JP6355548B2 - 染料印刷用前処理剤及びその利用 - Google Patents

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Description

本発明は染料印刷用前処理剤及びその利用に関する。
特許文献1には、少なくとも色材及び外部エネルギー線の照射により重合可能な水溶性化合物を含むインクを被記録媒体上に印刷した後、前記重合可能な水溶性化合物に対して前記外部エネルギー線を照射して重合化合物を生成し、次いで発色処理の後に、水洗浄処理を施して上記水溶性化合物を取り除き、樹脂成分の残留を抑制して画像記録する記録方法が記載されている。
特開2006−144180号公報(2006年6月8日公開)
しかしながら、特許文献1では、重合可能な水溶性化合物を含むインクを用いなければならず、インクの種類が限定される。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、染料を含む様々な種類のインクを使用して印刷するための染料印刷用前処理剤を提供する。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討した結果、以下の本発明に達した。
本発明に係る染料印刷用前処理剤は、連鎖移動剤及び水溶性光硬化性化合物を含むことを特徴とする。
連鎖移動剤及び水溶性光硬化性化合物を含むことにより、染料を含む様々なインクに対して、当該染料を被記録媒体に浸透させることができ、且つ、当該染料印刷用前処理剤により形成されるインク受容層を除去しやすい。例えば、染色用のインクが樹脂を含む場合、前処理剤によって形成されるインク受容層が除去しにくくなる場合があったが、本発明に係る染料印刷用前処理剤によれば、連鎖移動剤によって水溶性光硬化性化合物の分子量を低く抑えたり、所望の溶解度になるように制御したりすることで、形成されるインク受容層の溶解性を向上させることができる。そのため、水等を用いることで、当該樹脂と共に容易に除去できる。よって、染料を含む様々な種類のインクを使用して印刷することができる。
本発明に係る染料印刷用前処理剤では、上記水溶性光硬化性化合物がアミド系化合物であることがより好ましい。
当該染料印刷用前処理剤によって形成されるインク受容層がより除去しやすくなる。
本発明に係る染料印刷用前処理剤では、上記水溶性光硬化性化合物がビニル基を1つ有するアクリルアミド系化合物であって、(メタ)アクリルアミドである化合物及びそのN−置換体、からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
当該染料印刷用前処理剤によって形成されるインク受容層がより除去しやすくなる。
本発明に係る染料及び樹脂を含むインクで印刷するための前処理剤は、上述の本発明に係る染料印刷用前処理剤を含む。
本発明に係る染料印刷用前処理剤は、染色用のインクが樹脂を含んでいても除去しやすい。従って、染料及び樹脂を含むインクで印刷するための前処理剤として好適に用いることができる。
本発明に係る印刷物の製造方法は、被記録媒体上に、連鎖移動剤及び水溶性光硬化性化合物を含む染料印刷用前処理剤を塗布して、光を照射することでコート層を形成するコート層形成工程と、当該コート層の上に染料を含むインクを塗布する印刷工程と、印刷工程の後に、上記染料を発色させる発色工程と、発色工程の後に、上記コート層を除去するコート層除去工程とを行うことによって印刷物を製造することを特徴とする。
上記構成によれば、本発明に係る染料印刷用前処理剤を用いるので、染料を含む様々な種類のインクを使用して印刷することができる。
本発明に係る印刷物の製造方法では、上記染料を含むインクは樹脂を含むことが好ましい。
本発明に係る染料印刷用前処理剤は、染色用のインクが樹脂を含んでいても除去しやすい。従って、染料及び樹脂を含むインクで印刷するための前処理剤として好適に用いることができる。
本発明に係る染料印刷用前処理剤によれば、染料を含む様々な種類のインクを使用して印刷することができる。
本発明に係る印刷物の製造方法の一実施形態の手順について模式的に示す図である。
<染料印刷用前処理剤>
本発明に係る染料印刷用前処理剤は、連鎖移動剤及び水溶性光硬化性化合物を含むものである。また、本発明に係る染料印刷用前処理剤は、染料及び樹脂を含むインクで印刷するための前処理剤として好適に用いることができる。
また、本発明に係る染料印刷用前処理剤は、水溶性光硬化性化合物を含むので滲みを防止でき、且つ、連鎖移動剤を含むので上記水溶性光硬化性化合物に光照射して形成された樹脂の分子量を抑制して、より水に溶けやすくしたり、所望の溶解度になるように分子量を制御したりすることができる。その結果、本発明に係る染料印刷用前処理剤で処理した被記録媒体上に、樹脂を含むインクで印刷しても、容易に除去することができる。
〔連鎖移動剤〕
本発明に係る染料印刷用前処理剤に含まれる連鎖移動剤は、重合体の分子量を調節できる化合物であれば特に限定されない。連鎖移動剤を配合することにより、染料印刷用前処理剤に光を照射して光硬化させるときに、硬化物の分子量が過大になるのを抑制して、硬化物の水溶性が改善される。
連鎖移動剤の好ましい具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、γ−メルカプトキシプロピルトリメトキシシラン等のチオール化合物、2,4−ジフェニル−4−メチル−ペンテン等を挙げることができる。
