JP6349958B2 - インクジェット記録装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置及び画像形成方法に関する。
インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)は、低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易などの利点を有するため、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。また産業用としても広く普及しており、サイングラフィックス用途やデジタル印刷用途のみならず、布帛への染色用途として使用されている。布帛への捺染に対するインクジェットの利用検討は古くから行われており、従来のスクリーン捺染では得られなかった繊細で色数の多い柄への高い画像品質を得られるようになっている。インクジェット捺染では非常に小さいインク滴を布帛に付着させることができるため、着色に十分なインク量を布帛に付着することが可能であり、染料の使用効率を良く染色することができ排水を低減することができることが知られている。
しかし、インクジェット捺染では、吐出されるインク滴の量が少ないため布帛上に糸くずや埃等のゴミが存在するとゴミにインク滴が遮られ布帛への付着が抑制され、布帛上に形成される画像に欠陥が生じてしまう。また細かいゴミがヘッドに付着することで吐出不良を引き起こしてしまう。また、近年、顔料の微細分散技術が発達したことにより、顔料インクによるインクジェット捺染が行われているが、顔料捺染は前処理が必要なく行えるため布帛上にゴミが残ったままになりやすい。これにより、顔料インクは布帛表面に定着しやすいためゴミの影響を受けて白抜けが発生しやすい。
これに対し、特許文献1では、布帛を搬送する支持体について、布帛を剥離した後の支持体を洗浄する洗浄手段を備えたインクジェットプリント装置が報告されている。これによれば、洗浄手段が支持体に残留している残留物質を吸引して除去することにより、支持体上の残留インクや洗浄液等だけでなく、毛羽、糸屑、ゴミ等の残留固形物質までも除去することができるとされている。
特許文献2では、インクジェット記録手段の移動に付随して移動する粘着部材が設けられたインクジェット記録装置が報告されている。これによれば、ケバや糸クズが粘着部材に付着するため、吐出口まわりへのこれらケバや糸クズなどの塵の付着を低減することができ、長時間にわたりインクの不吐出が発生せず、安定した高品位の画像を得ることができるとされている。
特許文献3では、プリント用媒体素材の切断部分に生じたけば乃至繊維のほつれを除去するための処理を施してなるインクジェットプリント用媒体が報告されている。これによれば、布の搬送性不良によるプリント不良やヘッド擦れ、ノズル目詰りがなく操作性が良好なプリントができるとされている。
特許文献4では、プリント媒体の搬送を行うベルトに対し、プリント媒体が取り除かれたベルトを洗浄する洗浄部を有するインクジェットプリント装置が報告されており、洗浄部は周面が高分子多孔質媒体からなる拭き取りローラを具備している。これによれば、ベルトを清浄に、またベルト表面の粘着層の粘着力を保つことができるとされている。
しかしながら、これらの技術であっても、布帛上の繊維やゴミを除去するには未だ不十分であり、更なる改善が求められていた。また、布帛上の繊維やゴミを除去し、安定して高品質な画像を形成できるインクジェット記録装置が求められていた。
そこで、本発明は上記課題を鑑み、インクジェット捺染を行うときの布帛上の繊維やゴミを除去し、安定して高品質な画像を形成できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、布帛を搬送する搬送手段と、インクジェット方式により前記布帛に対しインクを吐出し記録を行う記録手段と、前記布帛を清掃する清掃手段とを備え、前記清掃手段は、前記記録手段よりも前記布帛の搬送方向の上流側に備えられるとともに、前記布帛を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を清掃する吸着部材清掃部とを有し、前記吸着部材は、前記布帛と接しつつ又は近傍で回動する帯電部材又は無端状の多孔材であり、前記吸着部材に帯電部材を用いる場合、前記清掃手段は、前記帯電部材に静電気を印加する静電気印加部を有し、かつ、前記吸着部材清掃部は、前記帯電部材の表面の静電気を除去する除電部材と、前記帯電部材の表面を清掃する帯電清掃部材とを有し、前記吸着部材に無端状の多孔材を用いる場合、前記清掃手段は、前記多孔材の内側を吸引する多孔材吸引部を有し、かつ、前記吸着部材清掃部は、前記多孔材の外周面から前記吸着部材を清掃することを特徴とする。
本発明によれば、インクジェット捺染を行うときの布帛上の繊維やゴミを除去し、安定して高品質な画像を形成できるインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明に係るインクジェット記録装置の一例を側面から見た場合の模式図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の要部の一例を底面から見た場合の模式図である。 インクカートリッジの一例についての模式図である。 清掃手段における静電気印加部の一例を説明するための模式図である。 吸着手段と布帛が接触する箇所の一例を説明するための模式図である。 吸着手段と清掃部材が接触する箇所の一例を説明するための模式図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の一例の概要を説明するためのブロック図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の他の例を示す模式図である。 