JP6019338B1 - 空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気電池について、電解液を不要にし且つ発電効率を大幅に高める。【解決手段】空気電池1は、正極11及び負極12の間に介在されたシート層13を備えている。シート層13は、電解液を含んでおらず且つ吸湿性を有する材料によって構成され、正極11に含まれている電解質を負極12へ透過させると共に、負極12で生じた金属イオンを正極11へ透過させる。正極11は、電解質及び導電性粒子を担持すると共に多数の孔を有する基材35を備えている【選択図】図3

Description

本発明は、空気電池に関する。
一般に、空気電池は、負極と、正極と、負極及び正極の間に設けられた電解液層とを備えている。例えば、特許文献1及び2には、電解液層の一例が記載されている。すなわち、特許文献1には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を電解液として保持する電解液保持層が開示されている。
また、特許文献2には、所定量のカーボン粒子、固体電解質粒子、及びバインダーに適量のエタノール等の溶媒を加えて混合し、得られた混合物をロールプレスで所定の厚みに圧延して、乾燥及び切断して正極層を形成することが記載されている。
特開2015−41499号公報 特開2014−75269号公報
しかし、上記特許文献1に記載の空気電池では、電解液が蒸発又は揮発すると電池性能が著しく低下するという問題や、電極に設けた端子が腐食してしまうという問題がある。そのため、電解液の蒸発又は揮発を防いだり、電解液を適宜補充するという電解液の減少を防ぐ対策を講じなければならなかった。
また、上記特許文献2に記載の空気電池は、正極が圧延して形成された構成となっているので、正極の内部へ空気を取り込むことができず、正極の表面だけが空気に接触するものである。したがって、空気電池1の発電効率を高めることが難しいという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空気電池について、電解液を不要にし且つ発電効率を大幅に高めようとすることにある。
本発明に係る空気電池は、負極活物質となる金属を含む負極と、上記負極の金属をイオン化させる電解質と導電性粒子とを含んだ固体状に形成されて酸素を正極活物質とする正極と、上記正極及び上記負極の間に介在されており、上記正極に含まれている電解質を上記負極へ透過させ且つ上記負極で生じた金属イオンを上記正極へ透過させるシート層とを備え、上記シート層は、電解液を含んでおらず且つ吸湿性を有する材料によって構成され、上記正極に含まれている電解質は、空気中の水分を吸収した上記シート層に浸透して上記負極へ移動可能になると共に、上記負極で生じた金属イオンは、空気中の水分を吸収した上記シート層に浸透して上記正極へ移動可能になっている。そして、上記正極は、上記電解質及び上記導電性粒子を担持すると共に多数の孔を有する基材を備えている。
上記基材は、多数の繊維材が集合して一体に形成され、該繊維材同士の間に間隙が設けられることにより上記多数の孔が形成されていることが好ましい。さらに、上記繊維材は、和紙を構成する繊維材であることが望ましい。
上記電解質を含む電解質層が、上記正極の表面部分に設けられていることが望ましい。さらに、上記電解質層は、印刷により形成されていることが好ましい。
上記電解質には塩化ナトリウムが含まれており、上記導電性粒子は炭素材料からなることが好ましい。また、上記電解質には、炭酸水素ナトリウムが含まれていることが望ましい。
本発明に係る空気電池は、シート層が電解液を含んでおらず且つ吸湿性を有する。そして、正極の電解質は、空気中の水分を吸収したシート層に浸透して負極へ移動し、負極の金属をイオン化させて電子を発生させる。一方、負極で生じた金属イオンは、空気中の水分を吸収したシート層に浸透して正極へ移動する。また、金属イオンは、正極内で導電性粒子を伝って移動する。正極では酸素が電子を受け取って金属イオンと反応する。こうして、空気電池により発電が行われる。
このように、本発明に係る空気電池では、電解質が含まれた固体状の正極とシート層と負極とを備えており、電解液を有しない構成としたので、電解液を減少させないための対策を不要としながらも安定した電池性能を得ることができる。さらに、電解液を用いないので、空気電池の取り扱いが容易になる効果を得ることもできる。しかも、正極と負極との間にシート層を介在させるという構成にしたので、空気電池の厚み大幅に薄くすることができる。その結果、空気電池を設置する場所の自由度を高めることができる。
