精力的に研究した後、本発明者らは、UVフィルター効果が高められた新規な複合顔料を得ることが可能であることを発見した。本発明による新規な複合顔料は、クリア且つ鮮やかな色調を提供することもできる。
本発明による新規な複合顔料は、平均粒径が1μm未満の少なくとも1種の小型コア粒子を含み、小型コア粒子の表面は、少なくとも1種の無機固体UV遮蔽剤及び/又は少なくとも1種の着色顔料を含む少なくとも1つの層によって少なくとも部分的に覆われている。
意外なことに、100nm超1μm未満のより小さい平均粒径の単一コア粒子が、1μm以上のより大きい平均粒径の単一コア粒子よりも良好なUVフィルター及び/又は着色効果を提供できること、並びに小型コア粒子によるUVフィルター及び/又は着色効果は、大径粒子と組み合わせて複合顔料組成物を形成すると更に高めることができることを発見した。
無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料の粒子は、コア粒子上にしっかりと接着されるので、UVフィルター及び/又は着色顔料は皮膚上の毛穴から皮膚に浸透することができない。加えて、無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料が刺激しても、これらはコア粒子上のみに存在するため、多量の無機UVフィルター及び/又は着色顔料が皮膚と直接接触することはできない。したがって、本発明による複合顔料又は複合顔料組成物は、バルクの無機固体UV遮蔽剤又は着色顔料よりも安全である。
更に、本発明による複合顔料又は複合顔料組成物は、より良好な使用感を提供することができるが、これは無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料の微粒子がコア粒子上にしっかりと固定されることにより、摩擦係数が高い遊離微粒子を減らすことができ、したがってこれらが容易に皮膚の上に広がって不快な使用感を与えることがないためである。
更に、本発明による複合顔料又は複合顔料組成物を含む化粧料組成物は、本発明による複合顔料又は複合顔料組成物を含有することに起因して、有利な美容的及び/又は実用的効果を与えることができる。例えば、本発明による化粧料組成物は、より良好なUV遮蔽効果を有する。加えて、化粧料組成物が粉末形態の場合、摩擦の減少による滑らかな使用感、毛穴や小皺等の皮膚の欠損に対する優れた隠蔽効果、艶消し効果及び崩れにくい良好なコンパクト性も有する。一方、化粧料組成物が液体形態の場合、艶消し効果及びヘイズ効果等の良好な視覚光学効果も有する。
以下では、本発明による複合顔料及び化粧料組成物を構成する要素のそれぞれについて詳述する。
(小型コア粒子)
本発明による複合顔料に使用する予定の小型コア粒子は、小型コア粒子が100nm超1μm未満、好ましくは600nm未満、より好ましくは400nm未満の平均粒径又は平均粒子直径を有する限り、限定されない。
本明細書の平均粒径又は平均粒子直径は、算術平均直径であり、例えば走査電子顕微鏡法で得た画像上で選択される100個の粒子の寸法の平均を計算することによって求めることができる。
小型コア粒子はいかなる形状であってもよい。例えば、アスペクト比が少なくとも5である、好ましくは10より大きい、より好ましくは20より大きい、より好ましくは50より大きい板の形態の小型コア粒子を使用することが可能である。アスペクト比は、アスペクト比=長さ/厚さの式に従って、平均厚さ及び平均長さから求めることができる。
板状粒子が本発明に使用される場合、その板状粒子が100nm超〜1μm未満、好ましくは600nm未満、より好ましくは400nm未満の範囲の長さを有することが好ましい。
好ましい実施形態において、小型コア粒子は球状である。
小型コア粒子の材料は限定されない。材料は、少なくとも1種の無機材料及び/又は少なくとも1種の有機材料でよい。
無機材料及び/又は有機材料は、中空又は多孔質であってよい。材料の多孔度は、BET法により、0.05m2/g〜1,500m2/g、より好ましくは0.1m2/g〜1,000m2/g、より好ましくは0.2m2/g〜500m2/gの比表面積を特徴とし得る。しかし、固体無機材料及び/又は固体有機材料、好ましくは「中空でない」材料を使用することが好ましい。
好ましくは、無機材料は、マイカ、合成マイカ、タルク、セリサイト、窒化ホウ素、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ヒドロキシアパタイト、シリカ、シリケート、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化マグネシウム、オキシ塩化ビスマス、カオリン、ハイドロタルサイト、鉱物粘土、合成粘土、酸化鉄、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものでよい。特に、天然マイカ、合成マイカ、セリサイト、カオリン、タルク、及びこれらの混合物が好ましい。
好ましくは、有機材料は、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクタム、ポリ(ブチレン)スクシネート、多糖、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、ポリビニル樹脂、フルオロポリマー、蝋、アミドスルホン酸多価金属塩、アシル化アミノ酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものでよい。フルオロポリマーとして、例えば、PTFEを使用することができる。アミドスルホン酸多価金属塩として、例えば、N-ラウロイルタウリンカルシウムを使用することができる。アシル化アミノ酸として、ラウロイルリシンを使用することができる。Nylon(登録商標)等のポリアミド、ポリ乳酸等のポリヒドロキシアルカノエート、ポリメチルメタクリレート等のポリ(メタ)アクリレート、シリコーン、及びこれらの混合物はより好ましい。
特に、綜研化学株式会社(日本)により市販されているMP-2200、MP-2701及びMP-1451等のポリメチルメタクリレート粒子が、小型コア粒子として好ましい。
小型コア粒子は、事前に被覆されていても被覆されていなくてもよい。
特定の実施形態において、小型コア粒子は被覆されている。小型コア粒子のコーティングの材料は、限定されないが、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、アミド、シリコーン、変性シリコーン等の有機材料が好ましい。有機材料として、ラウロイルリシン及びアクリル変性シリコーンを挙げることもできる。
(小型コア粒子上の層)
小型コア粒子は、少なくとも1種の無機固体UV遮蔽剤及び/又は少なくとも1種の着色顔料を含む少なくとも1つの層によって少なくとも部分的に覆われている。前記層をコーティング層と呼ぶ場合もある。小型コア粒子の表面の10%以上がコーティング層によって覆われ得ることが好ましい。小型コア粒子の表面の50%以上がコーティング層によって覆われ得ることがより好ましい。小型コア粒子の80%以上がコーティング層によって覆われ得ることがより好ましい。小型コア粒子の全表面がコーティング層によって覆われ得ることが最も好ましい。
コーティング層の厚さは、小型コア粒子の大きさ等のいくつかの要素に応じて様々でよい。通常、コーティング層の厚さは、1nm〜50nm、好ましくは5nm〜40nm、より好ましくは10nm〜30nmの範囲でよい。
小型コア粒子上に2層以上のコーティング層が存在する場合、コーティング層の厚さ及び組成は、互いに同じであってもよく、又は異なってもよい。
コーティング層は、無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料以外に、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤等の任意の追加の材料を含んでもよい。追加の材料は、追加の材料並びに無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料の合計重量に対して1〜50重量%の範囲の量で存在してよい。
(無機固体UV遮蔽剤)
上記の通り、小型コア粒子上のコーティング層は、少なくとも1種の無機固体UV遮蔽剤を含んでもよい。2種以上の無機固体UV遮蔽剤を使用する場合、それらは同じものでも異なってもよく、同じものであることが好ましい。
本発明に使用する無機固体UV遮蔽剤は、UV-A及び/又はUV-B領域において、好ましくはUV-B領域において、又はUV-A及びUV-B領域において活性であるものでよい。無機固体UV遮蔽剤と追加のUV遮蔽剤の活性UVフィルター領域は、包括的なUV防御を実現するために、互いに相補的であることが好ましい。例えば、無機固体UV遮蔽剤が少なくともUV-B領域において活性であり、追加のUV遮蔽剤が少なくともUV-A領域において活性であることが好ましい。無機固体UV遮蔽剤は、親水性且つ/又は親油性であってよい。無機固体UV遮蔽剤は、水やエタノール等の、化粧料中に一般に使用される溶媒に不溶性であることが適切である。用語「固体」とは、1気圧下25℃での固体を意味する。
無機固体UV遮蔽剤は、その平均(一次)粒子直径が1nm〜50nm、好ましくは5nm〜40nm、より好ましくは10nm〜30nmの範囲をとるような微粒子の形態であることが好ましい。本明細書の平均(一次)粒径又は平均(一次)粒子直径は算術平均直径である。
無機固体UV遮蔽剤は、炭化ケイ素、被覆されていても被覆されていなくてもよい金属酸化物、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
無機固体UV遮蔽剤は、金属酸化物で形成された顔料(平均一次粒径:一般に5nm〜50nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば、すべてそれ自体がよく知られたUV光防護剤である、酸化チタン(非晶質又はルチル型及び/若しくはアナターゼ型の結晶質)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、又は酸化セリウムで形成された顔料から選択されることが好ましい。好ましくは、無機固体UV遮蔽剤は、酸化チタン、酸化亜鉛、より好ましくは酸化チタンから選択される。
無機固体UV遮蔽剤は被覆されていても被覆されていなくてもよい。無機固体UV遮蔽剤は少なくとも1種のコーティングを有していてもよい。コーティングは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、シリコーン、シラン、脂肪酸又はその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩又はアルミニウム塩等)、脂肪アルコール、レシチン、アミノ酸、多糖、タンパク質、アルカノールアミン、蜜蝋等の蝋、(メタ)アクリルポリマー、有機UV遮蔽剤、及び(ペル)フルオロ化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでもよい。
コーティングは少なくとも1種の有機UV遮蔽剤を含有することが好ましい。コーティング中の有機UV遮蔽剤として、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)等のジベンゾイルメタン誘導体及びBASFから「TINOSORB M」として市販されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチル-ブチル)フェノール](メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)が好ましい場合がある。
知られているように、コーティング中のシリコーンは、分子量が変化し得る、線状又は環状で、分枝又は架橋した構造を含む有機ケイ素ポリマー又はオリゴマーであってもよく、適切な官能性シランを重合及び/又は重縮合させて得られ、ケイ素原子が酸素原子によって互いに結合(シロキサン結合)しており、場合により、置換炭化水素基が前記ケイ素原子に炭素原子によって直接結合している主単位の繰返しから本質的に構成される。
用語「シリコーン」は、その調製に必要なシラン、特にアルキルシランも包含する。
コーティングに使用されるシリコーンは、好ましくは、アルキルシラン、ポリジアルキルシロキサン及びポリアルキルヒドロシロキサンからなる群から選択されてもよい。シリコーンは、オクチルトリメチルシラン、ポリジメチルシロキサン、及びポリメチルヒドロシロキサンからなる群から選択されることが更により好ましい。
当然ながら、金属酸化物で作られた無機UVフィルターは、シリコーンで処理される前に、他の表面仕上げ剤(surfacing agent)、特に、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、又はこれらの混合物で処理されていてもよい。
被覆された無機固体UV遮蔽剤は、この無機固体UV遮蔽剤を、上記の任意の化合物並びにポリエチレン、金属アルコキシド(チタンアルコキシド又はアルミニウムアルコキシド)、金属酸化物、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及び例えばCosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53〜64頁に示されるものと一緒に、1つ又は複数の化学的、電子的、機械化学的及び/又は機械的性質の表面処理にかけることによって調製されていてもよい。
被覆された無機固体UV遮蔽剤は、
池田物産株式会社の「Sunveil」という製品等の、シリカで被覆された酸化チタン;
池田物産株式会社の「Sunveil F」という製品等の、シリカ及び酸化鉄で被覆された酸化チタン;
テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT 500 SA」、Tioxideの製品「Tioveil」、及びRhodiaの製品「Mirasun TiW 60」等の、シリカ及びアルミナで被覆された酸化チタン;
石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55 (B)」及び「Tipaque TTO-55 (A)」、並びにKemiraの製品「UVT 14/4」等の、アルミナで被覆された酸化チタン;
テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 T、MT 100 TX、MT 100 Z又はMT-01」、Uniqemaの製品「Solaveil CT-10 W」及び「Solaveil CT 100」並びにMerckの製品「Eusolex T-AVO」等の、アルミナやステアリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン;
テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 S」等の、アルミナやラウリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン;
テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 F」等の、酸化鉄やステアリン酸鉄で被覆された酸化チタン;
テイカ株式会社の製品「BR351」等の、酸化亜鉛やステアリン酸亜鉛で被覆された酸化チタン;
テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT 600 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 500 SAS」、及び「Microtitanium Dioxide MT 100 SAS」等の、シリカやアルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
チタン工業株式会社の製品「STT-30-DS」等の、シリカ、アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
Kemiraの製品「UV-Titan X 195」等の、シリカで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55 (S)」又はKemiraの製品「UV Titan M 262」等の、アルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
チタン工業株式会社の製品「STT-65-S」等の、トリエタノールアミンで被覆された酸化チタン;
石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55 (C)」等の、ステアリン酸で被覆された酸化チタン;或いは
テイカ株式会社の製品「Microtitanium Dioxide MT 150 W」等の、ヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆された酸化チタンであってよい。
シリコーンで処理された他の酸化チタン顔料は、オクチルトリメチルシランで処理され、その個々の粒子の平均粒径が25〜40nmであるTiO2、例えば、Degussa Silicesにより「T 805」の商標で市販されているもの、ポリジメチルシロキサンで処理され、その個々の粒子の平均粒径が21nmであるTiO2、例えば、Cardreにより「70250 Cardre UF TiO2Si3」の商標で市販されているもの、ポリジメチルヒドロシロキサンで処理され、その個々の粒子の平均粒径が25nmであるアナターゼ/ルチルTiO2、例えば、Color Techniquesにより「Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic」の商標で市販されているものであることが好ましい。
好ましくは、以下の被覆TiO2を被覆無機UVフィルターとして使用してもよい。
平均一次粒子直径が15nmの、テイカ株式会社の製品「MT-100 TV」等のステアリン酸(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2、
平均一次粒子直径が15nmの、三好化成株式会社の製品「SA-TTO-S4」等のジメチコーン(及び)ステアリン酸(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2、
平均一次粒子直径が15nmの、テイカ株式会社の製品「MT-100 WP」等のシリカ(及び)TiO2、
平均一次粒子直径が10nmの、テイカ株式会社の製品「MT-Y02」及び「MT-Y-110 M3S」等のジメチコーン(及び)シリカ(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2、
平均一次粒子直径が15nmの、三好化成株式会社の製品「SA-TTO-S3」等のジメチコーン(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2、
平均一次粒子直径が15nmの、Sachtlebenの製品「UV TITAN M170」等のジメチコーン(及び)アルミナ(及び)TiO2、
平均一次粒子直径が15nmの、テイカ株式会社の製品「MT-100 AQ」等のシリカ(及び)水酸化アルミニウム(及び)アルギン酸(及び)TiO2。
UVフィルター能力の観点から、少なくとも1種の有機UV遮蔽剤で被覆されたTiO2がより好ましい。例えば、平均一次粒子直径が15nmの、テイカ株式会社の製品「HXMT-100ZA」等のアボベンゾン(及び)ステアリン酸(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2を使用してもよい。
非被覆酸化チタン顔料は、例えば、テイカ株式会社により「Microtitanium Dioxide MT500B」又は「Microtitanium Dioxide MT600B」の商標で、Degussaにより「P 25」の商標で、Wackerにより「Oxyde de titane transparent PW」の商標で、三好化成株式会社により「UFTR」の商標で、Tomenにより「ITS」の商標で、またTioxideにより「Tioveil AQ」の商標で市販されている。
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、
Sunsmartにより「Z-cote」の商標で市販されているもの、
Elementisにより「Nanox」の商標で市販されているもの、及び
Nanophase Technologiesにより「Nanogard WCD 2025」の商標で市販されているもの
である。
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、
株式会社東芝により「Oxide Zinc CS-5」の商標で市販されているもの(ポリメチルヒドロシロキサンで被覆されているZnO)、
Nanophase Technologiesにより「Nanogard Zinc Oxide FN」の商標で(C12〜C15安息香酸アルキルであるFinsolv TN中40%分散液として)市販されているもの、
大東化成工業株式会社により「Daitopersion Zn-30」及び「Daitopersion Zn-50」の商標で市販されているもの(シリカ及びポリメチルヒドロシロキサンで被覆されている亜鉛ナノオキシドを30%又は50%含む、オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン/シクロポリメチルシロキサン分散液)、
ダイキン工業株式会社により「NFD Ultrafine ZnO」の商標で市販されているもの(シクロペンタシロキサン分散液としての、ペルフルオロアルキルのリン酸エステル及びペルフルオロアルキルエチルをベースとしたコポリマーで被覆されているZnO)、
信越化学工業株式会社により「SPD-Z1」の商標で市販されているもの(シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆されているZnOをシクロジメチルシロキサンに分散させたもの)、
ISPにより「Escalol Z100」の商標で市販されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコーン混合物に分散させたアルミナ処理ZnO)、及び
冨士色素株式会社により「Fuji ZnO-SMS-10」の商標で市販されているもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンで被覆されているZnO)、Elementisにより「Nanox Gel TN」の商標で市販されているもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合物を含有するC12〜C15安息香酸アルキルに55%で分散させたZnO)
である。
非被覆酸化セリウム顔料は、例えば、Rhone-Poulencにより「Colloidal Cerium Oxide」の商標で市販されている。
非被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaudにより「Nanogard WCD 2002 (FE 45B)」、「Nanogard Iron FE 45 BL AQ」、「Nanogard FE 45R AQ」、及び「Nanogard WCD 2006 (FE 45R)」の商標で、又はMitsubishiにより「TY-220」の商標で市販されている。
被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaudにより「Nanogard WCD 2008 (FE 45B FN)」、「Nanogard WCD 2009 (FE 45B 556)」、「Nanogard FE 45 BL 345」、及び「Nanogard FE 45 BL」の商標で、又はBASFにより「Oxyde de fer transparent」の商標で市販されている。
金属酸化物の混合物、特に、池田物産株式会社により「Sunveil A」の商標で市販されている、シリカで被覆されている二酸化チタンとシリカで被覆されている二酸化セリウムの等重量混合物等の、二酸化チタンと二酸化セリウムの混合物、また二酸化チタンの、アルミナ、シリカ及びシリコーンで被覆されている二酸化亜鉛との混合物、例えば、Kemiraにより市販されている製品「M 261」、又はアルミナ、シリカ及びグリセロールで被覆されている二酸化亜鉛との混合物、例えば、Kemiraにより市販されている製品「M 211」も挙げることができる。
被覆された無機固体UV遮蔽剤は、無機固体UV遮蔽剤のUVフィルター効果を高めることができるため、好ましい。加えて、コーティングは、小型コア粒子上にUVフィルターを固定するバインダーとして機能し得る。
微粒子の形態の無機固体UV遮蔽剤を使用すると、本発明による複合顔料は、無機固体UV遮蔽剤の微粒子が凝集せず、コア粒子上に広がるので、白色の外観にならずに透明又はクリアな外観を実現できる効果を有する。無機固体UV遮蔽剤の遊離微粒子は容易に凝集し、皮膚に白色の外観を与えることに留意すべきである。
無機固体UV遮蔽剤は、本発明による複合顔料中で、無機固体UV遮蔽剤に対する小型コア粒子の重量比が50:50〜90:10、好ましくは50:50〜80:20、より好ましくは50:50〜70:30の比率で使用してよい。
(着色顔料)
上記の通り、小型コア粒子上のコーティング層は、少なくとも1種の着色顔料を含んでもよい。
用語「着色顔料」は、不溶性であり、それらを含む組成物を着色するものである、白色又は有色の任意の形状の無機又は有機の粒子を意味すると理解すべきである。
着色顔料を使用する場合、本発明による複合顔料は、着色顔料が凝集せず、基材上に広がるので、彩度の高いよりクリアな外観をもたらし得るという点で効果を有する。遊離着色顔料は、容易に凝集し、彩度の低いくすんだ外観を皮膚に与えることに留意すべきである。
顔料は、白色でも有色でもよく、無機及び/又は有機でよく、一般に1μm以上の平均粒径を有する。
使用することのできる無機顔料の中でも、限定はしないが、場合により表面処理されている二酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、並びに酸化亜鉛、(黒色、黄色、若しくは赤色)酸化鉄又は酸化クロム、マンガン紫、ウルトラマリンブルー、水酸化クロム水和物、及び第二鉄青、硫酸バリウム、又はアルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末若しくは金粉末等の金属粉末を挙げることができる。
着色顔料の粒径は限定されない。特定の実施形態において、着色顔料は、100nmから1μm未満、好ましくは100nmから500nm未満、より好ましくは100nmから300nm未満の平均粒径を有してよい。
使用することのできる有機顔料の中でも、限定はしないが、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料及びレーキ、例えば、コチニールカルミン系及びバリウム、ストロンチウム、カルシウム、又はアルミニウム系のレーキを挙げることができる。例えば、Red 202 (カルシウムビス[2-(3-カルボキシ-2-ヒドロキシナフチルアゾ)-5-メチルベンゼンスルホネート)は、D&Cタイプの顔料として使用することができる。
着色顔料は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、マンガン紫、ウルトラマリンブルー、水酸化クロム水和物、第二鉄青、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、金粉末、硫酸バリウム、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、レーキ、真珠光沢顔料、及びこれらの混合物から選択されることが好ましい。
用語「真珠光沢顔料」は、ある種の貝によってその貝殻の中で産出され、又は、そうでなく合成された粒子等の任意の形状の虹色に輝く粒子を意味すると理解すべきである。
真珠光沢剤(pearlescent agent)は、二酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスで覆われているマイカ等の白色真珠光沢剤;酸化チタンで被覆されているマイカを酸化鉄で覆ったもの、酸化チタンで被覆されているマイカを第二鉄青若しくは酸化クロムで覆ったもの、又は酸化チタンで被覆されているマイカを上述の種類の有機顔料で覆ったもの等の有色真珠光沢剤;及びオキシ塩化ビスマスをベースとした真珠光沢剤から選択することができる。
着色顔料は、本発明による複合顔料中で、着色顔料に対する小型コア粒子の重量比が50:50〜90:10、好ましくは50:50〜80:20、より好ましくは50:50〜70:30の比率で使用してよい。
