回数カウンタCASEは、イニシャル処理でセットされる初期値が0で、励磁を1回行う毎に1ずつカウントアップされる(図9のステップ114)。そして、励磁回数カウンタCASEの判定結果に応じて通電相と通電時間Tを次のように設定する。
【0057】
CASE=0(1回目の励磁)の場合は、ステップ207に進み、W相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=1(2回目の励磁)の場合は、ステップ208に進み、UW相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0058】
CASE=2(3回目の励磁)の場合は、ステップ209に進み、U相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=3(4回目の励磁)の場合は、ステップ210に進み、UV相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0059】
CASE=4(5回目の励磁)の場合は、ステップ211に進み、V相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=5(6回目の励磁)の場合は、ステップ212に進み、VW相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0060】
これにより、Pレンジで初期駆動を行う場合は、W相通電→UW相通電→U相通電→UV相通電→V相通電→VW相通電の順序で通電相の切り換えを一巡し、ロータ32を正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)に駆動する。この際、1相通電の時間T1を2相通電の時間T2よりも短く設定する。
【0061】
一方、ステップ108で、図11のNotPレンジ初期駆動ルーチンが起動されると、ステップ221〜226で、励磁回数カウンタCASEが0〜5のいずれであるかを判定し、その判定結果に応じて通電相と通電時間Tを次のように設定する。
【0062】
CASE=0(1回目の励磁)の場合は、ステップ227に進み、V相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=1(2回目の励磁)の場合は、ステップ228に進み、UV相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0063】
CASE=2(3回目の励磁)の場合は、ステップ229に進み、U相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=3(4回目の励磁)の場合は、ステップ230に進み、UW相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0064】
CASE=4(5回目の励磁)の場合は、ステップ231に進み、W相通電を選択し、その通電時間TをT1(例えば10ms)にセットする。
CASE=5(6回目の励磁)の場合は、ステップ232に進み、VW相通電を選択し、その通電時間TをT2(例えば100ms)にセットする。
【0065】
これにより、NotPレンジで初期駆動を行う場合は、V相通電→UV相通電→U相通電→UW相通電→W相通電→VW相通電の順序で通電相の切り換えを一巡し、ロータ32を逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)に駆動する。この場合も、1相通電の時間T1を2相通電の時間T2よりも短く設定する。
【0066】
以上のようにして、図10のPレンジ初期駆動ルーチン又は図11のNotPレンジ初期駆動ルーチンを実行した後、図8のステップ109に進み、初期駆動中にレンジ切換操作(Pレンジスイッチ43又はNotPレンジスイッチ44の操作)が行われたか否かを判定し、初期駆動中にレンジ切換操作が行われれば、ステップ110に進み、レンジ切換操作フラグXchgをONにセットし、レンジ切換操作が行われていなければ、ステップ111に進み、レンジ切換操作フラグXchgをOFFにセットする。
【0067】
この後、図9のステップ112に進み、現在の通電相の通電時間をカウントする通電時間カウンタCTをカウントアップし、次のステップ113で、現在の通電相の通電時間CTが前記図10又は図11のルーチンで設定した通電時間T(=T1又はT2)を越えたか否かを判定し、越えていなければ、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。これにより、現在の通電相の通電時間CTが図10又は図11のルーチンで設定した通電時間T(=T1又はT2)を越えるまで、現在の通電相への通電が継続される。
【0068】