そのことに加え、正極が多数の孔を有する基材を備え、その基材が電解質及び導電性粒子を担持する構成としたので、周囲の空気を孔から基材の内部へ取り込むことができる。よって、正極と空気との接触面積が増大し、発電の効率を大幅に高めることが可能になる。
さらに、基材を多数の繊維材の集合体により形成すれば、繊維材の密度を調整することで繊維材同士の間に間隙を容易に形成できる。よって、その間隙からなる孔を多数有する基材を好適に形成することが可能となる。特に、和紙を構成する繊維材を用いれば、耐久性が高くて軽い基材が得られるのでより好適である。
ここで、正極に配線等を接続するために金属板等の端子を正極に設けることが望ましい。しかし、正極の電解質が端子に接触すると、端子が腐食するおそれがある。そこで、電解質を含む電解質層を正極における特定の表面部分に設けるようにすれば、電解質層と端子とを互いに離隔して配置し、端子側への電解質の浸透を抑制することが可能になる。よって、電解質による端子の腐食が抑制される。また、電解質層は印刷により好適に形成することができる。
さらにまた、電解質として塩化ナトリウムを含み、導電性粒子を炭素とすることによって、良好な電池性能を得ることができる。特に、電解質として炭酸水素ナトリウムを含むようにすれば、発電効率をより高めることが可能になる。
図1は、本実施形態における空気電池を模式的に示す側面図である。 図2は、本実施形態おける空気電池を示す正面図である。 図3は、図2におけるIII−III線断面図である。 図4は、本実施形態おける空気電池の負極近傍を拡大して示す断面図である。 図5は、本実施形態における正極の構造を拡大して示す模式図である。 図6は、その他の実施形態における空気電池の構造を示す断面図である。 図7は、本実施形態における複数の空気電池が並列に接続された構造を示す正面図である。 図8は、本実施形態における複数の空気電池が直列に接続された構造を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態1における空気電池1の原理を模式的に示している。図1に示すように、空気電池1は、酸素を正極活物質とする正極11と、負極活物質となる金属を含む負極12と、正極11及び負極12の間に介在されたシート層13とを備えている。シート層13は、正極11及び負極12のそれぞれに接触している。
負極12に含まれる負極活物質としての金属は、例えばアルミニウムである。例えば矩形状のアルミニウム板やアルミニウム箔によって負極12を構成することが可能である。負極12は、空気電池1による発電(放電)が進むにつれて厚みが減少していく。そのため、空気電池1を使用する期間に応じて厚みを設定すればよい。負極12の厚みは、例えば3mm程度としてもよい。尚、負極12に含まれる金属は、アルミニウム以外にも例えばマグネシウムや金属リチウム等の他の金属であってもよい。
正極11は、負極12の金属をイオン化させる電解質と導電性粒子とを含んだ固体状に形成されている。正極11は、後に詳述するように、多数の孔37を有する基材35を備えている。
正極11に含まれている導電性粒子は、負極12で生じた金属イオン及び電子を正極11内で移動可能にする。導電性粒子は、例えば活性炭の粒子である。この導電性粒子には、活性炭以外の炭素材料(例えばカーボンブラックやグラファイト等)利用することも可能である。しかし、正極11に酸素を取り入れやすくするためには、多孔質である活性炭を利用することが望ましい。また、金属等の他の導電性材料を上記導電性粒子としてもよい。
正極11に含まれている電解質は、例えば塩化ナトリウムである。電解質としての塩化ナトリウムには、天然塩等の粒子が比較的粗い塩(粗塩)を用いることが望ましい。そのことにより、空気電池1の電池性能を高められることが本願発明者の実験により分かっている。すなわち、天然塩等の粗塩を用いると、負極12の金属の分解速度が速くなり、また負極12の全体を略均一に分解することができる。尚、電解質は、塩化ナトリウム以外にも、負極12の金属材料に応じてその金属材料をイオン化させやすい電解質を適用すればよい。
