JP2017049174A - 時計ムーブメントの製造方法、時計ムーブメントおよび時計 - Google Patents

時計ムーブメントの製造方法、時計ムーブメントおよび時計 Download PDF

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Abstract

【課題】カレンダー車を有する時計ムーブメントと、カレンダー車を有さない時計ムーブメントとで、巻真を共通にできる時計ムーブメントの製造方法、時計ムーブメントおよび時計を提供すること。【解決手段】地板50と、巻真61と、オシドリと、カンヌキとを備える時計ムーブメントの製造方法であって、カレンダー車を有する時計ムーブメントに対応したオシドリ64およびカンヌキ65の組と、カレンダー車を有さない時計ムーブメントに対応したオシドリおよびカンヌキの組とのうち、製造する時計ムーブメントに応じた組を選択して地板50に取り付ける工程と、カレンダー車を有する時計ムーブメントおよびカレンダー車を有さない時計ムーブメントで共通する巻真61を、地板50に取り付ける工程とを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、時計ムーブメントの製造方法、時計ムーブメントおよび時計に関する。
従来、時刻に加えて日や曜日などのカレンダーを表示する腕時計において、軸方向に引き出し可能なリューズを備え、リューズを引き出した状態で回転させることで、時刻およびカレンダーを修正できる腕時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の腕時計は、リューズを1段引き出した状態で回転させることで、カレンダーを修正でき、リューズを2段引き出した状態で回転させることで、時刻を修正できる。
特開2003−255064号公報
ところで、腕時計の分野では、表示機能の異なる時計を製造するため、特許文献1の腕時計のようなカレンダー表示機構を備える時計と、カレンダー表示機構を備えない時計とを製造することがある。カレンダー表示機構を備えない時計は、リューズによってカレンダーを修正する必要がないため、リューズは1段だけ引き出せればよい。
リューズを1段だけ引き出せる時計は、リューズを2段引き出せる時計に対して、例えば、リューズが取り付けられる巻真および巻真と係合するオシドリの設計を変更することで、地板などの他の部品は共通にして製造できる。
しかしながら、カレンダー表示機構を備える時計とカレンダー表示機構を備えない時計とで巻真が異なると、時計を製造する際、作業者は、時計に巻真を組み込む場合に、巻真を取り間違えないように注意する必要があり、作業が煩雑化するという問題がある。
また、腕時計の分野では、時計の製造者は、完成した時計だけではなく、時計のムーブメントを販売することもある。この場合、客先の作業者が、ムーブメントに巻真を組み込む場合がある。また、アフターサービスなどでは、サービス提供者が、巻真の交換作業を行う場合がある。このような場合にも、作業が煩雑化するという問題がある。
本発明の目的は、カレンダー車を有する時計ムーブメントと、カレンダー車を有さない時計ムーブメントとで、巻真を共通にできる時計ムーブメントの製造方法、時計ムーブメントおよび時計を提供することにある。
本発明は、地板と、巻真と、オシドリと、カンヌキとを備える時計ムーブメントの製造方法であって、カレンダー車を有する時計ムーブメントに対応した第1オシドリおよび第1カンヌキの組と、カレンダー車を有さない時計ムーブメントに対応した第2オシドリおよび第2カンヌキの組とのうち、製造する時計ムーブメントに応じた組を選択して前記地板に取り付ける工程と、カレンダー車を有する時計ムーブメントおよびカレンダー車を有さない時計ムーブメントで共通する巻真を、前記地板に取り付ける工程と、を有することを特徴とする。
本発明では、カレンダー車を有する時計ムーブメントを製造する場合は、第1オシドリおよび第1カンヌキが地板に取り付けられ、カレンダー車を有さない時計ムーブメントを製造する場合は、第2オシドリおよび第2カンヌキが地板に取り付けられる。
カレンダー車を有する時計ムーブメントでは、第1オシドリおよび第1カンヌキを備えることで、例えば、巻真が1段引かれた1段位置にある場合、カレンダー車によって表示されるカレンダー情報の修正が行われ、巻真が2段引かれた2段位置にある場合、指針によって表示される時刻情報の修正が行われるようにできる。
一方、カレンダー車を有さない時計ムーブメントでは、第1オシドリおよび第1カンヌキとは設計が異なる第2オシドリおよび第2カンヌキを備えることで、例えば、カレンダー車を有する時計ムーブメントと共通の巻真を用いたまま、巻真が1段引かれた場合のカンヌキの位置を、カレンダー車を有する時計ムーブメントにおける巻真が2段引かれた場合のカンヌキの位置と同じ位置にできる。これにより、巻真が1段位置にある場合に、時刻情報の修正が行われるようにできる。
このようにして、本発明によれば、巻真が引き出される段数が互いに異なるカレンダー車を有する時計ムーブメントとカレンダー車を有さない時計ムーブメントとで、巻真を共通にできる。従って、時計ムーブメントに巻真を組み込む際、巻真の種類が減るため、作業者が巻真を選びやすくなり、作業が煩雑化することを抑制できる。
本発明は、地板と、前記地板に取り付けられる巻真、オシドリ、およびカンヌキとを備える時計ムーブメントであって、前記オシドリおよび前記カンヌキは、カレンダー車を有する時計ムーブメントに対応した第1オシドリおよび第1カンヌキの組と、カレンダー車を有さない時計ムーブメントに対応した第2オシドリおよび第2カンヌキの組とのいずれか一方であり、前記巻真は、カレンダー車を有する時計ムーブメントおよびカレンダー車を有さない時計ムーブメントで共通することを特徴とする。
本発明によれば、カレンダー車を有する時計ムーブメントとカレンダー車を有さない時計ムーブメントとで巻真を共通にでき、時計ムーブメントに巻真を組み込む作業が煩雑化することを抑制できる。
本発明の時計は、上記時計ムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記時計ムーブメントの発明と同様の効果を奏することができる。
本発明の時計において、指針と、カレンダー車と、時計の駆動力を出力するゼンマイと、を備え、前記時計ムーブメントは、前記第1オシドリおよび前記第1カンヌキを備え、前記巻真が時計の中心に向かって押し込まれた0段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記ゼンマイの巻き上げが可能な状態となり、前記巻真が前記0段位置から1段引かれた1段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記カレンダー車によって表示されるカレンダー情報の修正が可能な状態となり、前記巻真が前記0段位置から2段引かれた2段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記指針によって表示される時刻情報の修正が可能な状態となることが好ましい。
