JP2016065213A - インク組成物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法および記録媒体の再利用方法 - Google Patents

インク組成物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法および記録媒体の再利用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録媒体上から除去可能な画像の記録および除去を良好な作業性で実現する。
【解決手段】本発明に係る記録媒体上にインクジェット方式を用いて画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像を除去するためのインク組成物、ならびに記録媒体上にインクジェット方式を用いて形成した画像層の下地となり、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像層を除去するためのインク組成物は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、記録媒体上にインクジェット方式を用いて画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像を除去するためのインク組成物および記録媒体の再利用方法、ならびに記録媒体上にインクジェット方式を用いて形成した画像層の下地となり、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像層を除去するためのインク組成物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法および記録媒体の再利用方法に関する。
一般的に、記録装置による記録媒体への記録は不可逆的であり、一度記録した画像を除去して当該記録媒体を繰り返して使用することはできない。環境負荷を考慮した場合、特に短期的に内容変更される表示については、記録媒体を再利用することが望ましい。また、一度記録した画像を除去した後に、再度の画像の記録が可能であれば、記録媒体への印字ミス等への対応も可能である。
そこで、特許文献1には、記録媒体への画像の記録と記録媒体からの画像の除去とを可逆的に行うことを可能にした記録媒体が開示されている。特許文献1には、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態とが形成される記録媒体が開示されている。当該記録媒体では、サーマルヘッド等により一度記録媒体を加熱して急冷することにより画像が記録され、記録媒体を加熱状態から徐冷することにより画像が除去される。
しかし、特許文献1に開示されている記録媒体では、フルカラー印刷であったり、高解像度の印刷であったりが困難である。そこで、特許文献2には、記録媒体表面に除去可能な有機被膜を形成し、当該有機被膜の表面上に電子写真方式、熱転写方式あるいはインクジェット方式等で形成した画像を、当該有機被膜と共に除去する技術が開示されている。
また、特許文献3には、記録媒体の表面に樹脂成分としてヒドロキシプロピルセルロ−スを含有させた表面層を形成し、当該記録媒体の表面上に水性インクにより画像を記録した後、水で洗浄することによって、記録された画像を除去する技術が開示されている。
なお、特許文献4には、布帛上に、外部エネルギー線の照射により重合可能な水溶性化合物を含む捺染用インクジェットインクを印字した後、水溶性化合物に対して外部エネルギー線を照射して重合化合物を生成し、次いで未反応の重合可能な水溶性化合物および重合化合物を布帛より除去する水洗浄処理を経て画像を記録する技術が開示されている。
この技術は、捺染用インクジェットインクに含まれる水溶性化合物、および外部エネルギー線の照射によって生成された重合化合物を除去するものであり、布帛上に記録された画像を除去する技術とは異なる。
特開平10−95175号公報(1998年4月14日公開) 特開2000−89630号公報(2000年3月31日公開) 特開平8−324103号公報(1996年12月10日公開) 特開2006−144180号公報(2006年6月8日公開)
しかしながら、特許文献2および3に開示されている技術では、記録媒体への画像の記録および記録媒体からの画像の除去の作業性が低い。具体的には、特許文献2に開示されている技術では、記録媒体に画像を記録するときには、記録媒体表面に有機被膜を形成した後に、当該有機被膜を乾燥させるために、当該記録媒体を40〜100℃で加熱する作業が必要である。そして、記録媒体から画像を除去するときには、水または有機溶剤に浸漬する作業が必要である。
また、特許文献3に開示されている技術では、予め記録媒体に表面層を形成する作業が必要である。そして、記録媒体から画像を除去するときには、水に浸漬する作業が必要である。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録媒体上から除去可能な画像の記録および除去を良好な作業性で実現する、記録媒体上にインクジェット方式を用いて画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像を除去するためのインク組成物および記録媒体の再利用方法、ならびに記録媒体上にインクジェット方式を用いて形成した画像層の下地となり、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像層を除去するためのインク組成物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法および記録媒体の再利用方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る記録媒体上にインクジェット方式を用いて画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像を除去するためのインク組成物(以下、単に「本発明の一態様に係るインク組成物」という。)は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む。
本発明の一態様に係るインク組成物によって画像を記録媒体上に記録すれば、記録媒体上に吐出して硬化させたインク組成物を、そのまま溶媒で除去することができる。すなわち、本発明の一態様に係るインク組成物を用いれば、通常の記録工程で画像を記録できるため、除去可能な画像を記録するために通常の記録工程に加えて新たな工程が不要であり、作業工程が簡素である。また、本発明の一態様に係るインク組成物は、光によって硬化されるため、速乾性があり作業性を良好にする。
そして、記録媒体から画像を除去するときには、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上のインク組成物を拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係るインク組成物は、記録媒体上から容易に除去可能な画像の記録および除去を良好な作業性で実現することができる。
また、本発明の一態様に係るインク組成物は、連鎖移動剤をさらに含む。
上記の構成によれば、インクの分子量が抑えられるため、当該溶媒により溶解しやすくなり、記録媒体から画像をより除去しやすくなる。
また、本発明の一態様に係るインク組成物においては、上記インク組成物を溶解するための上記溶媒は、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤である。
上記の構成によれば、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤を含浸させた含浸部材で記録媒体上のインクを拭き取るだけで画像を除去することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る記録媒体の再利用方法は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含むインクを用いて、記録媒体上にインクジェット方式で画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、当該インクを当該溶媒で溶解して上記記録媒体上から上記画像を除去する。
