JP2016058181A - 非水系二次電池用電極板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な方法で合剤層への非水電解液の含浸速度を速めること。【解決手段】電極板の製造方法は、集電体の表面のうち集電体の幅方向両端を除く領域に電極合剤を設ける塗工工程と、電極合剤が表面に設けられた集電体を圧延する圧延工程とを備える。塗工工程では、集電体の幅方向両端には、露出部が、集電体の長手方向に沿って連続して形成される。また、集電体の幅方向両端を除く領域には、塗工部が、集電体の長手方向に沿って連続して形成される。圧延工程では、電極合剤が表面に設けられた集電体の圧延によって、露出部と塗工部とで集電体の伸び率が異なることとなり、その結果、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成される。【選択図】なし
Description
本発明は、非水系二次電池用電極板の製造方法に関する。
特許文献1(特開2007−328977号公報)には、集電体の少なくとも一箇所以上において合剤塗料の厚さが薄くなるように合剤塗料を集電体に塗布し、その合剤塗料が乾燥した後に所定厚さにプレスすることが記載されている。特許文献1には、このようにして電極板を製造すると、活物質の密度が異なる箇所を有する合剤層を形成できることが記載されており、これにより、合剤層への非水電解液の含浸速度が速くなることが記載されている。
特許文献1では、間欠塗布システムを用いて合剤塗料の厚さが薄い箇所を形成する。間欠塗布システムでは、ダイのマニホールド内部の圧力を負圧に調整することによって、ダイ先端からの合剤塗料の吐出を止めることができる。そのため、合剤塗料の厚さが薄い箇所を形成するためには、ダイのマニホールド内部を負圧にした後に圧力を開放して合剤塗料を再吐出させるタイミングが重要であり、そのタイミングを精度良く調整する必要がある。本発明の目的は簡便な方法で合剤層への非水電解液の含浸速度を速めることである。
本発明の非水系二次電池用電極板の製造方法(以下「電極板の製造方法」と記す)は、集電体の表面のうち集電体の幅方向両端を除く領域に電極合剤を設ける塗工工程と、電極合剤が表面に設けられた集電体を圧延する圧延工程とを備える。塗工工程では、集電体の幅方向両端には、集電体が電極合剤から露出されてなる露出部が、集電体の長手方向に沿って連続して形成される。また、集電体の幅方向両端を除く領域には、電極合剤が集電体の表面に設けられてなる塗工部が、集電体の長手方向に沿って連続して形成される。圧延工程では、電極合剤が表面に設けられた集電体の圧延によって、露出部と塗工部とで集電体の伸び率が異なることとなる。露出部と塗工部とで集電体の伸び率が異なることによって、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成される。
圧延により、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成される。そのため、圧延により形成された合剤層では、凹凸を構成する凹部の上の方が、凹凸を構成する凸部の上よりも、電極合剤の密度が低くなる。この合剤層を含む電極板を用いて電極体を製造し、その電極体に対して電解液を含浸させると、その電解液は、電極合剤の密度が低い領域内を優先的に通って合剤層全体に行き渡る。このように、露出部と塗工部とで集電体の伸び率が異なることとなるように集電体(電極合剤が表面に設けられた集電体)を圧延すれば、合剤層への電解液の含浸速度(以下では単に「電解液の含浸速度」)を速めることができる。
本発明では、簡便な方法で非水電解液の含浸速度を速めることができる。
以下、本発明について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
非水系二次電池の製造方法として、例えば、次に示す方法が挙げられる。正極板と負極板とセパレータとを用いて電極体を作製する。作製された電極体を電池ケースの蓋体に接続した後、その電極体を電池ケースのケース本体の凹部に収容して蓋体でケース本体の開口を塞ぐ。蓋体に形成された注液用孔から電解液をケース本体の凹部に注入し、電解液が電極体に含浸されたら注液用孔を封止する。以下、電極板(正極板又は負極板)の製造方法を主に示す。
