JP2005048389A - 伸縮継手装置 - Google Patents

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憲 丹羽
Shinichi Yokota
慎一 横田
Naohiro Oda
尚広 黄田
Kazunobu Hashimoto
和信 橋本
Fuminari Shizuku
文成 雫
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Abstract

【課題】表層側に多孔質弾性体からなる伸縮層を備えており、温度変化や車両走行等に起因する橋桁間の変位を吸収すると共に、表層側の持ち上がり等の変形が抑えられ、橋桁への取り付けが容易である伸縮継手装置を提供する。
【解決手段】伸縮継手装置10は、橋桁2上面に載置されたゴム弾性体製の防水層11と、防水層11上に積層された弾性骨材と樹脂バインダーを含む多孔質弾性体からなる伸縮層16とを備えた積層構造になっており、防水層と伸縮層との境界で両者に跨って配置されて橋軸直角方向に延びた縦長の菱形形状である複数の伸縮孔15を設けている。伸縮継手装置は、橋脚1に支持された一対の橋桁2の連結部分にて遊間3を跨いで配置され、アンカー19により固定されており、両側のアスファルト舗装4と面一になるように配設される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁の一対の橋桁の連結部分にて橋桁の遊間を跨いで載置され、橋桁の変動に伴う遊間の変位を吸収する伸縮継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の橋梁用の伸縮継手装置としては、例えば特許文献1に示すように、一対の橋梁の遊間部に介装された弾性復元機能を有する間隙介装材が知られている。この間隙介装材は、その弾性復元機能により、温度の変化や車両の通行に伴う橋桁の変動に伴う遊間の変位を吸収しようとしている。この間隙介装材では、橋桁の離間方向への変動による遊間の広がりの場合の引張力の作用に対しては比較的十分に対応できていた。しかし、橋桁の接近方向への変動による遊間の収縮の場合に対する追従性が十分ではなく、間隙介装材の表層側に盛り上がりが生じて、両側舗装部との平坦性が損なわれ易く、車両の円滑な通行に影響を与え、さらには舗装部の破損をもたらすおそれもあった。
【0003】
これに対して、例えば特許文献2に示すように、シート状の弾性体層と、弾性体層のいずれか一端部が橋体(橋桁)等に固定される連結部材と、橋体の遊間間に跨って差し渡されて弾性体層を支持する荷重支持部材とを備えた埋設ジョイント部材が知られている。この埋設ジョイント部材は、橋体の伸縮遊間の両側上にわたって施設される舗装部の底部と橋体との間に設けられ、弾性体層に伸縮遊間の収縮量より大きい変位量を連結部材によって張力として付与した状態で取り付けられている。しかし、この埋設ジョイント部材では、橋体等への取り付けの際、いちいち弾性体層を引張る必要があるため取り付け作業が煩雑であると共に、弾性体層を引っ張るための装置が必要になり、取り付けコストが高価になるという問題がある。また、埋設ジョイント取り付け時の外気温の違い、例えば夏と冬、夜間と昼間の違いによって張力を調節する必要があるので煩雑である。特に、冬期には遊間距離が非常に大きくなって非常に大きな張力が必要となり、埋設ジョイントを均一に引張ることが困難になる。
【0004】
また、上記特許文献2にも記載されているように、伸縮継手装置の表層とアスファルト舗装部とのジョイントを接着剤で行ういわゆるノージョイント化が進められるのに伴い、表層部分が排水性、高強度、吸音性等を備えた多孔質弾性体による舗装材が用いられるようになっている。しかし、多孔質弾性舗装材は、弾性骨材が樹脂バインダによって固められたものであるため、コンクリートやアスファルトに比べて柔軟性はあるが、ゴム材料等に比べて柔軟性は不十分であり特に収縮性が不十分であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−306409号公報(第2頁、図2)
【特許文献2】
