以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るカード形成媒体C1は、例えば図1及び図2に示すようなゲームカード発行装置Xに供給され、印刷部4による印刷後に発行されるゲームカードCを形成するものであり、ゲームカード形成媒体として利用可能なものである。ここで、ゲームカード発行装置Xは、本発明のカード発行装置に相当するものである。
ゲームカード発行装置Xは、少なくともディスプレイG2、操作入力デバイスG3、コイン投入口G4、及びゲームカード発行部5を、ゲーム機筐体G1のうちゲームをプレイする人(以下、プレイヤ)から視認可能な適宜の位置に配置し、コイン投入口G4にコインが投入された後に、ROMやHDDなどの記憶装置(図示省略)に格納されたゲームデータ(ゲームプログラムや演出用データなど)を読み出してディスプレイG2に表示し、操作入力デバイスG3を用いたプレイヤの操作に基づいて、ディスプレイG2に表示する映像を変化させながらゲームを実行し、ゲーム終了後にゲームカード発行部5から1枚のゲームカードCを排出して発行するものである。本実施形態では、ゲームカード発行部5をゲームカード排出口によって構成している。また、ゲーム機筐体G1の適宜の位置には、図示しないスピーカを設け、ゲーム中の効果音や操作説明等の音声をスピーカから出力可能に構成している。
ディスプレイG2及び操作入力デバイスG3は周知のものを適用することができ、サイズや形状、数、種類、タッチパネル式であるか否か、データ読込可能(スキャン機能)の有無等に関しては適宜設定することが可能である。
本実施形態に係るゲームカード発行装置Xは、プレイヤが行うゲームの内容や結果に応じてゲームカードCの印刷内容であるプリントパターンを決定して、ゲーム機筐体G1内においてプリントパターンに応じた印刷内容をオンデマンドで印刷し、その印刷処理を完了したゲームカードCをゲームカード発行部5から払い出すように構成されている。また、本実施形態に係るゲームカード発行装置Xでは、プレイヤによる1回のゲームを通じて、少なくとも一部に特殊印刷が施された特殊印刷部分C6を有する特殊ゲームカードCP(プレミアムカード)、または特殊印刷部分C6を有しない通常ゲームカードCC(コモンカード)の何れかのゲームカードCをゲームカード発行部5から排出して発行するように設定している。
ここで、特殊印刷とは、ホログラム加工や、金、銀或いは蛍光色等の特色印刷、不可視インクを包含する意味である。本実施形態では、ホログラム加工処理及び特色印刷処理の両方が施された特殊印刷部分C6を有する特殊ゲームカードCPを発行可能に設定している。
本実施形態のゲームカード発行装置Xは、ゲーム機筐体G1の内部にゲームカードプリンタPを配置している。本実施形態で適用するゲームカードプリンタPは、図3に示すように、ゲームカードCを形成する媒体であるゲームカード形成媒体C1を供給可能な給紙部1と、給紙部1から送り出されたゲームカード形成媒体C1をプリンタ筐体2の前後方向に延伸する搬送路30に沿って搬送する搬送部3と、搬送路30に沿って搬送されるゲームカード形成媒体C1に印刷を施す印刷部4と、印刷処理を施して完成品となったゲームカードCを排出して発行するゲームカード発行部5とを備えたものである。本実施形態では、プリンタ筐体2の内部空間に、給紙部1、搬送部3及び印刷部4を配置し、ゲームカード発行部5をプリンタ筐体2の前面21Aに開口させている。また、本実施形態のゲームカードプリンタPは、ゲームカード形成媒体C1のオモテ面及びウラ面の両面に印刷を施す両面ゲームカードプリンタPであり、プリンタ筐体2の内部空間に、ゲームカード形成媒体C1の表裏面を反転させる反転部6を備えている。
本実施形態に係るゲームカード形成媒体C1は、図4に示すように、印刷部4による印刷対象面である印刷領域C2が設定されたゲームカード本体部C3(本発明の「カード本体部」に相当)と、ゲームカード本体部C3に一体に形成された掴み代部C4とを有するものである。本実施形態では、略矩形状のゲームカード本体部C3のオモテ面及びウラ面に印刷領域C2を設定している。安全性の観点からゲームカード発行装置Xが発行するゲームカードCの角(四隅)に丸みを持たせるべく、ゲームカード本体部C3の角(四隅)を部分円弧状にカットしている。また、本実施形態のゲームカード形成媒体C1は、掴み代部C4を、カード本体部C3の幅方向中心線C31を対象軸として非線対称の形状に設定している。本実施形態では、掴み代部C4の幅方向両端部のうち一方の端部に側方突出部C5を有する形状に設定している。そして、このように掴み代部C4の両側端部の形状が異なることを利用してゲームカード形成媒体C1のオモテ面、ウラ面を特定することが可能である。すなわち、本実施形態であれば、側方突出部C5の向きが揃うようにゲームカード形成媒体C1を重ねることによって、ゲームカード形成媒体C1のオモテ面、ウラ面を揃えることができる。図4では、ゲームカード本体部C3と掴み代部C4の境界部分を点線で示している。ゲームカード形成媒体C1の素材は、紙に限定されず、適宜の素材を適用することができる。
そして、本実施形態に係るゲームカード形成媒体C1は、掴み代部C4を、カード本体部C3に印刷される内容(プリントパターン)を指定する情報である識別情報を少なくとも有する識別情報記録部として機能させている。本実施形態では、掴み代部C4に、複数の識別情報記録領域(図示例では第1識別情報記録領域Cw,第2識別情報記録領域Cx,第3識別情報記録領域Cy,第4識別情報記録領域Czの合計4つの識別情報記録領域)を形成し、これら各識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czに特殊印刷が施されているか否か、具体的には、複数の識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czのうちどの識別情報記録領域に特殊印刷が記録されているかという記録パターンを、図4、図6及び図7に示すように、ゲームカード形成媒体C1毎に相互に異ならせている。図6及び図7に示すゲームカード形成媒体C1の掴み代部C4には、複数の識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czのうち少なくとも1以上の識別情報記録領域に特殊印刷を施した記録パターンが付されており、図4に示すゲームカード形成媒体C1の掴み代部C4には、複数の識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Cz全てに特殊印刷を施していないという記録パターンが付されている。このような掴み代部C4に付された特殊印刷部分C6の記録パターン(特殊印刷部分C6が無いという記録パターンも含む)に基づいて、各ゲームカード形成媒体C1が有する識別情報を特定できるように設定している。
本実施形態のゲームカード発行装置Xでは、このような識別情報を検知することによって、ゲームカード本体部C3に対するプリントパターンを特定できるように設定している。
ここで、識別情報記録部として機能する掴み代部C4に合計4つの識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czを有するゲームカード形成媒体C1を適用した場合における特殊印刷部分C6の記録パターンを図5に示す。同図は、各識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czについて、特殊印刷がされている識別情報記録領域には塗りつぶした丸(黒丸)を付し、特殊印刷が施されていない識別情報記録領域には塗りつぶしていない丸(白丸)を付し、各々の組み合わせについて記録パターンの通し番号を付して一覧表としたものである。この図から把握できるように、特殊印刷部分C6の記録パターンは、全ての識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czに識別情報が記録されていない1パターン(同図における通し番号1に示す記録パターン)と、4つの識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czのうち少なくとも1つの識別情報記録領域に識別情報が記録されている15パターン(同図における通し番号2乃至16に示す記録パターン)とを足した合計16通りとなり、記録パターン毎に特定可能な識別情報に、ゲームカード本体部C3に対して印刷部4で印刷する内容(プリントパターン)を相互に異ならせて対応付けている。
本実施形態のゲームカード形成媒体C1において、識別情報記録部として機能する掴み代部C4が有する識別情報は、ゲームカード発行装置Xに供給される前の時点において予めカード本体部C3に対して施される特殊印刷処理方法と同じ特殊印刷処理方法で記録(印刷)される特殊印刷部分C6の記録パターンよって特定可能なものである。掴み代部C4に現れる特殊印刷部分C6は、ゲームカード本体部C3に現れる特殊印刷部分C6と同じ処理が施された部分であり、本実施形態では、ホログラム加工処理及び特色印刷処理の両方が施された部分である。
ここで、図6に示すゲームカード形成媒体C1は、第1識別情報記録領域Cwのみを特殊印刷部分C6に設定したものであり、図5における通し番号2の記録パターンが記録されたカード形成媒体である。また、図7に示すゲームカード形成媒体C1は、第1識別情報記録領域Cw及び第2識別情報記録領域Cxを特殊印刷部分C6に設定したものであり、図5における通し番号3の記録パターンが記録されたゲームカード形成媒体C1である。図6及び図7等に例示したように、本実施形態において参照する図面では、カード本体部C3及び掴み代部C4のうち特殊印刷が施されている部分である特殊印刷部分C6に特定のパターンを模式的に付している。
