JP4927681B2 - 舗装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、道路橋の桁間又は桁と橋台との間における橋面に、伸縮装置を用いることなく連続して形成される舗装構造に関するものである。
高速道路等の交通量が多い道路では車輌の走行にともなう騒音の発生が近隣の居住環境を悪化させる要因となっている。特に、橋梁部分では橋桁と橋桁との間または橋桁と橋台との間に橋桁の伸縮を許容する遊間が設けられ、この部分で舗装を不連続とするとともに路面を伸縮可能に接合する伸縮装置が設けられており、騒音の発生源となっている。このため、市街地の橋梁例えば高架橋等では、橋桁と橋桁または橋桁と橋台との間に伸縮装置を用いず、連続した舗装を設ける構造が提案されている。このような構造を採用することによって橋桁と橋桁との間又は橋桁と橋台との間における騒音を著しく低減することができる。また、遊間上で伸縮装置を用いることなく連続した舗装を形成することにより、走行車輌に伝わる衝撃が著しく緩和され、乗り心地が大幅に改善される。
このような桁遊間上に連続して設けられた舗装構造として、例えば特許文献1に開示されているものがある。
この舗装構造では、桁遊間の両側の橋桁又はコンクリート構造物の上部に切り欠きを設け、この切り欠き内で桁遊間に架け渡すように荷重支持材を設置する。そして、これをアスファルト系材料又は合成樹脂等によって埋め込んで桁遊間の両側にわたって平坦に仕上げた後、スライディングシートを敷設し、この上に桁遊間の両側で連続する舗装体を形成するものとなっている。舗装体は基層と表層からなり、基層には水平方向の引張力に抵抗する補強部材が埋め込まれている。
特開平11−93104号公報
しかしながら、上記のような従来の技術には、次のような改良が望まれる課題がある。
二つの橋桁上又は橋桁と橋台との上に連続して舗装が設けられていると、橋桁の伸縮により桁遊間が変動したときに、この橋桁の変位が舗装体に伝えられ、舗装体には繰り返し引張及び圧縮ひずみが発生することになる。このようなひずみは舗装体の広い範囲に分散させ、舗装体の弾性変形または粘弾性変形で吸収し、ひびわれを防止する構造としている。しかし、桁長が大きい場合等には橋桁の伸縮長も大きくなり、ひずみの分散が均等に生じにくくなる。そして、ひずみの大きい部分に雨水の浸透等が生じ易くなる。このため、桁遊間付近の舗装は、桁伸縮の影響を受けない範囲よりも耐久性が劣ることになりやすい。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、桁の伸縮にともなう舗装体のひずみを分散する性能に優れ、高い耐久性を有する舗装構造を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 桁遊間上の両側にわたって舗装体を連続して敷設する舗装構造であって、 前記桁遊間の両側にあるコンクリート構造体上に、該コンクリート構造体とこの上に敷設される舗装体との間の水平方向の相対変位を許容するスライディングシートが敷設され、 該スライディングシート上に、上下方向に幅を有する帯状となった複数の鋼板を互いに接合して形成され、該鋼板によって囲まれた空間が上下方向に貫通する網状の補強部材が敷設され、 前記補強部材の貫通する空間内に、骨材と骨材間を埋める合成樹脂とが充填されて樹脂混合物層が形成され、 前記補強部材及び前記樹脂混合物層を覆うようにアスファルト混合物層が形成されており、 前記樹脂混合物層の上面は、前記補強部材を構成する帯状の鋼板の上縁より低い位置にあり、
前記アスファルト混合物層は、前記補強部材の貫通する空間内における前記帯状の鋼板の上縁より低い位置まで入り込み、前記樹脂混合物層の上面と接するように敷設されている舗装構造を提供する。
上記構成において、桁遊間は、橋桁と橋桁との間又は橋桁と橋台との間に設けられる隙間であり、橋桁の温度変化等による伸縮を許容するものである。また、上記コンクリート構造体は、コンクリートからなる橋桁、鋼桁の上に形成されたコンクリート床版、コンクリートからなる橋台等を含むものである。