シート層13は、正極11に含まれている電解質を負極12へ透過させると共に、負極12で生じた金属イオンを正極11へ透過させるように構成されている。また、シート層13は、絶縁材料によって形成されている。
例えば、シート層13は、紙や布等の吸湿性を有する材料によって形成されている。シート層13の厚みは例えば0.5mm程度である。シート層13が吸湿性を有しているので、空気中の水分を吸収したシート層13に正極11の電解質が浸透し、その電解質が正極11から負極12へ移動可能となる。さらに、空気中の水分を吸収したシート層13に負極12で生じた金属イオンが浸透し、その金属イオンが負極12から正極11へ移動可能となる。
さらに、シート層13は、例えば紙、布及び樹脂等の各材料からなる場合であっても、複数の貫通孔(図示省略)を形成しておくことが望ましい。そのことにより、電解質及び金属イオンをより透過させやすくなるので、電池性能をより高めることができる。
シート層13は、空気電池1の使用前において電解質を含んでいない。しかしながら、シート層13は、正極11に含まれる電解質と同じ電解質を空気電池1の使用前から予め含ませておくことが可能である。そのことにより、空気電池1の使用開始直後から速やかに電解質を負極12へ供給して電池反応をスムーズに開始させることができる。
予め電解質を含むシート層13は、例えば5重量%程度の電解質(塩化ナトリウム等)を含む水溶液に紙や布等からなるシート材を浸漬し、その後にシート材を乾燥させることによって作成できる。
そして、上記空気電池1では、図1に矢印Aで示すように、正極11に含まれる電解質(塩化ナトリウム)がシート層13を透過して負極12へ移動する。負極12へ到達した塩化ナトリウムは、負極12を構成している金属(アルミニウム)をイオン化させると共に、電子を発生させる。
負極12で生じた電子は、図1に矢印Bで示すように、正極11へ向かって配線14を流れる。一方、負極12で生じた金属イオン(アルミニウムイオン)は、図1に矢印Cで示すように、シート層13を透過して正極11へ移動する。正極11に到達したアルミニウムイオンは、正極11に含まれている導電性粒子(活性炭)を伝って正極11内を移動する。そして、正極11周りにおける空気中の酸素が電子を受け取ってアルミニウムイオンと反応する。こうして、空気電池1により発電が行われる。
空気電池1は、例えば建物(図示省略)における壁の内部、床下、及び天井裏等に収容することができる。空気電池1を1年間発電させると、アルミニウムの厚みは約0.1mm減少する。したがって、建物の耐用年数を50年として想定すると、アルミニウムの厚みを約5mmとすることにより、この建物において空気電池1を電源として50年間使用することができる。
空気電池1を建物における壁の内部、床下、及び天井裏に収容すれば、建物の室内や室外から空気電池1が視認されないようにしつつ、壁の内部、床下及び天井裏におけるスペースを有効に利用することができる。さらに、太陽電池のように日当たりを考慮する必要がないので、建物に電池を設置できる範囲が広くなり、昼夜を問わず発電できるので1日当たりの発電量を大幅に増加させることができる。
ここで、図2〜図8は、本実施形態における空気電池1を示している。図2は、空気電池1の要部外観を示し、図3は、図2におけるIII−III線断面を示している。空気電池1は、図2及び図3に示すように、帯状の正極11と、正極11の一端側にシート層13を介して設けられた負極12とを備えている。
シート層13は、正極11の一端側部分に巻き付けられている。負極12は、例えばアルミニウム箔等の金属箔であり、上記シート層13に巻き付けられている。このようにして、シート層13が正極11と負極12との間に介在されており、正極11と負極12がシート層13によって絶縁されている。
正極11の負極12が配置されていない他端側には、配線14を接続するための端子15が設けられている。一方、負極12には、配線14を接続するための端子16が設けられている。端子15,16は例えば銅等の金属層からなる。
次に、正極11について詳述する。正極11は、多数の孔37を有する基材35を備えている。図5は、正極11の一部を拡大して模式的に示している。図5に示すように、基材35は、多数の繊維材36が集合して一体に形成され、その繊維材36同士の間に間隙が設けられることにより多数の孔37が形成されている。