そして、図6及び図7から把握できるように、本実施形態では、掴み代部C4に付す記録パターンが異なれば、ゲームカード本体部C3に施される特殊印刷部分C6の位置や形状、数等のパターン(以下では「本体部特殊印刷パターン」と称す)も異なるように設定している。したがって、図5における通し番号2乃至16に示す記録パターンが掴み代部C4に記録されたゲームカード形成媒体C1は、複数の識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czの全部又は少なくとも1以上を特殊印刷部分C6に設定し、記録パターンが異なれば、本体部特殊印刷パターンも異なるように設定している。また、記録パターン毎に関連付けられているプリントパターンは、記録パターンから特定可能な識別情報に応じてカード本体部C3のうち特殊印刷が施されていない部分(特殊印刷部分C6を除く部分)に対して後述する印刷部4で印刷する内容を指定するものである。
本実施形態では、図5における通し番号2乃至16に示す記録パターンが掴み代部C4に記録されたゲームカード形成媒体C1は、上述したように、ゲームカード本体部C3にも特殊印刷部分C6が設定されているものであり、後述する特殊ゲームカード形成媒体C1aとして利用している。
一方、図5に示す通し番号1の記録パターンが設定されるゲームカード形成媒体C1は、図4に示すように、全ての識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czに特殊印刷処理が施されていない記録パターンによって特定される識別情報を有するゲームカード形成媒体である。このようなゲームカード形成媒体C1は、ゲームカード本体部C3にも特殊印刷部分C6が設定されておらず、本実施形態では、このようなゲームカード形成媒体C1を、後述する通常ゲームカード形成媒体C1bとして利用している。また、全ての識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czに特殊印刷部分C6を設定していない記録パターンから特定可能な識別情報に関連付けられているプリントパターンは、カード本体部C3のうち特殊印刷が施されていない部分(特殊印刷部分C6を除く部分)、つまり、カード本体部C3の全面に対して後述する印刷部4で印刷する内容を指定するものである。
なお、通常ゲームカード形成媒体C1bとして利用するゲームカード形成媒体C1、及び特殊ゲームカード形成媒体C1aとして利用するゲームカード形成媒体C1は、ゲームカード本体C3及び掴み代部C4に対する特殊印刷処理が予め施されているか否かの差異があるのみであり、サイズや形状は同じである。
本実施形態のゲームカード発行装置Xは、ゲームカード形成媒体C1として、ゲームカード本体部C3のオモテ面及びウラ面の何れにも特殊加工が施されていない通常ゲームカード形成媒体C1b(図4参照)と、例えば図6及び図7に示すように、少なくともゲームカード本体部C3のオモテ面又はウラ面の何れか一方の面に予め特殊印刷加工が施された特殊印刷部分C6を有する特殊ゲームカード形成媒体C1aとを使用し、供給されたゲームカード形成媒体C1を、後述する印刷部4による印刷後にゲームカードCとして発行するものである。
ゲームカード発行装置Xの内部に配置されたプリンタ筐体2は、図3に示すように、前面21Aにゲームカード発行部5を形成した筐体本体21と、筐体本体21の上方開口部を蓋封可能な蓋体22とを備えている。蓋体22は、筐体本体21の後方(奥方)側に設定した枢支点を支点にして筐体本体21の内部空間を蓋封可能な被覆位置と、筐体本体21の内部空間を外部空間に連通させる開放位置(同図中に1点鎖線で示す)との間で傾動可能なものである。なお、本実施形態における「前方」は、図3に示す矢印D1方向を意味し、「後方(奥方)」は、同図に示す矢印D1方向の反対方向を意味する。
給紙部1は、図3に示すように、カット紙状(カード状)のゲームカード形成媒体C1を厚み方向に多数枚積層して縦向きに収納(セット)可能なカセット11と、カセット11の一端側からゲームカード形成媒体C1を1枚ずつ縦向き(起立姿勢)のまま送り出す縦方向送り出し部12とを備えている。本実施形態では、カセット11を、プリンタ筐体2の前面21A側(同図における矢印D1方向)へ引き出し可能に設定し、人手によるゲームカード形成媒体C1の補給作業を、プリンタ筐体2の前面21A側から行うことができるように構成している。ゲームカード形成媒体C1は、掴み代部C4を下方に向けた起立姿勢で、且つオモテ面及びウラ面の向きを揃えた状態でカセット11に収容(セット)されている。本実施形態では、上述したように、ゲームカード形成媒体C1のうち掴み代部C4の平面形状を、カード本体部C3の幅方向中心線C31を対称軸として非線対称に設定しているため、この形状を利用してゲームカード形成媒体C1のオモテ面及びウラ面の向きを正確且つ簡単に揃えることができる。なお、カセット11内に収容されているゲームカード形成媒体C1は、例えばカセット11内に設けたバネよってカセット11の奥方側へ移動するように設定されている。
縦方向送り出し部12は、カセット11に収容されているゲームカード形成媒体C1のうち最も奥方側にあるゲームカード形成媒体C1を上方(同図における矢印D2方向)へ繰り出す繰出し爪13と、繰出し爪13によって上方へ繰り出したゲームカード形成媒体C1を挟持して搬送路30(具体的には後述するカード姿勢変更部8)に向かって搬送する給紙ローラ14とを備えている。繰出し爪13として、ゲームカード形成媒体C1のうち掴み代部C4に設定した側方突出部C5に嵌合する嵌合部を備えたものを適用した場合には、繰出し爪13によってゲームカード形成媒体C1を上方へ繰り出す際のゲームカード形成媒体C1の安定性を高めることができる。
本実施形態のゲームカードプリンタPは、給紙部1を、プリンタ筐体2の前後方向に延伸する略水平な搬送路30よりも下側の領域に配置し、給紙ローラ14から送り出した縦向きのゲームカード形成媒体C1を搬送路30に供給するに際して横向き(横臥姿勢)に姿勢変更するカード姿勢変更部8を、給紙部1と搬送路30との間に配置している。
カード姿勢変更部8は、ゲームカード形成媒体C1を厚み方向に挟持する挟持用搬送ローラ81と、挟持用搬送ローラ81に連続する位置に設けたガイド板82、83とをユニット化し、このユニット化された姿勢変更ユニット84を、図3に示す矢印D3方向に90度旋回させることで、給紙部1から送り出されて縦向き(起立姿勢)にあるゲームカード形成媒体C1を横向き(横臥姿勢)に姿勢変更するものである。同図には、姿勢変更ユニット84を矢印D3方向に90度旋回させた状態を点線で示している。このような姿勢変更部で縦向きから横向きに変更したゲームカード形成媒体C1は、掴み代部C4を前方に向けた姿勢で、次に説明する搬送部3によって印刷部4に向かって搬送される。
搬送部3は、カード姿勢変更部8と印刷部4の間に配置した第1搬送ローラ31、第2搬送ローラ32と、印刷部4とゲームカード発行部5の間において、ゲームカード発行部5に向かって順に配置した第3搬送ローラ33(フィードローラ)、第4搬送ローラ34、第5搬送ローラ35とを用いて構成されるものである。また、本実施形態のゲームカードプリンタPは、第4搬送ローラ34と第5搬送ローラ35の間に、ゲームカードCの掴み代部C4を切断するカット部9を配置している。なお、給紙ローラ14及びカード姿勢変更部8の挟持用搬送ローラ81もゲームカード形成媒体C1を搬送する機能を有するため、搬送部3の一部を担うものとして捉えることができる。本実施形態では、これら各ローラ(給紙ローラ14、挟持用搬送ローラ81、第1搬送ローラ31、第2搬送ローラ32、第3搬送ローラ33、第4搬送ローラ34、第5搬送ローラ35及び後述する第6搬送ローラ64)を、ステッピングモータで駆動される駆動ローラと、駆動ローラに従動して回転するピンチローラとによって構成している。
プリンタ筐体2内において前後方向に延伸する搬送路30には、カード姿勢変更部8からゲームカード発行部5に向かって、第1搬送ローラ31、クリーニングローラ36、位置決め部37、第2搬送ローラ32、印刷部4、第3搬送ローラ33、第4搬送ローラ34、カット部9、第5搬送ローラ35をこの順で配置している。
位置決め部37は、位置決め部37の一部が搬送路30上に露出する露出位置と、位置決め部37全体が搬送路30よりも下方へ退避する退避位置との間で移動するものであり、図3には露出位置にある位置決め部37を示し、露出位置から退避位置に切り替わる際の後述する位置決め爪37aの移動方向を矢印D4として示している。本実施形態の位置決め部37は、位置決め爪37aと、位置決め爪37aの下端部に接触するカム37bと、位置決め爪37aの下端部がカム37bに接触する方向に付勢して位置決め爪37aを図3に示す起立姿勢に保持する図示しないスプリングとを備えたものである。このような位置決め部37は、搬送路30よりも低い位置に設けた水平軸回りに位置決め爪37aを回転可能に設定し、スプリングの付勢力によって位置決め爪37aが起立姿勢をとることで、位置決め爪37aの上端部が搬送路30上に露出する「露出位置」となり、スプリングの付勢力に抗して位置決め爪37aが搬送路30よりも下方の空間で倒伏姿勢をとることで、「退避位置」となるものである。本実施形態では、カード姿勢変更部8から印刷部4に向かって搬送されるゲームカード形成媒体C1が、起立姿勢にある位置決め爪37aをスプリングの付勢力に抗して図3の矢印D4方向に押し倒すことで、位置決め部37が露出位置から退避位置に切り替わり、ゲームカード形成媒体C1の通過後にスプリングの付勢力(復帰力)によって、位置決め爪37aが倒伏姿勢から起立姿勢に自動復帰することで、位置決め部は退避位置から露出位置に切り替わるように構成している。そして、本実施形態では、カード姿勢変更部8から印刷部4に向かって搬送されるゲームカード形成媒体C1が位置決め部37を通過した後に、倒伏姿勢から起立姿勢に自動復帰した位置決め爪37aに対して、ゲームカード形成媒体C1を印刷部4からカード姿勢変更部8に向かって送り戻し、ゲームカード形成媒体C1の後端を露出位置にある位置決め部37(具体的には起立姿勢の位置決め爪37a)に当接させることで、ゲームカード形成媒体C1の後端を位置決めするように構成している。また、本実施形態のゲームカードプリンタPは、後述するように、ゲームカード形成媒体C1を反転部6で反転させて両面印刷を行うものであり、オモテ面に対する印刷処理が終了した後に、カム37bを作動させて起立姿勢にある位置決め爪37aをスプリングの付勢力に抗して図3の矢印D4方向に回転させて倒伏姿勢に変更し、位置決め部37を露出位置から退避位置に切り替えるように構成している。この状態(位置決め部37が露出位置から退避位置に切り替えた状態)でゲームカード形成媒体C1を反転部6に向かって搬送し、ゲームカード形成媒体C1の通過後にカム37bを作動させて位置決め爪37aを起立姿勢にすることで、位置決め部37が退避位置から露出位置に切り替わるように設定している。