(追加のUV遮蔽剤)
上記の通り、小型コア粒子上のコーティング層は、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤を更に含んでもよい。2種以上の追加のUV遮蔽剤を使用する場合、それらは同じものでも異なってもよく、同じものであることが好ましい。
本発明に使用する追加のUV遮蔽剤は、UV-A及び/又はUV-B領域において、好ましくはUV-A領域において、又はUV-A及びUV-B領域において活性であるものでよい。追加のUV遮蔽剤は、親水性且つ/又は親油性であってよい。
追加のUV遮蔽剤は、固体でも液体であってもよい。用語「固体」及び「液体」は、それぞれ1気圧下25℃での固体及び液体を意味する。追加のUV遮蔽剤は、少なくとも1種の有機材料又は無機材料、好ましくは少なくとも1種の有機材料で作られていてもよい。
追加のUV遮蔽剤として、微粒子の形態の有機固体UV遮蔽剤を使用する場合、有機固体UV遮蔽剤は、その平均(一次)粒子直径が1nm〜50nm、好ましくは5nm〜40nm、より好ましくは10nm〜30nmの範囲をとるような微粒子の形態であることが好ましい。
微粒子の形態の有機固体UV遮蔽剤を使用する場合、本発明による複合顔料は、有機固体UV遮蔽剤の微粒子が凝集せず、コア粒子上に広がるので、透明又はクリアな外観を与えることができる効果を有する。有機固体UV遮蔽剤の遊離微粒子は、容易に凝集し得ることに留意すべきである。
更に、微粒子の形態の有機固体UV遮蔽剤を使用する場合、本発明による複合顔料は、有機固体UV遮蔽剤が存在することで、無機固体UV遮蔽剤の粒子をコーティング層中に十分に分散させることができ、そのため、無機固体UV遮蔽剤をコーティング層中に一次粒子の形態で存在させることができるという付加的な効果もある。一方、上記の場合において、有機固体UV遮蔽剤の粒子も、無機固体UV遮蔽剤が存在することでコーティング層中に十分に分散させることができ、そのため、有機固体UV遮蔽剤もコーティング層中に一次粒子の形態で存在させることができる。したがって、無機固体UV遮蔽剤並びに有機固体UV遮蔽剤によるUVフィルター効果を共に高めることができる。
有機固体UV遮蔽剤の材料は、有機である限り限定されない。2種以上の有機固体UV遮蔽剤を使用する場合、有機固体UV遮蔽剤の材料は、互いに同じものでも、異なってもよい。
有機固体UV遮蔽剤は、ベンゾトリアゾール誘導体、オキサニリド誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、ビニル基含有アミド、ケイ皮酸アミド、及びスルホン化ベンゾイミダゾールからなる群から選択されるものでよい。
固体オキサニリドUV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである
[式中、R1及びR2は、独立にC1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシである。好ましい式(1)の化合物は、N-(2-エトキシフェニル)-N'-(2-エチルフェニル)-エタンジアミドである]。
固体トリアジンUV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである
[式中、R3、R4及びR5は、独立にH、OH、C1〜C18アルコキシ、NH2、NH-R6若しくはN(R6)2{R6はC1〜C18アルキルである}、OR6{R6はC1〜C18アルキルである}、フェニル、フェノキシ、若しくはアニリノ、若しくはピロール{それぞれのフェニル、フェノキシ、若しくはアニリノ、若しくはピロロ部分は、OH、カルボキシ、CO-NH2、C1〜C18アルキル若しくはアルコキシから選択される1、2又は3個の置換基で場合により置換されている}、C1〜C18カルボキシアルキル、C5〜C8シクロアルキル、メチリデンカンフル基、基-(CH=CH)mC(=O)-OR6{mは0又は1であり、R6は、上記と同じ意味を有する}、又は基
又はその対応するアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノ-、ジ-若しくはトリ-C1〜C4アルキルアンモニウム塩、モノ-、ジ-若しくはトリ-C2〜C4アルカノールアンモニウム塩、又はC1〜C18アルキルエステルである]。
好ましい式(2)の化合物は、式:
のうちの1つを有するもの、並びに2,4,6-トリス(ジイソブチル-4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン及び2,4-ビス(ジイソブチル-4-アミノベンザルマロネート)-6-(4'-アミノベンジリデンカンフル)-s-トリアジンである。Ciba-Geigyにより「Tinosorb S」の商標で市販されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンが特に好ましい。
特に好ましい式(2)の化合物は、次式を有するものである
[式中、個々の基R7は、同じものであるか又は異なり、それぞれ、水素;アルカリ金属;R8が水素若しくは有機基であるアンモニウム基N(R8)4;C1〜C20アルキル;又は1〜10個のエチレンオキシド単位を含有しており、その末端OH基がC1〜C3アルコールでエーテル化されていてもよい、ポリオキシエチレン基である]。
式(30)の化合物に関して、R7は、アルカリ金属であるとき、カリウム、又はとりわけナトリウムであることが好ましく、R7は、R8がその先述の意味を有する基N(R8)4であるとき、モノ-、ジ-若しくはトリ-C1〜C4アルキルアンモニウム塩、モノ-、ジ-若しくはトリ-C2〜C4アルカノールアンモニウム塩、又はそのC1〜C20アルキルエステルであることが好ましく、R7は、C1〜C20アルキル基であるとき、C6〜C12アルキル基、より好ましくはC8〜C9アルキル基、とりわけ3,5,5-トリメチルペンチル基、又は最も特定すれば2-エチルヘキシル基であることが好ましく、R7は、ポリオキシエチレン基であるとき、この基が2〜6個のエチレンオキシド単位を含有していることが好ましい。
固体トリアゾールUV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである
[式中、T1は、C1〜C18アルキル、又は好ましくは水素であり、T2は、水素、ヒドロキシル、又はフェニルで場合により置換されているC1〜C18アルキル、好ましくはα,α-ジメチルベンジルである]。
固体トリアゾールUV吸収剤の更に好ましい一部類は、次式を有するものである
[式中、T2は、その先述の意味を有する]。
固体トリアゾールUV吸収剤の更により好ましい一部類は、次式を有するものである
[式中、T2は、その先述の意味を有し、t-ブチルであることが好ましい]。
固体ビニル基含有アミドUV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである
R9-(Y)m-CO-C(R10)=C(R11)-N(R12)(R13) (34)
[式中、R9は、C1〜C18アルキル、好ましくはC1〜C5アルキル、又はOH、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、若しくはR6がその先述の意味を有するCO-OR6から選択される1、2若しくは3個の置換基で場合により置換されているフェニルであり;R10、R11、R12及びR13は、同じものであるか又は異なり、それぞれ、C1〜C18アルキル、好ましくはC1〜C5アルキル、又は水素であり;YはN又はOであり;mは、その先述の意味を有する]。
好ましい式(34)の化合物は、4-オクチル-3-ペンテン-2-オン、エチル-3-オクチルアミノ-2-ブテノエート、3-オクチルアミノ-1-フェニル-2-ブテン-1-オン、及び3-ドデシルアミノ-1-フェニル-2-ブテン-1-オンである。
固体ケイ皮酸アミドUV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである
[式中、R14は、ヒドロキシ又はC1〜C4アルコキシ、好ましくはメトキシ若しくはエトキシであり;R15は、水素又はC1〜C4アルキル、好ましくはメチル若しくはエチルであり;R16は、-(CONH)m-フェニルであり、mは、その先述の意味を有し、フェニル基は、OH、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、又はR6がその先述の意味を有するCO-OR6から選択される1、2又は3個の置換基で場合により置換されている。R16は、フェニル、4-メトキシフェニル、又はフェニルアミノカルボニル基であることが好ましい]。
固体スルホン化ベンゾイミダゾールUV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである
[式中、Mは、水素、又はアルカリ金属、好ましくはナトリウム、アルカリ土類金属、例えば、マグネシウムやカルシウム、又は亜鉛である]。
式(1)〜(35)の化合物において、C1〜C18アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-アミル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、テトラデシル、ヘキシデシル、又はオクタデシルでよく、C1〜C18アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、n-ヘキソキシ、n-ヘプトキシ、n-オクトキシ、イソオクトキシ、n-ノノキシ、n-デコキシ、n-ウンデコキシ、n-ドデコキシ、テトラデコキシ、ヘキサデコキシ、又はオクタデコキシであってよく、メトキシ及びエトキシが好ましい。
C1〜C18カルボキシアルキルとしては、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、カルボキシイソプロピル、カルボキシブチル、カルボキシイソブチル、カルボキシアミル、カルボキシヘキシル、カルボキシヘプチル、カルボキシオクチル、カルボキシイソオクチル、カルボキシノニル、カルボキシデシル、カルボキシウンデシル、カルボキシドデシル、カルボキシテトラデシル、カルボキシヘキサデシル、及びカルボキシオクタデシルが挙げられ、カルボキシメチルが好ましい。
C5〜C8シクロアルキルとしては、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロオクチルが挙げられる。
式(1)〜(35)の化合物は知られている。式(30)の化合物については、米国特許第4,617,390号に、その製造と共に記載されている。
有機固体UV遮蔽剤は、ベンゾトリアゾール誘導体、特に、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、例えば、Rhodia Chimieにより「Silatrizole」の商標で、又はL'Orealにより「Mexoryl XL」の商標で市販されている、以下に示すようなドロメトリゾールトリシロキサンであることが好ましい。
有機液体UV遮蔽剤を追加のUV遮蔽剤として使用する場合、追加のUV遮蔽剤は、アントラニル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、液体ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、カンフル誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、液体トリアジン誘導体、液体ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロン酸誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ビス-ベンゾアゾリル誘導体、p-アミノ安息香酸(PABA)及びその誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、遮断ポリマー及び遮断シリコーン、α-アルキルスチレン由来のダイマー、4,4-ジアリールブタジエン、オクトクリレン及びその誘導体、グアイアズレン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、フラボノイド、ビフラボノイド、オリザノール及びその誘導体、キナ酸及びその誘導体、フェノール、レチノール、システイン、芳香族アミノ酸、芳香族アミノ酸残基含有ペプチド、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
有機液体UV遮蔽剤の例として、以下にそのINCI名で示すもの及びそれらの混合物を挙げることができる。
アントラニル酸誘導体:Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan MA」の商標で市販されているアントラニル酸メンチル。
ジベンゾイルメタン誘導体:特にHoffmann-La Rocheにより「Parsol 1789」の商標で市販されているブチルメトキシジベンゾイルメタン;及びイソプロピルジベンゾイルメタン。
液体ケイ皮酸誘導体:特にHoffmann-La Rocheにより「Parsol MCX」の商標で市販されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル;メトキシケイ皮酸イソプロピル;メトキシケイ皮酸イソプロポキシ;Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan E 1000」の商標で市販されているメトキシケイ皮酸イソアミル;シノキセート(2-エトキシエチル-4-メトキシシンナメート);DEAメトキシシンナメート;メチルケイ皮酸ジイソプロピル;及びジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル。
サリチル酸誘導体:Rona/EM Industriesにより「Eusolex HMS」の商標で市販されているホモサレート(サリチル酸ホモメンチル);Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan OS」の商標で市販されているサリチル酸エチルヘキシル;サリチル酸グリコール;サリチル酸ブチルオクチル;サリチル酸フェニル;Scherにより「Dipsal」の商標で市販されているサリチル酸ジプロピレングリコール;及びHaarmann and Reimerにより「Neo Heliopan TS」の商標で市販されているサリチル酸TEA。