繊維材36は、例えば和紙を構成する繊維材36であることが好ましい。和紙を構成する繊維材36とは、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、及び雁皮(がんぴ)等の繊維材である。さらに、和紙と同様にトロロアオイの根を「ねり」として用いる。しかし、基材35は、通常の和紙よりも繊維材36の密度が低い。したがって、上述のように繊維材36同士の間には、比較的大きな間隙(つまり孔37)が多数形成されている。このように、基材35は、和紙とは異なり、多くの孔37が形成されることによって空気が容易に透過できるようになっている。
基材35は、電解質及び導電性粒子を担持している。電解質には塩化ナトリウムが含まれており、導電性粒子は活性炭などの炭素材料からなることが好ましい。また、電解質には、例えば炭酸水素ナトリウム(重曹)が含まれていることが望ましい。炭酸水素ナトリウムは両性電解質であって、これを塩化ナトリウムと共に電解質として含むことにより、電解質が塩化ナトリウムのみである場合に比べて空気電池1の出力を高めることができる。
炭酸水素ナトリウムは、2%以上37%以下の添加量とすることが好ましい。本出願人が実験したところによると、炭酸水素ナトリウムの添加量が2%未満であると出力は顕著に高まらなかった。炭酸水素ナトリウムの添加量を2%から上げていくと出力も上がる傾向にあったが、37%を超えると空気電池1の出力が低下する傾向となった。これは、基材35に担持される炭酸水素ナトリウムの量が多くなりすぎて電子の移動が阻害されることが原因だと考えられる。よって、炭酸水素ナトリウムの添加量は、2%以上37%以下であることが好ましい。
本実施形態では、図3及び図4に示すように、塩化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含む電解質層39が正極11の表面部分に設けられている。電解質層39は、シルク印刷等の印刷により形成されている。電解質層39をシルク印刷する場合、電解質と繊維材35との混合材料を基材35の一端側の表面部分に印刷すればよい。
尚、図5に示すように、正極11の一端側部分を、基材35の表面から内部に亘って電解質が含まれた電解質含有部40とした構成としてもよい。電解質含有部40は、活性炭を担持した基材35の一端側を電解質の水溶液に浸漬し乾燥させることによって形成できる。
このように正極11が電解質含有部40を有する構成としても、空気電池1の正極11として機能するが、長時間使用しているうちに電解質含有部40の電解質が基材35を浸透して正極11の他端側の端子15へ到達し、この端子15が腐食する虞がある。これに対し、電解質層39を印刷した構成とすれば、電解質の移動が抑制されるので、端子15の腐食を好適に防止することが可能になる。
次に、正極11の製造方法について説明する。
<製造方法1>
正極11の製造方法1では、まず、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、及び雁皮(がんぴ)の少なくとも一種を含む繊維材36と、トロロアオイの根から抽出した「ねり」とを水に分散させた溶液を用意する。この溶液における繊維材36及び「ねり」の濃度は、通常の和紙を製造する溶液の濃度に対して、32%以上55%以下とすることが望ましい。さらに、この溶液に活性炭等を加えて分散させる。
繊維材36及び「ねり」の濃度が32%未満であると、正極11とした場合に孔37が大きくなりすぎて電流が流れにくくなった(つまり正極11の内部抵抗が大きくなりすぎてしまう)。一方、繊維材36及び「ねり」の濃度が55%を超えると、特に「ねり」の影響が大きくなり、活性炭の孔を塞いでしまうことから、空気電池1の出力が低下する傾向が大きくなった。よって、繊維材36及び「ねり」の溶液濃度は、通常の和紙を製造する溶液の濃度に対して、32%以上55%以下とすることが望ましい。
この繊維材36と「ねり」と活性炭等との混合溶液を網状の簀(す)を用いて和紙の紙漉きと同様に漉く。続いて、漉かれた繊維材36等を簀から乾燥台へ移して乾燥させる。こうして、基材35を製造する。その後、例えば塩化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含む電解質層39をシルク印刷等により基材35に形成する。一方、基材35の一端側部分を上記電解質の水溶液に浸漬して乾燥させることにより、電解質含有部40を形成してもよい。こうして、正極11を製造する。
<製造方法2>
