JP2015023001A - 蓄電デバイス用多孔質集電体、電極および蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス用多孔質集電体、電極および蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】内部抵抗が低く、充放電を多数回繰り返しても、内部抵抗の上昇および容量維持率の低下が抑制された蓄電デバイス用多孔質集電体、電極及び蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】多数の貫通孔を有し、前記貫通孔に、金属酸化物粒子及び金属粒子からなる群からから選ばれる1つ以上の無機粒子が充填されている蓄電デバイス用多孔質集電体。
【選択図】なし

Description

本発明は、蓄電デバイス用多孔質集電体、該集電体を用いた電極、および蓄電デバイスに関する。
近年、携帯機器、移動体、定置用途の大電流環境下で使用する電源として、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスが用いられている。
大電流環境下で蓄電デバイスを使用する際、活物質層の膜厚の均一性が蓄電デバイスの耐久性に影響を与えやすい。この原因は、膜厚に凹凸があると、大電流を流した際に凹部に電荷が集中しやすくなり、電解液中や活物質中に存在するリチウムイオンがデンドライト化して析出しやすくなり短絡に繋がるためである。また、デンドライトは電解液を吸液するため、デンドライトの発生した個所の電解液が枯渇し、活物質と集電体との電子伝導性が悪くなり抵抗が上昇するためである。
さらに、集電体に貫通孔を有する蓄電デバイスの場合、貫通孔の上に形成された活物質層は必然的に凹凸ができる傾向にあるため、電流が不均一となり、局所的に電荷が集中しやすくなるという問題が発生する。
特許文献1には、貫通孔を有する電極を備えた二次電池が開示されている。この二次電池は、集電体の一方の面の全面に無機粒子を含んだ導電性樹脂層を形成し、他方の面の全面に貫通孔のパターンを形成した導電性樹脂層を塗布した後エッチングすることで集電体に貫通孔を形成する。一方の面の前面に塗布した導電性樹脂層は残した状態で、これを下塗り層として用いて、貫通孔を閉塞することで、活物質層の厚みを調整することが開示されている。
しかしながら、上記二次電池の場合、一方の面だけに導電性樹脂層によって貫通孔が閉塞されており、他方の面は貫通孔の凹凸を閉塞されていない。このため、他方の面の導電性樹脂層の上に形成される活物質層は凹凸を有した構成となり、電荷が局所的にかかることになり、低抵抗化および耐久性の面では問題が改善されない。
また、特許文献2には、活物質層の表面粗さRzを1μm以上20μm以下にすることで、活物質層の平滑性を保ち、リチウムイオンのプレドープにおけるLi片の残存を、抑制し、内部短絡が発生しないリチウムイオンキャパシタを提供する物である。しかしながら、特許文献2の構成では、活物質層表面の平滑性を一定にしているものの、集電体に形成された貫通孔内部に充填されている活物質層と、集電体に積層されている活物質層とでは、単位面積当たりの目付量が異なる。つまり、集電体上に形成された活物質層は目付量が少なくなるため、開口部に形成された活物質層よりも過充電状態となり、リチウムデンドライトが析出するという問題が解決されず、高出力化および耐久性の面では問題が改善されない。
特開2004-103314号 特開2013-077734号
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであって、その目的は、内部抵抗が低く、また、耐久性の高い蓄電デバイス用多孔質集電体、電極および蓄電デバイスを提供することにある。
本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
(1)多数の貫通孔を有し、前記貫通孔に、金属酸化物粒子及び金属粒子からなる群から選ばれる1つ以上の無機粒子が充填されていることを特徴とする蓄電デバイス用多孔質集電体。
(2)前記貫通孔の孔径が100〜500μmである上記(1)に記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
(3)前記無機粒子の体積平均粒径D50が1〜10μmである上記(1)または(2)に記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
(4)前記貫通孔に前記無機粒子が充填される前の気孔率が20〜80%でありかつ厚みが5〜30μmである板状体からなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
(5)前記無機粒子が銅粒子である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
(6)前記貫通孔に、前記無機粒子とともに、前記無機粒子の100質量部に対して1〜8質量部の有機バインダが充填されている上記(1)〜(5)のいずれかに記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
(7)前記無機粒子の体積平均粒径D50の前記貫通孔の孔径dに対する値である、D50/dが、0.001〜0.03である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の蓄電デバイス用集電体。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の多孔質集電体上に活物質層を有する蓄電デバイス用電極。
