JP4222931B2 - 防振構造 - Google Patents

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Description

この発明は、コンクリート道床に枕木を固定する直結軌道構造において、その枕木とコンクリート道床との間の防振構造に関するものである。
鉄道線路の軌道構造としては、レールを支持する枕木を、砕石等(バラスト)からなる道床内に埋め込んで固定し、その道床により枕木が上下左右前後に動かないように保持される、いわゆるバラスト軌道構造と呼ばれるものが一般的である。このバラスト軌道構造は、前記砕石間に存在する無数の間隙が拡縮することにより、道床がバネのように作用して、列車から伝えられる衝撃を吸収するようになっている。
しかし、この構造は、前記道床の圧密により、枕木及びレールが沈下、横移動することがあるので、その移動した枕木及びレールを元の位置に戻す作業が定期的に必要である。 このため、近年は、枕木と路盤コンクリートとをコンクリート道床を介して動かないように固定した、いわゆる直結軌道構造を採用する機会が増えている。
この直結軌道構造では、枕木がコンクリート道床で強固に固定されるため、その沈下、横移動はなくなるが、道床が前記バネの役割を果たさないため、列車からの衝撃が吸収されにくい欠点がある。このように衝撃が吸収されないと、列車の乗り心地が悪くなるだけでなく、列車の振動が路盤に直接伝えられるので、軌道構造の破壊を招く要因となるとともに、沿線の住環境に悪影響を及ぼすことがあり好ましくない。
そこで、例えば、枕木とコンクリート道床との間に、主として天然ゴム、あるいは合成ゴムなどの弾性素材からなるフラットな弾性パッドを介在させるなどして、荷重を分散、緩衝する防振構造が広く用いられている。
この弾性パッドを介した防振装置は、列車荷重により、その載荷点を中心とした弾性パッドの上下運動(あるいは、場合によっては側方運動)を惹起させ、運動エネルギーを変位エネルギーや熱エネルギーに拡散消滅させるものである。また、荷重を取り除くことにより弾性パッドは元の形状に復元し、その復元運動の際の沈下量と減衰速度とで、バネ定数と減衰係数が定まり、弾性パッドの防振の効果を発揮し得る。
このとき、前記弾性パッドに生じる変位量は、列車走行時の安定性を確保するためには、左右の車輪位置で等しいものであることが望ましく、また、その最大変位量は、安全上許される範囲内の数値でなければならないため、厳格な管理が求められる。
しかしながら、一般的な弾性素材は、圧縮力を受けた際に、形状によってはバネ定数がその全面に亘って一様なものとはならないことがある。例えば、フラットな板状の弾性素材が板厚方向に圧縮力を受けた際に、その周縁付近では変形が横方向外側へ逃げて弾性力が良好に働くが、中央付近ではゴムの変形が周囲から拘束されて逃げ場がないため、弾性力が良好に働かない場合などである。
弾性パッドの弾性力が不均一であることは、そのパッドに生じ得る変位量の厳格な管理が難しくなるため、軌道の防振構造に使用する弾性パッドはその全面に亘って一様に変形するものが望ましい。そこで、多くの弾性パッドは、その表面に溝や窪みを設けることにより、弾性パッドに板厚方向の圧縮力が作用すると、その溝や窪みを埋める方向にパッドを横方向へ変形させて、弾性パッドの弾性力がその全面に亘って良好に働くようにしている。
例えば、特許文献1に記載の弾性パッドは、そのパッドの表裏面全面に格子状に突起を設けて、その突起の変形が横方向に拘束されにくいようにして、弾性パッド全面に亘ってバネ定数を一様に近づけるようにしたものである。
また、その突起を有する弾性パッドを取り付ける際の施工を簡略化する手法、あるいは、耐久性を向上させる手法も各種開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開平9−78502号公報 特開平11−148101号公報 特開2001−73302号公報
上記弾性パッドは、その表面の突起が横方向に自由に変形することを許容するため、特に大きな弾性力を期待するあまりバネ定数の低い素材を使用すると、その変形性能が大きくなり、枕木及びレールの横方向への変位が大きくなる恐れがある。また、その突起の枕木又は道床に対する接触面積が小さくなれば、一つ一つの突起に作用する荷重が大きくなってその沈下量が無制限に大きくなる状態も起こり得る。このような変位は、レールの上下方向、横方向への運動量を惹起するので、列車の走行安全性、乗り心地等の観点から好ましくない。