カンフル誘導体、特にベンジリデンカンフル誘導体:Chimexにより「Mexoryl SD」の商標で製造されている3-ベンジリデンカンフル;Merckにより「Eusolex 6300」の商標で市販されている4-メチルベンジリデンカンフル;Chimexにより「Mexoryl SL」の商標で製造されているベンジリデンカンフルスルホン酸;Chimexにより「Mexoryl SO」の商標で製造されているメト硫酸カンフルベンザルコニウム;Chimexにより「Mexoryl SX」の商標で製造されているテレフタリリデンジカンフルスルホン酸;及びChimexにより「Mexoryl SW」の商標で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンフル。
ベンゾフェノン誘導体:BASFにより「Uvinul 400」の商標で市販されているベンゾフェノン-1(2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン);BASFにより「Uvinul D50」の商標で市販されているベンゾフェノン-2(テトラヒドロキシベンゾフェノン);BASFにより「Uvinul M40」の商標で市販されているベンゾフェノン-3(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)又はオキシベンゾン;BASFにより「Uvinul MS40」の商標で市販されているベンゾフェノン-4(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸);ベンゾフェノン-5(ナトリウムヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホネート);Norquayにより「Helisorb 11」の商標で市販されているベンゾフェノン-6(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン);American Cyanamidにより「Spectra-Sorb UV-24」の商標で市販されているベンゾフェノン-8;BASFにより「Uvinul DS-49」の商標で市販されているベンゾフェノン-9(二ナトリウムジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホネート);ベンゾフェノン-12、及びn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート。
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体:特にBASFにより「Uvinul N539」の商標で市販されているオクトクリレン;及び特にBASFにより「Uvinul N35」の商標で市販されているエトクリレン。
液体トリアジン誘導体:Sigma 3Vにより「Uvasorb HEB」の商標で市販されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン;及び米国特許第6,225,467号、WO2004/085412(化合物6及び9を参照)又は文献「Symmetrical Triazine Derivatives」、IP.COM Journal、IP.COM INC、WEST HENRIETTA、NY、US(2004年9月20日)に記載されている対称トリアジンスクリーニング剤、特に、2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン[とりわけ、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン]及び2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン(WO06/035000、WO06/034982、WO06/034991、WO06/035007、WO2006/034992及びWO2006/034985においても取り上げられている)。
液体ベンゾトリアゾール誘導体、特にフェニルベンゾトリアゾール誘導体:分枝状及び線状の2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノ、並びにUSP 5240975に記載のもの。
ベンザルマロネート誘導体:4'-メトキシベンザルマロン酸ジネオペンチル、及びベンザルマロン酸官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Hoffmann-LaRocheにより「Parsol SLX」の商標で市販されているポリシリコーン-15。
ベンゾイミダゾール誘導体、特にフェニルベンゾイミダゾール誘導体:特にMerckにより「Eusolex 232」の商標で市販されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、及びHaarmann and Reimerにより「Neo Heliopan AP」の商標で市販されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
イミダゾリン誘導体:エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
ビス-ベンゾアゾリル誘導体:EP-669,323及び米国特許第2,463,264号に記載されているような誘導体。
パラ-アミノ安息香酸及びその誘導体:PABA(p-アミノ安息香酸)、エチルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ペンチルジメチルPABA、特にISPにより「Escalol 507」の商標で市販されているエチルヘキシルジメチルPABA、グリセリルPABA、及びBASFにより「Uvinul P25」の商標で市販されているPEG-25 PABA。
メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体:固体形態がFairmount Chemicalにより「Mixxim BB/100」の商標で、又は水性分散液中の微粉化形態がCiba Specialty Chemicalsにより「Tinosorb M」の商標で市販されているメチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、並びに米国特許第5,237,071号、同第5,166,355号、GB-2,303,549、DE-197,26,184及びEP-893,119に記載されているような誘導体。
ベンゾオキサゾール誘導体:Sigma 3VによりUvasorb K2Aの商標で市販されている2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
遮断ポリマー及び遮断シリコーン:WO93/04665に記載のシリコーン。
α-アルキルスチレン由来のダイマー:DE-19855649に記載のダイマー。
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
オクトクリレン及びその誘導体:オクトクリレン。
グアイアズレン及びその誘導体:グアイアズレン及びグアイアズレンスルホン酸ナトリウム。
ルチン及びその誘導体:ルチン及びグルコシルルチン。
フラボノイド:ロブスチン(イソフラボノイド)、ゲニステイン(フラボノイド)、テクトクリシン(フラボノイド)、及びヒスピドン(フラボノイド)。
ビフラボノイド:ランセオラチンA、ランセオラチンB、及びヒプナンビフラボノイドA。
オリザノール及びその誘導体:Γ-オリザノール。
キナ酸及びその誘導体:キナ酸。
フェノール:フェノール。
レチノール:レチノール。
システイン:L-システイン。
芳香族アミノ酸残基含有ペプチド:トリプトファン、チロシン又はフェニルアラニンを有するペプチド。
好ましい有機液体UV遮蔽剤は、以下から選択する。
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、4-メチルベンジリデンカンフル、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、エチルヘキシルトリアゾン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(ターフェニル)-1,3,5-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ポリシリコーン-15、4'-メトキシベンザルマロン酸ジネオペンチル、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、及びこれらの混合物。より好ましい有機液体UV遮蔽剤は、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)である。
追加のUV遮蔽剤は、本発明による複合顔料中で、小型コア粒子の、追加のUV遮蔽剤に対する重量比が50:50〜90:10、好ましくは50:50〜80:20、より好ましくは50:50〜70:30の比率で使用してよい。
(複合顔料の調製方法)
本発明による複合顔料は、100nm超1μm未満、好ましくは600nm未満、より好ましくは400nm未満の小型コア粒子と、少なくとも1種の無機固体UV遮蔽剤及び/又は少なくとも1種の着色顔料と、場合により少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤とを機械化学的融合プロセスにかけることによって調製できる。
機械化学的融合プロセスとは、多数の対象に、衝撃力、摩擦力又は剪断力等の機械的な力をかけて、対象間に融合を引き起こすプロセスを意味する。
機械化学的融合プロセスは、例えば、日本のホソカワミクロン株式会社により市販されているメカノフュージョンシステム等の、回転チャンバーと、掻き板を有する固定された内部部品とを含む装置によって実施することができる。
機械化学的融合プロセスとしてハイブリダイザープロセスを使用することが好ましい。
ハイブリダイザープロセスは、1980年代に開発された。ハイブリダイザープロセスは、多数の粒子に機械的な強い力をかけて、機械化学的反応を引き起こし、複合粒子を形成する機械化学的融合プロセスの一部類である。
ハイブリダイザープロセスによれば、機械的力は、10cm〜1mの直径を有することができ、1,000rpm〜100,000rpmの速度で回転することができる高速ローターによって付与される。したがって、ハイブリダイザープロセスは、そのような高速ローターを使用する機械化学的融合プロセスであると定義することができる。ハイブリダイザープロセスは、空気中又は乾燥条件下で実施する。したがって、ローターの回転が高速であるために、ローター付近に高速空気流を発生させることができる。しかし、いくつかの液体材料は、固体材料と共にハイブリダイザープロセスにかけることができる。用語「ハイブリダイザープロセス」は、技術用語として使用されている。
ハイブリダイザープロセスは、例えば日本の株式会社奈良機械製作所により市販されているハイブリダイゼーションシステムを使用することによって実施することができ、このシステムでは、少なくとも2種の粒子、通常はコア粒子と微粒子を、乾燥条件下にあるチャンバー中に複数の刃を有する高速ローターを備えたハイブリダイザーに供給し、粒子をチャンバー内に分散させ、粒子に機械及び熱エネルギー(例えば、圧縮、摩擦、及び剪断応力)を、1〜10分、好ましくは1〜5分等の比較的短い時間付与する。結果として、一方の種類の粒子(例えば、微粒子)が他方の種類の粒子(例えば、コア粒子)上に包埋又は固定されて、複合粒子が形成される。粒子は、振盪等の静電処理にかけて、一方の種類の粒子が広がって他方の種類の粒子を覆っている「オーダードミクスチャー」を形成させておくことが好ましい。ハイブリダイザープロセスは、日本の株式会社徳寿工作所により市販されているシータコンポーザを使用することによって実施することもできる。
ハイブリダイザープロセスは、日本コークス工業株式会社により市販されているコンポジハイブリッド又はメカノハイブリッドを使用することによって実施することもできる。
本発明によれば、小型コア粒子と、無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料と、場合により必要に応じて追加のUV遮蔽剤等の追加の材料とを、そのようなハイブリダイザーに供給して、複合顔料を形成することができる。ハイブリダイザープロセスは、約8,000rpm(100m/秒)で回転するローターを約3分間使用することによって実施することができる。
小型コア粒子並びに無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料は、無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料に対する小型コア粒子の重量比が50:50〜90:10、好ましくは50:50〜80:20、より好ましくは50:50〜70:30の比率で使用してよい。
ハイブリダイザープロセスは、小型コア粒子が、少なくとも1種の無機固体UV遮蔽剤及び/又は少なくとも1種の着色顔料、並びに場合により追加のUV遮蔽剤を含む少なくとも1つの層によって少なくとも部分的に覆われている、複合顔料を提供することを可能にする。
更に、ハイブリダイザープロセスでは、小型コア粒子上での、無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料並びに場合により追加のUV遮蔽剤の規則配列(例えば、一様な被覆)を実現することができ、コア粒子の表面と、無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料並びに場合により追加のUV遮蔽剤を含む層との強力な接着を実現する。
ハイブリダイザープロセスは、例えばビーズミルやジェットミルを使用する他のプロセスとはまったく異なることに留意すべきである。実際に、ビーズミルは、コア粒子の微粉砕又は凝集を引き起こし、ジェットミルは、コア粒子の微粉砕を引き起こし、コア粒子の微粒子によるコーティングは一様には形成されにくい。