その後、現在の通電相の通電時間CTが図10又は図11のルーチンで設定した通電時間T(=T1又はT2)を越えた時点で、ステップ114に進み、励磁回数カウンタCASEを1だけカウントアップし、通電相を次の通電相に切り換える。そして、次のステップ115で、通電時間カウンタCTをリセットした後、ステップ116に進み、励磁回数カウンタCASEが初期駆動の終了を意味する「6」に達したか否かを判定し、もし、励磁回数カウンタCASEが「6」に達していれば、ステップ118に進み、初期駆動終了フラグXendを初期駆動の終了を意味する「ON」にセットする。
【0069】
また、励磁回数カウンタCASEが「6」に達していない場合、つまり、初期駆動の途中である場合は、ステップ117に進み、初期駆動の途中終了条件が成立しているか否かを判定する。この初期駆動の途中終了条件は、次の3つの条件▲1▼〜▲3▼によって判定される。
▲1▼レンジ判定フラグXnpが0(Pレンジ)であること
▲2▼励磁回数カウンタCASEが2又は4、つまり2相通電終了時であること
▲3▼レンジ切換操作フラグXchgがON、つまり初期駆動中にレンジ切換操作が行われたこと
【0070】
これら3つの条件▲1▼〜▲3▼のうち、1つでも満たさない条件があれば、初期駆動の途中終了条件が成立せず、初期駆動を継続する。これに対し、3つの条件▲1▼〜▲3▼を全て満たしていれば、初期駆動の途中終了条件が成立して、ステップ118に進み、初期駆動終了フラグXendを初期駆動の終了を意味する「ON」にセットする。
【0071】
この後、ステップ119に進み、レンジ判定フラグXnp=1であるか否か(NotPレンジで初期駆動を行ったか否か)を判定し、レンジ判定フラグXnp=1であれば、ステップ120に進み、初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntを初期位置ずれ学習値Gcntとして記憶する。そして、次のステップ121で、エンコーダカウント値Ncntを次式によりNotPレンジを基準にした値に補正する。
Ncnt=Ncnt+288
【0072】
本実施形態では、Pレンジの保持位置を0点位置としてエンコーダカウント値Ncntをカウントアップし、NotPレンジの保持位置までロータ32が回転したときに、エンコーダカウント値Ncntが例えば288となるようになっている。従って、NotPレンジで初期駆動を行った場合は、初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntに288を加算することで、エンコーダカウント値NcntをNotPレンジを基準にした値に補正する。
【0073】
一方、上記ステップ119で、レンジ判定フラグXnp=0(Pレンジで初期駆動)と判定されれば、ステップ122に進み、初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntを用いて初期位置ずれ学習値Gcntを次式により算出する。
Gcnt=Ncnt+2×(6−CASE)
【0074】
この場合、初期駆動が最後まで行われれば、ステップ114の処理によりCASE=6となるため、初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntがそのまま初期位置ずれ学習値Gcntとなるが、Pレンジで初期駆動を行う場合は、初期駆動の途中でレンジ切換操作が行われたときに、次の2相通電(2相通電の実行中にレンジ切換要求が発生したときはその2相通電)が終了してから通常駆動に移行するため、その初期駆動を最後まで実行したと仮定して、本来の初期駆動終了時のエンコーダカウント値Ncntを推定し、その推定値を初期位置ずれ学習値Gcntとするようにしている。2×(6−CASE)は、未終了の励磁回数分の回転角度に相当するカウントアップ値(以下「Ncnt補正量」という)である。
【0075】
図14は、初期駆動時の励磁回数カウンタCASE、Ncnt補正量、通電相、A相信号、B相信号、エンコーダカウント値Ncntの関係を説明するタイムチャートである。例えば、初期駆動中に、UW相通電終了時(励磁回数カウンタCASEが1から2になったとき)に初期駆動を終了する場合は、Ncnt補正量=2×(6−CASE)=2×(6−2)=8となり、UV相通電終了時(励磁回数カウンタCASEが3から4になったとき)に初期駆動を終了する場合は、Ncnt補正量=2×(6−CASE)=2×(6−4)=4となる。
【0076】
次に、図15に示すエンコーダカウンタルーチンの処理内容を説明する。本ルーチンは、AB相割り込み処理によりA相信号とB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジに同期して起動され、A相信号とB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジを次のようにしてカウントする。本ルーチンが起動されると、まずステップ301で、A相信号とB相信号の値A(i) 、B(i) を読み込み、次のステップ302で、図16のカウントアップ値ΔN算出マップを検索して、A相信号とB相信号の今回値A(i) 、B(i) と、前回値A(i-1) 、B(i-1) に応じたカウントアップ値ΔNを算出する。
