JP2018135448A - 記録液セットおよび画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、インクの出射安定性を確保し、カールやひび割れが少なく、高速印刷時の画像の滲みが抑制された、記録液セットおよびト画像形成方法を提供することにある。【解決手段】本発明は、水性のアンダーコート液および水性のインクジェットインクを含む記録液セットであって、前記インクジェットインクは、色材、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しない組成物であり、前記アンダーコート液は、光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化する組成物であることを特徴とする。更に本発明は、本発明の記録液セットを用いた画像形成方法にも関する。【選択図】なし
Description
本発明は、記録液セットおよび画像形成方法に関する。
水および色材を含む、インクジェット法により付与される水性のインク(以下、「インク」または「インクジェットインク」と略記することもある)は、紙などの吸水性の基材への印刷に適しているものの、フィルム等のような非吸水性の基材には密着性が低く、滲みが発生しやすかったり、耐擦過性が低下しやすいといった問題がある。
インク非吸収性の記録媒体に対して、インクジェット法により付与されるインクの密着性を高めるために、インクに樹脂を含有させることが開示されている(例えば、特許文献1)。
また、2液型の記録液を用いた画像形成方法も知られている。例えば、特許文献2には、色剤、オリゴマーまたはモノマーのいずれか一方、および水性溶媒を少なくとも含むインク組成物と、重合開始剤、モノマーまたはオリゴマーのいずれか一方、および水性溶媒とを少なくとも含む反応液とを接触させ、硬化反応を行って画像を形成するインクジェット画像形成方法が開示されている。特許文献3には、光重合性樹脂、酸、および水を含む処理液と、着色剤、光重合開始剤および水を含む水性インクとからなるインクセットが開示されている。
フィルムなどの基材とインクとの密着性を高めるために、基材上に設けるインク受容層も多数知られている。例えば、特許文献4には、(A)ラジカル重合性水溶性モノマーと特定構造の分子内に2個以上のラジカル重合性基を有する水溶性架橋性物質との重合物と、(B)分子内に2個以上のラジカル重合性基を有する水溶性架橋性物質と水溶性UV硬化型ポリマーと、(C)光重合開始剤とを含む組成物からなるインク受容層が開示されている。また、特許文献5には、カチオン性基を含む樹脂、及びラジカル重合性基を2個以上有する紫外線硬化型化合物を含む塗布組成物を基材上に塗布して形成したインク受容層が開示されている。更に特許文献6には、重合体状結合剤および硬化性化合物を含有するコーティングからなるインク受容層が開示されている。
特許文献1に開示のような、樹脂を含有するインクを用いてインクジェット法による画像形成を行うと、インクジェットノズル表面での乾燥によるインクの粘度上昇が起きやすく、出射安定性が低下しやすいという問題があった。また、出射安定性の観点から樹脂量を制限すると、インクの密着性が低下する傾向にある。よって、樹脂を含有するインクにおいて、出射安定性と密着性との両立は困難であった。
特許文献2に開示の2液型の記録液の場合、インク組成物と反応液の両方が光硬化性を有してもよい。インク組成物と反応液のそれぞれが光照射によって硬化収縮すると、インク組成物と反応液との間の硬化収縮率の違いによって、印字部と非印字部との境界でひび割れが生じやすくなる。更に、インク組成物を非吸水性基材に印字した後に反応液を重ねる態様においては、反応液によってインクを定着させる前に、滲みが生じることがある。
特許文献3に開示の2液型の記録液の場合、2液が接触することによって硬化性が発揮される。よって、印字の際に2液が完全に重ならず、少しでもずれが生じると、ずれた1液からなる部分の硬化性が不十分となり、画像の密着性や耐擦過性の低下といった問題が生じやすくなる。
これらに対し、特許文献4〜6に開示されたインク受容層を用いれば、上記問題は抑制されると考えられる。しかし、特許文献4〜6に開示されたインク受容層は、その上に印字されるインクを吸収して保持するためのものであるが、その厚みが薄いと、保持できるインク量に限界があるため、滲みが発生しやすくなる。一方、インク受容層の厚みが大きいと、カールの発生や触感の低下といった問題が、特に薄い基材を用いた際に生じやすくなる。
更に本発明者の研究によると、樹脂を含む処理液をインクによる記録の前や後に付与する方法で形成した画像を高温高湿下で保存した場合、インクからなる記録部と非記録部との界面でひび割れが見られる場合があることが判った。特にワンパス印刷においては、一度の走査で画像を形成する為、個々のノズル位置精度や複数のヘッドを副走査方向に連結した際の位置精度などが、画像に影響する傾向にある。ノズル間距離や連結ヘッドの位置精度などに基づく規則的なインク付与量の分布が生じると、特に非吸水性のフィルム基材の場合には、インク付与量の多い部分を起点としたひび割れが生じやすいという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インクジェット法で画像形成を行ったときの出射安定性が高く、カール、ひび割れ、滲みが抑制された画像の形成が可能な、記録液セットおよびインクジェット画像形成方法を提供することにある。
本発明の第一は、以下のインクジェット用の記録液セットである。
[1] 水性のアンダーコート液および水性のインクジェットインクを含む記録液セットであって、
前記インクジェットインクは、色材、水および有機溶剤を含有し、
前記アンダーコート液は、光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化する組成物であり、
前記インクジェットインクは光重合性化合物を実質的に含有しないことを特徴とする、記録液セット。
[2] 前記光重合性化合物が、側鎖に光重合性基を有する水溶性ポリマーまたは光重合性の樹脂粒子であることを特徴とする、[1]に記載の記録液セット。
[3] 前記光重合性化合物が前記水溶性ポリマーであり、前記光重合性基がマレイミド基であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の記録液セット。
[4] 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の記録液セット。
[5] 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を実質的に含有しないことを特徴とする、[3]に記載の記録液セット。
[6] 前記アンダーコート液が、顔料凝集剤を更に含有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の記録液セット。
[7] 前記顔料凝集剤が、多価金属塩または酸であることを特徴とする、[6]に記載の記録液セット。
[8] 前記インクジェットインクが、高分子微粒子を実質的に含有しないことを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載の記録液セット。
[1] 水性のアンダーコート液および水性のインクジェットインクを含む記録液セットであって、
前記インクジェットインクは、色材、水および有機溶剤を含有し、
前記アンダーコート液は、光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化する組成物であり、
前記インクジェットインクは光重合性化合物を実質的に含有しないことを特徴とする、記録液セット。
[2] 前記光重合性化合物が、側鎖に光重合性基を有する水溶性ポリマーまたは光重合性の樹脂粒子であることを特徴とする、[1]に記載の記録液セット。
[3] 前記光重合性化合物が前記水溶性ポリマーであり、前記光重合性基がマレイミド基であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の記録液セット。
[4] 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の記録液セット。
[5] 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を実質的に含有しないことを特徴とする、[3]に記載の記録液セット。
[6] 前記アンダーコート液が、顔料凝集剤を更に含有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の記録液セット。
[7] 前記顔料凝集剤が、多価金属塩または酸であることを特徴とする、[6]に記載の記録液セット。
[8] 前記インクジェットインクが、高分子微粒子を実質的に含有しないことを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載の記録液セット。
本発明の第二は、以下のインクジェット画像形成方法である。
[9] 光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化するアンダーコート液を基材上に塗布する第1工程と、
前記基材上に塗布された前記アンダーコート液が不完全な成膜状態であるアンダーコート層を形成する第2工程と、
前記アンダーコート層の表面に接して、顔料、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しないインクジェットインクを、インクジェット法により付与する第3工程と、
前記アンダーコート層上に付与された前記インクジェットインクを乾燥させる第4工程と、
前記アンダーコート層に活性光線を照射して前記アンダーコート液を完全硬化させる第5工程と
を有することを特徴とする、画像形成方法。
[10] 前記第2工程において、前記アンダーコート層は、前記アンダーコート液を半硬化させて形成することを特徴とする、[9]に記載の画像形成方法。
[11] 前記第2工程において、前記アンダーコート層は、前記アンダーコート液を乾燥させて形成することを特徴とする、[9]に記載の画像形成方法。
[12] 前記インクジェットインクが含有する前記光重合性化合物が、側鎖に光重合性基を有する水溶性ポリマーまたは光重合性の樹脂粒子であることを特徴とする、[9]〜[11]のいずれかに記載の画像形成方法。
[13] 前記光重合性化合物が前記水溶性ポリマーであり、前記光重合性基がマレイミド基であることを特徴とする、[12]に記載の画像形成方法。
[14] 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を含有することを特徴とする、[9]〜[13]のいずれかに記載の画像形成方法。
[15] 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を実質的に含有しないことを特徴とする、[13]に記載の画像形成方法。
[16] 前記アンダーコート液が、顔料凝集剤を更に含有することを特徴とする、[9]〜[15]のいずれかに記載の画像形成方法。
[17] 前記第3工程において、前記インクジェットインクはシングルパス方式で付与される、[9]〜[16]のいずれかに記載の画像形成方法。
[18] 前記基材が非吸水性媒体であることを特徴とする、[9]〜[17]のいずれかに記載の画像形成方法。
[19] 前記アンダーコート層の乾燥膜厚が0.3〜3.0μmであることを特徴とする、[9]〜[18]のいずれかに記載の画像形成方法。