吸着手段と布帛が接触する箇所の他の例を説明するための模式図である。 吸着手段と清掃部材が接触する箇所の他の例を説明するための模式図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の他の例を示す模式図である。 吸着手段と布帛が接触する箇所の他の例を説明するための模式図である。 吸着手段と清掃部材が接触する箇所の他の例を説明するための模式図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の他の例を示す模式図である。 インクジェット記録装置の他の例を示す模式図である。 インクジェット記録装置の他の例を示す模式図である。 インクジェット記録装置の他の例を示す模式図である。 画像形成後の布帛に画像欠けがない場合の例を示す図である。 画像形成後の布帛に画像欠けがある場合の例を示す図である。
以下、本発明に係るインクジェット記録装置及び画像形成方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明に係るインクジェット記録装置は、布帛10を搬送する搬送手段と、インクジェット方式により布帛10に対しインクを吐出し記録を行う記録手段2と、布帛10を清掃する清掃手段8とを備え、清掃手段8は、記録手段2よりも布帛10の搬送方向の上流側に備えられるとともに、布帛10を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を清掃する吸着部材清掃部とを有することを特徴とする。
吸着部材は、布帛10への吸着力を有しており、吸着方法は電気的、物理的、化学的のいずれの方法であってもよい。例えば、静電気による吸着、空気吸引による吸着、粘着物による吸着等が挙げられる。以下、本発明に係るインクジェット記録装置の構成例を吸着方法に触れつつ説明する。
<第1の実施形態>
本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態について説明する。本実施形態に係るインクジェット記録装置を図1、図2に示す。なお、図1は本実施形態に係るインクジェット記録装置について、側面から見た場合の模式図であり、図2は底面側から見た場合の要部を説明するための模式図である。
本実施形態における吸着方法は、電気的方式によるものである。吸着部材は布帛10と接しつつ又は近傍で回動する帯電ドラム81(帯電部材)であって、吸着部材清掃部は、帯電ドラム81の表面の静電気を除去する除電部材89と、帯電ドラム81の表面を清掃するブラシ90a(帯電清掃部材)とを有している。さらに、清掃手段8は、帯電ドラム81に静電気を印加する静電気印加部82を有し、布帛10と帯電ドラム81とが接する又は近傍の位置から帯電ドラム81の回転方向に沿って順に、除電部材89、ブラシ90a(帯電清掃部材)及び静電気印加部82が設けられている。
本実施形態のインクジェット記録装置は、シリアル型画像形成装置であり、装置本体の内部に記録手段2、搬送機構部5、6等を有し、装置本体の側方の送布部4から印字対象である布帛10を送布する。そして、搬送機構部5によって布帛10を水平方向に間歇的に搬送しながら、清掃手段8によって布帛10の表面のゴミや繊維を除去した後、記録手段2によって垂直方向下方に向けて液滴を吐出させて所要の画像を記録する。その後、排布部6から記録された布帛10を送り出して、巻き取り部7に布帛10を巻き取り回収する。
本実施形態では、記録手段2として、主ガイド部材21、従ガイド部材22、キャリッジ23、記録ヘッド24、ヘッドタンク29が図示されている。記録手段2は、左右の側板11L、11R間に横架した主ガイド部材21及び従ガイド部材22により、記録ヘッド24を搭載したキャリッジ23を摺動自在に保持し、主走査モータ25によって、駆動プーリ26と従動プーリ27間に渡したタイミングベルト28を介して主走査方向に移動走査する。
キャリッジ23には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド24a、24b、24c、24d、24e(区別しないときは上記の通り「記録ヘッド24」と称する)を、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を垂直方向下方に向けて装着している。
なお、記録ヘッド24を構成する液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生させる圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ23には、インクと反応することでインクの定着性を高める定着液を吐出する液滴吐出ヘッドなども搭載できる。また、キャリッジ23には、記録ヘッド24の各ノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク29が搭載されている。このヘッドタンク29には、装置本体に着脱自在に装着されるインクカートリッジからインクが供給される。
インクカートリッジの例を図3に示す。インクカートリッジ30は各色のインクタンク32を有しており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)が図示されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜変更が可能である。また、インクカートリッジ30には、必要に応じてパネル33が備えられる。
