JP2014204069A - 蓄電デバイス用電極およびリチウムイオンキャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電デバイスを、内部抵抗が低く、また、充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下を抑制されたものとすることができる蓄電デバイス用電極を提供すること。また、内部抵抗が低く、また、充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下を抑制することのできるリチウムイオンキャパシタを提供すること。
【解決手段】蓄電デバイス用電極は、孔径が1〜500μmの貫通孔を有する多孔質集電体と、当該多孔質集電体に塗布形成された活物質層とを有し、前記多孔質集電体の活物質層が形成された領域における当該多孔質集電体の厚み方向の任意の断面において、当該多孔質集電体における任意の100個の貫通孔の断面積の合計に対して、当該100個の貫通孔の内部領域に存在する活物質層の断面積の合計が90%以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】蓄電デバイス用電極は、孔径が1〜500μmの貫通孔を有する多孔質集電体と、当該多孔質集電体に塗布形成された活物質層とを有し、前記多孔質集電体の活物質層が形成された領域における当該多孔質集電体の厚み方向の任意の断面において、当該多孔質集電体における任意の100個の貫通孔の断面積の合計に対して、当該100個の貫通孔の内部領域に存在する活物質層の断面積の合計が90%以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、蓄電デバイス用電極およびリチウムイオンキャパシタに関する。
近年、携帯機器、移動体用途の電源として、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスが用いられている。
蓄電デバイスの或る種のものとしては、貫通孔を有する電極を備え、負極電極にリチウムイオンを担持させた高容量で高出力な有機電解質キャパシタが開示されている(特許文献1参照)。この有機電解質キャパシタは、正極電極と負極電極とがセパレータを介して巻回または交互に積層された構成の蓄電デバイス要素と電解液とが外装容器に収容された蓄電デバイスである。
このような蓄電デバイスは、先に述べた用途に多く用いられている。そして、これらの用途においては、蓄電デバイスが繰り返して使用されることが多い。そのため、蓄電デバイスの耐久性が重要視されてきている。
このような蓄電デバイスは、先に述べた用途に多く用いられている。そして、これらの用途においては、蓄電デバイスが繰り返して使用されることが多い。そのため、蓄電デバイスの耐久性が重要視されてきている。
一方、特許文献1に開示されている有機電解質キャパシタにおいて、貫通孔を有する電極としては、例えば集電体に複数の貫通孔が設けられており、この多孔質の集電体上に活物質層が形成された構成のものが用いられている。このような電極を備えた蓄電デバイスにおいては、近年、集電体の貫通孔の孔径を調節して低抵抗化を図ったり、高容量化を図ったりする改良技術が実施されている。
しかしながら、低抵抗化を図るために貫通孔を小さくすると、活物質層が集電体の両表面上に塗布形成されたものである場合には、集電体において、活物質が充填されている貫通孔と活物質が充填されていない貫通孔とがランダムに存在することが多くなる。その理由は、多孔質の集電体への両面塗工では貫通孔内のガスが抜けにくいことに起因する。そして、蓄電デバイスにおいては、電極に活物質が充填されていない貫通孔が存在することにより、種々の問題が生じる。
具体的には、蓄電デバイスにおいて、活物質が充填されておらず、隙間が存在する貫通孔の内部には、電解液を注入した後に外装容器内の真空引きをしても気泡が存在する場合がある。そして、気泡が存在する箇所には電解液が入りにくいため、局所的に内部抵抗が高くなる、という問題がある。しかも、内部に隙間が存在する貫通孔には、多数回にわたって充放電を繰り返すことにより、当該隙間に、電極表面で電解液が分解されることによって発生するガスが溜まり、それに起因して局所的に内部抵抗が高くなる場合もある。
また、特に電極(例えば負極電極)にリチウムイオンを担持させる構成の蓄電デバイスにおいては、電極における貫通孔内部の隙間が存在する個所にはリチウムイオンを担持させることができない。そして、このリチウムイオンが担持されていない箇所は局所的に容量が低くなり、電極表面において電解液が分解されやすくなってガスが発する。しかも、それに起因して、多数回にわたって充放電を繰り返すことによってセル全体の内部抵抗が上昇し、また容量維持ができなくなる、という問題がある。
具体的には、蓄電デバイスにおいて、活物質が充填されておらず、隙間が存在する貫通孔の内部には、電解液を注入した後に外装容器内の真空引きをしても気泡が存在する場合がある。そして、気泡が存在する箇所には電解液が入りにくいため、局所的に内部抵抗が高くなる、という問題がある。しかも、内部に隙間が存在する貫通孔には、多数回にわたって充放電を繰り返すことにより、当該隙間に、電極表面で電解液が分解されることによって発生するガスが溜まり、それに起因して局所的に内部抵抗が高くなる場合もある。
また、特に電極(例えば負極電極)にリチウムイオンを担持させる構成の蓄電デバイスにおいては、電極における貫通孔内部の隙間が存在する個所にはリチウムイオンを担持させることができない。そして、このリチウムイオンが担持されていない箇所は局所的に容量が低くなり、電極表面において電解液が分解されやすくなってガスが発する。しかも、それに起因して、多数回にわたって充放電を繰り返すことによってセル全体の内部抵抗が上昇し、また容量維持ができなくなる、という問題がある。
本発明は、以上の事情に基づいてなされたものであって、その目的は、蓄電デバイスを、内部抵抗が低く、また、充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下を抑制されたものとすることができる蓄電デバイス用電極を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、内部抵抗が低く、また、充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下を抑制することのできるリチウムイオンキャパシタを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、内部抵抗が低く、また、充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下を抑制することのできるリチウムイオンキャパシタを提供することにある。
本発明の蓄電デバイス用電極は、孔径が1〜500μmの貫通孔を有する多孔質集電体と、当該多孔質集電体に塗布形成された活物質層とを有する蓄電デバイス用電極において、
前記多孔質集電体の活物質層が形成された領域における当該多孔質集電体の厚み方向の任意の断面において、当該多孔質集電体における任意の100個の貫通孔の断面積の合計に対して、当該100個の貫通孔の内部領域に存在する活物質層の断面積の合計が90%以上であることを特徴とする。
前記多孔質集電体の活物質層が形成された領域における当該多孔質集電体の厚み方向の任意の断面において、当該多孔質集電体における任意の100個の貫通孔の断面積の合計に対して、当該100個の貫通孔の内部領域に存在する活物質層の断面積の合計が90%以上であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイス用電極においては、前記活物質層を構成する活物質の数平均粒径D50の値が1〜20μmであることが好ましい。
本発明の蓄電デバイス用電極は、負極電極であることが好ましい。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、前記の蓄電デバイス用電極を有することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイス用電極においては、多孔質集電体における活物質層が形成された領域に位置する複数の貫通孔は、そのうちの大部分が、内部に活物質が充填された状態、あるいは内部の殆どに活物質が装填された状態とされている。よって、電極において、多孔質集電体に形成された貫通孔の内部に存在する隙間の占有率が小さい。そのため、多孔質集電体における貫通孔内部に隙間が存在することに起因して電極の抵抗や容量などの特性が局所的に異なることが抑制される。その結果、蓄電デバイスを、内部抵抗が低く、また、充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下を抑制されたものとすることができる。
本発明のリチウムイオンキャパシタによれば、電極として、本発明の蓄電デバイス用電極が用いられていることから、内部抵抗が低く、また、充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下が抑制される。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔蓄電デバイス用電極〕