[9] 光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化するアンダーコート液を基材上に塗布する第1工程と、
前記基材上に塗布された前記アンダーコート液が不完全な成膜状態であるアンダーコート層を形成する第2工程と、
前記アンダーコート層の表面に接して、顔料、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しないインクジェットインクを、インクジェット法により付与する第3工程と、
前記アンダーコート層上に付与された前記インクジェットインクを乾燥させる第4工程と、
前記アンダーコート層に活性光線を照射して前記アンダーコート液を完全硬化させる第5工程と
を有することを特徴とする、画像形成方法。
[10] 前記第2工程において、前記アンダーコート層は、前記アンダーコート液を半硬化させて形成することを特徴とする、[9]に記載の画像形成方法。
[11] 前記第2工程において、前記アンダーコート層は、前記アンダーコート液を乾燥させて形成することを特徴とする、[9]に記載の画像形成方法。
[12] 前記インクジェットインクが含有する前記光重合性化合物が、側鎖に光重合性基を有する水溶性ポリマーまたは光重合性の樹脂粒子であることを特徴とする、[9]〜[11]のいずれかに記載の画像形成方法。
[13] 前記光重合性化合物が前記水溶性ポリマーであり、前記光重合性基がマレイミド基であることを特徴とする、[12]に記載の画像形成方法。
[14] 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を含有することを特徴とする、[9]〜[13]のいずれかに記載の画像形成方法。
[15] 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を実質的に含有しないことを特徴とする、[13]に記載の画像形成方法。
[16] 前記アンダーコート液が、顔料凝集剤を更に含有することを特徴とする、[9]〜[15]のいずれかに記載の画像形成方法。
[17] 前記第3工程において、前記インクジェットインクはシングルパス方式で付与される、[9]〜[16]のいずれかに記載の画像形成方法。
[18] 前記基材が非吸水性媒体であることを特徴とする、[9]〜[17]のいずれかに記載の画像形成方法。
[19] 前記アンダーコート層の乾燥膜厚が0.3〜3.0μmであることを特徴とする、[9]〜[18]のいずれかに記載の画像形成方法。
本発明によれば、出射安定性を確保し、カール、ひび割れおよび滲みの抑制された画像の形成が可能な、インクジェット用の記録液セットおよびインクジェット画像形成方法が提供される。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究を行った結果、色材、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しないことを特徴とするインクジェットインクと、光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化する組成物であるアンダーコート液とを含む記録液セットを用いて、インクジェット法で画像形成を行うと、印刷時の出射安定性が高く、且つ従来の2液型の記録液セットや、従来のインク受容層を設けた基材を用いた印刷と比べて、カール、ひび割れおよび滲みの抑制された画像が得られることを見出した。その理由は明らかではないが、次のように推定される。
本発明の記録液セットにおいては、アンダーコート液は活性光線の照射により硬化する組成物である。光硬化は熱架橋と比べて短時間で起こるため、長時間にわたる架橋形成の際に発生しやすいひび割れを防止する効果があると考えられる。また、本発明の記録液セットに含まれるインクは光重合性化合物を実質的に含有しないものである。よって、アンダーコート液が硬化収縮する際にもインクの硬化収縮は全くまたはほとんど起こらないため、インクとアンダーコート層との間の硬化収縮率の違いによるひび割れの発生は少ないと考えられる。
さらに本発明の記録液セットを用いた画像形成方法においては、基材上に塗布したアンダーコート液を半硬化または乾燥させて、不完全な成膜状態であるアンダーコート層を形成し、その上にインクを付与する。このとき、アンダーコート層の表面に着弾したインクはアンダーコート液と混合して増粘するため、インクの過剰な濡れ広がりによる滲みが抑制されると考えられる。更に、これによりアンダーコート層の膜厚が薄くとも、インクを保持して滲みを抑制することが可能となるため、膜厚の厚いアンダーコート層を設けた際に生じやすい、アンダーコート層の硬化収縮による基材のカールも抑制されると考えられる。
以下に、例示的な実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
1.記録液セット
本発明の記録液セットは、水性のアンダーコート液および水性のインクジェットインクを含む記録液セットである。
本発明の記録液セットは、水性のアンダーコート液および水性のインクジェットインクを含む記録液セットである。
初めに、アンダーコート液について説明する。
アンダーコート液は、光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化する組成物である。本発明において「活性光線の照射により硬化する」とは、光エネルギーを吸収して励起したラジカルやイオンを生じる基を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)が重合反応又は架橋反応を開始するか、あるいはアンダーコート液が任意に含有し得る光重合開始剤が光によって励起されて重合反応を引き起こすことにより、光重合性化合物が高分子量化して硬化することを意味する。
アンダーコート液は、光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化する組成物である。本発明において「活性光線の照射により硬化する」とは、光エネルギーを吸収して励起したラジカルやイオンを生じる基を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)が重合反応又は架橋反応を開始するか、あるいはアンダーコート液が任意に含有し得る光重合開始剤が光によって励起されて重合反応を引き起こすことにより、光重合性化合物が高分子量化して硬化することを意味する。
本発明に係る光重合性化合物は、光の照射により重合又は架橋する化合物である。光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物であることが好ましく、より好ましくはラジカル重合性化合物である。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)でありうる。ラジカル重合性化合物は、アンダーコート液中に一種のみが含まれてもよく、二種以上が含まれてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。(メタ)アクリレートは、モノマーだけでなく、オリゴマー、ポリマーや、これらの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマー、ポリマー等でありうる。
光重合性化合物としては、側鎖に光重合性の変性基を有し、変性基を介して紫外線、電子線等の電離放射線により架橋を起こす架橋変性ポリマー、または直接主鎖が架橋するポリマーが好ましい。このような高分子材料をアンダーコート液に用いることで、光重合性のモノマーや低分子オリゴマーに比べて疎な架橋構造の形成が可能となり、硬化収縮率が小さいことから、カールやひび割れの防止に繋がると考えられる。より好ましい光重合性化合物としては、側鎖に光重合性基を有する水溶性ポリマー、および光重合性の樹脂粒子が挙げられる。
側鎖に光重合性基を有する水溶性ポリマーの高分子主鎖としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリビニルアセタール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシアクリルアクリレート、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、カゼイン、及びこれらの水溶性誘導体や、共重合体が挙げられる。
側鎖に光重合性基を有する水溶性ポリマーにおいて、主鎖の水溶性ポリマーは重合度が500以上であることが好ましく、1700以上であることがより好ましい。
側鎖に導入する光重合性基としては、光二量化型、光分解型、光解重合型、光変性型、光重合型等の変性基が挙げられる。具体例としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基、マレイミド基等が挙げられる。
特に側鎖にマレイミド基を有する水溶性ポリマーをアンダーコート液に用いた場合、後述する光重合開始剤を用いないか、またはその量が少量であっても、光照射によってアンダーコート液を硬化させることが可能である。また、マレイミド基を用いた水溶性ポリマーの使用によって、密着性が改善される傾向にある。光重合開始剤を使用すると、その光分解物が基材とアンダーコート液との界面に移行し、密着性に悪影響を及ぼすと推定されるが、マレイミド基は光重合性開始剤を用いない場合でも光重合が可能であるため、光重合開始剤を除くことで、密着性が向上したものと考えられる。また、光照射によって生じる光重合開始剤の分解物による臭気や安全性の低下を抑制する観点からも、側鎖にマレイミド基を有する水溶性ポリマーが好ましい。
光重合性化合物として用いられる、側鎖にマレイミド基を有する水溶性ポリマーの具体例は特に限定されるものではないが、特開2009−221286号公報に記載の、下記一般式(1)で表される、マレイミド基を導入した高分子化合物を例示することができる。
(一般式(1)中、R1は無置換もしくは置換された芳香族環、または炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルキレン基を表す。Y1は下記一般式(2)から選択される基を表し、Xは炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキレン基を表し、nは0〜10の整数を表す。Y2は下記一般式(3)から選択される基を表し、mは0または1の整数を表す。Zは無置換もしくは置換された芳香族環、あるいは炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキレン基を表し、jは1〜3の整数を表し、kは0または1を表す。)
(一般式(2)中、R2は水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表し、R3は水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。)
光重合性化合物として使用することのできる光重合性の樹脂粒子としては、インク中にコロイド状態で分散された状態で存在しているものであり、光重合性を有する樹脂の微粒子や、光重合性の樹脂を内包した他の樹脂(光重合性を有してなくてもよい)の微粒子が挙げられる。光重合性基としては、特に制限はないが、アクリロイル基、メタクリロイル基など、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する基であることが好ましい。光重合性の樹脂は、上述した通りである。
光重合性の樹脂を内包するその他の樹脂としては、ポリウレタン構造を有する樹脂などが挙げられる。
