JP5034202B2 - インクジェット用インク - Google Patents

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Description

本発明は、新規のインクジェット用インクに関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインクジェット用インク及びインクジェット用インクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェット画像記録システムでは、用いることのできる記録媒体の種類が制限されること、記録媒体のコストアップ等が問題となる。
一方、オフィスにおいては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙、普通紙両面印刷等)の制約を受けずに高速でフルカラー印字が行えるシステムのニーズが益々高まってきている。
また、ここで用いられるインクジェット用インクの組成に関しても、高速で印字でき、普通紙での文字再現性がよく、印字の際の裏抜け(印字したインクが記録媒体を通過し、裏面にその画像が映る現象)、フェザリング、画像滲みの発生がなく、また紙への浸透が速く、乾燥が速い等の観点で、種々の検討が行われてきた。
その一つの方法として、インクジェット用インクとして、水の含有率を50質量%以上とした、いわゆる水性インクジェットインクが広く用いられているが、この様な水性インクジェットインクを用いて、電子写真用コピー紙や上質紙、中質紙といった普通紙にインクジェット画像記録を行った場合、形成した画像の裏抜け、フェザリング等の基材のインク浸透性に起因する問題に加え、画像記録した普通紙のカールやコックリングが大きな問題となる。
上記課題に対し、ブリストウ法における記録媒体への濡れ時間と吸収係数を規定し、浸透性を改良したインクジェット用インクを用いたインクジェット記録方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、インク中の色材も同時に普通紙内部に浸透してしまうため、画像濃度の低下やインクの裏抜けが大きくなり、特に、両面印刷には適性を有していないという欠点を抱えている。
また、特定のアミド化合物、ピリジン誘導体、イミダゾリン化合物または尿素化合物をカール防止剤として含有するインクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、インク液の乾燥に伴い、記録ヘッドのノズル部で目詰まりを起こしやすいという問題を有している。
また、上記カールを改良する方法として、画像印字面の裏面側に、水を含む溶液を付与してカールバランスを適正化するインクジェット記録方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献3に記載の方法では、両面記録適性を有していないこと、普通紙へのインクジェットインク及びカールバランス液の付着量の増加に伴い、普通紙の強度が低下し、搬送時にジャミング等を生じやすい欠点があった。
また、水性インクジェットインクに代えて、高速で印字を行うことのできるソルベント系インクも検討されている。即ち、揮発性溶媒を含有して乾燥性を高めた油性インク(ソルベント系インクジェットインク)を用いることで、普通紙に印字しても、記録媒体への浸透が速く、かつ乾燥時間が短いため、記録媒体のカール等が生じず、高速な印字が可能である。しかしながら、ソルベント系インクは、普通紙への浸透性が高いため、文字再現性が悪いこと、および記録媒体での裏抜けを引き起こし、特に、普通紙の両面に印字を行う場合の大きな障害となっていた。
これに対し、本発明者らは、特定の溶媒と水のインク中おける含有量を特定の条件に規定することで、印字時の出射性、デキャップ適性が改良され、普通紙に印字した際の裏抜け耐性、文字品質及びカール特性に優れたインクジェット用インクを提案してきた(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、特許文献4で提案した方法で、カールを防止しつつ、裏抜け耐性を向上させることができたが、顔料が紙の表層により多く留まるために、高速印刷、特に、両面印刷を考えた場合、インクジェットプリンター内での搬送が過酷になるため、プリント部分の耐擦過性が不十分であることが判明した。
耐擦過性については、例えば、ビニル系共重合体をインク中に含有させる提案がされている(例えば、特許文献5参照)。しかし、単にインクジェットインク中に高分子を含有させただけでは耐擦過性への効果は十分ではない。そこで、高分子化合物として紫外線重合モノマーを用いたインクが提案されている(例えば、特許文献6参照。)。これらの方法では、インク自身を硬化成分により硬化させるため耐擦過性は良くなるが、色材以外の硬化成分が多量に含有し、かつ揮発しないため記録面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせた。さらに、従来公知の活性光線硬化型化合物の多くは安全上の懸念点があり、また、安全性をクリアしたとしても、選択可能な化合物の範囲が制限され、得られる画像皮膜の特性にも大きな制限を受けることとなる。
特開平10−316915号公報 特開平9−176538号公報 特開平10−272828号公報 特開2005−220296号公報 特開2005−97433号公報 特開平7−224241号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インクジェットプリンタでの出射安定性、デキャップ耐性に優れ、かつ形成した画像の文字品質、裏抜け耐性、耐擦過性に優れ、かつ印字した記録材料のカール特性に優れたインクジェット用インクを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(1)少なくとも色材、有機溶媒、水及び高分子化合物を含有するインクジェット用インクであって、該水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、該有機溶媒の少なくとも1種は、SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶媒であり、該SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であり、かつ該高分子化合物は親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であることを特徴とするインクジェット用インク。
(2)前記有機溶媒の少なくとも1種は、SP値が9.0以上、11.0未満の水溶性有機溶媒であり、該SP値が9.0以上、11.0未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であることを特徴とする前記(1)項に記載のインクジェット用インク。
(3)前記高分子化合物を、全インク質量に対し、0.8質量%以上、5.0質量%以下含有することを特徴とする前記(1)または(2)項に記載のインクジェット用インク。