[電極板の製造方法]
図1は、本実施形態の電極板の製造方法の一工程を示す斜視図である。本実施形態の電極板の製造方法は、塗工工程と、圧延工程と、切断工程とを備える。以下、順に示す。
図1は、本実施形態の電極板の製造方法の一工程を示す斜視図である。本実施形態の電極板の製造方法は、塗工工程と、圧延工程と、切断工程とを備える。以下、順に示す。
(塗工工程)
集電体11の表面のうち集電体11の幅方向両端を除く領域に、電極合剤13を設ける。これにより、集電体11の幅方向両端には、露出部21(露出部21では集電体11が電極合剤13から露出している)が集電体11の長手方向に沿って連続して形成される。集電体11の幅方向両端を除く領域には、塗工部23(塗工部23では電極合剤13が集電体11の表面に設けられている)が集電体11の長手方向に沿って連続して形成される。
集電体11の表面のうち集電体11の幅方向両端を除く領域に、電極合剤13を設ける。これにより、集電体11の幅方向両端には、露出部21(露出部21では集電体11が電極合剤13から露出している)が集電体11の長手方向に沿って連続して形成される。集電体11の幅方向両端を除く領域には、塗工部23(塗工部23では電極合剤13が集電体11の表面に設けられている)が集電体11の長手方向に沿って連続して形成される。
電極合剤13を集電体11の表面に設ける方法は限定されない。例えばダイコーター等を用いてペースト状の電極合剤13を集電体11の表面に塗布しても良いし、湿潤造粒粒子からなる電極合剤13を集電体11の表面に圧着させても良い。
電極合剤13は、活物質を含むことが好ましい。電極合剤13が正極の電極合剤である場合には、この電極合剤13は結着剤と導電剤とをさらに含むことが好ましい。電極合剤13が負極の電極合剤である場合には、この電極合剤13は結着剤をさらに含むことが好ましい。
(圧延工程)
電極合剤13が表面に設けられた集電体、つまり露出部21と塗工部23とを有する集電体を圧延する。この圧延によって、露出部21と塗工部23とで集電体11の伸び率が異なることとなる。その結果、塗工部23における集電体11の表面に凹凸25が形成される。「集電体11の伸び率」とは、集電体11の長手方向における当該集電体11の伸び率を意味する。
電極合剤13が表面に設けられた集電体、つまり露出部21と塗工部23とを有する集電体を圧延する。この圧延によって、露出部21と塗工部23とで集電体11の伸び率が異なることとなる。その結果、塗工部23における集電体11の表面に凹凸25が形成される。「集電体11の伸び率」とは、集電体11の長手方向における当該集電体11の伸び率を意味する。
このように、圧延によって、塗工部23における集電体11の表面に凹凸25が形成される。そのため、圧延により形成された合剤層では、凹凸25を構成する凸部の上の方が、凹凸25を構成する凹部の上よりも、電極合剤13が圧縮されることとなる。つまり、合剤層では、凹凸25を構成する凸部の上には、電極合剤13の密度の相対的に高い領域(以下「高密度領域」と記す)が形成され、凹凸25を構成する凹部の上には、電極合剤13の密度の相対的に低い領域(以下「低密度領域」と記す)が形成されることとなる。この合剤層を含む電極板を用いて電極体を製造し、その電極体に対して電解液を含浸させると、その電解液は低密度領域内を優先的に通って合剤層全体に行き渡る。これにより、合剤層において電極合剤13の密度が均一である場合に比べて、電解液の含浸速度を速めることができる。
以上説明したように、露出部21と塗工部23とで集電体11の伸び率が異なることとなるように集電体(電極合剤13が表面に設けられた集電体)を圧延すれば、電解液の含浸速度を速めることができる。よって、簡便な方法で非水電解液の含浸速度を速めることができるので、非水系二次電池の製造時間を短縮できる。したがって、非水系二次電池の量産に貢献できる。
なお、電解液の含浸速度を速める別の方法としては、例えば、加圧下又は減圧下で電解液を電極体に含浸させる、又は、合剤層の表面に溝を形成する等が考えられる。
加圧下又は減圧下で電解液を電極体に含浸させるという方法は、ケース本体の凹部へ注入される電解液の量とケース本体の凹部の残余空間(ケース本体の凹部の内部空間のうち電極体によって占有されていない空間)の体積との差が小さく、且つ、電極体の外周の全領域が余剰電解液(電極体に含浸されずにケース本体の凹部内に残存する電解液)に接する場合には、非常に有効である。しかし、電極体の外周の一部の領域のみが余剰電解液に接する場合には、非水電解液の含浸速度を速めることができない場合がある。