正極11の製造方法2では、まず、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、及び雁皮(がんぴ)の少なくとも一種を含む繊維材36と、トロロアオイの根から抽出した「ねり」とを水に分散させた溶液を用意する。この溶液における繊維材36及び「ねり」の濃度は、通常の和紙を製造する溶液の濃度に対して、40%以上100%以下とすることが望ましい。
次に、繊維材36と「ねり」との混合溶液を網状の簀(す)を用いて和紙の紙漉きと同様に漉く。続いて、簀に漉かれた繊維材36等の全体に活性炭等を振りかける。次に、この繊維材36等を、活性炭等が振りかけられた面が下になるように乾燥台へ移す。その後、乾燥台に移された繊維材36等の表面に活性炭等を振りかける。このことにより、漉かれた繊維材36等の両面に活性炭等が付与されて浸透する。続いて、活性炭等が付与された繊維材36等を乾燥台にて乾燥させる。こうして、基材35を製造する。
その後、製造方法1と同様に、例えば塩化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含む電解質層39をシルク印刷等により基材35に形成する。一方、基材35の一端側部分を上記電解質の水溶液に浸漬して乾燥させることにより、電解質含有部40を形成してもよい。こうして、正極11を製造する。
この製造方法2において、繊維材36及び「ねり」の濃度は、100%から低くするにつれて空気電池1の出力が大きくなったが、40%未満にすると、正極11とした場合に孔37が大きくなりすぎて電流が流れにくくなった。よって、繊維材36及び「ねり」の溶液濃度は、通常の和紙を製造する溶液の濃度に対して、40%以上100%以下とすることが望ましい。
次に、空気電池1の使用方法について説明する。
図7及び図8に示すように、複数の空気電池1を接続することによって所望の出力及び容量を得ることができる。例えば、図7に示すように、複数の空気電池1を横に並んで配置させた状態で、各端子16を配線板45によって接続する。こうして、複数の空気電池1を並列に接続する。配線板45は、絶縁材料からなる絶縁板に複数の貫通孔(図示省略)が形成されていて、その貫通孔に金属膜が形成されている。そのことにより、配線板45の表側と裏側との間で導通が取れるようになっている。
次に、並列に接続した空気電池1を複数組作成し、これらの並列接続された空気電池1の組を、図8に示すように、左右の向きを交互に反対向きとしながら上下に積層する。このとき、下側の空気電池1における正極11の端子16は、上側の空気電池1における負極12の端子15に配線板45を介して接続される。一方、上側の負極12と下側の正極11との間には絶縁板46を介在させる。こうして、並列接続された空気電池1の組同士を直列に接続する。空気電池1の積層方向の固定には、例えばスプリングビスを用いることが好ましい。そのことにより、空気電池1に使用に伴って負極12の厚みが減少しても、各空気電池1を確実に固定することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態の空気電池1によると、電解質が含まれた固体状の正極11とシート層13と負極12とを備えており、電解液を有しない構成としたので、電解液の蒸発や揮発を防止するための構造や、電解液を補充する構成等、電解液を減少させないための対策を不要としながらも安定した電池性能を得ることができる。しかも、正極11と負極12との間にシート層13を介在させるという構成にしたので、空気電池1の厚みを大幅に薄くすることができる。その結果、空気電池1を設置する場所の自由度を高めることができる。
特に、シート層13が電解液を含んでおらず且つ空気中の水分を吸収することによって、正極11の電解質を当該シート層13に浸透させて負極12へ移動させると共に負極12の金属イオンを当該シート層13に浸透させて正極11へ移動させる構成であるため、空気中の水分及び酸素を利用した電解液を有しない空気電池を、取り扱いが非常に容易な形で実現できる。
そのことに加え、空気電池1の正極11が多数の孔37を有する基材35を備え、その基材35が電解質及び活性炭等を担持する構成とすることにより、周囲の空気を孔37から基材35の内部へ取り込むことができるので、正極11と空気との接触面積が増大し、発電の効率を大幅に高めることができる。