上記の方法によれば、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上のインクを拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係る記録媒体の再利用方法は、記録媒体上から容易に除去可能な画像の除去を良好な作業性で実現することができる。
さらに、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る記録媒体上にインクジェット方式を用いて形成した画像層の下地となり、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像層を除去するためのインク組成物(以下、単に「本発明の一態様に係るインク組成物」という。)は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む。
本発明の一態様に係るインク組成物によって画像層の下地となるコート層を形成すれば、当該コート層上に画像層を形成して画像を記録媒体上に記録するため、記録媒体上のコート層をそのまま溶媒で除去することにより画像層も除去され、画像を除去することができる。すなわち、本発明の一態様に係るインク組成物を用いれば、通常の記録工程でコート層を形成することができるため、除去可能な画像を記録するために通常の記録工程に加えて新たな工程が不要であり、作業工程が簡素である。また、本発明の一態様に係るインク組成物は、光によって硬化されるため、速乾性があり作業性を良好にする。
そして、記録媒体から画像を除去するときには、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上のコート層および画像層を拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係るインク組成物は、記録媒体上から容易に除去可能な画像の記録および除去を良好な作業性で実現することができる。
また、本発明の一態様に係るインク組成物は、連鎖移動剤をさらに含む。
上記の構成によれば、インクの分子量が抑えられるため、当該溶媒により溶解しやすくなり、記録媒体から画像をより除去しやすくなる。
また、本発明の一態様に係るインク組成物においては、上記インク組成物を溶解させるために使用する上記溶媒は、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤である。
上記の構成によれば、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤を含浸させた含浸部材で記録媒体上のインクを拭き取るだけで画像を除去することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクでコート層を記録媒体上に形成し、第2インクで画像層を当該コート層上に形成する記録ヘッドと、上記記録媒体上の上記第1インクに光を照射する照射手段と、を備える。
上記の構成によれば、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクからなるコート層を形成し、当該コート層上に第2インクからなる画像を形成して画像を記録媒体上に記録するため、記録媒体上のコート層をそのまま溶媒で除去することにより画像層も除去され、画像を除去することができる。コート層は通常の記録工程で形成することができるため、記録工程に加えて新たな工程が不要であり、作業工程が簡素である。また、記録ヘッドから吐出される第1インクは、記録媒体上に吐出されると同時に照射手段からの光によって硬化されるため、当該第1インクを乾燥させる工程も不要である。また、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクからなるコート層を記録ヘッドで印刷し、塗膜形成するため、記録する画像の有効画素の部分、または記録後除去したい画像の任意の部分にのみコート層の形成が可能である。そのため、必要な部分にのみ第1インクを使用することにより、第1インクの使用コストの削減およびコート層の除去の容易性が高まる。
そして、記録媒体から画像を除去するときには、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上のコート層および画像層を拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置は、記録媒体上から容易に除去可能な画像の記録を良好な作業性で実現することができる。
また、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置においては、上記記録ヘッドは、上記画像層を網点印刷して形成する。
上記の構成によれば、画像層に任意の間隔で隙間が形成されていることにより、当該隙間から溶媒が入り込み、コート層まで到達しやすくなる。その結果、溶媒によってコート層をより効果的に除去することができる。
また、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置においては、上記コート層の印刷範囲の大きさは、上記画像層の印刷範囲の大きさ以上である。
上記の構成によれば、溶媒によってコート層をより効果的に除去することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るインクジェット記録方法は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクでコート層を記録媒体上に形成すると同時に、第2インクで画像を当該コート層上に形成する工程と、上記記録媒体上の上記第1インクに光を照射する工程と、を含む。
上記の方法によれば、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置と同等の効果を奏することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る記録媒体の再利用方法は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む第1インクを用いて、記録媒体上にインクジェット方式でコート層を形成し、当該コート層上に第2インクを用いて、インクジェット方式で画像層を形成し、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、当該コート層を当該溶媒で溶解して上記記録媒体上から上記画像層を除去する。
上記の方法によれば、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上の第1インク(コート層)を拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係る記録媒体の再利用方法は、記録媒体上から容易に除去可能な画像の除去を良好な作業性で実現することができる。
本発明は、記録媒体上から除去可能な画像の記録および除去を良好な作業性で実現することができる。
本発明の実施形態1に係るインクジェット記録装置の模式図である。 図中の(a)〜(c)は、メディアに対する画像の記録から画像の除去までの工程におけるメディアの正面図および断面図である。 本発明の実施形態1に係るメディアの正面図である。 本発明の実施形態2に係るインクジェット記録装置の模式図である。 図中の(a)および(b)は、本発明の実施形態2に係る記録ヘッドにおける各ノズル列の配置例を示す図である。 図中の(a)〜(d)は、メディアに対する画像の記録から画像の除去までの工程におけるメディアの正面図および断面図である。
≪実施形態1≫
以下、本発明の実施形態1について説明する。
(インク組成物A)