(4)前記高分子化合物の親水性主鎖はポリ酢酸ビニルのケン化物であり、ケン化度が77%以上、99%以下で、かつ重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
(5)前記高分子化合物の親水性主鎖に対する前記側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
(6)前記色材が顔料であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
本発明により、インクジェットプリンタでの出射安定性、デキャップ耐性に優れ、かつ形成した画像の文字品質、裏抜け耐性、耐擦過性に優れ、かつ印字した記録材料のカール特性に優れたインクジェット用インクを提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも色材、有機溶媒、水及び高分子化合物を含有するインクジェット用インクであって、該水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、該有機溶媒の少なくとも1種は、SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶媒であり、該SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であり、かつ該高分子化合物は親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であることを特徴とするインクジェット用インクにより、インクジェットプリンタでの出射安定性、デキャップ耐性に優れ、かつ形成した画像の文字品質、裏抜け耐性、耐擦過性に優れ、かつ印字した記録材料のカール特性に優れたインクジェット用インクを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下本発明を詳細に説明する。
《高分子化合物》
本発明のインクジェット用インク(以下、単にインクともいう)では、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物(以下、本発明に係る高分子化合物ともいう)を含有することを一つの特徴とする。
本発明に係る活性エネルギー線架橋型の高分子化合物は、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型樹脂に比較し、光子一つあたりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型樹脂では、架橋点の数は制御不可能であるため、活性エネルギー線を照射して硬化した後の画像膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に係る高分子化合物では、架橋点の数は親水性主鎖の長さと側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクでは、色材以外のほぼ全量が硬化性高分子成分であり、そのため、硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質が大きく劣化するのに対し、本発明に係る高分子化合物は必要量が少量ですみ、かつ乾燥成分が多いため、乾燥後の画質向上、例えば、光沢性の向上が図られ、かつ耐擦過性も良い。
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、ケン化度としては77%以上、99%以下であることが好ましく、その重合度は200以上、4000以下が好ましく、200以上、2000以下がハンドリングの観点からより好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は、0.3モル%以上、4モル%以下が好ましく、0.8モル%以上、4モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し、本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 0005034202
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され、4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
Figure 0005034202
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 0005034202
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 0005034202
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 0005034202
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
本発明に係るインクにおいては、本発明に係る活性エネルギー線架橋型の高分子化合物は、インク全質量に対して0.8質量%以上、5.0質量%以下含有することが好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディングやカラーブリードがより好ましくなる。5.0質量%以下の場合は、インク物性やインクヘッド内状態に悪影響しにくくなり、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
〔光重合開始剤、増感剤〕
本発明に係るインクおいては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について、特に制限はないが、水溶性光重合開始剤が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶性の観点から、下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 0005034202
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、その他の光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、アセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
《活性エネルギー線及びその照射方法》
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体に上記親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクジェット記録インクを吐出して画像を記録した後、活性エネルギー線を記録した画像上に照射して高分子化合物を硬化させて画像形成する。
(活性エネルギー照射方法)
本発明に係るインクは、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な水溶性高分子を含有しており、記録媒体に噴霧した後、活性エネルギー線を照射して硬化を行う。
