以下、本発明の実施形態について、図面(図1〜図7)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置100について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す図である。画像形成装置100は、ここでは、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)である。画像形成装置100は、スキャナー、複写機、プリンター、及び、ファクシミリの各機能を有する。画像形成装置100は、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、原稿搬送ユニット3、操作パネル4、制御部5、及び、電源スイッチSWを備える。
画像形成ユニット1は、記録用紙Pに画像を形成する。画像読取ユニット2は、原稿上に形成された画像を読み取る。原稿搬送ユニット3は、読み取り対象の原稿を搬送する。操作パネル4は、タッチパネル41を備え、画像形成装置100に対するユーザーからの操作を受け付ける。制御部5は、画像形成装置100全体の動作を制御する。制御部5の構成は、図4を用いて後述する。電源スイッチSWは、画像形成装置100の電源をオンオフするスイッチである。
画像形成ユニット1は、給紙ユニット10、搬送ローラー対13、レジストローラー対14、画像形成部15、定着器16、排出ローラー対17、及び、排出トレイ18を備える。給紙ユニット10は、4個の給紙カセット11、及び、4個のピックアップローラー12を備える。また、給紙カセット11は、図1に示すように、画像形成装置100(給紙ユニット10)の側面(図1では、左側側面)から水平方向Qに着脱自在に構成されている。ピックアップローラー12は、給紙カセット11から記録用紙Pを1枚ずつ繰り出す。ピックアップローラー12によって繰り出された記録用紙Pは、搬送ローラー対13及びレジストローラー対14によって画像形成部15まで搬送される。
画像形成部15は、給紙カセット11から搬送されてきた記録用紙Pに画像を形成する。画像形成部15は、感光体ドラム151、帯電部152、露光部153、現像部154、転写ローラー155、及び、クリーニング部156を備える。感光体ドラム151は、円筒形の回転体であり、その周面には、静電潜像が形成される。帯電部152は、感光体ドラム151を所定の電位に帯電させる。露光部153は、画像データに基づきレーザー光を照射して感光体ドラム151を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム151上に形成する。なお、画像データとしては、例えば、画像読取ユニット2が原稿を読み取って生成された画像データ、図略の通信ネットワークを介して外部のコンピューターから受信した画像データが用いられる。
現像部154は、感光体ドラム151上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、感光体ドラム151上にトナー像を形成する。転写ローラー155は、感光体ドラム151上のトナー像を記録用紙Pに転写する。クリーニング部156は、転写後に感光体ドラム151に残留している残留トナーを除去する。画像形成部15によって画像が形成された記録用紙Pは、定着器16まで搬送される。
定着器16は、記録用紙Pに形成された画像を記録用紙Pに熱定着させる。定着器16は、発熱体を内蔵する加熱ローラーと、加圧ローラーとを備える。加熱ローラー及び加圧ローラーは、双方が圧接されることによって、定着ニップ部を形成する。記録用紙Pが上記定着ニップ部を通過することによって、記録用紙Pの表面に付着したトナーが溶融及び加熱され、トナー像が記録用紙Pに定着される。トナー像が定着された記録用紙Pは、排出ローラー対17によって排出トレイ18へ排出される。
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、書き換え可能な不揮発性メモリーを備える。上記ROMには、制御プログラムが格納されている。そして、上記CPUは、上記ROMに格納された制御プログラムを読み出して実行することによって各種機能部として機能する。上記RAMは、上記CPUが、上記制御プログラムを実行する際の作業領域として用いられる。上記不揮発性メモリーは、例えば、フラッシュメモリー、又は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)のようなメモリーであって、例えば、電源スイッチSWがオフ直前の距離センサーS1によって検出された距離LEを記憶する。