一方、本実施形態では、電解液は低密度領域内を優先的に通って合剤層全体に行き渡ることとなる。よって、電極体の外周の一部の領域のみが余剰電解液に接する場合であっても、非水電解液の含浸速度を速めることができる。なお、ケース本体の凹部内において余剰電解液の液面よりも上方に位置する電極体の部分には、毛細管現象によって余剰電解液が電極体に含浸されることとなる。
合剤層の表面に溝を形成するという方法では、合剤層の表面に溝を形成するという作業が必要となり、電極板の製造方法の工数が増加することとなる。突起がロール周面に設けられたロールを用いて圧延を行うと、電極板の製造方法の工数の増加を防止できる。しかし、電極合剤がロール周面に付着する恐れがあり、ロール周面に付着した電極合剤が合剤層に落下する恐れがある。これにより、合剤層の厚さが局所的に大きくなる恐れがある。このような電極板を用いて非水系二次電池を製造すると、内部短絡が発生し易くなるので、非水系二次電池の安全性が低下する。
一方、本実施形態の電極板の製造方法であれば、露出部21と塗工部23とで集電体11の伸び率が異なることとなるように集電体(電極合剤13が表面に設けられた集電体)を圧延する。よって、電極板の製造方法の工数の増加を防止できる。
また、圧延用ロールとして、突起がロール周面に設けられたロールを用いる必要がない。そのため、圧延時に、電極合剤がロール周面に付着することを防止でき、よって、ロール周面に付着した電極合剤が合剤層に落下することを防止できる。したがって、安全性に優れた非水系二次電池を提供できる。
圧延工程を具体的に示す。電極合剤13が表面に設けられた集電体を図1に示す矢印の方向に搬送させる。この集電体が一対のロール31の間を通過することによって電極合剤13が圧縮され、これにより、所定の厚さを有する合剤層が形成される。
電極合剤13の組成、集電体11の物性(例えば、降伏応力、ヤング率又は厚さ)、又は、ロール31のロール径R等の変更によって、凹凸25の形状、又は、集電体11の表面における凹凸25の密度等を変更できる。強度の低い集電体11を用いると、又は、ロール径Rの小さいロール31を用いると、集電体11の表面における凹凸25の密度が低くなる。なお、平面視における凹凸25の形状は、特に限定されず、例えば亀甲模様(図1)又は網目状模様であれば良い。また、電極合剤13が表面に設けられた集電体を圧延する前に、その電極合剤13を乾燥させることが好ましい。
(切断工程)
合剤層が形成された集電体を集電体11の幅方向において二分する。このようにして、露出部21が集電体11の幅方向一端に形成された電極板が得られる。
合剤層が形成された集電体を集電体11の幅方向において二分する。このようにして、露出部21が集電体11の幅方向一端に形成された電極板が得られる。
合剤層が形成された集電体を切断する前、又は、合剤層が形成された集電体を切断した後、集電体11の湾曲を補正するための湾曲補正を行っても良い。これにより、露出部21における集電体11の伸び率と塗工部23における集電体11の伸び率との差を小さく抑えることができる。なお、湾曲補正によって凹凸25が消失することがあるが、その場合であっても電解液の含浸速度が速くなったということを本発明者らは確認している。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に限定されない。
[実施例1]
<正極の製造>
(塗工)
まず、正極活物質として、Liと3種の遷移金属元素(Co、NiおよびMn)とを含む複合酸化物からなる粉末(メディアン径が50μm)を準備した。質量比で90:8:2となるように正極活物質とアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名「デンカブラック」)とPVdF(PolyVinylidene DiFluoride)(株式会社クレハ製、品番7305)とを混ぜ、プラネタリーミキサーを用いて混練した。さらに、NMP(N-methylpyrrolidone)を添加してNMPで希釈し、正極合剤ペースト(固形分濃度が50%)を得た。