本発明に係る記録媒体上にインクジェット方式を用いて画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像を除去するためのインク組成物A(以下、単に「本発明に係るインク組成物A」という。)は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む。
〔光硬化性化合物〕
光硬化性化合物としては、例えば、光で硬化(光重合)し、硬化した状態で溶媒によって溶解(分解)するモノマーが挙げられる。中でも、紫外線で硬化(光重合)し、硬化した状態で溶媒によって溶解(分解)するモノマーが挙げられる。溶解するための溶媒としては、水が、環境への負荷、扱いの容易さ等の観点から好ましいため、光硬化性化合物としては、水溶性光硬化性化合物がより好ましい。
水溶性光硬化性化合物としては、例えば、アミド系化合物、ポリオール、C5〜15の水酸基含有(メタ)アクリレート、数平均分子量200〜1000の水酸基含有(メタ)アクリレート、炭素数2〜3のアルキル基を有するN,N−ジメチルアルキル(メタ)アクリレート、並びにこれらの塩、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールのグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールのエチレンオキシド付加化合物の(メタ)アクリル酸エステル、多塩基酸無水物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、モルホリンアクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコール、#700ジメタクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
以上に例示した中でも、アミド系化合物が好ましく、ビニル基を1つ有するアクリルアミド系化合物であって、(メタ)アクリルアミドである化合物およびそのN−置換体、からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。ビニル基を1つ有するアクリルアミド系化合物であって、(メタ)アクリルアミドである化合物およびそのN−置換体、からなる群は、メディアに対する接着性がより高く、且つ、水への溶解性が極めて高いので、メディアへの樹脂の残存量をより低減できる。
印刷を施したメディアを屋外等、水に濡れる可能性のある場所で用いる場合には、硬化後に弱アルカリ水溶液または有機溶剤で溶解する光硬化性樹脂を用いることが好ましい。
〔硬化後のインク組成物Aを溶解するための溶媒〕
本発明に係るインク組成物Aを溶解するための溶媒は、光で硬化した状態のインク組成物Aを溶解するものである。例えば、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤等が挙げられる。弱アルカリ水溶液としては、炭酸水素ナトリウム水溶液または苛性ソーダ水溶液等を用いることができ、有機溶剤としては、エタノールまたはイソプロピルアルコール等のアルコール類等を用いることができる。
〔連鎖移動剤〕
本発明に係るインク組成物Aに含まれる連鎖移動剤は、重合体の分子量を調節できる化合物であれば特に限定されない。連鎖移動剤を配合することにより、インク組成物Aを照射して光硬化させるときに、硬化物の分子量が過大になるのを抑制して、硬化物の水溶性が改善される。
連鎖移動剤の好ましい具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、γ−メルカプトキシプロピルトリメトキシシラン等のチオール化合物、2,4−ジフェニル−4−メチル−ペンテン等を挙げることができる。
連鎖移動剤は、本発明に係るインク組成物A中に、インク全量100質量%に対して、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜4質量%、特に好ましくは0.3〜3質量%配合することが好ましい。これは、硬化物の水溶性を良好とするためである。
〔着色剤〕
本発明に係るインク組成物Aは、所望の色を表現するための着色剤を含んでもよい。着色剤としては、公知の顔料、染料が挙げられる。顔料としては、例えば、イエロー、マゼンダ、シアン、カーボンブラック等の公知の顔料が挙げられる。
〔光硬化開始剤〕
本発明に係るインク組成物Aに含まれる光硬化開始剤は、光が照射されることによって、光硬化性化合物の硬化を開始させるものであればよく、例えば、光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤としては、光が照射されることによって、光硬化性化合物の重合を開始させるものであれば、特に限定されない。光重合開始剤の使用法として、光重合開始剤を一種類使用してもよく、二種類以上使用してもよく、光重合開始剤と増感剤とを使用してもよい。主な光重合開始剤および増感剤の選定、組合せおよび配合比は、使用する光硬化性化合物および使用装置等によって適宜選定すればよい。
光重合開始剤の主なものとしては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
〔その他の成分〕
本発明に係るインク組成物Aは、上述の光硬化性化合物、光硬化開始剤および連鎖移動剤以外の成分を含み得る。例えば、増感剤等添加剤、水溶性溶剤が挙げられる。
〔増感剤〕
増感剤は、光硬化開始剤の反応を開始させることが可能なものであれば、特に限定されない。
増感剤の主なものとしては、アミン系(脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジン等)、尿素(アリル系、o−トリルチオ尿素等)、イオウ化合物(ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩等)、ニトリル系化合物(N ,N,ジ置換pアミノベンゾニトリル等)、リン化合物(トリnブチルホスフィン、ネトリウムジエチルジチオホスフィード等)、窒素化合物(ミヒラーケトン、Nニトリソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ1,3オキサジン化合物、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとジアミンの縮合物等)、塩素化合物(四塩化炭素、ヘキサクロロエタン等)、エポキシ樹脂とアミンの反応生成物の高分子化アミン、トリエタノールアミントリアクリレート等が挙げられる。
〔添加剤〕
これまで説明した成分以外の添加剤としては、公知の界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、分散剤等を必要に応じて添加すればよい。
界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることができる。陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2 級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(たとえばエマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(たとえばニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。また、インク全量に対して、例えば0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インク組成物Aの表面張力を任意に調整することができ好ましい。
インク組成物Aの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク組成物A中に添加してもかまわない。防腐剤、防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(例えばPreventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えばPROXEL GXL)等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に係るインク組成物Aが分散染料を含む形態において、分散染料は、分散剤、湿潤剤、媒体および任意の添加剤と混合し、分散機を用いることで分散させられる。