記録ヘッド24は滴吐出方向を垂直方向下方向としているので、液垂れを防止するために負圧を形成することが好ましく、ヘッドタンク29はバッファタンクとしての機能と共に負圧維持機能を有することが好ましい。
本実施形態においては、記録ヘッド24の液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材に少なくとも一部がSUS、シリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
SUSは幅広い液性のインクに対応でき熱伝導率も高いため、SUS部材で構成されているヘッドは温度調節性に優れたヘッドを形成できる。またシリコンを用いると半導体技術やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて加工することができるため、非常に微細でかつ高精度の加工が可能となる。
ニッケル部材は電鋳技術により金属薄膜が製造可能であり、高精度の形状を作成することができる。ニッケルは酸性にすることで容易に溶けてしまうためインク適応性が低いが、パラジウムなどの合金により電鋳することで、高耐久でかつ加工性に優れた金属薄膜部品を製造することができる。
また、記録ヘッド24のノズルのノズル直径は、特に制限されるわけではないが、50μm以下が好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。
キャリッジ23の主走査方向に沿って両側板11L、11R間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール121を張装し、キャリッジ23にはエンコーダスケール121のパターンを読み取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ123を設ける。これらのエンコーダスケール121とエンコーダセンサ123によってキャリッジ23の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、キャリッジ23の走査方向の一方側における非印字領域には、記録ヘッド24のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構9を配置している。この維持回復機構9には、記録ヘッド24の各ノズル面をキャピングするための各キャップ92a、92b、92c、92d、92e(区別しないときは「キャップ92」という)と、ノズル面をワイピングするワイパー部材(ワイパーブレード)93と、増粘した記録液(インク)を排出するために、記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け94などを備えている。
記録ヘッド24のノズルの維持回復は、キャリッジ23をホーム位置である維持回復機構9に対向する位置に移動させ、キャップ92によるキャッピングを行ってノズルからの吸引排出を行い、ノズル吸引を行う。さらに、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
送布部4の送付部用紙管41に巻き取られている印字用の布帛10は、搬送機構部5の上下の送り込みローラ51、52の間に送り込まれた後、プラテン53に沿って、排布部6の上下送り出しローラ61、62の間から送り出される。そして、巻き取り部7の巻き取り部用紙管71に固定し、巻き取り部用紙管71をモータにより回転させることで巻き取られる。
また、送り込みローラ52の軸52aにはコードホイール154を取り付け、このコードホイール154に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ155を設けている。これらのコードホイール154とエンコーダセンサ155によって送り込みローラの回転量及び回転角度を検出するロータリエンコーダ(送り込みエンコーダ)156を構成している。
同様に、送り出しローラ62の軸62aにはコードホイール157を取り付け、このコードホイール157に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ158を設けている。これらのコードホイール157とエンコーダセンサ158によって送り出しローラの回転量及び回転角度を検出するロータリエンコーダ(送り出しエンコーダ)159を構成している。
送り込みローラ51、52と送り出しローラ61、62の回転量は同一もしくは送り出しローラ61、62を少し多めになるように制御し、プラテン53上の布帛10に搬送方向に対してテンションが掛かるようにして、布帛10の浮きが起こらないようにしている。
このように構成した本実施形態のインクジェット記録装置においては、送布部4から布帛10が一スキャンに応じた搬送量ごとに水平方向に送布される。そこで、キャリッジ23を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド24を駆動することにより、停止している布帛10に対して上方から下方に向けてインク滴を吐出して1行分を記録し、布帛10を所定量搬送した後、次の行の記録を行う。記録が終了した布帛10は、送り出し部6から送り出され巻き取り部7にて巻き取られる。
本実施形態の清掃手段8は、記録手段2よりも布帛10の搬送方向の上流側に備えられるとともに、布帛10を吸着する帯電ドラム81と、帯電ドラム81を清掃する吸着部材清掃部とを有している。さらに、清掃手段8は、帯電ドラム81に静電気を印加する静電気印加部82を有している。本実施形態では、帯電部材として、帯電ドラム81を用いた例となっているが、これに限られるものではなく、後述するベルト形状にもすることができる。