[実施例1]
<正極の製造>
(塗工)
まず、正極活物質として、Liと3種の遷移金属元素(Co、NiおよびMn)とを含む複合酸化物からなる粉末(メディアン径が50μm)を準備した。質量比で90:8:2となるように正極活物質とアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名「デンカブラック」)とPVdF(PolyVinylidene DiFluoride)(株式会社クレハ製、品番7305)とを混ぜ、プラネタリーミキサーを用いて混練した。さらに、NMP(N-methylpyrrolidone)を添加してNMPで希釈し、正極合剤ペースト(固形分濃度が50%)を得た。
次に、Al箔の表面における正極合剤ペーストの塗布量が5.5mg/cm2となるように、Al箔(正極集電体、厚さが15μm)の表面のうちAl箔の幅方向両端を除く領域に正極合剤ペーストを塗布した。これにより、Al箔の幅方向両端には、露出部(露出部ではAl箔が正極合剤ペーストから露出している)がAl箔の長手方向に沿って連続して形成された。Al箔の幅方向両端を除く領域には、塗工部(塗工部では正極合剤ペーストがAl箔の表面に設けられている)がAl箔の長手方向に沿って連続して形成された。Al箔の幅方向における露出部の大きさは、それぞれ、2cmであった。その後、正極合剤ペーストを乾燥させた。
続いて、同様の方法にしたがって正極合剤ペーストをAl箔の裏面に塗布した後、その正極合剤ペーストを乾燥させた。
(圧延)
ロール径Rが300mmのロールを用いて、正極合剤ペーストが表面及び裏面に塗布されたAl箔を圧延した。このようにして正極が得られた。デジタル測長機(株式会社ニコン製、商品名「デジマイクロMF−501」)を用いて圧延後の正極合剤層の厚さを計測すると、正極合剤層の厚さはそれぞれ59μm±1μmであった。露出部と塗工部とではAl箔の伸び率の差は1%程度であった。
ロール径Rが300mmのロールを用いて、正極合剤ペーストが表面及び裏面に塗布されたAl箔を圧延した。このようにして正極が得られた。デジタル測長機(株式会社ニコン製、商品名「デジマイクロMF−501」)を用いて圧延後の正極合剤層の厚さを計測すると、正極合剤層の厚さはそれぞれ59μm±1μmであった。露出部と塗工部とではAl箔の伸び率の差は1%程度であった。
<電解液の含浸時間の計測>
まず、得られた正極から評価用正極を2枚切り出した。切り出された評価用正極では、それぞれ、Al箔の幅方向に対して平行な方向における大きさが20mmであり、Al箔の長手方向に対して平行な方向における大きさが100mmであった。切り出された評価用正極のそれぞれに正極端子を接続した後、PP(polypropylene)からなるセパレータ(厚さが20μm)を挟むように評価用正極を配置した。PE(polyethylene)からなる2枚の板を用いて、評価用正極によるセパレータの挟持状態を保持した。このようにしてサンプルを得た。
まず、得られた正極から評価用正極を2枚切り出した。切り出された評価用正極では、それぞれ、Al箔の幅方向に対して平行な方向における大きさが20mmであり、Al箔の長手方向に対して平行な方向における大きさが100mmであった。切り出された評価用正極のそれぞれに正極端子を接続した後、PP(polypropylene)からなるセパレータ(厚さが20μm)を挟むように評価用正極を配置した。PE(polyethylene)からなる2枚の板を用いて、評価用正極によるセパレータの挟持状態を保持した。このようにしてサンプルを得た。
次に、アルミラミネートからなる袋(内寸幅:25mm、高さ:130mm、厚さ:10mm)に、PEからなる筒状の治具(横断面の形状:21mm×10mmの長方形状)を入れた。治具の長手方向が上下方向となるようにアルミラミネートからなる袋を保持し、治具の筒内部に電解液(3g)を入れた後に上記サンプルを入れた。アルミラミネートからなる袋では、上記サンプルの下部1cm程度が電解液に浸っていた。
なお、電解液としては、次に示す方法で調製された電解液を用いた。体積比で1:1:1となるようにEC(ethylene carbonate)とDMC(dimethyl carbonate)とEMC(ethyl methyl carbonate)とを混合し、得られた混合溶媒にLiPF6を追加した。このようにして非水電解液(LiPF6の濃度が1.4mol/L)を得た。
