JP6350989B2 - 軽量盛土構造 - Google Patents

軽量盛土構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6350989B2
JP6350989B2 JP2014182899A JP2014182899A JP6350989B2 JP 6350989 B2 JP6350989 B2 JP 6350989B2 JP 2014182899 A JP2014182899 A JP 2014182899A JP 2014182899 A JP2014182899 A JP 2014182899A JP 6350989 B2 JP6350989 B2 JP 6350989B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint material
gap
groove
plate
stretch joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014182899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016056564A (ja
Inventor
健夫 安野
健夫 安野
優 水野
優 水野
Original Assignee
ダウ化工株式会社
健夫 安野
健夫 安野
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダウ化工株式会社, 健夫 安野, 健夫 安野 filed Critical ダウ化工株式会社
Priority to JP2014182899A priority Critical patent/JP6350989B2/ja
Publication of JP2016056564A publication Critical patent/JP2016056564A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6350989B2 publication Critical patent/JP6350989B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Road Paving Structures (AREA)
  • Sewage (AREA)

Description

本発明は、空港内の舗装や、道路、鉄道の軌道などの構築に用いられる軽量盛土構造に関する。
軟弱地盤や傾斜地の上に道路や空港の舗装、鉄道の軌道を構築する方法として、合成樹脂発泡板を積層した軽量盛土構造が知られている。係る軽量盛土構造においては、特許文献1に開示されているように、合成樹脂発泡板を積層した上に、載荷重の分散や合成樹脂発泡板の保護、不陸調整のためにコンクリート床版が設置される。そして、道路や空港の滑走路、誘導路としては、コンクリート床版の上に路床(砂層)、下層路盤(切込砕石)、上層路盤(粒調整砕石層)、表層(アスファルト層)を形成し、コンクリート床版と一体となって道路舗装体が形成される。また、鉄道の軌道の構築においては、コンクリート床版の上にバラスト(砂利)、枕木及びレールを敷設する。また、空港内で、乗員や乗客の乗降、貨物の積み下ろし、燃料の補給等を行う空港エプロンの場合には、合成樹脂発泡板の上に大型のプレストレスコンクリート版(PC版)を敷設し、舗装を行うことにより、上記コンクリート床版の作用と舗装体の作用とを同時に得ることもできる。
上記のように、コンクリート床版やPC版といったコンクリート版を積載した軽量盛土構造においては、温度変化によるコンクリート版の伸縮を吸収するために、水平方向において所定の距離毎に伸縮目地材を配置する必要がある。伸縮目地材は、現地でコンクリート打設を行う場合には、予め板状に成形した伸縮目地材をせき板として用いることによって隣接するコンクリート版の間に介在させることができる。また、PC版を敷設する場合には、所定の間隙を介してPC版を配置し、係る間隙に溶融させた伸縮目地材を充填したり、ボルトなどの緊結材によりPC版相互間の連結を行い、グラウト材などを充填して、隣接するコンクリート版の間に伸縮目地材を介在させることができる。
しかしながら、上記のように伸縮目地材を配置させた場合であっても、コンクリート版の伸縮の繰り返し、特にコンクリート版の収縮によって、伸縮目地材とコンクリート版との界面に隙間を生じることが知られている。この隙間には、外部の様々な液体がしみ込むことになり、液体の種類によっては、合成樹脂発泡板に影響を及ぼすものもある。例えば、道路であれば、故障や事故によって車両から漏れるガソリン、空港であれば給油作業や事故により漏洩する航空機燃料、鉄道の場合には、ディーゼルカーから漏洩した燃料や車両に塗布される保護用の油脂類などである。