光重合性の樹脂粒子の具体例としては、光重合性樹脂微粒子であるアクリルオリゴマーを内包したコアシェル型ウレタンディスパージョン(WBR−829D、大成ファインケミカル株式会社製)が挙げられる。
樹脂粒子の平均粒子径は、10nm以上500nm以下の範囲であることが好ましく、20nm以上200nm以下の範囲であることがより好ましい。平均粒子径の測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便で、且つ該粒子径領域を精度よく測定できる。
樹脂粒子は、一種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
アンダーコート液における樹脂粒子の含有量は、アンダーコート液の質量に対して10質量%以上90質量%以下の範囲とすることが好ましく、20質量%以上70質量%以下の範囲とすることが更に好ましい。
アンダーコート液は、所望により、光重合開始剤を含有していもよい。光重合開始剤を含有することにより、光重合性化合物の光重合反応が促進され、望ましい硬化特性が得られやすくなる。また、光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いても良い。これらの化合物は、溶媒に溶解、あるいは分散した状態のいずれで添加してもよい。また、光重合開始剤もしくは光増感剤は、光重合性ポリマーに化学的に結合していても良い。アンダーコート液に含有される光重合開始剤や光増感剤について特に制限はないが、水溶性の光重合開始剤や光増感剤が、混合性や反応効率の点から好ましい。例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
その他の光重合開始剤および光増感剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、ビスアシルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
なお、上述したように、光重合性化合物として側鎖にマレイミド基を有する水溶性ポリマーを用いるときは、アンダーコート液は光重合開始剤を実質的に含有しなくてもよい。
アンダーコート液は、記録液セットに含まれるインクが含有する顔料を凝集させることが可能な顔料凝集剤を更に含有してもよい。顔料凝集剤を含有するアンダーコート液は、後述する本発明の画像形成方法において、特には乾燥によってアンダーコート層を形成したときに、より高速な印刷時にも滲みの発生が抑制される傾向にある。
顔料凝集剤としては、特にインクに含まれる顔料がアニオン性の分散顔料である場合、酸又はカチオン性化合物を好ましく用いることができる。
酸は、pH変動によってインク中のアニオン性の分散顔料を凝集することができる。酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、シュウ酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、安息香酸、2−ピロリドン−5−カルボン酸、乳酸、アクリル酸又はその誘導体、メタクリル酸又はその誘導体、アクリルアミド又はその誘導体、スルホン酸誘導体、リン酸又はその誘導体等を好ましく挙げることができる。酸としては、無機酸よりも有機酸を好ましく用いることができる。有機酸を用いることによって、アンダーコート液を構成する樹脂等の他の成分との相溶性を向上でき、更に、アンダーコート液により形成されるアンダーコート層が乾燥しても塩になりにくいため、透明性に優れる効果も得られる。
カチオン性化合物は、塩析によってインク中のアニオン性の分散顔料を凝集することができる。カチオン性化合物として、例えば、多価金属塩やカチオン性界面活性剤またはカチオン性樹脂等を挙げることができる。多価金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の水溶性の塩を好ましく挙げることができる。カチオン性界面活性剤(陽イオン性界面活性剤ともいう)としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等を好ましく挙げることができる。カチオン性樹脂としては、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
特に好ましい顔料凝集剤は多価金属塩または酸である。多価金属塩または酸を含むアンダーコート液が活性光線の照射により硬化することで、特にこれら顔料凝集剤の使用時に発生しやすいひび割れを効果的に抑制することができると考えられる。
顔料凝集剤は、一種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
アンダーコート液における顔料凝集剤の含有量の範囲は格別限定されないが、基材上に形成したアンダーコート層における顔料凝集剤の付量が、以下の範囲内であることが好ましい。例えば、顔料凝集剤として多価金属塩を用いる場合は、0.1g/m2以上、20g/m2以下が好ましい。滲みを効果的に抑制するためには0.1g/m2以上含有することが好ましく、ひび割れを効果的に抑制するためには、20g/m2以下とすることが好ましい。酸を用いる場合は、インクジェット記録インクに含まれるアニオン成分の中和当量以下にアンダーコート液のpHを調整する量の酸を添加する必要がある。アニオン成分がアクリル酸基である場合、アンダーコート液に用いる酸の第一解離定数は3.5以下が好ましい。アンダーコート液に含まれる酸の量を調整して、アンダーコート液のpHを前記酸の第一解離定数未満に調整することにより高速プリント時の滲みを効果的に抑制することが可能となる。
アンダーコート層中の顔料凝集剤の付量は、公知の方法で測定することができる。例えば、顔料凝集剤が多価金属塩であるときはICP発光分析で、顔料凝集剤が酸であるときは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で含有量を測定することができる。
アンダーコート液は溶媒として、水を含むことが好ましく、他に公知の有機溶媒を含有することができる。
また、アンダーコート液は、顔料凝集剤とは異なる化合物を界面活性剤として含有してもよい。これにより、各種塗布方法への適合性を高めることができる。上記界面活性剤の例としては、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を好ましく挙げることができる。
両性界面活性剤の例としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等を好ましく挙げることができる。
非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等を好ましく挙げることができる。
アンダーコート液中には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他、架橋剤、防黴剤、殺菌剤等、他の成分を適宜配合することができる。
次に、本発明の記録液セットに含まれるインクについて説明する。
記録液セットに含まれるインクは、色材、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しないことを特徴とする。本発明にかかるインクは、上記アンダーコート液とは異なり、光重合性化合物を実質的に含有しないものである。実質的に含有しないとは、インク中の光重合性化合物の割合が、インク質量に対して5質量%以下であることを意味する。これにより、アンダーコート層の上に付与されたインクは、アンダーコート層の硬化収縮時に硬化収縮しないと考えられるため、ひび割れの発生が抑制される。
インク中には色材として、例えば、染料、顔料またはこれらの混合物を用いることができる。画像の耐水性が求められる用途においては顔料を用いることが好ましい。
染料としては、例えば、水溶性染料、分散染料等を挙げることができる。水溶性染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料等を挙げることができる。分散染料としては、例えば、着色ポリマー、着色ワックス等を挙げることができる。
顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料、あるいは酸化チタンやカーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。これらの顔料は、例えば、顔料分散剤によりインク中に分散させた状態で存在させて使用することができる。
不溶性顔料は格別限定されないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
有機顔料は格別限定されないが、例えば以下のものを好ましく例示できる。
イエロー又はオレンジ等に用いる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155等が挙げられる。
マゼンタ又はレッド等に用いる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン又はグリーン等に用いる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
ブラック等に用いる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
また、白色に用いる顔料としては酸化チタンが挙げられる。
インク中における顔料の分散状態の平均粒子径は、50nm以上200nm以下の範囲であることが好ましい。これにより、顔料の分散安定性を向上でき、インクの保存安定性を向上できる。顔料の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便で、且つ該粒子径領域を精度よく測定できる。
顔料は、顔料分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に、分散機により分散して用いることができる。
分散機としては、従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等を使用できる。中でもサンドミルによって顔料を分散させると、粒度分布がシャープとなるため好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質は、格別限定されないが、ビーズ破片の生成やイオン成分のコンタミネーションを防止する観点から、ジルコニアまたはジルコンであることが好ましい。さらに、このビーズ径は、0.3mm以上3.0mm以下であることが好ましい。
インクにおける顔料の含有量は格別限定されないが、例えば、無機顔料については7質量%以上18質量%以下の範囲であることが好ましく、有機顔料については0.5質量%以上7質量%以下の範囲であることが好ましい。
顔料として、アニオン性の分散顔料を用いることは特に好ましいことである。アニオン性の分散顔料としては、例えば、表面にアニオン性基を導入した顔料や、アニオン性基を有する顔料分散剤によって分散された顔料等を挙げることができる。
アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基等を好ましく例示できる。
また、アニオン性基は、アルカリ中和されていることが好ましい。アニオン性基を中和するアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等の金属塩基化合物や、アンモニアや、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等を好ましく挙げることができる。