次に、図2を参照して、給紙カセット11の構成について説明する。図2は、図1に示す給紙カセット11の構成を示す断面図である。なお、図2は、給紙カセット11が給紙ユニット10に装着された状態を示す。また、給紙カセット11は、引出方向DP(本実施形態では左方向)に引き出すことができる。給紙カセット11は、リフト機構110、後端カーソル113、幅合わせカーソル対114、シート収納部115、搬送ローラー117、捌きローラー122、及び、カセットカバー123を備えている。リフト機構110は、載置された記録用紙をピックアップローラー12に押し当てる機構であって、リフト板111、及び、押し上げ部材112、駆動シャフト116、及び、支持部118を備えている。
図2に示すように、給紙カセット11は、シート収納部115の内底面に、複数枚の記録用紙Pを積載するリフト板111を備えている。このリフト板111は、給紙方向の上流側端(図2では右側端部)が、支持部118によって回動可能に支持されている。換言すれば、リフト板111は、シート収納部115の内部において、給紙方向の下流端を自由端として支持部118によって垂直面内で回動可能に支持されている。支持部118は、記録用紙Pの幅方向(給紙方向と直交する方向)に対向配置されたシート収納部115の両側壁部に設けられている。
幅合わせカーソル対114は、シート収納部115に収納される記録用紙Pの幅方向の位置決めを行い、後端カーソル113は、記録用紙Pの後端を揃える。幅合わせカーソル対114は、図略の案内レールに沿って記録用紙の幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に移動可能に設けられている。ここでは、後端カーソル113はシート搬送方向と平行に(図2の左右方向に)移動可能に設けられている。幅合わせカーソル対114及び後端カーソル113を、積載される記録用紙のサイズに合わせて移動させることによって、記録用紙Pを給紙カセット11内の所定位置に収納する。
リフト板111の給紙方向の下流部下方には、駆動シャフト116、及び、押し上げ部材112が設けられている。駆動シャフト116と押し上げ部材112とは、リフト板111を給紙位置と退避位置との間で変位させる。給紙カセット11を装着した状態では、リフト駆動モーターM(図4参照)の動力を、駆動シャフト116に伝達することができる。上記給紙位置とは、リフト板111が上昇し、リフト板111に載置された記録用紙Pの最上部がピックアップローラー12に当接して給紙可能な状態となる位置(図2に示す位置)である。上記退避位置とは、図3を参照して後述するように、リフト板111が下降限まで下降した位置である。
また、給紙カセット11は、給紙ローラー121の下方に設けられた捌きローラー122を備えている。更に、ピックアップローラー12及び給紙ローラー121の給紙方向下流側(図2では左側)には、搬送ローラー117が設けられている。給紙ローラー121及びピックアップローラー12は、給紙カセット11ではなく、給紙ユニット10の筐体部に配置され、捌きローラー122及び搬送ローラー117は給紙カセット11に配置されている。そして、図2に示すように、給紙カセット11が画像形成ユニット1に装着された状態では、給紙ローラー121と捌きローラー122とが当接する。
給紙ローラー121は、ピックアップローラー12によって取り出された記録用紙Pを搬送ローラー117へと給紙する。給紙ローラー121は、記録用紙Pを給紙方向下流側(図2の左側)へ搬送する方向に回転するのに対して、捌きローラー122は、それとは逆に、記録用紙Pを給紙方向上流側(図2の右側)へと送り返す方向に回転する。この捌きローラー122によって、例え、ピックアップローラー12によって取り出された記録用紙Pが重なっていた場合でも、最上部の記録用紙P以外の記録用紙Pが搬送ローラー117に給紙されることを防止することができる。よって、最上部の記録用紙Pのみが給紙ローラー121によって搬送ローラー117へと搬送される。そして、搬送ローラー117は、記録用紙Pを搬送ローラー対13(図1参照)へと搬送する。カセットカバー123は、給紙カセット11の表面側(図2の左側の外部から見た側)が外部に露出して画像形成装置100の外装面の一部を構成する。
次に、図3を用いて、距離センサーS1、及び、カセット位置検出部6について説明する。図3は、図1に示す給紙ユニット10の距離センサーS1及びカセット位置検出部6の構成を示す断面図である。なお、図3は、給紙ユニット10から給紙カセット11が引き出された状態を示す。また、給紙カセット11を装着する場合には、引出方向DPと逆方向(本実施形態では右方向)に押し込まれる。
距離センサーS1は、給紙カセット11が収納される給紙ユニット10の筐体に配置され、最上部の記録用紙Pの上面との距離LPを検出する。ここでは、距離センサーS1は、記録用紙Pにおける幅方向の一方側端部の上面との距離LPを検出する。距離センサーS1は、例えば、LED(Light Emitting Diode)センサー、赤外線センサー、又は、超音波センサーである。距離センサーS1によって検出された距離LPを示す信号は、制御部5(図1参照)に伝送される。
