JP6354234B2 - ムーブメント、および時計 - Google Patents
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Description
特許文献1の時計では、巻真と一体で回転するスイッチ車と、スイッチ車のカム形状によって先端部が押されることで回転するスイッチレバー(先端部がスイッチ接点ばね体を構成)とが備えられ、リューズの回転に伴ってスイッチレバーが移動して、回路基板に設けられた修正検出パターンと接触して導通する。そして、この導通状態を検出することで、リューズの回転を検出している。
そして、特許文献1の時計では、リューズが時計ケースに向かって押し込まれた通常の位置(0段位置)にあるときは、リューズを回転させることでスイッチレバーが移動して修正検出パターンと接触しても入力は行われないように設定されている。
このため、利用者は、リューズを0段位置で回転させたとき、何ら入力が行われていないにも関わらず、抵抗感を感じることで入力が行われていると誤解する可能性がある。また、利用者は、入力が行われない0段位置において抵抗感を感じると、抵抗感に基づいて入力が行われているか否かを判断できなくなるおそれがあり、入力が行われる0段位置以外の位置(1段位置、2段位置)においてリューズを回転させて抵抗感を感じても、入力が行われていることを直感的に判断できない。このため、使い勝手がよくない。
本発明によれば、リューズが0段位置にあるとき、スイッチ車が回転してもスイッチ接点ばね体はスイッチ車と接触しない。
このため、リューズが0段位置にあるとき、利用者は、リューズを回転させても抵抗感を感じることがないため、入力が行われていないことを直感的に把握できる。また、抵抗感に基づいて入力が行われているか否かを判断できるため、リューズが1段位置にあるとき、利用者は、リューズを回転させて抵抗感を感じることで、入力が行われていることを直感的に把握できる。これにより、使い易さを向上できる。
本発明によれば、上記ムーブメントと同様の効果を得ることができる。
[時計の構成]
図1は、時計1を示す正面図である。図2は、時計1の概略を示す断面図である。
図1、図2に示すように、時計1は、使用者の手首に装着される腕時計であり、円筒状のケース11に、ベゼル12が嵌合されて構成された外装ケース10を備えている。このベゼル12の内周側に、リング状のダイヤルリング13を介して、円盤状の文字板14が時刻表示部分として配置されている。外装ケース10の二つの開口のうち、表面側の開口は、ベゼル12を介してカバーガラス61で塞がれており、裏面側の開口は裏蓋62で塞がれている。
各指針21〜26は、ムーブメント40に取り付けられ、ムーブメント40により駆動される。各指針21〜26は、文字板14の表面側に配置され、ムーブメント40は、文字板14の裏面側に配置されている。
また、ベゼル12には、ダイヤルリング13に表記されている時差情報16の時差に対応した標準時を使用しているタイムゾーンの代表都市名を表す都市情報17が、時差情報16に併記されている。ここで、時差情報16と都市情報17との表記をタイムゾーン表示18という。
リューズ35は、ムーブメント40に向かって押し込まれた通常の位置(0段位置)から2段階引くことができる。1段引いた位置を1段位置といい、2段引いた位置を2段位置という。
また、図2では図示していないが、その他に、ムーブメント40は、後述する回転スイッチ機構41と、耐磁板44(図4参照)と、筒車押さえ46(図4参照)等を備えている。
図3は、時計1のムーブメント40を裏蓋62側から見た部分平面図である。図4は、ムーブメント40の回転スイッチ機構41を裏蓋62側から見た平面図である。図5は、ムーブメント40を、巻真51の軸方向と直交する方向から見た部分断面図である。なお、図3〜図5は、巻真51が0段位置にある場合を示している。
図3に示すように、ムーブメント40は、地板50に支持されリューズ35に係合された巻真51を含む回転スイッチ機構41を備えている。
オシドリ52、カンヌキ55、オシドリ押さえ59は、地板50側から、この順番で配置されている。また、スイッチレバー53は、オシドリ52とオシドリ押さえ59との間に配置され、クリックばね54は、オシドリ52と同じ層に配置されている。スイッチ接点ばね体57、スイッチ接点ばね58は、地板50とオシドリ押さえ59との間に配置され、地板50側からこの順番で配置されている。
また、図4、図5に示すように、巻真51には、オシドリ52と係合する係合溝511が設けられている。
また、オシドリ52の他の端部522は、クリックばね54に設けられた係合溝と係合する。
また、オシドリ52には、カンヌキ55を位置決めする突出部(ダボ)523が設けられている。
スイッチレバー53の先端部531は、回路基板43(図5参照)の裏面に設けられた電極層431(図5参照)と接触する。電極層431は、異なる位置に設けられた3つの電極を備え、巻真51が、0段位置、1段位置、2段位置にあるとき、スイッチレバー53の先端部531は、それぞれ異なる電極に接触して導通する。このため、先端部531がどの電極と接触しているかを検出することで、巻真51の位置、すなわち、リューズ35の位置が、0段位置、1段位置、2段位置のいずれであるかを検出できる。
また、クリックばね54のばね部542は、地板50に設けられた突起部502を押圧するように取り付けられており、これにより、端部541は、オシドリ52の端部522を押す方向に付勢されている。