本発明の蓄電デバイス用電極は、孔径が1〜500μmの貫通孔を有する多孔質集電体と、当該多孔質集電体に塗布形成された活物質層とを有し、多孔質集電体の両表面に活物質層が積層された構成である。
そして、本発明の蓄電デバイス用電極は、多孔質集電体における活物質層が形成された領域に位置する複数の貫通孔は、そのうちの大部分が、内部に活物質が充填された状態、あるいは内部の殆どに活物質が装填された状態とされている。具体的には、多孔質集電体の活物質層が形成された領域における当該多孔質集電体の厚み方向の任意の断面において、当該多孔質集電体に形成された、孔径が1〜500μmの貫通孔を含む任意の100個の貫通孔の断面積の合計に対して、当該100個の貫通孔の内部領域に存在する活物質層の断面積の合計が90%以上である。
本明細書中において、多孔質集電体における貫通孔の孔径とは、最大内径を示す。
本発明の蓄電デバイス用電極は、孔径が1〜500μmの貫通孔を有する多孔質集電体と、当該多孔質集電体に塗布形成された活物質層とを有し、多孔質集電体の両表面に活物質層が積層された構成である。
そして、本発明の蓄電デバイス用電極は、多孔質集電体における活物質層が形成された領域に位置する複数の貫通孔は、そのうちの大部分が、内部に活物質が充填された状態、あるいは内部の殆どに活物質が装填された状態とされている。具体的には、多孔質集電体の活物質層が形成された領域における当該多孔質集電体の厚み方向の任意の断面において、当該多孔質集電体に形成された、孔径が1〜500μmの貫通孔を含む任意の100個の貫通孔の断面積の合計に対して、当該100個の貫通孔の内部領域に存在する活物質層の断面積の合計が90%以上である。
本明細書中において、多孔質集電体における貫通孔の孔径とは、最大内径を示す。
ここに、多孔質集電体に形成された、孔径が1〜500μmの貫通孔を含む任意の100個の貫通孔の断面積の合計に対する、当該100個の貫通孔の内部領域に存在する活物質層の断面積の合計(以下、「貫通孔内活物質層面積」ともいう。)は、蓄電デバイス用電極を、活物質層が形成された領域の任意の位置において、多孔質集電体の厚み方向に切断し、その断面を、電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率1000倍の測定条件で、任意の100個の貫通孔を観察することによって測定することができる。
貫通孔内活物質層面積が90%以上であることにより、蓄電デバイス用電極を備えた蓄電デバイスが、内部抵抗が低く、また充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇が抑制されると共に、容量維持率の低下が抑制されたものとなる。
本発明の蓄電デバイス用電極を構成する多孔質集電体は、矩形状の全体形状を有し、両表面を貫通する貫通孔が複数形成されたものである。
この多孔質集電体は、孔径が1〜500μmの貫通孔を有するものである。
孔径が1μm未満である場合には、活物質粒子が貫通孔に埋まり難くなると共に、電解液が浸み渡りにくいため、リチウムイオンが移動しにくくなる傾向にある。一方、孔径が500μmを超える場合には、活物質粒子を貫通孔内部に留めることが困難となり、活物質層の表面の平坦性が低下し、活物質粒子が滑落する傾向にある。そのため、内部抵抗の上昇や耐久性の低下を招く場合がある。
この多孔質集電体は、孔径が1〜500μmの貫通孔を有するものである。
孔径が1μm未満である場合には、活物質粒子が貫通孔に埋まり難くなると共に、電解液が浸み渡りにくいため、リチウムイオンが移動しにくくなる傾向にある。一方、孔径が500μmを超える場合には、活物質粒子を貫通孔内部に留めることが困難となり、活物質層の表面の平坦性が低下し、活物質粒子が滑落する傾向にある。そのため、内部抵抗の上昇や耐久性の低下を招く場合がある。
多孔質集電体の材質は、蓄電デバイス用電極の使用用途に応じて適宜に選択することができる。
本発明の蓄電デバイス用電極を構成する活物質層は、活物質を含有するものである。
この活物質層において、当該活物質層を構成する活物質は、数平均粒径D50の値が1〜20μmであることが好ましい。
この活物質層において、当該活物質層を構成する活物質は、数平均粒径D50の値が1〜20μmであることが好ましい。
活物質の数平均径D50が上記の範囲にあることにより、多孔質集電体が、孔径が1〜500μmの小径の貫通孔を有するものであっても、当該多孔質集電体における活物質層が形成された領域に位置する貫通孔の大部分を、内部に活物質が充填された状態、あるいは内部の殆どに活物質が装填された状態とすることができる。
活物質層において、当該活物質層を構成する活物質などは、蓄電デバイス用電極の使用用途などに応じて適宜に選択することができる。また、活物質層において、厚み、および多孔質集電体における形成面積などは、蓄電デバイス用電極の使用用途などに応じて適宜に設定することができる。
このような構成の本発明の蓄電デバイス用電極は、多孔質集電体に活物質層を塗布形成することによって製造される。
具体的な製造方法は、例えば、先ず、複数の貫通孔が形成された多孔質集電体を用意する。次いで、多孔質集電体の片面ずつ、もしくは両面同時に、活物質を含有する塗布液を塗布して塗膜を得、この塗膜を乾燥させて活物質層を形成する。このようにして、多孔質集電体上に活物質層が形成された蓄電デバイス用電極が得られる。
具体的な製造方法は、例えば、先ず、複数の貫通孔が形成された多孔質集電体を用意する。次いで、多孔質集電体の片面ずつ、もしくは両面同時に、活物質を含有する塗布液を塗布して塗膜を得、この塗膜を乾燥させて活物質層を形成する。このようにして、多孔質集電体上に活物質層が形成された蓄電デバイス用電極が得られる。
このような製造方法においては、例えば、多孔質集電体の表面粗さ(Ra)、塗布液の粘度および塗布液の塗布速度等を調整すること、あるいは塗布液に添加剤(以下、「その他の添加剤」ともいう。)を添加することなどにより、得られる蓄電デバイス用電極を所期の貫通孔内活物質層面積を有するものとすることができる。
蓄電デバイス用電極を製造するために用いられる塗布液は、蓄電デバイス用電極の使用用途などに応じて適宜に選択することができる。
このような本発明の蓄電デバイス用電極は、正極電極、負極電極のいずれにも用いることができるが、特に負極電極として好適に用いられる。
また、本発明の蓄電デバイス用電極は、リチウムイオンキャパシタの電極(正極電極および負極電極)として用いられることが好ましく、特にリチウムイオンキャパシタの負極電極として用いられることが好ましい。
ここに、本明細書中において、「負極電極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味し、また「正極電極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味する。
また、本発明の蓄電デバイス用電極は、リチウムイオンキャパシタの電極(正極電極および負極電極)として用いられることが好ましく、特にリチウムイオンキャパシタの負極電極として用いられることが好ましい。
ここに、本明細書中において、「負極電極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味し、また「正極電極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味する。
以下において、本発明の蓄電デバイス用電極をリチウムイオンキャパシタの電極として用いる場合について説明する。
リチウムイオンキャパシタの電極、具体的には正極電極および負極電極は、例えば、それぞれ電気を受配電する正極集電体および負極集電体(以下、これらをまとめて「集電体」ともいう。)を備えており、集電体の両表面の一端側部分に活物質層が形成されたものである。すなわち、集電体の他端側部分には、活物質が形成されていない。
リチウムイオンキャパシタの電極、具体的には正極電極および負極電極は、例えば、それぞれ電気を受配電する正極集電体および負極集電体(以下、これらをまとめて「集電体」ともいう。)を備えており、集電体の両表面の一端側部分に活物質層が形成されたものである。すなわち、集電体の他端側部分には、活物質が形成されていない。
〔集電体〕
集電体は、両表面を貫通する貫通孔が形成された多孔質集電体である。この集電体における貫通孔の形状および数等は、特に限定されず、正極電極および負極電極の少なくとも一方に対向して配置されたリチウム極から電気化学的に供給されるリチウムイオンおよび電解液中のリチウムイオンが各集電体に遮断されることなく、電極の両表面間を移動できるように設定することができる。
集電体は、両表面を貫通する貫通孔が形成された多孔質集電体である。この集電体における貫通孔の形状および数等は、特に限定されず、正極電極および負極電極の少なくとも一方に対向して配置されたリチウム極から電気化学的に供給されるリチウムイオンおよび電解液中のリチウムイオンが各集電体に遮断されることなく、電極の両表面間を移動できるように設定することができる。
集電体は、孔径が1〜500μmの貫通孔を有するものであるが、当該集電体の複数の貫通孔は、その孔径が30〜400μmであることが好ましく、50〜300μmであることが更に好ましい。