本実施形態では、距離センサーS1が、給紙ユニット10に1個設置されている場合について説明しているが、距離センサーS1が、給紙ユニット10に複数個設置されている形態でもよい。例えば、記録用紙Pにおける幅方向の中央部、及び、両端部を検出する3個の距離センサーS1が設置されている場合には、給紙カセット11に積層された記録用紙Pに撓みがあるか否かを、更に正確に確認することができる。
カセット位置検出部6は、ラック61、ピニオン62、及び、回転角検出センサーS2を備えている。ラック61は、給紙カセット11の下面に固定された板状部材であって、ピニオン62と対向する面(下面)に、歯が形成されている。ラック61の下面に形成された歯は、ピニオン62の周面に形成された歯と噛み合う。ピニオン62は、給紙カセット11が収納される給紙ユニット10の筐体に配置され、中心が上記筐体に軸支された円板状部材である。ピニオン62の外周面には、ラック61に形成された歯と噛み合う歯が形成されている。
回転角検出センサーS2は、ピニオン62の下方であって、給紙カセット11が収納される給紙ユニット10の筐体に配置され、ピニオン62の回転角を検出するセンサーである。具体的には、回転角検出センサーS2は、例えば、回転角検出センサーS2と対向する位置を通過するピニオン62に形成された歯の個数NGをカウントすることによって、ピニオン62の回転角θを検出する。回転角検出センサーS2によって検出された歯の個数NGは、制御部5に伝送され、制御部5の位置検出部51(図4参照)によって、給紙カセット11の着脱方向の引出距離PKが求められる。
上述のように、カセット位置検出部6が、ラック61、ピニオン62、及び、回転角検出センサーS2を備えているため、簡素な構成で、給紙カセット11の着脱方向の位置を検出することができる。本実施形態では、カセット位置検出部6が、ラック61、ピニオン62、及び、回転角検出センサーS2を備えている場合について説明したが、カセット位置検出部6が、その他の構成で、給紙カセット11の着脱方向の位置を検出する形態でもよい。例えば、カセット位置検出部6が、給紙カセット11が収納される給紙ユニット10の筐体の一方側(図1では右側)側面に配置され、給紙カセット11の奥側(図1〜図3の右側)端の壁面との距離を検出する距離センサーを備える形態でもよい。
次に、図2〜図4を参照して、制御部5の構成について説明する。図4は、図1に示す制御部5の構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部5には、距離センサーS1、回転角検出センサーS2、電源スイッチSW、タッチパネル41、及び、リフト駆動モーターMが通信可能に接続されている。また、上記CPUは、上記ROMに格納された制御プログラムを読み出して実行することによって、図4に示す位置検出部51、判定部52、リフト禁止部53、及び、報知部54を含む各種機能部として機能する。リフト板111が下降限まで下降した位置(図3に示す位置)である。リフト駆動モーターMは、駆動シャフト116を介して押し上げ部材112を回動させ、リフト板111を昇降させるモーターであって、例えば、ステッピングモーター、DCモーターを用いることができる。
位置検出部51は、回転角検出センサーS2の検出結果に基づいて、給紙カセット11の着脱方向の引出距離PKを求める。具体的には、回転角検出センサーS2によって検出された歯の個数NGを用いて、次の(1)式によって給紙カセット11の装着された状態から引き出された引出距離PKを求める。
PK=α×NG (1)
ここで、係数αは、ラック61に形成された歯の間隔を示す。また、例えば、給紙カセット11が装着されている場合には、引出距離PKが零であって、給紙カセット11が引き出されている場合には、引出距離PKは、給紙カセット11が引き出された長さを示す。
判定部52は、引き出された給紙カセット11が装着方向(図2、図3では、右方向)に移動され始めてから装着完了するまでの間に、距離センサーS1によって検出された距離Lの最大値LXと最小値LNとを求め、求められた最大値LX及び最小値LNに基づいて、給紙カセット11に積層された記録用紙Pに撓みがあるか否かを判定する。
具体的には、判定部52は、位置検出部51の検出結果に基づいて、引き出された給紙カセット11を装着中であることを判定する。より具体的には、給紙カセット11が引き出された位置である(引出距離PKが最大値近傍である)状態から、装着方向に移動中である(引出距離PKが減少中である)と検出された場合に、装着中であることを判定する。また、判定部52は、次の(2)式を満たす場合に、給紙カセット11に積層された記録用紙Pに撓みがあると判定する。
(LX−LN)≧LH1 (2)
ここで、第1閾値LH1は、例えば、10mmである。
このようにして、最大値LXと最小値LNとの差が第1閾値LH1以上である場合に、記録用紙Pに撓みがあると判定されるため、記録用紙Pに撓みがあるか否かを適正に判定することができる。