この舗装構造では、桁遊間の両側にわたり連続して舗装体が形成され、スライディングシートが敷設された範囲で舗装体がコンクリート構造体上で滑動可能となっている。このため桁遊間が変動したときに、舗装体のひずみは桁遊間に集中することなく、スライディングシートの敷設範囲に分散される。このとき、補強部材の鋼板に囲まれた空間内に充填された樹脂混合物層は、圧縮方向のみならず引張方向にも弾性的に大きな変形を許容するとともに、補強部材の鋼板と強い接着力で一体となっている。このため、桁が収縮することによって桁遊間が拡大したときにも、橋桁の軸線方向にひずみを分散して弾性的に伸長し、樹脂混合物層にひび割れ等を生じることが抑制される。つまり、アスファルト混合物内に補強部材が埋め込まれているものでは、アスファルト混合物層に生じるひび割れを補強部材で拡大するのを抑制するのとは異なり、補強部材と樹脂混合物層が一体となった弾性板として挙動する。これにより、樹脂混合物層にひびわれは生じにくく、ひずみを良好に分散することになる。したがって、樹脂混合物層の上に積層されたアスファルト混合物層にひずみが集中するのが回避され、微小なひび割れの発生が抑制されて舗装体の耐久性が向上する。
また、補強部材の鋼板の上端付近がアスファルト混合物層内に埋め込まれることになり、この鋼板によって樹脂混合物層からアスファルト混合物層に水平方向の力を伝達することができる。また、樹脂混合物層とアスファルト混合物層との一体性が増大する。したがって、樹脂混合物層とアスファルト混合物層とのひずみの分布をほぼ同じにすることが可能となり、アスファルト混合物層にひずみが集中するのをより確実に回避することが可能となる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の舗装構造において、 前記樹脂混合物層は、前記補強部材の貫通する空間内に骨材を投入しておき、その後に未硬化の液状の合成樹脂を流し込み、硬化させることによって形成されているものとする。
上記合成樹脂は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とのいずれをも使用することができるが、未硬化の合成樹脂は一般に粘性、粘着力を有し、骨材と練り合わせた状態では、補強部材の鋼板間の空間に充填することが難しくなる場合も生じる。しかし、上記舗装構造のように、あらかじめ骨材を投入した後に未硬化の合成樹脂を流し込むことにより、所定の高さまで樹脂混合物層を容易に形成することができ、骨材間等に空隙を生じることも低減することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の舗装構造において、
前記樹脂混合物層と前記アスファルト混合物層との間には、アスファルトを含む接着剤層又は合成樹脂を含む接着剤層が介挿されているものとする。
この舗装構造では、接着剤層によって樹脂混合物層とアスファルト混合物層との間に空隙を生じることなく、密着させて積層することができる。したがって、樹脂混合物層のひずみがアスファルト混合物層に良好に伝達されるとともに、樹脂混合物層とアスファルト混合物層との間に空隙が生じて雨水等の浸入による耐久性の劣化が生じるのを防ぐことができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の舗装構造において、 前記アスファルト混合物層は、基層と該基層上に積層された表層を含むものとする。
この舗装構造では、補強部材及びこれと一体となった樹脂混合物層を基層内に埋め込み、樹脂混合物層が形成されていない領域と表層を同じ厚さで連続して形成することができる。これにより、舗装体の表面に樹脂混合物層を設けた影響が現れるのを抑制することができ、良好な路面状況を維持することができる。
以上説明したように、本発明の舗装構造では、繰り返し橋桁の伸縮が生じても、桁遊間の両側にわたって連続して設けられた舗装体のひずみが良好に分散され、微小なひびわれ等の発生が抑えられる。したがって、雨水等が浸入することによる劣化が抑制され高い耐久性を有するものとなる。