続いて、アルミラミネートからなる袋の保持状態を維持しながら、ヒートシールによってアルミラミネートからなる袋を封止した後に、交流インピーダンス法によって上記サンプルのインピーダンスを1時間ごとに測定した。得られたナイキストプロットが実軸と交差する点での抵抗値(以下「直流抵抗」と記す)を求め、時間に対してプロットした。
電解液が上記サンプルに含浸されると、インピーダンス測定時の有効面積が増加するので、直流抵抗が低下する、と考えられる。そのため、直流抵抗の変化量が小さくなれば、電解液が上記サンプルに十分に含浸したと考えられる。そこで、直流抵抗の変化量が小さくなった時間を電解液の含浸時間とみなした。例えば直流抵抗が図2に示すように変化した場合、電解液の含浸時間を16時間と見積った。結果を表1に示す。
表1における「凹凸の有無」には、圧延によって、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成された場合に「有」と記し、圧延を行っても、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成されなかった場合に「無」と記している。
[実施例2、3、比較例1〜4]
正極合剤層のそれぞれの厚さが表1に示す値となるように圧延を行ったことを除いては実施例1に記載の方法にしたがって、正極を製造し、電解液の含浸時間を求めた。実施例3では、さらに、圧延の後に湾曲補正を行った。結果を表1に示す。
正極合剤層のそれぞれの厚さが表1に示す値となるように圧延を行ったことを除いては実施例1に記載の方法にしたがって、正極を製造し、電解液の含浸時間を求めた。実施例3では、さらに、圧延の後に湾曲補正を行った。結果を表1に示す。
[実施例4、5、比較例5〜9]
ロール径Rが700mmのロールを用いて正極合剤層のそれぞれの厚さが表1に示す値となるように圧延を行ったことを除いては実施例1に記載の方法にしたがって、正極を製造し、電解液の含浸時間を求めた。結果を表1に示す。
ロール径Rが700mmのロールを用いて正極合剤層のそれぞれの厚さが表1に示す値となるように圧延を行ったことを除いては実施例1に記載の方法にしたがって、正極を製造し、電解液の含浸時間を求めた。結果を表1に示す。
[従来例1〜5]
従来例1〜3では、正極合剤層のそれぞれの厚さが表1に示す値となるように圧延を行った。また、ヒートシールによってアルミラミネートからなる袋を封止する前に、その袋の内部を30秒間真空状態とした。これらの点を除いては実施例1に記載の方法にしたがって、正極を製造し、電解液の含浸時間を求めた。結果を表1に示す。
従来例1〜3では、正極合剤層のそれぞれの厚さが表1に示す値となるように圧延を行った。また、ヒートシールによってアルミラミネートからなる袋を封止する前に、その袋の内部を30秒間真空状態とした。これらの点を除いては実施例1に記載の方法にしたがって、正極を製造し、電解液の含浸時間を求めた。結果を表1に示す。
従来例4、5では、ロール径Rが700mmのロールを用いて、正極合剤層のそれぞれの厚さが表1に示す値となるように圧延を行った。また、ヒートシールによってアルミラミネートからなる袋を封止する前に、その袋の内部を30秒間真空状態とした。これらの点を除いては実施例1に記載の方法にしたがって、正極を製造し、電解液の含浸時間を求めた。結果を表1に示す。
[考察]
ロール径Rが300mmのロールを用いた場合、正極合剤層の厚さが61μm、63μm、65μmとなるように圧延を行えば、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成されなかった。しかし、正極合剤層の厚さが59μm、57μm、55μmとなるように圧延を行えば、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成された。
ロール径Rが300mmのロールを用いた場合、正極合剤層の厚さが61μm、63μm、65μmとなるように圧延を行えば、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成されなかった。しかし、正極合剤層の厚さが59μm、57μm、55μmとなるように圧延を行えば、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成された。