以下、インクジェット用インクへの活性エネルギー線照射方法について説明する。
〈活性エネルギー線〉
本発明でいう活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として、例えば、数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
〈インク着弾後の光照射条件〉
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
〈活性エネルギー線の照射手段〉
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、インクジェット記録ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる方法も挙げられる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明の画像記録方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性エネルギー線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射し、更に活性エネルギー線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
《溶媒組成》
本発明のインクにおける溶媒組成としては、少なくとも水及び有機溶媒を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、該有機溶媒の少なくとも1種は、SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶媒であり、該SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であることを特徴とし、この溶媒組成とすることにより、出射安定性、デキャップ耐性に優れ、かつ形成画像の文字品質、裏抜け耐性が良好で、かつ印字した記録材料のカール特性を良好にすることが可能となる。
全インク質量中の水の含有量が、50質量%未満であれば、カールやコックリングの発生を抑制される。また、10質量%以上であれば、良好な顔料の分散安定性を得ることができる。全インク質量中の水の含有量としては、更には20質量%以上、40質量%未満であることが好ましい。
本発明のインクでは、少なくともSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶媒を全インク質量の30質量%以上含有するが、30質量%以上であれば、普通紙記録時のカール、コックリングの発生を飛躍的に抑制することができ、好ましくはSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶媒を全インク質量の50質量%以上、80質量%以下含有することが好ましい。
本発明のインクでは、主となる有機溶媒のSP値は9.0以上、12未満であるが、9.0以上であれば、水との相溶性が良好となり、水との分離を起こさなくなり、顔料粒子の高い分散安定性を維持することができる。また、SP値が12未満であれば、有機溶媒に起因するカールに対する抑制効果を得ることができる。本発明においては、該有機溶媒のSP値の範囲としては、9.0以上、11未満であることが更に好ましい。
本発明でいう溶媒の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、Polymer HandBook(Second Edition)第IV章 Solubility Parameter Valuesに記載があり、その値を用いた。単位は(cal/cm)1/2であり、25℃における値を指す。なお、データの記載がないものについては、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1967)に記載の方法で計算することができる。
以下、本発明に係るSP値が9.0以上、12未満である水溶性有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル(11.6)、エチレングリコールモノエチルエーテル(11.4)、エチレングリコールモノブチルエーテル(9.8)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(9.2)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(11.6)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(11.2)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(9.5)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(9.4)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(10.5)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(10.4)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(9.6)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(10.4)、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(9.4)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(9.6)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(9.6)等があるが、特に限定されるものではない。括弧内の数値は、SP値を表す。
本発明のインクでは、SP値が9.0以上12未満の水溶性有機溶媒に加えて、従来公知の各種水溶性有機溶媒を併用することができるが、中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは顔料の分散性に悪影響を与えず、インク粘度を下げる効果を備えているため好ましい。
《色材》
本発明のインクには色材が含有されており、本発明のインクに用いられる色材の色相としては、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドのインクを形成する色材が好ましく用いられ、特に好ましくはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色材である。
本発明のインクでは、色材が染料である染料インク、あるいは色材がインクジェットインクを構成する溶媒に不溶で、微細な顔料粒子を含む分散系を形成する顔料インク、あるいは色材が着色した高分子ポリマーの分散体からなる分散インク等の種々のインクジェット用インクに適用できる。