本発明は、カレンダー車を有する時計であり、巻真が0段位置にある場合、ゼンマイの巻き上げが行われ、巻真が1段位置にある場合、カレンダー情報の修正が行われ、巻真が2段位置にある場合、時刻情報の修正が行われる。
巻真は、通常は0段位置にある。本発明によれば、カレンダー情報の修正および時刻情報の修正は、巻真を通常の位置から1段位置および2段位置に引き出さないと行われない。このため、例えば誤操作によって意図せずカレンダー情報や時刻情報が修正されることを抑制できる。
なお、ゼンマイの巻き上げは、意図せず行われたとしても問題ないため、0段位置に設定されている。
また、例えば時刻情報の修正が1段位置に設定され、カレンダー情報の修正が2段位置に設定されている場合は、カレンダー情報のみ修正したいと考え、巻真を2段位置に引き出した場合でも、巻真が一時的に1段位置の状態となり時刻情報の修正が可能な状態となる。ここで、時刻情報の修正が可能な状態にある場合は、指針の駆動が停止されることがある。このため、カレンダー情報のみ修正したい場合に、時刻情報がずれてしまう可能性がある。これに対して、本発明によれば、カレンダー情報の修正が1段位置に設定され、時刻情報の修正が2段位置に設定されているため、カレンダー情報のみ修正する場合に、時刻情報がずれてしまうことを防止できる。
本発明の時計において、指針と、時計の駆動力を出力するゼンマイと、を備え、前記時計ムーブメントは、前記第2オシドリおよび前記第2カンヌキを備え、前記巻真が時計の中心に向かって押し込まれた0段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記ゼンマイの巻き上げが可能な状態となり、前記巻真が前記0段位置から1段引かれた1段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記指針によって表示される時刻情報の修正が可能な状態となることが好ましい。
本発明は、カレンダー車を有さない時計であり、巻真が0段位置にある場合、ゼンマイの巻き上げが行われ、巻真が1段位置にある場合、時刻情報の修正が行われる。
本発明によれば、時刻情報の修正は、巻真を通常の位置から1段位置に引き出さないと行われない。このため、例えば誤操作によって意図せず時刻情報が修正されることを抑制できる。なお、ゼンマイの巻き上げは、意図せず行われたとしても問題ないため、0段位置に設定されている。
本発明の実施形態に係る時計1の正面図である。 時計1のムーブメントの平面図である。 時計1のムーブメントの斜視図である。 リューズが0段位置の状態の時計1の修正機構を示す図である。 リューズが1段位置(左回転)の状態の時計1の修正機構を示す図である。 リューズが1段位置(右回転)の状態の時計1の修正機構を示す図である。 リューズが2段位置(左回転)の状態の時計1の修正機構を示す図である。 リューズが2段位置(右回転)の状態の時計1の修正機構を示す図である。 本発明の実施形態に係る時計1Aの正面図である。 リューズが0段位置の状態の時計1Aの修正機構を示す図である。 リューズが0段位置の状態におけるオシドリとクリックばね部との係合を示す図である。 リューズが1段位置の状態の時計1Aの修正機構を示す図である。 時計1および時計1Aに組み込まれる共通の巻真を示す図である。
本実施形態では、時計1および時計1Aの2つの時計について説明する。時計1は、カレンダー情報を表示するカレンダー車として日車31および曜車32を備えているが、時計1Aは、カレンダー車を備えていない。
[時計1の構成]
図1は、時計1を示す正面図である。
時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、円筒状の外装ケース11を備え、外装ケース11の内周側に、円盤状の文字板12が時刻表示部分として配置されている。外装ケース11の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラス13で塞がれており、裏面側の開口は図示しない裏蓋で塞がれている。
また、時計1は、外装ケース11内に収容されたムーブメント2(図2)、時刻情報を表示する秒針21、分針22、時針23を備えている。
各指針21〜23は、ムーブメント2の指針軸に取り付けられ、ムーブメント2により駆動される。各指針21〜23は、文字板12の表面側に配置され、ムーブメント2は、文字板12の裏面側に配置されている。
ここで、ムーブメント2は、本発明のカレンダー車を有する時計ムーブメントの一例である。
また、文字板12には、カレンダー小窓14が設けられており、カレンダー小窓14から、日車31の数字、および、曜車32の曜日が視認可能となっている。日車31の数字は、年月日の「日」を表す。
外装ケース11の側面には、リューズ16が設けられている。リューズ16が操作されることにより、操作に応じた入力を行うことができる。
リューズ16は、時計1の中心に向かって押し込まれた通常の位置(0段位置)から2段引くことができる。1段引いた位置を1段位置といい、2段引いた位置を2段位置という。
[時計1のムーブメント]
図2は、時計1のムーブメント2を文字板12側から見た平面図である。なお、図2では、日ジャンパー(日車案内)、日車押さえ等については、図示を省略している。
図2に示すように、ムーブメント2には、文字板12側に、リング状に形成された日車31が設けられている。日車31は、平面中心が、ムーブメント2の平面中心に位置するように配置されている。日車31の表面側(文字板12側)には、日を表す「1」〜「31」の数字が右回り(時計回り)に並んで印刷されている。また、日車31の内周縁には、31個の歯から構成される内歯車311が設けられている。
また、ムーブメント2の文字板12側には、日車31の内周側に、円盤状の曜車32が設けられている。曜車32の表面側には、図示しない七曜を示す文字が印刷されている。また、曜車32は、裏面側(裏蓋側)に曜星車321を備えている。
ムーブメント2は、香箱33内のゼンマイから出力される駆動力が、図示しない筒カナを介して伝達されることにより回転駆動する日の裏車41と、日の裏車41に連動して回転する筒車42とを備えている。
筒車42は、時針取付軸421を備え、時針取付軸421に時針23が取り付けられる。なお、時針取付軸421の内側には、分針取付軸(二番車の筒カナ)および秒針取付軸(四番車)が設けられ、分針取付軸に分針22が取り付けられ、秒針取付軸に秒針21が取り付けられる。