また、上記防振構造は、レールが2本で構成されるハシゴ状の線路に係るものであり、左右のレールに作用する荷重がおおむね同等であると仮定して、前記弾性パッドによるレール、枕木の支持点の支持条件を、左右でほぼ等しくしているのが実情である。
しかし、例えば、図9に示すような分岐器の場合、その構造が複雑であるため、左右のレールに作用する荷重は必ずしも左右同等にはならず、上記防振構造をそのまま採用することが困難である。
すなわち、分岐器内の線路の平面線形はカーブを描いているため、そのレールに作用する図10に示す輪重P1乃至P4、及び横圧Q1乃至Q4の値はそれぞれ異なり、また、その値は、図9に示す矢印の方向へ移動すれば枕木毎に刻々と変化する。さらに、そのP1乃至P4の載荷点相互間の位置関係も、枕木1本1本毎に異なり、例えば、図9に示す枕木A,B,Cでは、それぞれ枕木長さLが異なるとともに、載置点たるレール間の間隔(図10に示す寸法a,b,c,d,e)もそれぞれ異なる。また、特に2本のレールが近接する図9のD,E,F付近などでは、一の載荷点への載荷による防振は、その直下の弾性パッドと隣接する他の弾性パッドの影響をも受けるため、その載荷点に対応する支持点が有するバネ定数は、必ずしも直下の弾性パッドのみから算出されるものではない。このように、分岐器内の荷重条件は、必ずしも左右レールで同等ではなく、また、各載荷点に作用する荷重が、それぞれ影響を与える支持点の範囲が変化に富んでいるので、各支持点に求められる支持条件は一様なものではなく複雑である。
そこで、各支持点において、列車が通過した際の変位(沈下量等)をできるかぎり一様にするため、図9及び図10に示すように、弾性パッドを載荷点(レール直下部分)毎に分割して貼り付けるとともに、その弾性パッドの支持面積をその部位の荷重条件に応じて変化させる手法がある。また、弾性パッドを構成する素材の材質(バネ定数)を前記荷重条件に合わせて変化させる手法も考えられる。
しかし、このように、枕木1本1本に対して、その弾性パッドの大きさやその素材の材質を変化させることは、そのパッドの製作及び枕木への取り付け、その施工に際して非常に煩雑な作業につながる。また、部品の種類が増えることはコスト高にもつながる。このため、枕木毎、あるいはその枕木内の載荷点毎にバネ定数を自由に簡単に調整することができなかった。
そこで、この発明は、弾性パッドのバネ定数をその全面に亘って均質に近づけるとともに、所定の弾性力を確保しながらその変位量を拘束し得るものとし、また、設定するバネ定数を枕木毎、支持点毎に簡単に調整できるようにして、各点の変位量を均一にすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、枕木とコンクリート道床との間に弾性体からなる突起を設けるとともに、その突起の対向する面に、前記突起と所定の間隙を介して噛み合う別の突起を設けたのである。弾性材からなる突起が横方向に変形すると、別の突起がその変形を拘束するので、突起の横方向への過度な変形を抑止して沈下を抑え、また、弾性材層の耐久性を維持できる。
具体的には、枕木とコンクリート道床との間に弾性材層を介在させた防振構造であって、上記弾性材層は、対向する上記枕木下面とコンクリート道床上面にそれぞれ間隙を有して噛み合うように設けた複数の突起からなり、その両面の各突起は、その周囲を、それぞれ対向する側の面に設けた各突起に囲まれるようにする。その噛み合って隣り合う突起の少なくとも一方が弾性材からなっており、その弾性材からなる突起の横方向の変形をその変形方向に噛み合って隣り合う突起により拘束するようにしたのである。
このようにすれば、弾性材からなる突起に上下方向の荷重が作用し、その突起は間隙へ向かって横方向へ向かって変形する。その変形が所定量を超えたところで、他の突起に拘束されてそれ以上変形しにくくなるので、弾性材層のバネ定数、沈下量を規制でき、突起に作用する横方向のせん断力を少なくして耐久性を向上し得る。
また、前記両面の突起は、その両面のうち一面全ての突起が弾性材からなるものとすれば、対向する面の突起との噛み合わせが全面に亘って均一に近くなり、また、両面全てが弾性材からなるものとすれば、上下両突起の拘束面が互いに弾性変形して密着し他を確実に拘束して、上下両パッド部材同士の摺動をより確実に防止し得る。