顔料分散剤として、例えば、アクリル系分散剤を好ましく用いることができる。アクリル系分散剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸共重合体から選択される一種又は複数種を好適に用いることができる。
アクリル系分散剤は、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸を含む。アクリル系分散剤として、(メタ)アクリル酸の重合体(即ち、ポリ(メタ)アクリル酸)、あるいは必要に応じてスチレンなどの他のモノマー成分を共重合した共重合体(即ち、(メタ)アクリル酸共重合体)を好適に用いることができる。
アクリル系分散剤として、例えば、BASF社製の「ジョンクリル819」(「ジョンクリル」は同社の登録商標)(酸価75mgKOH/g)、「ジョンクリル67」(酸価213mgKOH/g)等の市販品を用いることができる。
顔料分散剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
本発明に係るインクは、水および有機溶剤を含有する。インクに含有させる有機溶剤としては、例えば水溶性有機溶剤を好ましく用いることができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、1価アルコール類、グリコール類(2価アルコール類)、3価アルコール類、グリコールエーテル類、アセテート類、アミン類、アミド類等を好ましく挙げることができる。
1価アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等を好ましく挙げることができる。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレンオキサイド基の数が5以上のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、プロピレンオキサイド基の数が4以上のポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール等を好ましく挙げることができる。
3価アルコール類としては、例えば、グリセリン、ヘキサントリオール等を好ましく挙げることができる。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等を好ましく挙げることができる。
アセテート類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等を好ましく挙げることができる。
アミン類としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等を好ましく挙げることができる。
アミド類としては、例えば、2−ピロリジノン、ジメチルイミダゾリジノン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を好ましく挙げることができる。
これらの溶剤は1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
インクは、出射性向上や濡れ性向上のため、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は格別限定されず、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等を好ましく挙げることができる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等を好ましく挙げることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等を好ましく挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等を好ましく挙げることができる。
これらの界面活性剤は1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。インクにおける界面活性剤の含有量は、格別限定されないが、0.1質量%以上5.0質量%以下の範囲であることが好ましい。
インクには、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を適宜配合することができる。
また、出射安定性を高める観点から、インクは高分子微粒子を実質的に含有しないことが好ましい。高分子微粒子とは、例えば、定着樹脂としてインクに添加する水分散性樹脂である。実質的に含まないとは、高分子微粒子の含有量が、インク質量に対して5質量%以下であることを意味する。高分子微粒子の含有量は、より好ましくはインク質量に対して3質量%以下であり、最も好ましくはインク質量に対して2質量%以下である。これにより、インクジェット法による画像形成の際のインクの出射特性を安定化させ、ノズルの目詰りも良好に防止できると考えられる。
2.画像形成方法
本発明の第二の実施形態は、本発明の記録液セットを用いた画像形成方法である。本発明の画像形成方法は、以下の工程を含むものである。
光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化するアンダーコート液を基材上に塗布する第1工程と、
前記基材上に塗布された前記アンダーコート液が不完全な成膜状態であるアンダーコート層を形成する第2工程と、
前記アンダーコート層の表面に接して、顔料、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しないインクジェットインクを、インクジェット法により付与する第3工程と、
前記アンダーコート層上に付与された前記インクジェットインクを乾燥させる第4工程と、
前記アンダーコート層に活性光線を照射して前記アンダーコート液を完全硬化させる第5工程。
本発明の第二の実施形態は、本発明の記録液セットを用いた画像形成方法である。本発明の画像形成方法は、以下の工程を含むものである。
光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化するアンダーコート液を基材上に塗布する第1工程と、
前記基材上に塗布された前記アンダーコート液が不完全な成膜状態であるアンダーコート層を形成する第2工程と、
前記アンダーコート層の表面に接して、顔料、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しないインクジェットインクを、インクジェット法により付与する第3工程と、
前記アンダーコート層上に付与された前記インクジェットインクを乾燥させる第4工程と、
前記アンダーコート層に活性光線を照射して前記アンダーコート液を完全硬化させる第5工程。
以下に、各工程について詳しく説明する。
第1工程においては、光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化するアンダーコート液を基材上に塗布する。ここで使用するアンダーコート液は、上記で詳細に説明した本発明の記録液セットに含まれるアンダーコート液である。
アンダーコート液を塗布する基材に特に限定はないが、より効果的に本発明の記録液セットを適用できることから、非吸水性基材が好ましい。
非吸水性基材とは、プラスチック、プラスチックフィルム、ガラス、金属など実質的に水を吸収しない基材であれば格別限定されない。特にプラスチックフィルム(以下、フィルムと略記)を基材として用いる場合、熱などによる変形に伴うひび割れが発生じやすく、より効果的に本発明が適用できる。
フィルムを構成する樹脂は格別限定されないが、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド等のようなプラスチックを好ましく挙げることができる。フィルムは、未延伸フィルム又は延伸フィルムの何れであってもよい。また、フィルムの表面は、コロナ処理等の表面処理がなされていてもよい。
第1工程では、かかる基材上に、アンダーコート液を塗布する。基材上へのアンダーコート液の塗布方法は格別限定されないが、例えば、ローラー塗布法、カーテン塗布法、スプレー塗布法、インクジェット法等を好ましく挙げることができる。
続く第2工程において、基材上に塗布されたアンダーコート液が不完全な成膜状態であるアンダーコート層を形成する。アンダーコート層を形成するための方法としては、アンダーコート液を半硬化させてアンダーコート層を形成する方法1と、アンダーコート液を乾燥させてアンダーコート層を形成する方法2とが挙げられる。
まず方法1について説明する。
方法1では、基材上に塗布されたアンダーコート液に光を照射して半硬化させる。本発明における「半硬化」とは、光重合性化合物の有する光重合性官能基が部分的に重合し、アンダーコート液が流動性を持つ状態を意味する。この部分的な重合とは、未反応の光重合性官能基が30モル%以上90モル%以下、好ましくは60モル%以上80モル%以下、存している状態をいう。残存する未反応の光重合性官能基の量が上記範囲内であれば、光照射前のアンダーコート液よりも増粘し、且つ流動性を有する状態であると考えられる。なお、未反応の光重合性官能基は赤外分光法などにより定量的に分析することができる。
方法1では、基材上に塗布されたアンダーコート液に光を照射して半硬化させる。本発明における「半硬化」とは、光重合性化合物の有する光重合性官能基が部分的に重合し、アンダーコート液が流動性を持つ状態を意味する。この部分的な重合とは、未反応の光重合性官能基が30モル%以上90モル%以下、好ましくは60モル%以上80モル%以下、存している状態をいう。残存する未反応の光重合性官能基の量が上記範囲内であれば、光照射前のアンダーコート液よりも増粘し、且つ流動性を有する状態であると考えられる。なお、未反応の光重合性官能基は赤外分光法などにより定量的に分析することができる。
塗布したアンダーコート液に光照射する工程で、アンダーコート液を完全に硬化させずに半硬化とすることにより、高速印刷時の画像の滲みを抑制されることが検討の結果判った。この現象については次のように推察している。アンダーコート液中の光重合性化合物は完全には硬化していないため、後にアンダーコート層上に付与されるインクと混合し、それによりインクを増粘させて滲みを抑制することができる。また、半硬化した状態は流動性を保った状態で疑似的に樹脂の分子量が向上しており、これによりインクの粘度を高めやすい為、滲みを抑制できるものとも推察している。なお、アンダーコート層が半硬化でなく完全硬化した状態、即ち、未反応の光重合性官能基の量が30モル%未満の状態、である場合は、アンダーコート液がインクへ十分に拡散することができず、滲みの抑制と耐擦過性が十分には高まらないものと考えられる。
アンダーコート液の半硬化のための光照射に使用する光線は、アンダーコート液の含有する光重合性化合物または光重合開始剤を活性化させて、光重合性化合物を重合および架橋させることが可能な活性光線である限り特に限定はない。たとえば、電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等から選択することができるが、アンダーコート液のみを選択的に光重合させるという観点から、紫外線が好ましい。
また、光照射条件については、アンダーコート液を完全には硬化せず、未反応の重合性基が30モル%以上残存する条件であればよい。アンダーコート液の組成や塗布量によっても異なるが、照射する光の出力や照射時間などを調整することで、アンダーコート液の半硬化を達成することができる。
次に方法2について説明する。