また、集電体の気孔率は、20〜80%であることが好ましく、30〜70%であることが更に好ましい。
ここに、集電体の気孔率とは、下記の数式(1)によって求められる値である。
ここに、集電体の気孔率とは、下記の数式(1)によって求められる値である。
数式(1)
気孔率(%)=〔1−(集電体の質量/集電体の真比重)/(集電体の見せかけ体積)〕×100
気孔率(%)=〔1−(集電体の質量/集電体の真比重)/(集電体の見せかけ体積)〕×100
また、集電体は、エッチング等によって貫通孔が形成されたものであってもよく、またパンチングメタル、エキスパンドメタルなどのように、機械的な打ち抜きやその他の機械的な加工によって貫通孔が形成されたものであってもよい。
そして、集電体がエッチングによって貫通孔が形成されたものである場合には、当該集電体は、複数の貫通孔が同一の孔径を有するもの、例えば複数の貫通孔が100μmの孔径のもの1種類であってもよいが、1〜500μmの範囲で複数種類、例えば100μmの孔径の貫通孔と200μmの孔径の貫通孔の2種類が規則的に、あるいはランダムに混在していてもよい。また、貫通孔の孔径および気孔率が異なる、第1の領域と第2の領域とを有するものであってもよい。
第1の領域および第2の領域を有する集電体において、第1の領域と第2の領域は、例えば、矩形状の集電体において、長手方向に交互に列設される。
また、集電体が第1の領域と第2の領域とを有するものである場合には、一方の領域が貫通孔の孔径および気孔率が小さく、他方の領域が貫通孔の孔径および気孔率が大きくなっている。
また、第1の領域に対する第2の領域の存在割合は5〜45%であることが好ましい。
第1の領域および第2の領域を有する集電体において、第1の領域と第2の領域は、例えば、矩形状の集電体において、長手方向に交互に列設される。
また、集電体が第1の領域と第2の領域とを有するものである場合には、一方の領域が貫通孔の孔径および気孔率が小さく、他方の領域が貫通孔の孔径および気孔率が大きくなっている。
また、第1の領域に対する第2の領域の存在割合は5〜45%であることが好ましい。
第1の領域と第2の領域とを有する正極集電体および負極集電体においては、いずれも、第1の領域に係る孔径と第2の領域に係る孔径とが1〜500μmの範囲内において大きな差を有するものであることが好ましい。
集電体においては、後述する蓄電デバイス用電極の製造方法の製造過程において、孔径が小さいとスラリーは充填されにくいがスラリーの保持性は高く、孔径が大きいとスラリーは充填されやすいが保持性は低いため、孔径分布を大きくすることによってスラリーの充填性を高め、集電体への電極活物質層の保持性を高めることができる。
具体的には、第1の領域は、貫通孔の孔径が10〜200μmであることが好ましく、50〜100μmであることが更に好ましい。また、気孔率は20〜70%であることが好ましく、20〜60%であることが更に好ましい。一方、第2の領域は、貫通孔の孔径が300〜500μmであることが好ましく、350〜450μmであることが更に好ましい。また、気孔率は20〜50%であることが好ましく、20〜40%であることが更に好ましい。
集電体においては、後述する蓄電デバイス用電極の製造方法の製造過程において、孔径が小さいとスラリーは充填されにくいがスラリーの保持性は高く、孔径が大きいとスラリーは充填されやすいが保持性は低いため、孔径分布を大きくすることによってスラリーの充填性を高め、集電体への電極活物質層の保持性を高めることができる。
具体的には、第1の領域は、貫通孔の孔径が10〜200μmであることが好ましく、50〜100μmであることが更に好ましい。また、気孔率は20〜70%であることが好ましく、20〜60%であることが更に好ましい。一方、第2の領域は、貫通孔の孔径が300〜500μmであることが好ましく、350〜450μmであることが更に好ましい。また、気孔率は20〜50%であることが好ましく、20〜40%であることが更に好ましい。
集電体を構成するための材料としては、リチウム系電池において一般に使用されているものを用いることができる。
具体的には、正極集電体の材質としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼などを用いることができる。また、負極集電体の材質としては、ステンレス鋼、銅、ニッケルなどを用いることができる。
また、集電体の厚みは、特に限定されないが、通常2〜100μmであればよく、好ましくは5〜80μmであり、更に好ましくは10〜50μmである。
具体的には、正極集電体の材質としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼などを用いることができる。また、負極集電体の材質としては、ステンレス鋼、銅、ニッケルなどを用いることができる。
また、集電体の厚みは、特に限定されないが、通常2〜100μmであればよく、好ましくは5〜80μmであり、更に好ましくは10〜50μmである。
また、集電体においては、後述する蓄電デバイス用電極の製造方法において用いられるスラリーとの密着性および濡れ性を向上させるために、当該集電体の表面をアッシング処理し、表面粗さ(Ra)を0.1〜300μmの範囲内としてもよい。
集電体の表面が上記の表面粗さ(Ra)であることにより、後述する蓄電デバイス用電極の製造方法の製造過程において、スラリーと集電体との濡れ性が向上して、集電体に形成された貫通孔の内部に活物質が入りやすくなる。その結果、電極が所期の貫通孔内活物質層面積を有するものとなる。
集電体の表面が上記の表面粗さ(Ra)であることにより、後述する蓄電デバイス用電極の製造方法の製造過程において、スラリーと集電体との濡れ性が向上して、集電体に形成された貫通孔の内部に活物質が入りやすくなる。その結果、電極が所期の貫通孔内活物質層面積を有するものとなる。
〔活物質層〕
正極電極には、正極活物質を含む正極活物質層が形成されており、また負極活電極には、負極活物質層を含む負極活物質層が形成されている。この正極活物質層および負極活物質層には、必要に応じて導電材が含有されていてもよい。
正極活物質層および負極活物質層の厚みは、通常1〜400μmであり、好ましくは10〜350μmであり、更に好ましくは20〜250μmである。ここに、集電体の両面に活物質層が形成された場合において、当該活物質層の厚みとは、集電体の両面に形成された活物質層の合計の厚みである。
正極活物質および負極活物質の厚みは、各々、集電体にスラリーを塗布する際の塗布速度などによって調整することができる。
正極電極には、正極活物質を含む正極活物質層が形成されており、また負極活電極には、負極活物質層を含む負極活物質層が形成されている。この正極活物質層および負極活物質層には、必要に応じて導電材が含有されていてもよい。
正極活物質層および負極活物質層の厚みは、通常1〜400μmであり、好ましくは10〜350μmであり、更に好ましくは20〜250μmである。ここに、集電体の両面に活物質層が形成された場合において、当該活物質層の厚みとは、集電体の両面に形成された活物質層の合計の厚みである。
正極活物質および負極活物質の厚みは、各々、集電体にスラリーを塗布する際の塗布速度などによって調整することができる。
〔正極活物質〕
正極活物質としては、リチウムイオンおよびテトラフルオロボレートなどの少なくとも1種のアニオンを可逆的に吸着・脱着可能な物質が用いられる。
正極活物質の具体例としては、活性炭粉末が挙げられる。
正極活物質として用いられる活性炭粉末において、粒度は、数平均粒径D50の値が2〜20μmであることが好ましく、より好ましくは2〜18μmであり、特に2〜15μmが好適である。この活性炭粉末は、平均細孔径が10nm以下であることが好ましく、また比表面積が600〜3000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは1300〜2500m2 /gである。
正極活物質としては、リチウムイオンおよびテトラフルオロボレートなどの少なくとも1種のアニオンを可逆的に吸着・脱着可能な物質が用いられる。
正極活物質の具体例としては、活性炭粉末が挙げられる。
正極活物質として用いられる活性炭粉末において、粒度は、数平均粒径D50の値が2〜20μmであることが好ましく、より好ましくは2〜18μmであり、特に2〜15μmが好適である。この活性炭粉末は、平均細孔径が10nm以下であることが好ましく、また比表面積が600〜3000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは1300〜2500m2 /gである。
〔負極活物質〕
負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能である物質が用いられる。
負極活物質の具体例としては、黒鉛粒子、および非晶質性炭素により表面の一部または全部が被覆された黒鉛(被覆黒鉛粒子)が挙げられる。
負極活物質として用いられる被覆黒鉛粒子は、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボンやコークス等の黒鉛系粒子の表面がハードカーボン、コークス、1500℃以下で焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)等の非晶質性炭素によって被覆されることによって製造される。これらの被覆黒鉛粒子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
