JP6354420B2 - 電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極の製造方法に係り、詳しくは二次電池やキャパシタのような蓄電装置の電極の製造方法に関する。
二次電池やキャパシタのような蓄電装置は再充電が可能であり、繰り返し使用することができるため電源として広く利用されている。従来から、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)などの車両に搭載される蓄電装置としては、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素二次電池などがよく知られている。これらの二次電池では、例えば、金属箔の表面に活物質を含むペースト状又はスラリー状の活物質合剤を塗布して活物質層を形成した正極及び負極の電極を、間に多孔質かつ樹脂製のセパレータを介在させた状態で積層又は捲回するなどして電極組立体を形成するとともに、該電極組立体をケースに収容している。
従来、電極組立体に関し、正極及び負極間の短絡を防止する絶縁構造について、より耐熱性を向上させる取組みがなされていた。その一つとして、図5に示すように、電極40として、金属箔41の表面に形成された活物質層42上に微小なセラミック粒子からなるセラミック層(絶縁層)43を形成したものもある。(特許文献1等参照)。
特開2006−351386号公報
セラミック層43が厚いと電池内の電気抵抗が大きくなるため、セラミック層43はなるべく薄くすることが望まれる。セラミック層43を薄くする方法として、セラミック層43を構成する粒子の粒径を小さくすることが考えられる。ところが、電極40の活物質層42の表面にセラミック層43が一体に形成された構成では、セラミック層43を構成する粒子の粒径が活物質の粒径に比べて小さすぎる場合、セラミック層43を薄くすると、図6に模式的に示すように、セラミック層43の一部に凹部44が生じる。凹部44は、活物質層42が露出したり、セラミック層43の厚さが極端に薄い状態となったりした箇所である。凹部44は、セラミック層43を構成する粒子の粒径が活物質粒子に対し相対的に小さいときに顕著であることから、塗布されたオーバーコート用スラリーの一部が、下地である活物質層を構成する活物質粒子間の隙間に侵入することで、発生するものと推測される。凹部44が生じると、蓄電装置の使用時に凹部44に電流が集中して蓄電装置の性能(出力)が低下したり、蓄電装置の寿命が短くなったりする。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電極を構成する活物質層上に電気的絶縁性粒子を主成分とするオーバーコート層を薄く、かつオーバーコート層に凹部の発生を抑制した状態で塗布することができる電極の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する電極の製造方法は、集電体の少なくとも一方の面に形成された活物質層の表面に電気的絶縁性のオーバーコート層が形成された電極の製造方法である。そして、前記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程は、前記オーバーコート層を構成する粒子状のオーバーコート材と、バインダとが溶媒に分散されたオーバーコート用スラリーを、前記オーバーコート用スラリー中の前記オーバーコート材の固形分率(%)が、100×(前記オーバーコート層の膜厚)/(前記活物質層を構成する活物質の粒径)より小さいという条件で、前記活物質層が形成された前記集電体上に前記活物質層を覆うように塗布する。
この構成によれば、オーバーコート用スラリーは、活物質層上に塗布されて溶媒が蒸発する前の状態で、レベリング性が高く、塗布されたオーバーコート用スラリーの一部が下地である活物質層を構成する活物質粒子の隙間に進入しても、進入した部分の近くのスラリーが進入により減少した部分へ移動してスラリーの表面が平坦に保持される。そして、スラリーの表面が平坦に保持された状態でスラリーが乾燥される。そのため、塗布されたオーバーコート用スラリーが乾燥されてオーバーコート層が形成された状態において凹部が形成され難い。したがって、電極を構成する活物質層上に電気的絶縁性粒子を主成分とするオーバーコート層を薄く、かつオーバーコート層に凹部の発生を抑制した状態で塗布することができる。