本実施形態では、最大値LXと最小値LNとの差が第1閾値LH1以上である場合に、記録用紙Pに撓みがあると判定する場合について説明したが、最大値LX及び最小値LNに基づいて記録用紙に撓みがあるか否かを判定する形態であればよい。例えば、最大値LXを最小値LNで割った商が、予め設定された閾値以上(例えば、1.05)である場合に、記録用紙Pに撓みがあると判定する形態でもよい。
また、本実施形態では、第1閾値LH1が固定値である場合について説明するが、第1閾値LH1が記録用紙Pの厚みTHに応じて設定される形態でもよい。例えば、記録用紙Pの厚みTHが厚い程、第1閾値LH1を小さく設定する形態でもよい。この形態では、記録用紙Pの厚みTHが厚い程、第1閾値LH1が小さく設定されるため、記録用紙Pの撓みが厳格に判定される。記録用紙Pの厚みTHが厚い程、リフト機構110に与える負荷が大きいため、記録用紙Pの撓みを厳格に判定することが好ましい。なお、記録用紙Pの厚みTHは、例えば、タッチパネル41を介して、ユーザーが入力する。
また、判定部52は、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたか否かを判定する。具体的には、判定部52は、次の(3)式を満たす場合に電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたと判定する。
|LS−LE|≧LH2 (3)
ここで、距離LEは、電源スイッチSWがオフ直前の距離センサーS1によって検出された距離であり、距離LSは、電源スイッチSWがオン直後の距離センサーS1によって検出された距離である。第2閾値LH2は、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたか否かを判定する閾値であって、例えば、10mmである。
このようにして、距離LEと距離LSとの差の絶対値が第2閾値LH2以上である場合に、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたと判定されるため、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたか否かを適正に判定することができる。なぜなら、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われるときは、給紙カセット11に積層された記録用紙Pが少なくなっていると判断して、記録用紙Pを補給する場合が多いからである。そのため、給紙カセット11が引き出されて記録用紙Pの補給等が行われることによって、距離センサーS1と記録用紙Pの上面との距離が変化したことが検出されれば、給紙カセット11の着脱が行われたと判定できる。
リフト禁止部53は、判定部52によって、給紙カセット11に積層された記録用紙Pに撓みがあると判定された場合に、リフト機構110に対して、給紙カセット11に積層された記録用紙Pの上昇を禁止する。ここで、リフト禁止部53は、「第1リフト禁止部」及び、「第2リフト禁止部」に相当する。具体的には、リフト駆動モーターMの駆動を禁止する(例えば、電力の供給を停止する)。
このように、記録用紙Pに撓みがある場合に、記録用紙Pの上昇が禁止されるため、記録用紙Pの撓みに起因したリフト機構110における過負荷の発生を防止することができる。また、記録用紙Pに撓みが無いように、ユーザーが記録用紙Pを再装着する機会を与えることができる。
また、リフト禁止部53は、判定部52によって、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたと判定された場合に、リフト機構110に対して、給紙カセット11に積層された記録用紙Pの上昇を禁止する。具体的には、リフト駆動モーターMの駆動を禁止する(例えば、電力の供給を停止する)。
このように、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われた場合に、記録用紙Pの上昇が禁止されるため、電源スイッチSWがオフの状態で記録用紙Pが補給されたことに起因したリフト機構110における過負荷の発生を防止することができる。また、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われた場合には、記録用紙Pに撓みを検出することができない。よって、記録用紙Pに撓みがある場合に記録用紙Pを上昇すると、リフト機構110における過負荷が発生する恐れがある。したがって、記録用紙Pに撓みが無いように、ユーザーが記録用紙Pを再装着する機会を与えることができる。
報知部54は、判定部52によって給紙カセット11に積層された記録用紙Pに撓みがあると判定された場合に、記録用紙Pを入れ直す旨のメッセージをタッチパネル41に表示する。また、報知部54は、判定部52によって電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたと判定された場合に、給紙カセット11を引き出してから再度装着する旨のメッセージをタッチパネル41に表示する。ここで、報知部54は、「第1リフト報知部」及び、「第2報知部」に相当する。
