JP4957407B2 - 指針式電子時計、およびその運針制御方法 - Google Patents
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このような構成によれば、大きな表示指針においては、秒針が設けられていなくても、分針の位置で秒の値が、おおよそ把握できる利点がある。
しかしながら、このような構成の電子時計では、大きな表示指針の時刻を基準として、小さな表示指針の時刻を設定、修正などする場合、大きな表示指針の針の取付精度の影響も加味され、大きな表示指針で指示される時刻を正しく読み取れず、小さな表示指針に誤った時刻を設定してしまうおそれがあるという問題がある。例えば、大きな表示指針でローカルタイムを表示し、小さな表示指針でホームタイムを表示している際に、実際のローカルタイム時刻が9分55秒であったが、指針の取付精度などの影響でローカルタイム時刻を10分00秒と読み取って、ホームタイム表示指針を10分に修正した場合、誤った時刻に修正してしまうという問題がある。
例えば、通常運針モードにおいて、第一指針が第一ステッピングモータにより5秒間隔で1ステップずつ運針されて12ステップで1分の目盛分(回転角度6度)だけ運針され、第二指針が第二ステッピングモータにより1分間隔で1ステップずつ運針されて1ステップで1分の目盛分だけ運針される指針式電子時計において、第一指針が例えば9分45秒を示す指針位置に位置し、モード切替手段により第二指針修正モードに切り替えられた場合、運針制御手段は、次のような制御をする。
すなわち、運針制御手段は、第一指針を第二駆動間隔に対応する基準時間単位である1分単位の位置に移動させる。例えば、第一指針が第一時針および第一分針で構成され、第一時刻表示目盛が1分毎の分表示目盛を備えて構成されている場合、第一分針を各分表示目盛の位置(00秒位置)に移動させる。その後、運針制御手段は、第一指針および第二指針を第二駆動間隔である1分間隔で運針させる制御をする。
これにより、第二指針修正モードにおいて、第一指針が第二駆動間隔に対応する基準単位の指針位置(例えば1分毎の分表示目盛の目盛位置)に移動され、第一指針および第二指針の双方が第二駆動間隔で駆動されるため、第一指針が5秒間隔で運針されている場合に比べて、正確な指針位置を容易に読み取ることができる。
したがって、第二指針の指針位置を第一指針の指針位置に基づいて修正する際に、第一指針の指針位置の誤認による誤修正を防止することができ、かつ第一指針および第二指針が同じ駆動間隔で駆動されている状態で第二指針を修正できるため、第一指針に基づく第二指針の時刻修正を正確にかつ容易に実施することができる。
この発明によれば、運針制御手段は、第一指針を第二駆動間隔に対応した基準時間単位の指針位置のうち、第一指針を反時計回り方向に移動させた際に最初に位置する指針位置まで反時計回り方向に移動させる制御をする。例えば、通常運針モードにおいて、第一指針が5秒間隔でステップ運針され、第二指針が1分間隔で運針される指針式電子時計において、第一指針が例えば9分45秒を示す指針位置に位置している場合、運針制御手段は、運針状態が第二修正モードに切り替わったことを認識すると、第一指針を反時計回り方向に移動させて9分00秒を示す指針位置に移動させる。その後、運針制御手段は、内部カウンタの分が桁上がりして10分になった時点で第一指針および第二指針が第二駆動間隔(1分間隔)で運針されるため、第一指針も10分を指示する指針位置に移動させる。
これにより、第二指針修正モードに切り替わった際に、第一指針が現在の時刻を明確に示す指針位置に移動されるため、第一指針の誤認をより確実に防止できる。また、第一指針を時計回り方向に移動させる場合では、第二修正モードに切り替わった後の最初の指針桁上げ処理が実施された際に、時刻のずれをなくすために、第一指針を移動させずに第二指針のみを移動させ、その後の指針桁上げ処理において、第一指針および第二指針を同一駆動間隔で移動させるなど、煩雑は処理が必要となる。これに対して、上記発明では、第一指針が反時計回り方向に移動されているため、最初の指針桁上げ処理の実施時から第一指針および第二指針を同一駆動間隔で移動させるだけで、時刻のずれなどが発生せず、容易に第一指針および第二指針の運針制御を実施することができる。