前記電極は負極であり、前記活物質は黒鉛であり、前記オーバーコート層はセラミック層であり、前記セラミック層を形成するセラミック粒子の粒径は、前記黒鉛の粒径よりも小さいことが好ましい。この構成によれば、負極の活物質層を構成する活物質としては一般的な黒鉛粉末を使用し、オーバーコート層としても一般的なセラミック粒子を使用しても、オーバーコート層に凹部が発生し難い。
前記オーバーコート層形成工程は、オーバーコート用スラリーの塗布後に、乾燥手段を備え、前記オーバーコート用スラリー中の溶媒を除去することが好ましい。この構成によれば、オーバーコート用スラリーの塗工からの経過時間が短い間に乾燥が行われるため、乾燥の際に凹部が発生しても凹部の成長が抑制される。
前記固形分率は、10%以上であることが好ましい。この構成によれば、オーバーコート用スラリーの活物質層への侵入の観点、及びウェット膜厚を目的の厚さに形成することが技術上難しくなく、塗工後、乾燥までの過程で、膜厚の変動も生じ難くなる。
本発明によれば、電極を構成する活物質層上に電気的絶縁性粒子を主成分とするオーバーコート層を薄く、かつオーバーコート層に凹部の発生を抑制した状態で塗布することができる。
一実施形態の電極のオーバーコート層の製造工程を示す概略図。 電極の製造方法(製造手順)を示すフローチャート。 (a)は一実施形態の帯状電極を幅方向に切断した断面図、(b)は部分拡大模式図。 セラミックの固形分率とセラミック層の密度の関係を示すグラフ。 従来技術の電極の断面図。 その拡大部分概略平面図。
以下、本発明を積層型電極組立体用の電極の製造方法に具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図2に示すように、電極の製造方法は、混練工程S1と、塗工工程S2と、プレス工程S3と、オーバーコート層形成工程としてのセラミックスラリー塗工工程S4と、切断工程S5と、減圧乾燥工程S6と、打ち抜き工程S7とを備える。
混練工程S1は、活物質、バインダ、溶媒及び必要に応じて導電助剤、増粘剤を混練して活物質合剤(電極スラリー)を製造する。電極が正極の場合は、活物質として正極用活物質を使用し、電極が負極の場合は、活物質として負極用活物質を使用する。
塗工工程S2は、帯状の集電体としての帯状の金属箔に活物質合剤を塗布する工程で、表面塗工工程と裏面塗工工程とを備える。表面塗工工程では、帯状の金属箔が供給用リールから繰り出され、塗工装置で活物質合剤が帯状の金属箔の一面(表面)に塗布され、乾燥装置を経て活物質合剤が乾燥された後、巻取用リールに巻き取られる。裏面塗工工程では、表面塗工工程において、一面に活物質合剤が塗布、乾燥された後、巻取用リールに巻き取られた帯状の金属箔の他面(裏面)に、活物質合剤が塗布、乾燥された後、巻取用リールに巻き取られる。図示しない乾燥装置の内部では、80〜100度の熱風が供給されており、内部を通過する金属箔上の活物質合剤より溶媒が蒸発し、また、バインダ(樹脂)の作用により、活物質粒子が相互に結合される。よって、乾燥装置の通過後は、活物質粒子間に隙間が形成される。
プレス工程S3は、塗工工程S2で活物質合剤が塗布された帯状の金属箔(電極前駆体)をプレス(ロールプレス)し、表面の密度を上げて活物質層を形成する。このとき、塗工工程直後と比較し、活物質粒子間の隙間は狭くなるが、電解液が含浸し、イオンの通路となるためには十分な隙間が維持される。
セラミックスラリー塗工工程S4では、活物質層が形成された帯状の金属箔(電極前駆体)の活物質層の表面に、セラミックスラリーが塗布され、塗布後、乾燥装置を経て巻取用リールに巻き取られる。
切断工程S5は、セラミックスラリー塗工工程S4後の帯状の電極前駆体を切断する。この実施形態では帯状の電極前駆体を、電極一枚分の幅となるように、長手方向に切断する。
打ち抜き工程S7は、帯状の電極前駆体から個々の電極を打ち抜く。この実施形態では積層型電極組立体用のタブを備えた電極を打ち抜く。