また、ムーブメント2は、筒車42に連動して24時間で左回り(反時計回り)に1回転する日回し車43を備えている。なお、説明で用いる左回りおよび右回りは、時計1を表面側から見た場合の回転方向を示す。
日回し車43は、日送り爪431を備え、この日送り爪431で日車31の内歯車311を1日に1歯分送って、日車31を1日分ずつ左回りに回転させる。
さらに、日回し車43は、曜送り爪432を備え、この曜送り爪432で曜車32が備える曜星車321を送って、曜車32を1日分ずつ右回りに回転させる。曜車32には、曜日が二か国語で交互に表記されており、組み立て時に位置をずらすことでいずれかの表記を選択できる。このため、曜送り爪432は、曜星車321を1日に2歯分送る。このように、日回し車43は、曜回し車も兼ねている。ここで、日回し車43では、日車31を送るタイミングと、曜車32を送るタイミングがずれるように、日送り爪431および曜送り爪432が設計されている。これによれば、日車31および曜車32を同じタイミングで送る場合と比べて、小さい力で日回し車43を回転させることができる。
[時計1の修正機構]
次に、ムーブメント2が備える修正機構3について説明する。ここでは、リューズ16が0段位置にある状態を説明する。
図3、図4に示すように、修正機構3は、巻真61、きち車62、つづみ車63、オシドリ64、カンヌキ65、小鉄レバー70、小鉄車66、カレンダー修正伝え車67、カレンダー修正車68、曜修正車69、裏押え80、修正レバー90を備える。なお、裏押え80は、図3に示し、図4では図示を省略している。
[巻真]
巻真61は、リューズ16と係合し、リューズ16を引き出すことで軸方向に移動する。すなわち、巻真61は、通常は0段位置にあり、リューズ16を引き出すことで、1段位置、または、2段位置に移動する。
また、巻真61には、図4に示すように、オシドリ64と係合する係合溝611が設けられている。
なお、巻真61は、図4に示すように、時計1が落下した際の衝撃などにより、巻真61が0段位置を超えて時計1の中心に向かって押し込まれることを規制する巻真つば612を備えている。
[オシドリ]
オシドリ64は、図4に示すように、地板50に設けられた軸641を中心に揺動自在に軸支されている。オシドリ64は、係合部642と、係合部642から延出した操作部646を備える。係合部642は、巻真61の係合溝611と係合する。これにより、オシドリ64は、巻真61に連動し、軸641を中心に揺動する。
また、操作部646は、ムーブメント2を文字板12側から見た平面視において、後述する裏押え80と重ならないように、図3、図4に示すように、巻真61に対して軸641とは反対側に設けられている。そして、操作部646は、巻真61が0段位置にある場合、前記平面視において、地板50に設けられた貫通孔52と重なっている。
リューズ16を交換する場合などに、巻真61をムーブメント2から引き抜く際、オシドリ64の係合部642と巻真61の係合溝611との係合を外す必要がある。貫通孔52は、当該係合を外す際に用いられる。すなわち、巻真61が0段位置にある場合、操作部646が貫通孔52と重なっているため、貫通孔52に、裏蓋側から棒状の押圧部材を挿通させ、当該押圧部材で操作部646を文字板12側に押すことができる。オシドリ64は、後述する裏押え80によって地板50からの脱落が防止されているが、裏押え80は弾性を有しているため、操作部646が押圧部材で押されると、オシドリ64が傾き、操作部646が文字板12側に移動する。これにより、係合部642と係合溝611の係合を外すことができる。
なお、後述するように、操作部646は、巻真61が1段位置または2段位置に引き出された場合は、貫通孔52と重ならない位置に移動する。このため、巻真61が1段位置または2段位置にある場合、押圧部材を貫通孔52に挿通させても、押圧部材によって操作部646を押圧することはできず、係合部642と係合溝611の係合は外せない。
また、操作部646は、巻真61が2段位置を超えて引き出された場合、地板50の外周に形成された壁部53と当接する。これにより、巻真61が2段位置を超えて引き出されることを規制でき、ムーブメント2が破壊されることを防止できる。
また、オシドリ64には、図4に示すように、カンヌキ65を位置決めする先端部643が設けられている。
また、オシドリ64の先端部643の近傍には、地板50側に突出し、小鉄レバー70を位置決めする突出ピン644が設けられている。
また、オシドリ64の先端部643の近傍には、図3、図4に示すように、文字板12側に突出し、後述する裏押え80のクリックばね部83の係合溝832,833,834と係合する突出ピン645が設けられている。
ここで、オシドリ64は、本発明の第1オシドリの一例である。
[カンヌキ]
カンヌキ65は、ムーブメント2の厚み方向において、オシドリ64と同じ高さに配置されている。カンヌキ65は、図4に示すように、地板50に設けられた軸651に軸支されている。カンヌキ65のばね部652は、地板50に設けられた突起部51を押圧するように取り付けられており、これにより、カンヌキ65は、端部653が時計外縁方向(きち車62に近づく方向)に向かうように付勢されている。ここで、カンヌキ65は、撓むことで、端部653が時計中心方向に向かう方向と、端部653が時計外縁方向に向かう方向とに揺動可能に設けられている。
また、カンヌキ65における時計外縁側の側面には、オシドリ64の先端部643と当接する側面部654が設けられている。側面部654に先端部643が当接することで、カンヌキ65の位置は規制される。すなわち、カンヌキ65の位置は、ばね部652およびオシドリ64の先端部643によって決められている。
ここで、カンヌキ65は、本発明の第1カンヌキの一例である。
[つづみ車]
つづみ車63は、図4に示すように、カンヌキ65の端部653と係合する係合溝631と、きち車62と係合する係合部632と、歯車633とを備えている。つづみ車63には、回転中心を通る孔が設けられており、この孔に巻真61が挿通している。
つづみ車63は、巻真61に対して、巻真61の軸方向に移動自在であり、かつ、回転できないように取り付けられている。
すなわち、つづみ車63は、カンヌキ65に連動して、巻真61の軸方向に沿って移動し、かつ、巻真61と係合して巻真61と一体で回転する。
[きち車]
きち車62は、図4に示すように、つづみ車63の係合部632と係合する係合部621を備えている。きち車62には、回転中心を通る孔が設けられており、この孔に巻真61が挿通している。きち車62は、巻真61に回転自在に取り付けられている。