分散染料の分散に好ましい湿潤剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−エチルへキシルスルホ琥珀酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、フェノールの酸化エチレン付加物、アセチレンジオールの酸化エチレン付加物等である。
分散剤としては、例えば、クレオソート油スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(例えばデモールC)、クレゾールスルホン酸ナトリウムと2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフタリンスルホン酸ナトリウム(例えばデモールN)とβ−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩(例えばバニレックスRN)、パラフィンスルホン酸ナトリウム(例えばエフコール214)、α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合物(例えばフローレンG−700)等が挙げられる。これらの分散剤は単独で使用してもよいが併用してもよい。
(インクジェット記録装置1)
以下、本発明に係るインク組成物Aを吐出するためのインクジェット記録装置の一実施形態について、図1を用いて説明する。図1は、インクジェット記録装置1の模式図である。
インクジェット記録装置1はYバー5およびキャリッジ10を備えている。インクジェット記録装置1は、メディアM(記録媒体)に対して記録を行なうものであり、図1ではメディアMが載置台(図示せず)に載置されている。
〔Yバー5〕
Yバー5は一方向に延在している。Yバー5が延在する方向はインクジェット記録装置1の主走査方向である。換言すれば、主走査方向とは載置台の面方向に平行な一方向である。なお、主走査方向に垂直であって、載置台の面方向に平行な方向が副走査方向である。メディアMは副走査方向に搬送される。
〔キャリッジ10〕
キャリッジ10はYバー5に取り付けられており、主走査方向に往復移動をする。これにより、キャリッジ10は載置台に対して相対的に移動し、その結果、後述する記録ヘッド11が載置台に対して相対的に移動する。本実施形態では、主走査方向においては、記録ヘッド11が移動し、メディアMは主走査方向に移動しない形態について説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、記録ヘッド11が固定されており、メディアMが主走査方向に往復移動するものであってもよい。
キャリッジ10は、記録ヘッド11、左照射部12A(照射手段)、および右照射部12B(照射手段)を備えている。
〔記録ヘッド11〕
記録ヘッド11はメディアMに対してインクを吐出するものである。具体的には、記録ヘッド11には複数のノズル列が形成されている。各ノズル列には、複数のノズルが形成されており、各ノズルからインクが吐出される。
インクとしては、後述する左照射部12Aおよび右照射部12Bにより照射される光で硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解されるものであればよく、上述の本発明に係るインク組成物Aが好適に用いられる。
溶媒による溶解性を高めるために、インクには連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤により、インクの分子量が抑えられるため、溶媒により溶解しやすくなる。
〔左照射部12Aおよび右照射部12B〕
左照射部12Aおよび右照射部12Bは、記録ヘッド11より吐出されたインクに光を照射するためのものである。記録ヘッド11から吐出されたインクは、左照射部12Aおよび右照射部12Bから照射された光により硬化する。光としては、記録ヘッド11から吐出されたインクを硬化させるものであればよい。例えば、インクが紫外線硬化型インクである場合には、左照射部12Aおよび右照射部12Bは、紫外線を照射することが好ましい。
左照射部12Aおよび右照射部12Bは、主走査方向に並び、かつ、左照射部12Aと右照射部12Bとの間に記録ヘッド11が配置されるように、配置されている。これにより、左照射部12Aおよび右照射部12Bは、記録ヘッド11の移動方向と同方向、すなわち主走査方向に移動する。
〔メディア〕
メディアMについては、画像除去時に使用するインク組成物Aの光硬化性樹脂を溶解させる溶媒によって、メディアMを劣化させない素材またはメディアMを侵さない素材であればよく、材料について限定はない。
(画像の記録および画像の除去)
以下、インクジェット記録装置1によるインクジェット記録方法およびインク除去方法について、図2を参照して詳細に説明する。図2の(a)〜(c)は、メディアMに対する画像の記録から画像の除去までの工程におけるメディアMの正面図および断面図である。
まず、メディアMが載置台上に搬送されると、キャリッジ10をYバー5に沿って主走査方向へ往復移動させながら、記録ヘッド11の下面に形成されたノズルからインクIとして本発明に係るインク組成物Aを吐出させて、所望のパターンでメディアMに付着させる。
この走査が行われているとき、キャリッジ10に搭載された左照射部12Aおよび右照射部12Bが光を照射している。これにより、記録ヘッド11から吐出されたインクIの硬化が進み、当該インクIがメディアMに対して十分に定着した状態になる。換言すれば、例えば看板等、製造する印刷物が所望の目的に使用できる程度に、インクIがメディアMに定着するようにインクIを硬化させる。
この走査が終わり、図2の(a)に示すように、メディアM上に所望の画像が形成されると、メディアMは載置台上から搬送される。以上までがインクジェット記録装置1によるインクジェット記録方法である。
続いて、メディアM上に形成した画像を除去する場合は、図2の(b)に示すように、溶媒を含浸させた含浸部材(例えば、布等)を用いて、メディアM上のインクIを拭き取る。これにより、含浸部材に含浸された溶媒が、メディアM上に定着しているインクIを溶解するため、当該インクIがメディアM上から除去される。除去の際に、必要に応じて溶媒によるインクIの溶解度を上げるために、溶媒の温度を30℃から溶媒の沸点よりも低い温度までに昇温するとよい。このようにして、メディアM上からインクIを完全に除去することにより、図2の(c)に示すように、メディアM上から画像が除去され、メディアMを再利用することができる。これは、本発明に係る再利用方法の一実施形態である。
このように、インクジェット記録装置1では、メディアMへの画像の記録およびメディアMからの画像の除去の作業性が高い。具体的には、硬化した状態で溶媒によって溶解するインクによって画像をメディアM上に記録するため、メディアM上に吐出して硬化させたインクを、そのまま溶媒で除去することができる。すなわち、硬化した状態で溶媒によって溶解するインクを用いて通常の記録工程で画像を記録できるため、通常の記録工程に加えて新たな工程が不要であり、作業工程が簡素である。また、記録ヘッド11から吐出されるインクは、メディアM上に吐出されると同時に左照射部12Aおよび右照射部12Bからの光によって硬化されるため、速乾性があり作業性が良好である。さらに、当該インクを乾燥させる工程も不要である。
そして、メディアMから画像を除去するときには、溶媒を含浸させた含浸部材でメディアM上のインクを拭き取るだけで画像を除去することができるため、メディアMを溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、メディアMから画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、インクジェット記録装置1は、メディアM上から容易に除去可能な画像の記録および除去を良好な作業性で実現することができる。