このような被覆黒鉛粒子において、粒子表面におけるタールやピッチ由来の被覆の有無は、ラマンスペクトル、XRD等の測定により確認することができる。また、被覆構造は集束イオンビーム(FIB)によって粒子の一部を切断し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより確認することが可能である。
本明細書において、「ドープ」とは、吸蔵、吸着または挿入を意味し、広く、正極活物質にリチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方が入る現象、あるいはまた、負極活物質にリチウムイオンが入る現象をいう。また、「脱ドープ」とは、脱離、放出を意味し、正極活物質からリチウムイオンもしくはアニオンが脱離する現象、または負極活物質からリチウムイオンが脱離する現象をいう。
負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能である物質が用いられる。
負極活物質の具体例としては、黒鉛粒子、および非晶質性炭素により表面の一部または全部が被覆された黒鉛(被覆黒鉛粒子)が挙げられる。
負極活物質として用いられる被覆黒鉛粒子は、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボンやコークス等の黒鉛系粒子の表面がハードカーボン、コークス、1500℃以下で焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)等の非晶質性炭素によって被覆されることによって製造される。これらの被覆黒鉛粒子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
このような被覆黒鉛粒子において、粒子表面におけるタールやピッチ由来の被覆の有無は、ラマンスペクトル、XRD等の測定により確認することができる。また、被覆構造は集束イオンビーム(FIB)によって粒子の一部を切断し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより確認することが可能である。
本明細書において、「ドープ」とは、吸蔵、吸着または挿入を意味し、広く、正極活物質にリチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方が入る現象、あるいはまた、負極活物質にリチウムイオンが入る現象をいう。また、「脱ドープ」とは、脱離、放出を意味し、正極活物質からリチウムイオンもしくはアニオンが脱離する現象、または負極活物質からリチウムイオンが脱離する現象をいう。
負極活物質としては、粒子状の材料が用いられるが、その粒度は、数平均粒径D50の値が1〜20μmとされる。
数平均粒径D50が1μm未満の負極活物質は製造が困難である。一方、数平均粒径D50が20μmを超える負極活物質では、内部抵抗が十分に小さいリチウムイオンキャパシタを得ることが困難な場合がある。
また、負極活物質は、比表面積が0.1〜2000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは0.1〜600m2 /gである。
数平均粒径D50が1μm未満の負極活物質は製造が困難である。一方、数平均粒径D50が20μmを超える負極活物質では、内部抵抗が十分に小さいリチウムイオンキャパシタを得ることが困難な場合がある。
また、負極活物質は、比表面積が0.1〜2000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは0.1〜600m2 /gである。
〔バインダ〕
バインダとしては、例えば、SBR等のゴム系バインダ、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。
バインダの添加量は、作製される電極形状等によっても異なるが、通常、正極活物質または負極活物質に対して2〜40質量%であることが好ましい。
バインダとしては、例えば、SBR等のゴム系バインダ、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。
バインダの添加量は、作製される電極形状等によっても異なるが、通常、正極活物質または負極活物質に対して2〜40質量%であることが好ましい。
〔導電材〕
導電材としては、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。
導電材の添加量は、用いられる正極活物質または負極活物質の電気伝導度、作製される電極形状等によっても異なるが、通常、正極活物質または負極活物質に対して2〜40質量%であることが好ましい。
導電材としては、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。
導電材の添加量は、用いられる正極活物質または負極活物質の電気伝導度、作製される電極形状等によっても異なるが、通常、正極活物質または負極活物質に対して2〜40質量%であることが好ましい。
〔蓄電デバイス用電極の製造方法〕
以上のような構成の蓄電デバイス用電極は、例えば、複数の貫通孔が形成された集電体の片面ずつ、もしくは両面同時に、活物質、バインダおよび必要に応じて導電材が水または有機溶媒中に分散されたスラリーを塗布液として塗布して塗膜を得、この塗膜を乾燥させて活物質層を形成することによって製造することができる。
以上のような構成の蓄電デバイス用電極は、例えば、複数の貫通孔が形成された集電体の片面ずつ、もしくは両面同時に、活物質、バインダおよび必要に応じて導電材が水または有機溶媒中に分散されたスラリーを塗布液として塗布して塗膜を得、この塗膜を乾燥させて活物質層を形成することによって製造することができる。
このような製法方法においては、集電体に対するスラリーの塗布速度を調整することにより、得られる電極において、活物質層の厚みと共に、貫通孔内活物質層面積を調整することができる。すなわち、塗布速度を調整することで、集電体に形成された貫通孔の内部にスラリーを充填し、最終的に所期の貫通孔内活物質層面積を得ることができる。
〔スラリー〕
活物質層を形成するためのスラリーは、例えば水または有機溶媒中に、活物質、バインダ、並びに必要に応じて導電材およびその他の添加剤を加えて混合することによって調整される。
また、スラリーには、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシセルロース塩などの増粘剤が含有されていてもよい。
活物質層を形成するためのスラリーは、例えば水または有機溶媒中に、活物質、バインダ、並びに必要に応じて導電材およびその他の添加剤を加えて混合することによって調整される。
また、スラリーには、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシセルロース塩などの増粘剤が含有されていてもよい。
また、スラリーは、温度20℃における粘度が50〜1800mPa・sであることが好ましい。
スラリーの温度20℃における粘度が1800mPa・sを超える場合には、集電体との濡れ性が悪くなり、集電体に形成された貫通孔の内部に隙間が生じ易くなる傾向にある。一方、粘度が50mPa・s未満である場合には、集電体の貫通孔内部に活物質が留まらず、液だれが生じ、良好な電極を得ることができなくなる傾向にある。
スラリーの温度20℃における粘度が1800mPa・sを超える場合には、集電体との濡れ性が悪くなり、集電体に形成された貫通孔の内部に隙間が生じ易くなる傾向にある。一方、粘度が50mPa・s未満である場合には、集電体の貫通孔内部に活物質が留まらず、液だれが生じ、良好な電極を得ることができなくなる傾向にある。
〔その他の添加剤〕
その他の添加剤としては、イソプロピルアルコールなどが用いられる。
その他の添加剤を添加することによれば、集電体との濡れ性が向上し、よって集電体に形成された貫通孔の内部をスラリーで埋めることができる。
その他の添加剤としては、イソプロピルアルコールなどが用いられる。
その他の添加剤を添加することによれば、集電体との濡れ性が向上し、よって集電体に形成された貫通孔の内部をスラリーで埋めることができる。
その他の添加剤の添加量は、スラリー全体に対して1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることが更に好ましい。
その他の添加剤の添加量が過小である場合には、濡れ性向上効果が得られにくくなる。一方、その他の添加剤の添加量が過大である場合には、凝集が生じるおそれがある。
その他の添加剤の添加量が過小である場合には、濡れ性向上効果が得られにくくなる。一方、その他の添加剤の添加量が過大である場合には、凝集が生じるおそれがある。
〔リチウムイオンキャパシタ〕
本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極電極と負極電極とを、セパレータを介して交互に積層あるいは捲回させてなるリチウムイオンキャパシタ要素を、電解液と共に外装容器内に有するものである。外装容器は、円筒型、角型、ラミネート型等のものを適宜使用することができ、特に限定されるものではない。