この弾性材からなる突起を、前記対向面に設けた弾性パッドに形成すれば、突起の形成及び、両面への突起の取り付けが容易であり、その弾性材からなる突起を中空とすれば、前記突起の変形性能が向上して、前記突起同士の密着がさらにスムースになる。
さらに、突起の形状を、錐状または錐台状を成すものとすれば、突起に加わるが力の伝達が末広がりとなって支持が安定するとともに、弾性体からなる突起は変形しやすいものとなる。特に、錐台状であれば突起同士がしっかりと噛み合い、また、円錐状、円錐台状であれば、周囲に均等に変形するので好ましい。
前記弾性材からなる一の突起と、その突起に噛み合って隣り合う他の複数の突起との間隙は各々設定することができるが、この間隙をすべて同一とすれば、その一の突起はその周まわりに等分方位に包囲されて、周回りに均等に変形しやすく、また、この間隙同一、等分方位をすべての突起に適用すれば、弾性パッド全面に亘ってバネ定数を均一に近いものとし得る。さらに、両面の突起を弾性体からなるものとした構成において、その両面の各突起上面がそれぞれ対向する面に接するようにすれば、各突起上面は、対向する他の面にしっかりと保持されるとともに、載荷開始後即時に突起が上下方向の力に抵抗するので、パッドの過度な沈下を防止し得る。
また、前記突起の形状及び前記間隙を、前記枕木毎又は枕木内の部位毎に異なるものとした構成を採用し得る。枕木に対する複数の載荷点毎の支持条件にあわせて、前記突起の形状及び前記間隙を選択的に設定すれば、載荷点ごとにその沈下量を容易に均一に調整し得る。
この発明は、弾性材層の変形性能を全面に亘って均等にし得るとともに、突起の横方向への過度な変形を阻止して沈下を抑制し、また、突起に作用するせん断力を少なくし得るので耐久性がよい。さらに、前記突起同士の間隙を選択的に設定すれば、作用する荷重が支持点毎に異なる場所においても、その沈下量を容易に均一に調整し得る。
一実施形態を図1乃至図7に示し、この実施形態の防振構造は、図1に示すように、線路の路盤コンクリート1上にコンクリート道床2を介して枕木3が固定された直結軌道構造において、その枕木3下面とコンクリート道床2上面との間の弾性材層として弾性パッドを介在させたものであり、その構造を、図7に示すように、特に支持条件の複雑な分岐器に適用したものである。
前記弾性パッドは、上下2枚1組からなり、前記道床2上面に接して取り付けられる下部パッド10と枕木下面に接して取り付けられる上部パッド11とからなる。両パッド10,11の対向する基面10b,11bには、それぞれ他のパッドに向かって突出する突起10a,11aを設けており、その突起10a,11aは前記基面10b,11bを構成するフラットな部材とともに、所定のバネ定数有する弾性素材(天然ゴム及び合成ゴム、又はそのいずれかを含む弾性素材)で一体に製作されている。
前記突起10a,11aは、それぞれ円錐台状を成すとともに、図3に示す寸法a、寸法b、及び図4に示す寸法d、寸法eをすべて等しくして、縦横同じ間隔でもって規則的に整列されている。また、その円錐台は両パッド10,11のものが同一形状のものとなっており、その底面形状、高さ、母線の仰角は統一されている。
前記両パッド10,11を重ね、図2(b)に示すように、前記突起10a,11aが噛み合う状態において、両パッドの突起10a,11a上面は、それぞれ対向する他の面のパッド基面11b,10bに当接するとともに、一のパッドの一の突起は、図2(a)の実線で示すように、対向する他の面のパッドの突起に等分方位に4方から囲まれて、その一の突起とそれを包囲する各突起との間隙がそれぞれ等しくなっている。この間隙は、両突起10a,11aの母線の仰角が等しいので、図示するように、無載荷状態ではその突起の上端から下端に至るまでほぼ一定となる。
