JP4192255B2 - 拡幅盛土構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡合成樹脂製の軽量盛土ブロックを積層してなる積層構造体により道路等を拡幅又は造成する拡幅盛土構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、山間部の傾斜面等において道路を拡幅又は造成することを目的として、発泡合成樹脂製の軽量盛土ブロックを用いた拡幅盛土工法が実用されており、例えば山間部等の傾斜面に複数の軽量盛土ブロックを載置して積層し、該積層構造体の上面にコンクリート等を打設して道路を造成している。
【0003】
図8は、従来の拡幅盛土構造の一例を示すものであるが、傾斜面を有する地盤に基礎90を敷設してH型鋼91を立設し、該H型鋼91に平板状のPCパネル92を固定し、該PCパネル92と傾斜面との間に軽量盛土ブロック93を所定高さまで積層してから中間コンクリート床版94を打設し、更に軽量盛土ブロック93を積層して積層構造体95を形成し、該積層構造体95上に上部コンクリート床版96を打設した構造であり、該拡幅盛土構造を道路に利用する場合には、上部コンクリート床版96にアスファルト舗装97を行い、ガードレール98等を適宜設ける。このような従来の拡幅盛土構造では、積層構造体95の壁面と上部コンクリート床版96の側端面とが一致し、道路幅を広げるためには積層構造体95も大きくせざるを得ず、その結果、施工コストが増大するという問題がある。
【0004】
他方、山間部における道路造成方法では、道路を擁壁等の壁面より谷側に張り出して造成する工法がある。その場合、張出し部分の荷重のバランスを保つため、上部コンクリート床版の山側に基礎を打設したりアンカーにより地盤に強固に固定したりして、上部コンクリート床版の山側位置の重量を谷側の張出し部分より十分に重くする必要がある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−356801号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の拡幅盛土構造において、上部コンクリート床版96を積層構造体95の壁面より谷側に張り出すことにより、積層構造体95自体を大きくせずに道路を拡幅することが可能となるが、上部コンクリート床版96のバランスを安定させるために、山側に大きな基礎を打設する等の大掛かりな工事を行うこととすれば施工コストが高くなり、また、山間部では重機等の搬入も困難である。また、上部コンクリート床版96の山側の重量を重くするために厚みを増やせば積層構造体95に加わる荷重も大きくなって軽量盛土ブロック93に歪みや圧潰が生じるおそれがある。また、盛土材として軽量盛土ブロック93が用いられる地盤は軟弱地盤であることが多く、拡幅盛土構造自体の荷重が増加すれば地盤が沈下するおそれもある。さらに、積層構造体95に対して上部コンクリート床版96の重量が重すぎると重心が高くなり、地震等の揺れや地盤の緩みに対して安定性が悪くなるという問題もある。
【0007】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、発泡合成樹脂製の軽量盛土ブロックを用いた拡幅盛土構造において、施工が容易であり、上部コンクリート床版の重量を可能な限り重くすることなく、上部コンクリート床版を積層構造体の壁面より谷側に張り出すことが可能な手段を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明に係る拡幅盛土構造は、基盤上に発泡合成樹脂からなる軽量盛土ブロックが積層され、その積層された軽量盛土ブロック上に水平方向の中間コンクリート床版が打設され、該中間コンクリート床版上に更に前記軽量盛土ブロックが積層されてなる積層構造体と、該積層構造体の壁面に覆設された壁面保護材と、前記積層構造体上に、該積層構造体の壁面から側方へ張り出して打設された上部コンクリート床版と、前記中間コンクリート床版と上部コンクリート床版とを締結する緊張材と、を具備してなるものである。これにより、軽量盛土ブロックを介在させて、中間コンクリート床版及び上部コンクリート床版が一体となり、上部コンクリート床版の張出し部分に対してバランスが保たれて、安定した拡幅盛土構造が形成できる。
【0010】