方法2では、基材上に塗布されたアンダーコート液を乾燥させる。
方法2では、基材上に塗布されたアンダーコート液を乾燥させる。
アンダーコート液の乾燥には、例えば、乾燥炉や熱風送風機等のような非接触加熱型の乾燥装置を用いてもよいし、ホットプレートや熱ローラー等のような接触加熱型の乾燥装置を用いてもよい。
方法2においては、アンダーコート層に含まれる光重合性の樹脂がインクを膨潤、保持すること、または光重合性化合物がインクに溶解拡散して、インクの粘度を上昇させることにより、滲みを抑制し、密着性を高めることができると考えられる。
上記の方法1または方法2によって形成されたアンダーコート層の膜厚に特に限定はないが、0.2μm以上10.0μm以下の範囲であると、本発明の効果は顕著に奏される。好ましい膜厚は0.3μm以上3.0μm以下であり、1.0μm以上3.0μm以下である。膜厚が0.3μm以上であると、カールの発生を抑制しながら、密着性を高め、ひび割れの発生を抑制することが可能となり、膜厚が1.0μm以上であると、密着性がより高まる。また、膜厚が3.0μm以下であると、密着性を維持したまま、カールおよび滲みを抑制することが可能となる。例えばフィルム基材を用いる場合、質感が変化することを好適に防止できる点で更に好ましい記録層の膜厚は0.3μm以上2.0μm以下の範囲である。
上記の方法1または方法2によって形成されたアンダーコート層の膜厚は、方法1を用いて形成したアンダーコート層については、後述する第4工程における乾燥後の記録媒体における、インク未付与部分で測定したアンダーコート層の膜厚である。なお、乾燥後とは、これ以上乾燥させても成膜が進行しないと考えられる状態を意味する。一方、方法2を用いて形成したものについては、第2工程実施後(即ち、乾燥後)のアンダーコート層の膜厚である。
尚、上記アンダーコート層の膜厚は、電子顕微鏡(SEM、TEM等)による断面観察や光干渉膜厚計によって測定することができる。
また、アンダーコート液に顔料凝集剤が含まれると、顔料凝集剤がインクの滲み防止に寄与するため、基材上に付与する光重合性化合物の量が少なくともインクの滲みを防止することが可能となる。よって、アンダーコート層の膜厚を低減することが可能となる。更に、顔料凝集剤により、瞬時に顔料を不動化できるため、より高速な印刷において滲みの抑制が可能である。
第3工程においては、アンダーコート層の表面に接して、顔料、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しないインクジェットインクを、インクジェット法により付与する。ここで使用するインクは、本発明の記録液セットに含まれるインクである。
アンダーコート層の表面に接して、インクを付与する際に用いるプリンターに特に限定はなく、インクを装填したインクジェットヘッドを備えるプリンターを用いることができる。具体的には、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドのノズルからインクを液滴として吐出させ、これを基材に設けたアンダーコート層上に着弾させて画像を形成することができる。
インクジェットヘッドは、オンデマンド方式、コンティニュアス方式の何れであってもよい。インクジェットヘッドの液滴吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(「バブルジェット」はキヤノン社の登録商標)型等)等、何れの方式を用いてもよい。
特に、電気−機械変換方式に用いられる電気−機械変換素子として圧電素子を用いたインクジェットヘッド(ピエゾ型インクジェットヘッドともいう)が好適である。
基材として非吸水性基材であるフィルムを用いる場合、一般的なフィルムの多くがロール形態で流通していることに鑑みて、シングルパス方式のインクジェット画像形成方法を用いることが好ましい。本発明の効果は、特にシングルパス方式のインクジェット画像形成方法において特に顕著になる。即ち、シングルパス方式のインクジェット画像形成方法を用いた場合、インクの滲みを抑制するために顔料凝集剤を用いると、ひび割れが特に発生し易くなるが、本発明によれば、このようなひび割れや折り割れの抑制と、高精細な画像形成が両立できる。
シングルパス方式のインクジェット画像形成方法とは、記録媒体が一つのインクジェットヘッドユニットの下を通過した際に、一度の通過でドットの形成されるべきすべての画素にインク滴を付与するものである。
シングルパス方式のインクジェット画像形成方法を達成する手段として、ラインヘッド型のインクジェットヘッドを使用することが好ましい。
ラインヘッド型のインクジェットヘッドとは、印字範囲の幅以上の長さを持つインクジェットヘッドのことを指す。ラインヘッド型のインクジェットヘッドとしては、一つのヘッドで印字範囲の幅以上であるものを用いてもよいし、複数のヘッドを組み合わせて印字範囲の幅以上となるように構成してもよい。
また、複数のヘッドを、互いのノズルが千鳥配列となるように並設して、これらヘッド全体としての解像度を高くすることも好ましい。
続く第4工程においては、アンダーコート層上に付与されたインクジェットインクを乾燥させ、第5工程においては、アンダーコート層に活性光線を照射してアンダーコート液を完全硬化させる。第4工程の乾燥と第5工程の光硬化は、この順番で行ってもよいし、第5工程の光硬化を行った後に、第4工程の乾燥を行ってもよい。
インクの乾燥には、例えば、乾燥炉や熱風送風機等のような非接触加熱型の乾燥装置を用いてもよいし、ホットプレートや熱ローラー等のような接触加熱型の乾燥装置を用いてもよい。
アンダーコート液の完全硬化に使用する光線は、第2工程においてアンダーコート液の半硬化に使用した光線と同じでもよいし、異なっていてもよい。光線としては、たとえば、電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等から選択することができるが、これらのうち紫外線を照射することが好ましい。
本発明の記録液セットおよびインクジェット画像形成方法は、基材上にインクジェット法で画像形成する種々の用途に好適に用いることができる。本発明の用途は格別限定されない。用途の具体例としては、例えば、食品や飲料等を包装する包装用フィルム等を好ましく挙げることができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
(光重合性化合物の合成)
光重合性樹脂1: 2Lセパラブルフラスコに、鹸化率88%、重合度1700のポリ酢酸ビニルの鹸化物を118g、イオン交換水を530g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルの鹸化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを175g、下記に示す修飾化合物―1を6.4g、リン酸を6.2g加え、10時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)70gを加え、12時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルの鹸化物を主鎖とする光重合性樹脂1の15質量%溶液を得た。
光重合性樹脂1: 2Lセパラブルフラスコに、鹸化率88%、重合度1700のポリ酢酸ビニルの鹸化物を118g、イオン交換水を530g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルの鹸化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを175g、下記に示す修飾化合物―1を6.4g、リン酸を6.2g加え、10時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)70gを加え、12時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルの鹸化物を主鎖とする光重合性樹脂1の15質量%溶液を得た。
光重合性樹脂2: 1Lのセパラブルフラスコに、鹸化率88%、重合度1700のポリ酢酸ビニルの鹸化物を77g、イオン交換水を360g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルの鹸化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを120g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、下記に示す修飾化合物−2を7.7g、リン酸を4.2g加え、8時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、18時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルの鹸化物を主鎖とする光重合性樹脂2の15質量%溶液を得た。
(試験1)
1.記録液セットの調製
1(a) アンダーコート液の調製
光重合性樹脂1の15重量%水溶液を67質量部、光重合開始剤としてBASF社製のIRGACURE2959を1質量部、イオン交換水(残部:全量が100質量部となる量)を、撹拌しながら順次添加した後、5.0μmのフィルターによりろ過してアンダーコート液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
1.記録液セットの調製
1(a) アンダーコート液の調製
光重合性樹脂1の15重量%水溶液を67質量部、光重合開始剤としてBASF社製のIRGACURE2959を1質量部、イオン交換水(残部:全量が100質量部となる量)を、撹拌しながら順次添加した後、5.0μmのフィルターによりろ過してアンダーコート液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
1(b) インクの調製
高分子分散剤としてスチレン−アクリル酸共重合体(BASF社製の「ジョンクリル678」、分子量8500、酸価215)4.5質量%、25%アンモニア水溶液1.25質量%、顔料(DIC社製の「GNKA−SD」;ピグメントブルー15:3)15質量%、残部としてイオン交換水を加えた混合液をプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料の含有量が15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を得た。この顔料分散体に含まれる顔料粒子の、動的光散乱法によって測定した平均粒子径は、122nmであった。
得られた顔料分散体29.8質量部、エチレングリコール15.0質量部、プロピレングリコール10.0質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインクを得た。なお、濾過前後でインクに実質的な組成変化はなかった。
高分子分散剤としてスチレン−アクリル酸共重合体(BASF社製の「ジョンクリル678」、分子量8500、酸価215)4.5質量%、25%アンモニア水溶液1.25質量%、顔料(DIC社製の「GNKA−SD」;ピグメントブルー15:3)15質量%、残部としてイオン交換水を加えた混合液をプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料の含有量が15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を得た。この顔料分散体に含まれる顔料粒子の、動的光散乱法によって測定した平均粒子径は、122nmであった。