合成樹脂発泡板は一般的に耐油性が低いポリスチレン樹脂を原料としていることから、上記したような油類がコンクリート版と伸縮目地材との隙間からしみ込んだ場合、合成樹脂発泡板が係る油類で膨潤して軟化したり、溶融したりする恐れがある。このような問題に対し、特許文献2に開示されているように、合成樹脂発泡板をポリエチレンシートやポリエチレンフィルム等のポリエチレン製の耐油性部材で覆うことにより、上層からしみ込んでくる油類から合成樹脂発泡板を保護する技術が開示されている。
特許第3726042号公報 特開昭62−197521号公報
上記のように、軽量盛土構造において、コンクリート版と合成樹脂発泡板との間にポリエチレン製の耐油性部材を介在させることで、コンクリート版と伸縮目地材との隙間からしみ込む油類を遮断して合成樹脂発泡板を保護することができる。
しかしながら、耐油性部材上の油類が円滑に外部に排出されずに滞留した場合、油類が広範囲に広がって耐油性部材の重ね目地に到達し、該重ね目地より下層の合成樹脂発泡板に油類が浸透する恐れがある。また、ポリエチレン製の耐油性部材は、滞留した油類に長時間接することで膨潤して変質するため、変質部位より下層の合成樹脂発泡板に油類が浸透する恐れがある。また、ポリエチレン製の耐油性部材は摩擦抵抗が低く、コンクリート版とは一体化しないため、耐油性部材を全面に敷設していた場合には、地震等の振動によってコンクリート版が横滑りする危険性もある。
本発明は、上記問題を解決し、伸縮目地材とコンクリート版との隙間から浸入した油類を円滑に外部に排出し、該油類による合成樹脂発泡板の軟化や溶融を防止した軽量盛土構造を提供することにある。また、本発明は、地震等振動を生じた際にもコンクリート版の横滑りがない軽量盛土構造を提供することにある。
本発明は、積層した合成樹脂発泡板上にコンクリート版を有し、水平方向において互いに隣接するコンクリート版の間隙に伸縮目地材を有する軽量盛土構造であって、
前記合成樹脂発泡板の最上面の前記伸縮目地材直下に前記伸縮目地材に沿った溝部を有し、前記溝部の内面が耐油性部材によって覆われており、前記溝部の長さ方向の末端において、前記溝部に受容された液体が排出される開口を有することを特徴とする。
本発明の軽量盛土構造においては、発泡樹脂板の最上面の伸縮目地材直下に溝部を設けることによって、伸縮目地材とコンクリート版との隙間に浸入した液体が合成樹脂発泡板に浸透する前に外部に排出させることができ、該液体に含まれる油類による合成樹脂発泡板の損傷を防止することができる。特に、該溝部に空隙を設けることによって、該空隙が浸入した液体を受容し、速やかに外部に排出することができるため、浸入した液体がコンクリート版の下方に滞留する恐れがない。また、本発明においては、摩擦抵抗の低いポリエチレン製の耐油性部材を全面に敷設する必要がなく、合成樹脂発泡板の上にコンクリート版を直接積層して一体化し、コンクリート版の横滑りを防止することができる。よって、本発明によれば、油類による経時的な損傷が低減された、耐久性の高い軽量盛土構造が提供される。
本発明の軽量盛土構造の実施形態1の伸縮目地材周辺の拡大断面図である。 本発明の軽量盛土構造の実施形態2の伸縮目地材周辺の拡大断面図である。 本発明の軽量盛土構造の実施形態3のコンクリート打設の工程を示す伸縮目地材周辺の拡大断面図である。 本発明の軽量盛土構造の実施形態3のコンクリート打設の工程を示す伸縮目地材周辺の拡大断面図である。 本発明の軽量盛土構造の実施形態4の伸縮目地材周辺の拡大断面図である。 本発明の軽量盛土構造の実施形態5の伸縮目地材周辺の拡大断面図である。 本発明の軽量盛土構造の実施形態6の伸縮目地材周辺の拡大断面図である。 図7の実施形態6で用いられる耐油性部材と蓋材とを示す断面図である。 本発明の軽量盛土構造の実施形態7の伸縮目地材周辺の拡大断面図である。 本発明の軽量盛土構造の実施形態5の応用例の伸縮目地材周辺の拡大断面図である。
本発明の軽量盛土構造は、積層した合成樹脂発泡板上にコンクリート版を有し、水平方向において互いに隣接するコンクリート版の間隙に伸縮目地材を有する軽量盛土構造であって、合成樹脂発泡板の最上面に溝部を形成し、コンクリート版と伸縮目地材との隙間から浸入した液体を、該溝部を利用して外部に排出することを特徴とする。以下に、本発明の構成を図面を参照して詳細に説明する。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の軽量盛土構造の一実施形態の伸縮目地材周辺の拡大断面図であり、伸縮目地材の幅方向に沿った断面図である。