また、本発明は、前記緊張材が、前記上部コンクリート床版を貫通し、その上面において再緊張可能に固定されたものであることを特徴とする。これにより、本拡幅盛土構造を施工した後、積層構造体の経時的な沈下により中間コンクリート床版又は基礎コンクリートと上部コンクリート床版とを締結する緊張材に緩みが生じた場合に、該緊張材を再緊張して該緩みを解消することができ、拡幅盛土構造の安定性を容易に保守することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る拡幅盛土構造を図面に基づき具体的に説明する。
本拡幅盛土構造は、図1に示すように、山間部等の地盤の斜面1上に発泡合成樹脂からなる軽量盛土ブロック2が積層され、その積層された軽量盛土ブロック2上に中間コンクリート床版3が打設され、該中間コンクリート床版3上に更に前記軽量盛土ブロック2が積層されて積層構造体4が形成され、該積層構造体4の壁面に壁面保護材5が覆設され、積層構造体4上には、該積層構造体4の壁面から側方へ張り出すようにして上部コンクリート床版6が打設され、前記中間コンクリート床版3と上部コンクリート床版6とが緊張材7により締結されたものである。また、上部コンクリート床版6上には、アスファルト舗装8やガードレール9が設けられて道路が造成されている。
【0012】
なお、積層構造体4の下層には整地や水はけ等を目的に基礎や砕石が敷設されるが、これは周知且つ任意なものなので詳細な説明は省略する。また、壁面保護材5は積層構造体4の壁面側に立設されたH型鋼50に固定されているが、該H型鋼50も任意の構成であり、例えば、壁面保護材5を斜面1に埋設したアンカーとアンカーベルトで連結することにより支持する等、周知且つ任意の支持構造を採用することができる。
【0013】
前記軽量盛土ブロック2は、例えば、ポリスチレン、ポリオレフィン、ウレタン等の合成樹脂の発泡体からなる直方体であり、その大きさは特に限定されるものではなく、積層方法によって多種の大きさの物を用いることもできるが、その幅×奥行×高さは概ね1000mm×2000mm×500mm程度のものである。このような軽量盛土ブロック2を盛土材として用いることにより、拡幅盛土構造全体が軽量化され、軟弱地盤の地盤沈下を抑制することができる。また、施工や運搬が容易であり、特に山間部において有効である。
【0014】
なお、図には示していないが、軽量盛土ブロック2には、排水用の溝を形成してもよい。例えば、軽量盛土ブロック2の上下面及び側面に適宜溝を形成し、該溝が積層された軽量盛土ブロック2間において連通するようにすれば、積層構造体4に雨水等の排水路が形成され、冠水等により軽量盛土ブロック2に浮力が生じることを防止できるので好適である。また、積層構造体4においては下層の軽量盛土ブロック2に積層構造体4や上部コンクリート床版6等の荷重による地反力が作用するので、下層の軽量盛土ブロック2の密度を高くして強度を高めるようにしてもよい。
【0015】
前記中間コンクリート床版3は、積層構造体4の中間部付近に水平方向に所定厚みでコンクリートが打設されたものであり、軽量盛土ブロック2の不陸や段差を修正し、また、道路等から積層構造体4に加わる荷重を各軽量盛土ブロック2に均等に分散するものである。該中間コンクリート床版3上には、更に前記軽量盛土ブロック2が積層されて斜面1上に積層構造体4が形成されている。なお、本実施の形態では中間コンクリート床版3は1層のみ設けられているが、積層構造体4が更に高いものであれば、例えば軽量盛土ブロック2の4〜6層毎に複数層設けてもよい。また、中間コンクリート床版3内に鉄筋を配設することとしてもよい。
【0016】
前記壁面保護材5は、コンクリートや合成樹脂等からなる矩形のパネル等の周知なものであり、また、該パネルに代えて、植物育成用土を内包可能な炭素繊維、合成樹脂、繊維強化プラスチック、不織布等の網状の部材を壁面保護材5として用いれば、本拡幅盛土構造の壁面を緑化することができる。
【0017】
前記上部コンクリート床版6は、積層構造体4の上面に所定厚みでコンクリートが打設されたものであり、積層構造体4の壁面より谷側に張り出した張出部60を有するものである。前述したように、上部コンクリート床版6にアスファルト舗装8等がなされて道路が造成されるが、前記張出部60により、積層構造体4の上面より幅広の道路を造成することができる。即ち、道路幅に対して積層構造体4の幅を小さくし、その分だけ軽量盛土ブロック2の数を削減することができ、施工コストが削減される。なお、上部コンクリート床版6内にも適宜鉄筋を配設することとしてもよい。