クリックばね54は、オシドリ52の端部522を、係合溝543〜545のいずれかと係合させることで、リューズ35の押込み時および引き出し時に、オシドリ52の位置を規制し、巻真51の位置、すなわち、リューズ35の位置を、0段位置、1段位置、2段位置に規制するとともに、利用者にクリック感を与えている。
また、カンヌキ55における時計中心側の側面には、オシドリ52に設けられた突出部523と当接する側面部552が設けられている。側面部552に突出部523が当接することで、カンヌキ55の位置は規制される。すなわち、カンヌキ55の位置は、突出部523によって決められている。つまり、突出部523は、カンヌキ55が時計中心方向に移動することは規制し、時計外縁方向に移動することは許容する位置に配置されている。すなわち、突出部523は、カンヌキ55が第1方向に移動することは規制し、第2方向に移動することは許容する位置に配置されている。
また、カンヌキ55の端部551は、巻真51に取り付けられたスイッチ車56の係合溝561と係合する。
巻真51の断面形状が矩形であるため、スイッチ車56は、巻真51に対して、巻真51の軸方向に移動自在であり、かつ、回転できないように取り付けられている。
すなわち、スイッチ車56は、カンヌキ55に連動して、巻真51の軸方向に沿って移動し、かつ、巻真51と係合して巻真51と一体で回転する。
スイッチ接点ばね体57が基準位置にあるとき、スイッチ接点ばね体57の接触部571は、前記平面視において巻真51と重なる位置に配置されている。
また、巻真51が0段位置にあるとき、接触部571は、スイッチ車56の歯車562とは、巻真51の軸方向に離間して配置されている。すなわち、接触部571は、歯車562と噛み合っていない。このため、巻真51と一体でスイッチ車56が回転しても、歯車562が接触部571と接触することはない。
また、スイッチ接点ばね58の先端部581は、回路基板43に設けられた孔432に挿通されている。
また、オシドリ押さえ59は、戻しばね部591と、スイッチ接点ばね押さえ部592とを備えている。
なお、上述した軸501,503,506,507は、裏蓋62側から見た平面視において、巻真51に対して、すべて同じ側に配置されている。
次に、巻真51が0段位置から1段位置に引かれた際の動作について説明する。
図6は、巻真51が1段位置にあるときの回転スイッチ機構41を裏蓋62側から見た平面図である。図7は、巻真51が1段位置にあるときのムーブメント40を、巻真51の軸方向と直交する方向から見た部分断面図である。
図6に示すように、巻真51が0段位置から1段位置に引かれると、オシドリ52は巻真51に連動して、軸501を中心に裏蓋62側から見て反時計回りに回転し、オシドリ52の端部522は、クリックばね54の係合溝544と係合する。
また、オシドリ52が回転することで、突出部523の位置が移動し、これに伴い、カンヌキ55の端部551は、時計中心方向に移動する。さらに、これに伴い、図6、図7に示すように、スイッチ車56は、カンヌキ55の端部551に押されて時計中心方向(スイッチ接点ばね体57に近づく方向)に移動し、歯車562が、スイッチ接点ばね体57の接触部571と噛み合う。これにより、巻真51と一体で歯車562が回転すると、歯車562は、接触部571と接触する。
図8に示すように、スイッチ接点ばね58の先端部581は、前述したように、回路基板43に設けられた孔432に挿通している。
スイッチ車56が回転すると、歯車562にスイッチ接点ばね体57の接触部571が接触して押され、スイッチ接点ばね体57およびスイッチ接点ばね58は移動する。このとき、スイッチ接点ばね58の先端部581は、歯車562の回転方向に応じて、回路基板43における孔432の一方の内側面に形成された電極433、および、他の一方の内側面に形成された電極434のいずれかと接触する。具体的には、歯車562が図中時計回りに回転すると、スイッチ接点ばね58の先端部581は、図中右方向に移動して電極433と接触し、歯車562が図中反時計回りに回転すると、先端部581は、図中左方向に移動して電極434と接触する。これにより、スイッチ接点ばね58がどちらの電極と接触したかを検出することで、巻真51の回転方向、すなわち、リューズ35の回転方向を検出できる。
次に、巻真51が1段位置から2段位置に引かれた際の動作について説明する。
図9は、巻真51が2段位置にあるときの回転スイッチ機構41を裏蓋62側から見た平面図である。図10は、巻真51が2段位置にあるときのムーブメント40を、巻真51の軸方向と直交する方向から見た部分断面図である。
巻真51が1段位置から2段位置に引かれると、図9に示すように、オシドリ52は巻真51に連動し、軸501を中心に裏蓋62側から見て反時計回りに回転し、オシドリ52の端部522は、クリックばね54の係合溝545と係合する。
このとき、オシドリ52が回転することで、突出部523の位置が移動するが、カンヌキ55の側面部552の形状との関係で、カンヌキ55はほとんど移動しない。すなわち、スイッチ車56は、巻真51が1段位置にあるときと、ほぼ同じ場所に位置している。このため、巻真51と一体で歯車562が回転すると、歯車562は、スイッチ接点ばね体57の接触部571と接触する。