本発明の軽量盛土構造は、合成樹脂発泡板1を所定の高さにまで積層した上に、コンクリート版2が積層される。合成樹脂発泡板1は通常ポリスチレン発泡体が用いられるが、本発明はこれに限定されない。また、コンクリート版2としては、現地でコンクリート打設して形成されるコンクリート床版や、予め板状に形成されて現地で敷設されるプレキャストのPC版が用いられるが、本例は現地でコンクリート打設して形成される例である。本発明においては、図1に示されるように、水平方向(紙面左右方向)において、所定の距離毎に隣接するコンクリート版2,2の間に伸縮目地材4が配置され、コンクリート版2の温度変化による伸縮が該伸縮目地材4によって吸収される。
本発明においては、合成樹脂発泡板1の最上面の、伸縮目地材4の直下に溝部3を有し、該溝部3の内面は耐油性部材6によって覆われている。溝部3の幅方向断面形状については特に限定されない。また、溝部3は伸縮目地材4とコンクリート版2との隙間に浸入した液体が溝部3の周辺の合成樹脂板1上に容易に浸出しない程度の大きさを有していればよく、大きすぎると軽量盛土の強度低下を招く。好ましくは高さが0.5〜5.0cm、最大幅が1.0〜10.0cmである。
また、図1の例では、溝部3は合成樹脂発泡板1の最上面の面内に形成されているが、隣り合う2枚の合成樹脂発泡板1の突き合わせ部分の一方或いは両方の合成樹脂発泡板1の最上面の端部に形成してもよい。また、溝部3は、合成樹脂発泡板1を切削して形成してもよいし、予め溝部3の形状を設けた金型を用いて溝部3を有する合成樹脂発泡板1を発泡成形しても良い。また、溝部3を形成していない合成樹脂発泡板1の上に、溝部3の深さに相当する高さの新たな合成樹脂発泡板1を溝部3以外の領域に積層して、新たな合成樹脂発泡板1のない部分を溝部3としてもよい。
本発明において用いられる耐油性部材6としては、従来用いられていたポリエチレンシートや、鋼板、耐油性樹脂板など耐油性を有する素材で形成されたシートや板状部材であれば好ましく用いられる。耐油性樹脂板としては、ポリエステルやポリプロピレン等の耐油性の高い樹脂の発泡板が好ましく用いられる。また、耐油性部材6は1種類であっても、図1に示すように、2種類の部材6a,6bを積層して用いてもかまわない。
また、耐油性部材6は、少なくとも溝部3の内面を覆っていれば良いが、図1に示すように、溝部3の開口部の周囲の合成樹脂発泡板1の上面にまで広げて覆うことが好ましい。
本例においては、コンクリート版2の膨張収縮等によってコンクリート版2と伸縮目地材4との界面に生じた隙間から浸入した液体は溝部3内に到達するが、溝部3の内面が耐油性部材6によって覆われているため、下方の合成樹脂発泡板1にまでは浸透しない。また、該液体は溝部3内に受容されるため、すぐには溝部3の周囲に広がらない。さらに、本例においては、溝部3の長さ方向末端に、該溝部3に受容された液体を排出するための開口を有しているため、溝部3内に受容された液体が溝部3の周囲に広がる前に、該液体はコンクリート版2と伸縮目地材4との隙間を溝部3の長さ方向に沿って移動し、該長さ方向末端の開口から外部に排出される。
本発明においては、溝部3の底面に達した液体がより円滑に外部に排出されるように、溝部3の底面が長さ方向末端の開口に向かって下方に傾斜していることが好ましい。溝部3の長さ方向の両末端に開口を有する場合には、溝部3の底面が、溝部3の長さ方向中央部で最も高く、両末端で最も低くなるように傾斜していることが好ましい。また、溝部3の長さ方向の一方の端部にのみ開口を有する場合には、溝部3の底面は、最低でも水平、好ましくは開口を有する末端に向かって下方に傾斜していることが好ましい。
図1の軽量盛土構造の施工方法としては、合成樹脂発泡板1を積層し、溝部3に耐油性部材6を配置した後、コンクリート打設用のせき板として予め板状に形成された伸縮目地材4を下端が溝部3の底面に接するように立てて配置し、該伸縮目地材4の一方の側にコンクリートを流し込んでコンクリート版2を形成する。その後、他方の側において所定の距離をおいて形成された溝部3に新たな伸縮目地材4をせき板として配置し、先に打設した側の伸縮目地材4と新たな伸縮目地材4との間にコンクリートを流し込んで次のコンクリート版2を形成する。順次係る工程を繰り返して水平方向にコンクリート版2と伸縮目地材4とを配置する。