【0018】
図2は前記緊張材7を示すものであり、図に示すように、緊張材7は、前記中間コンクリート床版3と上部コンクリート床版6とを緊張状態で連結することにより両者を締結する棒状のものであり、前記中間コンクリート床版3に基板70が埋設され、該基板70にPC鋼棒71が連結され、該PC鋼棒71の先端に固定板72及びナット73が設けられたものである。基板70は、平板70aにPC鋼棒71を立設するための支持部70bが設けられたものであり、平板70aは中間コンクリート床版3に埋設されることにより該中間コンクリート床版3に固定されており、支持部70bはPC鋼棒71と連結できるように該中間コンクリート床版3から上方ヘ突出している。該支持部70bとPC鋼棒71との連結は、ネジによる螺合や溶接等、周知且つ任意の方法による。PC鋼棒71は、中間コンクリート床版3から上部コンクリート床版6までの距離に相当する長さのものであり、その先端にはネジ部71aが形成され、基板70上に立設されたPC鋼棒71のネジ部71aは上部コンクリート床版6内に達している。該上部コンクリート床版6には、PC鋼棒71が挿通される位置に挿通孔61が穿設されている。該挿通孔61は、PC鋼棒71が挿通可能な孔であって、その上側が拡径されて、緊張材7により下方向に押圧されるための押圧面61aが形成されている。前記固定板72は、PC鋼棒71を挿通可能な挿通孔(不図示)が穿設されたものであり、図に示すように、挿通孔61内において、PC鋼棒71が挿通された状態で、PC鋼棒71先端のネジ部71aに螺合されたナット73により押圧面61aと圧接している。
【0019】
このように構成された緊張材7が、本拡幅盛土構造の延設方向、即ち道路の延設方向に所定間隔で配設されており、該緊張材7により、中間コンクリート床版3と上部コンクリート床版6とが締結され、軽量盛土ブロック2を挟み込んだ状態で、中間コンクリート床版3及び上部コンクリート床版6が一体となり、上部コンクリート床版6の張出部60に対するバランスが保たれている。従って、上部コンクリート床版6を基礎やアンカー等により地盤に強固に固定する必要がなく、施工が容易となる。また、上部コンクリート床版6の山側を、バランスウェイトのために厚くする必要もないので、上部コンクリート床版6を軽量化できることにより、本拡幅盛土構造全体の軽量化が図れ、地盤に対する負荷も小さくなるという利点がある。
【0020】
上部コンクリート床版6上は、アスファルト舗装8が施されているが、該アスファルト舗装8の前記挿通孔61に対応する位置には、該挿通孔61と連通する保守点検口80が形成されている。本拡幅盛土構造を施工した後、上部コンクリート床版6や積層構造体4等に所謂クリープと呼ばれる経時的な沈下が生ずることがあり、これにより、中間コンクリート床版3と上部コンクリート床版4とを締結する緊張材7に緩みが生じるおそれがある。アスファルト舗装8に前記保守点検口80を形成しておくことにより、道路上から該緩みが生じているかを目視確認することができ、緩みが生じていた場合には、該保守点検口80から前記挿通孔61内へ工具を挿入し、ナット73を締め直すことにより、緊張材7を再緊張することができる。なお、前記保守点検口80は、通常は鋼板等により蓋をしておく。
【0021】
なお、本実施の形態では、緊張材7としてPC鋼棒71を用いたが、本発明の緊張材はワイヤロープのような可撓性の索条を用い、該索条を上部コンクリート床版6に挿通してクランプ等で固定することにより緊張するような構成としてもよい。このように、緊張材7をPC鋼棒のような棒状のものや索条とすることにより、例えばコンクリートやH型鋼により中間コンクリート床版3と上部コンクリート床版6とを連結するより、積層構造体4に占めるスペースが小さくなって軽量盛土ブロック2の配置がし易く、重量も軽量となるので地盤に対する負荷が小さく、施工もし易いという利点がある。
【0022】
以下、本拡幅盛土構造の施工方法について説明する。