特開平10−72804号公報(第2頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、表層側に多孔質弾性体からなる伸縮層を備えたものであって、温度変化や車両走行等に起因する橋桁間の変位を吸収すると共に、表層側の持ち上がり等の変形が抑えられ、さらに橋桁への取り付けが容易である伸縮継手装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、橋梁の一対の橋桁の連結部分にて橋桁の遊間を跨いで橋桁上に載置され、橋桁の変動に伴う遊間の変位を吸収する伸縮継手装置であって、橋桁上面に載置された弾性を有する防水層と、防水層上に積層された路面表層を構成する少なくとも弾性骨材と樹脂バインダーを含む多孔質弾性体からなる伸縮層とを備えてなり、少なくとも伸縮層内に橋軸直角方向に水平に延びた複数の伸縮孔を設けたことにある。
【0008】
上記のように構成した請求項1の発明においては、伸縮層が弾性骨材と樹脂バインダーを含む多孔質弾性体からなるものであり、それ自体では一対の橋桁相互の接近方向への変動による遊間の収縮の場合に対する追従性が十分ではない。しかし、伸縮層内に橋軸直角方向に水平に延びた複数の伸縮孔が設けられていることにより、伸縮層の変位が伸縮孔で吸収されるため、伸縮層の橋軸方向の収縮が適正に行われる。そのため、橋桁の変動により大きな遊間変位が生じたとき、それに応じて伸縮層が橋桁上でスムーズに伸縮する。また、伸縮層の収縮による変位が伸縮孔で吸収されるため、伸縮層の上面側の盛上り等の不要な変形が抑えられる。
【0009】
また、伸縮継手装置の橋桁への取り付けの際に、伸縮継手装置を引張る必要がないので、継手装置の取り付けの手間が簡略にされると共に、取り付けのための特別な装置も必要とされない。さらに、伸縮層が、多孔質弾性体製なので、排水性に優れており、そのため、降雨時等における路面のすべり摩擦係数の低下が抑えられ、車両のすべりが抑えられる。また、伸縮層に浸透した水分については、防水層で遮断されて橋桁側に流れ込まないので、橋桁側の信頼性が損なわれることもない。また、伸縮層が多孔質弾性体製なので、伸縮層の強度が高められるため、車両の通過に伴う伸縮層の損傷が抑えられ、その耐久性が高められる。さらに、多孔質弾性体は吸音性が優れているため、車両の通過に伴う騒音や振動の発生が抑えられる。
【0010】
また、上記請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の伸縮継手装置において、伸縮孔が、上下方向に長い菱形形状であることにある。このように伸縮孔を、上下方向に長い菱形形状としたことにより、橋桁の橋軸方向の変動による遊間の収縮に応じた伸縮層の橋軸方向の収縮が伸縮孔で吸収される際、伸縮孔から上方向へ加えられる応力が緩和され、そのため、伸縮層の表面側の盛上りが効果的に抑えられる。
【0011】
また、上記請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1又は2に記載の伸縮継手装置において、伸縮孔が、伸縮層と防水層の両側に跨って配設されたことにある。この場合、伸縮層及び防水層の表面にそれぞれ伸縮孔の一部を形成して、それぞれの伸縮孔を合わせて伸縮層と防水層を重ね合せて接着することにより、伸縮継手装置に伸縮孔を形成することができる。このように、伸縮層及び防水層の成形時に伸縮孔の一部をそれぞれ同時に形成できるので、伸縮孔の形成が簡易に行われる。また、伸縮孔を伸縮層と防水層に跨って配設したことにより、伸縮孔の形成位置を伸縮層の表層表面から離すことができるので、通過する車両の輪荷重による伸縮層の耐荷重性の低下が抑えられる。
【0012】
また、上記請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の伸縮継手装置において、伸縮層内の伸縮孔の上方に、水平に延びた盛上り防止板が埋設されたことにある。このように、伸縮層内の伸縮孔の上方に盛上り防止板が埋設されたことにより、遊間の収縮方向の圧縮力に対して、伸縮孔周囲の伸縮層の盛上りが盛上り防止板によって抑えられるため、伸縮層の表面における盛上りを確実に防止できる。また、伸縮層が車両からの過大な輪荷重を受けたときに、輪荷重の伸縮孔への影響が盛上り防止板によって遮断されることにより、伸縮層の厚さ方向の無用な変形等が確実に防止される。