なお、2段位置や1段位置にあるリューズ35および巻真51を、ムーブメント40の方向に押し込んで0段位置に戻すと、オシドリ52は裏蓋62側から見て時計回りに回転し、図4に示すように、オシドリ52の端部522は、クリックばね54の係合溝543と係合する。これに伴い、オシドリ52の突出部523が移動し、この突出部523に当接しているカンヌキ55も移動する。このため、カンヌキ55の端部551およびスイッチ車56が時計外縁方向(スイッチ接点ばね体57と離間する方向)に移動する。これにより、リューズ35を回転しても、スイッチ車56はスイッチ接点ばね体57に接触しなくなり、入力も行われない。
リューズ35が0段位置にあるとき、スイッチ車56が回転してもスイッチ接点ばね体57はスイッチ車56と接触しないため、利用者は、リューズ35を回転させても抵抗感を感じることがないため、入力が行われていないことを直感的に把握できる。また、リューズ35が1段位置および2段位置にあるとき、利用者は、リューズ35を回転させて抵抗感を感じることで、入力が行われていることを直感的に把握できる。これにより、使い易さを向上できる。
また、リューズ35を0段位置で回転させても、スイッチ車56はスイッチ接点ばね体57と接触しないため、スイッチ接点ばね58やオシドリ押さえ59の戻しばね部591等の部品が撓むことがない。このため、当該部品の劣化を抑制できる。
また、オシドリ押さえ59が、スイッチ接点ばね押さえ部592を備えるため、オシドリ押さえ59によって、前述したように、スイッチ接点ばね体57およびスイッチ接点ばね58の傾きを防止できる。
なお、本発明は前記各実施形態の構成に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、前記実施形態では、巻真51に連動するオシドリ52やカンヌキ55を用いてスイッチ車56を移動させることで、スイッチ車56とスイッチ接点ばね体57との噛み合いを制御しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、スイッチレバー53を用いて巻真51の位置を電気的に検出し、この検出結果に基づいて、例えば、圧電モーター等を用いてスイッチ車56を移動させ、前記噛み合いを制御してもよい。
この場合、リューズ35が1段位置にあるとき、リューズ35を回転させることで、小時計の表示時刻を修正できる。
Claims (7)
- 少なくとも0段位置および1段位置で回転する巻真と、
前記巻真と係合して前記巻真と一体で回転するスイッチ車と、
前記巻真が前記1段位置にあるとき、前記スイッチ車の回転に応じて前記スイッチ車と接触し、かつ、前記巻真が前記0段位置にあるとき、前記スイッチ車が回転しても前記スイッチ車と接触しないスイッチ接点ばね体と、を備え、
前記スイッチ車は、
前記巻真が前記0段位置から前記1段位置に引き出された場合は、前記スイッチ接点ばね体に近づく方向である時計中心方向に移動して、前記スイッチ接点ばね体に接触可能な位置に移動し、
前記巻真が前記1段位置から前記0段位置に押し込まれた場合は、前記スイッチ接点ばね体と離間する方向である時計外縁方向に移動して、前記スイッチ接点ばね体に接触しない位置に移動する
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項1に記載のムーブメントにおいて、
前記巻真に係合し、かつ、前記巻真の移動に伴って移動するオシドリと、
前記オシドリに係合し、前記オシドリの移動に伴って移動するカンヌキと、を備え、
前記スイッチ車は、前記巻真の軸方向に移動可能に設けられ、前記カンヌキの移動に伴って、前記スイッチ接点ばね体と接触する位置および接触しない位置のいずれかに移動する
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項2に記載のムーブメントにおいて、
前記オシドリは、突出部を備え、
前記カンヌキは、前記突出部によって位置決めされている
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項3に記載のムーブメントにおいて、
前記カンヌキは、前記スイッチ車を前記スイッチ接点ばね体に近づける方向である第1方向と、前記スイッチ車を前記スイッチ接点ばね体と離間させる方向である第2方向とに移動可能に設けられ、
前記突出部は、前記カンヌキが前記第1方向に移動することは規制し、前記第2方向に移動することは許容する位置に設けられている
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載のムーブメントにおいて、
前記オシドリを押さえるオシドリ押さえを備え、
前記オシドリ押さえは、前記スイッチ車が接触して移動した前記スイッチ接点ばね体の位置を、元の位置に戻す戻しばね部を備える
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のムーブメントにおいて、
前記巻真の位置を検出するためのスイッチレバーを備え、
前記巻真は、前記0段位置および前記1段位置に加えて2段位置で回転し、
前記スイッチ接点ばね体は、前記巻真が前記2段位置にあるとき、前記スイッチ車の回転に応じて前記スイッチ車と接触する
ことを特徴とするムーブメント。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のムーブメントを備える
ことを特徴とする時計。
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- 2014-03-20 JP JP2014057394A patent/JP6354234B2/ja active Active
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