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の一実施形態である舗装構造を示す概略断面図である。
この舗装構造は、連続して架設された二つのコンクリート橋桁1,2の桁遊間3上に伸縮装置等を用いることなく、舗装体4を連続して敷設したものである。この桁遊間3は、温度の変化等によって変動するものであり、両側の橋桁1,2上の所定範囲にスライディングシートを敷設し、この上に舗装体を形成して桁遊間の変動による舗装体のひずみを上記スライディングシートの敷設範囲に分散させるものである。
この舗装構造の詳細は次のとおりである。
桁遊間の両側にあるコンクリート橋桁1,2には、桁上面から所定の深さの切り欠きが設けられている。そして、この下側に桁遊間を塞ぐようにバックアップ材11が詰め込まれ、その上にシーリング材12が桁間を連結するように充填される。このシーリング材12はコンクリートに対して接着性を有するものであり、大きな弾性変形を生じ、桁遊間が変動した場合にも、桁間への漏水を防止することができるものである。
上記切り欠きの底部は、樹脂コンクリートによる不陸調整層13が設けられ、この上にクッション材20を敷設し、その上に荷重支持部材5が配列されている。上記クッション材は、ポリエステル不織布にアスファルトを含浸させたものであり、この上に配列される荷重支持部材5と桁1,2との相対変位が大きな抵抗なく生じるように配設されるものである。
また、荷重支持部材5は、図2に示すように、鋼板材を溝型に加工した部材を桁遊間に架け渡すようにほぼ平行に多数配列することによって形成されており、隣り合う部材間で軸方向の相対変位を許容するように係合されている。そして、これらの部材は一つおきに両側で棒鋼14に係止され、樹脂コンクリート15によって桁に固定されている。したがって、桁が伸縮したときに、平行に多数配列された部材は交互に両側の桁に固定されて一体に移動するが、隣り合う部材間で摺動し、桁遊間3の変動に対応するとともに、桁遊間3が変動したときにも舗装4及び橋面の荷重を支持できるようになっている。
上記荷重支持部材5の上には、これを覆うように中埋層16が形成され、さらにその上に合成樹脂層17が形成されて、切り欠き部分の上面が橋桁1,2の上面とほぼ同じ高さとなるように平坦に仕上げられている。
上記中埋層16は、図1に示すように、桁間の中央部で最も厚く、両側で徐々に薄くなるように形成されている。この中埋層16を構成する材料は、できるだけ弾性変形が生じ易く桁の伸縮に追従し得るものが望ましいが、橋面上の荷重等によって過度の変形が生じるものでは使用できず、高密度で変形に対する追従性に優れたグースアスファルト又はアスファルト混合物が用いられる。
上記合成樹脂層17は、上記中埋層16の上に充填されるので、桁間の中央部で薄く、両側で徐々に厚くなっており、両側で切り欠きの傾斜面に接着されている。この合成樹脂層17を構成する材料は、大きな弾性変形を生じるとともに、コンクリートに対する接着力が大きいものが望ましく、ここでは、ウレタン変性ビニルエステル樹脂が用いられている。また、中埋層16を形成する材料との接着力は小さいものが望ましいが、中埋層16の上面に接着力を低減する材料を塗布したり、シート状の材料を介挿することもできる。
上記中埋層16及び合成樹脂層17は、桁遊間3が拡大したときに両層間で相対変位し、中埋層16が桁遊間3の拡大に追従できなくても、切り欠き部分の上面はほぼ平坦な状態に維持される。つまり、橋桁1,2の上面と切り欠きが設けられた部分との境界部に隙間や段差が発生するのが防止される。
上記のように切り欠き内に中埋層16、合成樹脂層17が形成され、上面が平坦になった上にスライディングシート18が敷設される。このスライディングシートは、この上に形成される舗装体4と橋桁1,2との水平方向の相対移動を許容するために用いられるものである。このスライディングシート18が敷設される範囲は、桁遊間の両側の所定範囲であり、桁遊間3の変動量に応じて決定される。