そして、負極電極および正極電極の少なくとも一方に、本発明の蓄電デバイス用電極が用いられており、また負極電極および正極電極の少なくとも一方に予めリチウムイオンがドープされたものである。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極電極と負極電極とを、セパレータを介して交互に積層あるいは捲回させてなるリチウムイオンキャパシタ要素を、電解液と共に外装容器内に有するものである。外装容器は、円筒型、角型、ラミネート型等のものを適宜使用することができ、特に限定されるものではない。
そして、負極電極および正極電極の少なくとも一方に、本発明の蓄電デバイス用電極が用いられており、また負極電極および正極電極の少なくとも一方に予めリチウムイオンがドープされたものである。
本発明のリチウムイオンキキャパシタにおいて、負極電極および正極電極の少なくとも一方にリチウムイオンを予めドープする方法としては、例えば、金属リチウム等のリチウムイオン供給源をリチウム極としてキャパシタセル内に配置し、負極電極および正極電極の少なくとも一方とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンをドープさせる方法が用いられる。
〔セパレータ〕
本発明のリチウムイオンキャパシタにおけるセパレータとしては、JISP8117に準拠した方法により測定された透気度が1〜500secの範囲内にある材料よりなるものを用いることが好ましい。このようなセパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、ポリオレフィン、セルロース/レーヨンなどから構成される不織布や微多孔質膜、ポリエチレンにシリカを塗布したフィルム等の中から適宜選択したものを用いることができる。
セパレータの厚みは、例えば5〜100μmであり、10〜50μmが好ましい。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおけるセパレータとしては、JISP8117に準拠した方法により測定された透気度が1〜500secの範囲内にある材料よりなるものを用いることが好ましい。このようなセパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、ポリオレフィン、セルロース/レーヨンなどから構成される不織布や微多孔質膜、ポリエチレンにシリカを塗布したフィルム等の中から適宜選択したものを用いることができる。
セパレータの厚みは、例えば5〜100μmであり、10〜50μmが好ましい。
〔電解液〕
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、電解液として、非プトロトン性有機溶媒による電解質溶液が用いられる。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、電解液として、非プトロトン性有機溶媒による電解質溶液が用いられる。
〔非プトロトン性有機溶媒〕
電解液を構成する非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MED)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルブチルカーボネート(MBC)等の鎖状カーボネートが挙げられる。これらのうちの2種以上を混合した混合溶媒を用いてもよく、特に、粘度が低く、解離度が高く、イオン伝導度が高い電解液が得られることから、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物を用いることが好ましい。
電解液を構成する非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MED)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルブチルカーボネート(MBC)等の鎖状カーボネートが挙げられる。これらのうちの2種以上を混合した混合溶媒を用いてもよく、特に、粘度が低く、解離度が高く、イオン伝導度が高い電解液が得られることから、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物を用いることが好ましい。
〔電解質〕
電解液における電解質のリチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、LiN(C2 F3 SO2 )2 、LiN(CF3 SO2 )2 等が挙げられる。これらのうちでは、イオン伝導性が高く、低抵抗であることから、LiPF6 が好適に用いられる。電解液におけるリチウム塩の濃度は、低い抵抗が得られることから、0.1mol/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lであることがより好ましい。
電解液における電解質のリチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、LiN(C2 F3 SO2 )2 、LiN(CF3 SO2 )2 等が挙げられる。これらのうちでは、イオン伝導性が高く、低抵抗であることから、LiPF6 が好適に用いられる。電解液におけるリチウム塩の濃度は、低い抵抗が得られることから、0.1mol/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lであることがより好ましい。
〔リチウムイオンキャパシタの構造〕
本発明に係るリチウムイオンキャパシタの構造としては、帯状の正極電極と負極電極とをセパレータを介して捲回させる捲回型セル、板状またはシート状の正極電極と負極電極とをセパレータを介して各3層以上積層された積層型セル、このように積層された構成のユニットを外装フィルム内または角型外装缶内に封入された積層セル等が挙げられる。
これらのキャパシタセルの構造は、特開2004−266091号公報等により既知であり、それらのキャパシタセルと同様の構成とすることができる。
本発明に係るリチウムイオンキャパシタの構造としては、帯状の正極電極と負極電極とをセパレータを介して捲回させる捲回型セル、板状またはシート状の正極電極と負極電極とをセパレータを介して各3層以上積層された積層型セル、このように積層された構成のユニットを外装フィルム内または角型外装缶内に封入された積層セル等が挙げられる。
これらのキャパシタセルの構造は、特開2004−266091号公報等により既知であり、それらのキャパシタセルと同様の構成とすることができる。
以上のような本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極電極および/または負極電極が、孔径が1〜500μmの小径の貫通孔を有する多孔質集電体を備えたものであっても、当該正極電極および/または負極電極において、集電体における活物質層が形成された領域に位置する複数の貫通孔は、そのうちの大部分が、内部に活物質が充填された状態、あるいは内部の殆どに活物質が装填された状態とされている。よって、電極において、多孔質集電体に形成された貫通孔の内部に存在する隙間の占有率が小さい。そのため、貫通孔内部に隙間が存在することに起因して電極の抵抗や容量などの特性が局所的に異なることが抑制される。
具体的には、多孔質集電体における貫通孔内部に隙間が存在していて電解液が入りにくい箇所が少なく、よって局所的に内部抵抗が高くなる箇所の発生が抑制される。
また、電極に対して略均一にリチウムイオンを担持させることができるため、局所的に容量が低くなることが抑制される。そのため、局所的に容量が低い箇所において、電極表面にて電解液が分解されやすくなってガスが発生することが抑制される。更には、局所的に容量が低い箇所において電解液が分解されて発生したガスが電解液の入り込みを邪魔して、充放電を繰り返すうちにセル全体の内部抵抗が上昇し、また容量維持ができなくなることが抑制される。
従って、本発明のリチウムイオンキャパシタによれば、内部抵抗が低く、また、充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下が抑制される。
具体的には、多孔質集電体における貫通孔内部に隙間が存在していて電解液が入りにくい箇所が少なく、よって局所的に内部抵抗が高くなる箇所の発生が抑制される。
また、電極に対して略均一にリチウムイオンを担持させることができるため、局所的に容量が低くなることが抑制される。そのため、局所的に容量が低い箇所において、電極表面にて電解液が分解されやすくなってガスが発生することが抑制される。更には、局所的に容量が低い箇所において電解液が分解されて発生したガスが電解液の入り込みを邪魔して、充放電を繰り返すうちにセル全体の内部抵抗が上昇し、また容量維持ができなくなることが抑制される。
従って、本発明のリチウムイオンキャパシタによれば、内部抵抗が低く、また、充放電を多数回にわたって繰り返し行った場合であっても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下が抑制される。