連鎖移動剤は、本発明の染料印刷用前処理剤中に、染料印刷用前処理剤全量100質量%に対して、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜4質量%、特に好ましくは0.3〜3質量%配合することが好ましい。これは、硬化物の水溶性を良好とするためである。
〔水溶性光硬化性化合物〕
本発明に係る染料印刷用前処理剤に含まれる水溶性光硬化性化合物としては、アクリルアミド系化合物、単官能(メタ)アクリレート系化合物及び、多官能(メタ)アクリレート系化合物が挙げられる。
アクリルアミド系化合物としては、例えば、C3〜15の(メタ)アクリルアミド誘導体、C5〜15の水酸基含有(メタ)アクリレート、Mn200〜1000の水酸基含有(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
C3〜15の(メタ)アクリルアミド誘導体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド(HEAA)、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
C5〜15の水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Mn200〜1000の水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びPEG−PPGブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート系化合物としては、高い極性を有する単官能(メタ)アクリレート系化合物が好ましく、好ましい具体例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、アクリロイルモルフォリン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレート系化合物としては、脂肪族ポリエーテル構造又は脂肪族ポリエステル構造を有する多官能(メタ)アクリレート系化合物が好ましく、好ましい具体例としては、ポリエチレングリコールのジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールのジアクリレート、ポリプロピレングリコールのジアクリレート及びポリエステルジオールのジアクリレート等が挙げられる。また、脂肪族ポリエーテル構造又は脂肪族ポリエステル構造を有するウレタン(メタ)アクリレートも好適に用いられる。これらの多官能(メタ)アクリレートが有する脂肪族ポリエーテル構造又は脂肪族ポリエステル構造のMnは、好ましくは600〜2000であり、さらに好ましくは800〜1500である。
以上に例示したなかでも、アミド系化合物が好ましく、ビニル基を1つ有するアクリルアミド系化合物であって、(メタ)アクリルアミドである化合物及びそのN−置換体、からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。ビニル基を1つ有するアクリルアミド系化合物であって、(メタ)アクリルアミドである化合物及びそのN−置換体、からなる群は、被記録媒体に対する接着性がより高く、且つ、水への溶解性が極めて高いので、滲みをより効果的に防止でき、且つ、被記録媒体への樹脂の残存量をより低減できる。
〔その他の成分〕
本発明に係る染料印刷用前処理剤は、上述の連鎖移動剤、水溶性光硬化性化合物以外の成分を含み得る。例えば、光硬化開始剤、増感剤及び染色助剤が挙げられる。
(光硬化開始剤)
光硬化開始剤は、光が照射されることによって、水溶性光硬化性化合物の硬化を開始させるものであればよく、例えば、光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤としては、光が照射されることによって、水溶性光硬化性化合物の重合を開始させるものであれば、特に限定されない。光重合開始剤の使用法として、光重合開始剤を一種類使用してもよく、二種類以上使用してもよく、光重合開始剤と増感剤とを使用してもよい。主な光重合開始剤及び増感剤の選定、組合せ及び配合比は、使用する光硬化性化合物及び使用装置等によって適宜選定すればよい。
光重合開始剤の主なものとしては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
(増感剤)
増感剤は、光硬化開始剤の反応を開始させることが可能なものであれば、特に限定されない。
増感剤の主なものとしては、アミン系(脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジン等)、尿素(アリル系、o−トリルチオ尿素等)、イオウ化合物(ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩等)、ニトリル系化合物(N ,N,ジ置換pアミノベンゾニトリル等)、リン化合物(トリnブチルホスフィン、ネトリウムジエチルジチオホスフィード等)、窒素化合物(ミヒラーケトン、Nニトリソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ1,3オキサジン化合物、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドとジアミンの縮合物等)、塩素化合物(四塩化炭素、ヘキサクロロエタン等)、エポキシ樹脂とアミンの反応生成物の高分子化アミン、トリエタノールアミントリアクリレート等が挙げられる。