(9)前記活物質層の膜厚の偏差の比率が−10〜10%である上記(8)に記載の蓄電デバイス用電極。
(10)負極である上記(8)または(9)に記載の蓄電デバイス用電極。
(11)上記(8)〜(10)のいずれかに記載の電極を有することを特徴とする蓄電デバイス。
(12)上記(8)〜(10)のいずれかに記載の蓄電デバイス用電極を有するリチウムイオンキャパシタ。
本発明の蓄電デバイス用多孔質集電体における貫通孔には、金属酸化物粒子及び金属粒子からなる群から選ばれる1つ以上の無機粒子が充填されている。その上に活物質層が形成されているため、貫通孔の有無による凹凸の影響がなくなり、均一な活物質層を形成することができる。そのため、電荷の集中がなくなり、デンドライトの発生を抑制でき、低抵抗で且つ耐久性のある蓄電デバイス用電極および当該電極を用いた蓄電デバイスを提供することが出来る。
〔多孔質集電体〕
蓄電デバイスの電極、具体的には、正極電極および負極電極は、例えば、それぞれ電気を受配電する正極集電体および負極集電体(以下、これらをまとめて「集電体」ともいう。)を備えており、集電体の両表面の一端側部分に、通常、活物質層が形成される。すなわち、集電体の他端側部分には、活物質が形成されていない。
本発明の多孔質集電体は、全体が好ましくは矩形状の板状体であり、両表面を貫通する貫通孔が複数形成されている。多孔質集電体における貫通孔の形状および数等は、特に限定されず、正極電極および負極電極の少なくとも一方に対向して配置されたリチウム極から電気化学的に供給されるリチウムイオンおよび電解液中のリチウムイオンが各集電体に遮断されることなく、電極の両表面間を移動できるように設定することができる。
多孔質集電体の有する、複数の貫通孔は、孔径が100〜500μmが好ましく、150〜400μmがさらに好ましい。孔径が100μm未満である場合には、電解液が浸み渡りにくいため、リチウムイオンが移動しにくくなる傾向にある。一方、孔径が500μmを超える場合には、多孔質集電体の金属部分が減るため、低抵抗化を図ることが困難となる上に、貫通孔内粒子や活物質粒子を貫通孔内部に留めることが困難となる。このため、活物質層の表面の平坦性が低下し、活物質粒子が滑落したり、電極強度が落ちて剥離することになり、そのため、内部抵抗の上昇や耐久性の低下を招く場合がある。
また、前記貫通孔に金属酸化物粒子及び金属粒子からなる群から選ばれる1つ以上の無機粒子が充填される前の多孔質集電体の気孔率は、20〜80%であることが好ましく、30〜70%であることが更に好ましい。ここに、多孔質集電体の気孔率とは、下記の式(1)によって求められる値である。
気孔率(%)=〔1−(多孔質集電体の質量/多孔質集電体の真比重)/(多孔質集電体の見せかけ体積)〕×100 (1)
また、多孔質集電体は、エッチング等によって貫通孔が形成されたものであってもよく、またパンチングメタル、エキスパンドメタルなどのように、機械的な打ち抜きやその他の機械的な加工によって貫通孔が形成されたものであってもよい。
多孔質集電体の材質は、蓄電デバイス用電極の使用用途に応じて適宜に選択することができる。具体的には、正極多孔質集電体の材質としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼などを用いることができる。また、負極多孔質集電体の材質としては、ステンレス鋼、銅、ニッケルなどを用いることができる。
また、多孔質集電体の厚みは、特に限定されないが、通常2〜100μmであればよく、好ましくは5〜80μmであり、更に好ましくは10〜50μmである。
本発明の多孔質集電体は、貫通孔に粒子が充填される前の気孔率が20〜80%であり、厚みが5〜30μmであることが特に好ましい。
本発明の多孔質集電体は、前記貫通孔に、金属酸化物粒子及び金属粒子からなる群から選ばれる1つ以上の無機粒子が充填されている。その充填方法は、例えば、下記の(A)、(B)のが挙げられる。多孔質集電体の貫通孔に、これらの粒子を充填する場合に、好ましくは、粒子とともにバインダを含むスラリーを使用し、その結果、多孔質集電体の貫通孔には、粒子とともにバインダが存在するのが好ましい。
本発明の多孔質集電体は、前記貫通孔に、前記無機粒子とともに、前記無機粒子の100質量部に対して、好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは2〜7質量部の有機バインダが充填されている。
本発明の多孔質集電体は、前記貫通孔の体積に占める、金属酸化物粒子及び金属粒子からなる群から選ばれる1つ以上の無機粒子及び有機バインダからなる充填物の体積の割合である充填率(%)は、90%以上であるのが好ましく、95%以上であるのがさらに好ましく、100%であるのが特に好ましい。
本発明の多孔質集電体は、前記貫通孔に、金属酸化物粒子及び金属粒子からなる群から選ばれる1つ以上の無機粒子に加え、有機粒子を充填してもよい。
(A)有機バインダと水および/または有機溶剤と無機粒子を含んだスラリーを集電体に塗布し、貫通孔に無機粒子を充填する方法。この場合のスラリー配合量は、例えば、バインダを好ましくは1〜2質量%、水を好ましくは8〜9質量%、無機粒子を好ましくは90質量%である。有機バインダとしては、水を分散媒として用いる場合は、ポリ四フッ化エチレン、フッ素アクリルバインダ、SBRバインダ、アクリルバインダ等、有機溶剤(Nメチルピロリドン等)を用いる場合は、ポリフッ化ビニリデン等を使用できる。