以上、本発明の蓄電デバイス用電極について、リチウムイオンキャパシタの電極として実施した場合を例に挙げて説明したが、本発明の蓄電デバイス用電極は、リチウムイオンキャパシタに限定されず、その他のキャパシタまたは二次電池に適用することもできる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)正極板の作製:
正極集電体として、気孔率47%、貫通孔の孔径100μm、厚み30μmのアルミニウム製ケミカルエッチング箔を用意し、その一部の両面に、導電性塗料を、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅100mm、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を20μmに設定して両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、正極集電体の両面に導電層を形成した。
次いで、正極集電体の両面に形成された導電層上に、数平均粒径D50の値が5μmの正極活物質を含有するスラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を120μmに設定して両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、導電層上に正極電極層を形成した。
このようにして得られた、正極集電体の一部分に導電層および正極電極層が積層された材料を、導電層および正極電極層が積層された部分(以下、正極板について「塗工部」ともいう。)が60mm×80mm、いずれの層も形成されてない部分(以下、正極板について「未塗工部」ともいう。)が60mm×15mmとなるように、60mm×95mmの大きさに切断することにより、正極集電体の両面に正極電極層が形成された正極板を複数作製した。
(1)正極板の作製:
正極集電体として、気孔率47%、貫通孔の孔径100μm、厚み30μmのアルミニウム製ケミカルエッチング箔を用意し、その一部の両面に、導電性塗料を、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅100mm、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を20μmに設定して両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、正極集電体の両面に導電層を形成した。
次いで、正極集電体の両面に形成された導電層上に、数平均粒径D50の値が5μmの正極活物質を含有するスラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を120μmに設定して両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、導電層上に正極電極層を形成した。
このようにして得られた、正極集電体の一部分に導電層および正極電極層が積層された材料を、導電層および正極電極層が積層された部分(以下、正極板について「塗工部」ともいう。)が60mm×80mm、いずれの層も形成されてない部分(以下、正極板について「未塗工部」ともいう。)が60mm×15mmとなるように、60mm×95mmの大きさに切断することにより、正極集電体の両面に正極電極層が形成された正極板を複数作製した。
(2)負極板の作製:
負極集電体として、気孔率43%、貫通孔の孔径200μm、厚み20μmの銅製パンチング箔を用意し、その一部の両面に、負極活物質としての数平均粒径D50の値が4μmの黒鉛粒子を含有する水系スラリーに対し、全体におけるイソプロピルアルコール濃度が5質量%となるようにイソプロピルアルコールを添加したものを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅100mm、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を60μmに設定して両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、負極集電体の両面に負極電極層を形成した。
このようにして得られた、負極集電体の一部分に負極電極層が積層された材料を、負極電極層が積層された部分(以下、負極板について「塗工部」ともいう。)が65mm×85mm、いずれの層も形成されてない部分(以下、負極板について「未塗工部」ともいう。)が65mm×15mmとなるように、65m×100mmの大きさに切断することにより、負極集電体の両面に負極電極層が形成された負極板(以下、「負極板(1)」ともいう。)を複数作製した。
負極集電体として、気孔率43%、貫通孔の孔径200μm、厚み20μmの銅製パンチング箔を用意し、その一部の両面に、負極活物質としての数平均粒径D50の値が4μmの黒鉛粒子を含有する水系スラリーに対し、全体におけるイソプロピルアルコール濃度が5質量%となるようにイソプロピルアルコールを添加したものを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅100mm、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を60μmに設定して両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、負極集電体の両面に負極電極層を形成した。
このようにして得られた、負極集電体の一部分に負極電極層が積層された材料を、負極電極層が積層された部分(以下、負極板について「塗工部」ともいう。)が65mm×85mm、いずれの層も形成されてない部分(以下、負極板について「未塗工部」ともいう。)が65mm×15mmとなるように、65m×100mmの大きさに切断することにより、負極集電体の両面に負極電極層が形成された負極板(以下、「負極板(1)」ともいう。)を複数作製した。
得られた複数の負極板(1)のうちの1枚の負極板(1)について、負極活物質層が形成された領域の任意の位置において、集電体の厚み方向に切断することにより、10mm×10mmサイズの負極電極サンプルを得た。得られた負極電極サンプルの断面を、電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率1000倍の測定条件で任意の100個の貫通孔を観察したところ、貫通孔内活物質層面積は100%であった。
(3)セパレータの作製:
厚み50μm、透気度100secのセルロース/レーヨン複合材料のフィルムを縦横寸法が70mm×90mmとなるよう切断することにより、セパレータを作製した。
厚み50μm、透気度100secのセルロース/レーヨン複合材料のフィルムを縦横寸法が70mm×90mmとなるよう切断することにより、セパレータを作製した。
(4)リチウムイオンキャパシタ要素の作製:
先ず、正極板10枚、負極板(1)11枚、セパレータ22枚を用意し、正極板と負極板(1)とを、それぞれの塗工部は重なるが、それぞれの未塗工部は反対側になるよう位置合わせした状態で、セパレータ、負極板(1)、セパレータ、正極板の順で積重し、積層体の4辺をテープによって固定することにより、電極積層ユニットを作製した。
次いで、厚み70μmのリチウム箔を切断し、この切断したリチウム箔を、厚さ40μmのリチウム極集電体(銅ラス)に圧着することにより、リチウムイオン供給部材を作製し、このリチウムイオン供給部材を電極積層ユニットの上側に負極板(1)と対向するよう配置した。
次いで、作製した電極積層ユニットにおける10枚の正極板の各々の未塗工部に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した、幅30mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製の正極電極端子の電源タブ部を重ねて溶接した。一方、電極積層ユニットの11枚の負極板(1)の各々の未塗工部およびリチウムイオン供給部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した、幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の負極電極端子の電源タブ部を重ねて溶接した。以上のようにして、リチウムイオンキャパシタ要素を作製した。
先ず、正極板10枚、負極板(1)11枚、セパレータ22枚を用意し、正極板と負極板(1)とを、それぞれの塗工部は重なるが、それぞれの未塗工部は反対側になるよう位置合わせした状態で、セパレータ、負極板(1)、セパレータ、正極板の順で積重し、積層体の4辺をテープによって固定することにより、電極積層ユニットを作製した。
次いで、厚み70μmのリチウム箔を切断し、この切断したリチウム箔を、厚さ40μmのリチウム極集電体(銅ラス)に圧着することにより、リチウムイオン供給部材を作製し、このリチウムイオン供給部材を電極積層ユニットの上側に負極板(1)と対向するよう配置した。