きち車62は、つづみ車63と係合した状態でリューズ16が左回転されると、つづみ車63と一体で回転し、図示しない丸穴車や角穴車などの回転力伝達機構を介してゼンマイを巻き上げる。なお、きち車62は、リューズ16が右回転された場合は、係合部621がつづみ車63の係合部632から外れ、回転しないように構成されている。
[小鉄レバー]
小鉄レバー70は、図4に示すように、地板50に設けられた軸(揺動軸)701を中心に揺動自在に軸支されている。ここで、軸701は、ムーブメント2を文字板12側から見た平面視において、日車31と重なる位置に配置されている。
小鉄レバー70は、軸701が設けられる基端部79と、基端部79から延出する位置決め部71および支持部72とを備える。支持部72は、基端部79から巻真61の軸を通る直線VLと交差する方向に延出している。また、支持部72は、基端部79側に屈曲部73を備えている。屈曲部73の基端部79とは反対側の端部は、基端部79側の端部に対して、文字板12に近づく方向に位置している。
位置決め部71は、前記平面視においてオシドリ64およびカンヌキ65と重なって配置され、オシドリ64およびカンヌキ65に対して地板50側に配置されている。支持部72は、前記平面視において日車31の内周側に配置され、オシドリ64およびカンヌキ65に対して文字板12側に配置されている。
また、位置決め部71には、オシドリ64の突出ピン644と係合する係合穴711が設けられている。係合穴711に突出ピン644が係合することで、小鉄レバー70の位置は規制される。すなわち、小鉄レバー70の位置は、突出ピン644によって決められている。
支持部72は、直線VLと交差して設けられている。支持部72における直線VLと交差する軸受け部721には、小鉄車66と、小鉄車66と同じ回転軸に取り付けられるカレンダー修正伝え車67とを、回転自在に軸支する図示しない軸受け孔が設けられている。
ここで、小鉄車66は、小鉄レバー70に対して地板50側に配置され、カレンダー修正伝え車67は、小鉄レバー70に対して文字板12側に配置されている。ここで、カレンダー修正伝え車67は小鉄車66と同じ回転軸に固定されているため小鉄車66と一体で回転する。
なお、小鉄車66およびカレンダー修正伝え車67と、日の裏車41と、筒車42とは、回転軸がほぼ直線VL上に位置するように配置されている。
支持部72には、軸受け部721に対して軸701とは反対側に、カレンダー修正車68を回転自在に軸支可能な軸受け穴722が設けられている。また、支持部72には、軸受け部721に対して軸701側に、例えば日車31とはサイズの異なる日車が用いられる場合などに使用されるカレンダー修正車を回転自在に軸支可能な軸受け穴723が設けられている。すなわち、軸受け穴722は、直線VLに対して、軸701とは反対側に設けられ、軸受け穴723は、直線VLに対して、軸701側に設けられている。つまり、軸受け穴722および軸受け穴723は、カレンダー修正伝え車67を間に挟んで設けられている。
軸受け穴722,723は、前記平面視において、カレンダー修正伝え車67の同心円の円弧に沿って細長く形成された長穴である。また、軸受け穴722は、軸受け穴723よりも細長く形成されている。ここで、軸受け穴722および軸受け穴723は、前記円弧に沿う方向の一方の端が他方の端に対して日車31の内周縁に近づく方向に位置している。
また、支持部72の先端部724は、後述する修正レバー90の係合穴911に係合する。
[カレンダー修正車]
カレンダー修正車68は、図4に示すように、小鉄レバー70の軸受け穴722に軸支されている。
カレンダー修正車68は、カレンダー修正伝え車67と連動して回転する。
また、カレンダー修正車68は、ムーブメント2の厚み方向において、日車31の内歯車311と同じ高さに配置されている。
[裏押え]
裏押え80は、図3に示すように、ネジ802で地板50に固定されている。裏押え80と地板50との間には、オシドリ64、カンヌキ65、小鉄レバー70が設けられている。裏押え80は、地板50に設けられた軸651および軸801と、ネジ802によって位置決めされている。裏押え80は、弾性を有し、初期撓みによりオシドリ64を巻真61に連動した移動を妨げない程度の力で地板50側に押圧している。これにより、裏押え80は、オシドリ64、カンヌキ65、小鉄レバー70が地板50から脱落することを防止している。
また、裏押え80は、軸651および軸801が設けられる基端部81と、基端部81から延出したオシドリ押え部82と、基端部81から延出したクリックばね部83と、基端部81から延出した延出部84とを備える。
オシドリ押え部82は、先端部821に、地板50に設けられた軸641を挿通させる穴が設けられている。先端部821は、オシドリ64が地板50から脱落することを防止している。
クリックばね部83の先端部831の側面には、オシドリ64の突出ピン645と係合する3つの係合溝832,833,834が設けられている。突出ピン645が、3つの係合溝832,833,834のいずれかと係合することで、リューズ16の押込み時および引き出し時に、オシドリ64の位置が規制され、巻真61の位置、すなわち、リューズ16の位置が、0段位置、1段位置、2段位置に規制されるとともに、ユーザーがクリック感を得ることができる。具体的には、突出ピン645が係合溝832に係合することで、巻真61の位置が0段位置に規制され、突出ピン645が係合溝833に係合することで、巻真61の位置が1段位置に規制され、突出ピン645が係合溝834に係合することで、巻真61の位置が2段位置に規制される。
延出部84は、カンヌキ65および小鉄レバー70が地板50から脱落することを防止している。
[修正レバー]
修正レバー90は、図4に示すように、ネジ(軸)902に揺動自在に取り付けられている。また、修正レバー90の文字板12側への移動は、ネジ902の頭部によって規制されている。ここで、地板50とネジ902の頭部との隙間は、修正レバー90が揺動可能な範囲で最小となるように設定されている。ここで、ネジ902は、ムーブメント2を文字板12側から見て、日車31と重なる位置に設けられている。
また、修正レバー90は、ネジ902が設けられる本体部91と、本体部91から屈曲部92を介して延出した規制部93と、本体部91から延出した係合規制部94とを備える。
本体部91には、小鉄レバー70の支持部72の先端部724と係合する係合穴911が設けられている。係合穴911は、前記平面視において、長穴状に細長く形成されている。小鉄レバー70が左回り(反時計回り)に移動すると、小鉄レバー70の先端部724が、係合穴911における小鉄レバー70の移動方向側の内側面を押し、これにより、修正レバー90が、左回りに移動する。また、小鉄レバー70が右回り(時計回り)に移動すると、小鉄レバー70の先端部724が、係合穴911における小鉄レバー70の移動方向側の内側面を押し、これにより、修正レバー90が、右回りに移動する。このように、修正レバー90は、小鉄レバー70に連動し、ネジ902を中心に揺動する。