必要に応じて、UVフィルター及び/又は着色材料で複合顔料を更に被覆する追加のプロセスを実施してもよい。この追加のプロセスの結果として、本発明による複合顔料は、UVフィルター及び/又は着色材料を含む、好ましくはUVフィルター及び/又は着色材料からなる別の層で被覆されていてもよい。
(複合顔料組成物)
本発明による複合顔料は、大径粒子と組み合わせて複合顔料組成物を形成してもよい。
本発明による複合顔料組成物は、少なくとも1種の本発明による複合顔料と、
平均粒径が2μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上、更により好ましくは5μm以上の少なくとも1種の大径粒子と
を含み、大径粒子の表面は、少なくとも1種の無機固体UV遮蔽剤及び/又は少なくとも1種の着色顔料を含む少なくとも1つの層によって場合により少なくとも部分的に覆われている。
大径粒子の平均粒径は、50μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、更により好ましくは10μm以下に限定してもよい。
大径粒子の平均粒径又は平均粒子直径は、算術平均直径であり、例えば走査電子顕微鏡法で得た画像上で選択される100個の粒子の寸法の平均(mean)又は平均(average)を計算することによって求めることができる。
大径粒子はいかなる形状であってもよい。例えば、アスペクト比が少なくとも5である、好ましくは10より大きい、より好ましくは20より大きい、より好ましくは50より大きい板の形態の大径粒子を使用することが可能である。アスペクト比は、アスペクト比=長さ/厚さの式に従って、平均厚さ及び平均長さから求めることができる。
板状粒子が本発明に使用される場合、その板状粒子が2μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上、更により好ましくは5μm以上、しかし50μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、更により好ましくは10μm以下の範囲の長さを有することが好ましい。
大径粒子の材料は限定されない。材料は、少なくとも1種の無機材料及び/又は少なくとも1種の有機材料でよい。
無機材料及び/又は有機材料は、中空又は多孔質であってよい。材料の多孔度は、BET法により、0.05m2/g〜1,500m2/g、より好ましくは0.1m2/g〜1,000m2/g、より好ましくは0.2m2/g〜500m2/gの比表面積を特徴とし得る。しかし、固体無機材料及び/又は固体有機材料、好ましくは「中空でない」材料を使用することが好ましい。
大径粒子は、少なくとも1種の無機材料及び/又は少なくとも1種の有機材料、好ましくは少なくとも1種の有機材料を含む。
好ましくは、無機材料は、マイカ、合成マイカ、タルク、セリサイト、窒化ホウ素、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ヒドロキシアパタイト、シリカ、シリケート、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化マグネシウム、オキシ塩化ビスマス、カオリン、ハイドロタルサイト、鉱物粘土、合成粘土、酸化鉄、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものでよい。天然マイカ、合成マイカ、セリサイト、カオリン、タルク、シリカ、及びこれらの混合物はより好ましい。
特に、JGC C&Cにより市販されているP-1500等のシリカ粒子が、無機大径粒子として好ましい。
好ましくは、有機材料は、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクタム、ポリ(ブチレン)スクシネート、多糖、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、ポリビニル樹脂、フルオロポリマー、蝋、アミドスルホン酸多価金属塩、アシル化アミノ酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものでよい。フルオロポリマーとして、例えば、PTFEを使用することができる。アミドスルホン酸多価金属塩として、例えば、N-ラウロイルタウリンカルシウムを使用することができる。アシル化アミノ酸として、ラウロイルリシンを使用することができる。Nylon(登録商標)等のポリアミド、ポリ乳酸等のポリヒドロキシアルカノエート、ポリメチルメタクリレート等のポリ(メタ)アクリレート、シリコーン、フルオロポリマー、及びこれらの混合物はより好ましい。
特に、東レ株式会社により市販されているSP-500やArkemaにより市販されているOrgasol等のポリアミド粒子、Clariantにより市販されているCeridust 9205F等のPTFE粒子が、有機大径粒子として好ましい。
好ましい実施形態において、大径粒子はポリアミド粒子から選択される。
大径粒子は、事前に被覆されていても被覆されていなくてもよい。特定の実施形態において、大径粒子は被覆されている。大径粒子のコーティングの材料は、限定されないが、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、アミド、シリコーン、変性シリコーン及びポリオレフィン等の有機材料が好ましい。有機材料として、ラウロイルリシン、アクリル変性シリコーン及びポリエチレンを挙げることもできる。
特に、Degussaにより市販されているACEMATT OK412等のポリエチレンで被覆されているシリカ粒子が、被覆(無機)大径粒子として好ましい。
複合顔料組成物中、小型コア粒子の大径粒子に対する重量比は、10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは30:70〜70:30であってよい。
小径粒子/大径粒子/無機固体UV遮蔽剤の重量比は、9:81:10〜27:3:70、好ましくは8:72:20〜45:5:50、より好ましくは7:63:30〜63:7:30であってよい。
特定の実施形態において、小径粒子/大径粒子/無機固体UV遮蔽剤の重量比は、20:50:30〜50:20:30、好ましくは35:15:50〜15:35:50であってよい。
好ましい実施形態において、小径粒子/大径粒子/無機固体UV遮蔽剤の重量比は、35:35:30であってよい。
(複合顔料組成物の調製方法)
本発明による複合顔料組成物は、100nm超1μm未満、好ましくは600nm未満、より好ましくは400nm未満の少なくとも1種の小型コア粒子と、少なくとも1種の無機固体UV遮蔽剤及び/又は少なくとも1種の着色顔料と、平均粒径が2μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上、更により好ましくは5μm以上の少なくとも1種の大径粒子と、場合により少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤とを、上で説明したように機械化学的融合プロセスにかけることによって調製できる。
小型コア粒子、大径粒子、無機固体UV遮蔽剤、着色顔料、及び追加のUV遮蔽剤は、上で説明した通りである。
機械化学的融合プロセス、好ましくは、例えば日本の株式会社奈良機械製作所により市販されているハイブリダイゼーションシステムを使用するハイブリダイザープロセスにおいて、小型コア粒子及び大径粒子は、小型コア粒子の大径粒子に対する重量比が10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは30:70〜70:30の比率で使用することができる。
小径粒子/大径粒子/無機固体UV遮蔽剤の重量比は、9:81:10〜27:3:70、好ましくは8:72:20〜45:5:50、より好ましくは7:63:30〜63:7:30であってよい。
特定の実施形態において、小径粒子/大径粒子/無機固体UV遮蔽剤の重量比は、20:50:30〜50:20:30、好ましくは35:15:50〜15:35:50であってよい。
好ましい実施形態において、小径粒子/大径粒子/無機固体UV遮蔽剤の重量比は、35:35:30であってよい。
大径粒子を小型コア粒子と組み合わせて使用する場合、大径粒子の小型コア粒子への衝突によるアンカー効果のために、無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料と、場合により追加のUV遮蔽剤とを、小型コア粒子の表面上に効果的に接着させることができる。したがって、UVフィルター効果及び/又は着色効果を更に高めることができる。
したがって、小型コア粒子を大径粒子と組み合わせて、本発明による複合顔料組成物を調製することが好ましい。
(化粧料組成物)
上述のような本発明による複合顔料又は複合顔料組成物は、本発明による化粧料組成物中に、組成物の全重量に対して0.01重量%〜99重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%、より好ましくは1重量%〜30重量%の範囲の量で存在してよい。
好ましくは、本発明による複合顔料又は複合顔料組成物は、皮膚、毛髪、爪等のケラチン物質に適用される化粧料組成物中に使用して優れたUV遮蔽効果及び/又は着色効果を提供することができるが、それは、前記複合顔料又は複合顔料組成物が、ケラチン物質に影響を及ぼすリスクなしに、透明若しくはクリアな外観及び/又は良好な着色効果、例えばより透明若しくはよりクリア且つより鮮やかな着色をおそらく伴って、良好なUVフィルター効果を示すことができるからである。
本発明による複合顔料又は複合顔料組成物は、摩擦係数が高く、皮膚上で容易に広がらず、不快な使用感を与える遊離粒子を減らすことができるため、本発明による化粧料組成物は、摩擦を減らし、したがってより良好な使用感の効果が実現できる。
本発明による化粧料組成物は、少なくとも1種のフィラー及び/又は少なくとも1種の油を更に含んでもよい。
本明細書では、用語「フィラー」とは、いかなる温度で組成物が製造されても組成物の媒質に不溶性である、任意の形状の無色の天然又は合成粒子を意味すると理解すべきである。したがって、フィラーは、上述のような着色顔料とは異なる。
フィラーは、無機でも有機でもよく、任意の結晶学的形態(例えば、シート状晶、立方晶、六方晶、斜方晶等)のいかなる形状であってもよい(例えば、小板状、球状、及び長円状)。適切な追加のフィラーの例としては、これらに限定されないが、タルク;マイカ;シリカ;カオリン;Nylon(登録商標)等のポリアミドの粉末;ポリ-β-3-アラニン粉末;ポリエチレン粉末;ポリウレタン粉末、例えば、東色ピグメント株式会社によりPlastic Powder D-400の名称で販売されている、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチロールヘキシルラクトンコポリマーで形成された粉末;テトラフルオロエチレンポリマー[Teflon(登録商標)]で形成された粉末;ラウロイルリシン;デンプン;窒化ホウ素;高分子中空微小球、例えば、ポリ(塩化ビニリデン)/アクリロニトリルの微小球、例えばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie)、及びアクリル酸コポリマーの微小球;シリコーン樹脂粉末、例えば、シルセスキオキサン粉末[例えば、欧州特許第0293795号で開示されているシリコーン樹脂粉末、及び株式会社東芝のTospearls(登録商標)];ポリ(メタクリル酸メチル)粒子;沈降炭酸カルシウム;炭酸マグネシウム;塩基性炭酸マグネシウム;ヒドロキシアパタイト;中空シリカ微小球;ガラスミクロカプセル;セラミックミクロカプセル;8〜22個の炭素原子、例えば12〜18個の炭素原子を含む有機カルボン酸由来の金属石けん、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、及びミリスチン酸マグネシウム;硫酸バリウム;並びにこれらの混合物が挙げられる。
フィラーは、組成物中に、組成物の全重量に対して0.1重量%〜80重量%、例えば、1重量%〜25重量%、又は3重量%〜15重量%の範囲の量で存在してよい。
用語「油」は、周囲温度(25℃)で液体である脂肪物質を意味すると理解される。
本発明の組成物中に使用することのできる油として、例えば、ペルヒドロスクアレン(又はスクアラン)等の動物起源の炭化水素油;植物起源の炭化水素油、例えば、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えば、Stearineries Duboisにより市販されているものやDynamit NobelによりMiglyol 810、812及び818の商標で市販されているもの、又は植物由来の油、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、キュウリ油、ブドウ種子油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アンズ油、マカダミアナッツ油、アララ油(arara oil)、コリアンダー油、ヒマシ油、アボカド油若しくはホホバ油又はシアバター油;合成油;シリコーン油、例えば、周囲温度で液体又はペーストである、線状又は環状シリコーン鎖を含む揮発性又は不揮発性のポリメチルシロキサン(PDMS);フッ素化油、例えば、一部が炭化水素及び/又はシリコーンであるもの、例えば、JP-A-2-295912に記載のもの;ジカプリリルエーテル(CTFA名)等のエーテル;C12〜C15脂肪アルコール安息香酸エステル(FinetexのFinsolv TN)等のエステル;安息香酸2-フェニルエチル(ISPのX-Tend 226)等の安息香酸アリールアルキル誘導体;N-ラウロイルサルコシンイソプロピル(味の素株式会社のEldew SL-205)等のアミド化油、並びにこれらの混合物を使用することができる。
油性相は、例えば、脂肪アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール)、脂肪酸(ステアリン酸)、又は蝋(パラフィン蝋、ポリエチレン蝋、カルナウバ蝋、蜜蝋)から選択される1種若しくは複数の脂肪物質も含んでよい。油性相は、親油性ゲル化剤、界面活性剤、又はここでも有機若しくは無機粒子を含んでよい。
油性相は、好ましくは、組成物の全重量に対して1〜70重量%の油であってもよい。
