JP2013138096A - 蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】内部抵抗を低減した蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】正極および負極は、集電体の片面もしくは両面に、正極活物質1および負極活物質2をそれぞれ含有した活物質層が設けられて構成され、正極活物質層1および負極活物質層2は、直径0.01μm以上10μm以下の空隙を、0.50cm3/g以上2.00cm3/g以下、かつ全空隙量に対し80%以上95%以下有し、活物質層の一層の厚さが、10μm以上150μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】正極および負極は、集電体の片面もしくは両面に、正極活物質1および負極活物質2をそれぞれ含有した活物質層が設けられて構成され、正極活物質層1および負極活物質層2は、直径0.01μm以上10μm以下の空隙を、0.50cm3/g以上2.00cm3/g以下、かつ全空隙量に対し80%以上95%以下有し、活物質層の一層の厚さが、10μm以上150μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリットキャパシタや二次電池等の蓄電デバイスに関する。
近年、大電流を必要とするハイブリッド自動車等の駆動用としてのハイパワー用途や、電力補助供給源として、蓄電デバイスに対する期待が高まっている。
これらの蓄電デバイスとして、正極に電気二重層キャパシタに用いられるような分極性電極を使用し、負極にリチウムイオンを吸蔵(以下、「ドープ」という)、脱離しうる炭素材料を使用したリチウムイオンキャパシタなどのハイブリッドキャパシタが提案されている。リチウムイオンキャパシタは、負極にあらかじめリチウムイオンをドープさせて、リチウムイオンキャパシタの電圧(正極電位と負極電位の電位差)を高くすることで、高耐電圧化、高エネルギー密度化できるという特徴を有している。
また、リチウムイオンのドープ技術は、リチウムイオン二次電池にも応用可能であり、負極にリチウムイオンをドープすることで、リチウムを含まない高容量化合物を正極活物質に用いることが可能となる。したがって、正極活物質自体にリチウムイオンを吸蔵、脱離させる化学反応を伴わないことから、充放電サイクルに優れた蓄電デバイスを提供することができる。
リチウムイオンキャパシタの電極は、集電体の片面または両面に、正極活物質または負極活物質を含有した活物質層が設けられた構成となっている。この活物質層には、正極活物質または負極活物質からなる主成分に、導電助剤やバインダーが混合されているのが一般的である。
リチウムイオンキャパシタの活物質には、特許文献1、2のように活物質中の細孔直径や細孔容積、比表面積の大きさを規定することで、活物質中における電解液の拡散抵抗を低減し、蓄電デバイスの高出力化が図られている。
特許文献1には、負極活物質に細孔直径3nm以上の細孔容積を0.10cm3/g以上有するメソポア炭素材を用いることにより、高電圧、高エネルギー密度を有する有機電解質キャパシタが開示されている。また、特許文献2には、比表面積が0.01〜50m2/gであり、全メソ孔容積が0.05〜1.0cm3/gであり、細孔直径100〜400Åのメソ孔容積が全メソ孔容積の25%以上を占める炭素材料からなる蓄電デバイス用負極活物質が開示されている。
しかしながら、これらの蓄電デバイスでは、活物質の粒径や製造条件等によって得られる活物質層の物性が異なり、蓄電デバイスの内部抵抗が大きくなる場合があるという課題がある。例えば活物質の粒径が非常に小さく、かつ活物質層の密度が高いような場合には、電解液が活物質層の内部に浸透しにくくなり、電解液の拡散抵抗が上昇し、蓄電デバイスの内部抵抗が大きくなる場合がある。すなわち、特許文献1、2に提案されている活物質中の細孔の比表面積等の規定だけでは蓄電デバイスの低抵抗化が十分ではなかった。
本発明は、内部抵抗を低減した蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明の蓄電デバイスは、アニオンまたはカチオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを可逆的にドープ可能な負極活物質を含む負極を、セパレータを介して交互に積層してなる少なくとも一つのユニットと、前記リチウムイオンを含有する非水系電解液と、前記負極へ前記リチウムイオンをドープさせるリチウム供給源を備えた蓄電デバイスであって、前記正極および負極は、集電体の片面もしくは両面に、前記正極活物質および前記負極活物質を含有した活物質層が設けられて構成され、前記活物質層は、直径0.01μm以上10.00μm以下の空隙を、0.50cm3/g以上2.00cm3/g以下、かつ全空隙量に対し80%以上95%以下有していることを特徴とする。
また、本発明の蓄電デバイスは、前記活物質層の一層の厚さが、10μm以上150μm以下であることが好ましい。
また、本発明の蓄電デバイスは、前記正極活物質および前記負極活物質の累積体積分率50%に対応する粒子径(D50)が、0.1μm以上10.0μm以下であることが好ましい。
また、本発明の蓄電デバイスは、前記正極活物質および前記負極活物質の粒子が球状であることが好ましい。
本発明によれば、内部抵抗を低減した蓄電デバイスを提供することが可能となる。