本発明で用いることのできる染料としては、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物としては、例えば、特開2002−264490号公報に例示した染料を挙げることができる。
また、ポリマー等と共に着色微粒子を形成し着色材となる油溶性染料については、通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料、例えば分散染料等が選ばれる。また、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれ、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られている。
しかしながら、本発明のインクにおいては、色材としては顔料を用いることが好ましく、本発明に係る溶媒組成物に溶解度を有しない顔料が、本発明の目的効果をいかんなく発揮させる観点から好ましい。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。この顔料は水性インクの中で分散された状態で存在させ、この分散の方式としては、自己分散、活性剤分散、ポリマー分散、マイクロカプセル分散の何れでも良いが、ポリマー分散、マイクロカプセル分散が定着性の点から好ましい。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
以上の顔料の他に、レッド、グリーン、ブルー、中間色が必要とされる場合には、以下の顔料を単独あるいは併用して用いることが好ましく、例えば、C.I.Pigment Red;209、224、177、194、C.I.Pigment Orange;43、 C.I.Vat Violet;3、 C.I.Pigment Violet;19、23、37、 C.I.Pigment Green;36、7、 C.I.Pigment Blue;15:6等が用いられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明のインクに使用する顔料分散体の平均粒子径は、50nm以上、200nm未満であることが好ましい。顔料分散体の平均粒子径が50nm未満あるいは200nm以上では顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、水性インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来るが、動的光散乱法による測定が簡便でこの粒子径領域の精度が良く多用される。
本発明で用いられる顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。中でもサンドミルによる分散が100nm前後の平均粒子径を狙った分散を行った時の粒度分布がシャープであり好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質はビーズ破片やイオン成分のコンタミネーションの点から、ジルコニアまたはジルコンが好ましい。さらに、このビーズ径としては0.1mm以上0.5mmが好ましい。
《顔料分散剤》
本発明に係る顔料を分散する高分子分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいは、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることができる。
本発明において、顔料分散剤の添加量としては、顔料に対し10〜100質量%であることが好ましい。
《界面活性剤》
本発明に係る顔料の分散において、添加剤として界面活性剤を用いることができる。本発明に用いられる界面活性剤としてはカチオン性、アニオン性、両性、ノニオン性のいずれも用いることができるが、分散安定性の点からノニオン性界面活性剤を使用することが特に好ましい。
ノニオン性活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。
また、インク吐出後のインク液滴の普通紙中への浸透を加速するために界面活性剤を使用することが好ましく、そのような界面活性剤としては、インクに対して保存安定性等の悪影響を及ぼさないものであれば限られるものではなく、上記の分散時の添加剤として使用する界面活性剤と同様のものが用いることができる。
《多価金属イオン》
また、本発明のインク中には、多価金属イオンであるカルシウムイオン、マグネシウムイオン及び鉄イオンの総含有量が、10ppm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmである。
インクジェットインク中の多価金属イオンの含有量を、上記で規定した量とすることにより、高い分散安定性を有するインクを得ることができる。本発明に係る多価金属イオンは、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、有機アンモニウム塩、EDTA塩等に含有されている。
《その他の添加剤》
本発明のインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
また、本発明のインク中の溶存酸素濃度は、25℃で2ppm以下であることが好ましく、この溶存酸素濃度条件とすることにより、気泡の形成を抑制することができ、高速印字においても出射安定性に優れたインクジェット記録方法を実現することができる。インク中に溶存している溶存酸素を測定する方法としては、例えば、溶存酸素測定装置DO−14P(東亜電波(株)製)を用いて測定することができる。
《記録方法》
本発明のインクを用いた画像記録方法においては、例えば、インクジェットインクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを液滴として吐出させ普通紙に付着させることでインクジェットプリントが得られる。
本発明のインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
その中でも、本発明に係るインクジェット記録方法においては、本発明のインクを30μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、普通紙に記録を行うこと、更に、30μm以下のノズル径を有するラインヘッド方式のピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて、普通紙に記録を行うことが好ましい。
インクジェットプリンターの印字方式として、シャトルヘッド方式の記録ヘッドに対し、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いて印字することにより、本発明のインクの印字特性を十分に引き出すことができ、その結果、インク液滴の普通紙への着弾時の極めて良好なドット形状(真円性)や印字精度を達成することができる。
特に、本発明のインクを、普通紙の両面に画像印字を行うインクジェット記録方式に適用することが、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から好ましい。