【0077】
ここで、A相信号とB相信号の今回値A(i) 、B(i) と、前回値A(i-1) 、B(i-1) を用いる理由は、A相信号とB相信号の発生順序によってロータ32の回転方向を判定するためであり、図17に示すように、正回転(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)ではカウントアップ値ΔNをプラス値にしてエンコーダカウント値Ncntをカウントアップし、逆回転(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)ではカウントアップ値ΔNをマイナス値にしてエンコーダカウント値Ncntをカウントダウンする。
【0078】
カウントアップ値ΔNの算出後、ステップ303に進み、前回のエンコーダカウント値Ncntに上記ステップ302で算出したカウントアップ値ΔNを加算して、今回のエンコーダカウント値Ncntを求める。この後、ステップ304に進み、次回のカウント処理のために、A相信号とB相信号の今回値A(i) 、B(i) をそれぞれA(i-1) 、B(i-1) として記憶して本ルーチンを終了する。
【0079】
次に、図18に示すモータF/B制御ルーチンの処理内容を説明する。本ルーチンは、AB相割り込み処理により実行され、初期駆動終了後にモータF/B制御実行条件が成立しているときに、ロータ32の回転位置(エンコーダカウント値Ncnt)が目標位置Acntから例えば0.5°以内に到達するまで、エンコーダカウント値Ncntと初期位置ずれ学習値Gcntとに基づいて通電相を切り換えてロータ32を目標位置Acntの方向へ回転させる。ここで、モータF/B制御実行条件は、例えば次の▲1▼〜▲4▼の条件を全て満たしているときに成立する。
【0080】
▲1▼初期駆動終了後であること(初期駆動終了フラグXend=ON)
▲2▼フェイルセーフ処理(オープンループ制御)が行われていないこと(オープンループ制御実行フラグXopen=OFF)
▲3▼リカバリ処理が行われていないこと(リカバリ処理実行フラグXrcv=OFF)
▲4▼初期駆動終了から所定の停止保持時間(例えば10ms)が経過していること、又は、モータ通電開始から所定の停止保持時間(例えば10ms)が経過していること
【0081】
尚、▲4▼の停止保持時間は、F/B制御開始時のロータ32の位置を確定するために設けられている。
上記▲1▼〜▲4▼の条件を全て満たしているときにモータF/B制御実行条件が成立し、F/B許可フラグXfbがONにセットされる。
【0082】
図18のモータF/B制御ルーチンが起動されると、まずステップ311で、F/B許可フラグXfbがONにセットされているか否か(モータF/B制御実行条件が成立しているか否か)を判定し、F/B許可フラグXfbがOFF(F/B制御実行条件が不成立)であれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0083】
これに対し、F/B許可フラグXfbがONにセットされていれば、ステップ312に進み、後述する図19の通電相設定ルーチンを実行して、現在のエンコーダカウント値Ncntと初期位置ずれ学習値Gcntとに基づいて通電相を設定し、次のステップ313で、通電処理ルーチン(図示せず)を実行して、上記ステップ312で設定した通電相に通電する。
【0084】
一方、上記ステップ312で、図19の通電相設定ルーチンが起動されると、ステップ321で、回転方向指示値Dが正回転(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)を意味する「1」であるか否かを判定する。この回転方向指示値Dは、現在のエンコーダカウント値Ncntと目標値Acntとの大小関係によって設定される。
【0085】
この回転方向指示値D=1(正回転)であれば、ステップ322に進み、回転方向が回転方向指示に反して逆転したか否か(エンコーダカウント値Ncntが減少したか否か)を判定し、逆転していなければ、ステップ323に進み、現在のエンコーダカウント値Ncnt、初期位置ずれ学習値Gcnt、正回転方向位相進み量K1、速度補正量Ksを用いて通電相判定値Mptnを次式により更新する。
Mptn=Ncnt−Gcnt+K1+Ks
【0086】
ここで、正回転方向位相進み量K1は、ロータ32を正回転させるのに必要な通電相の位相進み量(ロータ32の現在位置に対する通電相の位相進み量)であり、例えばK1=4に設定されている。
【0087】