本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明による蓄電デバイスは、リチウムイオンを含有する非水系の電解液と、リチウム供給源と、アニオンまたはカチオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを可逆的にドープ可能な負極活物質を含む負極を備えている。正極と負極は、セパレータを介して交互に積層されてユニットを構成する。ユニットの外部にリチウム供給源を配置し、ユニットおよびリチウム供給源を電解液とともに外装材にて密閉する構造となっている。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電デバイスの模式断面図である。正極は、電荷を取り出すための正極集電体4と、正極活物質層1からなり、正極集電体4の両面には、アニオンまたはカチオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含む正極活物質層1が形成されている。負極は、電荷を取り出すための負極集電体5と、負極活物質層2からなり、負極集電体5の両面にリチウムイオンを可逆的にドープ可能な負極活物質層2が形成されている。正極活物質層1および負極活物質層2は、各集電体の少なくとも一方の面に形成されていればよい。この正極と負極をセパレータ3を介して負極が外側になるように交互に積層し、ユニットが構成される。このユニットの外部にリチウム供給源6を配置して外装容器に収納し、リチウムイオンを含有する非水系の電解液7をユニットに含浸させた後、密閉されている。リチウム供給源から負極へリチウムイオンをドープさせることにより、本実施の形態の蓄電デバイスが得られる。
本実施の形態において、正極活物質層1および負極活物質層2は、直径0.01μm以上10.00μm以下の空隙を、0.50cm3/g以上2.00cm3/g以下、かつ各活物質層の全空隙量に対し80%以上95%以下有している。この構成とすることにより、活物質層中に含有する活物質の間に小さい空隙が多くなり、電解液と活物質との接触面が増大する。したがって、負極においてリチウムイオンのドープが容易かつ均一となり、内部抵抗を低減できる。また、ドープにかかる時間も短縮できる。
さらに、本実施の形態では、上述した活物質層の構成とすることにより、電解液が活物質層中に浸透し易くなるため、電解液の拡散抵抗が低減し、蓄電デバイスの高出力化が図られる。また、電解液が活物質層中に点在して存在するため、長期使用による液量の減少を防止でき、蓄電デバイスの長期信頼性を向上させることが可能となる。
活物質層中に存在する直径0.01μm以上10.00μm以下の空隙が0.50cm3/g以下の場合、電解液と活物質との界面が減り、負極においてリチウムイオンドープが均一とならない恐れがある。また、正極および負極ともに、電解液の拡散抵抗が上昇する恐れがある。直径0.01μm以上10.00μm以下の空隙が2.00cm3/g以上では、電極の作製が困難である。
また、直径0.01μm以上10.00μm以下の空隙の量が、各活物質層中の全空隙量に対して80%以下の場合は、10.00μm以上の空隙が多くなるため、正極および負極ともに電解液の拡散抵抗が上昇し、負極においてリチウムイオンドープが均一とならずに内部抵抗は上昇する恐れがある。
本実施の形態における、空隙を有する活物質層を作製する方法としては、活物質粒子径を小さくすること、活物質層の密度を調整することが望ましいが、これらに限定されない。活物質層を作製する際に、使用する溶媒を減らし、活物質などの固形物を含む固形分の割合を増やしたり、作製した活物質層に圧力プレスを施して空隙を均一にしたりすることも可能である。
活物質層中に存在する空隙の直径や空隙の量は、一般的には水銀ポロシメーターを使用し水銀圧入によって測定することが可能である。しかし、前記の直径が測定できる装置であれば、窒素吸着法によるBET比表面積測定を用いても構わない。
本実施の形態において、活物質層の一層の厚さは、10μm以上150μm以下であることが好ましい。10μm以上とすることにより、活物質層の作製を容易にでき、活物質層の厚さを均一にすることが可能である。150μm以下とすることにより、電解液の拡散抵抗が上昇することを抑制でき、また負極においてはリチウムイオンのドープ速度の低下やドープが不均一となることを抑制できる。
正極および負極の活物質層の形成方法として、例えば、活物質を含む電極塗料を作製し、それを集電体に塗工する方法や、活物質を含むシートを作製して集電体に貼りつける等の方法があるが、負極、正極において、各活物質がそれぞれ含まれ、本実施の形態の活物質層を形成できれば、どのような手段によるものでも構わない。
また、本実施の形態において、正極活物質および負極活物質の累積体積分率50%に対応する粒子径(D50)が、0.1μm以上10.0μm以下であることが望ましい。粒子径を0.1μm以上とすることにより、活物質層の作製が容易となる。粒子径を10.0μm以下とすることにより、活物質中の空隙の直径を小さく均一に作製することが容易とある。なお、正極活物質及び負極活物質は、レーザー回折式粒度分布測定装置により、累積体積分率50%に対応する粒子径(D50)を測定している。
さらに、本実施の形態において、正極活物質および負極活物質の粒子の形状は、球状であることが望ましい。球の形状は、真球、楕円など球形であればどのような形であっても構わないが、真球に近いほど活物質中の空隙の直径は均一となる。
また、正極活物質層および負極活物質層の密度は、0.5g/cm3以上1.5g/cm3以下とするのが好ましい。この各活物質層の密度は、活物質の粒子径や、活物質層の配合条件、プレス条件等により調整することができ、上記の密度範囲において、リチウムイオンのドープの均一化が容易となる。
負極活物質層の主成分である負極活物質は、リチウムイオンを可逆的にドープできる物質から形成される。例えば、リチウムイオン二次電池の負極に用いられる黒鉛材料や、難黒鉛化炭素材料、コークスなどの炭素材料、ポリアセン系物質等を挙げることができるが、低抵抗化や低コスト化を考慮すると、好ましくは、黒鉛材料や難黒鉛化炭素材料がよい。