このようなインクジェット記録方法を用いれば、特定の溶媒によって画像を取り除くことができるため、画像の除去と保存とを自在に行うことができる。特に、記録した画像を短期的に描き直す場合に好適に利用できる。また、メディアMから画像を除去すれば、当該メディアMを再利用することができるため環境に優しい。また、メディアMを再利用することができるため、高価な基材をメディアMとして利用することもできる。
(使用例)
以上では、メディアM上にインクIのみで画像を記録する形態を示したが、本発明は必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、メディアM上の一部の領域はインクIで画像を記録し、残りの領域は他のインク、すなわち光によって硬化した状態で溶媒によって溶解されないインクで画像を記録してもよい。換言すれば、1つもメディアM上において、インクIを含む材質の異なる複数種類のインクで画像を形成してもよい。
例えば、図3に示すようなメディアの場合、メディア上の第1領域15aおよび第2領域15bの画像をインクIで記録し、残りの領域の画像を他のインク(光によって硬化した状態で溶媒によって溶解されないインク)で記録する。
これにより、第1領域15aおよび第2領域15bの画像は、特定の溶媒によって取り除くことができるため、第1領域15aおよび第2領域15bの画像を描き替えることができるようになる。例えば、第1領域15aに記載の「××商会」という文字列を他の文字列(例えば、別の商会名)に描き替えることができる。また、第2領域15bに記載のりんごの画像を他の画像(例えば、別の食材の画像)に描き替えることができる。
このように、メディア上の一部の領域の画像のみを描き直すような場合にも、インクIを好適に利用できる。この場合もメディアを再利用することができるため環境に優しい。
(まとめ)
本発明の一態様に係る記録媒体上にインクジェット方式を用いて画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像を除去するためのインク組成物A(以下、単に「本発明の一態様に係るインク組成物A」という。)は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む。
本発明の一態様に係るインク組成物Aによって画像を記録媒体上に記録すれば、記録媒体上に吐出して硬化させたインク組成物Aを、そのまま溶媒で除去することができる。すなわち、本発明の一態様に係るインク組成物Aを用いれば、通常の記録工程で画像を記録できるため、除去可能な画像を記録するために通常の記録工程に加えて新たな工程が不要であり、作業工程が簡素である。また、本発明の一態様に係るインク組成物Aは、光によって硬化されるため、速乾性があり作業性が良好である。
そして、記録媒体から画像を除去するときには、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上のインク組成物Aを拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係るインク組成物Aは、記録媒体上から容易に除去可能な画像の記録および除去を良好な作業性で実現することができる。
また、本発明の一態様に係るインク組成物Aは、連鎖移動剤をさらに含む。
上記の構成によれば、インクの分子量が抑えられるため、当該溶媒により溶解しやすくなり、記録媒体から画像をより除去しやすくなる。
また、本発明の一態様に係るインク組成物Aにおいては、上記インク組成物Aを溶解するための上記溶媒は、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤である。
上記の構成によれば、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤を含浸させた含浸部材で記録媒体上のインクを拭き取るだけで画像を除去することができる。
また、本発明の一態様に係る記録媒体の再利用方法は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含むインクを用いて、記録媒体上にインクジェット方式で画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、当該インクを当該溶媒で溶解して上記記録媒体上から上記画像を除去する。
上記の方法によれば、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上のインクを拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係る記録媒体の再利用方法は、記録媒体上から容易に除去可能な画像の除去を良好な作業性で実現することができる。
≪実施形態2≫
以下、本発明の実施形態2について説明する。
(インク組成物B)
本発明に係る記録媒体上にインクジェット方式を用いて形成した画像層の下地となり、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像層を除去するためのインク組成物B(以下、単に「本発明に係るインク組成物B」という。)は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む。
〔光硬化性化合物〕
インク組成物Bに含まれる光硬化性化合物の説明は、実施形態1に準ずる。
〔硬化後のインク組成物Bを溶解するための溶媒〕
本発明に係るインク組成物Bを溶解するための溶媒は、光で硬化した状態のインク組成物Bを溶解するものである。当該溶媒の説明は、実施形態1におけるインク組成物Aを溶解するための溶媒の説明に準ずる。
〔連鎖移動剤〕
本発明に係るインク組成物Bに含まれる連鎖移動剤の説明は、実施形態1に準ずる。
〔着色剤〕
本発明に係るインク組成物Bは、所望の色を表現するための着色剤を含んでもよい。着色剤としては、公知の顔料、染料が挙げられる。ただし、画像層の下地として、画像層の発色を損なわないようにすることが好ましい。そのため、顔料としては、例えば、ホワイト、パールが好ましい。また、銀、アルミニウム等の金属粉末等を混合して、メタリックインクとしてもよい。また、着色剤を含ませずに、クリアインクとしてもよい。また、記録する画像、または印刷が施されるメディア(記録媒体)の背景色等の色を有してもよい。なお、本明細書において「画像層の下地」とは、メディア上に形成されるコート層であり、当該コート層の上に画像層が形成される。
〔光硬化開始剤〕
本発明に係るインク組成物Bに含まれる光硬化開始剤の説明は、実施形態1に準ずる。
〔その他の成分〕
本発明に係るインク組成物Bは、上述の光硬化性化合物、光硬化開始剤および連鎖移動剤以外の成分を含み得る。その他の成分についての説明は、実施形態1に準ずる。
(インクジェット記録装置21)
以下、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態について、図4を用いて説明する。図4は、インクジェット記録装置21の模式図である。
インクジェット記録装置21はYバー25およびキャリッジ30を備えている。インクジェット記録装置21は、メディアM(記録媒体)に対して記録を行なうものであり、図4ではメディアMが載置台(図示せず)に載置されている。
〔Yバー25〕
Yバー25は一方向に延在している。Yバー25が延在する方向はインクジェット記録装置21の主走査方向である。換言すれば、主走査方向とは載置台の面方向に平行な一方向である。なお、主走査方向に垂直であって、載置台の面方向に平行な方向が副走査方向である。メディアMは副走査方向に搬送される。
〔キャリッジ30〕