また、速度補正量Ksは、ロータ32の回転速度に応じて設定される位相進み補正量である。低速域では、速度補正量Ksが0に設定され、高速になるに従って、速度補正量Ksが例えば1又は2に増加される。これにより、ロータ32の回転速度に適した通電相となるように通電相判定値Mptnが補正される。
一方、上記ステップ322で、回転方向が回転方向指示に反して逆転したと判定された場合は、逆転防止のために通電相判定値Mptnを更新しない。
【0088】
また、上記ステップ321で、回転方向指示値D=0(逆回転)、つまりNotPレンジ→Pレンジの回転方向と判定された場合は、ステップ324に進み、回転方向が回転方向指示に反して逆転したか否か(エンコーダカウント値Ncntが増加したか否か)を判定し、逆転していなければ、ステップ325に進み、現在のエンコーダカウント値Ncnt、初期位置ずれ学習値Gcnt、逆回転方向位相進み量K2、速度補正量Ksを用いて通電相判定値Mptnを次式により更新する。
Mptn=Ncnt−Gcnt−K2−Ks
【0089】
ここで、逆回転方向位相進み量K2は、ロータ32を逆回転させるのに必要な通電相の位相進み量(ロータ32の現在位置に対する通電相の位相進み量)であり、例えばK2=3に設定されている。速度補正量Ksは正回転の場合と同じである。
一方、上記ステップ324で、回転方向が回転方向指示に反して逆転したと判定された場合は、逆転防止のために通電相判定値Mptnを更新しない。
【0090】
以上のようにして、今回の通電相判定値Mptnを決定した後、ステップ326に進み、通電相判定値Mptnを“12”で割り算して、その余りmod(Mptn/12)を求める。ここで、“12”は、通電相を一巡させる間のエンコーダカウント値Ncntの増減量に相当する。
【0091】
mod(Mptn/12)の算出後、ステップ327に進み、図20の変換テーブルを検索して、mod(Mptn/12)に対応する通電相を選択し、これを今回の通電相に設定する。
【0092】
図21はU相から回転を開始する場合に最初に通電する相を説明するタイムチャートである。この場合、速度補正量Ks=0となるため、正回転(Pレンジ→NotPレンジ方向への回転)を開始する場合は、通電相判定値Mptnは次式により算出される。
Mptn=Ncnt−Gcnt+K1=Ncnt−Gcnt+4
【0093】
U相から正回転を開始する場合は、mod(Ncnt−Gcnt)は6となるため、mod(Mptn/12)=6+4=10となり、最初の通電相はV相となる。
【0094】
一方、U相から逆回転(NotPレンジ→Pレンジ方向への回転)を開始する場合は、通電相判定値Mptnは次式により算出される。
Mptn=Ncnt−Gcnt−K2=Ncnt−Gcnt−3
U相から逆回転を開始する場合は、mod(Mptn/12)=6−3=3となり、最初の通電相はW相となる。
【0095】
このように、正回転方向位相進み量K1と逆回転方向位相進み量K2をそれぞれ4と3に設定することで、正回転方向と逆回転方向の通電相の切換パターンを対称にすることができ、正回転方向と逆回転方向のいずれの場合も、ロータ32の現在位置から2ステップ分ずらした位置の相を最初に励磁して回転を開始することができる。
【0096】
ところで、SRモータ12の回転中は、図23に示すように、ロータ32の回転に同期してエンコーダ46からA相信号とB相信号が交互に出力されると共に、通電相の切り換えが一巡してロータ32が45°回転する毎に、Z相信号が出力される。このZ相信号によってロータ32の基準回転位置を正確に検出できるため、Z相信号が出力されるときの通電相(エンコーダカウント値)がロータ32の基準回転位置に対応する通電相(エンコーダカウント値)であるか否かを判定することで、ロータ32の回転位置と通電相(エンコーダカウント値)との対応関係がずれていないか否かを確認することができ、もし、ずれていれば、そのずれを補正するZ相補正を行うことで、信頼性の高いモータ制御を行うことができる。
【0097】
このZ相補正は、図22に示すZ相補正ルーチンによって実行される。本ルーチンは、A相割り込み処理によりA相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジに同期して起動される。本ルーチンが起動されると、まずステップ401で、Z相信号の値Zが1(ハイレベル)で、且つエンコーダ故障フラグXfailがエンコーダ46の故障無しを意味するOFFにセットされているか否かを判定し、Z相信号の値Zが0(ローレベル)の場合、又はエンコーダ故障フラグXfailがエンコーダ46の故障有りを意味するONにセットされている場合は、ステップ401で、「No」と判定されて、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0098】