最初に、図3に示すように、斜面1の一部に基礎を打設し、該基礎にH型鋼50を立設する。前述したように、H型鋼50は任意の構成であり、壁面保護材5を別の方法で支持するのであれば設ける必要はない。該H型鋼50に壁面保護材5を順次固定するとともに、該壁面保護材5と斜面1との間に軽量盛土ブロック2を積層していく。また、軽量盛土ブロック2と斜面1との間には排水等の必要に応じて砕石等を敷設する。軽量盛土ブロック2を4〜6層、積層した後、積層された軽量盛土ブロック2上に中間コンクリート床版3を所定厚さで打設するとともに、該中間コンクリート床版3に、緊張材7の基板70を、その支持部70bが上方ヘ突出するように埋設して、中間コンクリート床版3に固定する。なお、基板70を埋設する位置は特に限定されるものではなく、上部コンクリート床版6の張出し部60や道路幅、斜面1の形状等を考慮して、上部コンクリート床版6に緊張材7による緊張力が均等に作用するように適宜設定するものであり、また、中間コンクリート床版3の幅方向に複数の緊張材7を設けることとしてもよい。
【0023】
所定期間養生して中間コンクリート床版3を固化した後、図4に示すように、前記基板70にPC鋼棒71を連結して立設し、中間コンクリート床版3上に更に軽量盛土ブロック2を積層して積層構造体4を形成する。その際、PC鋼棒71の周縁に配置する軽量盛土ブロック2は、PC鋼棒71と干渉しないように、側面の上下方向に凹欠溝が形成されたものが好ましいが、軽量盛土ブロック2の側面に排水路のために形成された溝を該凹欠溝として併用することもできる。
【0024】
つぎに、前記積層構造体4上に上部コンクリート床版6を打設するが、その際、図5に示すように、壁面保護材5の谷側に支保工51を設置し、上部コンクリート床版6の張出部60を支持させる。上部コンクリート床版6には、前記PC鋼棒71を挿通するための挿通孔61を形成し、該挿通孔61にPC鋼棒71が挿通された状態となるが、この時点では前記固定板72及びナット73は設けられていないため、上部コンクリート床版6は張出部60によりバランスが不安定な状態にある。従って、養生期間等における上部コンクリート床版6のバランスを安定させるために前記支保工51で支持しておく。
【0025】
所定期間養生して上部コンクリート床版6を固化した後、図2に示したように、固定板72にPC鋼棒71を挿通させ、該PC鋼棒71にナットを螺合して締めることにより固定板72と挿通孔60の押圧面61aと圧接させる。これにより、中間コンクリート床版3と上部コンクリート床版6と緊張材7により緊張されて締結される。その後、支保工51を撤去し、図1に示すように、上部コンクリート床版6上にアスファルト舗装8を施し、ガードレール9等を適宜設置して道路を造成する。
【0026】
以下、本発明の第2の実施の形態に係る拡幅盛土構造を図面に基づき具体的に説明する。
本拡幅盛土構造では、上部コンクリート床版6が基礎コンクリート30と緊張材7により締結されている。盛土の高さがそれほど高くなく、軽量盛土ブロック2の積層数が少ない場合には、第1の実施の形態のような中間コンクリート床版3が設けられない場合があり、本実施の形態に係る拡幅盛土構造は、中間コンクリート床版が設けれない積層構造体40に対応したものである。詳細には、図6に示すように、山間部等の地盤の斜面1に基礎コンクリート30が打設され、該基礎コンクリート30上に発泡合成樹脂からなる軽量盛土ブロック2が積層されて積層構造体40が形成され、該積層構造体40の壁面に壁面保護材5が覆設され、積層構造体40上には、該積層構造体40の壁面から側方へ張り出すようにして上部コンクリート床版6が打設され、前記基礎コンクリート30と上部コンクリート床版6とが緊張材7により締結されたものである。なお、図において、前記第1の実施の形態と同じ符号のものは同一の部材を示しており、本実施の形態では該部材の詳細な説明については省略する。
【0027】
前記基礎コンクリート30は、盛土をすべき斜面1の所定範囲を掘削してコンクリートを打設することにより形成されており、軽量盛土ブロック2を安定的に載置するための不陸の整正や、道路等から積層構造体40に加わる荷重を均等に分散するための所謂基盤工で設けられるものである。図には詳細に示していないが、基礎コンクリート30の最上層にはレベリングのために砂等の薄層が設けられて水平且つ平坦に仕上られており、一方、基礎コンクリート30の下方には、砕石や排水管による排水工が施されている。また、基礎コンクリート30内に鉄筋を配設することとしてもよい。
【0028】