規制部93は、オシドリ64の操作部646と日車31との間に設けられ、巻真61が0段位置にある場合、前記平面視において、貫通孔52およびオシドリ64の操作部646と重なるように設けられている。このため、巻真61が0段位置にある状態で、オシドリ64の操作部646が、貫通孔52に挿通された押圧部材で文字板12側に押され、オシドリ64が傾いた場合、操作部646は、規制部93の位置まで移動すると、規制部93に当接し、それ以上移動することが規制される。すなわち、規制部93は、操作部646の文字板12方向への移動量を決める度決め部として機能する。
なお、後述するように、規制部93は、巻真61が1段位置または2段位置に引き出された場合、前記平面視において、操作部646とは重ならないが、貫通孔52とは重なる。このため、巻真が1段位置または2段位置にある場合に、貫通孔52に押圧部材が挿通された場合、押圧部材は、規制部93の位置に到達すると、規制部93に当接し、それ以上の移動が規制される。
係合規制部94は、小鉄レバー70の支持部72の地板50側に位置し、詳しくは後述するが、巻真61が2段位置にある場合に、カレンダー修正車68の移動を規制し、カレンダー修正車68が、後述する曜修正車69と噛み合う(係合する)ことを規制する。
なお、修正レバー90は、非鉄金属ではない鉄や鉄を主成分とする合金等の金属で構成されている。修正レバー90は、作動部品のため、形状に制約があり、形状により剛性を確保することが難しいが、修正レバー90を非鉄金属ではない金属で構成することで、剛性を確保できる。また、修正レバー90を非鉄金属ではない金属で構成することで、修正レバー90の厚みを、0.2mm程度に設定でき、修正レバー90を非鉄金属で構成した場合の2/3〜1/2程度の厚さに設定できる。
[曜修正車]
曜修正車69は、図4に示すように、直線VLに対して、小鉄レバー70の軸701とは反対側に設けられ、曜星車321(図2、図3)と噛み合っている。
[0段位置での動作]
次に、リューズ16が0段位置にある場合の修正機構3の動作について説明する。
リューズ16が0段位置にある場合、オシドリ64の突出ピン645は、クリックばね部83の係合溝832と係合している(図3)。
そして、図4に示したように、オシドリ64の先端部643は、カンヌキ65の側面部654には当接していない。
この場合、図4に示したように、きち車62は、つづみ車63と係合しており、つづみ車63と一体で回転する。また、小鉄車66は、つづみ車63と離間しており、つづみ車63に連動して回転しない。
このため、リューズ16を左回転させると、きち車62が回転し、これにより、図示しない回転力伝達機構を介してゼンマイが巻き上げられる。なお、リューズ16を右回転させても、きち車62は回転しない。
なお、リューズ16を回転させても、小鉄車66は回転しないため、カレンダー修正伝え車67、カレンダー修正車68、日車31、曜車32は回転しない。
[1段位置]
次に、リューズ16が1段位置に引き出された場合の修正機構3の動作について説明する。
図5は、リューズ16が1段位置にある場合の修正機構3を示す図である。
リューズ16が0段位置から引き出されると、オシドリ64の突出ピン645が、クリックばね部83の係合溝832から移動し、係合溝833と係合する(図3参照)。これにより、リューズ16が1段位置に引き出される。リューズ16が0段位置から1段位置に引き出されると、巻真61に連動してオシドリ64が回転し、オシドリ64の先端部643が、カンヌキ65の側面部654に当接し、当該側面部654における前記平面視で山状に形成された部分に沿って移動する。これにより、カンヌキ65のばね部652が撓み、カンヌキ65の端部653が時計中心方向(きち車62から離れる方向)に移動し、つづみ車63は、巻真61に対して小鉄車66に近づく方向に移動する。これにより、つづみ車63は、きち車62と離間し、小鉄車66と噛み合う(係合する)。
なお、オシドリ64が移動することで、オシドリ64の突出ピン644は、小鉄レバー70の係合穴711内を移動するが、係合穴711の形状によって小鉄レバー70は移動しない。
ここで、リューズ16が0段位置または1段位置の場合における小鉄レバー70の移動位置を、第1移動位置とする。
また、オシドリ64が移動することで、オシドリ64の操作部646は、前記平面視において、貫通孔52と重ならない位置に移動する。このため、押圧部材を貫通孔52に挿通させても、押圧部材によって操作部646を押圧することはできず、係合部642と係合溝611の係合は外せない。
また、小鉄レバー70は移動しないため、修正レバー90も移動せず、修正レバー90の規制部93は、前記平面視において、貫通孔52と重なっている。
[1段位置でリューズ左回転]
図5に示すように、リューズ16を1段位置の状態で左回転させると、小鉄車66が右回り(時計回り)に回転し、カレンダー修正伝え車67も小鉄車66と一体で右回りに回転する。そして、カレンダー修正伝え車67に連動してカレンダー修正車68は左回り(反時計回り)に回転する。
このとき、カレンダー修正車68は、カレンダー修正伝え車67が右回りに回転することで、日車31に近づく方向の力を受けるので、軸受け穴722に沿って日車31に近づく方向に移動し、日車31の内歯車311と噛み合う(係合する)。これにより、日車31は、カレンダー修正車68に連動して左回りに回転する。このようにして、日付を修正できる。
[1段位置でリューズ右回転]
一方、図6に示すように、リューズ16を1段位置の状態で右回転させると、小鉄車66が左回りに回転し、カレンダー修正伝え車67も小鉄車66と一体で左回りに回転する。そして、カレンダー修正伝え車67に連動してカレンダー修正車68は右回りに回転する。
このとき、カレンダー修正車68は、カレンダー修正伝え車67が左回りに回転することで、日車31から離間する方向の力を受けるので、軸受け穴722に沿って日車31から離間する方向に移動し、日車31から離間し、曜修正車69と噛み合う(係合する)。これにより、曜修正車69は、カレンダー修正車68に連動して左回りに回転する。そして、曜車32は、曜修正車69に連動して、右回りに回転する。このようにして、曜日を修正できる。
なお、このとき、修正レバー90の係合規制部94は、前記平面視において、軸受け穴722と重なっていないため、カレンダー修正車68の移動は規制されない。
[2段位置]
次に、リューズ16が2段位置に引き出された場合の修正機構3の動作について説明する。