上記したように、本例においては、現地でコンクリートを打設してコンクリート版2を形成する際に、せき板として予め板状に成形された伸縮目地材4を用いる。このような板状の伸縮目地材4は市販されている。
〔実施形態2〕
実施形態1においては、伸縮目地材4とコンクリート版2との隙間に浸入した液体を該隙間を利用して外部に排出する形態を示したが、本例においては、該液体の排出をより確実に且つ速やかに行うため、溝部3内に積極的に空隙を形成する。図2は、本発明の第2の実施形態の伸縮目地材周辺の拡大断面図であり、伸縮目地材の幅方向に沿った断面図である。本例においても、合成樹脂発泡板1と溝部3、耐油性部材6については実施形態1と同様である。
図2は、伸縮目地材4とコンクリート版2との隙間に浸入した液体を受容するための空隙5を溝部3内に設けた例であり、本例では、コンクリート版2を打設する際のせき板として、予め板状に形成された伸縮目地材4として、3枚の伸縮目地材4a、4b、4cを積層して用いることにより、該空隙5を形成する。具体的には、両側の伸縮目地材4a、4cについては下端が溝部3の底面に到達し、中央の伸縮目地材4bについては下端が溝部3の底面との間に間隙を有するように、伸縮目地材4a、4b、4cを互いにずらせて積層する。これにより、伸縮目地材4bの下方に空隙5が形成される。
本発明において、溝部3内に形成される空隙5は該溝部3の長さ方向に沿って連続しており、溝部3の長さ方向の末端に該空隙5に受容された液体を外部に排出するための開口を有する。よって、伸縮目地材4とコンクリート版2との隙間から浸入し、溝部3の底面に到達した液体は、伸縮目地材4a、4cの下端から空隙5内に浸入し、該空隙5内を溝部3の長さ方向に沿って移動し、該長さ方向の末端の開口から外部に排出される。
本例においても、溝部3の底面は、少なくとも水平、好ましくは空隙5の開口が有る溝部3の長さ方向末端が下方となるように傾斜させる。また、本例の軽量盛土構造の施工方法は伸縮目地材4として3枚の伸縮目地材4a、4b、4cの積層体を用いる以外は実施形態1と同様である。
〔実施形態3〕
本実施形態は、実施形態2と同様に、溝部3に空隙5を設けた例である。図3、図4は、本発明の第3の実施形態のコンクリート打設の工程を示すせき板周辺の拡大断面図であり、せき板の幅方向に沿った断面図である。本例においても、合成樹脂発泡板1と溝部3、耐油性部材6については実施形態1、2と同様である。
本例においては、図3に示すように、コンクリート版2の打設時に、先ず、せき板7を下端が耐油性部材6で覆われた溝部3の底面に接するように配置して、該せき板7の一方の側にコンクリートを流し込んでコンクリート版2を形成する。次に、せき板7を取り外し、伸縮目地材4を取り付けるが、この時、伸縮目地材4として、2枚の伸縮目地材4a、4bを積層して用いる。この時、一方の伸縮目地材4bは下端が溝部3の底面に到達し、既に打設されたコンクリート版2に接する他方の伸縮目地材4aは下端が溝部3の底面との間に間隙を有するように、伸縮目地材4a、4bを互いにずらせて積層する。これにより、図4に示すように、伸縮目地材4aの下方に空隙5が形成される。伸縮目地材4を取り付けた後、他方の側において所定の距離をおいて形成された溝部3に耐油性部材6を配置し、新たなせき板7を配置して、先に打設した側の伸縮目地材4と新たなせき板7との間にコンクリートを流し込んで次のコンクリート版2を形成する。順次係る工程を繰り返して水平方向にコンクリート版2と伸縮目地材4とを配置する。
本例においても、溝部3内に形成される空隙5は、溝部3の長さ方向に沿って連続しており、溝部3の長さ方向の末端に空隙5に受容された液体を外部に排出するための開口を有する。本例においては、伸縮目地材4bとコンクリート版2との隙間から浸入し、溝部3の底面に到達した液体は、伸縮目地材4bの下端から空隙4内に浸入する。空隙5内に浸入した液体は該空隙5内を溝部3の長さ方向に沿って移動し、該長さ方向末端の開口から外部に排出される。
本例においても、溝部3の底面は、少なくとも水平、好ましくは空隙5の開口が有る溝部3の長さ方向末端が下方となるように傾斜させる。
〔実施形態4〕
本実施形態は、実施形態2,3と同様に、溝部3に空隙5を設けた例である。図5は、本発明の第4の実施形態の伸縮目地材周辺の拡大断面図であり、伸縮目地材の幅方向に沿った断面図である。本例においても、合成樹脂発泡板1と溝部3、耐油性部材6については実施形態1乃至3と同様である。