前記7工程のうち、セラミックスラリー塗工工程S4を除く他の工程、即ち混練工程S1、塗工工程S2、プレス工程S3、切断工程S5、減圧乾燥工程S6及び打ち抜き工程S7は従来の電極製造工程における各工程と基本的に同様であるため、セラミックスラリー塗工工程S4について説明する。
図1に示すように、セラミックスラリー塗工工程S4で使用される塗工装置10は、電極前駆体繰出し部11と、セラミックスラリー塗工部12と、乾燥手段としての乾燥部13と、電極前駆体巻取り部14とを備えている。
電極前駆体繰出し部11は、帯状の電極前駆体15がロール状に巻かれたリール16を支持し、リール16を回転させて電極前駆体15を順次繰り出す。
セラミックスラリー塗工部12は、バックアップロール17に沿って移動する電極前駆体15の表面に、セラミックスラリーSをダイヘッド18から吐出して塗布する。ダイヘッド18は、セラミックスラリーSが貯留される貯留部18aと、貯留部18aに貯留されたセラミックスラリーSが吐出される吐出口18bとを備えている。ダイヘッド18の貯留部18aには、セラミックスラリーSが図示しないタンクから図示しないポンプにより圧送され、吐出口18bから吐出されるようになっている。バックアップロール17は、ダイヘッド18による電極前駆体15に対するセラミックスラリーSの塗布が可能な塗工位置と、ダイヘッド18による電極前駆体15に対するセラミックスラリーSの塗布が不能な退避位置とにダイヘッド18に対して相対移動可能に設けられている。
乾燥部13は、電極前駆体15の出入り口が設けられた筐体と、筐体内部に熱風を供給する加熱装置よりなり、内部を通過するセラミックスラリーSが塗布された電極前駆体15を乾燥する。後述する如く、セラミックスラリーSは、セラミック粒子36とバインダと溶媒よりなる。乾燥部13を経ることで、セラミックスラリーS内の溶媒が蒸発するとともに、セラミック粒子36間、あるいはセラミック粒子36と負極の活物質35との間が、バインダにより結合される。すなわち、セラミック粒子36が活物質層32上に固定される。電極前駆体巻取り部14は、乾燥部13で乾燥された帯状の電極前駆体15を巻取用リール19に巻き取る。
乾燥部13の前後両側にはガイドロール20a,20bが設けられている。電極前駆体繰出し部11とバックアップロール17との間、ガイドロール20bと電極前駆体巻取り部14との間にはそれぞれダンサーロール21が設けられている。ダンサーロール21は、移動する帯状の電極前駆体15の張力を調節して、帯状の電極前駆体15の弛みを防止する。
活物質層が両面に形成されている電極前駆体15の場合、片面にセラミックスラリーSが塗布された電極前駆体15が巻き取られた巻取用リール19は、電極前駆体繰出し部11において供給用のリールとして使用され、電極前駆体15の他方の面に同様にしてセラミックスラリーSが塗布される。
その結果、図3(a),(b)に示すように、集電体としての金属箔31と、金属箔31の両面に形成された活物質層32と、活物質層32上に形成されたオーバーコート層としてのセラミック層33とを備えた電極前駆体15が形成される。活物質層32は、電極前駆体15の幅方向両側に活物質非塗布部34が存在するように金属箔31上に形成されている。
課題とする凹部につき、セラミックスラリーSと活物質層32との関係について、以下に考察する。
セラミック層33は、膜厚が厚いと電池性能を悪化させる為、性能を維持できる範囲内で薄く形成することが好ましい。この為、セラミックスラリーSは、塗工直後の膜厚(以降、ウェット膜厚)においても、活物質層32に対し、数分の一以下の薄さで塗工される。しかしながら、凹部は、セラミック層33の一部のみで発生し、且つ、活物質層32が露出する箇所も、その内で一部に留まっている。また、セラミックスラリーSは、帯状の電極前駆体15への塗工直後に乾燥部13を通過し、セラミック粒子36同士又は活物質層32の最外層の活物質35との間が、バインダにより固定される。したがって、セラミックスラリーSの活物質層32内への侵入は、塗工から乾燥部通過までの短い時間に発生することより、凹部が発生した場合にも、セラミックスラリーSの侵入は、活物質層32の最外層の活物質粒子間迄に止まるものと推定される。