図1では吸着部材押さえ部83が図示されており、吸着部材である帯電ドラム81が吸着部材押さえ部83により布帛10へ押しつけられ、布帛10の搬送と同期して回転することとなる。これにより、帯電ドラム81の表面と布帛10が同期し、接触しながら(又は近傍で)布帛10の表面のゴミ(付着物)を帯電ドラム81の表面に吸着させて清掃することができる(詳細は後述)。帯電ドラム81は静電気印加部82によって表面に静電電荷が付与され、帯電することができるようになっている。
図4(a)に帯電ドラム81の構成例を示す。図4(a)では、帯電ドラム81の断面を模式的に示したものであり、導電層202と絶縁層201が積層されてなる構成例が図示されている。また、静電気印加部82は、帯電ローラ203と、帯電ローラ203が帯電ドラム81に静電気を印加するために用いられるACバイアス供給部204とにより構成されている。帯電ローラ203は、帯電ドラム81と接しながら回転し、帯電ドラム81の表面に静電気を印加する。
なお、図4(a)では、帯電ドラム81が2層構造となっているが、これに制限されるものではなく、静電気印加部82と接する(又は近傍の)層が絶縁層201であれば単層構造とすることもできる。
絶縁層201の材料としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)、PEI(ポリエーテルイミド)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PC(ポリカーボネート)、ETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの樹脂又はエラストマーが挙げられる。なお、これらは導電制御材を含まない材料であることが好ましい。また、絶縁層201の体積抵抗率は、1012Ωcm以上であることが好ましく、1015Ωcm以上であることがより好ましい。絶縁層201の厚さは、20〜100μmが好ましい。
導電層202の材料としては、上記樹脂やエラストマーにカーボンを含有させたもの、金属材料等を用いることができる。また、導電層202の体積抵抗率は、10〜10Ωcmであることが好ましい。導電層202の厚さは、50〜200μmが好ましい。
帯電ローラ203は、図4(a)に示すように、例えば2kV〜3kVのACバイアスを加えるACバイアス供給部204に接続されている。印加するACバイアスの好ましい範囲は、±1.2kV〜±4.0kV、より好ましくは±1.6kV〜±2.4kVである。ACバイアスの値が下限値より高いと十分な吸着力が得られ、ゴミの除去が十分に行える。上限値以下だと布帛10との吸着が強すぎることがなく、ゴミ除去後に静電気印加部82と布帛10との剥離が円滑に行える。また布帛10に残留電荷が残りにくくすることができ、残留電荷の影響によりインク滴の曲がりが発生して着弾位置精度の低下してしまうことやミストが発生してしまうことを抑制できる。
この帯電ローラ203に供給されるACバイアスにより、図4(a)に示すように、帯電ドラム81の絶縁層201に正と負の電荷を帯電ドラム81の移動方向に対して交互に帯電させることができる。また、正と負の電荷を帯電する帯電ドラム81の絶縁層201は、上述のように体積抵抗率が1012Ωcm以上が好ましく、1015Ωcm以上がより好ましい。これを満たすように絶縁層201を形成した場合、絶縁層201に帯電した正と負の電荷が、その境界で移動することを防ぐことができ、絶縁層201に正と負の電荷を交互に安定して帯電させることができる。
本実施形態のインクジェット記録装置に画像出力の指示がなされると、布帛10の搬送速度に同期させて、帯電ドラム81を駆動モータで回転させ、同時にACバイアス供給部204から帯電ローラ203にACバイアスが印加される。
次に、布帛10を清掃するしくみについて、図5を参照しながら説明する。上記の帯電ローラ203、ACバイアス供給部204によって、図5(a)に示されるように、帯電ドラム81の絶縁層201は、正と負の電荷が帯電ドラム81の移動方向に対して交互に帯電するようになる。すると、帯電ドラム81の表面には、図5(a)における弧を描いた矢印に示されるような微小電界が生じる。この微小電界が生じた帯電ドラム81に布帛10が吸着することになり、布帛10上の繊維に帯電ドラム81上の静電気力が作用し、布帛10の繊維が帯電ドラム81に吸着する。
このように帯電ドラム81に布帛10の繊維を吸着させるために、帯電ローラ203が帯電ドラム81に接する位置は、帯電ドラム81と布帛10とが接する(又は近傍の)位置の近傍であり、かつ帯電ドラム81と布帛10とが接する位置の上流側であることが好ましい。すなわち、静電気印加部82は、布帛10と帯電ドラム81とが接する位置よりも帯電ドラム81の回転方向の直上流側で帯電ドラム81に静電気を印加することが好ましい。このような構成とすることで、布帛10と帯電ドラム81とが接触する位置で、帯電ドラム81の表面に確実に微小電界を発生させることができ、布帛10を帯電ドラム81により安定して吸着させることができる。
布帛10上にゴミ220(付着物)があるときは、図5(b)に示されるように、帯電ドラム81とゴミ220が接触し、帯電ドラム81の表面上の静電気力によって、布帛10とゴミ220が共に帯電ドラム81に吸着する。この後、布帛10を帯電ドラム81から引き離すと、図5(c)に示されるように、布帛10の表面のゴミ220が帯電ドラム81に吸着した状態となり、布帛10からゴミ220を除去することができる。
また、本実施形態の帯電ドラム81は布帛10に接して又は近傍で布帛10を吸着し、清掃する。帯電ドラム81が布帛10を吸着し、布帛10の表面のゴミや繊維を吸着することができるのであれば、必ずしも帯電ドラム81と布帛10とが接することが必要となるわけではないが、本実施形態においては、帯電ドラム81と布帛10が接することが好ましい。