得られた顔料分散体29.8質量部、エチレングリコール15.0質量部、プロピレングリコール10.0質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインクを得た。なお、濾過前後でインクに実質的な組成変化はなかった。
2.画像形成方法
2(a) アンダーコート液の塗布工程(第1工程)
上記で調製したアンダーコート液を、コロナ処理したポリエステルフィルム(フラムラ化学社製のFE2001、厚さ25μm)上にワイヤーバーを用いて、湿潤膜厚88μmの条件にて塗布した。
2(a) アンダーコート液の塗布工程(第1工程)
上記で調製したアンダーコート液を、コロナ処理したポリエステルフィルム(フラムラ化学社製のFE2001、厚さ25μm)上にワイヤーバーを用いて、湿潤膜厚88μmの条件にて塗布した。
2(b) アンダーコート層の乾燥工程(方法2による第2工程)
フィルム基材上に塗布されたアンダーコート液を80℃の熱風で15分乾燥させてアンダーコート層を形成した。得られたフィルムを記録媒体として、記録試験に用いた。
尚、上記方法を、第2工程の「方法2」とした。
フィルム基材上に塗布されたアンダーコート液を80℃の熱風で15分乾燥させてアンダーコート層を形成した。得られたフィルムを記録媒体として、記録試験に用いた。
尚、上記方法を、第2工程の「方法2」とした。
乾燥後のアンダーコート層について、その断面をSEMにより観察し、膜厚を求めた。膜厚は10μmであった。
尚、後述する試験2〜16においても、形成したアンダーコート層の膜厚を同様に測定し、その結果を表1に記載した。試験5、6、13、15および16については、アンダーコート液の塗布後に乾燥工程を行わない為、インク付与後の乾燥・光照射工程後に、インクを付与していないアンダーコート部分について、その断面をSEMにより観察し、膜厚を測定した。
尚、後述する試験2〜16においても、形成したアンダーコート層の膜厚を同様に測定し、その結果を表1に記載した。試験5、6、13、15および16については、アンダーコート液の塗布後に乾燥工程を行わない為、インク付与後の乾燥・光照射工程後に、インクを付与していないアンダーコート部分について、その断面をSEMにより観察し、膜厚を測定した。
2(c) インク付与工程(第3工程)
ここでは、インク付与工程としてシングルパス方式を用いて試験した。
<シングルパス方式(1パス印字)による画像形成>
コニカミノルタ社製の独立駆動インクジェットヘッド(360dpi、吐出量14pL)2つをノズルが互い違いになるように並設して、720dpi×720dpiの画像をシングルパス方式で印刷できるヘッドモジュールを作成した。
かかるヘッドモジュールを2つ用意し、記録媒体を搬送する搬送ステージの搬送方向に沿って並設した。各ヘッドモジュールは、搬送方向(搬送ステージの移動軸)と交差するように設置した。このようにして、記録媒体を1回パスさせる際に、印字率200%、即ち2色分のインク付量(22.5cc/m2)を印刷できるようにした。
搬送ステージ上に記録媒体を張付け、60m/分、40m/分、30m/分、10m/分および3m/分の速度でそれぞれ搬送を行い、記録媒体がヘッド下を通過する際にシングルパス方式で画像を形成した。
画像としては、インク付量22.5cc/m2の7cm四方のベタ中にサイズ6ポイントの文字を抜き文字として配置した画像を形成し、記録物を得た。
ここでは、インク付与工程としてシングルパス方式を用いて試験した。
<シングルパス方式(1パス印字)による画像形成>
コニカミノルタ社製の独立駆動インクジェットヘッド(360dpi、吐出量14pL)2つをノズルが互い違いになるように並設して、720dpi×720dpiの画像をシングルパス方式で印刷できるヘッドモジュールを作成した。
かかるヘッドモジュールを2つ用意し、記録媒体を搬送する搬送ステージの搬送方向に沿って並設した。各ヘッドモジュールは、搬送方向(搬送ステージの移動軸)と交差するように設置した。このようにして、記録媒体を1回パスさせる際に、印字率200%、即ち2色分のインク付量(22.5cc/m2)を印刷できるようにした。
搬送ステージ上に記録媒体を張付け、60m/分、40m/分、30m/分、10m/分および3m/分の速度でそれぞれ搬送を行い、記録媒体がヘッド下を通過する際にシングルパス方式で画像を形成した。
画像としては、インク付量22.5cc/m2の7cm四方のベタ中にサイズ6ポイントの文字を抜き文字として配置した画像を形成し、記録物を得た。
2(d) インク乾燥工程(第4工程)およびアンダーコート層の完全硬化工程(第5工程)
上記のインクジェット法による印刷後の記録物を80℃の温風で15分間乾燥した。次いで、ベルトコンベア上に設置したLEDランプ(浜松ホトニクス社製385nm、記録物とランプの距離2mm、最大出力3800mW/cm2(浜松ホトニクス社製 紫外線積算光量計:C9536−02で測定))を用い、前記の記録物を200mm/秒の速度で搬送しながらランプ出力3800mW/cm2で紫外線を照射して最終的な記録物を得た。
上記のインクジェット法による印刷後の記録物を80℃の温風で15分間乾燥した。次いで、ベルトコンベア上に設置したLEDランプ(浜松ホトニクス社製385nm、記録物とランプの距離2mm、最大出力3800mW/cm2(浜松ホトニクス社製 紫外線積算光量計:C9536−02で測定))を用い、前記の記録物を200mm/秒の速度で搬送しながらランプ出力3800mW/cm2で紫外線を照射して最終的な記録物を得た。
(試験2)
光重合性樹脂1を光重合性樹脂2に変更し、光重合開始剤を添加しなかった以外は試験1と同様にして試験2を行った。
光重合性樹脂1を光重合性樹脂2に変更し、光重合開始剤を添加しなかった以外は試験1と同様にして試験2を行った。
(試験3)
光重合性樹脂1に代えて、以下の光重合性樹脂3を用い、アンダーコート液調製時の添加量を29質量%に変更した以外は試験1と同様にして試験3を行った。
光重合性樹脂3: 光重合性樹脂微粒子であるアクリルオリゴマーを内包したコアシェル型ウレタンディスパージョン(WBR−829D、大成ファインケミカル株式会社製、樹脂濃度35%)
光重合性樹脂1に代えて、以下の光重合性樹脂3を用い、アンダーコート液調製時の添加量を29質量%に変更した以外は試験1と同様にして試験3を行った。
光重合性樹脂3: 光重合性樹脂微粒子であるアクリルオリゴマーを内包したコアシェル型ウレタンディスパージョン(WBR−829D、大成ファインケミカル株式会社製、樹脂濃度35%)
(試験4)
光重合性樹脂1の15重量%水溶液を、鹸化率88%、重合度1700のポリ酢酸ビニルの鹸化物(光重合性基なし)に変更し、光重合開始剤を用いない以外は試験1と同様にし、更にインク乾燥後の光照射を行わずに試験4を行った。
光重合性樹脂1の15重量%水溶液を、鹸化率88%、重合度1700のポリ酢酸ビニルの鹸化物(光重合性基なし)に変更し、光重合開始剤を用いない以外は試験1と同様にし、更にインク乾燥後の光照射を行わずに試験4を行った。
(試験5)
画像形成方法において、アンダーコート層を次のようにして形成した以外は試験1と同様にして試験5を行った。
画像形成方法において、アンダーコート層を次のようにして形成した以外は試験1と同様にして試験5を行った。
2(a) アンダーコート液の塗布工程(第1工程)
試験1で調製したアンダーコート液をコロナ処理したポリエステルフィルム(フラムラ化学社製のFE2001、厚さ25μm)上にワイヤーバーを用いて、湿潤膜厚11μmの条件にて塗布した。
試験1で調製したアンダーコート液をコロナ処理したポリエステルフィルム(フラムラ化学社製のFE2001、厚さ25μm)上にワイヤーバーを用いて、湿潤膜厚11μmの条件にて塗布した。
2(b) アンダーコート層の半硬化工程(方法1による第2工程)
アンダーコート液の塗布後、連続してベルトコンベア上に設置したLEDランプ(浜松ホトニクス社製385nm、記録物とランプの距離2mm、最大出力3800mW/cm2(浜松ホトニクス社製 紫外線積算光量計:C9536−02で測定))を用い、前記の記録物を200mm/秒の速度で搬送しながらランプ出力250mW/cm2で紫外線を照射して、アンダーコート液を半硬化させた。得られたフィルムを記録媒体とした。
なお、この段階で赤外分光法によりアンダーコート層を分析したところ、未反応の重合性基は71モル%残存していた。
尚、上記方法を、第2工程の「方法1」とする。
アンダーコート液の塗布後、連続してベルトコンベア上に設置したLEDランプ(浜松ホトニクス社製385nm、記録物とランプの距離2mm、最大出力3800mW/cm2(浜松ホトニクス社製 紫外線積算光量計:C9536−02で測定))を用い、前記の記録物を200mm/秒の速度で搬送しながらランプ出力250mW/cm2で紫外線を照射して、アンダーコート液を半硬化させた。得られたフィルムを記録媒体とした。
なお、この段階で赤外分光法によりアンダーコート層を分析したところ、未反応の重合性基は71モル%残存していた。
尚、上記方法を、第2工程の「方法1」とする。
上記記録媒体を用いて、インク付与工程、インク乾燥工程およびアンダーコート層の完全硬化工程を試験1と同様に実施し、試験5を行った。
(試験6)
アンダーコート液を試験2で調製したものに変更した以外は、試験5と同様にして試験6を行った。なお、試験6のアンダーコート層に関し、半硬化工程後に測定した未反応重合性基の量は83モル%であった。
アンダーコート液を試験2で調製したものに変更した以外は、試験5と同様にして試験6を行った。なお、試験6のアンダーコート層に関し、半硬化工程後に測定した未反応重合性基の量は83モル%であった。
(試験7)
アンダーコート液を以下のものに変更し、さらにアンダーコート層を次のようにして形成した以外は、試験1と同様にして試験7を行った。
1(a) アンダーコート液の調製
光重合性樹脂2の15重量%水溶液を67質量部、酢酸カルシウム一水和物の15重量%水溶液を18質量部、イオン交換水(残部:全量が100質量部となる量)を、撹拌しながら順次添加した後、5.0μmのフィルターによりろ過してアンダーコート液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
アンダーコート液を以下のものに変更し、さらにアンダーコート層を次のようにして形成した以外は、試験1と同様にして試験7を行った。
1(a) アンダーコート液の調製
光重合性樹脂2の15重量%水溶液を67質量部、酢酸カルシウム一水和物の15重量%水溶液を18質量部、イオン交換水(残部:全量が100質量部となる量)を、撹拌しながら順次添加した後、5.0μmのフィルターによりろ過してアンダーコート液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
2(a) アンダーコート液の塗布工程(第1工程)
上記で調製したアンダーコート液をコロナ処理したポリエステルフィルム(フラムラ化学社製のFE2001、厚さ25μm)上にワイヤーバーを用い湿潤膜厚11μmの条件にて塗布した。
上記で調製したアンダーコート液をコロナ処理したポリエステルフィルム(フラムラ化学社製のFE2001、厚さ25μm)上にワイヤーバーを用い湿潤膜厚11μmの条件にて塗布した。
2(b) アンダーコート層の乾燥工程(第2工程)
フィルム基材上に塗布されたアンダーコート液を80℃の熱風で15分乾燥させてアンダーコート層を形成し、記録媒体とした。
以降のインク付与工程、インクの乾燥・光照射工程については、試験1と同様にして試験7を行った。
フィルム基材上に塗布されたアンダーコート液を80℃の熱風で15分乾燥させてアンダーコート層を形成し、記録媒体とした。