印刷部4は、インクリボン41のインクをサーマルヘッド42で加熱してゲームカード形成媒体C1に転写する熱転写式のものである。本実施形態では、ゲームカード形成媒体C1のうち掴み代部C4を第3搬送ローラ33で挟持した状態で、サーマルヘッド42とプラテンローラ43の間を通過するゲームカード形成媒体C1のうち印刷領域C2に印刷を開始し、第3搬送ローラ33によってゲームカード形成媒体C1をゲームカード発行部5側に向かって送り出すように構成している。このような印刷部4によって、ゲームカード形成媒体C1における印刷領域C2の前端(先端)、つまり、印刷領域C2と掴み代部C4の境界から印刷を施すことができる。
インクリボン41は、供給側コア44と巻取側コア45を有し、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクの塗布領域と、印刷面を保護する透明なオーバーコート材の塗布領域が繰り返し設けられている。本実施形態の印刷部4は、これらの塗布領域を順次サーマルヘッド42の位置に送り出して、ゲームカード形成媒体C1のうちサーマルヘッド42に対面する面(上向き面)にカラー印刷を施すことができる。なお、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクの塗布領域に加えて、ブラックのインクの塗布領域を設けたインクリボンを適用したり、イエロー、マゼンタ、シアンの各インクの塗布領域を有さず、ブラックのインクの塗布領域を有するインクリボンを適用することも可能である。
反転部6は、図3に示すように、プリンタ筐体2の内部空間のうちカード姿勢変更部8よりも後方側に配置され、搬送路30の延伸方向と平行な水平軸回り(同図における矢印D5方向)に回転可能な回転部(回転ドラム61)と、回転ドラム61の前面側に設けた受板62とを備え、搬送路30から受板62を通過して回転ドラム61に送り込まれたゲームカード形成媒体C1を、回転ドラム61の内部に設けた保持部63によって保持した状態で、回転ドラム61を180度回転させることで、ゲームカード形成媒体C1の表裏面を反転するものである。回転ドラム61の内部には、回転ドラム61の奥方に送り込む第6搬送ローラ64を設けている。本実施形態では、この第6搬送ローラ64とカード姿勢変更部8の挟持用搬送ローラ81との間の距離を、掴み代部C4を含むゲームカード形成媒体C1の全長よりも短く設定している。
このような構成を有するゲームカードプリンタPによって、ゲームカード形成媒体C1のゲームカード本体部C3の両面に印刷を施したゲームカードCを作成してゲームカード発行部5から排出する手順を説明する。
先ず、本実施形態のゲームカードプリンタPは、縦向き(起立姿勢)で厚み方向に積層された状態でカセット11に複数枚収容されているゲームカード形成媒体C1のうち、最後方のゲームカード形成媒体1Cを、縦方向送り出し部12の繰出し爪13によって上方へ繰り出し、給紙ローラ14で挟持しながらカード姿勢変更部8に向かって送り出す。引き続いて、本実施形態のゲームカードプリンタPは、給紙部1の給紙ローラ14とカード姿勢変更部8との間に配置した第1センサS1によってゲームカード形成媒体C1の通過を検出し、その検出信号に基づいて、カード姿勢変更部8の姿勢変更ユニット84を図3における反時計回り方向(矢印D3方向)へ90度旋回して、挟持用搬送ローラ81で挟持しているゲームカード形成媒体C1を、その掴み代部C4が印刷部4を向く横臥姿勢に変更し、挟持用搬送ローラ81によって横臥姿勢のゲームカード形成媒体C1を印刷部4に向かって搬送する。この際、位置決め部37は露出位置にある。
そして、本実施形態のゲームカードプリンタPは、位置決め部37と印刷部4との間に第2センサS2を配置し、第2センサS2によってゲームカード形成媒体C1の通過を検出した場合、その検出信号に基づいて、位置決め部37を退避位置から露出位置へ移動させた後に、ゲームカード形成媒体C1を少し後退させて(送り戻して)、その後端を位置決め部37に当接させることでゲームカード形成媒体C1を位置決めし、この位置決めしたゲームカードCを搬送部3の第2搬送ローラ32で印刷部4に送り込む。なお、スプリングの付勢力によって位置決め爪37aが起立姿勢をとることで、位置決め爪37aの上端部が搬送路30上に露出する露出位置にある位置決め部37は、ゲームカード形成媒体C1が通過する際に、位置決め爪37aがゲームカード形成媒体C1に押されて図3の矢印D4方向に回転することよって、位置決め部37は露出位置から退避位置に切り替わる。また、本実施形態のゲームカードプリンタPは、ゲームカード形成媒体C1を印刷部4に向かって搬送する過程で、クリーニングローラ36によって、印刷部4に到達する前のゲームカード形成媒体C1のうちクリーニングローラ36に対面する面(上向き面)に対してクリーニング処理を施す。
そして、本実施形態のゲームカードプリンタPは、搬送方向において印刷部4を挟む位置に第3センサS3、第4センサS4を配置し、第3センサS3によってゲームカード形成媒体C1の通過を検出した場合、その検出信号に基づいて、印刷部4をスタンバイ状態とし、第4センサS4によってゲームカード形成媒体C1の通過を検出した場合、その検出信号に基づいて印刷部4による印刷処理を開始する。その結果、ゲームカード形成媒体C1のうちサーマルヘッド42に対面する上向き面に印刷処理を施すことができる。この時点でゲームカード形成媒体C1のうちサーマルヘッド42に対面する上向き面はオモテ面である。なお、第4センサS4は、印刷処理実行前のゲームカード形成媒体C1の通過を検出するものである。
次いで、本実施形態のゲームカードプリンタPは、搬送部3によってゲームカード形成媒体C1を反転部6に向かって搬送する(送り戻す)。この際、印刷部4とカード姿勢変更部8の間に配置した第5センサS5によって、ゲームカード形成媒体C1の通過を検出し、その検出信号に基づいて、図3に点線で示す方向を向く姿勢変更ユニット84における挟持用搬送ローラ81を、反転部6に向かってゲームカード形成媒体C1を搬送可能な方向に回転させる。これにより、本実施形態のゲームカードプリンタPは、カード姿勢変更部8を経由してゲームカード形成媒体C1を反転部6に送り込むことができる。なお、本実施形態では、ゲームカード形成媒体C1を反転部6に送り込む際、位置決め部37を、ゲームカード形成媒体C1の通過前に露出位置から退避位置に切り替えるように設定している。具体的には、カム37bを作動させて起立姿勢にある位置決め爪37aをスプリングの付勢力に抗して図3の矢印D4方向に回転させることで、位置決め部37を露出位置から退避位置に切り替えることができる。そして、本実施形態のゲームカードプリンタPは、反転部6に送り込んだゲームカード形成媒体C1を反転部6によって、そのウラ面が上方を向く姿勢に反転させ、その向きを維持したまま搬送部3によって印刷部4に向かって搬送する。この際、上向き面をウラ面としたゲームカードCは、掴み代部C4を前方に向けて、カード姿勢変更部8の挟持用搬送ローラ81を経由して搬送路30に送り込まれ、上述したオモテ面を印刷する場合と同じ手順によって印刷部4によってゲームカード形成媒体C1のウラ面に印刷処理を施す。
本実施形態のゲームカードプリンタPは、このような手順を経てオモテ面及びウラ面の両面に印刷処理を施したゲームカード形成媒体C1を、第4搬送ローラ34でカット部9に搬送し、第4搬送ローラ34とカット部9の間に配置した第6センサS6によって、ゲームカード形成媒体C1の通過を検出し、その検出信号に基づいて、ゲームカード形成媒体C1の掴み代部C4とゲームカード本体部C3との境界部分をカット部9で切断して、所定のカードサイズであって且つオモテ面及びウラ面に印刷処理を施したゲームカードCを、ゲームカード発行部5を通じてプリンタ筐体2の前面21A側に排出して発行する。
また、本実施形態のゲームカードプリンタPは、カット部9による切断処理によってゲームカード本体部C3から切り離された掴み代部C4を回収する回収部11aを備えている。本実施形態では、図3に示すように、カセット11のうち、カット部9の下方領域に相当する部分に設けられ、カット部9を向く方向に開口する回収ボックス11aによって回収部を構成している。この回収ボックス11a内の空間は、カセット11内におけるゲームカード形成媒体C1をセットする内部空間に連通せず、仕切られている。回収ボックス11aに回収された掴み代部C4は、整然と並ぶことなく、雑然とした状態にあり、その回収状態から掴み代部C4の回収順序(カット部9で切り離された順番)は特定できないように設定されている。
なお、本実施形態における各センサS1,S2,S3,S4,S5,S6は、いずれも投光部と受光部からなる非接触の光学式センサを適用し、図3では、各センサの投受光ラインを点線で模式的に示している。なお、光学センサ以外のセンサによってゲームカード形成媒体C1の通過を検出可能に構成することもできる。