【0013】
また、上記請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項4に記載の伸縮継手装置において、盛上り防止板が、伸縮孔に対応した複数箇所に設けられたことにある。このように、伸縮層内の伸縮孔の上方に埋設された盛上り防止板が、伸縮孔に対応した複数箇所に分散配置されたことにより、伸縮層の橋軸方向の伸縮が、盛上り防止板によって不当に妨げられることはない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、一実施形態である橋桁の長さが50m以下で遊間変位も短い小型橋梁用の伸縮継手装置の使用状態を正面図により示したものである。この伸縮継手装置10は、橋桁2上面に載置されたゴム弾性体製の防水層11と、防水層11上に積層された路面表層を構成する弾性骨材と樹脂バインダーと硬質骨材とを含む多孔質弾性体からなる伸縮層16とを備えた積層構造になっており、防水層11と伸縮層16との境界で両者に跨って配置されて橋軸直角方向に水平に延びた複数の伸縮孔15を設けている。伸縮継手装置10は、橋脚1に支持されたコンクリート製の一対の橋桁2の連結部分にて遊間3を跨いで配置され、アンカー19により橋桁2に固定されており、伸縮層16の上面が両側のアスファルト舗装4表面と面一になるように配設されている。また、一対の橋桁2の上端側の遊間3には、緩衝ゴム5が両橋桁2の対向面に固定して配設されている。
【0015】
防水層11は、硬質ゴム弾性体製であり厚さが例えば30mmになっており、上面には、橋軸方向(図1の左右方向)に沿って遊間3を挟んだ左右両側に分かれてそれぞれ複数箇所に橋軸直角方向に延びた断面がV字形状の溝部12を有している。また、防水層11内には、底面に近接して橋軸方向の中央にて遊間3を跨いでかつ橋軸直角方向に延びた金属板である補強板13が埋設されている。さらに、また、防水層11内には、底面に近接して橋軸方向の左右両側近傍にて水平に延びると共に両端で折り曲げられて垂直上方に延びたくの字状の端補強部材14を設けている。なお、防水層11の材質は、ゴム弾性体に限らず、ウレタンシート、瀝青シート等の弾性及び防水性を有するものを用いることが可能である。
【0016】
伸縮層16は、弾性骨材であるひじき状のゴムチップと、樹脂バインダーと、第3の成分材料として硬質骨材である砂を混合成形した多孔質弾性体により構成され、例えば厚さが全体として30mmであり、上側10mm厚さの部分が空隙率が約40%にされており、下側20mm厚さの部分が空隙率20%にされている。なお、ゴムチップの形状としては、伸縮層の強度を高める上でひじき状が好ましいが、その他粒状タイプ、粉状タイプ等も用いられる。弾性骨材としては、天然,合成ゴム等のゴム材料の他に、熱可塑性エラストマー、発泡ポリウレタン等の弾性を有する合成樹脂材料が用いられるが、資源再利用の観点から廃タイヤより作製されるゴムチップが好適に利用される。また、樹脂バインダーについては、ウレタン系が望ましいが、その他エポキシ系バインダー等特に限定しない。硬質骨材は、無機材料として砕石、砂、珪砂、シリカ、ガラス等の窯業材料等が、有機材料としてナイロン、ウレタン等の樹脂材料等の中から少なくとも1種類を選択して用いられる。ただし、多孔質弾性体においては、必要に応じて硬質骨材を省くこともある。
【0017】
伸縮層16は、下面に、上記防水層11の溝部12に対応する数箇所にて溝部に重なるように橋軸直角方向に延びた断面二等辺三角形状の溝部17を有しており、溝部12と合わせて縦長のひし形形状を形成している。また、伸縮層16内には、溝部17の上側の左右に別れてそれぞれ溝部17を覆ってかつ橋軸直角方向に延びた金属板である一対の盛上り防止板18が埋設されている。
【0018】