図7は、リューズ16が2段位置にある場合の修正機構3を示す図である。
リューズ16が1段位置から引き出されると、オシドリ64の突出ピン645が、クリックばね部83の係合溝833から移動し、係合溝834と係合する(図3参照)。これにより、リューズ16が2段位置に引き出される。リューズ16が1段位置から2段位置に引き出されると、巻真61に連動してオシドリ64が回転し、オシドリ64の突出ピン644は、小鉄レバー70の係合穴711内を移動する。これにより、小鉄レバー70が移動し、小鉄レバー70の支持部72は時計中心方向に移動する。これにより、小鉄車66は、時計中心方向に移動し、日の裏車41と噛み合う。
ここで、リューズ16が2段位置の場合における小鉄レバー70の移動位置を、第2移動位置とする。
また、オシドリ64が回転すると、オシドリ64の先端部643が、カンヌキ65の側面部654における前記平面視で山状に形成された部分に沿って移動する。これにより、カンヌキ65のばね部652がさらに撓み、カンヌキ65の端部653が時計中心方向に移動し、つづみ車63は、巻真61に対して小鉄車66に近づく方向にさらに移動する。これにより、つづみ車63と小鉄車66とが噛み合った状態が維持される。
また、小鉄レバー70に連動して修正レバー90が回転し、係合規制部94は、前記平面視において、軸受け穴722と重なる位置に移動する。
なお、オシドリ64の操作部646は、前記平面視において、貫通孔52と重ならず、修正レバー90の規制部93は、前記平面視において、貫通孔52と重なっている。
[2段位置でリューズ左回転]
図7に示すように、リューズ16を2段位置の状態で左回転させると、小鉄車66が右回りに回転し、小鉄車66に連動して日の裏車41が左回りに回転する。そして、日の裏車41に連動して筒車42等が右回りに回転することで、時針取付軸421や分針取付軸が回転する。
このようにして、分針22,時針23を右回りに回転させることができ、表示時刻を修正できる。
なお、カレンダー修正伝え車67は、小鉄車66と一体で右回りに回転する。この回転により、カレンダー修正車68は、日車31に近づく方向の力を受けるが、軸受け穴722の端に当接することで、日車31の内歯車311と噛み合う位置までは移動しない。このため、日車31は回転しない。
[2段位置でリューズ右回転]
一方、図8に示すように、リューズ16を2段位置の状態で右回転させると、小鉄車66が左回りに回転し、小鉄車66に連動して日の裏車41が右回りに回転する。そして、日の裏車41に連動して筒車42等が左回りに回転することで、時針取付軸421や分針取付軸が回転する。
このようにして、分針22,時針23を左回りに回転させることができ、表示時刻を修正できる。
なお、カレンダー修正伝え車67は、小鉄車66と一体で左回りに回転する。この回転により、カレンダー修正車68は、曜修正車69に近づく方向の力を受けるが、回転軸が修正レバー90の係合規制部94に当接することで、曜修正車69と噛み合う位置までは移動しない。このため、曜車32は回転しない。
なお、小鉄レバー70の軸701は、直線VLと垂直に交わり、かつ、小鉄レバー70が第1移動位置に位置する場合の小鉄車66の回転軸を通る第1垂直線L1(図5)と、直線VLと垂直に交わり、かつ、小鉄レバー70が第2移動位置に位置する場合の小鉄車66の回転軸を通る第2垂直線L2(図7、図8)との間に位置している。
[時計1Aの構成]
次に、時計1Aについて説明する。
図9は、時計1Aを示す正面図である。なお、時計1Aにおいて、時計1と同じ構成については、同じ符号を付与し、説明は省略する。
時計1Aでは、日車および曜車は設けられていないので、日および曜日は表示されない。すなわち、文字板12Aには、カレンダー小窓は設けられていない。また、時計1Aのムーブメント2A(図10)は、日車および曜車に加えて、日回し車、日回し中間車も備えていない。
また、時計1Aでは、リューズ16は、0段位置から1段だけ引くことができる。詳しくは後述するが、リューズ16を0段位置の状態で回転させることで、ゼンマイを巻き上げることができ、リューズ16を0段位置から1段引いた1段位置の状態で回転させることで、表示時刻を修正できる。
[時計1Aの修正機構]
時計1Aのムーブメント2Aが備える修正機構3Aについて説明する。ここでは、リューズ16が0段位置にある状態を説明する。
ここで、ムーブメント2Aは、本発明のカレンダー車を有さない時計ムーブメントの一例である。
図10に示すように、修正機構3Aは、カレンダー修正車、曜修正車、修正レバーを備えていない点で、時計1の修正機構3と相違する。
また、修正機構3Aでは、オシドリ64Aおよびカンヌキ65Aが、修正機構3のオシドリ64およびカンヌキ65と相違する。
修正機構3Aのその他の構成は、修正機構3と同じである。すなわち、地板50、巻真61、きち車62、つづみ車63、小鉄レバー70、小鉄車66、カレンダー修正伝え車67、裏押え80(図11)は、修正機構3と共通している。
[オシドリ]
オシドリ64Aは、時計1のオシドリ64と比べて、平面形状が異なっている。
具体的には、オシドリ64Aは、操作部646から地板50の外周に近づく方向に延出した延出部647を備えている。
時計1Aでは、巻真61が1段位置にある場合でも、操作部646と地板50の外周に形成された壁部53とが近接していないため、巻真61が1段位置を超えて引き出された場合、操作部646がすぐに壁部53に当接しないため、巻真61が引き出されることを規制できない。
このため、時計1Aでは、オシドリ64Aに延出部647を備え、巻真61が1段位置にある場合に、延出部647と壁部53とが近接するようにしている。これにより、巻真61が1段位置を超えて引き出された場合、延出部647がすぐに壁部53に当接することで、巻真61が引き出されることを規制でき、ムーブメント2Aが破壊されることを防止できる。
また、カンヌキ65Aを位置決めする先端部643の形状、および、先端部643の係合部642に対する位置が、オシドリ64と異なっている。
また、小鉄レバー70を位置決めする突出ピン644の係合部642に対する位置が、オシドリ64と異なっている。
また、クリックばね部83の係合溝と係合する突出ピン645の係合部642に対する位置が、オシドリ64と異なっている。なお、時計1Aでは、突出ピン645は、クリックばね部83の係合溝832〜834(図11)のうち、係合溝833,834と係合し、係合溝832とは係合しない。突出ピン645が、係合溝833と係合することで、巻真61の位置が0段位置に規制され、突出ピン645が、係合溝834と係合することで、巻真61の位置が1段位置に規制される。
ここで、オシドリ64Aは、本発明の第2オシドリの一例である。
[カンヌキ]