この発明によると、第二指針は、第二指針修正モードにおいて、前記運針制御手段による第二駆動間隔での運針制御、および前記修正制御部による前記操作部の操作状態に対応する移動制御により、所定の指針位置に移動される。すなわち、本発明の指針式電子時計は、第二指針修正モードにおいて、第二指針の通常運針モードの運針を維持し、かつ修正制御部の制御に対応した分だけ第二指針を移動させる制御をする。これにより、第一指針が運針中に第二指針を修正でき、第一指針の時刻を常時確認しながら修正できるとともに、第二指針は第一指針とともの同じ駆動間隔で運針され続けるため、操作部では各指針のずれ量のみを加算して修正すればよく、修正操作が容易になる。したがって、例えば第一指針でローカルタイムを表示させ、第二指針でホームタイムを表示させる、いわゆるデュアルタイム表示式の指針式電子時計などにおいて、ローカルタイムとホームタイムとの時差分を修正する際に、例えば秒単位のずれを防止することができ、時刻修正を正確かつ容易に実施できる。
前記運針制御手段は、前記モード切替手段により前記運針状態が前記第二指針修正モードから前記通常運針モードに切り替えられたことを認識すると、前記第一指針を前記第一駆動間隔に対応した基準時間単位の指針位置のうち、前記内部カウンタにてカウントされる時間に対応した指針位置に移動させた後、前記第一指針を前記第一駆動間隔で時計回り方向に運針させることが好ましい。
この発明によれば、指針式電子時計は時間をカウントする内部カウンタを備えている。そして、第二指針修正モードから通常運針モードに切り替えられるなどして、第二指針修正モードが終了すると、運針制御手段は、第一指針を第一駆動間隔に対応した基準時間単位の指針位置のうち、内部カウンタにてカウントされる時間に対応した指針位置まで時計周り方向に移動させる制御をする。
例えば、通常運針モードにおいて、第一指針が5秒間隔でステップ運針され、第二指針が1分間隔で運針される指針式電子時計において、第一指針が例えば10分を示す指針位置に位置し、例えば内部カウンタが10分30秒以上10分35秒未満をカウントしている際に、モード切替手段により第二指針修正モードから通常運針モードに運針状態が切り替えられると、運針制御手段は、第一指針を時計回り方向に移動させて10分30秒を示す指針位置に移動させる。その後、運針制御手段は、内部カウンタが5秒をカウントする時点で第一指針を第一駆動間隔(5秒)で運針させる。
これにより、第二指針修正モードから通常運針モードなどに切り替わった際に、第一指針により例えば秒単位の現在の時刻を示すことが可能となり、現在時刻のより詳細な時刻を表示させることができる。この時、第一指針は、内部カウンタに対応した指針位置に移動されるため、第二指針修正モードから通常運針モードに切り替わった際に、時刻がずれるなどの不都合がなく、正確な時間を表示させることができる。
この発明によると、例えば、n=12に設定されている場合、第一指針は1/12分=5秒間隔で運針されるため、分針の位置で秒の値も把握できる。また、第二指針修正モードでは、第一分針は1分間隔の目盛位置に移動され、第二分針とともに1分間隔で運針されるため、第一指針の指示を正確に読み取ることができ、この第一指針の指示に基づいて第二指針を容易にかつ正確に修正できる。
この発明では、上記発明と同様に、第二指針を第一指針の指針位置に基づいて修正する場合に、第一指針が第二駆動間隔に対応する基準単位の指針位置に移動され、かつ第一指針および第二指針の双方が第二駆動間隔で駆動される。これにより、第一指針が示す時刻が確認しやすくなり、指針位置の読み誤りなどの不都合を防止できる。したがって、第二指針の指針位置を第一指針の指針位置に基づいて修正する際に、第一指針の指針位置の誤認による誤修正を防止することができ、第二指針の正確な時刻修正の実施を支援することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る指針式電子時計における通常運針モードにおける時刻表示を示す平面図である。
図2は、前記実施の形態の指針式電子時計の概略構成を示すブロック図である。
外装ケース10は、例えば略筒状の胴部、この胴部の両端側に設けられて該胴部を挟持する風防および裏蓋を備えている。風防は、例えばガラスなどの透明基材により形成され、内部に設けられる文字板13が外部から視認可能な構成となっている。また、外装ケース10の胴部には、例えば径方向に突出するリューズ11、および設定ボタン12が設けられている。
なお、本実施の形態では、外装ケース10の径方向に対して進退自在に設けられるリューズ11や設定ボタン12を例示するが、例えば回転自在に設けられ、回転角度に応じた操作信号を出力する操作つまみなど、その他の駆動方式の操作部を設ける構成などとしてもよい。また、これらの操作部の数もこれに限られず、例えばリューズ11と複数の設定ボタン12を有するものであってもよく、例えばリューズ11が進退自在かつ回転自在に設けられて設定ボタン12の機能をも有する構成などとしてもよい。