また、帯電ドラム81を絶縁層201と導電層202の2層構造で形成した場合は、帯電ドラム81が回転する間に絶縁層201に帯電した正の電荷と負の電荷がある程度放電するので、布帛10を帯電ドラム81からより簡単に分離することができる。
上記では、記録ヘッド24が主走査方向に往復移動し、インク滴を布帛10に対して吐出し、画像を形成する態様について説明した。ここで、記録ヘッド24が布帛10上を移動し、インク滴を吐出しているときは、布帛10の搬送が停止する態様を例に挙げて説明している。そして、例えば一行分の画像が形成された後、布帛10を一定距離搬送させ、次の行の画像を形成することとなる。上記の説明では、布帛10が停止しているときでも、帯電ドラム81にACバイアスを供給している。しかし、これに限られるものではなく、布帛10が停止しているときには、帯電ローラ203に印加するACバイアスの供給を停止させるようにしてもよい。
また、布帛10の搬送状況などに応じて、帯電ドラム81の回転を停止させることもでき、帯電ドラム81を停止させているときに、帯電ローラ203に対するACバイアスの供給を停止させるようにしてもよい。このように、ACバイアスの供給を停止させることにより、帯電ドラム81において、帯電ローラ203と接触する部分に与えられた電荷をACバイアス供給部204で除去したり、不本意な方向に電荷を生じさせることを防ぐことができる。これにより、引き続き帯電ドラム81が回転したときに、布帛10を安定して清掃することができる。
また、帯電ドラム81の帯電時に、帯電ドラム81と帯電ローラ203の間で流れる電流はごくわずかではあるが、帯電ドラム81の一部分に連続して電荷が印加されると、帯電ドラム81に熱が発生することがある。この場合、帯電ドラム81にピンホールが発生し、リークに発展するおそれが生じる。これに対し、上記の構成、すなわち、ACバイアスの供給を場合に応じて停止させることで、ピンホールの発生やリークを抑制することができ、帯電ドラム81に傷がつくことを防止できる。
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、布帛10と帯電ドラム81とが接する又は近傍の位置よりも布帛10の搬送方向の下流側であって、帯電ドラム81側から布帛10を押さえる押さえローラ84(押圧部材)を備えることが好ましい。上述の通り、帯電ドラム81は静電気印加部82により表面に静電気を帯びているため、帯電ドラム81と布帛10が接すると布帛10が帯電ドラム81に引き寄せられることとなる。布帛10が清掃手段8側に引き寄せられると、布帛10の搬送が良好に行えない場合があり、記録手段2による画像形成でインク滴の位置がずれ、安定して画像が形成できない場合がある。そのため、押圧部材により布帛10を押さえることが好ましく、これにより記録手段2による画像形成でインク滴の位置ずれを防止できる。
また、押さえローラ84は導電性の物質(導電体)で構成され、アース回路に接続されていることが好ましい。これにより、帯電ドラム81によって布帛10の表面に残留した静電気を除電することができる。布帛10の表面に残留する電荷を除去することにより、インク滴の曲がりを抑制し、着弾位置精度を向上させることができる。
押さえローラ84の材料としては、SUSなどの金属部材、カーボンを含有したゴム部材などが挙げられる。押さえローラ84の体積抵抗率は、10Ωcm以下であることが好ましい。押さえローラ84はベアリング等で支えることができ、電極部材と接触しアース回路に繋がっていることが好ましい。
本実施形態における吸着部材清掃部は、図1に示されるように、帯電ドラム81の表面の静電気を除去する除電部材89と、帯電ドラム81の表面を清掃するブラシ90a(帯電清掃部材)とを有している。また、布帛10と帯電ドラム81とが接する又は近傍の位置から帯電ドラム81の回転方向に沿って順に、除電部材89、ブラシ90a及び静電気印加部82が設けられている。なお、帯電清掃部材は必要に応じて帯電ドラム81の付着物を集積するゴミ箱91(容器)を有していてもよい。
本実施形態における吸着部材清掃部が吸着手段を清掃する流れの一例を図6に示す。図6の矢印は、帯電ドラム81の回転方向を概念的に示したものである。図6(a)では、帯電ドラム81における絶縁層201に、正と負の電荷が交互に印加されており、帯電ドラム81表面に生じた微小電界により、ゴミ220が帯電ドラム81に吸着している。図6(b)のように、除電部材89により帯電ドラム81の表面の静電気(正又は負の電荷)が取り除かれる。除電部材89を通過した箇所は除電されるため、吸着力が失われ、図6(c)に示されるようにブラシ90aによってかき落とされる。吸着部材清掃部は、図1に示されるようにゴミ箱91(容器)を有していてもよく、ブラシ90aによってかき落とされたゴミをゴミ箱91に集積させることができる。
除電部材89としては、特に制限されるものではなく、例えば除電ブラシが挙げられる。
帯電清掃部材としては、特に制限されるものではなく、例えばブレード状のワイパーや、ブラシ状のワイパー等が挙げられる。また、帯電清掃部材として、回転ブラシ等の回転する部材を用いた場合、その回転方向は特に制限されるものではなく、帯電ドラム81と同方向の回転でもよいし、逆向きに回転し帯電ドラム81の表面を掃き取ってもよい。
帯電清掃部材に用いられるワイパーやブラシは、その表面が帯電してゴミを吸着したままにならないように、導電性を有しアースに接続され、電荷が残りにくいことが好ましい。