本例では、伸縮目地材4の下端を挟んで両面に、該下端から下方に突出する空隙形成板8,8を両ナットボルト等の取り付け部材10で取り付け、空隙形成板8,8の下端が耐油性部材6で覆われた溝部3の底面に接するように伸縮目地材4を設置して、コンクリート打設時のせき板とする。この状態でコンクリートを流し込めば、伸縮目地材4の下方に空隙5が形成される。空隙形成板8,8は伸縮目地材4の長さ方向に沿って取り付けられ、空隙5も伸縮目地材4の直下を長さ方向に連続して形成される。
本例においても、溝部3内に形成される空隙5は、溝部3の長さ方向に沿って連続しており、溝部3の長さ方向の末端に空隙5に受容された液体を外部に排出するための開口を有する。本例においては、伸縮目地材4とコンクリート版2との隙間から浸入した液体は、伸縮目地材4と空隙形成板8との間から空隙5内に浸入する。空隙5内に浸入した液体は該空隙5内を溝部3の長さ方向に沿って移動し、該長さ方向末端の開口から外部に排出される。
空隙形成板8の材料としては特に限定されないが、耐油性と所定の強度を備えていることが好ましく、実施形態1で耐油性部材6の材料として挙げた鋼板や耐油性樹脂板が好ましく用いられる。
本例においても、溝部3の底面は、少なくとも水平、好ましくは空隙5の開口が有る溝部3の長さ方向末端が下方となるように傾斜させる。また、本例の軽量盛土の施工方法は空隙形成板8を用いる以外は実施形態1と同様である。
〔実施形態5〕
本実施形態も、実施形態2〜4と同様に、溝部3に空隙5を設けた例であるが、本例では、プレキャストのコンクリート版2を用いた例である。図6は、本発明の第5の実施形態の伸縮目地材周辺の拡大断面図であり、伸縮目地材の幅方向に沿った断面図である。本例においても、合成樹脂発泡板1と溝部3、耐油性部材6については実施形態1乃至4と同様である。
本例では、合成樹脂発泡板1を積層し、溝部3に耐油性部材6を配置した後、プレキャストのコンクリート版2を積層するが、この時、隣り合うコンクリート版2,2の間隙に予め板状に成形された伸縮目地材4を挟み込むことにより、伸縮目地材4の下端周辺に空隙5が形成される。尚、溝部3の幅がコンクリート版2,2の間隙と等しくても空隙5は形成されるが、好ましくは、図6に示すように、隣り合うコンクリート版2,2の間隙よりも十分に幅の広い溝部3を形成しておく。
本例においても、溝部3内に形成される空隙5は、溝部3の長さ方向に沿って連続しており、溝部3の長さ方向の末端に空隙5に受容された液体を外部に排出するための開口を有する。よって、伸縮目地材4とコンクリート版2との隙間から浸入した液体は空隙5内に浸入し、該空隙5内を溝部3の長さ方向に沿って移動し、該長さ方向末端の開口から外部に排出される。
本例においても、溝部3の底面は、少なくとも水平、好ましくは空隙5の開口が有る溝部3の長さ方向末端が下方となるように傾斜させる。
尚、プレキャストのコンクリート版2を用いた例として、図10に示すように、予め一端の上部に切り欠き12を設けておいたコンクリート版2の端部をつきあわせて積層し、該切り欠き12に溶融した伸縮目地材4を充填した構成も好ましく適用される。一般的にプレキャストのコンクリート版は現場で打設されるコンクリート版に比べて平面積が小さく、伸縮目地材4を配置する間隔が小さい。そのため、コンクリート版2の伸縮の幅が小さく、図10に示すように、端部の一部をつきあわせて配置することも可能である。
〔実施形態6〕
本実施形態も、実施形態2〜5と同様に、溝部3に空隙5を設けた例であり、実施形態1〜4と同様にコンクリート版2を現地で打設する例である。図7は、本発明の第6の実施形態の伸縮目地材周辺の拡大断面図であり、伸縮目地材の幅方向に沿った断面図であり、図8は本例で用いられる耐油性部材4と蓋材9の断面図である。本例においても、合成樹脂発泡板1と溝部3、耐油性部材6については実施形態1乃至5と同様である。
本例においては、図7に示すように、伸縮目地材4の下端を挟んで両面に、該伸縮目地材4から水平方向に突出する蓋材9,9が、両ボルトナット等の取り付け部材10で取り付けられている。蓋材9,9は、伸縮目地材4に取り付ける面と、溝部3の開口を覆う面とを備え、断面が略L字型に形成され、伸縮目地材4の長さ方向に沿って取り付けられている。本例では、溝部3の内面を覆う耐油性部材6の開口部にフランジ6cを設け、該フランジ6cの内側に段差6dを設けておく一方、蓋材9,9の外周から下方に突出する突出部9aを形成しておくことにより、該突出部9aが段差6dに突き当たって、蓋材9,9が耐油性部材6に嵌合し、溝部3の開口が覆われる。
本例に用いられる蓋材9と耐油性部材6とは、耐油性と所定の強度を備えていることが好ましく、実施形態1で耐油性部材6の材料として挙げた鋼板や耐油性樹脂板が好ましく用いられる。