そして、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、給紙部1から供給されたゲームカード形成媒体C1のうち識別情報記録部として機能する掴み代部C4に記録されている識別情報を検知可能な識別情報検知部S7を備え、識別情報検知部S7による検知情報に基づいて印刷部4によるゲームカード本体部C3への印刷処理を施すように構成している。識別情報検知部S7は、プリンタ筐体2内のうち給紙部1とゲームカード発行部5(ゲームカード排出口)との間であってゲームカード形成媒体C1が通過する経路(給紙部1のカセット11からカード姿勢変更部8に向かう経路、プリンタ筐体2の前後方向に延伸する搬送路30)における適宜の位置に配置することができ、図3には一例として、カード姿勢変更部8と位置決め部37との間に、識別情報検知部S7を配置した構成を示している。本実施形態では、反射センサによって識別情報検知部S7を構成している。特に、掴み代部C4に形成した複数の識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czをゲームカード形成媒体C1の幅方向に相互に離間させて並べた配置を採用している本実施形態では、識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czと同数の反射センサをゲームカード形成媒体C1の幅方向に所定距離離間させて配置し、幅方向に並ぶ識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czに記録された特殊印刷処理を同時又は略同時に検知できるように設定している。
また、本実施形態では、図4、図6及び図7に示すように、掴み代部C4のうち、印刷部4による印刷処理時のゲームカード形成媒体C1の搬送方向Hに沿った先端となる部分C41(掴み代部C4の先端C41)から所定距離離間した位置に識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czを形成しており、上述の搬送方向Hにおける掴み代部C4の先端C41から識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czの間に所定の空白部分が形成される。そして、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、識別情報検知部S7によって、先ず、掴み代部C4の先端C41の通過を検出し、その先端C41から識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czまでの間の空白部分で、識別情報検知部S7を構成するセンサのキャリブレーションを実行し、キャリブレーション処理に引き続いて、識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czに対するセンシング処理を実行する。キャリブレーション処理は、ゲームカード形成媒体C1のばらつきやセンサの経年変化等の変動を考慮して行う処理である。なお、上述の第1センサ乃至第6センサS1,S2,S3,S4,S5,S6のうち、給紙部1とゲームカード発行部5(ゲームカード排出口)との間に配置しているセンサを、識別情報検知部を構成するセンサとして兼用することも可能である。識別情報検知部を、ゲームカード形成媒体C1が通過する経路において印刷部4よりもゲームカード発行部5(ゲームカード排出口)側に寄った位置に配置した場合、印刷部4による印刷処理を実行するよりも前の時点で識別情報検知部による検知処理が可能な位置までゲームカード形成媒体C1を搬送し、その検知処理後にゲームカード形成媒体C1を送り戻して印刷部4による印刷処理を実行するようにすればよい。
また、本実施形態のゲームカードプリンタPは、上述したゲームカードプリンタPの作動をゲームカードプリンタ制御部PCによって制御している。ゲームカードプリンタ制御部PCは、ゲームカード発行装置XのうちゲームカードプリンタP以外のパーツの作動を制御するゲーム機制御部GCと通信可能に接続されている。この通信は有線であってもよいし、無線であってもよい。ゲームカードプリンタ制御部PCは、例えば図3に示すようにゲームカードプリンタP筐体に内蔵されたものであるが、ゲームカードプリンタP筐体の外部であって且つゲーム機筐体G1内の適宜箇所に配置することも可能である。これらゲームカードプリンタ制御部PC及びゲーム機制御部GCが協働して、ゲームカード発行装置Xの作動を制御する。したがって、本実施形態では、ゲームカード発行装置Xの作動を制御する制御部を、ゲームカードプリンタ制御部PC及びゲーム機制御部GCによって構成していると捉えることができる。
そして、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、図4、図6及び図7に示すように、収納部のカセット11に収容するゲームカード形成媒体C1として、少なくともゲームカード本体部C3のオモテ面又はウラ面の何れか一方の面に予め特殊印刷加工が施された特殊印刷部分C6を有する特殊ゲームカード形成媒体C1a(図6及び図7参照)と、ゲームカード本体部C3のオモテ面及びウラ面の何れにも特殊加工が施されていない通常ゲームカード形成媒体C1b(図4参照)とを用意し、特殊ゲームカード形成媒体C1aを通常ゲームカード形成媒体C1bよりも少なくなるように両方のゲームカード形成媒体C1(特殊ゲームカード形成媒体C1a、通常ゲームカード形成媒体C1b)をランダム又は一定の割合(例えば100枚のゲームカード形成媒体のうち通常ゲームカード形成媒体C1bを99枚、特殊ゲームカード形成媒体C1aを1枚、或いは20枚のゲームカード形成媒体のうち通常ゲームカード形成媒体C1bを19枚、特殊ゲームカード形成媒体C1aを1枚等、適宜の割合)で混在させた状態でカセット11に収容している。さらに、カセット11に収容する特殊ゲームカード形成媒体C1aが有する識別情報(記録パターンによって特定可能な情報)が同じものばかりとならないように設定している。なお、カセット11に収容する特殊ゲームカード形成媒体C1aの総数に占める特殊ゲームカード形成媒体C1aの種類(記録パターンのパターン数)は適宜設定することができ、種類が異なる特殊ゲームカード形成媒体C1a(記録パターンが異なる特殊ゲームカード形成媒体C1a)相互の比率は、均等であってもよいし不均等であってもよい。
オモテ面及びウラ面にオンデマンドで印刷処理を施したゲームカードCを発行可能なゲームカード発行装置Xに供給される本実施形態のゲームカード形成媒体C1は、ゲームカード本体部C3のオモテ面及びウラ面にそれぞれ特殊印刷部分C6が存在する一方、掴み代部C4のオモテ面にのみ識別情報が付与されている。なお、オモテ面及びウラ面にオンデマンドで印刷処理を施したゲームカードCを発行する場合であっても、特殊ゲームカード形成媒体C1aとして、ゲームカード本体部C3のオモテ面又はウラ面の何れか一方の面にのみ特殊印刷部分C6が存在するものを適用することは可能である。このような特殊ゲームカード本体部C3のオモテ面又はウラ面の何れか一方の面にのみ特殊印刷部分C6が現れていることを、掴み代部C4に記録する記録パターンによって特定できるように設定することも可能である。
本実施形態に係るゲームカード発行装置Xでは、ゲームカード形成媒体C1が特殊ゲームカード形成媒体C1aである場合、及びゲームカード形成媒体C1が通常ゲームカード形成媒体C1bである場合、何れの場合であってもゲームカード形成媒体C1に対するゲームカードプリンタPの作動を共通に設定し、何れのゲームカード形成媒体C1(特殊ゲームカード形成媒体C1a、通常ゲームカード形成媒体C1b)にも印刷部4で両面に印刷処理を施して(図9乃至図11参照)、所定のサイズにカットしたゲームカードC(図13乃至図15参照)としてゲームカード発行部5から排出して発行するように構成している。そして、本実施形態のゲームカード発行装置Xから発行されたゲームカードCは、特殊ゲームカード形成媒体C1aをベースとする特殊ゲームカードCP(プレミアムカード)と、通常ゲームカード形成媒体C1bをベースとする通常ゲームカードCC(コモンカード)の2種類に大別される。
本実施形態に係るゲームカード発行装置Xは、相互に通信可能なゲームカードプリンタ制御部PC及びゲーム機制御部GCによって作動が制御され、これらゲームカードプリンタ制御部PC及びゲーム機制御部GCは、以下の各手段を備えている。
ゲーム機制御部GCは、図に示すように、コイン判別手段M1と、指示信号出力手段M2と、特定済みゲームカード形成媒体情報受信手段M3と、ディスプレイ表示内容決定手段M4と、ディスプレイ表示実行手段M5と、プリントパターン決定手段M6、プリントパターン出力手段M7と、正常排出検知手段M8とを有するものである。
コイン判別手段M1は、ゲーム機筐体G1の前面に設けたコイン投入口G4(図1参照)に投入されてコインスタッカG5に収容したコインが、本実施形態のゲームカード発行装置Xで使用可能な正規のコインか否か、及び所定の枚数であるか否かを判別するものである。正規のコインか否か、及び所定の枚数であるか否かを検知する検知手段は周知のものを適用することができる。
指示信号出力手段M2は、コイン判別手段M1で正規のコインであって且つ所定の枚数であると判別した場合に、ゲームカードプリンタPの給紙部1から次に発行するゲームカードCを形成するゲームカード形成媒体C1を1枚繰り出すことを指示するゲームカード形成媒体繰出指示信号、及びゲームカード形成媒体繰出指示信号に基づいて給紙部1から繰り出したゲームカード形成媒体C1の種類を特定することを指示するゲームカード形成媒体特定指示信号をゲームカードプリンタ制御部PCに出力するものである。
特定済みゲームカード形成媒体情報受信手段M3は、後述するゲームカードプリンタ制御部PCの特定済みゲームカード形成媒体情報出力手段M14から出力された特定済みゲームカード形成媒体に関する情報を受信するものである。