前記ブラシの材料としては、ナイロンの回りにカーボンを付着させ導電性能を持たせたエレバイや、ナイロン66を主体としナイロン6及び導電性カーボンブラックを配合したモノエイト、アクリル繊維に硫化銅を結合させた導電性能を持ったサンダーロンなどが好ましい。
このように、帯電ドラム81の表面を清掃することで、布帛10に対する吸着力を容易に維持させることができ、付着したゴミを効率よく回収することができる。
次に、本実施形態に係るインクジェット記録装置の制御部の概要について、図7のブロック説明図を参照して説明する。制御部500は、装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本実施形態に係る制御(処理)を実行させるプログラムを含む各種プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ(NVRAM)504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505などを備えている。
また、記録ヘッド24を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含むヘッド駆動制御部508と、キャリッジ23側に設けた記録ヘッド24を駆動するための記録ヘッドドライバ(記録ヘッドIC)509を備えている。加えて、キャリッジ23を移動走査させる主走査モータ25を駆動制御するためのキャリッジユニット移動モータ駆動制御部510を備えている。
さらに印字前の布帛10を巻き取っている送布部用紙管41を回転させ、布帛10の送り出しを行う送布部モータ523や、布帛10を印字部に送り込むために送り込みローラ51を回転させ位置を保持する送り込みモータ522を備えている。また、布帛10を送り出す送り出しローラ61を回転させ位置を保持する送り出しモータ521や、送り出された布帛10を巻き取る巻き取り部用紙管71を回転させる巻き取り部モータ524を備えている。そして、これらのモータを駆動制御する媒体搬送モータ駆動制御部520を備えている。
また、制御部500にはこの装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
そして、制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのホストI/F506を有しており、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブルあるいはネットワークを介してホストI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、ホストI/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505によって必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データをヘッド駆動制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
ヘッド駆動制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する。これ以外にも、ROM502に格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1つの駆動パルスあるいは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド24の1行分に相当する画像データに基づき、ヘッド駆動制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを記録ヘッド24に印加し、記録ヘッド24を駆動させる。このとき、駆動信号は記録ヘッド24の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して選択的に印加され、これによりヘッドドライバ509の駆動パルスに対応した画像が形成される。なお、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など滴量の異なる液滴を吐出させて大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O513は、主走査エンコーダ、送り込みエンコーダ156、送り出しエンコーダ159、装置に装着されている各種のセンサ群からなるセンサ515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出する。そして、抽出された情報をヘッド駆動制御部508やキャリッジユニット移動モータ駆動制御部510、媒体搬送モータ駆動制御部520、維持回復ユニット駆動制御部534、インク供給ユニット駆動制御部535、清掃ユニット制御部540の制御に使用する。
センサ515は、用紙の位置を検出するためのキャリッジ23に設けられた光学センサ(媒体センサ)160や、機内の温度、湿度を監視するためのサーミスタ、帯電ドラムの電圧を監視するセンサ、各機体カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O513は様々のセンサ情報を処理することができる。
例えば、CPU501は、主走査エンコーダを構成するエンコーダセンサ123からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ25に対する駆動出力値(制御値)を算出する。そして算出された駆動出力値(制御値)に基づいてキャリッジユニット移動モータ駆動制御部510を介してキャリッジユニットを移動させる主走査モータ25を駆動させる。