キャリッジ30はYバー25に取り付けられており、主走査方向に往復移動をする。これにより、キャリッジ30は載置台に対して相対的に移動し、その結果、後述する記録ヘッド31が載置台に対して相対的に移動する。本実施形態では、主走査方向においては、記録ヘッド31が移動し、メディアMは主走査方向に移動しない形態について説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、記録ヘッド31が固定されており、メディアMが主走査方向に往復移動するものであってもよい。
キャリッジ30は、記録ヘッド31、左照射部32A(照射手段)、および右照射部32B(照射手段)を備えている。
〔記録ヘッド31〕
記録ヘッド31はメディアMに対して、インクを吐出するものである。具体的には、記録ヘッド31には複数のノズル列が形成されている。各ノズル列には、複数のノズルが形成されており、各ノズルからインクが吐出される。記録ヘッド31は、光の照射を受けることで硬化し、コート層を形成するための第1インクを吐出するノズル列と、光の照射を受けることで硬化し、画像層を形成するための第2インクを吐出するノズル列とを有している。
図5の(a)および(b)に、記録ヘッド31における各ノズル列の配置例を示す。例えば、図5の(a)に示すように、第1インクを吐出する複数のノズル列N1と、第2インクを吐出する複数のノズル列N2とを、主走査方向に沿って配列してもよい。この場合、記録ヘッド31の主走査方向の往動時にノズル列N1から第1インクを吐出し、復動時にノズル列N2から第2インクを吐出することにより、メディアMの表面にコート層と画像層とが形成される。
あるいは、図5の(b)に示すように、第1インクを吐出する複数のノズル列N1および第2インクを吐出する複数のノズル列N2を副走査方向に分けて配置し、複数のノズル列N1および複数のノズル列N2それぞれについて、ノズル列を主走査方向に沿って配列してもよい。この場合、パス幅分ずつメディアMが副走査方向に順次搬送されることにより、メディアMの表面にコート層と画像層とが同時に形成される。
記録ヘッド31では、キャリッジ30の移動に伴い、各ノズル列から第1インクおよび第2インクが吐出されると共に、後述する左照射部32Aおよび右照射部32Bから光が出射されることにより、メディアMの表面に塗布された第1インクが硬化してコート層が形成され、このコート層の表面に塗布された第2インクが硬化して画像層が形成される。
第1インクとしては、後述する左照射部32Aおよび右照射部32Bにより照射される光で硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解されるものであればよく、上述の本発明に係るインク組成物Bを好適に用いられる。なお、第1インクの色としては、クリア、ホワイト、パール、メタリック、または画像あるいはメディアMの背景色等を適用可能である。
第2インクとしては、第1インクと同様に、後述する左照射部32Aおよび右照射部32Bにより照射される光で硬化するものを用いることができる。例えば、光で硬化する光硬化性化合物を含んだ光硬化型インクを用いることができる。光硬化型インクとしては、例えば紫外線硬化性化合物を含んだ紫外線硬化型インクが挙げられる。
ただし、第2インクは光硬化型インクに限定されない。例えば、水溶性インク、樹脂が水または有機溶媒に乳濁または懸濁しているラテックスインク、有機溶媒を含むソルベントUVインク(SUVインク)、またはソルベントインク等も好適に使用可能である。
第2インクは、所望の色を表現するための着色剤を含み得る。着色剤としては、公知の顔料、染料が挙げられる。顔料としては、例えば、イエロー、マゼンダ、シアン、カーボンブラック等の公知の顔料が挙げられる。
溶媒による溶解性を高めるために、第1インクには連鎖移動材を添加してもよい。連鎖移動剤により、第1インクの分子量が抑えられるため、溶媒により溶解しやすくなる。
〔左照射部32Aおよび右照射部32B〕
左照射部32Aおよび右照射部32Bは、記録ヘッド31より吐出された第1インク(または、第1インクおよび第2インク)に光を照射するためのものである。記録ヘッド31から吐出された第1インク(または、第1インクおよび第2インク)は、左照射部32Aおよび右照射部32Bから照射された光により硬化する。光としては、記録ヘッド31から吐出された第1インク(または、第1インクおよび第2インク)を硬化させるものであればよい。例えば、第1インク(または、第1インクおよび第2インク)が紫外線硬化型インクである場合には、左照射部32Aおよび右照射部32Bは、紫外線を照射することが好ましい。
左照射部32Aおよび右照射部32Bは、主走査方向に並び、かつ、左照射部32Aと右照射部32Bとの間に記録ヘッド31が配置されるように、配置されている。これにより、左照射部32Aおよび右照射部32Bは、記録ヘッド31の移動方向と同方向、すなわち主走査方向に移動する。
〔メディア〕
メディアMについては、画像除去時に使用する第1インク(コート層)の光硬化性樹脂を溶解させる溶媒によって、メディアMを劣化させない素材またはメディアMを侵さない素材であればよく、材料について限定はない。
(画像の記録および画像の除去)
以下、インクジェット記録装置21によるインクジェット記録方法およびインク除去方法について、図6を参照して詳細に説明する。図6の(a)〜(d)は、メディアMに対する画像の記録から画像の除去までの工程におけるメディアMの正面図および断面図である。
まず、メディアMが載置台上に搬送されると、キャリッジ30をYバー25に沿って主走査方向へ往復移動させながら、記録ヘッド31の下面に形成されたノズルから第1インクCとして本発明に係るインク組成物Bを吐出させて、所望のパターンでメディアMに付着させる。具体的には、図6の(a)に示すように、記録ヘッド31によりメディアMの表面に第1インクCが塗布されてコート層が形成される。
この走査が行われているとき、キャリッジ30に搭載された左照射部32Aおよび右照射部32Bが光を照射している。これにより、記録ヘッド31から吐出された第1インクCの硬化が進み、第1インクCがメディアMに対して十分に定着した状態になる。換言すれば、例えば看板等、製造する印刷物が所望の目的に使用できる程度に、第1インクCがメディアMに定着するように第1インクCを硬化させる。
続いて、記録ヘッド31の下面に形成されたノズルから画像層を形成するための第2インクI’を吐出させて、所望のパターンでコート層上に付着させる。具体的には、図6の(b)に示すように、記録ヘッド31によりコート層の表面に第2インクI’が塗布されて画像層が形成される。
この走査が行われているとき、キャリッジ30に搭載された左照射部32Aおよび右照射部32Bが光を照射している。これにより、記録ヘッド31から吐出された第2インクI’の硬化が進み、第2インクI’がメディアMに対して十分に定着した状態になる。換言すれば、上記印刷物が所望の目的に使用できる程度に第2インクI’がメディアMに定着するように第2インクI’を硬化させる。
なお、上述したように、記録ヘッド31では、コート層および画像層の同時印刷に対応することができる。パス幅分ずつメディアMが副走査方向に順次搬送されることにより、メディアMの表面に第1インクを塗布してコート層を形成し、このコート層の表面に第2インクを塗布して画像層を同時に形成してもよい。
以上の走査が終わり、図6の(b)に示したように、メディアM上に所望の画像が形成されると、メディアMは載置台上から搬送される。以上までがインクジェット記録装置21によるインクジェット記録方法である。
ここで、図6の(a)に示したように、コート層の印刷範囲Sは、画像層の印刷範囲S(画像層の有効画素の範囲)以上の大きさを有していることが好ましい。また、コート層は、ベタ印刷(100%以上)で形成され、厚みが1μm以上であることが好ましく、層数は1層以上であることが好ましい。これにより、溶媒によってコート層をより効果的に除去することができる。
画像層は、網点印刷で形成することにより、任意の間隔で隙間を空けて形成されることが好ましい。任意の間隔とは、例えばインクジェット記録装置21の解像度の1/2程度の間隔である。画像層に任意の間隔で隙間が形成されていることにより、当該隙間から溶媒が入り込み、コート層まで到達しやすくなる。その結果、溶媒によってコート層をより効果的に除去することができる。