ディスプレイ表示内容決定手段M4は、特定済みゲームカード形成媒体情報受信手段M3で受信した特定済みゲームカード形成媒体に関する情報に基づいて、少なくともゲーム機筐体G1のディスプレイG2に表示する内容を決定するものであり、ディスプレイ表示実行手段M5は、ディスプレイ表示内容決定手段M4で決定した内容をディスプレイG2に表示するものである。本実施形態では、特定済みゲームカード形成媒体に関する情報に基づき、特定済みゲームカード形成媒体の種類が通常ゲームカード形成媒体C1bである場合には、通常ゲームカード用ゲームを開始して、そのゲーム内容(「ゲーム内容」はゲームの展開に応じた内容を意味し、ゲームの内容を説明する文章そのものだけを指すものではない。以下におけるゲーム内容も同義である)をディスプレイG2に表示する。また、特定済みゲームカード形成媒体の種類が特殊ゲームカード形成媒体C1aである場合には、特殊ゲームカード用ゲームを開始して、そのゲーム内容をディスプレイG2に表示する。なお、通常ゲームカード用ゲーム及び特殊ゲームカード用ゲームは、ディスプレイG2に表示される内容やゲームの進行内容、或いはゲーム自体の難易度等をそれぞれ異ならせることによって区別することが可能である。さらに、特殊ゲームカード用ゲームは、記録パターンから特定可能な識別情報毎に、ディスプレイG2に表示される内容やゲームの進行内容、或いはゲーム自体の難易度等をそれぞれ異ならせることが可能である。通常ゲームカード用ゲーム及び特殊ゲームカード用ゲームのプログラムは適宜のHDD等の記憶装置(記憶部)に格納されている。複数種類の通常ゲームカード用ゲームに関するプログラムや、複数種類の特殊ゲームカード用ゲームに関するプログラムを適宜の記憶部に格納しておき、ディスプレイ表示内容決定手段M4として、特定済みゲームカード形成媒体に関する情報、すなわち、次に発行対象となるゲームカードCを形成するゲームカード形成媒体C1に付されている識別情報に基づき、それら複数のゲームプログラムから選択した1つのゲームプログラムに応じたゲームを開始して、そのゲーム内容をディスプレイG2に表示するように構成したものを適用することも可能である。
プリントパターン決定手段M6は、特定済みゲームカード形成媒体に関する情報、すなわち、次に発行対象となるゲームカードCを形成するゲームカード形成媒体C1に付されている識別情報、及びディスプレイ表示内容決定手段M4で決定した内容をディスプレイ表示実行手段M5によってディスプレイG2に表示させた時点以降のプレイヤの操作に応じて、特定済みゲームカード形成媒体(特殊ゲームカード形成媒体C1a又は通常ゲームカード形成媒体C1b)に対するプリントパターンを決定するものである。ここで、プリントパターンは、ゲームカード形成媒体C1のゲームカード本体部C2に印刷する印刷内容を規定するものであり、プリントパターン決定手段M6では、各ゲームカード形成媒体C1が有する識別情報のみならず、複数種類の通常ゲームカード用ゲームや特殊ゲームカード用ゲーム、及びプレイヤの操作によるゲーム結果(勝敗等)にも応じて、予め用意されている多数のプリントパターンからゲームカード発行装置X側で選択した任意のプリントパターンを決定するように設定している。多数のプリントパターンは、適宜の記憶部に格納されている。また、多数のプリントパターンを、特定済みゲームカード形成媒体の種類(識別情報の内容)に応じたゲームの種類毎に予め分類した状態で格納しておくこともできる。なお、プリントパターン決定手段M6として、予め用意(格納)されている多数のプリントパターンからプレイヤの操作によるゲーム結果(勝敗等)に応じてゲームカード発行装置X側で複数のプリントパターンを選択し、それら複数のプリントパターンからプレイヤが選択した1つのプリントパターンを、特定済みゲームカード形成媒体(特殊ゲームカード形成媒体C1a又は前記通常ゲームカード形成媒体C1b)に対するプリントパターンとして決定するものを適用することも可能である。また、本実施形態では、特定済みゲームカード形成媒体が通常ゲームカード形成媒体C1bである場合に決定するプリントパターンを、通常ゲームカード形成媒体C1bのうちゲームカード本体部C3に設定されている印刷領域C2全体に印刷処理を施す内容のプリントパターンとする一方で、特定済みゲームカード形成媒体が特殊ゲームカード形成媒体C1aである場合に決定するプリントパターンを、特殊ゲームカード形成媒体C1aのゲームカード本体部C3に設定されている印刷領域C2のうち、特殊印刷部分C6を除く部分に印刷処理を施す内容のプリントパターンとしている。なお、プリントパターン決定手段M6で決定するプリントパターンが、複数のプリントパターンを組み合わせたプリントパターン(例えばキャラクタに関するプリントパターンと背景に関するプリントパターンを組み合わせたプリントパターン等)であってもよい。
プリントパターン出力手段M7は、プリントパターン決定手段M6で決定したプリントパターンをゲームカードプリンタ制御部PCに出力するものであり、正常排出検知手段M8は、後述するゲームカードプリンタ制御部PCのゲームカード発行手段M17によって発行されたゲームカードCがゲームカード発行部5から正常に排出されたことを検知するものである。この正常排出検知手段M8は、ゲームカード発行部5又はゲームカード発行部5近傍に設けたセンサ等、周知のものを用いて構成することができる。
また、ゲームカードプリンタ制御部PCは、図8に示すように、指示信号受信手段M11と、ゲームカード形成媒体繰出手段M12と、ゲームカード形成媒体特定手段M13と、特定済みゲームカード形成媒体情報出力部M14と、プリントパターン受信手段M15と、オンデマンド印刷手段M16と、ゲームカード発行手段M17とを有する。
指示信号受信手段M11は、ゲーム機制御部GCの指示信号出力手段M2から出力されたゲームカード形成媒体繰出指示信号及びゲームカード形成媒体特定指示信号を受信するものであり、ゲームカード形成媒体繰出手段M12は、指示信号受信手段M11で受信したゲームカード形成媒体繰出指示信号に基づいて、給紙部1のカセット11に収容されている多数枚のゲームカード形成媒体C1から1枚のゲームカード形成媒体C1を印刷部4に向かって繰り出すものである。本実施形態では、給紙部1の縦方向送り出し部12によって、カセット11に収容されているゲームカード形成媒体C1のうち最も奥方に収容されているゲームカードCを印刷部4に向かって繰り出すように構成している。
ゲームカード形成媒体特定手段M13は、指示信号受信手段M11で受信したゲームカード形成媒体特定指示信号に基づいて、ゲームカード形成媒体繰出手段M12で繰り出したゲームカード形成媒体C1が有する識別情報を特定するものである。本実施形態では、図4、図6及び図7に示すように、ゲームカード形成媒体C1のうちゲームカード発行部5から排出される前の時点で切断して除去される掴み代部C4のうち、識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czに特殊印刷加工が施されているものがあることに着目して、複数の反射センサS7によって各識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czの反射率をそれぞれ検出し、検出値が所定値以上である場合(反射率が高い場合)にはその識別情報記録領域に、特殊印刷加工が施されていることを特定し、特殊印刷加工が施されている識別情報記録領域の組み合わせである「特殊印刷部分の記録パターン」に基づいて、ゲームカード形成媒体C1に記録されている識別情報を特定することができる。なお、全ての反射センサS7の検出値が所定値未満である場合(反射率が低い場合)は、全ての識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czに特殊印刷部分C6が設定されていない記録パターンを有するゲームカード形成媒体C1、つまり通常ゲームカード形成媒体C1bであると特定することができる。このように、ホログラム等の特殊印刷の場合は、センサによって反射率の変化を読み取り、その読み取った情報(反射率の変化情報)に基づいて、ゲームカード形成媒体C1に記録されている識別情報を特定するように構成することが可能である。本実施形態のゲームカード発行装置Xでは、このようなゲームカード形成媒体特定手段M13に用いるセンサS7を、上述したように、ゲームカード形成媒体C1の搬送方向(印刷部4による印刷処理時の搬送方向)において印刷部4よりも上流側(図3ではカード姿勢変更部8と位置決め部37との間)に配置している。
また、特定済みゲームカード形成媒体情報出力部M14は、ゲームカード形成媒体特定手段M13で特定したゲームカード形成媒体C1である特定済みゲームカード形成媒体に関する情報、つまり、ゲームカード形成媒体C1が有する識別情報がどのような識別情報であるのかを特定した情報をゲーム機制御部GCに出力するものである。
プリントパターン受信手段M15はゲーム機制御部GCのプリントパターン出力手段M7から出力されたプリントパターンを受信するものであり、オンデマンド印刷手段M16は、プリントパターン受信手段M15で受信したプリントパターンに基づいて、特定済みゲームカード形成媒体の一部又は全体にオンデマンドで印刷するものである。本実施形態のゲームカード発行装置Xは、上述したゲームカードプリンタPを内蔵しているため、特定済みゲームカード形成媒体におけるゲームカード本体部C3のオモテ面及びウラ面にオンデマンドで印刷することができる。また、本実施形態では、特定済みゲームカード形成媒体が通常ゲームカード形成媒体C1bである場合、プリントパターン決定手段M6で決定するプリントパターンとして、通常ゲームカード形成媒体C1bの印刷領域C2全体に印刷処理を施す内容のプリントパターンを選択するように設定しているため、オンデマンド印刷手段M16によって通常ゲームカード形成媒体C1bのゲームカード本体部C3に設定した印刷領域C2全体に印刷処理を施すことになる。ここで、図9に、オンデマンド印刷手段M16によってオンデマンド印刷処理を施した直後の通常ゲームカード形成媒体C1bを示す。同図では、通常ゲームカード形成媒体C1bのゲームカード本体C3全体に設定されている印刷領域C2において、印刷部4によって印刷処理が施された部分C7を、上述の図6及び図7に示す特殊ゲームカード形成媒体C1aのゲームカード本体部C3に印刷されている特殊印刷部分C6に付したパターンとは異なるパターンを付して示している。なお、同図は、通常ゲームカード形成媒体C1bの印刷領域C2において印刷処理を施した部分を容易に把握できることを目的とする図面であり、印刷内容そのものを示す図面ではない。図9から把握できるように、通常ゲームカード形成媒体C1bのゲームカード本体部C3に設定した印刷領域C2には全面印刷処理が施されている。