正極活物質の主成分である正極活物質は、アニオンまたはカチオンを可逆的に担持できる物質から形成される。例えば、分極性を有するフェノール樹脂系活性炭、ヤシガラ系活性炭、石油コークス系活性炭やポリアセンなどの炭素材料を用いることができる。また、リチウムイオン二次電池の正極材料なども用いることができる。
正極活物質層および負極活物質層には、必要により導電助剤やバインダー添加される。導電助剤としては、黒鉛、カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相成長カーボンやカーボンナノチューブなどが挙げられ、特にカーボンブラック、黒鉛が好ましい。バインダーとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
正極と負極の重量比や単位重量あたりの静電容量比はどのような値であっても構わない。
リチウム供給源には、金属リチウムあるいはリチウム−アルミニウム合金のように、リチウムイオンを供給できる物質を使用することができる。これらの物質を単独、若しくは集電体に取り付けて使用する。リチウム供給源のサイズは、負極と同サイズもしくはそれより1〜2mm小さいのが好ましい。厚さはリチウムイオンのドープ量によって変更することができるが、好ましくは5μm〜400μmがよい。400μmより厚くすると、リチウム供給源が残存し、特性や信頼性に問題が生じる恐れがある。5μmより薄くすると、取り扱いが難しくなる恐れがある。
正極集電体の材質としては、一般にリチウムイオン二次電池などに使用されている種々の材質を用いることができ、アルミニウム、ステンレス等を用いることができる。集電体にはアルミエッチング箔のエッチング処理、ケミカル処理等いずれのものでも使用でき、貫通孔の有無は問わない。また、集電体の厚みも問わない。
負極集電体およびリチウム供給源の集電体の材質としては、一般にリチウムイオン二次電池などに使用されている種々の材質を用いることができ、ステンレス、銅、ニッケル等をそれぞれ用いることができる。また、集電体には圧延箔や電解箔用いることができる。また、リチウム供給源の集電体は負極集電体と同様の材質のものが使用でき、厚みや貫通孔の有無は問わない。
本実施の形態のユニットとは、負極が最外部になるように、セパレータを介して正極と負極が交互に積層されたものであり、負極は2枚以上、正極は1枚以上積層されたものをいう。ユニットは、規定する容量に合わせて、何枚ずつであっても構わない。また、ユニット中の負極および正極の枚数を少なくして、複数のユニットを積層しても構わない。
本実施の形態において、あらかじめ負極にリチウムイオンをドープさせる手段は、指定した量のリチウムイオンが負極へドープされれば、特に限定されない。例えば、負極と金属リチウムを物理的に短絡させる方法でも、または電気化学的にドープさせる方法いずれでもよい。
リチウム供給源は、ユニット最外部の負極と対向するように、ユニットの片側もしくは両側に積層するが、ユニットの外部であれば、配置場所は限定されない。リチウム供給源は、2箇所以上配置すると、リチウムイオンのドープ時間はさらに短くなり、均一にドープされる。そのため、複数のユニットを積層し、各ユニットの最外部全てにリチウム供給源を積層しても構わない。
リチウムイオンを含有する非水系の溶液から構成される電解液の溶媒は、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ―ブチルラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられる。これらの溶媒を1種類もしくは2種類以上混合した混合溶媒を用いることができる。この中で、少なくともプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートいずれかを有することが、特性上好ましい。また、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等の添加剤を0.01〜0.5mol/L程度添加しても構わない。
また、上記溶媒に溶解させる電解質は、電離してリチウムイオンを生成するものであれば良く、例えば、LiI、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6等が挙げられる。これらの溶質は、上記溶媒中に0.5mol/L以上とすることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lの範囲内とすることが、特性上更に好ましい。
電解液の注入量は、正極や負極、リチウム供給源、セパレータなどの材料を含浸できる量以上であれば特に規定されない。
セパレータは、電気二重層キャパシタなどに用いられているセルロースや樹脂からなる不織布や混抄紙や、リチウムイオン電池などに用いられている樹脂系の微多孔膜などいずれのものを使用しても構わない。
本実施の形態の蓄電デバイスは、アルミラミネートやアルミケースなど水分が混入しないように封入することが可能な容器や袋などの外装材の中に、前記ユニットと電解液及びリチウム供給源を封入した構造体である。容器や袋の構造、材質は特に問わないが、出来る限り軽量であることが望ましい。
以下に本発明の実施例を詳述する。
(実施例1)
粒子径がD50=5.0μmの球状炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面20μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を1.1g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて、負極活物質層中の空隙量を測定したところ、直径が0.01以上10.00μm以下の空隙は、0.51cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は83%であった。