塗膜は、一旦途切れると、表面張力により途切れた状態が維持されやすく、レベリング性が損なわれる。セラミックスラリーSが活物質層32の最外層に侵入した場合にも、活物質層32の表面の塗膜が残っていれば、周囲のセラミックスラリーSが凹部に流入しやすく、活物質の露出を抑制する効果が期待できる。従って、セラミックスラリーSの塗工直後のウェット膜厚の厚みを、活物質の粒径よりも大きく設定し、セラミックスラリーSの活物質層32への侵入が発生した場合にも、活物質層32の表面にセラミックスラリーSの塗膜を残すことが、良好なレベリング性を維持する上で有効と考えられる。
上記条件に加え、セラミックスラリーSの塗工条件には、乾燥後に形成されるセラミック層33の膜厚という設計条件が加わる。セラミックスラリーS(スラリーS)の固形分率は、スラリー中の固形分の質量比を示すが、単位面積当たりでは膜厚との相関で示すことも出来る。前記二つの条件を、以下に関係式として示す。
ウェット膜厚>活物質の平均粒径
固形分率=100×(スラリーSの固形分の質量)/(スラリーSの全質量)
=100×(セラミック層の厚み×比重1)
/(ウェット膜厚の厚み×比重2)
≒100×(セラミック層の厚み)/(ウェット膜厚の厚み)
セラミック層の大部分をなすセラミック粒子は、一般的にアルミナ粒子が多用されており、アルミナ自体の比重は3.8であるが、多孔性のセラミック層を形成したときの比重(比重1)は、例えば、50%前後の空隙率を設定した場合で、1.9前後まで下がる。セラミックスラリーSの固形分率は、塗工性を考慮し、20〜40%で用いられることが多い。溶媒として一般的に用いられる水又はNMPの比重は、ほぼ1である。セラミックスラリーSの固形分率が30%の場合、セラミックスラリーSの比重、すなわちウェット膜の比重(比重2)は、1.8前後となる。説明を簡略化するためにバインダを省略したが、実際には樹脂であるバインダの影響により、比重1および比重2の値は、どちらも更に小さくなる。いずれにしても、一般的なセラミックスラリーSの塗工条件の範囲では、セラミック層の比重1と、ウェット膜の比重2との値が近い為、近似的には、セラミック層の厚みとウェット膜の厚みで、固形分率と相関を示すことができる。
上記の式より、塗工条件として、
固形分率<100×(セラミック層の膜厚)/(活物質の平均粒径)
ウェット膜厚=100×(セラミック層の膜厚)/(固形分率)
の関係が導かれる。
以下に、セラミックスラリーSの固形分率と、凹部の発生について、調べた結果を表1に示す。
本実施形態では、負極用の活物質には、平均粒径が20μmの黒鉛を使用した。
セラミックスラリーSは、オーバーコート層を構成する粒子状のオーバーコート材としてのセラミック粒子36とバインダとが所定の割合で溶媒に分散されている。セラミック粒子36として平均粒径が0.5μmのアルミナを使用し、バインダとしてPVDF(ポリフッ化ビニリデ)を使用し、溶媒としてNMP(Nメチルピロリドン)を使用する。セラミック粒子とバインダとの割合は、本実施形態では、重量比でセラミック粒子96%、バインダ4%である。ウェット膜厚は、固形分率に基づき、セラミック層33の平均膜厚が5μmとなるように、設定した。セラミックスラリーSは、粘度が100cp以下の低い値となるように調整した。
上記の如く、固形分率20%以下のセラミックスラリーSを使用し、ウェット膜厚が活物質粒径より厚くなる条件下で塗工した場合、セラミック層33に凹部が発生しなかった。
なお、上記調査では、セラミック層の膜厚が5μmとなるようにウェット膜厚を設定したが、実際に形成されたセラミック層の膜厚には、バラツキが生じた。この点につき、セラミック層を調べたところ、表1の如く、セラミック層の密度に、固形分率の変更に応じた変化が見受けられた。
表1に示す固形分率と密度との関係を、固形分率をx、密度をyとしてグラフに示すと、図4に示すようになり、次式(1)が得られた。
y=0.02438x+1.19634・・・・・(1)