このようにして、給紙カセット11に積層された記録用紙Pに撓みがあると判定された場合、及び、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われた場合に、報知部54によってタッチパネル41に、適正なメッセージが表示されるため、ユーザーの利便性を向上することができる。本実施形態では、報知部54がメッセージをタッチパネル41に表示する場合について説明したが、その他の形態で、メッセージをユーザーに報知する形態であればよい。例えば、メッセージを音声でユーザーに報知する形態でもよい。
次に、図5〜図7を参照して、制御部5の動作を説明する。図5は、図4に示す制御部5の動作を示すフローチャート(第1部)である。図6は、図4に示す制御部5の動作を示すフローチャート(第2部)である。図7は、図4に示す制御部5の動作を示すフローチャート(第3部)である。まず、図5に示すように、判定部52によって、電源スイッチSWがオフからオンに変更されたか否かの判定が行われる(ステップS101)。電源スイッチSWがオフからオンに変更されていないと判定された場合(ステップS101でNO)には、図6に示すステップS201に進められる。電源スイッチSWがオフからオンに変更されたと判定された場合(ステップS101でYES)には、ステップS103に進められる。
次に、判定部52によって、距離センサーS1を介して、最上部の記録用紙Pの上面との距離LSが検出される(ステップS103)。そして、判定部52によって、図4を用いて説明した図略の不揮発性メモリーから、電源スイッチSWがオフ直前に距離センサーS1によって検出された距離LEが読み出される(ステップS105)。そして、判定部52によって、距離LSと距離LEとの差の絶対値が第2閾値LH2以上であるか否かの判定が行われる(ステップS107)。
距離LSと距離LEとの差の絶対値が第2閾値LH2未満であると判定された場合(ステップS107でNO)には、図6のステップS201に進められる。距離LSと距離LEとの差の絶対値が第2閾値LH2以上であると判定された場合(ステップS107でYES)には、判定部52によって、電源スイッチSWがオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたと判定される(ステップS109)。そして、リフト禁止部53によって、リフト機構110に対して、給紙カセット11に積層された記録用紙Pの上昇が禁止される(ステップS111)。次いで、報知部54によって、給紙カセット11を引き出してから装着する旨のメッセージがタッチパネル41に表示され(ステップS113)、図6のステップS201に進められる。
ステップS101でNOの場合、ステップS107でNOの場合、ステップS113の処理が終了した場合、図6に示すステップS215でNOの場合、又は、図7に示すステップS305の処理が終了した場合には、図6に示すように、判定部52によって、電源スイッチSWがオンであるか否かの判定が行われる(ステップS201)。電源スイッチSWがオンではないと判定された場合(ステップS201でNO)には、図7に示すステップS401に進められる。電源スイッチSWがオンであると判定された場合(ステップS201でYES)には、判定部52によって、給紙カセット11が引き出されたか否かの判定が行われる(ステップS203)。例えば、判定部52は、位置検出部51によって求められる引出距離PKが零ではない場合に、給紙カセット11が引き出されたと判定する。具体的には、位置検出部51による引出距離PKの検出誤差を考慮して、引出距離PKが予め設定された閾値ΔPK(例えば、5mm)以上である場合に、給紙カセット11が引き出されたと判定する。
給紙カセット11が引き出されていないと判定された場合(ステップS203でNO)には、ステップS201に戻される。給紙カセット11が引き出されたと判定された場合(ステップS203でYES)には、判定部52によって、給紙カセット11の装着が開始されたか否かの判定が行われる(ステップS205)。具体的には、位置検出部51によって、給紙カセット11が引き出された位置である(引出距離PKが最大値近傍である)状態から、装着方向に移動中である(引出距離PKが減少中である)と検出された場合に、判定部52は、給紙カセット11の装着が開始されたと判定する。
給紙カセット11の装着が開始されていないと判定された場合(ステップS205でNO)には、待機状態とされる。給紙カセット11の装着が開始されたと判定された場合(ステップS205でYES)には、位置検出部51によって、給紙カセット11の引出距離PKが検出される(ステップS207)。次いで、判定部52によって、距離センサーS1を介して最上部の記録用紙Pの上面との距離LPが検出される(ステップS209)。そして、判定部52によって、給紙カセット11の装着が完了したか否かの判定が行われる(ステップS211)。例えば、判定部52は、位置検出部51によって求められる引出距離PKが零である場合に、給紙カセット11が装着されたと判定する。具体的には、位置検出部51による引出距離PKの検出誤差を考慮して、引出距離PKが予め設定された閾値ΔPK(例えば、5mm)以下である場合に、給紙カセット11が装着されたと判定する。