ロール径Rが700mmのロールを用いた場合、正極合剤層の厚さが59μm、61μm、63μm、65μmとなるように圧延を行えば、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成されなかった。しかし、正極合剤層の厚さが57μm、55μmとなるように圧延を行えば、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成された。
実施例1、2の方が、比較例1、2よりも、圧延後の正極合剤層の厚さが小さいので、正極合剤層における電極合剤の密度は高いと考えられる。にも関わらず、電解液の含浸時間には大差がなかった。このことは、実施例4、5と比較例5〜8とにおいても言える。これらのことから、圧延によって、塗工部における集電体の表面に凹凸を形成することができれば、電解液の含浸時間を短縮できることが分かった。
実施例1と比較例8とでは、圧延後の正極合剤層の厚さは同じであるが、電解液の含浸時間は比較例8の方が実施例1よりも長かった。このことから、電解液の含浸時間の短縮という効果は、正極合剤層の厚さが最適値となるように圧延を行ったことによって得られたのではなく、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成されることとなるように圧延を行ったことによって得られた、ということが分かった。
実施例1と従来例3とでは、圧延後の正極合剤層の厚さが同じであり、電解液の含浸時間もまた同じであった。このことは、実施例4と従来例5とにおいても言える。これらのことから、圧延によって塗工部における集電体の表面に凹凸を形成することができれば、真空状態で電解液を含浸させた場合と同様の効果が得られることが分かった。
実施例3では、圧延の後に湾曲補正を行ったが、電解液の含浸時間は実施例1と同様であった。このことから、塗工部における集電体の表面に凹凸が形成された後に湾曲補正を行っても、電解液の含浸時間を短縮できることが分かった。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 集電体、13 電極合剤、21 露出部、23 塗工部、25 凹凸、31 ロール。
Claims (1)
- 集電体の表面のうち前記集電体の幅方向両端を除く領域に電極合剤を設ける塗工工程と、
前記電極合剤が表面に設けられた集電体を圧延する圧延工程とを備え、
前記塗工工程では、前記集電体の幅方向両端には、前記集電体が前記電極合剤から露出されてなる露出部が、前記集電体の長手方向に沿って連続して形成され、前記集電体の幅方向両端を除く領域には、前記電極合剤が前記集電体の前記表面に設けられてなる塗工部が、前記集電体の長手方向に沿って連続して形成され、
前記圧延工程では、前記電極合剤が表面に設けられた集電体の圧延によって、前記露出部と前記塗工部とで前記集電体の伸び率が異なることとなり、前記露出部と前記塗工部とで前記集電体の伸び率が異なることによって、前記塗工部における前記集電体の前記表面に凹凸が形成される非水系二次電池用電極板の製造方法。
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WO2021106593A1 (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池の製造方法 |
CN114946053A (zh) * | 2020-01-23 | 2022-08-26 | 三洋电机株式会社 | 二次电池 |
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2014
- 2014-09-08 JP JP2014182161A patent/JP2016058181A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021106593A1 (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池の製造方法 |
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