下部パッド10は、図7に示すように、枕木3下面全面に配置し、上部パッド11は、同じく図6に示す荷重P1乃至P4の載荷点の真下(レール4直下部分)のみに分割して配置する。また、その下部パッド10の突起10aの配置は、規格品である分岐器用枕木3の規格長さが10cm又は15cm刻みで製作されるため、その規格長さの公約数でもってその突起10aの前記間隔寸法aとする。すなわち、この突起10a間隔寸法aに基づく、図3に示す突起間の谷部中心から隣接する谷部中心までの寸法cを1単位長さとして、そのパッド10の長さ方向(枕木3の長さ方向)へは、その寸法c部分が整数倍になるように形成する。また、上部パッド部材11の突起11aの配置は、その突起11aの一単位長さdを前記寸法aと同一として、そのパッド11の長さ方向へは、図4に示す1単位長さの寸法f部分が整数倍になるように形成することが望ましい。このようにすれば、下部パッド10、及び上部パッド11は、それぞれ枕木3の長さ方向に対して対称となって、枕木3を支持する上での前記長さ方向のバランスを確保し得る。
なお、枕木3の幅方向に対しても、下部パッド10、及び上部パッド11はそれぞれ対称であることが望ましいので、図3及び図4に示すように、その枕木3幅に合わせて、図中の寸法b、寸法e、及びその突起10a,11aの枕木3に対する位置関係を対称配置となるように考慮すればよい。
このとき、弾性パッドの単位面積あたりに作用する荷重を小さくするためには、所定の変形性能を確保する限りにおいて、支持圧面となる前記突起10a,11a上面の面積の総和が、所定面積内で最大になり得る突起形状及び間隔とすることが望ましい。
また、下部パッド10には、図3に示すように、その周縁に側面板受部13を設けており、この側面板受部13の上面から下方に向かって設けた嵌合孔14,15に、図5に示す同じ弾性素材からなる側面板12を差し込んで、枕木3の側面及び端面とコンクリート道床2との間に弾性材層を介在させる。この側面板12の外側には、例えば、ひも状、凸状などの各種突起物(図示せず)を付加すれば、側面板12と道床2のコンクリートとの付着性を向上させることができる。
この両パッド10,11、図1に示すように、コンクリート道床2の下部層2b上に配置し、その上に枕木3を載置してその周囲に側面板12を設置する。その側面板12周囲をコンクリート道床2の上部層2aで固定して、固定された枕木3上に締結金具5を介してレール4が取り付けられ線路が構成される。
この線路に前記レール4を介して図2(b)に示す荷重Pが作用すると、前記各突起10a,11aは、その側周面全体で、図2(a)(b)に鎖線で示すように、対向する突起同士の嵌合で占められていない空間を満たす方向へ膨らむように変形する。その空間への変形量に合わせて、前記突起10a,11aは高さが低くなり、枕木3及びレール4は、図2(b)に示す弾性パッドの沈下に合わせて沈下することとなる。このとき、一の突起の横方向への変形が所定量を超えれば、包囲する他の突起の側周面がその一の突起を拘束してそれ以上変形しないようにするので、各突起10a,11aは、図6の応力変位曲線Yで示すS点を概ね上限としてその高さ方向の変位量が規制されて、枕木3及びレール4の沈下量の限界値を確保し得る。なお、図6に示す応力変位曲線Xは、突起の横方向の変形を拘束しない、従来の弾性パッドの応力変位曲線を想定したものであり、いずれも、横軸を荷重(P)の大きさ、縦軸を突起の上下方向の変位量(Δh)としている。
この変形の過程において、一のパッドの突起とそれを包囲する他のパッドの各突起、つまり、一の突起とその突起に噛み合って隣り合う各突起との間隙が等しいので、その突起に許される変形が、図2(a)に鎖線で示すように、その円錐台の上下方向の軸心に対して対称に変形する。このため、各突起10a,11aに作用する上下方向の荷重が、その突起10a,11aの変形後も一部分に偏らず、常に前記軸心に沿って平行に作用して、突起10a,11aを軸心周りに一様に変形させるので、不等な沈下による凹凸が生じにくい。
また、前記両パッド10,11のそれぞれ裏面側、つまり、弾性パッド部材10,11の前記突起10a,11aを有する側の反対側の基面には、図2(b)に示すように、その突起10a,11aの外形に沿う凹部10c,11cを形成しており、突起10a,11aが、その裏面側から突起上端に向かってくり抜かれて中空となって、その突起10a,11aの部材厚がその外形に沿って一様になっている。
このため、突起10a,11aの剛性が弱くなってその変形性能が高まり、図2(c)のように荷重Pが作用した場合に、突起10a,11aが、それぞれ図中の鎖線のように変形して、拘束される他の突起の表面形状に追随しやすいものとなる。