上記調査結果より、同じ膜厚のセラミック層を形成する場合、凹部の発生を抑制する上で、固形分率の高いセラミックスラリーSを薄く塗工するよりも、固形分率の低いセラミックスラリーSを用い、ウェット膜厚が活物質の粒径よりも厚くなるように塗工することが、有効であることが見出された。
なお、上記の如く、セラミックスラリーの活物質層への侵入の観点では、固形分率を低く設定し、ウェット膜厚を厚く設定することが有効であるが、他の観点より、固形分率を過度に低くすることは好ましくない。例えば、セラミックスラリーSの固形分率が低下するほど、セラミックスラリーSの粘性も下がり、ウェット膜厚を厚く形成することが、技術上難しくなる。また、塗工後、乾燥までの過程で、膜厚の変動も生じやすくなる。したがって、経験上、固形分率は、10%以上に設定することが好ましい。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)電極の製造方法は、集電体(金属箔31)の少なくとも一方の面に形成された活物質層32の表面に電気的絶縁性のオーバーコート層(セラミック層33)が形成された電極の製造方法である。そして、オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程(セラミックスラリー塗工工程S4)は、オーバーコート層を構成する粒子状のオーバーコート材(セラミック粒子36)と、バインダとが溶媒に分散されたオーバーコート用スラリー(セラミックスラリーS)を、オーバーコート用スラリー中のオーバーコート材の固形分率(%)が、100×(オーバーコート層の膜厚)/(活物質層32を構成する活物質35の粒径)より小さいという条件で、活物質層32が形成された集電体上に活物質層32を覆うように塗布する。
この構成によれば、セラミックスラリーSは、活物質層32上に塗布されて溶媒が蒸発する前の状態で、レベリング性が高く、塗布されたセラミックスラリーSの一部が下地である活物質層32を構成する活物質粒子の隙間に進入しても、進入した部分の近くのスラリーが、進入により減少した部分へ移動してスラリーの表面が平坦に保持される。そして、スラリーの表面が平坦に保持された状態でスラリーが乾燥される。そのため、塗布されたセラミックスラリーSが乾燥されてセラミック層33が形成された状態において凹部が形成され難い。したがって、電極を構成する活物質層32上に電気的絶縁性粒子を主成分とするセラミック層33を薄く、かつセラミック層33に凹部の発生を抑制した状態で塗布することができる。また、セラミック層33は均一に、しかも薄く形成されるため、電気抵抗が均一で小さくなるため、電池を形成した場合に電池性能の低下、例えば、出力の低下や寿命の低下を防止することができる。
(2)電極は負極であり、活物質35は黒鉛であり、オーバーコート層はセラミック層33であり、セラミック層33を形成するセラミック粒子36の粒径は、黒鉛の粒径よりも小さい。この構成によれば、負極の活物質層32を構成する活物質35としては一般的な黒鉛粉末を使用し、オーバーコート層としても一般的なセラミック粒子を使用しても、オーバーコート層に凹部が発生し難い。
(3)オーバーコート材としてセラミック粒子36が使用されているため、電気的絶縁性や耐熱性に優れ、粒径が0.5μm程度のものを入手し易い。
(4)オーバーコート層形成工程は、オーバーコート用スラリーの塗布後に、乾燥手段(乾燥部13)を備え、オーバーコート用スラリー中の溶媒を除去する。この構成によれば、オーバーコート用スラリーの塗工からの経過時間が短い間に乾燥が行われるため、乾燥の際に凹部が発生しても凹部の成長が抑制される。
(5)オーバーコート用スラリー中のオーバーコート材の固形分率は、10%以上である。この場合、ウェット膜厚を目的の厚さに形成することが技術上難しくなく、塗工後、乾燥までの過程で、膜厚の変動も生じ難くなる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ セラミック粒子はアルミナに限らず、例えば、他の金属酸化物や金属窒化物であってもよい。
○ オーバーコート材はセラミック粒子に限らず、電気的絶縁性と必要な耐熱性を満たす材質であればよく、例えば、熱硬化性樹脂製の粒子であってもよい。