両面印字は、片面に印字した後に普通紙を裏返し、印字面を下にして搬送することが多いが、本発明のインクは前記特性を有しているため、両面に印字しても裏抜けや文字の滲みがないため、いずれの面でも高濃度で文字品質に優れ、また、搬送不良が生じたり搬送ベルトがインクで汚染されることがない。
《記録媒体》
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法で用いる普通紙としては、特に制限はないが、非塗工紙、特殊印刷用紙、及び情報用紙の一部に属する80〜200μmの非コート紙が望ましい。本発明に係る普通紙の構成は、LBKP及びNBKPに代表される化学パルプ、サイズ剤及び填料を主体とし、その他の抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙される。本発明に係る普通紙に使用されるパルプ材としては、機械パルプや古紙再生パルプを併用してもよいし、又、これらを主材としても何ら問題はない。
本発明に係る普通紙に内添されるサイズ剤としては、例えば、ロジンサイズ、AKD、アルニケル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドリン、カチオン澱粉及びアクリルアミド等が挙げられる。
また、本発明に係る普通紙に内添される填料としては、例えば微粉珪酸、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、カオリン、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディッカイト、パイロフィライト、セリサイト、二酸化チタン、ベントナイト等が挙げられる。
また、本発明に係る普通紙には、本発明のインクの裏抜けや顔料の定着性を高める観点から、水溶性多価金属塩を含有していてもよい。水溶性多価金属塩としては、特に制限はないが、例えば、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、クロロ酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩といった塩として添加される。また、水溶性の多価金属イオンの塩として、ポリ塩化アルミニウムのような水溶性無機ポリマーを使用してもよい。水溶性は少なくとも0.1質量%を示すものが好ましく、より好ましくは1質量%を示すものである。中でも、アルミニウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛からなる水溶性塩はその金属イオンが無色なため好ましい。特に好ましいのは、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛である。
また、本発明においては、普通紙の他、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、インクジェット専用紙等が広く用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《高分子化合物の調製》
〔高分子化合物1の調製〕
グリシジルメタクリレートを56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを48g、ピリジンを2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩を1g、それぞれ反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度300、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物の45gを、イオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸を4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをポリビニルアルコールに対して変性率が3モル%になる条件で加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を、上記15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して10%の高分子化合物水溶液を得た。
〔高分子化合物2〜11の調製〕
上記高分子化合物1の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度、ケン化度を表1に記載の様に変更し、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの仕込量を変えて、表1に記載の主鎖PVAの変性率の高分子化合物2〜11の10%水溶液を調製した。
《インクの調製》
〔顔料分散液の調製〕
(マゼンタ顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にポリプロピレン製のポリ瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーを用いて5時間分散し、マゼンタ顔料の含有量が15%のマゼンダ顔料分散液を調製した。
C.I.ピグメントレッド122 15部
ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製) 5部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 40部
イオン交換水 40部
(イエロー顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック顔料分散液の調製)
上記マゼンタ顔料分散液の調製において、顔料としてC.I.ピグメントレッド122に代えて、C.I.ピグメントイエロー150(イエロー顔料分散液)、C.I.ピグメントブルー15:3(シアン顔料分散液)、C.I.ピグメントブラック7(ブラック顔料分散液)にそれぞれ変更した以外は同様にして、イエロー顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック顔料分散液を調製した。
〔インクの調製〕
上記調製した顔料分散体の種類、高分子化合物の種類と添加量、溶媒の種類と添加量、水の含有量を、表1に記載の組み合わせで混合し、十分に攪拌を行った。次いで、この混合液を#3500メッシュの金属フィルターで濾過し、中空糸膜による脱気を行い、インク1〜28を調製した。また、各インクには界面活性剤(サーフィノール104E、日信化学社製)をそれぞれ0.2部添加した。
なお、インク28の調製に用いた高分子化合物12は、特許文献5に記載のビニル系共重合体A1である。
また、表1に記載の溶媒の含有量は、インク調製時に添加した溶媒量と、各顔料分散液から持ち込まれる溶媒量との総量で表示してある。なお、インク17、19の調製では、各顔料分散液の調製にジエチレングリコールモノメチルエーテル(DEGME)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(DPGBE)をそれぞれ用いた。