(染色助剤)
染色助剤とは、染色工程に使用される助剤を指し、例えば、均染用助剤、緩染用助剤、促染剤、媒染剤、固着剤、還元剤、保湿剤等から、着色剤に合わせて適宜選択して用いることができる。
均染用助剤、緩染用助剤とは、均染剤、緩染剤とも称され、染色速度を遅くしてむらなく染めるための薬剤であり、例えば界面活性剤であり、繊維親和性均染剤及び染料親和性均染剤が存在する。均染剤、緩染剤としては、例えば、アミラジンL−33、ノイゲンSS、レオポール、ペレテックスP・W・S等が挙げられる。
促染剤とは、染色の起こり難い着色剤と繊維との組み合わせに対して、染着を促すための薬剤である。例えば、セルロースを直接染料で染色する場合に用いる塩化ナトリウム(食塩)、硝酸ナトリウム(芒硝)、タンパク繊維を酸性染料で染色する場合に用いる酸(塩酸、硫酸、酢酸、ギ酸)等が挙げられる。
固着剤とは、繊維と着色剤との媒介をして繊維に着染性を与える働きをする薬剤であり、これらに限定するものではないが、例えば、カタノールOH、吐酒石、フイックスソルト、フイックスMC、ナイロックス1200・700・800、シルクフイックス3A、アミゲン、クロモゾールSS、ハンノールフイックス、ソリトールN、TKS等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、尿素が挙げられる。
<被記録媒体>
本発明に係る染料印刷用前処理剤は、染料で染色できる素材であれば、様々な種類の被記録媒体に適用し得る。例えば、紙、布帛、不織布等の繊維製品、樹脂フィルムや板等が挙げられる。
<インク>
本発明に係る染料印刷用前処理剤は、様々な種類のインクによる染色の前処理剤として用い得る。
インクの種類としては、例えば、ラテックスインク、水性インク、水溶性・不水溶性光硬化型インク等が挙げられる。なお、ラテックスインクとは、バインダ樹脂が溶媒に分散又は乳濁しているインクである。
〔染料〕
本発明に係る染料印刷用前処理剤で前処理した後に用い得るインクに含まれる染料としては、例えば、反応染料、酸性染料、分散染料、直接染料、バット染料、硫化染料、ナフトール染料及びカチオン染料等が挙げられる。これらは一種で用いてもよく複数種が混合されていてもよい。
染料の種類は、被記録媒体の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、綿、絹等の素材の場合には反応染料が好ましく用いられ、ナイロン、羊毛、絹、レーヨン等の素材の場合は酸性染料及び直接染料が好ましく用いられる。また、ポリエステル、アセテート、ナイロン素材の場合には分散染料が好ましく用いられる。但し、これらの例に限定されることはない。
反応染料としては、例えばピラゾロンアゾ系、ベンゼンアゾ系、ナフタレンアゾ系、ピリドンアゾ系、J酸アゾ系、H酸アゾ系、K酸アゾ系、アントラキノン系、金属錯塩型モノアゾ系、ホルマザン系、フタロシアニン系、ジスアゾ系、アジン系、ジオキサジン系等が挙げられる。また反応基としては、ビニルスルホン型、ジクロロトリアジン型、モノフロロトリアジン型、トリクロロピリミジン型、ビニルスルホン及びモノクロロトリアジン型等の多官能型等が挙げられる。
より具体的には、
C.I.Reactive Yellow 2,3,7,15,17,18,22,23,24,25,27,37,39,42,57,69,76,81,84,85,86,87,92,95,102,105,111,125,135,136,137,142,143,145,151,160,161 ,165,167,168,175,176、
C.I.Reactive Orange 1,4,5,7,11,12,13,15,16,20,30,35,56,64,67,69,70,72,74,82,84,86,87,91,92,93,95,107、
C.I.Reactive Red2,3,3:1,5,8,11,21,22,23,24,28,29,31,33,35,43,45,49,55,56,58,65,66,78,83,84,106,111,112,113,114,116,120,123,124,128,130,136,141,147,158,159,171,174,180,183,184,187,190,193,194,195,198,218,220,222,223,228,235、
C.I.Reactive Violet 1,2,4,5,6,22,23,33,36,38、
C.I.Reactive Blue 2,3,4,7,13,14,15,19,21,25,27,28,29,38,39,41,49,50,52,63,69,71,72,77,79,89,104,109,112,113,114,116,119,120,122,137,140,143,147,160,161,162,163,168,171,176,182,184,191,194,195,198,203,204,207,209,211,214,220,221,222,231,235,236、
C.I.Reactive Green 8,12,15,19,21、