本発明による組成物は、例えば、親水性又は親油性のゲル化剤及び/又は増粘剤、界面活性剤、抗酸化剤、香料、保存剤、中和剤、日焼け止め剤、ビタミン、保湿剤、セルフタンニング化合物、皺抑制活性剤、緩和剤、親水性又は親油性活性剤、汚染及び/又はフリーラジカル除去剤、金属イオン封鎖剤、皮膜形成剤、皮膚収縮解消活性剤(dermo-decontracting active agent)、皮膚鎮静剤(soothing agent)、真皮又は表皮高分子の合成を刺激し、且つ/又はその分解を防止する薬剤、抗糖化剤(antiglycation agent)、刺激を除去する薬剤、落屑剤(desquamating agent)、色素沈着解消剤(depigmenting agent)、色素沈着抑制剤(antipigmenting agent)、色素沈着促進剤(propigmenting agent)、NO合成酵素阻害剤、線維芽細胞及び/若しくはケラチノサイトの増殖及び/又はケラチノサイトの分化を刺激する薬剤、微小循環に作用する薬剤、細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤、治癒剤(healing agent)、並びにこれらの混合物から選択することができる少なくとも1種の従来の追加化粧料構成成分を更に含んでもよい。
追加の活性剤を、保湿剤、落屑剤、バリア機能を向上させるための薬剤、色素沈着解消剤、抗酸化剤、皮膚収縮解消剤、抗糖化剤、真皮及び/又は表皮高分子の合成を刺激し、且つ/又はその分解を防止するための薬剤、線維芽細胞若しくはケラチノサイトの増殖及び/又はケラチノサイトの分化を刺激するための薬剤、角質エンベロープの成熟を促進するための薬剤、NO合成酵素阻害剤、末梢型ベンゾジアゼピン受容体(PBR)アンタゴニスト、皮脂腺の活性を増大させるための薬剤、細胞のエネルギー代謝を刺激するための薬剤、テンショニング剤、脂質再構成剤(lipid restructuring agent)、痩身剤、皮膚微小循環を促進するための薬剤、鎮静剤及び/又は抗刺激剤、皮脂調整剤又は抗脂漏剤、アストリンゼント、瘢痕化剤、抗炎症剤、抗ニキビ剤、並びに皮膚の自然な着色を促進する薬剤から選択することがとりわけ可能であろう。
当業者は1種又は複数の前記活性剤を、皮膚、毛髪、睫毛、眉又は爪に対する望まれる効果に応じて選択するであろう。
老化した皮膚のケア及び/又はメイクアップのために、当業者は、好ましくは、保湿剤、落屑剤、バリア機能を向上させるための薬剤、色素沈着解消剤、抗酸化剤、皮膚収縮解消剤、抗糖化剤、真皮及び/又は表皮高分子の合成を刺激し、且つ/又はその分解を防止するための薬剤、線維芽細胞若しくはケラチノサイトの増殖及び/又はケラチノサイトの分化を刺激するための薬剤、角質エンベロープの成熟を促進するための薬剤、NO合成酵素阻害剤、末梢型ベンゾジアゼピン受容体(PBR)アンタゴニスト、皮脂腺の活性を増大させるための薬剤、細胞のエネルギー代謝を刺激するための薬剤、脂質再構成剤、目の周りの領域の皮膚微小循環を促進する薬剤、並びに皮膚の自然な着色を促進する薬剤から選択される少なくとも1種の活性剤を選択するであろう。
脂性肌のケア及び/又はメイクアップのために、当業者は好ましくは、落屑剤、皮脂調整剤又は抗脂漏剤及びアストリンゼントから選択される少なくとも1種の活性剤を選択するであろう。
好ましい実施形態によれば、化粧料用及び/又は皮膚科用活性剤は、色素沈着解消剤である。
本発明に従って使用できる色素沈着解消剤として、特に、ビタミンC及びその誘導体、特にビタミンCG、ビタミンCP及び3-OエチルビタミンC;出願EP895779及びEP524109に記載のもの等のアルブチン及びその誘導体、例えばα-及びβ-アルブチン;ヒドロキノン;出願WO99/10318及びWO99/32077に記載のもの等のアミノフェノール誘導体、特にN-コレステリルオキシカルボニル-パラ-アミノフェノール及びN-エチルオキシカルボニル-パラ-アミノフェノール;出願WO99/22707に記載のもの等のイミノフェノール誘導体;L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸又はプロシステイン及びその塩又はエステル;フェルラ酸;ルシノール及びその誘導体;コウジ酸;レゾルシノール及びそのエステル;トラネキサム酸及びそのエステル;ゲンチジン酸、ホモゲンチジン酸、又はゲンチジン酸メチル若しくはホモゲンチジン酸メチル;ジオン酸;D-パンテテインスルホン酸カルシウム;リポ酸;エラグ酸;ビタミンB3;リノール酸及びその誘導体;セラミド及びその同族体;植物の誘導体、例えばカモミール、ベアベリー、アロエ属(ベラ、フェロックス、バーデンシス)、クワの実又はスカルキャップ;Gattefosseによって販売されているキウイフルーツ(Actinidia chinensis)ジュース;一丸ファルコス株式会社によって名称Botanpi Liquid B(登録商標)で販売されている製品等のPaeonia suffructicosa根の抽出物、太陽化学株式会社によってMolasses Liquidの名称で販売されている糖蜜の抽出物等の黒糖(Saccharum officinarum)の抽出物が挙げられるが、この列挙は網羅的ではない。ビフェニル化合物、例えばマグノロール、ホオノキオール、マグノリグナン等も挙げられる。
本発明者らは、出願WO2004/105736に記載のもののようなヒドロキシル化ジフェニルメタン誘導体、特定すれば、4-(1-フェニルエチル)-1,3-ベンゼンジオール若しくは4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼンとして知られている又は別名でフェニルエチルレゾルシノール若しくはフェニルエチルベンゼンジオール若しくはスチリルレゾルシノールとして知られている以下の構造の化合物:
も挙げることができる。この化合物は、CAS番号85-27-8を有する。このような化合物は、Symrise社によってSymwhite 377(登録商標)の名称で販売されている。
とりわけ、以下のものを挙げることができる:
- セルフタンニング剤、すなわち、皮膚、とりわけ顔への適用時に、日光への長期間曝露(自然の日焼け)又はUVランプ下で生じ得るのと程度の差はあるが同様な外観の日焼け効果を生じさせることができる薬剤、
- 追加の着色剤、すなわち、持続的で非被覆性の(すなわち、皮膚を不透明化する傾向がない)着色を皮膚に与えることができ、水を用いても、又は溶媒を使用しても除去されず、摩擦にも界面活性剤を含有する溶液による洗浄にも耐える、皮膚に対して特別な親和性を有する任意の化合物。したがって、このような持続的な着色は、例えばメイクアップ顔料及びその混合物によって提供される表面的で一時的な着色とは区別される。
セルフタンニング剤は、以下から選択できる:
(i)例えばチロシナーゼ基質、MC1Rアゴニスト等のメラニン形成生物学的経路を妨げてそれを増強する化合物;
(ii)モノカルボニル又はポリカルボニル化合物、例えば、イサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリトルロース、ピラゾリン-4,5-ジオン誘導体(特許出願FR2466492及びWO97/35842に記載)、ジヒドロキシアセトン(DHA)及び4,4-ジヒドロキシピラゾリン-5-オン誘導体(特許出願EP903342に記載)。好ましくは、DHAが使用されるであろう。
DHAは、遊離状態で、且つ/又はカプセル封入された形態で、例えばとりわけ特許出願WO97/25970に記載されているリポソーム等の脂質ベシクル中で使用することができる。
一般に、セルフタンニング剤は、組成物の全重量の0.01重量%〜20重量%の範囲の量、好ましくは0.1%〜10%の量で存在する。
セルフタンニング剤によって生成される色の修正を可能にする他の染料も使用することができる。
これらの染料は、合成又は天然の直接染料から選択することができる。
これらの染料は、例えば、フルオラン型の赤色又はオレンジ色染料、例えば、特許出願FR2840806に記載されているものから選択することができる。例えば、以下の染料を挙げることができる:
- CTFA名:CI 45380又はRed 21で知られているテトラブロモフルオレセイン又はエオシン、
- CTFA名:CI 45410又はRed 27で知られているフロキシンB、
- CTFA名:CI 45425又はOrange 10で知られているジヨードフルオレセイン、
- CTFA名:CI 45370又はOrange 5で知られているジブロモフルオレセイン、
- CTFA名:CI 45380(Na塩)又はRed 22で知られているテトラブロモフルオレセインのナトリウム塩、
- CTFA名:CI 45410(Na塩)又はRed 28で知られているフロキシンBのナトリウム塩、
- CTFA名:CI 45425(Na塩)又はOrange 11で知られているジヨードフルオレセインのナトリウム塩、
- CTFA名:CI 45430又はAcid Red 51で知られているエリスロシン、
- CTFA名:CI 45405又はAcid Red 98で知られているフロキシン。
これらの染料はまた、アントラキノン、カラメル、カルミン、カーボンブラック、アズレンブルー、メトキサレン、トリオキサレン、グアイアズレン、カマズレン、ベンガルローズ、コシン(cosin)10B、シアノシン及びダフィニンから選択することができる。
これらの染料はまた、インドール誘導体、例えば特許FR2651126に記載のモノヒドロキシインドール(すなわち、4-、5-、6-又は7-ヒドロキシインドール)又は特許EP-B-0425324に記載のジヒドロキシインドール(すなわち、5,6-ジヒドロキシインドール、2-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、3-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール又は2,3-ジメチル-5,6-ジヒドロキシインドール)から選択することができる。
化粧料用及び/又は皮膚科用活性剤は、組成物の全重量に対して0.001重量%〜20重量%、好ましくは組成物の全重量に対して0.01重量%〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲の含有量で、本発明による組成物のうちの1種の中に存在するであろう。
本発明による組成物は、様々な形態、例えば、懸濁液、分散液、溶液、ゲル、水中油型(O/W)、油中水型(W/O)、及び多重(例えば、W/O/W、ポリオール/O/W、及びO/W/O)エマルジョン等のエマルジョン、クリーム、フォーム、スティック、小胞分散液、例えばイオン性及び/又は非イオン性脂質の分散液、二相及び多相ローション、スプレー、粉末、並びにペーストにすることができる。組成物は無水でもよく、例えば、無水のペースト又はスティックにすることができる。組成物は、洗い流さない組成物にしてもよい。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明による組成物は、水中油型又は油中水型エマルジョンの形態である。
使用できる乳化プロセスは、パドル若しくはインペラ、ローター-ステーター又はHHP型の方法である。
また、HHP(50〜800バール)によって、わずか100nmとすることができる液滴径を有する安定性分散液を得ることが可能である。
エマルジョンは一般に、単独で又は混合物として使用される、両性、アニオン性、カチオン性又は非イオン性乳化剤から選択される少なくとも1種の乳化剤を含有する。乳化剤は、得ようとするエマルジョン(W/O又はO/W)に応じて適切に選択される。
W/Oエマルジョンの調製に使用できる乳化性界面活性剤の例としては、ソルビタン、グリセロール又は糖のアルキルエステル又はエーテル;シリコーン界面活性剤、例えば、Dow Corning社によりDC 5225 Cの名称で販売されている、シクロメチコーンとジメチコーンコポリオールとの混合物等のジメチコーンコポリオール、及びDow Corning社によりDow Corning 5200 Formulation Aidの名称で販売されているラウリルメチコーンコポリオール等のアルキルジメチコーンコポリオール;Evonik社によりAbil EM 90Rの名称で販売されている製品等のセチルジメチコーンコポリオール、及びEvonik社によりAbil WE O9の名称で販売されている、セチルジメチコーンコポリオールとイソステアリン酸ポリグリセリル(4mol)とラウリン酸ヘキシルとの混合物を挙げることができる。また、ポリオールアルキルエステルを含む群から有利に選ぶことができる1種又は複数の補助乳化剤(co-emulsifier)をこれに添加することもできる。
ポリオールアルキルエステルとしては、ポリエチレングリコールエステル、例えば、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、例えば、Croda社によってArlacel P135の名称で販売されている製品をとりわけ挙げることができる。
グリセロール及び/又はソルビタンエステルとしては、例えば、Evonik社によりIsolan GI 34の名称で販売されている製品等のイソステアリン酸ポリグリセリル、Croda社によりArlacel 987の名称で販売されている製品等のイソステアリン酸ソルビタン、Croda社によりArlacel 986の名称で販売されている製品等のイソステアリン酸ソルビタングリセリル、及びそれらの混合物をとりわけ挙げることができる。
乳化性ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーとしては、文献US-A-5,236,986、US-A-5,412,004、US-A-5,837,793、US-A-5,811,487に開示されているものもとりわけ挙げることができる。それらのシリコーンエラストマーは、好ましくは、炭化水素油及び/又はシリコーン油中ゲルの形態で配合される。これらのゲルにおいて、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、球状粒子の形態であることが多い。
ポリオキシエチレン化シリコーンエラストマーの例として、信越化学工業株式会社によって販売されているもので以下の名称が挙げられる:
- KSG-21(活性物質中27%)INCI名:ジメチコーン/PEG-10ジメチコーンビニルジメチコーン架橋ポリマー、
- KSG-20(活性物質中95%)INCI名:PEG-10ジメチコーン架橋ポリマー、
- KSG-30(活性物質中100%)INCI名:ラウリルPEG-15ジメチコーンビニルジメチコーン架橋ポリマー、
- KSG-31(活性物質中25%)INCI名:ラウリルPEG-15ジメチコーンビニルジメチコーン架橋ポリマー、