これに対し、ステップ401で、「Yes」と判定された場合は、ステップ402に進み、Z相信号出力時(Z相信号の値Zが1に反転した時)の位置検出カウント値Nzonを記憶する。この位置検出カウント値Nzonは、Z相信号出力時のエンコーダカウント値Ncntを初期位置ずれ学習値Gcntで補正したものであり、この位置検出カウント値Nzonからロータ32の基準回転位置(Z相信号が出力される位置)が検出される。
Nzon=Ncnt−Gcnt
【0099】
この後、ステップ403に進み、今回の本ルーチンの起動タイミングがA相信号の立ち上がりであるか否かで、ロータ32の回転方向が正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)であるか否かを判定する。
【0100】
図23に示すように、A相信号とZ相信号は、電気角で90°の位相差で出力されるため、正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)では、Z相信号出力期間中にA相信号が立ち上がり、逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)では、Z相信号出力期間中にA相信号が立ち下がる。従って、Z相信号出力期間中にA相信号が立ち上がりか立ち下がるかで、正回転方向か逆回転方向かを判定することができる。
【0101】
上記ステップ403で、今回の本ルーチンの起動タイミングがA相信号の立ち上がりタイミング、つまりロータ32の回転方向が正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)であると判定された場合は、ステップ404に進み、Z相信号出力時の通電相の設計値と実値とのずれgzを算出する。
gz=K1−mod(Nzon/12)
【0102】
ここで、K1はロータ32を正回転させるのに必要な通電相の正回転方向位相進み量であり、例えばK1=4に設定されている。mod(Nzon/12)は、Z相信号出力時の位置検出カウント値Nzonを“12”で割り算したときの余りである。
【0103】
本実施形態では、図23に示すように、正回転方向(Pレンジ→NotPレンジの回転方向)の場合に、mod(Nzon/12)が4となるように設計されているため、制御系が正常に動作していれば、gz=K1−mod(Nzon/12)=0となる。
【0104】
一方、上記ステップ403で、今回の本ルーチンの起動タイミングがA相信号の立ち下がりタイミング、つまりロータ32の回転方向が逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)であると判定された場合は、ステップ405に進み、Z相信号出力時の通電相の設計値と実値とのずれgzを算出する。
gz=K2−mod(Nzon/12)
ここで、K2はロータ32を逆回転させるのに必要な通電相の逆回転方向位相進み量であり、例えばK2=3に設定されている。
【0105】
本実施形態では、図23に示すように、逆回転方向(NotPレンジ→Pレンジの回転方向)の場合に、mod(Nzon/12)が3となるように設計されているため、制御系が正常に動作していれば、gz=K2−mod(Nzon/12)=0となる。
【0106】
設計値と実値とのずれgzの算出後、ステップ406に進み、Z相信号出力時の通電相の設計値と実値とのずれgzが0であるか否かを判定し、設計値と実値とのずれgzが0であれば、制御系は正常に動作しているので、以降のZ相補正等の処理を行わずに本ルーチンを終了する。
【0107】
これに対して、Z相信号出力時の通電相の設計値と実値とのずれgzが0でない場合は、Z相補正が必要と判断して、ステップ407に進み、Z相補正の回数をカウントするZ相補正回数カウンタCgzをカウントアップして、ステップ408に進み、初期位置ずれ学習値Gcntのずれを設計値と実値とのずれgz分だけ補正する。
Gcnt=Gcnt−gz
【0108】
この後、Z相補正回数カウンタCgzの値(Z相補正の回数)が判定値を越えたか否かを判定し、判定値以下であれば、まだエンコーダ46の故障とは判定しないが、Z相補正回数カウンタCgzの値(Z相補正の回数)が判定値を越えていれば、エンコーダ46の故障と判断して、ステップ410に進み、エンコーダ故障フラグXfailをエンコーダ46の故障有りを意味するONにセットして本ルーチンを終了する。
【0109】
エンコーダ故障フラグXfailがONにセットされると、その後、A相割り込み処理により本ルーチンが起動されても、常に、ステップ401で「No」と判定されて、本ルーチンが強制終了されるため、Z相補正が実行されない。この機能が特許請求の範囲でいうZ相補正禁止手段に相当する。
【0110】