同様に、送り込みエンコーダ156を構成するエンコーダセンサ155からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて送り込みモータ522に対する駆動出力値(制御値)を算出する。そして算出された駆動出力値(制御値)に基づいて媒体搬送モータ駆動制御部520を介して送り込みモータ522を駆動させる。
また同様にして送り出しエンコーダ159からの検出パルスに基づいて、媒体搬送モータ駆動制御部520を介して送り出しモータ521を駆動させる。
また、制御部500は、維持回復ユニット駆動制御部534を介して、維持モータ525を駆動させて、維持回復機構9のキャップ92を記録ヘッド24のノズル面に対して進退移動させ、空吐出受け94を移動させ、吸引ポンプを駆動する。
また、インク供給ユニット駆動制御部535を介して供給モータ31を駆動させ、供給ポンプ(不図示)を動作させることで、インクタンク32からヘッドタンク29へのインクの送液、あるいは、ヘッドタンク29からインクタンク32へのインクの逆送を行う。
清掃手段8は媒体搬送モータ駆動制御部520と同期し、清掃ユニット制御部540を介してユニット駆動モータ541を駆動させ帯電ドラム81を布帛10の搬送速度に合わせて回転させる。またそのとき、帯電電圧供給部542を介して静電気印加部82に電圧を印加し帯電ドラム81の表面を帯電させる。
帯電電圧なども帯電電圧供給部542により制御されて静電気印加部82に印加される電圧量を定めている。正負の帯電幅に関しても帯電電圧供給部542によりユニット駆動モータの回転数から所定の帯電幅とするべき電圧の正負反転周波数を求め、帯電電圧供給部542により電圧の制御を行い帯電ドラムの帯電幅を制御する。
次に、本実施形態におけるインクジェット記録方式の態様について説明する。
インクジェット記録方式では、刺激発生手段によりインクに刺激(エネルギー)を与えて液滴として吐出、飛翔させ画像を形成する。本実施形態に係るインクジェット記録装置において前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
前記インクジェット用インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクジェット用インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを与える。例えば、サーマルヘッド等を用いて付与し、前記熱エネルギーにより前記インクジェット用インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクジェット用インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。
また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加する。これにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクジェット用インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。
前記飛翔させる前記インクジェット用インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3×1015〜40×1015(3pL〜40pL)とするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5m/s〜20m/sとするのが好ましい。駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましい。また、解像度としては60dpi以上が好ましく、より好ましくは150dpi以上である。
また、布帛10としては、布であれば特に制限されるものではない。
布帛に用いられる繊維としては、綿、麻、レーヨン、キュプラのようなセルロース繊維、絹、ナイロン、ウールなどのポリアミド繊維、ポリエステル、アクリル、ジアセテート、トリアセテートなどの合成繊維等を用いることができる。このような繊維を糸に加工し織物として布帛として用いる。織り方は特に制限はなく、金巾、ブロード、ツイル、サテン、トロピカル、タフタ、モスリン、デシン、ジョーゼット、羽二重などを利用することができ、繊維種は単一でも複数種を利用して混紡とすることも可能である。
このような布帛10としては、例えば、綿金巾、綿ブロード、綿サテン、ポリエステルトロピカル、絹羽二重、T/Cブロード等が挙げられる。なお、布帛10としては、綿素材の場合はシルケット加工等の光沢加工がされていないことが好ましい。
本発明においては布帛に限らず布地であれば適用可能であり、編物に対しても布帛同様に利用可能である。編み物としては編み方がジャージ、ニット、ダブルピケ、天竺などを利用することができ、繊維種は単一でも複数種を利用して混紡とすることも可能である。
<第2の実施形態>
以下、本発明に係るインクジェット記録装置のその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。本実施形態のインクジェット記録装置の模式図を図8に示す。
本実施形態における吸着方法は、物理的方式によるものである。本実施形態における吸着部材は、布帛10と接しつつ又は近傍で回動する無端状の多孔材であって、さらに、清掃手段8は、前記多孔材の内側を吸引する多孔材吸引部を有している。前記多孔材吸引部は、布帛10と前記多孔材とが接する又は近傍の位置を除いた部分であって、前記多孔材の内側で、かつ前記多孔材の外周面に接する少なくとも一部に吸引しない正圧部分を設けている。本実施形態における吸着部材清掃部は、前記多孔材の外周面から前記正圧部分と対向する位置で、前記多孔材の表面を清掃する。以下、詳細を説明する。