給紙カセット11の装着が完了していないと判定された場合(ステップS211でNO)には、ステップS207に戻され、ステップS207以降の処理が繰り返し実行される。給紙カセット11の装着が完了したと判定された場合(ステップS211でYES)には、判定部52によって、ステップS209で検出された最上部の記録用紙Pの上面との距離LPの最大値LX、及び、最小値LNが求められる(ステップS213)。そして、判定部52によって、最大値LXから最小値LNを引いた差が第1閾値LH1以上であるか否かの判定が行なわれる(ステップS215)。前記差が第1閾値LH1未満であると判定された場合(ステップS215でNO)には、ステップS201に戻され、ステップS201以降の処理が繰り返し実行される。最大値LXから最小値LNを引いた差が第1閾値LH1以上であると判定された場合(ステップS215でYES)には、図7に示すステップS301に進められる。
そして、図7の上側に示すように、判定部52によって、記録用紙Pに撓みがあると判定される(ステップS301)。次に、リフト禁止部53によって、リフト機構110に対して、給紙カセット11に積層された記録用紙Pの上昇が禁止される(ステップS303)。そして、報知部54によって、記録用紙Pに撓みがあるため、記録用紙Pを入れ直す旨のメッセージがタッチパネル41に表示され(ステップS305)、図6に示すステップS201に戻される。
図6のステップS201でNOの場合には、図7の下側に示すように、判定部52によって、電源スイッチSWがオンからオフに変更されたか否かの判定が行われる(ステップS401)。電源スイッチSWがオンからオフに変更されていない(オンのままである)と判定された場合(ステップS401でNO)には、図6に示すステップS201に戻される。電源スイッチSWがオンからオフに変更されたと判定された場合(ステップS401でYES)には、判定部52によって、距離センサーS1を介して距離LEが検出される(ステップS403)。そして、判定部52によって、ステップS403において検出された距離LEが制御部5の不揮発性メモリーに記録され(ステップS405)、処理が終了される。
このようにして、記録用紙Pに撓みがあるか否かが適正に判定され、記録用紙Pに撓みがあると判定された場合には、積層された記録用紙Pの上昇が禁止されると共に、記録用紙Pを入れ直す旨のメッセージが表示される。
また、電源がオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたか否かが適正に判定され、給紙カセット11の着脱が行われたと判定された場合には、積層された記録用紙Pの上昇が禁止されると共に、給紙カセット11を引き出してから装着する旨のメッセージが表示される。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(3))。図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)本実施形態では、電源がオンオフされたことを電源スイッチSWがオンオフされたことで検出する場合について説明したが、電源がオンオフされたことを予め設定された位置における電圧値(又は、電流値)で検出する形態でもよい。この場合には、例えば、停電のように、電源スイッチSWのオンオフとは無関係に電源オフとなる場合にも、電源がオンオフされたことを正確に検出することができる。
(2)本実施形態では、電源がオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたか否かについて、距離センサーS1によって検出された最上部の記録用紙Pの上面との距離LPを用いて判定する場合について説明したが、その他の方法で給紙カセット11の着脱が行われたか否かを検出する形態でもよい。例えば、給紙カセット11の着脱回数を機械的に検出するカウンターを備え、電源オフ直前の前記カウンターのカウント回数と、電源オン直後の前記カウンターのカウント回数とを比較して、後者が前者より大きい場合に電源がオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたと判定する形態でもよい。この場合には、更に正確に電源がオフの状態で給紙カセット11の着脱が行われたか否かを判定することができる。
(3)本実施形態では、距離センサーS1が、給紙ユニット10に1個設置されている場合について説明しているが、距離センサーS1が、給紙ユニット10に複数個設置されている形態でもよい。この場合には、複数個の距離センサーS1のうち、いずれか1つの距離センサーS1によって検出された距離Lの最大値LXと最小値LNとの差が第1閾値LH1以上であるときに、記録用紙Pに撓みがあると判定してもよい。