第一時刻表示目盛131は、文字板13の外周に略沿って形成され、外周を60分割する分表示目盛を備えている。なお、分表示目盛のうち、外周を12分割する位置の目盛は、他の目盛よりも長く形成され、時表示目盛としても兼用されている。また、時表示目盛に対応して、各時間を表示する例えば「1,2,3・・・12」といった時間表示部が設けられる構成としてもよい。
第二時刻表示目盛132は、図1に示すように、文字板13の中心と外周縁との間に設けられている。具体的には、文字板13の中心に対して6時方向に位置に設けられている。この第二時刻表示目盛132には、例えば円形に形成される枠の内周部を例えば12分割した12時間制の目盛が配置されている。なお、第二時刻表示目盛132に、1周で24時間を表示可能な24時間制目盛が配置される構成などとしてもよい。
なお、第二時刻表示目盛132は、図1に示すように、第一時刻表示目盛131の6時の方向に設けられる場合に限らず、例えば文字板13の中心に対して9時方向等、その他の位置に設けられていてもよい。
第一指針14は、文字板13の第一時刻表示目盛131の中心に配置された回転軸に接続された第一分針141および第一時針142を備えており、第二指針15に比べて大きな表示指針とされている。
第一分針141および第一時針142は、通常の時計と同様に、第一ステッピングモータ21(図2参照)からの駆動力が伝達される第一駆動伝達部23(図2参照)に連結され、互いに連動して回転駆動される。
また、第一指針14の第一分針141および第一時針142は、1/12分すなわち5秒の駆動間隔(第一駆動間隔)でステップ運針される。なお、第一時刻表示目盛131の各分目盛間の中心角は360度/60=6度であるため、第一分針141は第一ステッピングモータ21の1ステップで6度/12=0.5度だけ回転される。また、第一時針142は、1時間で30度、つまり1分で0.5度回転されるため、第一ステッピングモータ21の1ステップで0.5度/12だけ回転される。
第二分針151および第二時針152も、通常の時計と同様に、第二ステッピングモータ22(図2参照)からの駆動力が伝達される第二駆動伝達部24(図2参照)に連結され、互いに連動して回転駆動される。
また、第二指針15の第二分針151および第二時針152は、1分の駆動間隔(第二駆動間隔)でステップ運針される。なお、第二分針151は第二ステッピングモータ22の1ステップで360度/60=6度だけ回転され、第二時針152は30度/60=0.5度だけ回転される。
従って、第二駆動間隔(1分)は第一駆動間隔(5秒)よりも大きく設定されている。
第一駆動伝達部23は、複数のギア群から構成され、これらのギア群を介して第一ステッピングモータ21からの駆動力を、第一指針14の第一分針141を保持する軸部および第一時針142を保持する軸部に伝達する。この駆動力により軸部が所定の駆動間隔で所定角度だけ回転駆動し、第一指針14の第一分針141および第一時針142を所定の角度だけ回転させる。
第二駆動伝達部24は、複数のギア群から構成され、これらのギア群を介して第二ステッピングモータ22からの駆動力を、第二指針15の第二分針151および第二時針152を保持する各軸部に伝達する。この駆動力により軸部が所定の駆動間隔で所定角度だけ回転駆動し、第二指針15の第二分針151および第二時針152を所定の角度だけ回転させる。
また、この時、修正制御部254は、モード切替制御部253にから入力されるモード信号に基づいて、第二指針修正モードに対応するモード信号が入力された場合には、第二指針駆動制御部257に、第一指針修正モードに対応するモード信号が入力された場合には、第一指針駆動制御部256に、それぞれ時刻修正信号を出力する。
具体的には、第二指針修正モードに対応するモード信号が入力された場合には、間隔制御部255は、まず、第一指針駆動制御部256に第一分針141の指針位置の位置補正を実施する旨の第一指針補正信号を出力し、その後、第一指針14の駆動間隔を第二駆動間隔(1分)に切り替える駆動間隔設定信号を出力する。
一方、それ以外のモード信号が入力された場合には、間隔制御部255は、第一指針14の駆動間隔を第一駆動間隔(5秒)に切り替える駆動間隔設定信号を出力する。
第二指針駆動制御部257は、第二ステッピングモータ22に印加するパルス信号を制御し、第二指針15の運針を制御する。
ここで、各内部カウンタは、少なくとも秒カウンタおよび分カウンタを備えている。