(B)粉体有機バインダと無機粒子を集電体の貫通孔に充填し、熱をかけて粉体バインダを溶ム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホかして貫通孔中に無機粒子または有機粒子を存在させる方法。この場合、粉体有機バインダとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等の粉体状のものを使用できる。
多孔質集電体の貫通孔に充填した状態で存在させる無機粒子としては、金属酸化物粒子、金属粒子等が好ましい。金属酸化物としては、具体的には、セラミック、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化ホウ素、等が挙げられ、アルミナ、またはチタニアが好ましい。ただし、正極集電体、負極集電体のそれぞれの充填剤は、その充放電する電位範囲において、酸化還元反応の無い材料を選定する。
また、金属粒子を充填させた場合、多孔質集電体の抵抗値が低下させることができる。金属粒子としては、ステンレス、アルミニウム、鉄、コバルト、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル及びタングステンから選ばれる1種以上の金属が挙げられ、なかでも、銅またはニッケルが好ましく、電気抵抗が低いので、銅が特に好ましい。ただし、正極集電体、負極集電体のそれぞれの充填剤は、その充放電する電位範囲において、酸化還元反応の無い材料を選定する。例えば、銅の酸化還元電位は3.3Vなので、正極集電体への充填剤とした場合は、充電時にイオン化して負極表面へ電析するため使用できない。また、アルミニウムは0.1〜0.4Vでリチウムイオンと反応して合金化するので、負極集電体への充填剤としては使用できない。
集電体の貫通孔に充填した状態で存在させる有機粒子としては、例えば、樹脂粒子が挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、およびポリフェニレンサルファイドからなる群から選ばれる1種以上の粒子が挙げられる。なかでもポリフェニレンサルファイド粒子またはポリテトラフルオロエチレン粒子が好ましい。
本発明の蓄電デバイス用電極は、多孔質集電体における貫通孔の内部には、無機粒子が充填した状態で存在しており、その表面に活物質層が形成されている。このような構成にすることで、多孔質集電体上に形成される活物質層の厚み(嵩密度)が均一となり、局所的に電荷がかかって抵抗が上昇してデンドライトを析出するという問題は発生しなくなる。本明細書中において、多孔質集電体における貫通孔の孔径とは、最大内径を示す。
ここに、多孔質集電体の貫通孔に充填された状態で存在する無機粒子の有無は、貫通孔の内部領域に存在する無機粒子の断面(以下、貫通孔内粒子ともいう。)を観察して確認することが出来る。例えば、蓄電デバイス用電極を、活物質層が形成された領域の任意の位置において、多孔質集電体の厚み方向に切断し、その断面を、電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率1000倍の測定条件で、任意の貫通孔を観察することによって確認することができる。
貫通孔内に粒子が存在することにより、集電体表面に活物質層を形成した際に、貫通孔の有無による凹凸の影響を受けることなく、均一な活物質層を形成することができる。そのため、局所的な電荷の集中が低減され、デンドライトの析出を抑制することが出来る。その結果、デンドライトによる短絡が抑制できるため、蓄電デバイスの安全性、耐久性が向上する。また、デンドライトによるリチウムイオンの消費が抑制されるため、蓄電デバイスの耐久性が向上する。
更に、リチウムイオンを活物質層にプレドープする蓄電デバイスの場合は、リチウムイオンの移動を阻害することなく、且つ安全性、耐久性の高い蓄電デバイスが得られる。
貫通孔内に充填される粒子の体積平均粒径D50の前記貫通孔の孔径dに対する値である、D50/dが、0.001〜0.03であるのが好ましい。この範囲であると、プレドープ性を犠牲にしない範囲で効率的に貫通孔を粒子で充填することができる。なかでもD50/dが、0.01〜0.03であるのがさらに好ましい。
〔蓄電デバイス用電極〕
本発明の蓄電デバイス用電極は、貫通孔を有する多孔質集電体と、当該多孔質集電体に形成された貫通孔内部に無機粒子が充填されており、多孔質集電体の両表面に活物質層が積層された構成を有する。
本発明の蓄電デバイス用電極を構成する活物質層は、活物質を含有するものである。
この活物質層において、当該活物質層を構成する活物質は、体積平均粒径D50の値が1〜20μmが好ましく、2〜15μmがより好ましい。
活物質層において、当該活物質層を構成する活物質などは、蓄電デバイス用電極の使用用途などに応じて適宜に選択することができる。また、活物質層において、その厚み、および多孔質集電体における面積などは、蓄電デバイス用電極の用途などに応じて適宜に設定することができる。
本発明の蓄電デバイス用電極は、多孔質集電体の貫通孔に貫通孔内粒子を充填し、その上に活物質層を形成することによって製造される。
具体的な製造方法は、例えば、先ず、複数の貫通孔が形成された多孔質集電体を用意する。次いで、多孔質集電体の片面ずつ、もしくは両面同時に、無機粒子を含有するスラリーを塗布して貫通孔内粒子で充填してから活物質層を形成する。このようにして、多孔質集電体上に活物質層が形成された蓄電デバイス用電極が得られる。
本発明の蓄電デバイス用電極は、正極電極、負極電極のいずれにも用いることができるが、特に負極電極として好適に用いられる。