次いで、作製した電極積層ユニットにおける10枚の正極板の各々の未塗工部に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した、幅30mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製の正極電極端子の電源タブ部を重ねて溶接した。一方、電極積層ユニットの11枚の負極板(1)の各々の未塗工部およびリチウムイオン供給部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した、幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の負極電極端子の電源タブ部を重ねて溶接した。以上のようにして、リチウムイオンキャパシタ要素を作製した。
(5)リチウムイオンキャパシタの作製:
ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層され、寸法が90mm(縦幅)×120mm(横幅)×0.15mm(厚み)で、収容部となる中央部分に、70mm(縦幅)×100mm(横幅)の絞り加工が施された一方の外装フィルムと、ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層され、寸法が90mm(縦幅)×120mm(横幅)×0.15mm(厚み)の他方の外装フィルムとを作製した。
次いで、他方の外装フィルム上における収容部となる位置に、リチウムイオンキャパシタ要素を、その正極電極端子および負極電極端子の各々が、他方の外装フィルムの端部から外方に突出するよう配置し、このリチウムイオンキャパシタ要素に、一方の外装フィルムを重ね合わせ、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における3辺(正極電極端子および負極電極端子が突出する2辺およびその他の1辺)を熱融着した。
一方、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびジエチルカーボネートを、体積比で3:1:4の割合で混合した溶媒に、電解質としてのLiPF6 を、濃度が1.2mol/Lとなるように溶解することにより、電解液を調製した。
その後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの間に、電解液を注入した後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における残り1辺を熱融着することにより、リチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS1」ともいう。)を3セル作製した。
ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層され、寸法が90mm(縦幅)×120mm(横幅)×0.15mm(厚み)で、収容部となる中央部分に、70mm(縦幅)×100mm(横幅)の絞り加工が施された一方の外装フィルムと、ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層され、寸法が90mm(縦幅)×120mm(横幅)×0.15mm(厚み)の他方の外装フィルムとを作製した。
次いで、他方の外装フィルム上における収容部となる位置に、リチウムイオンキャパシタ要素を、その正極電極端子および負極電極端子の各々が、他方の外装フィルムの端部から外方に突出するよう配置し、このリチウムイオンキャパシタ要素に、一方の外装フィルムを重ね合わせ、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における3辺(正極電極端子および負極電極端子が突出する2辺およびその他の1辺)を熱融着した。
一方、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびジエチルカーボネートを、体積比で3:1:4の割合で混合した溶媒に、電解質としてのLiPF6 を、濃度が1.2mol/Lとなるように溶解することにより、電解液を調製した。
その後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの間に、電解液を注入した後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における残り1辺を熱融着することにより、リチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS1」ともいう。)を3セル作製した。
〔実施例2〕
実施例1の負極板の作製において、スラリーのイソプロピルアルコール濃度を3質量%としたこと以外は当該実施例1と同様にして負極板(以下、「負極板(2)」ともいう。)を複数作製した。
得られた複数の負極板(2)のうちの1枚の負極板(2)について、実施例1と同様の手法によって貫通孔内活物質層面積を確認したところ、90%であった。
そして、負極板(1)11枚に代えて負極板(2)11枚を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS2」ともいう。)を3セル作製した。
実施例1の負極板の作製において、スラリーのイソプロピルアルコール濃度を3質量%としたこと以外は当該実施例1と同様にして負極板(以下、「負極板(2)」ともいう。)を複数作製した。
得られた複数の負極板(2)のうちの1枚の負極板(2)について、実施例1と同様の手法によって貫通孔内活物質層面積を確認したところ、90%であった。
そして、負極板(1)11枚に代えて負極板(2)11枚を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS2」ともいう。)を3セル作製した。
〔実施例3〕
実施例2の負極板の作製において、負極集電体として下記の手法によって得られたものを用いたこと以外は当該実施例1と同様にして負極板(以下、「負極板(3)」ともいう。)を作製した。
実施例2の負極板の作製において、負極集電体として下記の手法によって得られたものを用いたこと以外は当該実施例1と同様にして負極板(以下、「負極板(3)」ともいう。)を作製した。
(負極集電体の作製)
厚み20μmの銅箔の両面にレジストを塗布し、この銅箔の両面に、気孔率が57%であって貫通孔の孔径が100μmの領域と、気孔率が32%であって貫通孔の孔径が350μmの領域とが列設された厚み32μmのマスクをかけて露光を行った後、レジストを現像液で洗い流すことにより、銅製のエッチング箔を得た。
得られたエッチング箔においては、気孔率が57%であって貫通孔の孔径が100μmの第1の領域と、気孔率が32%であって貫通孔の孔径が350μmの第2の領域とが長手方向に交互に列設されており、当該第1の領域に対する第2の領域の存在割合が44%であった。
厚み20μmの銅箔の両面にレジストを塗布し、この銅箔の両面に、気孔率が57%であって貫通孔の孔径が100μmの領域と、気孔率が32%であって貫通孔の孔径が350μmの領域とが列設された厚み32μmのマスクをかけて露光を行った後、レジストを現像液で洗い流すことにより、銅製のエッチング箔を得た。
得られたエッチング箔においては、気孔率が57%であって貫通孔の孔径が100μmの第1の領域と、気孔率が32%であって貫通孔の孔径が350μmの第2の領域とが長手方向に交互に列設されており、当該第1の領域に対する第2の領域の存在割合が44%であった。
得られた負極板(3)は、負極集電体において、第1の領域および第2の領域に亘って塗工部が形成されたものであった。
また、得られた負極板(3)について、実施例1と同様の手法により、得られた負極電極サンプルの断面において、負極集電体に形成された任意の100個の貫通孔を観察し、貫通孔内活物質層面積を確認したところ、95%であった。
そして、負極板(1)11枚に代えて負極板(3)11枚を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS3」ともいう。)を3セル作製した。
また、得られた負極板(3)について、実施例1と同様の手法により、得られた負極電極サンプルの断面において、負極集電体に形成された任意の100個の貫通孔を観察し、貫通孔内活物質層面積を確認したところ、95%であった。
そして、負極板(1)11枚に代えて負極板(3)11枚を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS3」ともいう。)を3セル作製した。
〔比較例1〕
実施例1の負極板の作製において、スラリーにイソプロピルアルコールを用いなかったこと以外は当該実施例1と同様にして負極板(以下、「負極板(4)」ともいう。)を作製した。
得られた負極板(4)について、実施例1と同様の手法によって貫通孔内活物質層面積を確認したところ、70%であった。
そして、負極板(1)11枚に代えて負極板(4)11枚を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルC1」ともいう。)を3セル作製した。
実施例1の負極板の作製において、スラリーにイソプロピルアルコールを用いなかったこと以外は当該実施例1と同様にして負極板(以下、「負極板(4)」ともいう。)を作製した。
得られた負極板(4)について、実施例1と同様の手法によって貫通孔内活物質層面積を確認したところ、70%であった。