上記伸縮層16多孔質弾性体の製造方法について説明する。成形金型に盛上り防止板18をセットし、弾性骨材であるひじき状ゴムチップとウレタン系バインダーと硬質骨材である珪砂とを攪拌機にて混合して調整した合材を、空隙率20%になるように計量して、金型内に投入して略20mmの厚さに加圧成形される。その上に、同様に空隙率40%になるように計量された合材を金型に投入して略10mmの厚さに加圧される。これら略30mm厚さの積層された合材を加圧状態で加熱することにより、伸縮層16が得られる。この場合、合材に熱風を吹き付けて透過させることにより、短時間に均一な加圧加熱が行われ、そのため多孔質弾性体本来の特性を有すると共に耐久性も適正に確保される均一な物性の伸縮層16が得られる。また、伸縮層16を短時間で製造できるので、製造コストを安価にすることができる。この伸縮層16を防水層11に接着剤を用いて貼り付けることにより伸縮継手装置10が得られ、伸縮層と防水層11の境界に、溝部12と溝部17が合わされた上下方向に長い菱形形状の伸縮孔15が設けられる。
【0019】
伸縮継手装置10は、コンクリート製の一対の橋桁2と、橋桁の上に敷設されのアスファルト舗装4により形成された両凹部に挿嵌されて遊間3を跨いで配置される。伸縮継手装置10は、四隅に設けた上下に貫通した取付孔(図示しない)を介してアンカー19により橋桁2に固定され、さらに橋軸方向両側側面にて接着剤によりアスファルト舗装4の側面に接着固定される。
【0020】
上記構成の実施形態においては、伸縮層16が弾性骨材と樹脂バインダー及び硬質骨材を含む多孔質弾性体であり、それ自体では両橋桁2の接近方向への変動による遊間3の収縮の場合に対する追従性が十分ではないが、伸縮層16及び防水層11に跨って橋軸直角方向に水平に延びた複数の伸縮孔15を設けている。それにより、伸縮層16の橋軸方向の変位が伸縮孔15で吸収されやすいため、伸縮層16の橋軸方向の収縮が確保される。そのため、橋桁2の変動により大きな遊間変位が生じたとき、それに応じて伸縮層16が橋桁2上でスムーズに伸縮する。
【0021】
また、伸縮孔15を上下方向に長い菱形形状としたことにより、橋軸方向の変位による遊間3の収縮に伴う伸縮層16の橋軸方向の収縮による変位が伸縮孔15で吸収される際、伸縮孔15から上方向へ加えられる応力が緩和され、そのため、伸縮層16の表面側の盛上りが効果的に抑えられる。また、伸縮孔15が、防水層11と伸縮層16とに跨って配設されたことにより、防水層11及び伸縮層16の表面にそれぞれ伸縮孔15の一部を構成する溝部12,17形成すればよい。そのため、伸縮孔15の形成を防水層11及び伸縮層16の成形時に同時に行うことができるので、伸縮孔15の形成が簡易に行われる。また、伸縮孔15の形成位置を伸縮層16の表面から離すことができるので、通過する車両の輪荷重による伸縮層16の耐荷重性への影響を少なくすることができる。
【0022】
また、伸縮継手装置10の橋桁2への取り付けの際に、伸縮継手装置10を橋軸方向に引張る必要がないので取り付けの手間が簡略にされると共に取り付けのための特別な装置も必要ない。そのため、伸縮継手装置10の橋桁2への取付コストが非常に安価にされる。さらに、伸縮層16が、多孔質弾性体製なので、排水性に優れており、そのため降雨時等における路面のすべり摩擦係数の低下が抑えられる。その結果、この伸縮継手装置10によれば、降雨時等における車両のスリップ事故等の発生を防止できる。また、伸縮層16に浸透した水分については、防水層11で遮断されて橋桁2側に流れ込まないので、橋桁2の信頼性が損なわれることもない。また、伸縮層16の強度が高められるため、車両の通過に伴う伸縮層16の損傷が抑えられ、その耐久性が高められる。さらに、多孔質弾性体は吸音性が優れているため、伸縮継手装置10において車両の通過に伴う騒音及び振動の発生が抑えられる。
【0023】
さらに、伸縮継手装置10には、伸縮層16内の伸縮孔15の上方に一対の盛上り防止板18が埋設されていることにより、遊間3の収縮方向の圧縮力に対して、伸縮孔15周囲の伸縮層16の盛上りが盛上り防止板18によって抑えられる。そのため、伸縮層16の表面における盛上りが一層確実に防止される。また、伸縮層16に車両からの過大な輪荷重が加えられたときに、盛上り防止板18により、伸縮層16の厚さ方向の変形による陥没が抑えられる。また、伸縮孔15の上方に埋設された一対の盛上り防止板18が、それぞれ伸縮孔15に対応した左右の2箇所に分散配置されたことにより、伸縮層16の橋軸方向の伸縮が、盛上り防止板18によって妨げられることがない。
【0024】