秒カウンタは、例えば水晶振動子などの基準振動子からの基準信号に基づいて秒をカウントする。例えば基準振動子から1Hzの基準信号が出力されている場合、その信号60カウントつまり60秒でループするカウンタである。
また、分カウンタは、1Hzの基準信号を60回係数したところで1カウントし、60カウント、すなわち60分でループするカウントである。なお、秒カウンタが60カウントするごとに秒カウンタから分カウンタに信号を出力して分カウンタをカウントアップさせてもよい。
また、モード切替制御部253からのモード信号によって、第二指針修正モードに設定された状態で、修正制御部254から設定ボタン12の操作に応じた指針修正信号が入力されると、第二指針駆動制御部257は、分カウンタを修正時間分カウントアップし、カウントアップに対応するパルス信号を第二ステッピングモータ22に出力して第二指針15を移動させる。
従って、第二指針駆動制御部257は、第二指針修正モードにおいては、1分間隔での通常のステップ運針に加えて設定ボタン12による操作分の指針移動制御を行うことで、第二指針15の位置を修正している。
また、モード切替制御部253からのモード信号によって、第一指針修正モードに設定された状態で、修正制御部254から設定ボタン12の操作に応じた指針修正信号が入力されると、第一指針駆動制御部256は、分カウンタを修正時間分カウントアップし、カウントアップに対応するパルス信号を第一ステッピングモータ21に出力して(1分カウントアップする毎に、12ステップ分のパルス信号を早送りして)第一指針14を移動させる。
従って、第一指針駆動制御部256は、第一指針修正モードにおいては、設定ボタン12による操作分の指針移動制御を行うことで、第一指針14の位置を修正している。
次に、上記したような指針式電子時計100の動作について、図面に基づいて説明する。
図3は、前記実施の形態の指針式電子時計における第二指針修正モードにおける時刻表示を示す平面図である。
図4は、本実施の形態の指針式時計の第一指針の運針動作を示すフローチャートである。
図5は、本実施の形態の指針式時計の第二指針の運針動作を示すフローチャートである。
すなわち、指針式電子時計100では、リューズ11が移動されると、リューズ位置検出部251からモード切替制御部253に所定の検出信号が入力される。また、モード切替制御部253は、入力された検出信号により、リューズ11がどの位置に移動されたかを認識し、時計のモード選択処理を実施する。
そして、制御部25は、このAフラグに、第一分針141の位置補正を実施した旨の1が記録されているか否かを判断する(ステップS102)。
第一指針駆動制御部256は、間隔制御部255から入力されるこの第一指針補正信号が入力されると、第一ステッピングモータ21に所定の駆動パルス電圧を印加して、第一分針141を第二分針151の駆動間隔に対応する分表示目盛、すなわち最も近接する正分まで反時計回り方向に移動させる制御をする。例えば、第一分針141が図1に示すように、9分30秒を示す指針位置に位置する場合には、図3に示すように、第一分針141を、9分00秒を示す指針位置まで移動させる(ステップS103)。
このステップS103の後、制御部25は、Aフラグに1を記録し、すなわち、第一分針141が補正された旨のフラグ情報をメモリに記録する(ステップS104)。
これにより、第一指針駆動制御部256は、入力された駆動間隔設定信号に基づいて、第二駆動間隔(1分)毎に第一ステッピングモータ21に印加するパルス信号を制御して第一指針14を運針させる制御をする。
すなわち、第一指針駆動制御部256は、内蔵された内部カウンタの分カウンタが1カウントアップしたか否かを判断する(ステップS105)。そして、このステップS105において、第一指針駆動制御部256は、分カウンタが1カウントアップした場合に、第一ステッピングモータ21にパルス信号を出力し、第一ステッピングモータ21を第二駆動間隔(1分間隔)で駆動して第一指針14を1分間隔でステップ運針させる。この時、第一指針駆動制御部256は、第一分針141を12ステップ分早送り駆動させ、第一分針141を1分毎に6度時計回り方向に回転させる(ステップS106)。
また、間隔制御部255は、第一指針駆動制御部256に、第一指針14の駆動間隔を第一駆動間隔(5秒)に切り替える駆動間隔設定信号を出力する。これにより、第一指針駆動制御部256は、秒カウンタが5カウントアップした場合に、第一ステッピングモータ21にパルス信号を出力し、第一ステッピングモータ21を第一駆動間隔(5秒間隔)で駆動して第一指針14を5秒間隔でステップ運針させる。