一方、特定済みゲームカード形成媒体が特殊ゲームカード形成媒体C1の何れかである場合、プリントパターン決定手段M6で決定するプリントパターンとして、特殊ゲームカード形成媒体C1aのゲームカード本体部C3に形成した印刷領域C2の一部(特殊印刷部分C6を除く部分)に印刷処理を施す内容のプリントパターンを選択するように設定しているため、オンデマンド印刷手段M16によって特殊ゲームカード形成媒体C1aの印刷領域C2の一部に印刷処理を施すことになる。ここで、図6に示す特殊ゲームカード形成媒体C1aのゲームカード本体部C3に対して、オンデマンド印刷手段M16によってオンデマンド印刷処理を施した直後の特殊ゲームカード形成媒体C1aを図10に示す。同図は、特殊ゲームカード形成媒体C1aの印刷領域C2に現れる印刷処理済み部分C7と、印刷処理が施されずに特殊印刷部分C6が現れる部分を容易に把握できることを目的とする図面であり、図9と同様に印刷内容そのものを示す図面ではない。図10から把握できるように、特殊ゲームカード形成媒体C1aの印刷領域C2には、印刷部4によって印刷処理が施された部分C7と、印刷部4によって印刷処理が施されず、事前に施されている特殊印刷部分C6とが現れる。このような特殊印刷部分C6が露出していることによって、特殊ゲームカード形成媒体C1aに意匠性の高いプレミアム性を付与することができる。なお、オンデマンド印刷手段M16によって薄い色で全面印刷処理を施す場合もある。
ゲームカード発行手段M17は、オンデマンド印刷手段M16で印刷処理を施した特定済みゲームカード形成媒体をゲームカードCとしてゲームカード発行部5から排出して発行するものである。本実施形態では、特定済みゲームカード形成媒体のオモテ面及びウラ面にオンデマンドで印刷した後に、カット部9で印刷領域C2と掴み代部C4との境界部分を切断して掴み代部C4を除去することで、所定サイズのゲームカードCとなり、このゲームカードCをゲームカード発行部5から排出して発行するように構成している。
次に、図12を参照しながら、上述した構成を有するゲームカード発行装置Xの使用方法、ゲームカードCを発行するまでの手順及び作用について説明する。
先ず、プレイヤがコイン投入口G4にコインを投入すると、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、コイン判別手段M1によって、ゲーム機筐体G1の前面に設けたコイン投入口G4に投入されてコインスタッカG5に収容したコインが、正規のコインか否か、及び所定の枚数であるか否かを判別し(コイン判別ステップSt1)、正規のコインであって且つ所定の枚数であると判別した場合に、指示信号出力手段M2によって、ゲームカード形成媒体繰出指示信号、及びゲームカード形成媒体特定指示信号をゲームカードプリンタ制御部PCに出力する(指示信号出力ステップSt2)。なお、コイン判別ステップSt1において、正規のコインではなかったり、又は所定のコイン枚数に満たさないと判別した場合は、その旨をディスプレイG2に表示したり、スピーカを通じて音声案内する等して、再度コインの投入をプレイヤに促すようにすればよい。
指示信号出力ステップSt2に引き続いて、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、指示信号受信手段M11によって、ゲーム機制御部GCの指示信号出力手段M2から出力されたゲームカード形成媒体繰出指示信号及びゲームカード形成媒体特定指示信号を受信し(指示信号受信ステップSt3)、次いで、ゲームカード形成媒体繰出手段M12によって、受信したゲームカード形成媒体繰出指示信号に基づいて、給紙部1のカセット11から1枚のゲームカード形成媒体C1を印刷部4に向かって繰り出し(ゲームカード形成媒体繰出ステップSt4)、ゲームカード形成媒体特定指示信号に基づいて、繰り出したゲームカード形成媒体C1が有する識別情報をゲームカード形成媒体特定手段M13によって特定する(ゲームカード形成媒体特定ステップSt5)。具体的には、ゲームカード形成媒体C1の掴み代部C3に記録された特殊印刷部分C6の記録パターンから識別情報を特定する。
ゲームカード形成媒体特定ステップSt5に続いて、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、ゲームカード形成媒体特定手段M13で特定したゲームカード形成媒体C1である特定済みゲームカード形成媒体に関する情報、つまり、特定済みゲームカード形成媒体に付されている識別情報を、特定済みゲームカード形成媒体情報出力部M14によってゲーム機制御部GCに出力する(特定済みゲームカード形成媒体情報出力ステップSt6)。
次いで、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、特定済みゲームカード形成媒体情報受信手段M3によって特定済みゲームカード形成媒体に関する情報(識別情報)を受信し(特定済みゲームカード形成媒体情報受信ステップSt7)、受信した特定済みゲームカード形成媒体に関する情報に基づいて、少なくともゲーム機筐体G1のディスプレイG2に表示する内容をディスプレイ表示内容決定手段M4によって決定し(ディスプレイ表示内容決定ステップSt8)、その決定した内容をディスプレイ表示実行手段M5によってディスプレイG2に表示する(ディスプレイ表示実行ステップSt9)。具体的には、特定済みゲームカード形成媒体に付されている識別情報に基づき、識別情報毎に応じて予め決められているゲームを開始して、そのゲーム内容をディスプレイG2に表示する。
ディスプレイ表示実行ステップSt9に続いて、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、特定済みゲームカード形成媒体に関する情報、すなわち、次に発行対象となるゲームカードCを形成するゲームカード形成媒体C1に付されている識別情報、及びディスプレイ表示実行ステップSt9以降のプレイヤの操作に応じて、特定済みゲームカード形成媒体に対するプリントパターンをプリントパターン決定手段M6によって決定し(プリントパターン決定ステップSt10)、その決定したプリントパターンをプリントパターン出力手段M7によってゲームカードプリンタ制御部PCに出力する(プリントパターン出力ステップSt11)。本実施形態では、プリントパターン決定ステップSt10における処理として、特定済みゲームカード形成媒体に付されている識別情報、及びプレイヤの操作によるゲーム結果(勝敗等)に応じて、予め用意されている多数のプリントパターンからゲームカード発行装置X側で選択した任意のプリントパターンを決定する処理を適用している。
次いで、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、プリントパターン出力ステップSt11において出力されたプリントパターンをプリントパターン受信手段M15で受信し(プリントパターン受信ステップSt12)、引き続いて、その受信したプリントパターンに基づいて、オンデマンド印刷手段M16により、特定済みゲームカード形成媒体のうちゲームカード本体部C3の一部又は全体にオンデマンドで印刷する(オンデマンド印刷ステップSt13)。本実施形態のゲームカード発行装置Xは、特定済みゲームカード形成媒体のオモテ面及びウラ面にオンデマンドで印刷することができる。また、特定済みゲームカード形成媒体が通常ゲームカード形成媒体C1bである場合、及び特定済みゲームカード形成媒体が特殊ゲームカード形成媒体C1aである場合の何れにおいてもゲームカードプリンタPを作動させてゲームカード形成媒体C1の両面にオンデマンド印刷を実行する処理自体は共通である。そして、本実施形態では、特定済みゲームカード形成媒体が通常ゲームカード形成媒体C1bである場合に、プリントパターン決定ステップSt10で決定するプリントパターンが、通常ゲームカード形成媒体C1bのうちゲームカード本体部C3の印刷領域C2全体に印刷処理を施す内容のプリントパターンを選択するように設定しているため、図10に示すように、オンデマンド印刷ステップSt13を経た後の通常ゲームカード形成媒体C1bの印刷領域C2には全面印刷処理が施されている。一方、特定済みゲームカード形成媒体が特殊ゲームカード形成媒体C1aである場合、プリントパターン決定ステップSt10で決定するプリントパターンが、特殊ゲームカード形成媒体C1aのうちゲームカード本体部C3の印刷領域C2に予め印刷されている特殊加工部分C6を除く部分に印刷処理を施す内容のプリントパターンを選択するように設定しているため、図11に示すように、オンデマンド印刷ステップSt13を経た後に特殊ゲームカード形成媒体C1aの印刷領域C2には、印刷処理が施された部分C7と、特殊印刷部分C6とが現れ、特殊印刷部分C6をプレミアムとして付加することができる。
オンデマンド印刷ステップSt13に続いて、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、ゲームカード発行手段M17によって、オンデマンド印刷ステップSt13で印刷処理を施した特定済みゲームカード形成媒体をゲームカードCとしてゲームカード発行部5から排出して発行する(ゲームカード発行ステップSt14)。このゲームカード発行ステップSt14では、オンデマンド印刷ステップSt13を経てオモテ面及びウラ面の各印刷領域C2の全部又は一部にオンデマンド印刷処理が施された特定済みゲームカード形成媒体のうち印刷領域C2と掴み代部C4との境界部分をカット部9で切断して掴み代部C4を除去することで、所定サイズのゲームカードCを形成し、このゲームカードCをゲームカード発行部5から排出して発行するように構成している。そして、このゲームカード発行装置Xによって発行したゲームカードCは、図13、図14及び図15に示すように、通常ゲームカード形成媒体C1bにオンデマンド印刷処理を施した通常ゲームカードCC(図13参照)と、特殊ゲームカード形成媒体C1aにオンデマンド印刷処理を施した特殊ゲームカードCP(図14、図15参照)の2種類に大別される。