- KSG-32又はKSG-42又はKSG-320又はKSG-30(活性物質中25%)INCI名:ラウリルPEG-15ジメチコーンビニルジメチコーン架橋ポリマー、
- KSG-33(活性物質中20%)、
- KSG-210(活性物質中25%)、INCI名:ジメチコーン/PEG-10/15架橋ポリマー、
- KSG-310:鉱油中でポリオキシエチレン化されたラウリル修飾ポリジメチルシロキサン、
- KSG-330、
- KSG-340、
- X-226146(活性物質中32%)INCI名:ジメチコーン/PEG-10ジメチコーンビニルジメチコーン架橋ポリマー、
又はDow Corning社によって以下の商品名で販売されているもの:
- DC9010(活性物質中9%)INCI名:PEG-12ジメチコーン架橋ポリマー、
- DC9011(活性物質中11%)。
これらの製品は、一般に、シリコーンエラストマーの粒子を含有する油性ゲルの形態である。
好ましくは、シリコーン油中のシリコーンエラストマーの活性物質中25%のKSG-210(INCI名:ジメチコーン/PEG-10/15架橋ポリマー)を使用する。
水/油乳化剤の中でも、文献WO-A-2004/024798に開示されているもののようなポリグリセロール化シリコーンエラストマーをも挙げることができる。
ポリグリセロール化シリコーンエラストマーの例として、信越化学工業株式会社によって販売されているもので以下の名称が挙げられる:
- KSG-710(活性物質中25%、INCI名:ジメチコーン/ポリグリセリン-3架橋ポリマー)、
- KSG-810、
- KSG-820、
- KSG-830、
- KSG-840、
O/Wエマルジョンの場合、乳化剤の例としては、グリセロールのオキシアルキレン化された(より特定すればポリオキシエチレン化された)脂肪酸エステル等の非イオン性の乳化剤;ソルビタンのオキシアルキレン化された脂肪酸エステル;オキシアルキレン化された(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化された)脂肪酸エステル、例として、例えば、Croda社によりArlacel 165の名称で販売されているステアリン酸PEG-100/ステアリン酸グリセリル混合物;オキシアルキレン化された(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化された)脂肪族アルキルエーテル;糖エステル、例えばステアリン酸スクロース;糖の脂肪族アルキルエーテル、とりわけアルキルポリグルコシド(APG)、例えば、Cognis社により、それぞれPlantaren 2000及びPlantaren 1200の名称で販売されているデシルグルコシド及びラウリルグルコシド等、例えばSEPPIC社によりMontanov 68の名称で、Evonik社によりTegocare CG90の名称で、及びCognis社によりEmulgade KE3302の名称で販売されている、場合によりセトステアリルアルコールとの混合物としてのセトステアリルグルコシド、更には、アラキジルグルコシド、例えば、SEPPIC社によりMontanov 202の名称で販売されている、アラキジルアルコールとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態のものを挙げることができる。本発明の特定の一実施形態によれば、上で定義したアルキルポリグルコシドと対応する脂肪アルコールとの混合物は、例えば文献WO-A-92/06778で開示されている、Beneo-ORAFTI社によりINUTEC SP1の名称で販売されている製品のようなラウリルカルバミン酸イヌリン等の疎水的に修飾されたイヌリンのような、自己乳化性組成物の形態であってもよい。
本発明の特定の一実施形態によれば、組成物は、同一の又は異なる2つの界面活性剤部分を含み、頭部基を介してスペーサーによって互いに結合している、親水性頭部基及び親油性尾部基から構成される「ジェミニ界面活性剤」という名称の二量体界面活性剤のうちから選択される少なくとも1種の乳化剤をも含有できる。このような界面活性剤は、特許DE19943681、DE19943668、DE4227391及びDE19608117;JP-A-11-60437;JP-A-8-311003;EP0697244;EP0697245;EP0708079;DE19622612及びJP-A10-17593;WO03024412、US5863886;WO96/25388;WO96/14926;WO96/16930、WO96/25384、WO9740124;WO9731890;DE19750246;DE19750245;DE19631225;DE19647060に記載されている。化学構造及び物理化学的特性のより詳細な説明を得るためには、以下の刊行物を参照することができる:Milton J. Rosen、「Gemini Surfactants, Properties of surfactant molecules with two hydrophilic groups and two hydrophobic groups」、Cosmetics & Toiletries magazine、113巻、1998年12月、49〜55頁、Milton J. Rosen、「Recent Developments in Gemini Surfactants」、Allured's Cosmetics & Toiletries magazine、2001年7月、116巻、7号、67〜70頁。
上記の二量体界面活性剤のうちでは、本発明の好ましい化合物は、次式(I)によって特徴付けられるアニオン性界面活性剤である
[式中、
R1及びR3は直鎖C8〜C16アルキル基を表し、
R2はC2〜C8アルキレン基を表し、
X及びYは(C2H4O)x-RFを表し、ここでxは10〜15であり、
RFは-SO3M基であり、ここでMはアルカリ原子を表す]。
好ましいジェミニ界面活性剤は、次式のアニオン性化合物、ジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウム(INCI名)である:
例えば、Sasol社により名称CERALUTION(登録商標)で販売されている市販混合物中のこのジェミニ界面活性剤を使用できる:
・Ceralution(登録商標)H:ベヘニルアルコール、ステアリン酸グリセリル、クエン酸ステアリン酸グリセリル及びジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウム。
・Ceralution(登録商標)F:ラウロイル乳酸ナトリウム及びジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウム。
・Ceralution(登録商標)C:水、カプリン/カプリル酸トリグリセリド、グリセリン、セテアレス-25、ジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ベヘニルアルコール、ステアリン酸グリセリル、クエン酸ステアリン酸グリセリル、アラビアゴム、キサンタンガム、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン(INCI名)。
好ましいジェミニ界面活性剤は、ベヘニルアルコール、ステアリン酸グリセリル、クエン酸ステアリン酸グリセリル及びジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウムの混合物[Ceralution(登録商標)H]である。
他の乳化剤のうちでは、イソフタル酸ポリマー又はスルホイソフタル酸ポリマー、特にフタレート/スルホイソフタレート/グリコールのコポリマー、例えばジエチレングリコール/フタレート/イソフタレート/1,4-シクロヘキサン-ジメタノールコポリマー[Eastman Chemical社により名称「Eastman AQ polymer」(AQ35S、AQ38S、AQ55S、AQ48 Ultra)で販売されている、INCI名:ポリエステル-5]が使用できる。
他の乳化剤のうちでは、特許EP1069142に記載のもののような2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸の両親媒性コポリマーが使用できる。好ましい両親媒性AMPSコポリマーは、Clariant社により名称Aristoflex HMSで販売されているアンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ステアレス-25メタクリレート架橋ポリマー、Clariant社により名称Aristoflex SNCで販売されているアンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ステアレス-8メタクリレートコポリマーである。
それがエマルジョンである場合、このエマルジョンの水性相は、既知のプロセス[Bangham、Standish及びWatkins、J. Mol. Biol.、13、238頁(1965年)、FR2315991並びにFR2416008]に従って調製された非イオン性のベシクル分散物を含むことができる。
本発明の組成物は、少なくとも1種の架橋されている非乳化性エラストマーオルガノポリシロキサンも含有できる。
用語「非乳化性エラストマーオルガノポリシロキサン」は、ポリオキシアルキレン化又はポリグリセロール化単位として親水性鎖を含有しない乳化性エラストマーオルガノポリシロキサンを意味する。
好ましくは、非乳化性エラストマーオルガノポリシロキサンは、出願EP-A-295886に開示されているように、(a)それぞれがケイ素原子に結合している少なくとも2個の水素原子を含有するジオルガノポリシロキサン及び(b)ケイ素原子に結合している少なくとも2個の不飽和エチレン基を有するジオルガノポリシロキサンの、特に(c)白金触媒の存在下での、付加反応によって得られる。
本発明の特定の形態によれば、非乳化性エラストマーオルガノポリシロキサンは粉末形態である。
粉末形態の非乳化性エラストマーオルガノポリシロキサンの例として、以下のINCI名のものが使用できる:DOW CORNING社により名称「DOW CORNING 9505 COSMETIC POWDER」、「DOW CORNING 9506 COSMETIC POWDER」で販売されている商品のようなジメチコーン/ビニルジメチコーン架橋ポリマー。
本発明の好ましい一実施形態によれば、非乳化性エラストマーオルガノポリシロキサンは、少なくとも1種の揮発性若しくは不揮発性炭化水素油及び/又は揮発性若しくは不揮発性シリコーン油と混合されてゲルを形成する。
油/非乳化性エラストマーオルガノポリシロキサン混合物の例として、以下のINCI名のものが使用できる:
信越化学工業株式会社により名称「KSG6」、「KSG16」で販売されている商品のようなジメチコーン及びジメチコーン/ビニルジメチコーン架橋ポリマー、
- 信越化学工業株式会社により名称「KSG-15」、「KSG 24」;DOW CORNING社により名称「Dow Corning 9040 Silicone Elastomer Blend」で販売されている商品のようなシクロペンタシロキサン及びジメチコーン/ビニルジメチコーン架橋ポリマー;
- DOW CORNING社により名称「Dow Corning 9041 Silicone Elastomer Blend」で販売されている商品のようなジメチコーン及びジメチコーン架橋ポリマー;
- 信越化学工業株式会社による「KSG 41」のような鉱油及びビニルジメチコーン/ラウリルジメチコーン架橋ポリマー、
- 信越化学工業株式会社によって販売されている「KSG 42」のようなイソドデカン及びビニルジメチコーン/ラウリルジメチコーン架橋ポリマー、
- 信越化学工業株式会社によって販売されている「KSG 43」のようなトリエチルヘキサノイン及びビニルジメチコーン/ラウリルジメチコーン架橋ポリマー;
- 信越化学工業株式会社によって販売されている「KSG 44」のようなスクアラン及びビニルジメチコーン/ラウリルジメチコーン架橋ポリマー。
一実施形態によれば、本発明による化粧料組成物は、油状固体化粧料組成物又は無水組成物等の粉末状組成物又は液体若しくは固体組成物の形態であってよい。
特に、本発明による粉末状の化粧料組成物は、本発明による複合顔料又は複合顔料組成物を含むことによって、摩擦を減らして滑らかな使用感が実現でき、物理的衝撃に対して高い安定性をもたらす良好なコンパクト性を有することができる。
更に、本発明による粉末状の化粧料組成物は、本発明による複合顔料又は複合顔料組成物を含むことによって、皮膚との良好な適合性、均質な外観、皮膚の色の隠蔽、皮膚上の毛穴や小皺の隠蔽、皮膚上の毛穴や小皺を目立たなくさせる、及び艶消しされた外観等の好ましい美容的効果を示すことができる。
一方、本発明による液体化粧料組成物は、本発明による複合顔料又は複合顔料組成物を含むことによって、艶消し効果及びヘイズ効果等の良好な視覚光学効果を示すことができる。
いずれにしても、本発明による粉末状及び液体化粧料組成物は、皮膚上の毛穴から皮膚に浸透する無機固体UV遮蔽剤及び/又は着色顔料の微粒子のリスクの減少に加えて、より良好なUVフィルター効果及び/又はより良好な着色効果を有する。
別の実施形態によれば、本発明による化粧料組成物は、例えば、コンパクトパウダー、ローション、セラム、乳液、クリーム、ベースファンデーション、化粧下地(undercoat)、メイクアップベースコート、ファンデーション、粉おしろい、頬紅、リップスティック、リップクリーム、アイシャドウ、アイライナー、ルースパウダー、コンシーラー、ネイルコート、マスカラ、日焼け止め剤等の形態にすることができる。
当業者は、使用する構成要素の性質、例えば、構成要素の媒体への溶解性、及び組成物について構想される用途を考慮に入れながら、自身の一般知識に基づき、適切な提示形態並びにその調製方法を選択することができることを理解すべきである。
本発明による化粧料組成物は、例えば、液体〜半液体の稠度を有する顔及び/又は身体用のケア製品及び/又は日焼け止め用保護製品として、例えば、乳液、程度の差はあるが濃厚なクリーム、クリーム-ゲル及びペースト等としても使用できる。これらは、場合によりエアゾールとしてパッケージ化されてもよく、ムース又はスプレーの形態であってもよい。