C.I.Reactive Brown 2,7,9,10,11,17,18,19,21,23,31,37,43,46、
C.I.Reactive Black 5,8,13,14,31,34,39等が挙げられる。
酸性染料としては、例えば、ピラゾロンアゾ、ベンゼンアゾ等のモノアゾ系、キニザリンやブロマミンといったアントラキノン系、ポリアゾ系、トリアリルメタン系、キサンテン系、ニトロ系、金属錯塩型等が挙げられる。
より具体的には、
C.I.Acid Yellow 1,3,11,17,18,19,23,25,36,38,40,40:1,42,44,49,59,59:1,61,65,67,72,73,79,99,104,159,169,176,184,193,200,204,207,215,219 219:1,220,230,232,235,241,242,246、
C.I.Acid Orange 3,7,8,10,19,24,51,51S,56,67,74,80,86,87,88,89,94,95,107,108,116,122,127,140,142,144,149,152,156,162,166,168、
C.I.Acid Red 1,6,8,9,13,18,27,35,37,52,54,57,73,82,88,97,97:1,106,111,114,118,119,127,131,138,143,145,151,183,195,198,211,215,217,225,226,249,251,254,256,257, 260,261,265,266,274,276,277,289,296,299,315,318,336,337,357,359,361,362,364,366,399,407,415、
C.I.Acid Vioret 17,19,21,42,43,47,48,49,54,66,78,90,97,102,109,126、
C.I.Acid Blue 1,7,9,15,23,25,40,61:1,62,72,74,80,83,90,92,103,104,112,113,114,120,127,127:1,128,129,138,140,142,156,158,171,182,185,193,199,201,203,204,205,207,209,220,221,224,225,229,230,239,258,260,264,277:1,278,279,280,284,290,296,298,300,317,324,333,335,338,342,350、
C.I.Acid Green 9,12,16,19,20,25,27,28,40,43,56,73,81,84,104,108,109、
C.I.Acid Brown 2,4,13,14,19,28,44,123,224,226,227,248,282,283,289,294,297,298,301,355,357,413、
C.I.Acid Black 1,2,3,24,24:1,26,31,50,52,52:1,58,60,63,63S,107,109,112,119,132,140,155,172,187,188,194,207,222、等があげられる。
分散染料としては、例えば、水に難溶性で水中に分散した染料であって、一般に疎水性繊維の染色に用いられる染料が好ましい。例えば、ポリエステル繊維及びアセテート繊維等の繊維の染色に用いられているベンゼンアゾ系(モノアゾ、ジスアゾ等)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、ベンゾシアゾールアゾ、キノリンアゾ、ピリジンアゾ、イミダゾールアゾ、チオフェノンアゾ等)、アントラキノン系、縮合系(キノフタリン、スチリン、クマリン)などが挙げられる。
より具体的には、
C.I.Disperse Yellow 3,4,5,7,9,13,23,24,30,33,34,42,44,49,50,51,54,56,58,60,63,64,66,68,71,74,76,79,82,83,85,86,88,90,91,93,98,99,100,104,108,114,116,118,119,122,124,126,135,140,141,149,160,162,163,164,165,179,180,182,183,184,186,192,198,199,202,204,210,211,215,216,218,224,227,231,232、
C.I.Disperse Orange 1,3,5,7,11,13,17,20,21,25,29,30,31,32,33,37,38,42 ,43,44,45,47,48,49,50,53,54,55,56,57,58,59,61,66,71,73,76,78,80,89,90,91,93,96,97,119,127,130,139,142、
C.I.Disperse Red 1,4,5,7,11,12,13,15,17,27,43,44,50,52,53,54,55,56,58,59,60,65,72,73,74,75,76,78,81,82,86,88,90,91,92,93,96,103,105,106,107,108,110,111,113,117,118,121,122,126,127,128,131,132,134,135,137,143,145,146,151,152,153,154,157,159,164,167,169,177,179,181,183,184,185,188,189,190,191,192,200,201,202,203,205,206,207,210,221,224,225,227,229,239,240,257,258,277,278,279,281,288,298,302,303,310,311,312,320,324,328、