また、本発明の蓄電デバイス用電極は、リチウムイオンキャパシタの電極(正極電極および負極電極)として用いられることが好ましく、特にリチウムイオンキャパシタの負極電極として用いられることが好ましい。
ここに、本明細書中において、「負極電極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味し、また「正極電極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味する。
〔活物質層〕
正極電極には、正極活物質を含む正極活物質層が形成されており、また負極電極には、負極活物質層を含む負極活物質層が形成されている。この正極活物質層および負極活物質層には、必要に応じて導電材が含有されていてもよい。
正極活物質層および負極活物質層の厚みは、通常1〜400μmであり、好ましくは10〜350μmであり、更に好ましくは20〜250μmである。ここに、集電体の両面に活物質層が形成された場合において、活物質層の厚みとは、集電体の両面に形成された活物質層の合計の厚みである。
正極活物質および負極活物質の厚みは、各々、集電体にスラリーを塗布する際の塗布速度などによって調整することができる。
活物質層は、集電体の表面に形成された活物質層の厚みの平均値に対する厚みの偏差の比率が−10〜10%のものとされ、好ましくは−5〜5%、より好ましくは−3〜3%である。偏差の比率は、−10%〜10%を外れると活物質層の膜の均一性が損なわれ凹凸が顕著に発生するため、局所的に電荷が集中しデンドライトが析出しやすくなる傾向にある。その結果、デンドライトによる短絡が抑制できるため、蓄電デバイスの安全性、耐久性が向上する。また、デンドライトによるリチウムイオンの消費が抑制されるため、蓄電デバイスの耐久性が向上する。
本発明において、活物質層の厚みは、以下のようにして求められるものである。
先ず、負極の体積V、集電体の体積V、活物質層の表面の面積Sを測定し、それらの値から、活物質層の厚みTを下記式(2)によって算出する。
T=(V−V)/S (2)
ここで、集電体として、多数の貫通孔を有する多孔質集電体を用いる場合には、当該集電体の体積Vは、貫通孔内の容積を含む見かけ上の体積の値が用いられる。
電極等の体積は、分解能が0.1μmのシックネスゲージにより厚みを測定し、通常のノギスにより面方向の寸法を測定することにより、求めることができる。
活物質層を除去したときの集電体の体積Vを測定し、その値から式(2)によって活物質層の厚みTを算出する。この試行を10回行い、活物質層の厚みTの平均値Tを導き出す。
ここで、活物質層は、例えば水で湿潤させたウエス等の布で擦り取ることにより、集電体の裏面から除去することができる。
次いで、活物質層の厚みTの平均値T、活物質層の厚みの偏差D(=T−T)が求められ、これらの値から、活物質層の厚みTの平均値Tに対する活物質層の厚みの偏差Dの比率〔(D/T)×100〕が求められる。
上記した偏差の求め方は、集電体上の片面に活物質を塗布した場合を想定して記載したが、両面の場合も同様に求めることが出来る。例えば、WO2012/063545の段落[0021]〜[0023]に記載されている方法で求めることが出来る。
〔正極活物質〕
正極活物質としては、リチウムイオンおよびテトラフルオロボレートなどの少なくとも1種のアニオンを可逆的に吸着・脱着可能な物質が用いられる。正極活物質の具体例としては、活性炭粉末が挙げられる。
正極活物質として用いられる活性炭粉末において、粒度は、体積平均粒径D50の値が2〜20μmであることが好ましく、より好ましくは2〜18μmであり、特に2〜15μmが好適である。この活性炭粉末は、平均細孔径が10nm以下であることが好ましく、また比表面積が600〜3000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは1300〜2500m2 /gである。
〔負極活物質〕
負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能である物質が用いられる。負極活物質の具体例としては、黒鉛粒子、および非晶質性炭素により表面の一部または全部が被覆された黒鉛(被覆黒鉛粒子)が挙げられる。
負極活物質として用いられる被覆黒鉛粒子は、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボンやコークス等の黒鉛系粒子の表面がハードカーボン、コークス、1500℃以下で焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)等の非晶質性炭素によって被覆されることによって製造される。これらの被覆黒鉛粒子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
このような被覆黒鉛粒子において、粒子表面におけるタールやピッチ由来の被覆の有無は、ラマンスペクトル、XRD等の測定により確認することができる。また、被覆構造は集束イオンビーム(FIB)によって粒子の一部を切断し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより確認することが可能である。
本明細書において、「ドープ」とは、吸蔵、吸着または挿入を意味し、広く、正極活物質にリチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方が入る現象、あるいはまた、負極活物質にリチウムイオンが入る現象をいう。また、「脱ドープ」とは、脱離、放出を意味し、正極活物質からリチウムイオンもしくはアニオンが脱離する現象、または負極活物質からリチウムイオンが脱離する現象をいう。