緊張材7は前述と同様のものであり、前記基礎コンクリート30と上部コンクリート床版6とを緊張状態で連結することにより両者を締結する棒状のものである。図7に示すように、基板70の平板70aは基礎コンクリート30に埋設されることにより該基礎コンクリート30に固定されており、支持部70bはPC鋼棒71と連結できるように該基礎コンクリート30から上方ヘ突出している。PC鋼棒71は、基礎コンクリート30から上部コンクリート床版6までの距離に相当する長さのものが用いられており、該PC鋼棒71のネジ部71aは上部コンクリート床版6内に達しており、上部コンクリート床版6の挿通孔61内において、PC鋼棒71先端のネジ部71aに螺合されたナット73により、固定板72と押圧面61aとが圧接している。
【0029】
これにより、基礎コンクリート30と上部コンクリート床版6とが締結され、軽量盛土ブロック2を挟み込んだ状態で、基礎コンクリート30及び上部コンクリート床版6が一体となり、上部コンクリート床版6の張出部60に対するバランスが保たれている。従って、上部コンクリート床版6を固定するためだけに山側に基礎を打設したりする必要がなく、基盤工で打設される基礎コンクリート30を用いて容易に上部コンクリート床版6を固定することができる。また、上部コンクリート床版6の山側をバランスウェイトのために厚くする必要もないので、上部コンクリート床版6を軽量化できることにより、本拡幅盛土構造全体の軽量化が図れ、地盤に対する負荷も小さくなるという利点がある。
【0030】
【発明の効果】
このように、本発明に係る拡幅盛土構造によれば、地盤上に発泡合成樹脂からなる軽量盛土ブロックが積層され、その積層された軽量盛土ブロック上に水平方向の中間コンクリート床版が打設され、該中間コンクリート床版上に更に前記軽量盛土ブロックが積層されてなる積層構造体と、該積層構造体の壁面に覆設された壁面保護材と、前記積層構造体上に、該積層構造体の壁面から側方へ張り出して打設された上部コンクリート床版と、前記中間コンクリート床版と上部コンクリート床版とを締結する緊張材と、を具備してなるので、軽量盛土ブロックを挟持した状態で中間コンクリート床版と上部コンクリート床版とが一体となり、上部コンクリート床版の張出し部分に対してバランスが保たれ、安定した拡幅盛土構造が容易に形成できる。
【0032】
また、前記緊張材が、前記上部コンクリート床版を貫通し、その上面において再緊張可能に固定されたものとしたので、本拡幅盛土構造を施工した後に、緊張材の緩みを解消することができ、拡幅盛土構造の安定性を容易に保守することができる。
【図面の簡単な説明】
【符号の説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る拡幅盛土構造を示す断面図である。
【図2】緊張材7の構成を示す部分拡大図である。
【図3】本実施の形態に係る拡幅盛土構造の施工方法を説明するための断面図である。
【図4】本実施の形態に係る拡幅盛土構造の施工方法を説明するための断面図である。
【図5】本実施の形態に係る拡幅盛土構造の施工方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る拡幅盛土構造を示す断面図である。
【図7】第2の実施の形態における緊張材7の構成を示す部分拡大図である。
【図8】従来の拡幅盛土構造を示す断面図である。
【符号の説明】
2 軽量盛土ブロック
3 中間コンクリート床版
4 積層構造体
5 壁面保護材
6 上部コンクリート床版
7 緊張材
30 基礎コンクリート
40 積層構造体
60 張出部

Claims (2)

  1. 基盤上に発泡合成樹脂からなる軽量盛土ブロックが積層され、その積層された軽量盛土ブロック上に水平方向の中間コンクリート床版が打設され、該中間コンクリート床版上に更に前記軽量盛土ブロックが積層されてなる積層構造体と、
    該積層構造体の壁面に覆設された壁面保護材と、
    前記積層構造体上に、該積層構造体の壁面から側方へ張り出して打設された上部コンクリート床版と、
    前記中間コンクリート床版と上部コンクリート床版とを締結する緊張材と、を具備してなることを特徴とする拡幅盛土構造。
  2. 前記緊張材は、前記上部コンクリート床版を貫通させて、その上面において再緊張可能に固定されたものであることを特徴とする請求項1記載の拡幅盛土構造。
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