そして、負極板(1)11枚に代えて負極板(4)11枚を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルC1」ともいう。)を3セル作製した。
〔初期静電容量測定および初期DC−IR(直流内部抵抗)測定〕
実施例1〜3および比較例1に係るセルの各々について、セルの初期静電容量値〔F〕および初期DC−IR値〔mΩ〕を、日本電計株式会社製の充放電装置を用い、下記の測定条件のCC放電(定電流放電)を行うことによって測定した。具体的には、温度25±5℃の環境下において、1.7Aの電流値で3.8Vまで充電後、同電圧で30分間保持し、その後1.7Aで2.2Vまで放電した際の静電容量値〔F〕を求め、作製した3セルの平均値を初期静電容量値〔F〕とした。また、この際、放電直後の電圧と放電開始100msec後の電圧差を放電電流で除した値をDC−IR(直流内部抵抗)値〔mΩ〕として求め、作製した3セルの平均値を初期DC−IR値〔mΩ〕とした。結果を表1に示す。
実施例1〜3および比較例1に係るセルの各々について、セルの初期静電容量値〔F〕および初期DC−IR値〔mΩ〕を、日本電計株式会社製の充放電装置を用い、下記の測定条件のCC放電(定電流放電)を行うことによって測定した。具体的には、温度25±5℃の環境下において、1.7Aの電流値で3.8Vまで充電後、同電圧で30分間保持し、その後1.7Aで2.2Vまで放電した際の静電容量値〔F〕を求め、作製した3セルの平均値を初期静電容量値〔F〕とした。また、この際、放電直後の電圧と放電開始100msec後の電圧差を放電電流で除した値をDC−IR(直流内部抵抗)値〔mΩ〕として求め、作製した3セルの平均値を初期DC−IR値〔mΩ〕とした。結果を表1に示す。
(測定条件)
温度:25±5℃
電圧範囲:3.8〜2.2V
電流値:1.7A
温度:25±5℃
電圧範囲:3.8〜2.2V
電流値:1.7A
〔充放電サイクル試験〕
実施例1〜3および比較例1に係るセルの各々について、温度25℃の条件下において、100Cのレート(17A)で5万回充放電サイクルを行った。そして、1サイクル目のセルの容量値と、5万サイクル目のセルの容量値とに基づく容量維持率を測定した。また、1サイクル目のセルのDC−IR値と、5万サイクル目のセルのDC−IR値とに基づくDC−IR上昇率を測定した。結果を表2に示す。
表2において、容量維持率とは、1サイクル目のセルの容量値を基準とし、この1サイクル目のセルの容量値を100%とした場合に対する、5万サイクル目のセルの容量値の相対値を示す。なお、容量維持率が95%以上である場合を合格と判断した。
また、DC−IR上昇率とは、1サイクル目のセルのDC−IR値を基準とし、この1サイクル目のセルのDC−IR値を100%とした場合に対する、10万サイクル目のセルのDC−IR値を示す。なお、DC−IR上昇率が5%未満である場合を合格と判断した。
実施例1〜3および比較例1に係るセルの各々について、温度25℃の条件下において、100Cのレート(17A)で5万回充放電サイクルを行った。そして、1サイクル目のセルの容量値と、5万サイクル目のセルの容量値とに基づく容量維持率を測定した。また、1サイクル目のセルのDC−IR値と、5万サイクル目のセルのDC−IR値とに基づくDC−IR上昇率を測定した。結果を表2に示す。
表2において、容量維持率とは、1サイクル目のセルの容量値を基準とし、この1サイクル目のセルの容量値を100%とした場合に対する、5万サイクル目のセルの容量値の相対値を示す。なお、容量維持率が95%以上である場合を合格と判断した。
また、DC−IR上昇率とは、1サイクル目のセルのDC−IR値を基準とし、この1サイクル目のセルのDC−IR値を100%とした場合に対する、10万サイクル目のセルのDC−IR値を示す。なお、DC−IR上昇率が5%未満である場合を合格と判断した。
以上の結果から、実施例1〜実施例3に係るセルは、DC−IR値が小さく、また、多数回にわたって充放電を繰り返した場合であっても、ガスの発生がなくあるいは抑制され、DC−IR値の上昇および容量維持率の低下が抑制されることが確認された。
具体的には、実施例1に係るセルS1は、比較例1に係るセルC1に比してDC−IR値が小さく、またサイクル試験中にガスの発生がなく、しかもサイクル試験後のDI−IR上昇率および容量維持率は良好であった。
実施例2に係るセルS2は、実施例1に係るセルS1に比してDC−IR上昇率が高く、容量維持率が低かったが、比較的良好な結果が得られた。また、ガス発生は少量確認された。これは、イソプロピルアルコールの添加量を実施例1より少なくした結果、スラリーの集電体との濡れ性が少し低下したためと考えられるが、蓄電デバイスとして使用できる範囲なので、問題なしとした。
実施例3に係るセルS3は、実施例2に係るセルS2に比して、DC−IR上昇率は低く、容量維持率も高かった。ガス発生は無かった。これは、負極集電体が第1の領域と第2の領域を有しており、孔径分布が大きいものであるため、スラリーの充填性および保持性が高められたためと考えられる。
一方、比較例1に係るセルC1は、負極電極の貫通孔内活物質層面積95%未満であることから、DC−IR値が大きく、また、多数回にわたって充放電を繰り返した場合に、ガスが発生し、DC−IR値の上昇および容量維持率の低下が生じることが確認された。
具体的には、実施例1に係るセルS1は、比較例1に係るセルC1に比してDC−IR値が小さく、またサイクル試験中にガスの発生がなく、しかもサイクル試験後のDI−IR上昇率および容量維持率は良好であった。
実施例2に係るセルS2は、実施例1に係るセルS1に比してDC−IR上昇率が高く、容量維持率が低かったが、比較的良好な結果が得られた。また、ガス発生は少量確認された。これは、イソプロピルアルコールの添加量を実施例1より少なくした結果、スラリーの集電体との濡れ性が少し低下したためと考えられるが、蓄電デバイスとして使用できる範囲なので、問題なしとした。
実施例3に係るセルS3は、実施例2に係るセルS2に比して、DC−IR上昇率は低く、容量維持率も高かった。ガス発生は無かった。これは、負極集電体が第1の領域と第2の領域を有しており、孔径分布が大きいものであるため、スラリーの充填性および保持性が高められたためと考えられる。
一方、比較例1に係るセルC1は、負極電極の貫通孔内活物質層面積95%未満であることから、DC−IR値が大きく、また、多数回にわたって充放電を繰り返した場合に、ガスが発生し、DC−IR値の上昇および容量維持率の低下が生じることが確認された。
Claims (4)
- 孔径が1〜500μmの貫通孔を有する多孔質集電体と、当該多孔質集電体に塗布形成された活物質層とを有する蓄電デバイス用電極において、
前記多孔質集電体の活物質層が形成された領域における当該多孔質集電体の厚み方向の任意の断面において、当該多孔質集電体における任意の100個の貫通孔の断面積の合計に対して、当該100個の貫通孔の内部領域に存在する活物質層の断面積の合計が90%以上であることを特徴とする蓄電デバイス用電極。 - 前記活物質層を構成する活物質の数平均粒径D50の値が1〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス用電極。
- 負極電極であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス用電極。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蓄電デバイス用電極を有することを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013081200A JP2014204069A (ja) | 2013-04-09 | 2013-04-09 | 蓄電デバイス用電極およびリチウムイオンキャパシタ |
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ID=52354218
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JP2013081200A Pending JP2014204069A (ja) | 2013-04-09 | 2013-04-09 | 蓄電デバイス用電極およびリチウムイオンキャパシタ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019508896A (ja) * | 2016-03-01 | 2019-03-28 | マックスウェル テクノロジーズ インコーポレイテッド | プレドーピングされたアノードならびにその製造方法および製造装置 |
CN113488617A (zh) * | 2021-05-08 | 2021-10-08 | 上海兰钧新能源科技有限公司 | 一种锂离子电池极片的制备方法 |
CN114551787A (zh) * | 2022-02-18 | 2022-05-27 | 星恒电源股份有限公司 | 一种锂电池正极片及其制备方法 |
-
2013
- 2013-04-09 JP JP2013081200A patent/JP2014204069A/ja active Pending
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