以降のインク付与工程、インクの乾燥・光照射工程については、試験1と同様にして試験7を行った。
(試験8)
試験7において用いたインクを下記のように変更した以外は試験7と同様にして、試験8を行った。
試験7において用いたインクを下記のように変更した以外は試験7と同様にして、試験8を行った。
1(b) インクの調製
試験1で調製した顔料分散体である15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を29.8質量部、エチレングリコール21.0質量部、プロピレングリコール4.0質量部、光重合性樹脂2の15重量%水溶液を20質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインクを得た。なお、濾過前後で実質的な組成変化はなかった。
試験1で調製した顔料分散体である15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を29.8質量部、エチレングリコール21.0質量部、プロピレングリコール4.0質量部、光重合性樹脂2の15重量%水溶液を20質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインクを得た。なお、濾過前後で実質的な組成変化はなかった。
(試験9)
試験7において用いたインクを下記のように変更した以外は試験7と同様にして、試験9を行った。
1(b) インクの調製
試験1で調製した顔料分散体である15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を29.8質量部、エチレングリコール21.0質量部、プロピレングリコール4.0質量部、定着樹脂として水分散性樹脂:ジョンクリル538J(アクリルエマルジョン、固形分45%、BASFジャパン社製)を4.6質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインク1を得た。なお、濾過前後で実質的な組成変化はなかった。
試験7において用いたインクを下記のように変更した以外は試験7と同様にして、試験9を行った。
1(b) インクの調製
試験1で調製した顔料分散体である15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を29.8質量部、エチレングリコール21.0質量部、プロピレングリコール4.0質量部、定着樹脂として水分散性樹脂:ジョンクリル538J(アクリルエマルジョン、固形分45%、BASFジャパン社製)を4.6質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインク1を得た。なお、濾過前後で実質的な組成変化はなかった。
<試験10〜12>
アンダーコート液の調製に関し、光重合性樹脂2の15重量%水溶液の添加量を11質量部に変更した以外は試験7と同様にして試験10を、同様に光重合性樹脂2の15重量%水溶液の添加量を17質量部に変更した以外は試験7と同様にして試験11を行った。試験12については、アンダーコート液の塗布工程における湿潤膜厚を28μmに変更した以外は試験7と同様にして試験12を行った。
アンダーコート液の調製に関し、光重合性樹脂2の15重量%水溶液の添加量を11質量部に変更した以外は試験7と同様にして試験10を、同様に光重合性樹脂2の15重量%水溶液の添加量を17質量部に変更した以外は試験7と同様にして試験11を行った。試験12については、アンダーコート液の塗布工程における湿潤膜厚を28μmに変更した以外は試験7と同様にして試験12を行った。
<試験13>
アンダーコート液から光重合開始剤を除き、下記のようにインクに光重合開始剤を添加した以外は試験5と同様にして試験13を行った。なお、試験13のアンダーコート層に関し、半硬化工程後に測定した未反応重合性基の量は90モル%以上であった。
アンダーコート液から光重合開始剤を除き、下記のようにインクに光重合開始剤を添加した以外は試験5と同様にして試験13を行った。なお、試験13のアンダーコート層に関し、半硬化工程後に測定した未反応重合性基の量は90モル%以上であった。
1(b) インクの調製
試験1で調製した顔料分散体である15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を29.8質量部、エチレングリコール15.0質量部、プロピレングリコール10.0質量部、光重合開始剤としてBASF社製のIRGACURE2959を0.5質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインクを得た。なお、濾過前後で実質的な組成変化はなかった。
試験1で調製した顔料分散体である15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を29.8質量部、エチレングリコール15.0質量部、プロピレングリコール10.0質量部、光重合開始剤としてBASF社製のIRGACURE2959を0.5質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインクを得た。なお、濾過前後で実質的な組成変化はなかった。
<試験14>
アンダーコート液から光重合開始剤を除き、下記のようにインクに光重合開始剤を添加した以外は試験7と同様にして試験14を行った。
1(b) インクの調製
試験1で調整した顔料分散体である15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を29.8質量部、エチレングリコール15.0質量部、プロピレングリコール10.0質量部、光重合開始剤としてBASF社製のIRGACURE2959を0.5質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインクを得た。なお、濾過前後で実質的な組成変化はなかった。
アンダーコート液から光重合開始剤を除き、下記のようにインクに光重合開始剤を添加した以外は試験7と同様にして試験14を行った。
1(b) インクの調製
試験1で調整した顔料分散体である15質量%のシアン顔料分散体(単に顔料分散体ともいう)を29.8質量部、エチレングリコール15.0質量部、プロピレングリコール10.0質量部、光重合開始剤としてBASF社製のIRGACURE2959を0.5質量部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業製、KF−351A)0.3質量部、イオン交換水(残部)の量により100質量部に調整し、混合撹拌した。十分に撹拌した後、5.0μmのフィルターにより濾過してインクを得た。なお、濾過前後で実質的な組成変化はなかった。
<試験15>
アンダーコート液塗布後の半硬化工程(光照射工程)において、ランプ出力を250mW/cm2から3800mW/cm2に変更した以外は、試験5と同様にして試験15を行った。なお、アンダーコート液を塗布し、光照射した後の段階で、アンダーコート層を赤外分光法により分析したところ、未反応の重合性基は10モル%以下であり、流動性がない状態であった。
アンダーコート液塗布後の半硬化工程(光照射工程)において、ランプ出力を250mW/cm2から3800mW/cm2に変更した以外は、試験5と同様にして試験15を行った。なお、アンダーコート液を塗布し、光照射した後の段階で、アンダーコート層を赤外分光法により分析したところ、未反応の重合性基は10モル%以下であり、流動性がない状態であった。
<試験16>
アンダーコート液塗布後の半硬化工程を行わない(即ち、第2工程なしとした)以外は試験5と同様にして、試験16を行った。
アンダーコート液塗布後の半硬化工程を行わない(即ち、第2工程なしとした)以外は試験5と同様にして、試験16を行った。
<評価方法>
(1)出射性
コニカミノルタ社製の独立駆動インクジェットヘッド(360dpi、吐出量14pL)、および特開2002−363469号公報の図2に記載のストロボ発光方式のインク飛翔観察装置を用いて、吐出周期と発光周期を同期させCCDカメラにより、各インクの飛翔状態をモニターし、23℃55%RHの環境における出射性を、下記基準に従って評価した。
〇:インク液滴は正常に出射されており、出射を3分間停止後に再開しても、曲がり、欠、速度バラつきなどの異常が生じない
△:インク液滴は正常に出射されており、出射を1分間停止後に再開しても異常は生じないが、出射を3分間停止後に再開した時に、曲がり、速度バラつきが生じるノズルがある。
×:インク液滴の正常な射出が困難で、曲がりが生じるノズルがあり、出射を1分間停止後に再開した時、多くのノズルで曲がり、速度バラつきが生じ、欠も発生している
(1)出射性
コニカミノルタ社製の独立駆動インクジェットヘッド(360dpi、吐出量14pL)、および特開2002−363469号公報の図2に記載のストロボ発光方式のインク飛翔観察装置を用いて、吐出周期と発光周期を同期させCCDカメラにより、各インクの飛翔状態をモニターし、23℃55%RHの環境における出射性を、下記基準に従って評価した。
〇:インク液滴は正常に出射されており、出射を3分間停止後に再開しても、曲がり、欠、速度バラつきなどの異常が生じない
△:インク液滴は正常に出射されており、出射を1分間停止後に再開しても異常は生じないが、出射を3分間停止後に再開した時に、曲がり、速度バラつきが生じるノズルがある。
×:インク液滴の正常な射出が困難で、曲がりが生じるノズルがあり、出射を1分間停止後に再開した時、多くのノズルで曲がり、速度バラつきが生じ、欠も発生している
(2)滲み耐性
各試験において搬送速度60m/分、40m/分、30m/分、10m/分および3m/分の各条件で画像形成した画像の抜き文字部分を観察し、滲みが無く、抜き文字の線が何れの部分においても消えていない搬送速度を確認した。
各試験において搬送速度60m/分、40m/分、30m/分、10m/分および3m/分の各条件で画像形成した画像の抜き文字部分を観察し、滲みが無く、抜き文字の線が何れの部分においても消えていない搬送速度を確認した。
(3)カール
各試験のインク付与工程で形成した7cm四方のベタ画像を切り出し、23℃、20% RHの環境下で平らな台上で画像形成面を上にして1週間放置し、次いで四隅の浮き上がり高さを測定した。なお、中央部が浮き上がる負カールの試料については、上下を逆にして更に1日放置した後、四隅の浮き上がり高さを測定した。以上のようにして四隅の浮き上がり高さを測定し、下記の基準に従って、カール特性を評価した。
〇:ほとんど平坦で、四隅で最も浮いている箇所でも、浮き上がり高さが2mm未満である
△:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが2mm以上、5mm未満である
×:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが5mm以上、または円筒状に丸まってしまい、測定不可である
各試験のインク付与工程で形成した7cm四方のベタ画像を切り出し、23℃、20% RHの環境下で平らな台上で画像形成面を上にして1週間放置し、次いで四隅の浮き上がり高さを測定した。なお、中央部が浮き上がる負カールの試料については、上下を逆にして更に1日放置した後、四隅の浮き上がり高さを測定した。以上のようにして四隅の浮き上がり高さを測定し、下記の基準に従って、カール特性を評価した。
〇:ほとんど平坦で、四隅で最も浮いている箇所でも、浮き上がり高さが2mm未満である
△:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが2mm以上、5mm未満である
×:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが5mm以上、または円筒状に丸まってしまい、測定不可である
(4)ひび割れ
各試験において画像形成した画像を25℃80%RHの条件で3日間保存した後、画像形成面の割れについて目視および顕微鏡観察にて評価した。
〇:目視および顕微鏡観察にてひび割れが観察されず良好
△:目視でひび割れは確認できないが、顕微鏡観察で部分的に微小なひび割れが見られる
×:目視で認識できるひび割れが見られる
各試験において画像形成した画像を25℃80%RHの条件で3日間保存した後、画像形成面の割れについて目視および顕微鏡観察にて評価した。
〇:目視および顕微鏡観察にてひび割れが観察されず良好
△:目視でひび割れは確認できないが、顕微鏡観察で部分的に微小なひび割れが見られる
×:目視で認識できるひび割れが見られる
(5)密着性
各試験で形成した画像の表面を1mm幅で25マスの格子状にクロスカットし、その基盤目上にセロハン製粘着テープ(ニチバン社製LP−24)を粘着させ、直ちにテープを垂直に引きはがした。画像膜の剥離状態を剥がれたマスの数により、下記の基準に従って接着性の評価を行った。
◎:全マス剥離せず、テープへの着色も全く見られず良好
〇:全マス剥離しないが、テープに若干の着色が見られる
△:1〜2マス剥離し、テープに剥離部分が移行している
×:3マス以上の剥離が見られる
各試験で形成した画像の表面を1mm幅で25マスの格子状にクロスカットし、その基盤目上にセロハン製粘着テープ(ニチバン社製LP−24)を粘着させ、直ちにテープを垂直に引きはがした。画像膜の剥離状態を剥がれたマスの数により、下記の基準に従って接着性の評価を行った。
◎:全マス剥離せず、テープへの着色も全く見られず良好
〇:全マス剥離しないが、テープに若干の着色が見られる
△:1〜2マス剥離し、テープに剥離部分が移行している
×:3マス以上の剥離が見られる
以上の評価結果を表1に示す。
上記表1より、光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化する組成物であるアンダーコート液と、色材、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しないインクとを組み合わせた本発明の記録液セットを用いて画像形成を行った試験1〜3、5〜7、および9〜12においては、出射性、滲み、カール、ひび割れおよび密着性の全ての評価が良好であることがわかる。特に、側鎖にマレイミド基を有する水溶性ポリマーである光重合性樹脂2を含有するアンダーコート液を使用して、乾燥(方法2)によりアンダーコート層を形成した試験2では、光重合性樹脂1や光重合性樹脂3を使用して同様にアンダーコート層を形成した試験1や3の結果と比べて、密着性が高いことがわかる。また、光重合性樹脂2を使用する際には、光重合開始剤の添加なしでアンダーコート層を形成することができた(試験2)。
一方、光重合性樹脂を含まないアンダーコート液を用いた試験4においては、光重合性樹脂を含むアンダーコート液を用いた試験1〜3と比べて、ひび割れと密着性の評価が劣悪であった。これは、光重合性機能を有していないアンダーコート層がインクを定着させる効果が不十分であるためと考えられる。
側鎖にマレイミド基を有する水溶性ポリマーの使用による密着性の向上は、アンダーコート層の形成を半硬化(方法1)で行った試験5と6の対比からも明らかである。更に光重合性樹脂2と顔料凝集剤を含むアンダーコート液を使用し、乾燥(方法2)によりアンダーコート層を形成した試験7では、顔料凝集剤を含まず、半硬化(方法1)によりアンダーコート層を形成した試験6よりも高速印字時の滲みが抑制されていた。また、試験7と同じアンダーコート層を用いるが、インクが水分散性樹脂を含む試験9よりも、試験7は出射性とカールの評価が優れていた。更にインクが光重合性樹脂を含む試験8においては、密着性と滲みに関する評価は試験7と同様であるものの、出射性、カールおよびひび割れの評価は劣悪であった。これは、光重合性樹脂を含むインクの粘性が高まって出射性が低下し、更にこのようなインクはアンダーコート層とは別に硬化収縮するため、カールやひび割れが発生しやすいと考えられる。
また、アンダーコート液の組成が同じ場合、アンダーコート層の膜厚が厚いほど、カール、密着性および滲みの評価は向上することがわかる(試験7、10〜12)。
アンダーコート液が光重合性樹脂1を含有し、インクのみが光重合開始剤を含有し、第2工程においてアンダーコート液の半硬化を実施した試験13においては、カール、ひび割れおよび密着性は評価不可であり、滲みも劣悪であった。この試験においては、アンダーコート液の半硬化は不十分(未反応重合性基が90モル%以上)であり、一方、光重合開始剤を含むインクは過剰に硬化したため、評価結果が悪くなったと考えられる。アンダーコート液が顔料を含有し、インクのみが光重合性化合物を含有し、第2工程においてアンダーコート液の乾燥を実施した試験14においては、ひび割れの評価が劣悪であった。これは、光重合開始剤によってインクが過剰に硬化収縮したためと考えられる。第2工程としてアンダーコート液の半硬化の代わり完全硬化を行った試験15においては、完全に硬化したアンダーコート液では、インクと混合して増粘し、インクを定着させることができないため、滲みおよび密着性の評価が劣悪になったと考えられる。また、第2工程を実施しない試験16においては、アンダーコート液とインクとの混合による増粘は生じるものの、第5工程における光照射だけではアンダーコート液の硬化が不十分であり、滲みが発生したと考えられる。
本発明によれば、出射安定性を確保し、カール、ひび割れ、および高速印刷時の画像の滲みが抑制された画像の形成が可能な、インクジェット用の記録液セットおよびインクジェット画像形成方法を提供することができる。そのため、本発明は、インクジェット法による水系インクを用いた画像形成の適合範囲を広げ、当分野におけるインクジェット法の普及に寄与することが期待される。
Claims (19)
- 水性のアンダーコート液および水性のインクジェットインクを含む記録液セットであって、
前記インクジェットインクは、色材、水および有機溶剤を含有し、
前記アンダーコート液は、光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化する組成物であり、
前記インクジェットインクは光重合性化合物を実質的に含有しないことを特徴とする、記録液セット。 - 前記光重合性化合物が、側鎖に光重合性基を有する水溶性ポリマーまたは光重合性の樹脂粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の記録液セット。
- 前記光重合性化合物が前記水溶性ポリマーであり、前記光重合性基がマレイミド基であることを特徴とする、請求項1または2に記載の記録液セット。
- 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録液セット。
- 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を実質的に含有しないことを特徴とする、請求項3に記載の記録液セット。
- 前記アンダーコート液が、顔料凝集剤を更に含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録液セット。
- 前記顔料凝集剤が、多価金属塩または酸であることを特徴とする、請求項6に記載の記録液セット。
- 前記インクジェットインクが、高分子微粒子を実質的に含有しないことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録液セット。
- 光重合性化合物および水を含有し、活性光線の照射により硬化するアンダーコート液を基材上に塗布する第1工程と、
前記基材上に塗布された前記アンダーコート液が不完全な成膜状態であるアンダーコート層を形成する第2工程と、
前記アンダーコート層の表面に接して、顔料、水および有機溶剤を含有し、光重合性化合物を実質的に含有しないインクジェットインクを、インクジェット法により付与する第3工程と、
前記アンダーコート層上に付与された前記インクジェットインクを乾燥させる第4工程と、
前記アンダーコート層に活性光線を照射して前記アンダーコート液を完全硬化させる第5工程と
を有することを特徴とする、画像形成方法。 - 前記第2工程において、前記アンダーコート層は、前記アンダーコート液を半硬化させて形成することを特徴とする、請求項9に記載の画像形成方法。
- 前記第2工程において、前記アンダーコート層は、前記アンダーコート液を乾燥させて形成することを特徴とする、請求項9に記載の画像形成方法。
- 前記インクジェットインクが含有する前記光重合性化合物が、側鎖に光重合性基を有する水溶性ポリマーまたは光重合性の樹脂粒子であることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記光重合性化合物が前記水溶性ポリマーであり、前記光重合性基がマレイミド基であることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成方法。
- 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を含有することを特徴とする、請求項9〜13のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記アンダーコート液が、光重合開始剤を実質的に含有しないことを特徴とする、請求項13に記載の画像形成方法。
- 前記アンダーコート液が、顔料凝集剤を更に含有することを特徴とする、請求項9〜15のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記第3工程において、前記インクジェットインクはシングルパス方式で付与される、請求項9〜16のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記基材が非吸水性媒体であることを特徴とする、請求項9〜17のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記アンダーコート層の乾燥膜厚が0.3〜3.0μmであることを特徴とする、請求項9〜18のいずれか一項に記載の画像形成方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017030901A JP2018135448A (ja) | 2017-02-22 | 2017-02-22 | 記録液セットおよび画像形成方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021199794A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 東洋製罐株式会社 | 印刷物の製造方法、印刷装置及び印刷缶 |
-
2017
- 2017-02-22 JP JP2017030901A patent/JP2018135448A/ja active Pending
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WO2021199794A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 東洋製罐株式会社 | 印刷物の製造方法、印刷装置及び印刷缶 |
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