C.I.Disperse Violet 1,4,8,23,26,27,28,31,33,35,36,38,40,43,46,48,50,51,52,56,57,59,61,63,69,77、
C.I.Disperse Green 9、
C.I.Disperse Brown 1,2,4,9,13,19、
C.I.Disperse Blue 3,7,9,14,16,19,20,26,27,35,43,44,54,55,56,58,60,62,64,71,72,73,75,79,81,82,83,87,91,93,94,95,96,102,106,108,112,113,115,118,120,122,125,128,130,139,141,142,143,146,148,149,153,154,158,165,167,171,173,174,176,181,183,185,186,187,189,197,198,200,201,205,207,211,214,224,225,257,259,267,268,270,284,285,287,288,291,293,295,297,301,315,330,333、
C.I.Disperse Black 1,3,10,24、等が挙げられる。
直接染料としては、例えば、ポリアゾ系、トリジン系、ジアニシジンアゾ系、スチルベンアゾ系、などが挙げられる。
本発明に係る染料印刷用前処理剤で前処理した後に用い得るインクに直接染料が含まれる場合の好ましい具体例を以下に示す。ただし、これらに例示した化合物に限定されるものではない。
C.I.Direct Yellow 8,9,10,11,12,22,27,28,39,44,50,58,86,87,98,105,106,130,137,142,147,153、
C.I.Direct Orange 6,26,27,34,39,40,46,102,105,107,118、
C.I.Direct Red 2,4,9,23,24,31,54,62,69,79,80,81,83,84,89,95,212,224,225,226,227,239,242,243,254、
C.I.Direct Violet 9,35,51,66,94,95、
C.I.Direct Blue 1,15,71,76,77,78,80,86,87,90,98,106,108,160,168,189,192,193,199,200,201,202,203,218,225,229,237,244,248,251,270,273,274,290,291、
C.I.Direct Green 26,28,59,80,85、
C.I.Direct Brown 44,44:1,106,115,195,209,210,212:1,222,223、
C.I.Direct Black 17,19,22,32,51,62,108,112,113,117,118,132,146,154,159,169、等があげられる。
染料は市販品のまま使用してもよいが、精製処理を行うのが好ましく、精製方法としては公知の再結晶方法、洗浄等を用いることができる。精製方法及び精製処理に用いる有機溶媒は染料の種類に応じて、適宜選択することが好ましい。またインク中の分散染料含有量としては0.1〜20質量% が好ましい。
〔その他の成分〕
本発明に係る染料印刷用前処理剤で前処理した後に用い得るインクは、上述の染料以外の成分を含み得る。例えば、樹脂、増感剤、添加剤、染色助剤、水溶性溶剤が挙げられる。
(樹脂)
本発明に係る染料印刷用前処理剤で前処理した後に用い得るインクに含み得る樹脂及びその単量体成分としては、様々なものが挙げられる。例えば、ラテックス、紫外線等の光によって重合するオリゴマー等が挙げられる。
(添加剤)
添加剤としては、公知の界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、分散剤、染色助剤等を必要に応じて添加すればよい。
界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることができる。陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(たとえばエマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(たとえばニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。また、インク全量に対して、例えば0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することができ好ましい。
インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。防腐剤、防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(例えばPreventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えばPROXEL GXL)等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に係る染料印刷用前処理剤で前処理した後に用い得るインクが反応染料、酸性染料、分散染料、直接染料、バット染料、硫化染料、ナフトール染料及びカチオン染料等を含む形態において、上述の染料は、分散剤、湿潤剤、媒体及び任意の添加剤と混合し、分散機を用いることで分散させられる。
湿潤剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−エチルへキシルスルホ琥珀酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、フェノールの酸化エチレン付加物、アセチレンジオールの酸化エチレン付加物等が挙げられる。
分散剤としては、例えば、クレオソート油スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(例えばデモールC)、クレゾールスルホン酸ナトリウムと2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフタリンスルホン酸ナトリウム(例えばデモールN)とβ−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩(例えばバニレックスRN)、パラフィンスルホン酸ナトリウム(例えばエフコール214)、α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合物(例えばフローレンG−700)等が挙げられる。これらの分散剤は単独で使用してもよいが併用してもよい。
(染色助剤)
染色助剤については、本発明に係る染料印刷用前処理剤の含み得る染色助剤について行なった説明に準じる。
(水溶性溶剤)
水溶性溶剤としては、非硬化性の水溶性化合物で、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等の硬化性の官能基を有しない化合物であればよい。例えば、多価アルコール類、アミン類、一価アルコール類、多価アルコールのアルキルエーテル類、アミド類、複素環類、アセトニトリル、2,2’−チオジエタノール等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5− ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、エタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール等が挙げられる。
一価アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。
多価アルコールのアルキルエーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
複素環類としては、例えば、2−ピロリドン等が挙げられる。
<印刷物の製造方法>
本発明に係る印刷物の製造方法は、被記録媒体上に、連鎖移動剤及び水溶性光硬化性化合物を含む染料印刷用前処理剤を塗布して、光を照射することでコート層を形成するコート層形成工程と、当該コート層の上に染料を含むインクを塗布する印刷工程と、印刷工程の後に、上記染料を発色させる発色工程と、発色工程の後に、上記コート層を除去するコート層除去工程と、を包含する。上述した本発明に係る染料印刷用前処理剤を用いるので、様々な種類のインクによって印刷を行なうことができる。
図1を用いて本発明の一実施形態に係る印刷物の製造方法について説明する。図1は、本発明に係る印刷物の製造方法の一実施形態の手順について模式的に示す図である。
本実施形態では、染料印刷用前処理剤が、本発明に係る染料印刷用前処理剤の一実施形態であって、水溶性光硬化化合物として、紫外線硬化化合物を含むものとして説明する。なお、以下、本実施形態において、染料印刷用前処理剤を単に「前処理剤」という。また、印刷工程で用いる、染料を含むインクも、紫外線硬化インクを用いる。以下、本実施形態において、染料を含むインクを単に「着色インク」という。
また、本実施形態では、被記録媒体10は、布帛である場合について説明する。ただし、上述のとおり、本発明に係る染料印刷用前処理剤は、様々な被記録媒体に対して用いることができる。
〔コート層形成工程〕
図1の(a)に示すように、コート層形成工程では、被記録媒体10の上に、前処理剤を塗布する。前処理剤の塗布は、IJヘッド1を矢印X方向(副走査方向)に移動させながら、前処理剤を吐出することによって行なう。
UV−LEDランプ2はIJヘッド1の副走査方向に隣接して設けられている。IJヘッド1及びUV−LEDランプ2が矢印X方向に移動することで、IJヘッド1から吐出された前処理剤に対して、UV−LEDランプ2から発せられた紫外線が照射される。これにより、前処理剤が硬化して、UV硬化水溶性コート層L1が形成される。また、前処理剤は印刷直後にUV硬化定着されることにより、滲み止めがされる。なお、被記録媒体10は、主走査方向(副走査方向に直交する方向)に適宜搬送される。
また、本実施形態では、前処理剤に紫外線を照射する器具としてUV−LEDを用いるが、光を照射するための器具はこれに限定されない。