上記スライディングシート18は、図3に示すように、ポリエステルフィルム18cをゴム化アスファルト18dの薄い層の上に積層した下側シート18aと、抗張力繊維のメッシュ18eを埋込んだゴム化アスファルト18fの薄い層の下面に、ポリエステルフィルムで補強されたアルミ箔18gを貼着した上側シート18bとを重ね合わせたものであり、下側シート18aの最上層のポリエステルフィルム18cと、上側シート18bの最下層のアルミ箔18gとの間で滑動するようになっている。そして、上記スライディングシート18が敷設された範囲の縁部には、止水シート19が上記スライディングシート18の縁を覆うように敷設され、滑り面に雨水等が流入するのを防止している。
また、切り欠き部分の上には、図4に示すような、2枚の滑動用シート21a、21bを重ね合わせてゴム化アスファルト層21cに埋込んだ一層式のスライディングシート21が、上記2層式のスライディングシート18の下側に敷設され、この部分は2重に滑り層が形成されている。
上記スライディングシート18の上には、桁遊間の両側に連続して舗装体4が形成されている。この舗装体4は、スライディングシート18の上に敷設された鋼製の補強部材22と、この補強部材と一体となるように形成された樹脂混合物層27と、この樹脂混合物層27の上に積層されたアスファルト混合物層28とを含むものである。
上記補強部材22は、帯状の鋼板材を折り曲げるとともに多数を接合して、図5に示すように、ハニカム状のパネルにしたものである。ハニカム状となった六角柱状の空間は上下に貫通しており、高さは例えば20mmとすることができる。この補強部材22の上記六角柱状の空間を埋めるように樹脂混合物層27が形成されている。
この補強部材22は橋桁1,2の軸線方向に連続しており、敷き並べられた範囲の両端部でアンカー23により橋桁1,2に固定されている。これにより、橋桁1,2が収縮して桁遊間3及び補強部材22が敷設された範囲が拡大したときに、橋桁1,2の移動とともに補強部材22の両端部間が拡大し、これらの間で補強部材22及び一体となった樹脂混合物層27の引張力によるひずみが分散されるものとなっている。
この樹脂混合物層27は、図6(a)に示すように、補強部材22を敷設した後にこの補強部材22の六角柱状の空間内に骨材25を投入し、これらの骨材間及び骨材25と補強部材22の鋼板との間に未硬化の合成樹脂26を流し込んで形成されたものである。これらの骨材25及び合成樹脂26からなる樹脂混合物層27は、図6(b)に示すように、補強部材22の鋼板の上部22aが上面より突出するように鋼板の頂部より低い位置まで充填するものとしている。
上記骨材25は、砂利、採石等を用いることができ、最大粒径は樹脂混合物層27の層厚Tの3/4程度以下とするのが望ましい。また、流し込む未硬化の合成樹脂26が隙間を生じることなく充填されるように砂等の細骨材は使用しないのが望ましく、骨材25の最小粒径は未硬化の合成樹脂の充填性を考慮して決定されるもので、例えば5mmとすることができる。
上記合成樹脂26は、ラジカル重合系のウレタン(メタ)アクリレート樹脂を使用するのが望ましい。これは熱硬化性樹脂に分類されるものであり、この他にラジカル重合系の樹脂として、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、メチル(メタ)アクリレート樹脂等を用いることもできる。また、付加重合系の樹脂では、ウレア樹脂、エポキシ樹脂、(ポリ)ウレタン樹脂等を用いることもできる。一方、熱可塑性樹脂も、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂等を用いることもできる。
上記樹脂混合物層27及びこれと一体となった補強部材22の上には、図7に示すように合成樹脂からなる接着剤29を塗布した後にアスファルト混合物層が形成されている。
上記接着剤29は、例えばエポキシ樹脂を主成分とするものを用いることができ、1m2当たりに0.6Kg程度が塗布され、未硬化の状態でアスファルト混合物層2が積層されたものである。これにより樹脂混合物層27とアスファルト混合物層28とが良好な密着性を有するものとなっている。