円錐台状の突起10a,11aの形状は、基本形としては上下両パッド10,11で同一ものもとし、突起10a,11aの高さ、底面形状(円錐台の底面円の半径)、及びその母線の仰角、その突起間の間隔をそれぞれ統一している。
図7に示すように、全面に亘って一様な突起10aを有する下部パッド10を道床2上に敷き詰め、その上部には、枕木3の支持点毎に所定の大きさにカットした上部パッド11を、1本の枕木3に対して複数箇所に分割して載せる。その上部パッド11は、前記突起10a,11a間の間隙、すなわち前記円錐台側周面間の距離を、各支持点に期待するバネ定数、変位量に合わせて自由に設定できるように、前記支持点毎に突起11aの大きさの異なる上部パッド11を使い分けて調整するようにする。
その調整方法は、所定の大きさの突起10aを有する下部パッド10に対して、上部パッド11は、その円錐台の高さ、母線の仰角を一定にして、底面の半径を各種変更した突起11aを有するものを数種類用意する。上下両突起10a,11aともに仰角は統一されているので、突起11aの底面の半径を変更することにより、図2(a)に示す両突起10a,11a周面の母線同士は、図中に実線で示す無載荷状態において、相互に平行な位置関係を保ちながらその間隙寸法のみが変化して、両突起10a,11aの変形性能を調整し得る。
また、突起11aの形状の選択と同時に、上部パッド11の面積をその位置の荷重条件に合わせて増減してもよい。枕木3は、図7に示すように、上部パッド11の介在する部分のみを支点として道床2に支持され、それ以外の部分ではパッド10に接触しないか、あるいはパッド10には大きく荷重が加わらないようになっているため、そのパッド11の面積によりバネ定数等が左右されるからである。
この手法によれば、下部パッド10をあらかじめ所定のものを据え付けておき、それに噛み合う前述の各種上部パッド11を支持点毎に使い分けることにより、前記間隙寸法が調整されるので、分岐器内など求められる支持条件が支持点毎に異なり複雑な箇所であっても、枕木3毎、あるいは枕木3内の部位毎にバネ定数等を調整する作業が容易になる。なお、この上部パッド11をあらかじめ所定のものに固定しておき、下部パッド10を支持点毎に分割して同様にその種類を使い分けることにより間隙調整することもできるが、その効果は同じである。
つぎに、前記側面板12の効果について説明すると、列車から枕木3に作用する力は上下方向のみならず、図7に示す横圧Q1乃至Q4、及び制動荷重などにより、横方向、つまり、列車の進行方向(線路に平行な方向で、図9に示す矢印の方向)及び左右方向(線路に直交する前記枕木3長さ方向)にも働く。このため、枕木3の側面及び端面と、コンクリート道床2との間に、側面板12を介在させて防振効果を図っている。
この側面板12と前記両パッド10,11とは同質の弾性素材であり、これらを一体成型としてもよいが、使用する枕木3の長さが各種あることから、1ユニット単位に短い長さに分割して、図1に示すように差込可能としたものである。
側面板12は、下向きに突出する凸部を前記側面板受部13に設けた嵌合孔14,15に差し込み、直角を維持するようになっている。その嵌合孔14は受部13の内側面に、嵌合孔15は受部13の外側面にそれぞれ開口し、両孔14,15がパッド10の周縁に沿って交互に設けられる。側面板12は、図5に寸法gで示す、一対の嵌合孔14又は嵌合孔15と前記凸部との組み合わせを有する間隔を1ユニットとして、少なくとも寸法hで示す2ユニット以上の長さを有するものとし、その1ユニット長さは、前記パッド部材10,11の突起10a,11aの一単位長さa,b,c,d,e,fとは異なる長さとして、剛性の幾分低くなる側面板12同士の接合点を、前記突起10a,11aの谷部と一致させないようにして、パッド10,11及び4方の側面板12等からなる5面の箱体全体の剛性を高めている。
なお、他の実施形態として、突起10a,11aの形状は、例えば、変形をあまり許容したくない部分には、図8(b)に示すように、無載荷状態でその突起10a,11aの周回りの一部あるいは全部において密着するものとしてもよく、同じく突起10a,11aの変形性能を大きく求めない場合には、図8(a)に示すように、突起10a、11a裏面の凹部10c,11cを省略して突起の剛性を高めた構成も採用し得る。