本例も実施形態2と同様に、蓋材9,9を取り付けた伸縮目地材4を、該蓋材9,9が耐油性部材6で覆われた溝部3の開口を覆うように配置し、この状態で伸縮目地材4の一方の側にコンクリートを打設して一方のコンクリート版2を形成する。次に、伸縮目地材4の他方の側の、所定の距離をおいて形成された溝部3に耐油性部材6を配置して、同様にして蓋材9,9を取り付けた新たな伸縮目地材4を配置し、先に打設した側の伸縮目地材4と新たな伸縮目地材4との間にコンクリートを流し込んで次のコンクリート版2を形成する。順次係る工程を繰り返して水平方向にコンクリート版2と伸縮目地材4とを配置する。
本例においても、溝部3内に形成される空隙5は、溝部3の長さ方向に沿って連続しており、溝部3の長さ方向の末端に空隙5に受容された液体を排出するための開口を有する。本例においては、伸縮目地材4とコンクリート版2との隙間から浸入した液体は、伸縮目地材4と蓋材9との隙間から空隙5内に浸入する。空隙5内に受容された液体は該空隙5内を溝部3の長さ方向に沿って移動し、該長さ方向末端の開口から外部に排出される。
本例においても、溝部3の底面は、少なくとも水平、好ましくは空隙5の開口が有る溝部3の長さ方向末端が下方となるように傾斜させる。
〔実施形態7〕
本実施形態は、実施形態6の構成に加えて、止水板11を用いた例であり、図9は本例の伸縮目地材周辺の拡大断面図であり、伸縮目地材の幅方向に沿った断面図である。尚、係る止水板11は実施形態1,2,4にも適用可能である。
止水板11は市販されている部材であり、図9に示すように、伸縮目地材4を貫通し、幅方向の両端が該伸縮目地材4に隣接するコンクリート版2,2に埋没し、伸縮目地材4の長さ方向に沿って配置される。係る止水板11は、コンクリート打設に際し、上下に板状の伸縮目地材4,4を配置してせき板とすることで、止水板11の両端をコンクリート版2,2中に埋没させることができる。
本例では、コンクリート版2と伸縮目地材4との隙間に浸入した液体は、止水板11の周面を伝って下方に浸透し、空隙5に流れ込む。特に、経年劣化などやコンクリート版2が膨張伸縮を繰り返した場合に有効な方法である。しかしながら、止水板11との併用により、浸入する液体は微少となるため、空隙5を形成する構造をより簡素化することが可能である。即ち、溝部3の溝幅を小さくした構成や、止水板11を実施形態1,2,4などのより簡素な構成と組み合わせた構成でも高い効果が得られる。
〔実施形態8〕
本発明の軽量盛土構造においては、伸縮目地材とコンクリート版との隙間から浸入した油類を含む液体を伸縮目地材直下の溝部或いは溝部内に設けた空隙で受容し、外部に排出するが、本発明の軽量盛土構造を道路の構築に利用した場合には、液体を排出するための溝部或いは空隙の開口を道路の側溝内に設けることで、雨水など路面から排出された液体と合わせて処理することができる。具体的には、道路を構築する場合には、本発明の軽量盛土構造のコンクリート版の上に路面材が配置されて路面が形成され、伸縮目地材は道路を幅方向に横切って配置される。そして道路に沿って幅方向の少なくとも一方の端部に沿って側溝を形成し、該側溝内に係る開口を設ければよい。
また、周囲の環境への配慮から、側溝近傍に油水分離槽を配設しておき、側溝に排出された液体を該油水分離槽に導入して、油類と水分とに分離して油類を回収することも好ましい形態である。
上記実施形態は、本発明の軽量盛土構造が適用される形態に応じて適宜選択される。
1:合成樹脂発泡板、2:コンクリート版、3:溝部、4、4a,4b,4c:伸縮目地材、5:空隙、6,6a,6b:耐油性部材、6c:耐油性部材のフランジ、6d:耐油性部材の段差、7:せき板、8:空隙形成板、9:蓋材、9a:蓋材の突出部、10:取り付け部材、11:止水板、12:切り欠き

Claims (10)

  1. 積層した合成樹脂発泡板上にコンクリート版を有し、水平方向において互いに隣接するコンクリート版の間隙に伸縮目地材を有する軽量盛土構造であって、
    前記合成樹脂発泡板の最上面の前記伸縮目地材直下に前記伸縮目地材に沿った溝部を有し、前記溝部の内面が耐油性部材によって覆われており、前記溝部の長さ方向の末端において、前記溝部に受容された液体が排出される開口を有することを特徴とする軽量盛土構造。
  2. 前記溝部内に前記間隙から侵入した液体を受容する空隙を有し、前記溝部の長さ方向の末端において、前記空隙に受容された液体が排出される開口を有することを特徴とする請求項1に記載の軽量盛土構造。