続いて、メディアM上に形成した画像を除去する場合は、図6の(c)に示すように、溶媒を含浸させた含浸部材(例えば、布等)を用いて、メディアM上のコート層および画像層を拭き取る。これにより、含浸部材に含浸された溶媒が、メディアM上に定着している第1インクCにまで到達し、当該第1インクCを溶解するため、コート層および画像層がメディアM上から除去される。除去の際に、必要に応じて溶媒による第1インクC(コート層)の溶解度を上げるために、溶媒の温度を30℃から溶媒の沸点よりも低い温度までに昇温するとよい。このようにして、メディアM上からコート層および画像層を完全に除去することにより、図6の(d)に示すように、メディアM上から画像が除去され、メディアMを再利用することができる。
このように、本実施形態に係るインクジェット記録装置21では、メディアMへの画像の記録およびメディアMからの画像の除去の作業性が高い。具体的には、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクCからなるコート層を形成し、当該コート層上に第2インクI’からなる画像を形成して画像をメディアM上に記録するため、メディアM上のコート層をそのまま溶媒で除去することにより画像層も除去され、画像を除去することができる。すなわち、コート層は通常の記録工程で形成することができるため、除去可能な画像を記録するために通常の記録工程に加えて新たな工程が不要であり、作業工程が簡素である。また、記録ヘッド31から吐出される第1インクCは、メディアM上に吐出されると同時に左照射部32Aおよび右照射部32Bからの光によって硬化されるため、速乾性があり作業性を良好にする。さらに、当該第1インクCを乾燥させる工程も不要である。また、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクCからなるコート層を記録ヘッド31で印刷し、塗膜形成するため、記録する画像の有効画素の部分、または記録する画像の任意の部分にのみコート層の形成が可能である。そのため、必要な部分にのみ第1インクCを使用することにより、第1インクCの使用コストの削減およびコート層の除去の容易性が高まる。
そして、メディアMから画像を除去するときには、溶媒を含浸させた含浸部材でメディアM上のコート層および画像層を拭き取るだけで画像を除去することができるため、メディアMを溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、メディアMから画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本実施形態に係るインクジェット記録装置21は、メディアM上から容易に除去可能な画像の記録および除去を良好な作業性で実現することができる。
このようなインクジェット記録方法を用いれば、特定の溶媒によって画像を取り除くことができるため、画像の除去と保存とを自在に行うことができる。特に、記録した画像を短期的に描き直す場合に好適に利用できる。また、メディアMから画像を除去すれば、当該メディアMを再利用することができるため環境に優しい。また、メディアMを再利用することができるため、高価な基材をメディアMとして利用することもできる。
上記のインクジェット記録方法では、除去可能なコート層をメディアM上に形成するだけで画像層も除去可能になるため、画像層を形成する際には様々な種類のインクを利用することができる。
(使用例)
以上では、メディアMの前面に第1インクCからなるコート層を形成する形態を示したが、本発明は必ずしもこれに限定されるわけではない。上述したように、記録する画像の任意の部分にのみコート層を形成してもよい。例えば、メディアM上の一部の領域に第1インクCでコート層を形成し、残りの領域はコート層を形成しなくてもよい。
例えば、図3に示すようなメディアの場合、メディア上の第1領域15aおよび第2領域15bには第1インクCによってコート層を形成し、残りの領域にはコート層を形成せず、第1領域15aおよび第2領域15bにコート層が形成されたメディア上に第2インクI’からなる画像を形成する。
これにより、第1領域15aおよび第2領域15bの画像は、特定の溶媒によって取り除くことができるため、第1領域15aおよび第2領域15bの画像を描き替えることができるようになる。例えば、第1領域15aに記載の「××商会」という文字列を他の文字列(例えば、別の商会名)に描き替えることができる。また、第2領域15bに記載のりんごの画像を他の画像(例えば、別の食材の画像)に描き替えることができる。
このように、メディア上の一部の領域の画像のみを描き直すような場合にも、第1インクCを好適に利用できる。この場合もメディアを再利用することができるため環境に優しい。
(まとめ)
本発明の一態様に係る記録媒体上にインクジェット方式を用いて形成した画像層の下地となり、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像層を除去するためのインク組成物B(以下、単に「本発明の一態様に係るインク組成物B」という。)は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む。
本発明の一態様に係るインク組成物Bによって画像層の下地となるコート層を形成すれば、当該コート層上に画像層を形成して画像を記録媒体上に記録するため、記録媒体上のコート層をそのまま溶媒で除去することにより画像層も除去され、画像を除去することができる。すなわち、本発明の一態様に係るインク組成物Bを用いれば、通常の記録工程でコート層を形成することができるため、除去可能な画像を記録するために通常の記録工程に加えて新たな工程が不要であり、作業工程が簡素である。また、本発明の一態様に係るインク組成物Bは、光によって硬化されるため、速乾性があり作業性を良好にする。
そして、記録媒体から画像を除去するときには、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上のコート層および画像層を拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係るインク組成物Bは、記録媒体上から容易に除去可能な画像の記録および除去を良好な作業性で実現することができる。
また、本発明の一態様に係るインク組成物Bは、連鎖移動剤をさらに含む。
上記の構成によれば、インクの分子量が抑えられるため、当該溶媒により溶解しやすくなり、記録媒体から画像をより除去しやすくなる。
また、本発明の一態様に係るインク組成物Bにおいては、上記インク組成物Bを溶解させるために使用する上記溶媒は、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤である。
上記の構成によれば、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤を含浸させた含浸部材で記録媒体上のインクを拭き取るだけで画像を除去することができる。
また、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置21は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクでコート層を記録媒体(メディアM)上に形成し、第2インクで画像層を当該コート層上に形成する記録ヘッド31と、上記記録媒体上の上記第1インクに光を照射する照射手段(左照射部32A,右照射部32B)と、を備える。