さらに、底面形状の異なる突起10a,11a同士が噛み合う態様、あるいは、仰角の異なる突起10a,11a同士が噛み合う態様等も考えられるが、パッド10,11全体に亘って均質な弾性力を確保するためには、前記突起10a,11aの形状を構成する要素である仰角、底面形状などは相互に等しいものであることが望ましい。また、突起10a,11aの底面形状(あるいは、任意の水平断面での断面形状)を、図8(c)に示すように、突起10aと突起11aとで相互に大小異なるものとしてもよい。一般的には、底面形状の大きい方がその噛み合わせが安定するとともに、突起10a,11aの断面係数が増大して、その突起10a,11aの弾性による横揺れは少なくし得る。
この両突起10a,11aの形状は、この実施形態の円錐台状に限定されず、円柱状、角柱状、角錐台状、あるいは、幾分変形しやすい突起を許容する場合には、円錐、角錐状であってもよく、また、その一の突起を包囲する他の突起の方位は、4方位には限定されず、例えば3方位、5方位、6方位、それ以上であってもよい。これらの場合、等分方位が望ましいが、前記枕木3長さ方向、あるいは枕木3幅方向に対称に包囲されていれば、突起はその各方向には対称に変形するので、その方向に対する不等な沈下は排除し得る。
また、いずれの場合においても、両突起10a,11aの上面が、それぞれ対向する基面11b,10bに当接することがパッド部材10,11の同士の水平方向のずれを防止して、かつ、安定して荷重を伝える上で望ましく、また、無載荷状態で面的に当接することがさらに望ましいが、弾性パッドが均一に沈下することを阻害しない限りにおいて、突起10a,11aのうち一部が対向する基面11b,10bに当接しない構成としてもよい。すべての突起10a,11aが対向する基面11b,10bに当接しない構成とする場合には、相互に噛み合う突起10a,11a同士がその側周面などで当接し、両パッド10,11間が過大に沈下しないようしっかりと保持するものでなければならない。
さらに、この突起10a,11aは、前記パッド10,11に一体に形成してもよいし、別に製作して接着等してもよく、パッド形式の弾性材層を使用しない場合には、前記枕木3又はコンクリート道床2の対向する面に突起10a,11aを直接接着、あるいは埋め込み等により固定してもよい。
また、その突起10a,11aを、枕木3下面、あるいはコンクリート道床2上面から突出する剛体とした構成も考えられる。この場合の剛体からなる突起は、その突起に噛み合って隣接する弾性を有する突起の横方向への変形を拘束できるものであればよく、その突起が設けられる突出面がコンクリートの場合は、コンクリート打設時に一体に成型し、その突出面が木材やガラス繊維、樹脂などの場合には、その形状に削り出しあるいは成型加工すればよい。
なお、枕木3のコンクリート道床2への固定方法は、特に限定されないが、この実施形態のように、枕木3の下面、側面及び端面をコンクリート道床2中に埋め込む方式以外のものであってもよい。例えば、フラットな道床2上に弾性材層を介して枕木3を載置し、その枕木3を貫通して道床2にねじ込まれるアンカーボルトによって、枕木3を道床2に固定する方式の軌道構造に、この防振構造を採用してもよい。また、枕木3を埋め込んで一体化したコンクリート等からなる軌道ブロックを、コンクリート路盤上に弾性材層を介在して弾性的に支持する場合の直結軌道構造において、その枕木3(前記枕木3を埋め込んだ軌道ブロック)とコンクリート道床2(前記コンクリート路盤が相当する)との間の弾性材層、いわゆるスラブマット等にこの防振構造を採用してもよい。このような場合、前記側面板12、及び側面板12を設置するための機能は、必要に応じて省略してもよい。
いずれの態様においても、枕木3の長さ、幅、厚さは自由であり、分岐器以外の枕木3においても、この防振構造は適用可能である。
一実施形態の斜視図 同実施形態の防振装置構造を示し、(a)は切断平面図、(b)は切断側面図 下部パッド部材の詳細図 上部パッド部材の詳細図 図1の要部拡大図 弾性パッドの応力と変位との関係を示すグラフ 防振装置構造の全体図 他の実施形態を示し、(a)(b)は切断側面図、(c)は切断平面図 防振装置構造を配置した分岐器の平面図 従来例の防振装置構造の全体図
符号の説明
1 路盤コンクリート
2,2a,2b コンクリート道床
3 枕木
4 レール
5 締結金具