本発明による蒸発性の流体ローションの形態の本発明による組成物は、加圧デバイスによって微粒子の形態で皮膚又は毛髪に適用される。本発明によるデバイスは当業者には周知であり、非エアゾールポンプ又は「アトマイザー」、噴射剤を含むエアゾール容器、更に噴射剤として圧縮空気を用いるエアゾールポンプを含む。これらのデバイスは、特許US4077441及びUS4850517に記載されている。
本発明に従ってエアゾールの形態で調整される組成物は一般に、従来の噴射剤、例えば、ヒドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン又はトリクロロフルオロメタンを含有する。このような噴射剤は、好ましくは、組成物の全重量に対して15重量%〜50重量%の範囲の量で存在する。
本発明による組成物は、追加の化粧料用及び皮膚科用活性剤を追加として更に含むことができる。
(実施例)
本発明を、実施例により、更に詳細に記載することとするが、この実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1から28及び比較例1から7)
日本の株式会社奈良機械製作所により市販されている、乾燥条件にあるチャンバー中に複数の刃を有する高速ローターを備えたハイブリダイザーを使用して、Table 1(表1)からTable 4(表4)に示す成分をハイブリダイザープロセスにかけて、複合顔料を得た。
詳細には、実施例1〜28及び比較例1〜7それぞれについて、Table 1(表1)からTable 4(表4)に示す成分を、プラスチック製袋に入れて短時間手で振盪することにより、Table 1(表1)からTable 4(表4)に示す混合比(Table 1(表1)からTable 4(表4)の数字は重量部による)で混合した。混合物をハイブリダイザーに入れ、ローターを8,000rpm(線速度100m/s)で3分間回転させて、実施例1〜28及び比較例1〜7による複合顔料を得た。
[UV吸光度評価]
実施例1〜28及び比較例1〜7による各複合顔料の紫外波の吸光度は、V-550型紫外可視分光光度計(日本分光株式会社、日本)を使用して以下の通りに測定した。
イソドデカン及びポリヒドロキシステアリン酸を、ポリヒドロキシステアリン酸が3重量%の濃度になるように混合することによって溶媒を調製した。
実施例1〜28及び比較例1〜7による各複合顔料を、1分間超音波を使用することによって上記の溶媒中に分散させて、サンプル中の複合顔料の濃度が0.1重量%になるようなサンプルを得た。まだ団粒が存在している場合、超音波処理を繰り返した。
得たサンプルを、2mmの光の経路を有する石英セルに入れた。波長280〜400nmのサンプルのUV吸光度を、V-550型紫外可視分光光度計(日本分光株式会社、日本)を使用して測定した。
結果をTable 1(表1)からTable 4(表4)に示す。
[摩擦評価]
実施例18及び26並びに比較例1の複合顔料の平均摩擦係数(MIU)を、摩擦試験機(KES-SE摩擦試験機、カトーテック株式会社、日本)によって測定した。参考例1及び2のように、TiO2(1)(MT-100 TV)粒子及びTiO2(2)(SA-TTO-S4)粒子のそれぞれの平均摩擦係数も測定した。
MIU測定の条件は以下の通りであった。
基材:ガラス板(5cm×2cm)
プローブ:金属センサー(1.0cm×1.0cm、25.0g)
印加圧力:2.45kPa
速度:1mm/秒
結果をTable 5(表5)に示す。
Table 1(表1)から、単一の小型コア粒子を使用する実施例1〜6による複合顔料が、単一の大コア粒子を使用する比較例1〜4による複合顔料より高いUV吸光度を有することが明白である。更に、UVフィルターを使えば使うほど、高いUV吸光度が得られることが実施例1〜5から分かる。更に、コア粒子が小さいほど、UV吸光度が高くなることが実施例3及び6から分かる。
同様のことをTable 2(表2)で見出すことができる。単一の小型コア粒子を使用する実施例7及び8による複合顔料は、単一の大コア粒子を使用する比較例5〜7による複合顔料より高いUV吸光度を有する。
Table 1(表1)及びTable 2(表2)と組み合わせて、Table 3(表3)は、UVフィルターの種類が異なっても実施例9〜16による複合顔料のUV吸光度が比較例1〜7のものより高いことを示す。その中のコアTiO2が別のUVフィルター(アボベンゾン)で被覆されているUVフィルターが非常に高いUV吸光度を示すことに留意されたい(実施例16参照)。
Table 4(表4)は、小型コア粒子を大型粒子と組み合わせると、得られる複合顔料組成物がより良好なUV吸光度を示し得ることを示す。その中のコアTiO2が別のUVフィルター(アボベンゾン)で被覆されているUVフィルターが非常に高いUV吸光度を示すことに留意されたい(実施例28参照)。
したがって、本発明による複合顔料組成物がより良好なUV吸光度を実現できることは明白である。
Table 5(表5)は、本発明による複合顔料組成物では、比較例1による複合顔料並びに参考例1及び2によるTiO2粉末と比較して、摩擦が減少していることを示す。
(実施例29から40及び比較例8から10)
実施例18、20、26若しくは27又は比較例1による複合顔料組成物を、Table 6(表6)に示す配合を有する粉末状ファンデーションベースと混合し、粉末状ファンデーション中の複合顔料組成物の濃度が5重量%、10重量%又は20重量%になるような粉末状ファンデーションを得ることによって、粉末状ファンデーションを調製した。言い換えれば、5、10又は20重量部の複合顔料組成物を、95、90又は80重量部の粉末状ファンデーションベースと混合した。
言い換えれば、相A、相B1及び相B2の成分と、実施例18、20、26又は27による複合顔料組成物とをミキサー中で混合した。次に、相Dの成分を添加し、更に混合した。次いで、混合物を粉砕し、ふるい分けして実施例29から40及び比較例8から10のそれぞれに従った粉末状ファンデーションを得た。
[摩擦評価]
実施例18、20、26又は27による複合顔料組成物を含む粉末状ファンデーション並びに比較例1による複合顔料を含む別の粉末状ファンデーションそれぞれの平均摩擦係数(MIU)を、5重量%、10重量%又は20重量%を同量で、摩擦試験機(KES-SE摩擦試験機、カトーテック株式会社、日本)によって測定した。
MIU測定の条件は以下の通りであった。
基材:2mm厚さのシート(5cm×2cm)
プローブ:2mm厚さのシート(1.3cm×1.2cm)
印加圧力:1.37kPa
速度:1mm/秒
結果をTable 7(表7)に示す。
[コンパクト性評価]
10重量%の量の、実施例18、20、26若しくは27による複合顔料組成物又は比較例1による複合顔料を含む粉末状ファンデーションを落下試験にかけ、この落下試験において、各粉末状ファンデーションを20cmの高さでセラミックタイルの上に落とした。5重量%の損失を出した落下回数を求めた。
結果をTable 8(表8)に示す。
Table 7(表7)から、実施例29〜32、33〜36及び37〜40による粉末状ファンデーションが、それぞれ比較例8、9及び10によるものより低い摩擦係数を有することが明白である。したがって、実施例29〜32、33〜36及び37〜40による粉末状ファンデーションは、比較例8、9及び10による粉末状ファンデーションより滑らかな手触りをもたらすことができる。この傾向は、粉末状ファンデーション中の複合顔料の濃度が変わっても維持される。
Table 8(表8)は、実施例33〜36による粉末状ファンデーションが、比較例9によるものより良好なコンパクト性を有し、したがって前者の方が後者より衝撃に対して安定性が高くなり得ることを示す。
[官能評価]
実施例33による粉末状ファンデーションと、実施例33と同じ組成を有するが、実施例18による複合顔料組成物の代わりに50重量%のPMMA(MP2200)及び50重量%のナイロン-12(SP500)の単純混合物を使用した対照の粉末状ファンデーションとを比較した。
実施例33の粉末状ファンデーション及び対照の粉末状ファンデーションをそれぞれ1gの量ずつ、11名の評価者の皮膚に適用し、それぞれの美容的効果(例えば、皮膚との適合性、均質な外観、皮膚の色の隠蔽、皮膚上の毛穴や小皺の隠蔽、皮膚上の毛穴や小皺を目立たなくさせる、及び艶消しされた外観)を評価し比較した。
特に、実施例33による粉末状ファンデーションを半顔に適用し、対照の粉末状ファンデーションを残りの半顔に適用した。前者の美容的効果を後者のそれと比較した。11名の評価者による評価を平均した。
平均された結果は、実施例33による粉末状ファンデーションが皮膚との適合性、均質な外観、皮膚の色の隠蔽、皮膚上の毛穴や小皺の隠蔽、皮膚上の毛穴や小皺を目立たなくさせる、及び艶消しされた外観の観点から、対照の粉末状ファンデーションより良好な美容的効果を示したことを示す。
(実施例41及び42、比較例11並びに参考例3)
W/Oエマルジョンの形態のメイクアップベースを、Table 9(表9)に示す成分を混合することによって調製した。
ジメチコーン-ジメチコーン架橋ポリマー以外の相A1の成分を、マグネチックスターラーの入った容器中、60℃で混合した。次に、ジメチコーン-ジメチコーン架橋ポリマーを添加し、更に混合した。次いで、相A2の成分を混合物に加えて、撹拌した。次に、相Bの成分を混合物に加えて、撹拌した。最後に、相Cの成分を混合物に加え、均質化して、実施例41、実施例42又は比較例11によるメイクアップベースを得た。
相A2の複合顔料又は複合顔料組成物として、比較例1による複合顔料又は実施例18若しくは26による複合顔料組成物を使用した。
後続の艶消し効果及びヘイズ効果の評価については、Table 9(表9)に示す上記の組成を有するが、実施例18若しくは26による複合顔料組成物を50重量%のPMMA(MP2200)及び50重量%のナイロン-12(SP500)の単純混合物と置き換えたメイクアップベースを参考例3として使用した。
[In VitroによるSPF値の評価]
1mg/cm2の量のメイクアップベースをPMMA板に適用し、そのメイクアップベースサンプルのSPF値を、SPFアナライザーUV-2000Sで測定した。結果をTable 10(表10)に示す。
[艶消し効果の評価]
メイクアップベースをコントラストカードの光沢のある白色部分に適用し、厚さ50μmの膜を形成させ、室温で24時間乾燥した。ゴニオフォトメーターを使用することによって、較正と光強度の測定を、硫酸バリウム製の艶消し標準板と、メイクアップベースで被覆したコントラストカードとでそれぞれ実施した。メイクアップベースを被覆したコントラストカード及びゴニオフォトメーターの配置を図1に示す。艶消し効果を以下の式から求めた。
(艶消し効果)(%)={(I45/I0)標準/(I45/I0)サンプル}×100
I45:正反射率の光強度
I0:拡散反射率の光強度
結果をTable 11(表11)に示す。
[ヘイズ効果の評価]
メイクアップベースを水晶板に適用し、厚さ20μmの膜を形成させ、約37℃で10分間乾燥した。積分球を備えた分光光度計で、板を通る拡散透過率を測定した。メイクアップベースを被覆した板及び分光光度計の配置を図2に示す。ヘイズ効果を以下の式から求めた。
(ヘイズ効果)(%)={T(拡散)/T(全体)}×100
T(拡散):拡散光の透過率
T(全体):拡散光の透過率及び直接透過光の透過率の合計
結果をTable 11(表11)に示す。
Table 10(表10)は、実施例41及び42によるメイクアップベースが比較例11によるそれより良好なSPF値を有し、したがって前者がより良好なUV保護をもたらすことができることを示す。
Table 11(表11)から、実施例41及び42によるメイクアップベースが参考例3によるそれより良好な艶消し効果及びヘイズ効果を有することが明白である。したがって、本発明によるメイクアップベースは、皮膚上で過度の光沢を制御できる。
(実施例43)
本発明による複合顔料又は複合顔料組成物は、有利なUVフィルター効果を有し、したがってこれをサンケアエマルジョン等のUV遮蔽製品に取り入れることができる。サンケアエマルジョンの例(実施例43)をTable 12(表12)に示す。
相Aの成分を60℃で混合し、相Bの成分を60℃で更に混合し、相A及び相Bの成分の混合物をホモミキサー中で更に均質化した後、得られる混合物に相Cの成分を加えてよく撹拌することによって、実施例43によるサンケアエマルジョンを調製できる。
(実施例44及び45並びに比較例46から48)
サンケア配合物についてのin vitroによるSPF測定
[組成物の調製]
10%(実施例44)及び5%(実施例45)の複合顔料組成物を、実施例43で開示したプロトコルに従って調製したサンケア配合物(O/Wエマルジョン)に導入した。
比較の配合物を調製したが、複合顔料組成物の代わりに粉末の混合物を含む配合物(比較例46及び47)か、又は粉末も複合顔料も含まない配合物(比較例48=基本配合のみ)を調製した。
[in vitroによるSPF測定方法]
太陽光線保護指数(SPF)を、B.L. DiffeyによってJ. Soc. Cosmet. Chem. 40、127〜133頁、(1989年)に記載された「in vitro」法に従って求める。Labsphere社製のUV-2000S分光光度計を使用して測定を行った。各組成物は、0.75mg/cm2の比率で均質且つ均等な堆積物の形態で、PMMAの素板(rough plate)に適用する。
以下のTable 13(表13)は、各配合物の対応するin vitroによるSPF値を示す。
基本配合は、全体として12.5%の液体有機UV遮蔽剤を含有するが、基本配合のみの場合(比較例48)、有効ではない(SPF値=7)。UV保護効果は、粉末混合物(比較例46及び比較例47)の存在下で向上し、前記粉末混合物と比較して複合顔料組成物を含有すれば(実施例44及び実施例45)更に良好なものとなる。
(実施例49及び50)
サンケア配合物
原料を80℃で機械的に撹拌しながら混合することによって、水性相A及び油性相B1を調製する;得られる溶液は巨視的に均質である。Moritzホモジナイザーを用いて撹拌速度4000rpmで15分間撹拌しながら水性相に油性相をゆっくり導入することによって、エマルジョンを調製する。得られたエマルジョンを撹拌しながら40℃まで冷却し、次いでその中に油性相B2を穏やかに撹拌しながら加えた後、相C及び相Dも加える。得られたエマルジョンを穏やかに撹拌しながら室温まで冷却する。これは、滴径1μm〜10μmの液滴を特徴とする。
組成物は良好な太陽光線保護を与える。
(実施例51)
スキンケア配合物
化粧料処方の一般知識に従ってTable 15(表15)に示す成分を混合することによって、スキンケア配合物を調製した。