JP2009108574A - 舗装構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】桁遊間3の両側にある橋桁1,2上に、該コンクリート構造体とこの上に敷設される舗装体との間の水平方向の相対変位を許容するスライディングシート18を敷設し、このスライディングシート上に、上下方向に幅を有する帯状となった複数の鋼板を互いに接合して形成され、該鋼板によって囲まれた空間が上下方向に貫通する網状の補強部材22を敷設する。補強部材の貫通する空間内に、骨材と骨材間を埋める合成樹脂とを充填して補強部材と一体となった樹脂混合物層27を形成し、この上にアスファルト混合物層28を積層する。
【選択図】図1
Description
この舗装構造では、桁遊間の両側の橋桁又はコンクリート構造物の上部に切り欠きを設け、この切り欠き内で桁遊間に架け渡すように荷重支持材を設置する。そして、これをアスファルト系材料又は合成樹脂等によって埋め込んで桁遊間の両側にわたって平坦に仕上げた後、スライディングシートを敷設し、この上に桁遊間の両側で連続する舗装体を形成するものとなっている。舗装体は基層と表層からなり、基層には水平方向の引張力に抵抗する補強部材が埋め込まれている。
二つの橋桁上又は橋桁と橋台との上に連続して舗装が設けられていると、橋桁の伸縮により桁遊間が変動したときに、この橋桁の変位が舗装体に伝えられ、舗装体には繰り返し引張及び圧縮ひずみが発生することになる。このようなひずみは舗装体の広い範囲に分散させ、舗装体の弾性変形または粘弾性変形で吸収し、ひびわれを防止する構造としている。しかし、桁長が大きい場合等には橋桁の伸縮長も大きくなり、ひずみの分散が均等に生じにくくなる。そして、ひずみの大きい部分に雨水の浸透等が生じ易くなる。このため、桁遊間付近の舗装は、桁伸縮の影響を受けない範囲よりも耐久性が劣ることになりやすい。
前記樹脂混合物層と前記アスファルト混合物層との間には、アスファルトを含む接着剤層又は合成樹脂を含む接着剤層が介挿されているものとする。
図1は、本願発明の一実施形態である舗装構造を示す概略断面図である。
この舗装構造は、連続して架設された二つのコンクリート橋桁1,2の桁遊間3上に伸縮装置等を用いることなく、舗装体4を連続して敷設したものである。この桁遊間3は、温度の変化等によって変動するものであり、両側の橋桁1,2上の所定範囲にスライディングシートを敷設し、この上に舗装体を形成して桁遊間の変動による舗装体のひずみを上記スライディングシートの敷設範囲に分散させるものである。
桁遊間の両側にあるコンクリート橋桁1,2には、桁上面から所定の深さの切り欠きが設けられている。そして、この下側に桁遊間を塞ぐようにバックアップ材11が詰め込まれ、その上にシーリング材12が桁間を連結するように充填される。このシーリング材12はコンクリートに対して接着性を有するものであり、大きな弾性変形を生じ、桁遊間が変動した場合にも、桁間への漏水を防止することができるものである。
上記中埋層16は、図1に示すように、桁間の中央部で最も厚く、両側で徐々に薄くなるように形成されている。この中埋層16を構成する材料は、できるだけ弾性変形が生じ易く桁の伸縮に追従し得るものが望ましいが、橋面上の荷重等によって過度の変形が生じるものでは使用できず、高密度で変形に対する追従性に優れたグースアスファルト又はアスファルト混合物が用いられる。
上記接着剤29は、例えばエポキシ樹脂を主成分とするものを用いることができ、1m2当たりに0.6Kg程度が塗布され、未硬化の状態でアスファルト混合物層2が積層されたものである。これにより樹脂混合物層27とアスファルト混合物層28とが良好な密着性を有するものとなっている。
上記表層28bは、基層28a上に厚さ40mmで形成されており、樹脂混合物層27が設けられていない範囲と連続するものとなっている。
なお、上記基層28a及び表層28bの厚さは、道路の使用状況、橋桁の構造等に応じて適宜に設定することができるものである。
さらに、この抗張力シート24が現場に搬入される時には、下面側に剥離紙が接着されており、敷設時にはこれを剥して基層の上に敷き拡げることによって、基層の上面に容易に接着される。
また、上記実施の形態は、樹脂混合物層を補強部材22の鋼板の頂部より低い位置まで形成したものであるが、補強部材の頂部より高い位置まで形成してもよい。この樹脂混合物層は、厚さを10〜50mm程度の範囲とするのが望ましい。
この舗装構造は、桁遊間の変動が小さい場合、又は橋桁の伸縮による桁遊間の変動はなく、活荷重の載荷にともなう桁のたわみによって桁遊間が変動する場合等に採用されるものである。
この舗装体34の補強部材41及び抗張力シート40の構成は、図1に示す舗装構造と同じものであり、敷設の方法等も同じである。
このような構成とすることでも、図1に示す舗装構造と同様に騒音が低減されるとともに、耐久性に優れた舗装構造とすることができる。
11:バックアップ材、 12:シーリング材、 13:不陸調整層、 14:棒鋼、 15:樹脂コンクリート、 16:中埋層、 17:合成樹脂層、 18:スライディングシート、 19:止水シート、 20:クッション材、 21:一層式のスライディングシート、 22:補強部材、 23:アンカー、 24:抗張力シート、 25:骨材、 26:未硬化の合成樹脂、 27:樹脂混合物層、 28:アスファルト混合物層、 28a:基層、 28b:表層、 29:接着剤、
31,32:橋桁、 33:桁遊間、 34:舗装体、 35:樹脂モルタル、 36:バックアップ材、 37:シーリング材、 38:目地材、 39:スライディングシート、 40:抗張力シート、 41:補強部材、 42:樹脂混合物層、 43:アスファルト混合物層
Claims (5)
- 桁遊間上の両側にわたって舗装体を連続して敷設する舗装構造であって、
前記桁遊間の両側にあるコンクリート構造体上に、該コンクリート構造体とこの上に敷設される舗装体との間の水平方向の相対変位を許容するスライディングシートが敷設され、
該スライディングシート上に、上下方向に幅を有する帯状となった複数の鋼板を互いに接合して形成され、該鋼板によって囲まれた空間が上下方向に貫通する網状の補強部材が敷設され、
前記補強部材の貫通する空間内に、骨材と骨材間を埋める合成樹脂とが充填されて樹脂混合物層が形成されており、
前記補強部材及び前記樹脂混合物層を覆うようにアスファルト混合物層が形成されていることを特徴とする舗装構造。 - 前記樹脂混合物層の上面は、前記補強部材を構成する帯状の鋼板の上縁より低い位置にあり、
前記アスファルト混合物層は、前記補強部材の貫通する空間内における前記帯状の鋼板の上縁より低い位置まで入り込み、前記樹脂混合物層の上面と接するように敷設されていることを特徴とする請求項1に記載の舗装構造。 - 前記樹脂混合物層は、前記補強部材の貫通する空間内に骨材を投入しておき、その後に未硬化の液状の合成樹脂を流し込み、硬化させることによって形成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の舗装構造。
- 前記樹脂混合物層と前記アスファルト混合物層との間には、アスファルトを含む接着剤層又は合成樹脂を含む接着剤層が介挿されていることを特徴とする請求項1,請求項2又は請求項3に記載の舗装構造。
- 前記アスファルト混合物層は、基層と該基層上に積層された表層を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の舗装構造。
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