同様に、表1に記載の水含有量は、インク調製時に添加した水と、各顔料分散液から持ち込まれる水との総量で表示してある。
なお、表1に略称で記載の溶媒の詳細は、以下の通りである。
TPGME;トリプロピレンプリコールモノメチルエーテル
DEGME;ジエチレングリコールモノメチルエーテル
DPGBE;ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
DMI;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
PY150;C.I.ピグメントイエロー150
PR122;C.I.ピグメントレッド122
PB15:3;C.I.ピグメントブルー15:3
PBk7;C.I.ピグメントブラック7
Figure 0005034202
《画像記録及び評価》
〔画像試料の作製〕
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(以下、dpiは2.54cmあたりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、ビジネスクラス普通紙(コニカミノルタビジネステクノロジー社製)に10cm×10cmの各色ベタ画像をプリントし、次いで、各色インクを連続吐出し、着弾した0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
〔裏抜け耐性の評価〕
上記形成した各ベタ画像について、記録印字面(A面という)と裏面(B面という)の画像部及び非画像部のそれぞれの画像濃度を反射濃度計にて測定し、以式に従って裏抜け濃度率を測定し、下記の評価基準に従って裏抜け耐性の評価を行った。
裏抜け濃度率=(B面の画像濃度−B面の未印字部濃度)/(A面の画像濃度−A面の未印字部濃度)×100(%)
◎:裏抜け濃度率が10%未満である
○:裏抜け濃度率が10%以上、20%未満である
△:裏抜け濃度率が20%以上、30%未満である
×:裏抜け濃度率が30%以上、50%未満である
××:裏抜け濃度率が50%以上である
〔カールの評価〕
上記各ベタ画像を印字した各試料を、水平な基盤上で、下記の3条件で1週間放置した後、下記の評価基準に従って、カールの評価を行った。
条件1:23℃、20%RH
条件2:23℃、55%RH
条件3:23℃、80%RH
◎:いずれの条件でも、高さ2mm以上の端部の浮きの発生がなく、かつコックリング(皺)の発生も認められない
○:いずれの条件でも、浮きの高さが2mm以上、5mm未満で、かつコックリング(皺)の発生も認められない
△:いずれの条件でも、浮きの高さが5mm以上、10mm未満であるが、僅かなコックリング(皺)の発生が認められる
×:いずれの条件でも、浮きの高さが10mm以上、高さ30mm未満であるが、明らかなコックリング(皺)の発生が認められる
×:全ての条件で高さ30mm以上の端部の浮きが発生している
〔耐擦過性の評価〕
スクラッチ強度試験機 HEIDON−18(HEIDON社製)を用い、測定針は0.8mmRのサファイヤ針を用いて、スクラッチ強度の測定を行った。測定は、一定荷重で10cmの引掻き試験を3回行い、記録媒体まで傷が入った箇所が存在しない限度荷重をスクラッチ強度と定義し、下記の基準に従って画像の耐擦過性を評価した。
◎:スクラッチ強度が200g以上である
○:スクラッチ強度が150g以上、200g未満である
△:スクラッチ強度が100g以上、150g未満である
×:スクラッチ強度が100g未満である
〔光沢感の評価〕
各色ベタ画像形成部と未印字部(白地部)の光沢差について目視観察し、下記の基準に従って光沢感を評価した。
◎:画像形成面と未印字部との光沢度差がほとんど無く、自然な光沢感である
○:画像形成面と未印字部との光沢感に僅かな差異は認められるが、好ましい光沢感である
△:画像形成面と未印字部との光沢感に差異は認めら、画像形成面の光沢度が未印字部に比較して高いが、実用上許容される範囲内である
×:画像形成面と未印字部とで光沢感に大きな差異は認めら、画像形成面の光沢度が未印字部に比較して著しく高く、実用に耐えない品質である
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 0005034202
表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる本発明のインクは、比較例に対し、裏抜け耐性、カール特性、耐擦過性及び光沢感に優れていることが分かる。また、本発明のインクを用いて、インクジェット記録ヘッドの全ノズルから1分間連続に吐出を行った後、全ノズルの吐出を一斉に停止し、決められた時間が経過した後に、再び全ノズルから連続出射を行うという条件で運転を行って、出射安定性及びデキャップ耐性を評価を行った結果、いずれの特性にも優れていることを確認することができた。

Claims (7)

  1. 少なくとも色材、有機溶媒、水及び高分子化合物を含有するインクジェット用インクであって、
    該水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、
    該有機溶媒は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと、SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶媒とを含み、
    該SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であり、かつ
    該高分子化合物は親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの含有量が、全インク質量の10質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記有機溶媒の少なくとも1種は、SP値が9.0以上、11.0未満の水溶性有機溶媒であり、
    該SP値が9.0以上、11.0 未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記高分子化合物を、全インク質量に対し、0.8質量%以上、5.0質量%以下含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  5. 前記高分子化合物の親水性主鎖はポリ酢酸ビニルのケン化物であり、ケン化度が77%以上、99%以下で、かつ重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  6. 前記高分子化合物の親水性主鎖に対する前記側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  7. 前記色材が顔料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
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