以上説明した本実施形態では、ECU41への電源投入後の初期駆動時に、SRモータ12の通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡させるようにしたので、初期駆動が終了するまでに、いずれかの通電相で必ずロータ32の回転位置と通電相とが一致して、それ以後、通電相の切り換えに同期してロータ32が回転して、このロータ32の回転に同期してエンコーダ46からA相信号及びB相信号が出力されるようになる。この初期駆動中に、エンコーダ46のA相信号及びB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジをカウントするようにしたので、初期駆動終了時のエンコーダカウント値を見れば、初期駆動が終了するまでにロータ32が実際に通電相の切り換えに同期して回転した角度(回転量)が分かり、それによって、初期駆動終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係が分かる。
【0111】
そこで、本実施形態では、初期駆動終了時のエンコーダカウント値を初期位置ずれ学習値として学習し、その後の通常駆動時にエンコーダカウント値を初期位置ずれ学習値で補正するようにしたので、初期駆動終了時のエンコーダカウント値と通電相(ロータ32の回転位置)とのずれを補正することができて、通常駆動時に正しい通電相を選択できる。
【0112】
しかも、本実施形態では、初期駆動時に1相通電と2相通電とを交互に切り換えるようにしたので、常に1相のみに通電する1相励磁方式や常に2相ずつ通電する2相励磁方式と比較して、1ステップ(1回の励磁)当たりのロータ回転角度が1/2となり、初期駆動中にロータ32の回転位置と通電相とを確実に同期させることができると共に、トルクが大きい2相通電でロータ32の振動を停止させて、エンコーダ46の出力信号を安定させることができる。
【0113】
この場合、初期駆動中にロータ32の回転位置と通電相との同期がとれた後でも、トルクが小さい1相通電では、ロータ32が振動するため、本実施形態のように、初期駆動中の1相通電の時間を2相通電の時間よりも短くするようにすれば、ロータ32が振動する1相通電の時間を短くして、できるだけ速やかに次の2相通電に切り換えることで、ロータ32の振動を速やかに停止させてエンコーダ46の出力信号を安定させることができると共に、初期駆動の時間を短くすることができる。
【0114】
但し、本発明は、1相通電の時間と2相通電の時間を同一に設定しても良く、この場合でも、本発明の所期の目的を十分に達成することができる。
【0115】
また、本実施形態では、初期駆動を1相通電から開始するようにしたが、初期駆動を2相通電から開始するようにしても良い。このようにすれば、仮に、初期駆動開始当初のロータ32の位置が最初の2相通電に対応する位置に正確に一致していなくても、その2相通電の大きなトルクが及ぶ範囲内であれば、初期駆動開始当初からロータ32の回転位置と通電相とを同期させることができる。
【0116】
本発明は、初期駆動時に1相通電と2相通電とを交互に切り換える構成に限定されず、常に1相のみに通電する1相励磁方式や常に2相ずつ通電する2相励磁方式で初期駆動を実行するようにしても良い。
【0117】
上述したように、2相通電では、トルクが大きいため、ロータ32の位置が2相通電に対応する位置から多少ずれていたとしても、ロータ32を2相通電に対応する位置まで回転させることができる。このため、初期駆動中に2相通電を1〜2回行うだけで、ロータ32の回転位置と通電相との同期がとれる確率は高いものと思われる。
【0118】
そこで、本実施形態では、Pレンジで初期駆動する途中で、Pレンジ→NotPレンジのレンジ切換操作が行われたときに、次の2相通電(2相通電の実行中にレンジ切換操作が行われたときはその2相通電)が終了してから通常駆動に移行すると共に、該2相通電終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習するようにしたので、初期駆動の途中で、Pレンジ→NotPレンジのレンジ切換操作が行われたときに、エンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習してから、通常駆動に速やかに移行して、PレンジからNotPレンジに速やかに切り換えることができ、運転者に違和感を感じさせずに済む。
【0119】
通常の場合は、NotPレンジで起動されることはない(Pレンジ以外のレンジではイグニッションスイッチをオフ操作できないようになっているためである)。しかしながら、特殊な条件下では、NotPレンジで起動する場合が起こり得る。例えば、走行中にECU41の瞬時停電が発生した場合や、整備工場で整備点検する場合等は、NotPレンジで起動することが起こり得る。
【0120】
制御仕様を簡略化するために、NotPレンジで起動するロジックを省略しても良いが、本実施形態では、NotPレンジで初期駆動する場合に対処するために、NotPレンジで初期駆動する途中で、NotPレンジ→Pレンジのレンジ切換操作が行われた場合は、初期駆動を最後まで実行してから通常駆動に移行してNotPレンジからPレンジに切り換えるようにしている。
【0121】