負極活物質としては、粒子状の材料が用いられるが、その粒度は、体積平均粒径D50の値が1〜20μmとされる。
体積平均粒径D50が1μm未満の負極活物質は製造が困難である。一方、体積平均粒径D50が20μmを超える負極活物質では、内部抵抗が十分に小さいリチウムイオンキャパシタを得ることが困難な場合がある。
また、負極活物質は、比表面積が0.1〜2000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは0.1〜600m2 /gである。
〔蓄電デバイス用電極の製造方法〕
本発明の多孔質集電体は、貫通孔を有しているので、例えば、上述の(A)、(B)の手法にて貫通孔に無機粒子を充填する。
蓄電デバイス用電極を製造するに当たり、まず多孔質集電体の貫通孔に、例えば上述の(A)、(B)の手法にて無機粒子を充填する。その後、例えば、集電体の片面ずつ、もしくは両面同時に、活物質、バインダおよび必要に応じて導電材が水または有機溶媒中に分散されたスラリーを塗布液として塗布して塗膜を得、この塗膜を乾燥させて活物質層を形成することによって製造することができる。
ここで使用されるバインダとしては、例えば、SBR等のゴム系バインダ、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。
バインダの添加量は、作製される電極形状等によっても異なるが、通常、正極活物質または負極活物質に対して2〜40質量%であることが好ましい。
また、導電材としては、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。
導電材の添加量は、用いられる正極活物質または負極活物質の電気伝導度、作製される電極形状等によっても異なるが、通常、正極活物質または負極活物質に対して2〜40質量%であることが好ましい。
このような製法方法においては、集電体に対するスラリーの塗布速度を調整することにより、得られる電極において、活物質層の厚みを調整することができる。
活物質層を形成するためのスラリーは、例えば、水または有機溶媒中に、活物質、バインダ、並びに必要に応じて導電材およびその他の添加剤を加えて混合することによって調整される。また、スラリーには、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)塩などの増粘剤が含有されていてもよい。
本発明の多孔質集電体上に活物質層を有する蓄電デバイス用電極は、該電極表裏間のリチウムイオンの貫通孔を通しての移動が容易である。電極表裏間のリチウムイオンの移動のし易さは、簡易的には電極の透気度測定等の方法で評価できる。
〔蓄電デバイス〕
本発明に係る蓄電デバイスの具体例としては、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ及びリチウムイオン二次電池を挙げることができるが、なかでも、リチウムイオンキャパシタであるのが好ましい。
リチウムイオンキャパシタは、正極電極と負極電極とを、セパレータを介して交互に積層あるいは捲回させてなるリチウムイオンキャパシタ要素を、電解液と共に外装容器内に有するものである。外装容器は、円筒型、角型、ラミネート型等のものを適宜使用することができ、特に限定されるものではない。
そして、負極電極および正極電極の少なくとも一方に、本発明の蓄電デバイス用電極が用いられており、また負極電極および正極電極の少なくとも一方に予めリチウムイオンがドープされたものである。
リチウムイオンキキャパシタにおいて、負極電極および正極電極の少なくとも一方にリチウムイオンを予めドープする方法としては、例えば、金属リチウム等のリチウムイオン供給源をリチウム極としてキャパシタセル内に配置し、負極電極および正極電極の少なくとも一方とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンをドープさせる方法が用いられる。
本発明のリチウムイオンキキャパシタ等の蓄電デバイスにおけるセパレータとしては、JISP8117に準拠した方法により測定された透気度が1〜500secの範囲内にある材料よりなるものを用いることが好ましい。このようなセパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、ポリオレフィン、セルロース/レーヨンなどから構成される不織布や微多孔質膜、ポリエチレンにシリカを塗布したフィルム等の中から適宜選択したものを用いることができる。
セパレータの厚みは、例えば5〜100μmであり、10〜50μmが好ましい。
本発明のリチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスにおいては、電解液として、非プトロトン性有機溶媒による電解質溶液が用いられる。
電解液を構成する非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MED)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルブチルカーボネート(MBC)等の鎖状カーボネートが挙げられる。これらのうちの2種以上を混合した混合溶媒を用いてもよく、特に、粘度が低く、解離度が高く、イオン伝導度が高い電解液が得られることから、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物を用いることが好ましい。