粒子径がD50=5.0μmの球状炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面20μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を1.1g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて、負極活物質層中の空隙量を測定したところ、直径が0.01以上10.00μm以下の空隙は、0.51cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は83%であった。
粒子径がD50=3.0μmの球状活性炭と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して正極スラリーを作製した。得られた正極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmのアルミ箔上に片面50μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、正極活物質層を形成した正極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を0.7g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて、正極活物質層中の空隙量を測定したところ、直径が0.01以上10.00μm以下の空隙は0.52cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は85%であった。
上記で得られた負極および正極において、各活物質層が形成されている部分の面積が6cm2となるように、正極を1枚、負極を2枚切り出した。
次いで、負極と正極の間に厚さ30μmのセパレータを配置して、負極、正極、負極の順で積層して、ユニットを作製した。
作製したユニットは真空乾燥処理後、ユニットの最外部の両側にそれぞれ1枚の金属リチウムを負極に対向させて配置し、アルミラミネートフィルムで形成した容器に収納した。
その後、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの混合溶媒に、1mol/LのLiPF6を溶かした電解液をアルミラミネートフィルム内に注入してから密閉し、蓄電デバイスを作製した。
作製した蓄電デバイスは、金属リチウムから負極に所定量のリチウムイオンがドープされるように定電圧放電を行った。
上記の状態で、定電流定電圧にて3.8Vで充電を1時間行い、電圧が2.2Vになるまで100mAで放電した。放電時の電圧降下より内部抵抗を算出した。
(実施例2)
粒子径がD50=3.0μmの球状炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面40μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を1.3g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて、負極活物質層の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.88cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は87%であった。
粒子径がD50=3.0μmの球状炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面40μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を1.3g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて、負極活物質層の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.88cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は87%であった。
粒子径がD50=2.0μmの球状活性炭と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して正極スラリーを作製した。得られた正極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmのアルミ箔上に片面80μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、正極活物質層を形成した正極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を0.8g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて、正極活物質層の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.88cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は90%であった。
その他の構成および製造方法は実施例1と同様とした。
上記の状態で、定電流定電圧にて3.8Vで充電を1時間行い、電圧が2.2Vになるまで100mAで放電した。放電時の電圧降下より内部抵抗を算出した。
(比較例1)