アスファルト混合物層28は、基層28aと表層28bとからなるものである。基層28aは、上記樹脂混合物層27が設けられた範囲外では40mmの厚さに形成されるものであり、樹脂混合物層27が設けられた範囲では上面の高さが一致するように厚さが決定されている。そして、この基層28aは、図7に示すように樹脂混合物層27の上で六角柱状の空間内に充填される。したがって、樹脂混合物層27が伸縮するときには、補強部材22の鋼板がキーとして作用し、樹脂混合物層27のひずみがほぼそのままアスファルト混合物層28に伝達されるものとなっている。
上記表層28bは、基層28a上に厚さ40mmで形成されており、樹脂混合物層27が設けられていない範囲と連続するものとなっている。
なお、上記基層28a及び表層28bの厚さは、道路の使用状況、橋桁の構造等に応じて適宜に設定することができるものである。
上記基層及び表層を形成するアスファルト混合物28は、砂利、砕石、砂等の骨材とアスファルトとを混合したものである。骨材の流度分布を調整することにより空隙率を調整することができ、密粒度アスファルト混合物を使用することもできるし、空隙率が20%程度となる開粒度アスファルト混合物を使用することもできる。
上記基層28aと表層28bと間にはひずみ抵抗性にすぐれた拡張力シート24が介挿されている。この抗張力シート24は、図8に示すように、抗張力繊維24aをメッシュ状に織ったものをアスファルト系材料の薄い層24b内に埋め込んだものを用いている。上記抗張力繊維24aとしては、炭素繊維、ガラス繊維、ビニロンやアラミド等の合成繊維等を用いることができる。また、アスファルト系材料はゴム化アスファルトを用いるのが望ましい。
この抗張力シートの上面には珪砂24cがほぼ一様に付着されており、現場へ重ね合わせて又はロール状に巻いて搬入する時に、シートが互いに接着してしまうのを防止している。また、この抗張力シート24を敷設した後、表層のアスファルト混合物を敷き均すときに、加熱されたアスファルト混合物に上記珪砂が取り込まれ、確実に一体化される。
さらに、この抗張力シート24が現場に搬入される時には、下面側に剥離紙が接着されており、敷設時にはこれを剥して基層の上に敷き拡げることによって、基層の上面に容易に接着される。
以上に説明した構成の舗装構造において、桁遊間3が変動すると、補強部材22と一体となった樹脂混合物層27にひずみが生じる。しかし、スライディングシート18が敷設された範囲で樹脂混合物層27は桁上を滑動できるものとなっており、樹脂混合物層27は補強部材22によって引張力が分担されるとともに弾性的に変形し、引張ひずみが分散される。また、基層28a及び表層28bにはさらに分散されてひずみが伝達され、基層及び表層のアスファルト混合物28にひびわれが生じるのが抑制される。これにより舗装体4の耐久性も向上するものとなる。
なお、表層に空隙率が20%程度の開粒度アスファルト混合物を用いることもでき、このような舗装体では雨水等は速やかに浸透して排出され、ハイドロプレーニング現象の防止効果や車輌走行による騒音の低減効果も備えるものとなる。
また、上記実施の形態は、樹脂混合物層を補強部材22の鋼板の頂部より低い位置まで形成したものであるが、補強部材の頂部より高い位置まで形成してもよい。この樹脂混合物層は、厚さを10〜50mm程度の範囲とするのが望ましい。
図9は、本願発明の他の実施形態である舗装構造を示す概略断面図である。
この舗装構造は、桁遊間の変動が小さい場合、又は橋桁の伸縮による桁遊間の変動はなく、活荷重の載荷にともなう桁のたわみによって桁遊間が変動する場合等に採用されるものである。
この舗装構造では、桁遊間33の上部にバックアップ材36が詰め込まれ、その上にシーリング材37が二つの橋桁31,32間を連結するように充填されており、桁遊間33の両側の桁31,32上部に設けられた切り欠き内には樹脂モルタル35(又は樹脂コンクリート)が充填されている。この樹脂モルタル35は、橋桁31,32のコンクリートと一体とされるとともに、桁遊間上には目地材38が介挿され、両側の橋桁31,32の相対変位を許容するとともに桁遊間上の舗装体34を支持するようになっている。