電解液における電解質のリチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、LiN(C23 SO22 、LiN(CF3 SO22 等が挙げられる。これらのうちでは、イオン伝導性が高く、低抵抗であることから、LiPF6 が好適に用いられる。電解液におけるリチウム塩の濃度は、低い抵抗が得られることから、0.1mol/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lであることがより好ましい。
本発明の蓄電デバイスの構造としては、帯状の正極電極と負極電極とをセパレータを介して捲回させる捲回型セル、板状またはシート状の正極電極と負極電極とをセパレータを介して各3層以上積層された積層型セル、このように積層された構成のユニットを外装フィルム内または角型外装缶内に封入された積層セル等が挙げられる。
これらのキャパシタセルの構造は、特開2004−266091号公報等により既知であり、それらのキャパシタセルと同様の構成とすることができる。
本発明の蓄電デバイスは、正極電極および/または負極電極が、貫通孔を有する多孔質集電体を備えたものであって、当該正極電極および/または負極電極において、貫通孔の内部に無機粒子が充填された状態とされ、その上に活物質層が形成されている。よって、電極において、活物質層の膜厚が均一に形成されておりため、局所的な電荷の集中が無く、デンドライトが析出し難くなるため、デンドライトによる短絡が抑制でき、蓄電デバイスの安全性、耐久性が向上する。また、デンドライトによるリチウムイオンの消費が抑制されるため、蓄電デバイスの耐久性が向上する。
従って、本発明のリチウムイオンキャパシタによれば、安全性が高く、また、耐久性のある蓄電デバイスを提供できる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
〔実施例1〕
(1)正極板の作製:
正極集電体として、気孔率47%、貫通孔の孔径100μm、厚み30μmのアルミニウム製ケミカルエッチング箔を用意し、その一部の両面に、導電性塗料を、縦型ダイ方式の両面塗工機を用いて、両面合わせた塗布厚みの目標値を20μmに設定して両面塗工した後、乾燥させることにより、正極集電体の両面に導電層を形成した。
次いで、正極集電体の両面に形成された導電層上に、体積平均粒径D50の値が5μmの正極活物質25wt%と、スラリー全体に対してバインダ2wt%(JSR社製:TRD201B)と水70wt%とを含有するスラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用いて両面合わせた塗布厚みの目標値を120μmに設定して両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、導電層上に正極電極層を形成した。
このようにして得られた、正極集電体の一部分に導電層および正極電極層が積層された材料を、導電層および正極電極層が積層された部分(以下、正極板について「塗工部」ともいう。)が60mm×80mm、いずれの層も形成されてない部分(以下、正極板について「未塗工部」ともいう。)が60mm×15mmとなるように、60mm×95mmの大きさに切断することにより、正極集電体の両面に正極電極層が形成された正極板を複数作製した。
(2)負極板の作製:
負極集電体として、気孔率43%、貫通孔の孔径200μm、厚み20μmの銅製エッチング箔を用意し、その両面に、水8wt%、フッ素アクリルバインダ2wt%、数平均粒子径D50の値が5μmの銅粒子90wt%を含んだスラリーを塗布して、貫通孔に銅粒子を充填した。次いで、当該負極集電体に負極活物質としての体積平均粒径D50の値が4μmの黒鉛粒子25wt%と、SBRバインダ(JSR社製:TRD2001)2wt%と、水73wt%とを含有するスラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用いて両面合わせた塗布厚みの目標値を60μmに設定して両面塗工した後、乾燥させることにより、負極集電体の両面に負極電極層を形成した。
このようにして得られた、負極集電体の一部分に負極電極層が積層された材料を、負極電極層が積層された部分(以下、負極板について「塗工部」ともいう。)が65mm×85mm、いずれの層も形成されてない部分(以下、負極板について「未塗工部」ともいう。)が65mm×15mmとなるように、65m×100mmの大きさに切断することにより、負極集電体の両面に負極電極層が形成された負極板(以下、「負極板(1)」ともいう。)を複数作製した。
得られた複数の負極板(1)のうちの1枚の負極板(1)について、負極活物質層が形成された領域の任意の位置において、集電体の厚み方向に切断することにより、10mm×10mmサイズの負極電極サンプルを得た。得られた負極電極サンプルの断面を、電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率1000倍の測定条件で任意の貫通孔を観察したところ、貫通孔内粒子が充填されており、活物質層の表面は均一だった。
次いで、複数の負極板(1)のうちの1枚の負極板(1)について、負極活物質層が形成された領域の任意の位置において、合計で10カ所の厚みを膜厚計で測定して平均値を求め、各10カ所の膜厚から平均値の差を求めて偏差を算出した。次いで、偏差の比率を求めた。その結果、1%であった。
(3)セパレータの作製:
厚み50μm、透気度100secのセルロース/レーヨン複合材料のフィルムを縦横寸法が70mm×90mmとなるよう切断することにより、セパレータを作製した。
(4)リチウムイオンキャパシタ要素の作製:
先ず、正極板10枚、負極板(1)11枚、セパレータ22枚を用意し、正極板と負極板(1)とを、それぞれの塗工部は重なるが、それぞれの未塗工部は反対側になるよう位置合わせした状態で、セパレータ、負極板(1)、セパレータ、正極板の順で積重し、積層体の4辺をテープによって固定することにより、電極積層ユニットを作製した。
次いで、厚み70μmのリチウム箔を切断し、この切断したリチウム箔を、厚さ40μmのリチウム極集電体(銅ラス)に圧着することにより、リチウムイオン供給部材を作製し、このリチウムイオン供給部材を電極積層ユニットの上側に負極板(1)と対向するよう配置した。
次いで、作製した電極積層ユニットにおける10枚の正極板の各々の未塗工部に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した、幅30mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製の正極電極端子の電源タブ部を重ねて溶接した。一方、電極積層ユニットの11枚の負極板(1)の各々の未塗工部およびリチウムイオン供給部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した、幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の負極電極端子の電源タブ部を重ねて溶接した。以上のようにして、リチウムイオンキャパシタ要素を作製した。
(5)リチウムイオンキャパシタの作製:
ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層され、寸法が90mm(縦幅)×120mm(横幅)×0.15mm(厚み)で、収容部となる中央部分に、70mm(縦幅)×100mm(横幅)の絞り加工が施された一方の外装フィルムと、ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層され、寸法が90mm(縦幅)×120mm(横幅)×0.15mm(厚み)の他方の外装フィルムとを作製した。
次いで、他方の外装フィルム上における収容部となる位置に、リチウムイオンキャパシタ要素を、その正極電極端子および負極電極端子の各々が、他方の外装フィルムの端部から外方に突出するよう配置し、このリチウムイオンキャパシタ要素に、一方の外装フィルムを重ね合わせ、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における3辺(正極電極端子および負極電極端子が突出する2辺およびその他の1辺)を熱融着した。
一方、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびジエチルカーボネートを、体積比で3:1:4の割合で混合した溶媒に、電解質としてのLiPF6 を、濃度が1.2mol/Lとなるように溶解することにより、電解液を調製した。
その後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの間に、電解液を注入した後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における残り1辺を熱融着することにより、リチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS1」ともいう。)を3セル作製した。
〔実施例2〕
実施例1の負極板の作製において、粉体のフッ素アクリルバインダ5wt%、銅粒子95wt%を混ぜた粉状組成物を負極集電体の貫通孔に充填した後、200℃で10分程度熱をかけてバインダを溶解させて、貫通孔内に銅粒子を充填させたこと以外は当該実施例1と同様にして負極板(以下、「負極板(2)」ともいう。)を複数作製した。
得られた複数の負極板(2)のうちの1枚の負極板(2)について、実施例1と同様の手法によって貫通孔内粒子を確認したところ、充填されており、活物質層の表面は均一だった。
次いで、複数の負極板(2)のうちの1枚の負極板(2)について、負極活物質層が形成された領域の任意の位置において、合計で10カ所の厚みを膜厚計で測定して平均値を求め、各10カ所の膜厚から平均値の差を求めて偏差を算出した。次いで、偏差の比率を求めた。その結果、0%であった。
そして、負極板(1)11枚に代えて負極板(2)11枚を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS2」ともいう。)を3セル作製した。
〔比較例1〕
実施例1の負極板の作製において、負極集電体に直接黒鉛粒子を含有するスラリーを塗布こと以外は当該実施例1と同様にして負極板(以下、「負極板(3)」ともいう。)を作製した。
得られた負極板(3)について、実施例1と同様の手法によって貫通孔内粒子を確認したところ、貫通孔内に活物質がまばらに存在しており、活物質層の表面は勾配ができていた。
次いで、複数の負極板(3)のうちの1枚の負極板(3)について、負極活物質層が形成された領域の任意の位置において、合計で10カ所の厚みを膜厚計で測定して平均値を求め、各10カ所の膜厚から平均値の差を求めて偏差を算出した。次いで、偏差の比率を求めた。その結果、12%であった。
そして、負極板(1)11枚に代えて負極板(3)11枚を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルC1」ともいう。)を3セル作製した。
〔初期静電容量測定および初期DC−IR(直流内部抵抗)測定〕