勿論、本発明は、NotPレンジで初期駆動する場合でも、Pレンジで初期駆動する場合と同じく、レンジ切換操作が行われたときに、次の2相通電(2相通電の実行中にレンジ切換操作が行われたときはその2相通電)が終了してから通常駆動に移行すると共に、該2相通電終了時のエンコーダカウント値とロータ32の回転位置と通電相との対応関係を学習するようにしても良い。
【0122】
或は、Pレンジで初期駆動する途中で、Pレンジ→NotPレンジのレンジ切換操作が行われた場合でも、初期位置ずれの学習を優先して、初期駆動を最後まで実行してから、通常駆動に移行してPレンジからNotPレンジに切り換えるようにしても良い。
【0123】
また、本実施形態では、エンコーダ46のZ相信号が出力されるときの通電相(エンコーダカウント値)がロータ32の基準回転位置に対応する通電相(エンコーダカウント値)であるか否かを判定することで、ロータ32の回転位置と通電相(エンコーダカウント値)との対応関係がずれていないか否かを確認し、もし、ずれていれば、そのずれを補正するZ相補正を行うようにしたので、信頼性の高いモータ制御を行うことができる。
【0124】
この場合、Z相補正が繰り返し行われるような場合は、誤ったZ相補正が行われている可能性がある。そこで、本実施形態では、通常駆動中にZ相補正が所定回数行われたときに該Z相補正を禁止するようにしたので、誤ったZ相補正の繰り返しによるSRモータ12の停止・誤作動を防止することができる。
【0125】
尚、図22のZ相補正ルーチンでは、エンコーダ46のZ相信号が出力されるときの通電相(エンコーダカウント値)とロータ32の回転位置との対応関係がずれていないか否かを判定するようにしたが、例えば、前回のZ相信号出力タイミングから今回のZ相信号出力タイミングまでのエンコーダカウント値の増減量が12であるか否かで、通電相(エンコーダカウント値)とロータ32の回転位置との対応関係がずれていないか否かを判定するようにしても良い。
【0126】
本発明は、Z相信号を出力しないエンコーダ(A相信号とB相信号のみを出力するエンコーダ)を用いても良く、この場合は、Z相補正の機能を省いた構成となる。
また、エンコーダ46は、磁気式のエンコーダに限定されず、例えば、光学式のエンコーダやブラシ式のエンコーダを用いても良い。
【0127】
本実施形態では、SRモータ12を用いたが、エンコーダの出力信号のカウント値に基づいてロータの回転位置を検出してモータの通電相を順次切り換えるブラシレス型のモータであれば、SRモータに限定されず、他の種類のブラシレス型のモータであっても良い。
【0128】
また、本実施形態のレンジ切換装置は、PレンジとNotPレンジの2つのレンジを切り換える構成であるが、例えば、ディテントレバー15の回動動作に連動して自動変速機のレンジ切換弁とマニュアルバルブを切り換えて、自動変速機のP、R、N、D、…の各レンジを切り換えるレンジ切換装置にも本発明を適用して実施できる。
【0129】
その他、本発明は、レンジ切換装置に限定されず、SRモータ等のブラシレス型のモータを駆動源とする各種の装置に適用して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すレンジ切換装置の斜視図
【図2】SRモータの構成を説明する図
【図3】SRモータを駆動する回路構成を示す回路図
【図4】レンジ切換装置の制御システム全体の構成を概略的に示す図
【図5】エンコーダのロータリマグネットの構成を説明する平面図
【図6】エンコーダの側面図
【図7】(a)はエンコーダの出力波形を示すタイムチャート、(b)は通電相切り換えパターンを示すタイムチャート
【図8】初期駆動ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図9】初期駆動ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図10】Pレンジ初期駆動ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図11】NotPレンジ初期駆動ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図12】Pレンジで初期駆動を行ったときの制御例を示すタイムチャート
【図13】初期駆動中にレンジ切換操作されたときの制御例を示すタイムチャート
【図14】初期駆動中にレンジ切換操作されたときの初期位置ずれ学習方法を説明するタイムチャート
【図15】エンコーダカウンタルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図16】カウントアップ値ΔN算出マップの一例を示す図
【図17】指令レンジシフト、A相信号、B相信号、エンコーダカウント値の関係を示すタイムチャート