また、前処理剤を塗布する方法は特に限定されないが、本実施形態のようにインクジェット法で塗布することが好ましい。インクジェット法を用いることで、所望の場所に精度良く前処理剤を塗布することができる。また、インクジェット法を用いると、一つのキャリッジに、前処理剤のヘッド及び、着色インクのヘッドを搭載することで、一つの装置で印刷物を製造することができる。
〔印刷工程〕
次に、図1の(b)に示すように、印刷工程では、UV硬化水溶性コート層L1の上に、着色インクを塗布する。着色インクの塗布は、IJヘッド1を矢印X方向に移動させながら、IJヘッド1から吐出することで行なう。IJヘッド1及びUV−LEDランプ2が矢印X方向に移動することで、IJヘッド1から吐出された着色インクに、UV−LEDランプ2から発せられた紫外線が照射される。これにより、分散染料インクコート層L2が被記録媒体10上の表面側のUV硬化水溶性コート層L1上に形成される。また、当該インクは印刷直後にUV硬化定着され、滲み止めがされる。また、UV硬化水溶性コート層L1が受容層として働いていることによっても、着色インクの滲み止めがされる。従って、高画質の印刷物を製造することができる。ここで、印刷工程では、乾燥性向上のため、プリントヒーターを適用しながら行ってもよい。
また、本実施形態では、着色インクはUV硬化インクを用いるが、インクはこれに限定されない。例えば、インクの種類としては、ラテックスインク又は水性インクを用いてもよい。
〔発色工程〕
次に、図1の(c)に示すように、着色インクに含まれる染料を発色させる発色工程を行なう。発色工程は、赤外線ランプ3若しくはヒータ4等を用いて加熱する方法又は高温水蒸気で蒸し加熱を行う方法を用いる。このとき、分散染料インクコート層L2中の分散染料が、UV硬化水溶性コート層L1を通り、被記録媒体10中に拡散して、発色する。これにより染色層L3が形成される。
なお、本実施形態では、赤外線ランプ及びヒータを用いて加熱することで染料の発色を行なった。しかし、本発明に係る印刷物の製造方法の発色工程を行なう方法は、これに限定されるものではなく、染料を発色させることができればよい。例えば、加熱することで発色工程を行なう場合においても、加熱手段として様々なものを用いることができる。
〔コート層除去工程〕
次に、図1の(d)に示すように、コート層除去工程では、分散染料インクコート層L2及び、その上に残留したUV硬化水溶性コート層L1を水洗により除去する。これにより、被記録媒体10内に拡散して発色した染色層L3が残り、印刷物が得られる。
コート層除去工程を行なう具体的な方法は、コート層が除去することができればよく、例えば、水洗により好適に行うことができる。水溶性光硬化性化合物を含むため、水洗により除去しやすいからである。また、コート層を除去するための洗浄液は水に限定されるものではなく、親水性の溶媒など、コート層を溶解可能なものであればよい。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
<実施例>
染料印刷用前処理剤の組成例1、2を、それぞれ以下の表1及び表2に示す。
Figure 0006355548
Figure 0006355548
<インクの組成例>
染料印刷用前処理剤で前処理した後に用いるインクの組成例を以下の表3に示す。
Figure 0006355548
<各布帛種に対する印刷物の製造条件>
表3に各布帛種に対する印刷物の製造条件の具体例を示す。
Figure 0006355548
なお、発色方法及び発色条件並びに、コート層除去方法については、インク種に応じて既存の方法を用いる。また、表中の「○」は、各布帛種に対して、特に好ましく使用できたことを示している。シルクについては、反応染料にも酸性染料にも特に好適に用いることができたことを示している。
本発明は、染料を含むインクであれば、水溶性光硬化型インク以外のインクで印刷する場合でも、染料印刷用前処理剤として利用できる。

Claims (6)

  1. 連鎖移動剤及び水溶性光硬化性化合物を含むことを特徴とする染料印刷用前処理剤。
  2. 上記水溶性光硬化性化合物がアミド系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の染料印刷用前処理剤。
  3. 上記水溶性光硬化性化合物がビニル基を1つ有するアクリルアミド系化合物であって、(メタ)アクリルアミドである化合物及びそのN−置換体、からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の染料印刷用前処理剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の染料印刷用前処理剤を含むことを特徴とする染料及び樹脂を含むインクで印刷するための前処理剤。
  5. 被記録媒体上に、連鎖移動剤及び水溶性光硬化性化合物を含む染料印刷用前処理剤を塗布して、光を照射することでコート層を形成するコート層形成工程と、
    当該コート層の上に染料を含むインクを塗布する印刷工程と、
    印刷工程の後に、上記染料を発色させる発色工程と、
    発色工程の後に、上記コート層を除去するコート層除去工程と、
    を包含する印刷物の製造方法。
  6. 上記染料を含むインクは樹脂を含む、請求項5に記載の印刷物の製造方法。
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