○ 負極用の活物質は黒鉛に限らず、例えば、スズ系の合金化合物であってもよい。
○ バインダはPVDFに限らず、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)であってもよい。しかし、PVDFの方がセラミックスラリーSを作成し易い。
○ セラミックスラリーSは、溶媒としてNMPの様な有機溶媒を使用するものに限らず、水溶性のバインダを使用する場合は水あるいはアルコールを使用してもよい。
○ セラミックスラリーSを構成するセラミック粒子とバインダとの割合は、セラミック粒子96%、バインダ4%に限らず、変更してもよい。
○ 両面に活物質層32が形成された電極前駆体15にセラミック層33を片面ずつ順次形成する代わりに、両面に活物質層32が形成された電極前駆体15の両面に、セラミック層33を同一工程で順次形成するようにしてもよい。例えば、セラミックスラリーSを塗布するダイヘッド18を、電極前駆体15を挟むように対向して2台設ける。
○ セラミックスラリーSの塗布は、ダイヘッド18を使用する方法に限らず、例えば、グラビア塗工法やコンマロールを用いるロール塗工法により塗布してもよい。セラミックスラリーSを薄く塗布する場合は、グラビア塗工法が好ましい。
○ セラミックスラリーSの粘度は、40cp程度に限らず、1000cp以下、好ましくは100cp以下であってもよい。
○ 電極は、負極及び正極のいずれであってもよいが、一般的に正極の場合、活物質の粒径が負極の場合に比べて小さいため、特に本願発明を適用する必要は必ずしもない。しかし、活物質の粒径とオーバーコート材の粒径との差が大きな場合には、有効である。
○ 積層型電極組立体用の電極の製造方法に限らず、巻回型電極組立体用の電極の製造方法に適用してもよい。
○ 電極は、金属箔31の少なくとも片面に活物質層32が形成されていればよく、両面ではなく片面に活物質層32を有する構成であってもよい。
○ 電極組立体が使用される二次電池は、リチウムイオン二池に限らず、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池等の他の二次電池であってもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記オーバーコート用スラリーは有機溶剤系であり、前記オーバーコート材はセラミック粒子であり、前記バインダはPVDFである。
S…オーバーコート用スラリーとしてのセラミックスラリー、S4…オーバーコート層形成工程としてのセラミックスラリー塗工工程、13…乾燥手段としての乾燥部、31…集電体としての金属箔、32…活物質層、33…オーバーコート層としてのセラミック層、35…活物質、36…オーバーコート材としてのセラミック粒子。

Claims (2)

  1. 集電体の少なくとも一方の面に形成された活物質層の表面に電気的絶縁性のオーバーコート層が形成された電極の製造方法であって、
    前記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程は、前記オーバーコート層を構成する粒子状のオーバーコート材と、バインダとが溶媒に分散されたオーバーコート用スラリーを、前記オーバーコート用スラリー中の前記オーバーコート材の固形分率(%)が、100×(前記オーバーコート層の膜厚)/(前記活物質層を構成する活物質の粒径)より小さいという条件で、前記活物質層が形成された前記集電体上に前記活物質層を覆うように塗布する工程であり、
    前記電極は負極であり、前記活物質は黒鉛であり、前記オーバーコート層はセラミック層であり、前記セラミック層を形成するセラミック粒子の粒径は、前記黒鉛の粒径よりも小さく、
    前記固形分率は、10%以上、且つ、20%以下であることを特徴とする電極の製造方法。
  2. 前記オーバーコート層形成工程は、オーバーコート用スラリーの塗布後に、乾燥手段を備え、前記オーバーコート用スラリー中の溶媒を除去する請求項1に記載の電極の製造方法。
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