  3. 前記伸縮目地材が3枚の伸縮目地材を積層してなり、両側の伸縮目地材は下端が前記溝部の底面に到達し、中央の伸縮目地材は下端が前記溝部の底面とは間隙を有しており、前記間隙が前記空隙であることを特徴とする請求項2に記載の軽量盛土構造。
  4. 前記伸縮目地材が2枚の伸縮目地材を積層してなり、一方の伸縮目地材は下端が前記溝部の底面に到達し、他方の伸縮目地材は下端が前記溝部の底面とは間隙を有しており、前記間隙が前記空隙であることを特徴とする請求項2に記載の軽量盛土構造。
  5. 前記伸縮目地材の下端を挟んで両面に、前記下端から下方に突出し前記溝部の底面に達する空隙形成板が、前記伸縮目地材の長さ方向に沿って取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の軽量盛土構造。
  6. 前記伸縮目地材の下端を挟んで両面に、前記伸縮目地材から水平方向に突出して前記溝部の開口を覆う蓋材が、前記伸縮目地材の長さ方向に沿って取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の軽量盛土構造。
  7. 前記耐油性部材がポリエチレンシート、鋼板、樹脂板の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造。
  8. 前記伸縮目地材を貫通し、幅方向の両端部が前記伸縮目地材に隣接するコンクリート版に埋没する止水板が、前記伸縮目地材の長さ方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の軽量盛土構造。
  9. 前記コンクリート版の上に路面材が配置されて道路の路面が形成され、前記伸縮目地材が前記道路を横切って配置され、前記道路に沿って側溝が形成され、前記液体が排出される開口が前記側溝内に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の軽量盛土構造。
  10. 前記道路の側溝近傍に、前記側溝に排出された液体が導入される油水分離槽が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の軽量盛土構造。
JP2014182899A 2014-09-09 2014-09-09 軽量盛土構造 Active JP6350989B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014182899A JP6350989B2 (ja) 2014-09-09 2014-09-09 軽量盛土構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014182899A JP6350989B2 (ja) 2014-09-09 2014-09-09 軽量盛土構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016056564A JP2016056564A (ja) 2016-04-21
JP6350989B2 true JP6350989B2 (ja) 2018-07-04

Family

ID=55757730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014182899A Active JP6350989B2 (ja) 2014-09-09 2014-09-09 軽量盛土構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6350989B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106835862A (zh) * 2016-12-27 2017-06-13 中铁二局集团有限公司 一种道床伸缩缝泡沫板安装装置及其操作方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58160499A (ja) * 1982-03-17 1983-09-22 東和産業株式会社 トンネル等の漏水防止工法
JP2517278Y2 (ja) * 1992-06-30 1996-11-20 積水化成品工業株式会社 盛土用ブロック
JP2971674B2 (ja) * 1992-09-30 1999-11-08 株式会社トクヤマ 排水構造体
JP2581859Y2 (ja) * 1992-12-16 1998-09-24 大成建設株式会社 Pcf外壁の止水構造