カンヌキ65Aは、時計1のカンヌキ65と比べて、平面形状が異なっている。
具体的には、オシドリ64Aの先端部643と当接する側面部654の形状が、カンヌキ65と異なっている。すなわち、カンヌキ65の側面部654には、前記平面視で山状に形成された部分が2つあるのに対し、カンヌキ65Aの側面部654には、当該部分が1つしかない。
ここで、カンヌキ65Aは、本発明の第2カンヌキの一例である。
なお、時計1Aでは、貫通孔52に挿通された押圧部材によってオシドリ64Aの操作部646が文字板12A側に押された場合の、操作部646の文字板12A側への移動は、地板50に固定された図示しない裏板に設けられた規制部によって規制される。すなわち、当該規制部は、オシドリ64Aと文字板12Aとの間であって、前記平面視において、貫通孔52および操作部646と重なる位置に設けられている。なお、時計1Aにおいても、時計1と同様に修正レバーを設け、当該修正レバーの規制部により、操作部646の移動が規制されるように構成してもよい。この場合、裏板に規制部を設ける必要がないため、裏板に曲げ加工等を行う必要がなく、裏板の加工を簡略化できる。
[0段位置での動作]
次に、リューズ16が0段位置にある場合の修正機構3Aの動作について説明する。
図11に示すように、リューズ16が0段位置にある場合、オシドリ64Aの突出ピン645は、クリックばね部83の係合溝833と係合している。
そして、図10に示したように、オシドリ64Aの先端部643は、カンヌキ65Aの側面部654には当接していない。
この場合、図10に示したように、オシドリ64Aの突出ピン644は、時計1の1段位置と同じ位置にあり、小鉄レバー70は、時計1の0段位置および1段位置と同じ移動位置、すなわち第1移動位置にある。
また、カンヌキ65Aの端部653は、時計1の0段位置と同じ位置にあり、きち車62は、つづみ車63と係合しており、つづみ車63と一体で回転する。また、小鉄車66は、つづみ車63と離間しており、つづみ車63に連動して回転しない。
このため、リューズ16を左回転させると、きち車62が回転し、これにより、図示しない回転力伝達機構を介してゼンマイが巻き上げられる。なお、リューズ16を右回転させても、きち車62は回転しない。
なお、オシドリ64Aの操作部646は、前記平面視において、貫通孔52と重なっている。
[1段位置での動作]
次に、リューズ16が1段位置に引き出された場合の修正機構3Aの動作について説明する。
図12は、リューズ16が1段位置にある場合の修正機構3Aを示す図である。
リューズ16が0段位置から引き出されると、オシドリ64Aの突出ピン645が、クリックばね部83の係合溝833(図11)から移動し、係合溝834(図11)と係合する。これにより、リューズ16が1段位置に引き出される。
図12に示すように、リューズ16が0段位置から1段位置に引き出されると、巻真61に連動してオシドリ64Aが回転し、オシドリ64Aの突出ピン644は、小鉄レバー70の係合穴711内を移動する。これにより、小鉄レバー70が、時計1の2段位置と同じ移動位置、すなわち第2移動位置に移動する。これにより、小鉄車66は、日の裏車41と噛み合う。
また、オシドリ64Aが回転すると、オシドリ64Aの先端部643が、カンヌキ65Aの側面部654に当接し、当該側面部654における前記平面視で山状に形成された部分に沿って移動する。これにより、カンヌキ65Aのばね部652が撓み、カンヌキ65Aの端部653が、時計1の2段位置と同じ位置に移動する。これにより、つづみ車63は、きち車62と離間し、小鉄車66と噛み合う(係合する)。
これにより、リューズ16を1段位置の状態で左回転または右回転させると、小鉄車66が回転し、小鉄車66に連動して日の裏車41が回転する。そして、日の裏車41に連動して筒車42等が回転することで、時針取付軸421や分針取付軸が回転する。
このようにして、分針22,時針23を回転させることができ、表示時刻を修正できる。
なお、リューズ16を0段位置から1段位置に引き出した場合の巻真61の軸方向の移動距離は、時計1におけるリューズ16を0段位置から2段位置に引き出した場合の巻真61の軸方向の移動距離よりも短い。これにより、例えば、リューズ16を0段位置から1段位置に引き出した場合の巻真61の移動距離が、時計1におけるリューズ16を0段位置から2段位置に引き出した場合の巻真61の移動距離と同じ場合と比べて、操作に節度を持たせることができ、リューズ16を引いたときの操作感を向上できる。
また、リューズ16が1段位置にある場合、オシドリ64Aの操作部646は、前記平面視において、貫通孔52と重なっていない。
[時計1および時計1Aの製造方法]
時計1は、地板50に、指針21〜23を駆動する輪列と、日回し車43と、日車31と、曜車32と、修正機構3などを取り付けることで製造できる。
修正機構3を取り付ける工程は、地板50に、オシドリ64、カンヌキ65、小鉄レバー70、修正レバー90、裏押え80、巻真61などを取り付ける工程を含む。
一方、時計1Aは、時計1と共通の地板50に、指針21〜23を駆動する時計1と共通の輪列と、修正機構3Aなどを取り付けることで製造できる。
修正機構3Aを取り付ける工程は、地板50に、オシドリ64Aと、カンヌキ65Aと、時計1と共通の小鉄レバー70、裏押え80、巻真61とを取り付ける工程を含む。
なお、時計の製造者が時計のムーブメントを販売する場合は、販売段階ではムーブメントに仮の巻真61が組み込まれ、販売先で仮の巻真61に替えて最終製品としての巻真61が組み込まれる場合もある。
このように、時計1と時計1Aとでは、図13に示す共通の巻真61が組み込まれている。
ここで、共通の巻真とは、少なくとも、外装ケース11の内側の部分の構成が共通している巻真を意図し、時計のサイズが異なるなどして、前記内側の部分よりも外側の部分の構成(例えば長さなど)が異なっていても、前記内側の部分の構成が共通であれば、共通の巻真と考える。なお、本実施形態では、時計1の巻真61と、時計1Aの巻真61とは、前記内側の部分の構成だけではなく、前記外側の部分の構成も同一である。
[実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、巻真61が引き出される段数が互いに異なるカレンダー車を有する時計1とカレンダー車を有さない時計1Aとで、巻真61を共通にできる。従って、時計に巻真を組み込む際、巻真の種類が減るため、作業者が巻真を選びやすくなり、作業が煩雑化することを抑制できる。また、時計に、対応していない巻真が誤って組み込まれることも抑制できる。
また、時計1と時計1Aとでは、オシドリおよびカンヌキ以外の地板50や小鉄レバー70や裏押え80などの部品は共通しているため、小規模な設計変更で、時計1および時計1Aを製造でき、開発コストを低減できる。