上記の構成によれば、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクからなるコート層を形成し、当該コート層上に第2インクからなる画像を形成して画像を記録媒体上に記録するため、記録媒体上のコート層をそのまま溶媒で除去することにより画像層も除去され、画像を除去することができる。コート層は通常の記録工程で形成することができるため、記録工程に加えて新たな工程が不要であり、作業工程が簡素である。また、記録ヘッド31から吐出される第1インクは、記録媒体上に吐出されると同時に照射手段からの光によって硬化されるため、当該第1インクを乾燥させる工程も不要である。また、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクからなるコート層を記録ヘッド31で印刷し、塗膜形成するため、記録する画像の有効画素の部分、または記録後除去したい画像の任意の部分にのみコート層の形成が可能である。そのため、必要な部分にのみ第1インクを使用することにより、第1インクの使用コストの削減およびコート層の除去の容易性が高まる。
そして、記録媒体から画像を除去するときには、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上のコート層および画像層を拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置21は、記録媒体上から容易に除去可能な画像の記録を良好な作業性で実現することができる。
また、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置21においては、上記記録ヘッド31は、上記画像層を網点印刷して形成する。
上記の構成によれば、画像層に任意の間隔で隙間が形成されていることにより、当該隙間から溶媒が入り込み、コート層まで到達しやすくなる。その結果、溶媒によってコート層をより効果的に除去することができる。
また、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置21においては、上記コート層の印刷範囲の大きさは、上記画像層の印刷範囲の大きさ以上である。
上記の構成によれば、溶媒によってコート層をより効果的に除去することができる。
また、本発明の一態様に係るインクジェット記録方法は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクでコート層を記録媒体上に形成すると同時に、第2インクで画像を当該コート層上に形成する工程と、上記記録媒体上の上記第1インクに光を照射する工程と、を含む。
上記の方法によれば、本発明の一態様に係るインクジェット記録装置21と同等の効果を奏することができる。
また、本発明の一態様に係る記録媒体の再利用方法は、光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む第1インクを用いて、記録媒体上にインクジェット方式でコート層を形成し、当該コート層上に第2インクを用いて、インクジェット方式で画像層を形成し、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、当該コート層を当該溶媒で溶解して上記記録媒体上から上記画像層を除去する。
上記の方法によれば、溶媒を含浸させた含浸部材で記録媒体上の第1インク(コート層)を拭き取るだけで画像を除去することができるため、記録媒体を溶媒に浸漬する工程は不要である。すなわち、記録媒体から画像を除去する作業も利用者にとって容易である。このように、本発明の一態様に係る記録媒体の再利用方法は、記録媒体上から容易に除去可能な画像の除去を良好な作業性で実現することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、メディア上から除去可能な画像を印刷するインクジェット記録装置に利用することができる。
1,21 インクジェット記録装置
5,25 Yバー
10,30 キャリッジ
11,31 記録ヘッド
12A,32A 左照射部
12B,32B 右照射部
M メディア
I インク
C 第1インク
I’ 第2インク

Claims (12)

  1. 光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含むことを特徴とする、記録媒体上にインクジェット方式を用いて画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像を除去するためのインク組成物。
  2. 連鎖移動剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体上にインクジェット方式を用いて画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像を除去するためのインク組成物。
  3. 上記インク組成物を溶解するための上記溶媒は、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体上にインクジェット方式を用いて画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像を除去するためのインク組成物。
  4. 光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含むインクを用いて、記録媒体上にインクジェット方式で画像を形成し、形成した画像を光の照射によって定着させた後、当該インクを当該溶媒で溶解して上記記録媒体上から上記画像を除去することを特徴とする記録媒体の再利用方法。
  5. 光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含むことを特徴とする、記録媒体上にインクジェット方式を用いて形成した画像層の下地となり、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像層を除去するためのインク組成物。
  6. 連鎖移動剤をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の記録媒体上にインクジェット方式を用いて形成した画像層の下地となり、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像層を除去するためのインク組成物。
  7. 上記インク組成物を溶解させるために使用する上記溶媒は、水、弱アルカリ水溶液または有機溶剤であることを特徴とする請求項5または6に記載の記録媒体上にインクジェット方式を用いて形成した画像層の下地となり、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、溶媒で溶解して記録媒体上から当該画像層を除去するためのインク組成物。
  8. 光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクでコート層を記録媒体上に形成し、第2インクで画像層を当該コート層上に形成する記録ヘッドと、
    上記記録媒体上の上記第1インクに光を照射する照射手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 上記記録ヘッドは、上記画像層を網点印刷して形成することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 上記コート層の印刷範囲の大きさは、上記画像層の印刷範囲の大きさ以上であることを特徴とする請求項8または9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する第1インクでコート層を記録媒体上に形成し、第2インクで画像層を当該コート層上に形成する工程と、
    上記記録媒体上の上記第1インクに光を照射する工程と、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 光の照射を受けることで硬化し、硬化した状態で溶媒によって溶解する光硬化性化合物を含む第1インクを用いて、記録媒体上にインクジェット方式でコート層を形成し、当該コート層上に第2インクを用いて、インクジェット方式で画像層を形成し、形成した画像層を光の照射によって定着させた後、当該コート層を当該溶媒で溶解して上記記録媒体上から上記画像層を除去することを特徴とする記録媒体の再利用方法。
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