ゲームカード発行ステップSt14に次いで、本実施形態のゲームカード発行装置Xは、ゲームカード発行ステップSt14を経て発行したゲームカードCがゲームカード発行部5から正常に排出されたことを正常排出検知手段M8によって検知し(正常排出検知ステップSt15)、プレイヤによる1回のゲームに関する処理を終了する。このような処理手順を経てゲームカード発行部5から排出されて発行された通常ゲームカードCC又は特殊ゲームカードCPに対して、プレイヤは直接アクセスすることができ、そのゲームカードCを獲得することができる。なお、ゲームカード発行ステップSt14終了後から所定時間内に正常排出検知ステップSt15を経ることができない場合、つまり、ゲームカードCの発行処理後から所定時間内においてゲームカード発行部5から正常に排出されたことを正常排出検知手段M8によって検知できない場合は、ディスプレイG2又はスピーカを通じて、カード詰まり等の異常事態が生じていることをプレイヤに報知する処理を実行する。
以上の手順を経てプレイヤに発行されるゲームカードCは、ゲームカード形成媒体C1のうちゲームカード本体部C3のみからなるものであり、掴み代部C4はゲームカード発行装置C内に設けた回収部11aに回収される。したがって、プレイヤが掴み代部C4を入手することは不可能であり、掴み代部C4に記録されている内容を知ることはできない。このように、本実施形態で用いるゲームカード形成媒体C1は、発行対象となるカード本体部C3と、ゲームカード本体部C3に印刷される内容を指定する情報である識別情報が少なくとも付された掴み代部C4(識別情報記録部)とを一体に備え、ゲームカード発行装置Xに供給された後、識別情報に基づく印刷が印刷部4でなされたゲームカード本体部C3がゲームカードCとして発行されるまでの時点で掴み代部C4(識別情報記録部)がゲームカード本体部C3から切り離されてゲームカード発行装置X内で回収されるため、掴み代部C4(識別情報記録部)がカード本体部C3と共にゲームカードとして発行されることがなく、発行したゲームカードCを受け取るプレイヤ側に掴み代部C4(識別情報記録部)が渡ってしまう事態を回避することができる。したがって、識別情報と、カード本体部C3に印刷されるプリントパターンとの関連性をプレイヤ側で解読することは不可能であり、セキュリティ性の向上を図ることができる。
特に、本実施形態に係るゲームカード形成媒体C1は、掴み代部C4(識別情報記録部)に記録されている識別情報が、ゲームカード発行装置Xに供給される前の時点において予めカード本体部C3に対して施される特殊印刷処理方法と同じ特殊印刷処理方法で印刷された特殊印刷部分C6の記録パターンに基づいて特定可能なものであるため、識別情報が記録された領域及びその周辺部分に現れる凹凸を最小限に抑えることができる。その結果、識別情報が記録された領域及びその周辺部分に、識別情報を記録する処理によって大きな凹凸形状が現れた場合に生じる不具合、つまり、ゲームカード本体部C3のうち識別情報が記録された部分の周辺に該当する部分に対する印刷部4による印刷処理が凹凸の影響を受けて適切に行えず、いわゆる白抜け(白濁)が生じるという不具合を防止・抑制することができる。しかも、本実施形態では、ゲームカード発行装置Xに供給される前の時点で特殊印刷処理により掴み代部C4(識別情報記録部)に特殊印刷部分C6を形成したゲームカード形成媒体C1を特殊ゲームカード形成媒体C1aとして用いることができる一方で、掴み代部C4(識別情報記録部)に特殊印刷部分C6を形成していないゲームカード形成媒体C1を、ゲームカード本体部C3に特殊印刷部分C6が現れない通常ゲームカード形成媒体C1bとして用いることができ、プレミアム性が付与される特殊ゲームカードCCを形成する特殊ゲームカード形成媒体C1aにのみ、掴み代部C4(識別情報記録部)に特殊印刷処理を施すことで足り、通常ゲームカード形成媒体C1bとして利用されるゲームカード形成媒体C1の掴み代部C4(識別情報記録部)に対する特殊印刷処理を省くことができ、好適である。
また、本実施形態のゲームカード形成媒体C1は、相互に異なる識別情報毎に、ゲームカード本体部C3に施される特殊印刷部分C6の位置や形状、数等のパターン(本体部特殊印刷パターン)を異ならせることが可能であり、本体部特殊印刷パターンが異なる多種のゲームカードC(特殊ゲームカードCC)を形成することができる。特に、本実施形態では、ゲームカード本体部C3のうち特殊加工部分C6を除く部分に印刷部4で印刷処理する態様を採用しているため、ゲームカード本体部C3の全体に特殊印刷処理を施してその特殊印刷部分C6のうち所定部分に重ねるように印刷部4による印刷処理済み部分C7を形成する態様と比較して、ゲームカード本体部C3における特殊印刷部分C6の形成領域を効率良く限定することができ、特殊印刷に要するインク消費量を少なくすることが可能である。
さらにまた、本実施形態に係るゲームカード形成媒体C1によれば、ゲームカードCとして発行されるゲームカード本体部C3の一部に識別情報の記録領域を確保する必要がなく、ゲームカード本体部C3全体に占める印刷部4による処理可能な領域を最大限広く確保することができ、発行されるカードCに現れている識別情報が不自然な模様やマークとして現れることによるカードCの意匠性低下といった不具合も解消することができる。
また、本実施形態に係るゲームカード発行装置Xは、上述したゲームカード形成媒体C1を供給する給紙部1と、給紙部1から供給されたゲームカード形成媒体C1のうち識別情報記録部として機能する掴み代部C4が有する識別情報を検知可能な識別情報検知部S7と、識別情報検知部S7による検知情報に基づいてゲームカード本体部C3に印刷を施す印刷部4と、印刷部4で印刷を施したゲームカード本体部C3から掴み代部C4を切断するカット部9と、カット部9で切断された掴み代部C4を回収する回収部11aと、カット部9で切断されたゲームカード本体部C3を排出して発行するゲームカード発行部5とを有するものであるため、カット部9で切断した掴み代部C4を回収部11aで回収する一方で、カット部9で切断されたカード本体部C3をゲームカード発行部5から排出して発行することができ、検知情報に基づいてゲームカード本体部C3に印刷部4で印刷し、ゲームカード発行部5から発行したゲームカードCには、識別情報が記録されていないことにより、発行したゲームカードCを受け取るユーザ側で識別情報とゲームカード本体部C3に印刷されているプリントパターンとの関連性を解読することができず、セキュリティ性の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係るゲームカード発行装置Xにおいて、供給部1に供給するゲームカード形成媒体C1として、供給される前の時点において予めゲームカード本体部C3に対して施される特殊印刷処理方法と同じ特殊印刷処理方法で識別情報を印刷したものを適用した場合には、上述したような不具合、つまりゲームカード本体部C3のうち識別情報が記録された部分に連続する部分に、印刷部4による印刷処理後に白抜けが発生し易いという不具合を防止・抑制することができ、印刷品質の向上を図ることができるともに、特殊印刷部分C6と印刷部4による印刷部分C7とが出現するプレミアムゲームカードCPを形成したり、特殊印刷部分C6が現れず印刷部4による印刷部分C7のみが出現する通常ゲームカードCCを形成することが可能である。
加えて、ゲームカード発行装置Xに供給される前の時点において予めゲームカード本体部C3に対して施される特殊印刷処理方法と同じ特殊印刷処理方法で印刷された特殊印刷部分C6によって特定可能な識別情報を有するゲームカード形成媒体C1を用いることで、ホログラム加工や特色印刷等の特殊印刷処理を実行するための専用の特殊印刷部を備えたゲームカード発行装置でなくても、特殊印刷部分C6が現れるプレミアムカードを発行することが可能になり、専用の特殊印刷部が不要な分だけコストの削減及びカード発行装置Xの小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、特殊ゲームカード形成媒体C1aとして利用可能なゲームカード形成媒体C1のうち、ゲームカード本体部C3に設定した特殊印刷部分C6をホログラム加工処理と特色印刷処理とによって形成しているため、意匠性をより一層高めたプレミアムカードCPを発行することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、本発明に係るカード形成媒体を、ゲームカードを形成する媒体として利用するケースについて説明したが、本発明に係るカード形成媒体は、ゲームカード以外のカード、例えばクジ、証明書、金券等の各種カードを形成する媒体として利用することができる。
また、上述の実施形態では、掴み代部を識別情報記録部として機能させる態様を例示したが、掴み代部を設定していないカード形成媒体であれば、カード本体部以外の適宜の部分を識別情報記録部に設定することができる。識別情報記録部に複数の識別情報記録領域を設定する場合、上述の実施形態では、全ての識別情報記録領域をカード形成媒体の幅方向に並べたレイアウトを示したが、これに限らず、例えば図16に示すように、搬送方向Hに沿って複数列に識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czを並べるレイアウトを採用することも可能である。この場合、搬送方向Hに並ぶ識別情報記録領域同士(例えば図16における第1識別情報記録領域Cwと第3識別情報記録領域Cyとの関係)を搬送方向Hに沿って揃えれば(整列させれば)、識別情報検知部として用いるセンサの数が、各列を構成する識別情報記録領域と同数(図16に示す識別情報記録領域のレイアウトであれば2つ)で足り、部品点数の削減及び構造の簡略化を図ることができる。そして、搬送方向Hに沿って搬送されるカード形成媒体C1に対して、列単位で識別情報記録領域の記録内容を識別情報検知部で検知するようにすれば、全ての識別情報記録領域Cw,Cx,Cy,Czの記録内容を適切に検知することができる。なお、図16は、図6に対応して示す図であり、相互に対応する部分に同じ符号を付している。識別情報記録領域の数や形状、レイアウトは適宜設定・変更することができる。
また、識別情報記録部に印刷される特殊印刷部分の記録パターンの数は、適宜増減することができる。識別情報記録部に印刷される特殊印刷部分の記録パターン毎に、カード本体部の特殊印刷部分のパターン(本体部特殊印刷パターン)や印刷部によるプリントパターンを全て異ならせてもよいし、相互に異なる2以上の記録パターンであっても、共通の本体部特殊印刷パターンやプリントパターンは共通するように設定することも可能である。