すなわち、第一指針駆動制御部256は、AフラグおよびBフラグが0であることを認識すると、第一駆動間隔(5秒)毎に第一ステッピングモータ21に印加するパルス信号を制御して第一指針14を運針させる制御をする。すなわち、第一指針駆動制御部256は、内蔵された内部カウンタの秒カウンタが5カウントアップしたか否かを判断する(ステップS110)。そして、このステップS110において、第一指針駆動制御部256は、秒カウンタが5カウントアップした場合に、第一ステッピングモータ21にパルス信号を出力し、第一ステッピングモータ21を第一駆動間隔(5秒間隔)で駆動して第一指針14を5秒間隔でステップ運針する。この時、第一指針駆動制御部256は、第一分針141を1ステップ分駆動させ、第一分針141を5秒毎に0.5度時計回り方向に回転させる(ステップS111)。
そして、制御部25は、Bフラグに、第一分針141の位置を補正した旨の1が記録されているか否かを判断する(ステップS112)。
第一指針駆動制御部256は、間隔制御部255からこの第一指針補正信号が入力されると、第一ステッピングモータ21に所定の駆動パルス電圧を印加して、最も近接する正分まで時計回り方向に移動させる制御をする。例えば、第一分針141が9分30秒を示す指針位置に位置する場合には、第一分針141を、10分00秒を示す指針位置まで移動させる(ステップS113)。
この後、間隔制御部255は、メモリのBフラグに、第一分針141の指針位置を補正した旨の1を記録する(ステップS114)。
すなわち、制御部25のスイッチ検出部252は、設定ボタン12の押下状態を認識し、押下認識信号を修正制御部254に出力する(ステップS115)。また、修正制御部254は、押下認識信号に基づいて、時刻修正信号を第一指針駆動制御部256に出力する。
そして、第一指針駆動制御部256は、修正制御部254からの時刻修正信号の入力を認識すると、時刻修正信号に対応した分だけ第一分針141を進ませる制御をする。例えば、第一指針駆動制御部256は、設定ボタン12をm回押下された旨の時刻修正信号が入力されると、第一ステッピングモータ21を制御して、第一分針141を12ステップ分(6度)早送り運針させる処理をm回実施する(ステップS116)。
図5に示すように、指針式電子時計100のリューズ11が移動されると、リューズ位置検出部251は、モード切替制御部253に所定の検出信号を出力する。また、モード切替制御部253は、入力された検出信号により、リューズ11がどの位置に移動されたかを認識し、時計のモード選択処理を実施する。
また、修正制御部254は、ステップS202にて設定ボタン12の押下が認識され、押下状態に応じた押下認識信号がスイッチ検出部252から入力されると、時刻修正信号を第二指針駆動制御部257に出力する。
上述したように、上記指針式電子時計100では、モード切替制御部253は、リューズ11が第二指針15の修正に対応する第一引出位置状態RM1に移動された旨の検出信号が認識されると、修正制御部254および間隔制御部255に第二指針修正モードに対応するモード信号を出力する。そして、間隔制御部255は、この第二指針修正モードに対応するモード信号を認識すると、第一分針141を第二分針の駆動間隔に対応する指針位置、すなわち正分に移動させる制御をし、第一指針14の駆動間隔を第二駆動間隔(1分)に切り替える駆動間隔設定信号を第一指針駆動制御部256に出力する。そして、第一指針駆動制御部256は、第一分針141を、第二分針151の駆動間隔と同一間隔で移動させる制御をする。
また、通常運針モードでは、第一指針14を第一駆動間隔(5秒)で駆動させるので、秒針がなくとも秒単位での時刻を表示させることができる。
このため、リューズ11を第一引出位置状態に移動させると、操作者が現在時刻を確認しやすい正分に第一分針141を反時計回り方向に移動させるので、第一分針141の誤認などをより確実に防止することができ、より正確な時刻修正を支援することができる。また、第二指針修正モードにおいて、第一指針14および第二指針15の双方を1分毎に運針させる制御をすればよいので、これらの第一指針14および第二指針15の運針制御が複雑化しないので、簡単な構成で運針制御を実施することができる。