この樹脂コンクリート35の上には、図1に示す舗装構造と同様にスライディングシート39が敷設され、この上に補強部材41と一体となった樹脂混合物層42が設けられている。そして、この上にアスファルト混合物層つまり基層43aが形成され、さらに抗張力シート40を介して表層43bが積層されている。
この舗装体34の補強部材41及び抗張力シート40の構成は、図1に示す舗装構造と同じものであり、敷設の方法等も同じである。
このような構成とすることでも、図1に示す舗装構造と同様に騒音が低減されるとともに、耐久性に優れた舗装構造とすることができる。
本願発明の一実施形態である舗装構造を示す概略断面図である。 図1に示す舗装構造で用いられる荷重支持部材の概略斜視図である。 図1に示す舗装構造で用いられる二層式のスライディングシートの拡大断面図である。 図1に示す舗装構造で用いられる一層式のスライディングシートの拡大断面図である。 図1に示す舗装構造で用いられる補強部材の概略斜視図である。 図1に示す舗装構造の樹脂混合物層の構成を示す概略断面図である。 図1に示す舗装構造の舗装体の概略断面図である。 図1に示す舗装構造で用いられる抗張力シートの拡大断面図である。 本願発明の他の実施形態である舗装構造を示す概略断面図である。
1:橋桁、 2:橋桁、 3:桁遊間、 4:舗装体、 5:荷重支持部材、 11:バックアップ材、 12:シーリング材、 13:不陸調整層、 14:棒鋼、 15:樹脂コンクリート、 16:中埋層、 17:合成樹脂層、 18:スライディングシート、 19:止水シート、 20:クッション材、 21:一層式のスライディングシート、 22:補強部材、 23:アンカー、 24:
抗張力シート、 25:骨材、 26:未硬化の合成樹脂、 27:樹脂混合物層、 28:アスファルト混合物層、 28a:基層、 28b:表層、 29:接着剤、 31,32:橋桁、 33:桁遊間、 34:舗装体、 35:樹脂モルタル、 36:バックアップ材、 37:シーリング材、 38:目地材、 39:スライディングシート、 40:抗張力シート、 41:補強部材、 42:樹脂混合物層、 43:アスファルト混合物層

Claims (4)

  1. 桁遊間上の両側にわたって舗装体を連続して敷設する舗装構造であって、
    前記桁遊間の両側にあるコンクリート構造体上に、該コンクリート構造体とこの上に敷設される舗装体との間の水平方向の相対変位を許容するスライディングシートが敷設され、
    該スライディングシート上に、上下方向に幅を有する帯状となった複数の鋼板を互いに接合して形成され、該鋼板によって囲まれた空間が上下方向に貫通する網状の補強部材が敷設され、
    前記補強部材の貫通する空間内に、骨材と骨材間を埋める合成樹脂とが充填されて樹脂混合物層が形成され、
    前記補強部材及び前記樹脂混合物層を覆うようにアスファルト混合物層が形成されており、
    前記樹脂混合物層の上面は、前記補強部材を構成する帯状の鋼板の上縁より低い位置にあり、
    前記アスファルト混合物層は、前記補強部材の貫通する空間内における前記帯状の鋼板の上縁より低い位置まで入り込み、前記樹脂混合物層の上面と接するように敷設されていることを特徴とする舗装構造。
  2. 前記樹脂混合物層は、前記補強部材の貫通する空間内に骨材を投入しておき、その後に未硬化の液状の合成樹脂を流し込み、硬化させることによって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の舗装構造。
  3. 前記樹脂混合物層と前記アスファルト混合物層との間には、アスファルトを含む接着剤層又は合成樹脂を含む接着剤層が介挿されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の舗装構造。
  4. 前記アスファルト混合物層は、基層と該基層上に積層された表層を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の舗装構造。
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