時計1では、カレンダー情報の修正および時刻情報の修正は、巻真61を通常の0段位置から1段位置または2段位置に引き出さないと行われない。また、時計1Aでは、時刻情報の修正は、巻真61を0段位置から1段位置に引き出さないと行われない。このため、例えば誤操作によって意図せずカレンダー情報や時刻情報が修正されることを抑制できる。
なお、ゼンマイの巻き上げは、意図せず行われたとしても問題ないため、0段位置に設定されている。
また、例えば時刻情報の修正が1段位置に設定され、カレンダー情報の修正が2段位置に設定されている場合は、カレンダー情報のみ修正したいと考え、巻真61を2段位置に引き出した場合でも、巻真61が一時的に1段位置の状態となり時刻情報の修正が可能な状態となる。ここで、時刻情報の修正が可能な状態にある場合は、指針の駆動が停止されることがある。このため、カレンダー情報のみ修正したい場合に、時刻情報がずれてしまう可能性がある。これに対して、時計1によれば、カレンダー情報の修正が1段位置に設定され、時刻情報の修正が2段位置に設定されているため、カレンダー情報のみ修正する場合に、時刻情報がずれてしまうことを防止できる。
[他の実施形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態の時計1では、巻真61が0段位置にある場合にゼンマイの手巻きが行われ、巻真61が1段位置にある場合にカレンダー情報の修正が行われ、巻真61が2段位置にある場合に時刻情報の修正が行われるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、巻真61の位置(0段位置、1段位置、2段位置)に対して、ゼンマイの手巻き、カレンダー情報の修正、時刻情報の修正が、どのように割り当てられていてもよい。
また、時計1Aでは、巻真61が0段位置にある場合にゼンマイの手巻きが行われ、巻真61が1段位置にある場合に時刻情報の修正が行われるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、巻真61が0段位置にある場合に時刻情報の修正が行われ、巻真61が1段位置にある場合にゼンマイの手巻きが行われてもよい。
また、時計1および時計1Aにおいて、ゼンマイの手巻き機能はなくてもよい。
前記実施形態の時計1では、巻真61を2段引くことができ、時計1Aでは、巻真61を1段引くことができるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、時計1および時計1Aにおける巻真61を引くことができる段数は、他の段数であってもよい。
前記実施形態では、時計1は、カレンダー車として、日車31および曜車32を備えているが、本発明はこれに限定されない。例えば、日車31および曜車32の一方のみを備えていてもよいし、日車31や曜車32に加えて、または替えて、月を表示する月車を備えていてもよい。
1,1A…時計、16…リューズ、2,2A…ムーブメント、3,3A…修正機構、31…日車、32…曜車、50…地板、61…巻真、62…きち車、63…つづみ車、64,64A…オシドリ、65,65A…カンヌキ、70…小鉄レバー、80…裏押え。

Claims (5)

  1. 地板と、巻真と、オシドリと、カンヌキとを備える時計ムーブメントの製造方法であって、
    カレンダー車を有する時計ムーブメントに対応した第1オシドリおよび第1カンヌキの組と、カレンダー車を有さない時計ムーブメントに対応した第2オシドリおよび第2カンヌキの組とのうち、製造する時計ムーブメントに応じた組を選択して前記地板に取り付ける工程と、
    カレンダー車を有する時計ムーブメントおよびカレンダー車を有さない時計ムーブメントで共通する巻真を、前記地板に取り付ける工程と、を有する
    ことを特徴とする時計ムーブメントの製造方法。
  2. 地板と、前記地板に取り付けられる巻真、オシドリ、およびカンヌキとを備える時計ムーブメントであって、
    前記オシドリおよび前記カンヌキは、カレンダー車を有する時計ムーブメントに対応した第1オシドリおよび第1カンヌキの組と、カレンダー車を有さない時計ムーブメントに対応した第2オシドリおよび第2カンヌキの組とのいずれか一方であり、
    前記巻真は、カレンダー車を有する時計ムーブメントおよびカレンダー車を有さない時計ムーブメントで共通する
    ことを特徴とする時計ムーブメント。
  3. 請求項2に記載の時計ムーブメントを備える
    ことを特徴とする時計。
  4. 請求項3に記載の時計において、
    指針と、
    カレンダー車と、
    時計の駆動力を出力するゼンマイと、を備え、
    前記時計ムーブメントは、前記第1オシドリおよび前記第1カンヌキを備え、
    前記巻真が時計の中心に向かって押し込まれた0段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記ゼンマイの巻き上げが可能な状態となり、
    前記巻真が前記0段位置から1段引かれた1段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記カレンダー車によって表示されるカレンダー情報の修正が可能な状態となり、
    前記巻真が前記0段位置から2段引かれた2段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記指針によって表示される時刻情報の修正が可能な状態となる
    ことを特徴とする時計。
  5. 請求項3に記載の時計において、
    指針と、
    時計の駆動力を出力するゼンマイと、を備え、
    前記時計ムーブメントは、前記第2オシドリおよび前記第2カンヌキを備え、
    前記巻真が時計の中心に向かって押し込まれた0段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記ゼンマイの巻き上げが可能な状態となり、
    前記巻真が前記0段位置から1段引かれた1段位置にある場合、前記巻真の回転により、前記指針によって表示される時刻情報の修正が可能な状態となる
    ことを特徴とする時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021165727A (ja) * 2020-04-06 2021-10-14 ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス 携行型時計の機能を制御するデバイス

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