6 弾性パッド
10 下部パッド
11 上部パッド
10a,11a 突起
10b,11b 基面
10c,11c 凹部
12 側面板
13 側面板受部
14,15 嵌合孔
P1,P2,P3,P4 荷重
Q1,Q2,Q3,Q4 横圧

Claims (9)

  1. 枕木とコンクリート道床との間に弾性材層を介在させた防振構造であって、上記弾性材層は、対向する上記枕木下面とコンクリート道床上面にそれぞれ横方向の間隙を有して噛み合うように設けた複数の突起からなり、その両面の各突起は、その周囲を、それぞれ対向する側の面に設けた各突起に囲まれているとともに、噛み合って隣り合うものの少なくとも一方が弾性材からなっており、その弾性材からなる突起が前記間隙へ向かって横方向へ変形し、その横方向の変形が所定量を超えれば、前記横方向の変形をその変形方向に噛み合って隣り合う突起により拘束するようにしたことを特徴とする防振構造。
  2. 前記弾性材からなる突起は、中空であることを特徴とする請求項1に記載の防振構造。
  3. 枕木とコンクリート道床との間に弾性材層を介在させた防振構造であって、上記弾性材層は、対向する上記枕木下面とコンクリート道床上面にそれぞれ間隙を有して噛み合うように設けた複数の突起からなり、その両面の各突起は、その周囲を、それぞれ対向する側の面に設けた各突起に囲まれているとともに、噛み合って隣り合うものの少なくとも一方が弾性材からなっており、その弾性材からなる突起の横方向の変形をその変形方向に噛み合って隣り合う突起により拘束するようにし、
    前記弾性材からなる突起は、中空であることを特徴とす防振構造。
  4. 前記突起は、錐状または錐台状を成すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の防振構造。
  5. 枕木とコンクリート道床との間に弾性材層を介在させた防振構造であって、上記弾性材層は、対向する上記枕木下面とコンクリート道床上面にそれぞれ間隙を有して噛み合うように設けた複数の突起からなり、その両面の各突起は、その周囲を、それぞれ対向する側の面に設けた各突起に囲まれているとともに、噛み合って隣り合うものの少なくとも一方が弾性材からなっており、その弾性材からなる突起の横方向の変形をその変形方向に噛み合って隣り合う突起により拘束するようにし、
    前記突起は、錐状または錐台状を成すことを特徴とす防振構造。
  6. 前記両面の突起が弾性体からなるものであり、その両面の各突起上面がそれぞれ対向する面に接していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の防振構造。
  7. 枕木とコンクリート道床との間に弾性材層を介在させた防振構造であって、上記弾性材層は、対向する上記枕木下面とコンクリート道床上面にそれぞれ間隙を有して噛み合うように設けた複数の突起からなり、その両面の各突起は、その周囲を、それぞれ対向する側の面に設けた各突起に囲まれているとともに、噛み合って隣り合うものの少なくとも一方が弾性材からなっており、その弾性材からなる突起の横方向の変形をその変形方向に噛み合って隣り合う突起により拘束するようにし、
    前記両面の突起が弾性体からなるものであり、その両面の各突起上面がそれぞれ対向する面に接していることを特徴とす防振構造。
  8. 前記突起の形状及び前記間隙を、前記枕木毎又は枕木内の部位毎に異なるものとしたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の防振構造。
  9. 枕木とコンクリート道床との間に弾性材層を介在させた防振構造であって、上記弾性材層は、対向する上記枕木下面とコンクリート道床上面にそれぞれ間隙を有して噛み合うように設けた複数の突起からなり、その両面の各突起は、その周囲を、それぞれ対向する側の面に設けた各突起に囲まれているとともに、噛み合って隣り合うものの少なくとも一方が弾性材からなっており、その弾性材からなる突起の横方向の変形をその変形方向に噛み合って隣り合う突起により拘束するようにし、
    前記突起の形状及び前記間隙を、前記枕木毎又は枕木内の部位毎に異なるものとしたことを特徴とす防振構造。
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