粒子径がD50=5.0μmの球状炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面20μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を1.8g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて、負極活物質層の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.48cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は69%であった。
粒子径がD50=5.0μmの球状炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面20μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を1.8g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて、負極活物質層の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.48cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は69%であった。
粒子径がD50=3.0μmの球状活性炭と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して正極スラリーを作製した。得られた正極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmのアルミ箔上に片面30μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、正極活物質層を形成した正極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を0.4g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて、正極活物質層の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.48cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は73%であった。
その他の構成および製造方法は実施例1と同様とした。
上記の状態で、定電流定電圧にて3.8Vで充電を1時間行い、電圧が2.2Vになるまで100mAで放電した。放電時の電圧降下より内部抵抗を算出した。
(比較例2)
粒子径がD50=12.0μmの球状炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面20μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を0.8g/cm3とした。水銀ポロシメーターにて電極の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.65cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は70%であった。
粒子径がD50=12.0μmの球状炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面20μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を0.8g/cm3とした。水銀ポロシメーターにて電極の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.65cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は70%であった。
粒子径がD50=11.0μmの球状活性炭と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して正極スラリーを作製した。得られた正極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmのアルミ箔上に片面50μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、正極活物質層を形成した正極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を0.5g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて電極の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.63cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は73%であった。
その他の構成および製造方法は実施例1と同様とした。
上記の状態で、定電流定電圧にて3.8Vで充電を1時間行い、電圧が2.2Vになるまで100mAで放電した。放電時の電圧降下より内部抵抗を算出した。
(比較例3)
粒子径がD50=5.0μmの炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面20μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を1.6g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて電極の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.48cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は81%であった。