US5549418A (en) * 1994-05-09 1996-08-27 Benchmark Foam, Inc. Expanded polystyrene lightweight fill
JPH0949322A (ja) * 1995-08-09 1997-02-18 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 発泡合成樹脂ブロック及びその再利用方法
JPH09203129A (ja) * 1996-01-26 1997-08-05 Bridgestone Corp 目地材及び止水構造
JP3328802B2 (ja) * 1998-01-19 2002-09-30 真佐子 中村 橋梁における排水装置
JP3751849B2 (ja) * 2001-03-28 2006-03-01 積水化成品工業株式会社 軽量盛土工法におけるコンクリート床版とアンカーとの固定構造
JP4192255B2 (ja) * 2003-07-23 2008-12-10 株式会社カネカ 拡幅盛土構造
JP4153470B2 (ja) * 2004-07-14 2008-09-24 ケイコン株式会社 路面排水処理槽
JP4589700B2 (ja) * 2004-11-17 2010-12-01 大成ロテック株式会社 保水性舗装構造の施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016056564A (ja) 2016-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8545127B2 (en) Rig mat system and method of making the same
KR20210031777A (ko) 지오셀 및 지오그리드를 갖는 포장도로 시스템
JP5187143B2 (ja) 液状化に伴う不陸抑制・噴発防止構造
JP5815360B2 (ja) 改良地盤、およびその施工方法
JP5294672B2 (ja) 橋梁の接合方法
ZA200705820B (en) Concrete track for rail vehicles
JP2014114593A (ja) 道路構造物と盛土との境界部における道路構造
EP0711372B1 (en) Improvements in or relating to pavements
JP6350989B2 (ja) 軽量盛土構造
WO2011037002A1 (ja) 樹脂製積層構造物を備える地中構造物
US8721214B2 (en) Culvert with a deformation zone
KR101837093B1 (ko) 지하차도, 교량, 복개암거 또는 터널 등을 포함한 콘크리트 구조물에서의 차량 주행면 신축이음 구조 및 시공방법
KR20190112451A (ko) 탄성보강재를 이용하여 내구성을 향상시킨 신축이음 시공방법
US6974278B2 (en) Thermo-structural base for construction on unstable soils
JP2013083144A (ja) 液状化防止構造
RU80168U1 (ru) Устройство дорожной одежды
JP2008163613A (ja) 建物基礎及び建物基礎工法
CA2800339A1 (en) Lightweight support mat for equipment and vehicles
JP2023046196A (ja) 道路構造物の製造方法および道路構造物
MX2013000087A (es) Sistemas y aparatos para proteger un conducto subterraneo y metodos de fabricacion y uso de ellos.
KR101028387B1 (ko) 노반용 블럭 및 이를 이용한 도로포장공법
CN114370005A (zh) 一种预防桥面裂缝的长寿命桥面铺装结构施工方法
JP5526842B2 (ja) 地盤沈下対策構造、地盤沈下対策方法
JP2009108574A (ja) 舗装構造
KR100809001B1 (ko) 철근 콘크리트 보강 슬래브를 구비한 콘크리트 포장 도로의침하량 제어 기반의 지반 보강 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6350989

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250