さらにはまた、カード本体部の印刷領域全体に特殊印刷部分が施されているカード形成媒体であってもよく、この場合、識別情報記録部に記録されている記録パターンに応じて、カード本体部の特殊印刷部分の所定部分に重ねるように印刷部による印刷処理を施す内容のプリントパターンを対応付けておけば、発行されるカードは、特殊印刷部分と、印刷部によって印刷処理された部分とが現れるプレミアムカードになる。
「識別情報記録部に印刷された特殊印刷部分の記録パターン」は、特殊印刷部分の有無、識別情報記録部における特殊印刷部分の位置や大きさ、模様、或いは特殊印刷の種類(色や濃淡)等によって規定される適宜のパターンであればよい。
また、上述の実施形態では、発行するカードに現れる特殊印刷部分(カード本体部の特殊印刷部分)や、識別情報記録部に設定する特殊印刷部分が、ホログラム処理及び特色印刷処理を施した部分である場合を例示したが、各特殊印刷部分がホログラム処理のみを施した部分、又は特色印刷処理のみを施した部分、或いは不可視インクで印刷処理を施した部分であっても構わない。さらにいえば、特色印刷処理は、蛍光色、金、銀のうち何れか1色のみ、又はこれら3色全て、或いは任意の組み合わせである2色を印刷する処理であってもよい。また、カード形成媒体として、特殊印刷部分自体が例えば星などの任意の形状(マーク)をなすものや、特殊印刷部分自体がグラデーションのかかったものを適用することも可能である。さらにはまた、上述の実施形態で掴み代部を識別情報記録部として機能させる態様を例示したが、掴み代部とは別に識別情報記録部をカード本体部と一体に形成したり、掴み代部を有しないカード形成媒体であれば適宜箇所に識別情報記録部を形成(設定)することができる。なお、識別情報記録部は、カード形成媒体のうち、カード本体部と一体に形成(設定)されるものであればよく、カード本体部に対する相対位置は特に限定されない。
また、識別情報は、カード発行装置に供給される前の時点において予めカード本体部に対して施される特殊印刷処理方法と同じ特殊印刷処理方法で識別情報記録部に印刷される特殊印刷部分の記録パターンよって特定可能なものに限定されない。例えば、識別情報として、特殊印刷以外の印刷によって記録可能な情報、ICチップや磁気テープ等の磁気的に記録可能な情報、又はパンチ孔や切欠等の物理的に記録可能な情報等を挙げることができる。また、記録方法が異なる2以上の情報を組み合わせた情報を識別情報として利用することも可能である。そして、識別情報の記録方法に応じて、識別情報検知部は、その記録された識別情報(形状の差異や、例えばプラス記号等や任意のマーク、バーコード、二次元コード、特殊印刷等の有無、または反射率の差異)を、所定のカメラや各種センサ等によって検知するように構成すればよい。
また、識別情報記録部に記録された識別情報の一部がカード本体部にも跨がって記録されたカード形成媒体であっても構わない。このようなカード形成媒体であっても、識別情報の一部だけが記録されたカード本体部がカードとして発行されるため、発行されたカードを受け取るユーザ側においてその一部の識別情報に基づいて識別情報とプリントパターンとの関連性を解読することは極めて困難であり、識別情報の全てがカード本体部に記録された状態でカードとして発行される態様と比較して、セキュリティ性の向上を図ることができる。さらには、識別情報が識別情報記録部からカード本体部の一部に亘って記録されたカード形成媒体である場合、カード本体部に記録された一部の識別情報を、カード本体部に印刷される内容の一部を構成するように利用することも可能である。
カード形成媒体として、ロール紙タイプのものを適用することもできる。例えば、給紙部において巻回されているロール紙状のカード形成媒体には、カード1枚分に相当するカード本体部に連続する位置に識別情報記録部を確保し、カード本体部及び識別情報記録部が一体としてカード発行装置に供給された後、識別情報に基づく印刷が印刷部によって施されたカード本体部がカードとして発行されるまでの時点でカード本体部から識別情報記録部が切り離されて、カード発行装置内で回収されるように構成すれば、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
また、本発明に係るカード発行装置は、上述のゲームカードを発行する装置に限らず、カード形成媒体の種類に応じて、適宜のカード(クジ、証明書、金券等)を発行する装置であればよい。
本発明において、カット部によって識別情報記録部がカード本体部から切り離されるタイミング、及びカード本体部から切り離された識別情報記録部がカード発行装置内で回収されるタイミングは、カード形成媒体が供給部に供給された以降であって、且つカード発行部によってカード本体部を排出して発行するまでの時点であればどのタイミングであっても構わない。例えば、これらのタイミングとして、上述の実施形態で述べた識別情報に基づく印刷がカード本体部になされた以降のタイミング以外に、カード本体部及び識別情報記録部が一体としてカード発行装置に供給された以降であって且つ識別情報に基づく印刷がカード本体部になされる前のタイミング、或いは、カード本体部及び識別情報記録部が一体としてカード発行装置に供給された以降であって且つ記録されている識別情報を検知した後、または識別情報を検知する前のタイミングを挙げることができる。識別情報を検知する前に識別情報記録部がカード本体部から切り離されてカード発行装置内で回収される場合、識別情報検知部によって識別情報を検知するタイミングは、カード本体部から切り離されてカード発行装置内で回収された時点、或いはカード本体部から切り離されてからカード発行装置内で回収されるまでの適宜の時点であればよい。
さらにはまた、本発明に係るカード形成媒体として、カード本体部から切り離された識別情報記録部が、カード発行装置の外部に設けた適宜の回収部(回収ボックスなど)に回収されたり、カード発行装置の外部に設けた適宜の廃棄部によって廃棄されるように構成することも可能である。この場合、カード発行装置として、回収部を備えていないものを適用することができる。
また、本発明に係るカード発行装置が、識別情報が同じカード形成媒体を、それぞれ収容するカセットを複数備えたものであってもよい。各カセットから繰り出されたカード形成媒体に対する印刷処理を、共通の印刷部(つまり、1つの印刷部)によって実行する構成としてもよいし、個別の印刷部(つまり、カセットと同数の印刷部)によってそれぞれ実行する構成にしてもよい。
また、カード発行装置が、排出時におけるカード形成媒体(カード本体部のみからなるカード)の向き(姿勢)と、給紙部に収容している時点におけるカード形成媒体の向き(姿勢)が相互に同一となるように設定したものを適用することも可能である。この場合、上述の実施形態におけるカード姿勢変更部は不要となる。
また、上述の位置決め部を省略したり、搬送部を構成する搬送ローラや、カード形成媒体の通過を検知するセンサの数や配置箇所を適宜変更することも可能である。
上述した実施形態では、印刷部でインクリボンのインクをカード形成媒体に直接熱転写するようにしたが、インクリボンから中間転写フィルムに転写したのち、カード形成媒体に再転写するようにしてもよい。また、印刷部は熱転写式のものに限定されることはなく、インクジェット式等の他の形式のものとしてもよい。
また、上述の実施形態では、ゲームカード形成媒体の表裏面を反転する反転部として、ゲームカード媒体が送り込まれる回転体(回転ドラム)を180度回転させる構成を例示したが、他の構成によってゲームカード形成媒体の表裏面を反転する反転部を採用してもよい。
カード発行装置が、カード形成媒体の片面にのみオンデマンド印刷処理を施したカードを発行するものであっても構わない。この場合、上述の反転部は不要になる。
また、上述の実施形態では、相互に通信可能に接続したゲーム機制御部及びゲームカードプリンタ制御部が協働して、ゲーム装置の作動を制御する制御部として機能する態様を例示したが、ゲーム機の作動及びゲームカードプリンタの作動を制御する単一の制御部を備えたゲーム装置を構成することも可能である。
さらに、本発明に係るプリンタは、上述したカード形成媒体を供給する給紙部と、給紙部から供給されたカード形成媒体のうち識別情報記録部に記録されている識別情報を検知可能な識別情報検知部と、識別情報検知部による検知情報に基づいてカード本体部に印刷を施す印刷部と、印刷部で印刷を施したカード本体部から識別情報記録部を切断するカット部と、カット部で切断されたカード本体部を排出して発行するカード発行部とを有し、カード発行装置として機能するものである。つまり、本発明のプリンタは、上述のカード発行装置に準じた構成を備え、カット部で切断されたカード本体部をカード発行部によって排出して発行するため、プリンタ単体でありながら、検知情報に基づいてカード本体部に印刷部で印刷し、カード発行部で発行したカードには、識別情報が全く記録されていないか、或いは識別情報の一部だけが記録されていないことになり、発行したカードを受け取るユーザ側で識別情報とプリントパターンとの関連性を解読することができず、セキュリティ性の向上を図ることができる等、上述した種々の作用効果を奏するものである。プリンタの具体的な構成や変形例も、上述のカード発行装置の構成及び変形例に準じて採用することができる。したがって、例えば、カット部で切断された識別情報記録部を回収する回収部を備えたプリンタであってもよいし、カット部で切断した識別情報記録部を回収部を備えず、プリンタの外部に設けた適宜の回収部や廃棄部を利用して識別情報記録部を回収したり、廃棄するように構成したプリンタであっても構わない。本発明に係るプリンタの作動を制御する制御部は、プリンタ内部に設けたCPU等の演算処理装置(コントローラ部)単独で構成されたり、或いはプリンタに無線又は有線で接続された情報処理端末装置が有する演算処理装置(コントローラ部)を用いて構成されるようにしてもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。