このため、第二指針修正モードが終了すると、第一分針141が、通常運針モードにおける第一分針141の駆動間隔に対応する所定位置に戻されて、通常運針モードに対応する駆動間隔で運針駆動される。したがって、第一指針14にて正確な時間を表示させることができ、第二修正モードから通常運針モードに復帰した際の時刻ずれなどの不都合を防止できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 第一ステッピングモータおよび第二ステッピングモータと、
前記第一ステッピングモータにより駆動される第一指針と、
前記第二ステッピングモータにより駆動される第二指針と、
前記第一指針に対応する第一時刻表示目盛および前記第二指針に対応する第二時刻表示目盛を備える文字板と、
前記第一指針および前記第二指針の運針状態を、少なくとも通常運針モードおよび前記第二指針の指針位置を修正する第二指針修正モードのいずれかに切替可能なモード切替手段と、
前記各指針の駆動を制御する運針制御手段と、
を具備し、
前記運針制御手段は、
前記通常運針モードでは、前記第一指針を第一駆動間隔で運針し、前記第二指針を前記第一駆動間隔よりも大きい第二駆動間隔で運針させ、
前記モード切替手段により、前記第二指針修正モードに切り替えられたことを認識すると、前記第一指針を、前記第二駆動間隔に対応した基準時間単位の指針位置に移動させた後、前記第一指針を前記第二駆動間隔で運針させる
ことを特徴とする指針式電子時計。 - 請求項1に記載の指針式電子時計であって、
前記運針制御手段は、前記モード切替手段により前記運針状態が前記第二指針修正モードに切り替えられたことを認識すると、前記第一指針を前記第二駆動間隔に対応した基準時間単位の指針位置のうち、第一指針を反時計回り方向に移動させた際に最初に位置する前記第一時刻表示目盛の指針位置に移動させた後、前記第一指針を前記第二駆動間隔で時計回り方向に運針させる
ことを特徴とする指針式電子時計。 - 請求項1または請求項2に記載の指針式電子時計であって、
第二指針を移動させる旨の操作内容を入力可能な操作部と、
前記操作部の操作状態に応じて、前記第二指針を移動させる制御をする修正制御部と、を備え、
前記第二指針は、前記運針制御手段による第二駆動間隔での運針制御、および前記修正制御部による前記操作部の操作状態に対応する移動制御により移動されて指針位置が修正される
ことを特徴とする指針式電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の指針式電子時計であって、
時間をカウントする内部カウンタを備え、
前記運針制御手段は、前記モード切替手段により前記運針状態が前記第二指針修正モードから前記通常運針モードに切り替えられたことを認識すると、前記第一指針を前記第一駆動間隔に対応した基準時間単位の指針位置のうち、前記内部カウンタにてカウントされる時間に対応した指針位置に移動させた後、前記第一指針を前記第一駆動間隔で時計回り方向に運針させる
ことを特徴とする指針式電子時計。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の指針式電子時計であって、
前記第一指針は、第一時針および第一分針を備え、
前記第二指針は、第二時針および第二分針を備え、
前記第一時刻表示目盛は、1分毎の分表示目盛を備えて構成され、
前記運針制御手段は、
前記通常運針モードにおいて、前記第一駆動間隔として1/n分間隔(nは正の整数)に設定して前記第一指針を1/n分間隔でステップ運針し、前記第二駆動間隔として1分間隔に設定して第二指針を1分間隔でステップ運針し、
前記第二指針修正モードにおいて、前記第一分針を1分間隔の目盛位置に移動させた後、前記第一指針を1分間隔で運針させる
ことを特徴とする指針式電子時計。 - 第一ステッピングモータおよび第二ステッピングモータと、前記第一ステッピングモータにより駆動される第一指針と、前記第二ステッピングモータにより駆動される第二指針と、前記第一指針に対応する第一時刻表示目盛および前記第二指針に対応する第二時刻表示目盛を備える文字板と、を具備し、前記第一指針および前記第二指針の運針状態を、少なくとも通常運針モードおよび前記第二指針の指針位置を修正する第二指針修正モードのいずれかに切替可能で、前記運針状態に対応して前記各指針の駆動間隔が制御される指針式電子時計の運針制御方法であって、
前記第一指針および前記第二指針の運針状態が通常運針モードから第二指針修正モードに切り替えられたことを認識すると、前記第一指針を、前記第二駆動間隔に対応した基準時間単位の指針位置に移動させた後、前記第一指針を前記第二駆動間隔で運針させる制御をする
ことを特徴とする運針制御方法。
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