【図18】モータF/B制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図19】通電相設定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図20】mod(Mptn/12)から通電相への変換テーブルの一例を示す図
【図21】通電処理を説明するタイムチャート
【図22】Z相補正ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図23】Z相補正を説明するタイムチャート
【符号の説明】
11…レンジ切換機構、12…SRモータ、14…出力軸センサ、15…ディテントレバー、18…パーキングロッド、20…パーキングギヤ、21…ロックレバー、23…ディテントバネ、24…Pレンジ保持凹部、25…NotPレンジ保持凹部、26…減速機構、27…自動変速機、31…ステータ、32…ロータ、33,34…巻線、35,36…モータ励磁部、37,38…モータドライバ、41…ECU(制御手段,Z相補正禁止手段)、43…Pレンジスイッチ、44…NotPレンジスイッチ、46…エンコーダ、47…ロータリマグネット、48…A相信号用の磁気検出素子、49…B相信号用の磁気検出素子、50…Z相信号用の磁気検出素子。

Claims (7)

  1. モータのロータの回転に伴って所定角度間隔でパルス信号を出力するエンコーダと、このエンコーダの出力信号のカウント値に基づいて前記ロータの回転位置を検出して前記モータの通電相を順次切り換えることで前記ロータを回転駆動する制御手段とを備えたモータ制御装置において、
    前記制御手段は、電源投入後の初期駆動時に前記モータの通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡させることで、いずれかの通電相で前記ロータの回転位置と該通電相とを一致させて該ロータを回転駆動し、該ロータの回転により所定角度間隔で発生する前記エンコーダの出力信号をカウントして、初期駆動終了時のカウント値と前記ロータの回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に、前記エンコーダの出力信号のカウント値と前記初期駆動終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記初期駆動を2相通電から開始して1相通電と2相通電とを交互に切り換えることを特徴とする請求項に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記初期駆動の途中で該初期駆動を終了して通常駆動に移行する必要が生じたときに、次の2相通電(2相通電の実行中に通常駆動に移行する必要が生じたときはその2相通電)が終了してから通常駆動に移行すると共に、該2相通電終了時の前記エンコーダの出力信号のカウント値と前記ロータの回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に前記エンコーダの出力信号のカウント値と前記2相通電終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定することを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記エンコーダは、前記ロータの回転に同期して所定の位相差を有するA相信号とB相信号を出力すると共に、該ロータの基準回転位置でZ相信号を出力し、 前記制御手段は、前記初期駆動時に前記A相信号及び前記B相信号のエッジをカウントして、初期駆動終了時のカウント値と前記ロータの回転位置と通電相との対応関係を学習し、その後の通常駆動時に、前記エンコーダの出力信号のカウント値と前記初期駆動終了時の学習結果とに基づいて通電相を決定すると共に、前記Z相信号が出力されるときの前記カウント値と前記ロータの回転位置と通電相との対応関係がずれていないか否かを判定し、ずれていれば、そのずれを補正する(以下この補正を「Z相補正」という)ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のモータ制御装置。
  5. 前記通常駆動中に前記Z相補正が所定回数行われたときに該Z相補正を禁止するZ相補正禁止手段を備えていることを特徴とする請求項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記Z相補正を前記A相信号又は前記B相信号のエッジ割り込み処理により実行することを特徴とする請求項又はに記載のモータ制御装置。
  7. 前記モータは、車両のパーキングレンジと他のレンジとを切り換えるレンジ切換機構を駆動することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のモータ制御装置。
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