なお、上記実施形態においては、伸縮孔の形状が縦長の菱形形状となっているが、これに限らず例えば円形、楕円形、三角形等の多角形等の種々の形状が可能である。特に、伸縮孔の上部に盛上り防止板が設けられている場合には、伸縮層の盛上りが防止されるので伸縮孔の形状の自由度はさらに大きい。また、伸縮孔については、防水層11と伸縮層16に跨って設けられているが、防水層11が薄い場合には、伸縮層のみに設けられてもよい。さらに、盛上り防止板についても、必要に応じてこれを省くことができる。また、多孔質弾性体についても、上記実施形態に示した構成に限るものではなく、同様の構造のものを用いることができる。その他、上記実施形態に示した伸縮継手装置については、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【0025】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、伸縮層内に橋軸直角方向に水平に延びた複数の伸縮孔が設けられていることにより、多孔質弾性体製の伸縮層の変位が伸縮孔で吸収されるため、橋桁の変動により大きな遊間変位が生じたとき、それに応じて伸縮層が橋桁上でスムーズに伸縮し、伸縮層の上面側の盛上り等の不要な変形が抑えられる。また、伸縮継手装置の橋桁への取り付けの際に、伸縮継手装置を引張る必要がないので、取り付けが簡易かつ安価に行われる。さらに、伸縮層が、多孔質弾性体製なので、排水性に優れ、耐久性が高く、かつ車両の通過に伴う騒音及び振動の発生を抑える効果が得られる。
【0026】
また、伸縮孔を、上下方向に長い菱形状としたことにより、伸縮層の表面側の盛上りが抑えられ、車両の円滑な通行を確保できる(請求項2の発明の効果)。また、伸縮孔を伸縮層と防水層に跨って配設したことにより、伸縮層及び防水層の成形時に伸縮孔の一部をそれぞれ同時に形成できるので、伸縮孔の形成が簡易に行われる。また、伸縮孔の形成位置を伸縮層の表層表面から離すことができるので、通過する車両の輪荷重による伸縮層の耐荷重性の低下を抑えることができる(請求項3の発明の効果)。
【0027】
また、伸縮層内の伸縮孔の上方に盛上り防止板が埋設されたことにより、遊間の収縮方向の圧縮力に対して、伸縮孔周囲の伸縮層の盛上りが盛上り防止板によって抑えられ、また、伸縮層が車両からの過大な輪荷重を受けたときに、伸縮層の厚さ方向の無用な変形等が確実に防止される(請求項4の発明の効果)。盛上り防止板を、伸縮孔に対応した複数箇所に分散配置することにより、伸縮層の橋軸方向の伸縮が、盛上り防止板によって不当に妨げられない(請求項5の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である伸縮継手装置の使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1…橋脚、2…橋桁、3…遊間、10…伸縮継手装置、11…防水層、12…溝部、13…補強板、15…伸縮孔、16…伸縮層、17…溝部、18…盛上り防止板。

Claims (5)

  1. 橋梁の一対の橋桁の連結部分にて該橋桁の遊間を跨いで該橋桁上に載置され、該橋桁の変動に伴う該遊間の変位を吸収する伸縮継手装置であって、
    橋桁上面に載置された弾性を有する防水層と、該防水層上に積層された路面表層を構成する少なくとも弾性骨材と樹脂バインダーを含む多孔質弾性体からなる伸縮層とを備えてなり、少なくとも該伸縮層内に橋軸直角方向に水平に延びた複数の伸縮孔を設けたことを特徴とする伸縮継手装置。
  2. 前記伸縮孔が、上下方向に長い菱形形状であることを特徴とする前記請求項1に記載の伸縮継手装置。
  3. 前記伸縮孔が、前記伸縮層と防水層の両側に跨って配設されたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の伸縮継手装置。
  4. 前記伸縮層内の前記伸縮孔の上方に、水平に延びた盛上り防止板が埋設されたことを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載の伸縮継手装置。
  5. 前記盛上り防止板が、前記伸縮孔に対応した複数箇所に設けられたことを特徴とする前記請求項4に記載の伸縮継手装置。
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