ここで、従来のように電解液層を備えた空気電池では、電解液層に接触する正極が本実施形態のように多数の孔37を有する構成であると、電解液層の電解液を正極によって保持できず、電解液が正極を透過して外部へ漏れ出てしまう問題がある。これに対し、本実施形態の空気電池1は、電解液を含んでおらず、シート層13を備えた構成であるので、このように多数の孔37が形成された正極11を備えることができる。
さらにまた、基材35を多数の繊維材36の集合体により形成したことにより、繊維材36の密度を調整することで繊維材36同士の間に間隙を容易に形成できる。よって、その間隙からなる孔37を多数有する基材35を好適に形成できる。特に、和紙を構成する繊維材36を用いることにより、耐久性が高くて軽い基材35が得られるのでより好適である。
さらに、電解質を含む電解質層39を正極11における一端側の表面部分に設けるようにしたので、電解質層39と端子15とを互いに離隔して配置し、端子15側への電解質の浸透を抑制することができる。よって、電解質による端子15の腐食を抑制できる。また、電解質層39は、シルク印刷等の印刷によって好適に形成することができる。
さらに、電解質として塩化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含むようにしたので、空気電池1の発電効率を大幅に高めることができる。尚、炭酸水素ナトリウムのみを正極11の電解質としてもよい。炭酸水素ナトリウムのみを用いる場合、添加量を約12.5%とすることが好ましい。さらに、添加量が約5%の塩化ナトリウムと、添加量が約7%の炭酸水素ナトリウムとを混合して用いることがより好ましい。
尚、空気電池1の形状は、矩形板状以外にも、設置場所に応じて例えば円盤状や三角板状等の他の任意の形状とすることが可能である。また、空気電池1は建物に限らず、例えば自動車、船、及び飛行機等のように内部空間を有する個体や移動体等に幅広く設置することができる。さらに、上記空気電池1を蓄電池として利用することも可能である。
以上説明したように、本発明は、空気電池について有用である。
1 空気電池
11 正極
12 負極
13 シート層
35 基材
36 繊維材
37 孔
39 電解質層

Claims (7)

  1. 負極活物質となる金属を含む負極と、
    上記負極の金属をイオン化させる電解質と導電性粒子とを含んだ固体状に形成されて酸素を正極活物質とする正極と、
    上記正極及び上記負極の間に介在されており、上記正極に含まれている電解質を上記負極へ透過させ且つ上記負極で生じた金属イオンを上記正極へ透過させるシート層とを備え、
    上記シート層は、電解液を含んでおらず且つ吸湿性を有する材料によって構成され、上記正極に含まれている電解質は、空気中の水分を吸収した上記シート層に浸透して上記負極へ移動可能になると共に、上記負極で生じた金属イオンは、空気中の水分を吸収した上記シート層に浸透して上記正極へ移動可能になっており、
    上記正極は、上記電解質及び上記導電性粒子を担持すると共に多数の孔を有する基材を備えている、空気電池。
  2. 請求項1に記載の空気電池において、
    上記基材は、多数の繊維材が集合して一体に形成され、該繊維材同士の間に間隙が設けられることにより上記多数の孔が形成されている、空気電池。
  3. 請求項2に記載の空気電池において、
    上記繊維材は、和紙を構成する繊維材である、空気電池。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つに記載の空気電池において、
    上記電解質を含む電解質層が、上記正極の表面部分に設けられている、空気電池。
  5. 請求項4に記載の空気電池において、
    上記電解質層は、印刷により形成されている、空気電池。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つに記載の空気電池において、
    上記電解質には塩化ナトリウムが含まれており、
    上記導電性粒子は炭素材料からなる、空気電池。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つに記載の空気電池において、
    上記電解質には、炭酸水素ナトリウムが含まれている、空気電池。
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