粒子径がD50=5.0μmの炭素材料と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを、貫通孔を有する厚さ15μmの銅箔上に片面20μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、負極活物質層を形成した負極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を1.6g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて電極の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.48cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は81%であった。
粒子径がD50=8.0μmの活性炭と、導電助剤、バインダー、分散剤を混合して正極スラリーを作製した。得られた正極スラリーは貫通孔を有する厚さ15μmのアルミ箔上に片面50μmとなるよう両面に塗工し、プレスして、正極活物質層を形成した正極を作製した。球状炭素材料の割合とプレス条件を調整して、活物質層の密度を0.4g/cm3とした。その後、水銀ポロシメーターにて電極の空隙量を測定したところ、直径が0.01〜10.00μmの空隙は0.45cm3/gとなり、全空隙量に対する前記直径の空隙量は81%であった。
その他の構成および製造方法は実施例1と同様とした。
上記の状態で、定電流定電圧にて3.8Vで充電を1時間行い、電圧が2.2Vになるまで100mAで放電した。放電時の電圧降下より内部抵抗を算出した。
実施例1、2、比較例1〜3における活物質の空隙量と内部抵抗の測定結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の実施例1、2によれば、内部抵抗を低減することが可能となった。
実施例1、2と、比較例1を比較すると、比較例1は、正極活物質層および負極活物質層において、直径0.01〜10.00μmの空隙量が少なく、この直径の空隙量が全空隙量の80%以下であったため、内部抵抗が大きくなった。
実施例1、2と、比較例2を比較すると、比較例2は、正極活物質層および負極活物質層において、直径0.01〜10.00μmの空隙量は0.50cm3/g以上であるが、この直径の空隙量が全空隙量の80%以下であったため、内部抵抗が大きくなった。
実施例1、2と、比較例3を比較すると、比較例3は、正極活物質層および負極活物質層において、直径0.01〜10.00μmの空隙量は全空隙量の80%以上ではあるものの、この直径の空隙は0.50cm3/g以下であったため、内部抵抗が大きくなった。
すなわち、正極および負極の活物質層が、直径0.01μm以上10.00μm以下の空隙を、0.50cm3/g以上2.00cm3/g以下、かつ各活物質層の全空隙量に対し80%以上95%以下有している構造とすることにより、活物質層中に含有する活物質の間に小さい空隙が多くなり、電解液と活物質との接触面が増大するため、負極においてリチウムイオンのドープが容易かつ均一となり、抵抗を低減することが可能となった。また、ドープにかかる時間も短縮できる。さらに、電解液が活物質層中に浸透し易くなり、電解液の拡散抵抗が低減し、蓄電デバイスの高出力化が図ることが可能となった。
よって、本発明により、内部抵抗を低減した蓄電デバイスを提供することが可能となる。
以上、実施の形態および実施例を用いて説明したが、本発明は、これらの実施の形態および実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
1 正極活物質層
2 負極活物質層
3 セパレータ
4 正極集電体
5 負極集電体
6 リチウム供給源
7 電解液
2 負極活物質層
3 セパレータ
4 正極集電体
5 負極集電体
6 リチウム供給源
7 電解液
Claims (4)
- アニオンまたはカチオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを可逆的にドープ可能な負極活物質を含む負極を、セパレータを介して交互に積層してなる少なくとも一つのユニットと、前記リチウムイオンを含有する非水系電解液と、
前記負極へ前記リチウムイオンをドープさせるリチウム供給源を備えた蓄電デバイスであって、
前記正極および負極は、集電体の片面もしくは両面に、前記正極活物質および前記負極活物質をそれぞれ含有した活物質層が設けられて構成され、
前記活物質層は、直径0.01μm以上10.00μm以下の空隙を、0.50cm3/g以上2.00cm3/g以下、かつ全空隙量に対し80%以上95%以下有していることを特徴とする蓄電デバイス。 - 前記活物質層の一層の厚さが、10μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
- 前記正極活物質および前記負極活物質の累積体積分率50%に対応する粒子径(D50)が、0.1μm以上10.0μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス。
- 前記正極活物質および前記負極活物質の粒子が球状であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
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- 2011-12-28 JP JP2011288082A patent/JP2013138096A/ja active Pending
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