実施例1〜2および比較例1に係るセルの各々について、セルの初期静電容量値〔F〕および初期DC−IR値〔mΩ〕を、日本電計株式会社製の充放電装置を用い、下記の測定条件のCC放電(定電流放電)を行うことによって測定した。具体的には、温度25±5℃の環境下において、1.7Aの電流値で3.8Vまで充電後、同電圧で30分間保持し、その後1.7Aで2.2Vまで放電した際の静電容量値〔F〕を求め、作製した3セルの平均値を初期静電容量値〔F〕とした。また、この際、放電直後の電圧と放電開始100msec後の電圧差を放電電流で除した値をDC−IR(直流内部抵抗)値〔mΩ〕として求め、作製した3セルの平均値を初期DC−IR値〔mΩ〕とした。次いで、外観試験としてセル厚みの上昇について確認した。結果を表1に示す。
(測定条件)
温度:25±5℃
電圧範囲:3.8〜2.2V
電流値:1.7A
〔充放電サイクル試験〕
実施例1〜2および比較例1に係るセルの各々について、温度25℃の条件下において、100Cのレート(17A)で5万回充放電サイクルを行った。そして、1サイクル目のセルの容量値と、5万サイクル目のセルの容量値とに基づく容量維持率を測定した。また、1サイクル目のセルのDC−IR値と、5万サイクル目のセルのDC−IR値とに基づくDC−IR上昇率を測定した。結果を表1に示す。
表1において、容量維持率とは、1サイクル目のセルの容量値を基準とし、この1サイクル目のセルの容量値を100%とした場合に対する、5万サイクル目のセルの容量値の相対値を示す。なお、容量維持率が90%以上である場合を合格と判断した。
また、DC−IR上昇率とは、1サイクル目のセルのDC−IR値を基準とし、この1サイクル目のセルのDC−IR値を100%とした場合に対する、10万サイクル目のセルのDC−IR値を示す。なお、DC−IR上昇率が5%未満である場合を合格と判断した。
Figure 2015023001
以上の結果から、実施例1〜実施例2に係るセルは、DC−IR値が小さく、また、多数回にわたって充放電を繰り返した場合であっても、セル厚みの上昇がなく、DC−IR値の上昇および容量維持率の低下が抑制されることが確認された。
具体的には、実施例1〜実施例2は、比較例1に係るセルC1に比してDC−IR値が小さく、またセル厚みの上昇がなく、しかもサイクル試験後のDC−IR上昇率および容量維持率は良好であった。
実施例2は、粉体バインダを用いたことで、スラリーよりも充填度合いを高めることができたため、活物質層の膜厚をより均一にできたため、良好な結果が得られたと考えられる。
一方、比較例1は、負極電極の貫通孔内粒子が存在していないため、濶部質層の膜厚保を均一に形成することができず、DC−IR値が大きく、容量維持率の低下が生じ、セル厚みが上昇したと考えられる。電極に凹みを生じた場合、凹みの箇所では正負極距離が大きくなり液抵抗が増しLi析出しやすくなる。また、凹みの箇所では電流が集中しデンドライトが生成しやすくなる。その結果セル厚みが上昇傾向となる。
本発明の多孔質集電体を用いた蓄電デバイス用電極によれば、デンドライトの発生を抑制でき、安全性および耐久性の高い蓄電デバイスが得られる。本発明に係る蓄電デバイスの具体例としては、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ及びリチウムイオン二次電池を挙げることができるが、なかでも、リチウムイオンキャパシタであるのが好ましい。

Claims (12)

  1. 多数の貫通孔を有し、前記貫通孔に、金属酸化物粒子及び金属粒子からなる群から選ばれる1つ以上の無機粒子が充填されていることを特徴とする蓄電デバイス用多孔質集電体。
  2. 前記貫通孔の孔径が100〜500μmである請求項1に記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
  3. 前記無機粒子の体積平均粒径D50が1〜10μmである請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
  4. 前記貫通孔に前記無機粒子が充填される前の気孔率が20〜80%でありかつ厚みが5〜30μmである板状体からなる請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
  5. 前記無機粒子が銅粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
  6. 前記貫通孔に、前記無機粒子とともに、前記無機粒子の100質量部に対して1〜8質量部の有機バインダが充填されている請求項1〜5のいずれかに記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
  7. 前記無機粒子の体積平均粒径D50の前記貫通孔の孔径dに対する値である、D50/dが、0.001〜0.03である請求項1〜6のいずれかに記載の蓄電デバイス用多孔質集電体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の多孔質集電体上に活物質層を有する蓄電デバイス用電極。
  9. 前記活物質層の膜厚の偏差の比率が−10〜10%である請求項8に記載の蓄電デバイス用電極。
  10. 負極である請求項8または9に記載の蓄電デバイス用電極。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の電極を有することを特徴とする蓄電デバイス。
  12. 請求項8〜10のいずれかに記載の蓄電デバイス用電極を有するリチウムイオンキャパシタ。
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