本実施形態では、多孔材として吸引ドラム87が用いられており、吸引ドラム87の表面は内部と連通している細孔が設けられている。吸引ドラム87の内側は図示しない吸引ポンプと接続されており、吸引ドラム87の内側の空気が吸引され、負圧に保たれている。また、吸引ドラム87の内側は、仕切板103によって仕切られており、吸引ポンプと接続され負圧に保たれている負圧エリア101と、大気圧もしくは正圧に保たれている正圧エリア102(正圧部分)が形成されている。正圧エリア102を大気圧もしくは正圧に保つため、例えば加圧ポンプに接続させることもできる。
吸引ドラム87の材料としては、特に制限されるものではなく、上記帯電ドラム81と同様の材料を用いることができる。また、負圧、正圧の値は特に制限されるものではなく、適宜変更が可能であり、多孔材の孔径は特に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
なお、仕切板103の材料としては特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができる。
次に、吸引ドラム87が布帛10を清掃するしくみについて、図9を参照しながら説明する。図9(a)に示されるように、上記の多孔材、吸引ポンプにより、吸引ドラム87の内側(紙面上方)は負圧状態となっており、負圧エリア101が形成されている。布帛10上にゴミ220(付着物)があるときは、図9(b)に示されるように、吸引ドラム87とゴミ220が接触し、吸引ドラム87の吸引力によって、布帛10とゴミ220が共に吸引ドラム87に吸着する。この後、布帛10を吸引ドラム87から引き離すと、図9(c)に示されるように、布帛10の表面のゴミ220が吸引ドラム87に吸着した状態となり、布帛10からゴミ220を除去することができる。
このとき、布帛10を吸引ドラム87から引き離す際には、押さえローラ84は布帛10が吸引ドラム87によって吸着され引き上げられることを抑制する働きを有し、布帛10の円滑な搬送とジャムを抑制するように働くこととなる。
押さえローラ84としては、特に制限はなく、導電性のものであってもよく、非導電性のものであってもよい。
次に、本実施形態における吸着部材清掃部が吸着手段を清掃する流れの一例を図10に示す。図10の紙面右側矢印は、吸引ドラム87の回転方向を概念的に示したものであり、紙面の上方又は下方を指す矢印は、空気の流れを概念的に示すものである。
図10(a)では、吸引ドラム87の内側が負圧状態となっており、負圧エリア101が形成されている。吸引ドラム87の表面は内部と連通している細孔が開いており、負圧エリア101にあるときには吸引ドラム87の表面の空気を吸い込み、表面に接触した物質を吸引ドラム87の表面に吸着するようになっている。そのため、布帛10の表面から離れたゴミ220が吸引ドラム87に吸着したまま搬送されることとなる。
図10(b)では、仕切板103によって、負圧エリア101と正圧エリア102に仕切られており、正圧エリア102では大気圧もしくは正圧に保たれている。図10(b)に示されるように、正圧エリア102にゴミ220が移動すると、吸引ドラム87の表面の空気は吸い込まれないようになるため、表面の吸着力がなくなる。
図10(c)では、吸引ドラム87が回転し正圧エリア102に入ることで吸引力がなくなり、吸引ドラム87の吸着力を低下させた後、吸引ドラム87に接触して清掃するブラシ90b(吸着部材清掃部)によって吸引ドラム87に付着したゴミ220がかき落とされる。吸着部材清掃部は、図8に示されるようにゴミ箱91(容器)を有していてもよく、ブラシ90bによってかき落とされたゴミをゴミ箱91に集積させることができる。
上記示されるように、吸着部材清掃部は、吸引ドラム87の外周面から正圧エリア102と対向する位置で、吸引ドラム87の表面を清掃する。
本実施形態の吸着部材清掃部としては、特に制限されるものではなく、例えばブレード状のワイパーや、ブラシ状のワイパー等が挙げられる。また、吸着部材清掃部として、回転ブラシ等の回転する部材を用いた場合、その回転方向は特に制限されるものではなく、吸引ドラム87と同方向の回転でもよいし、逆向きに回転し吸引ドラム87の表面を掃き取ってもよい。
このように、吸引ドラム87の表面を清掃することで、布帛10に対する吸着力を容易に維持させることができ、付着したゴミを効率よく回収することができる。
<第3の実施形態>
以下、本発明に係るインクジェット記録装置のその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。本実施形態のインクジェット記録装置の模式図を図11に示す。
本実施形態における吸着方法は、化学的方式によるものである。吸着部材は、粘着剤を塗布されてなる粘着部材であって、吸着部材清掃部は、洗浄液により前記粘着部材の粘着力を低下させるとともに、前記粘着部材に付着した付着物を除去する粘着清掃部材と、前記粘着部材に付着した前記洗浄液を除去する洗浄液除去部材とを有する。以下、詳細を説明する。
図11では、吸着部材として、粘着ベルト88が用いられている例が示されている。粘着ベルト88は、複数の駆動ローラ85によって張架され、吸着部材押さえ部83によって押圧され、布帛10に接している。また、図11では、粘着ベルト88の表面の付着物をかき取るブラシ90c(粘着清掃部材)と、洗浄液96と、ワイパー95と、乾燥部98が図示されている。本実施形態の洗浄液除去部材では、ワイパー95と乾燥部98が吸着部材に付着した洗浄液を除去する。
粘着ベルト88の構成例を図12に示す。図12(a)に示されるように、粘着ベルト88は、基材層210に粘着物質が塗布されて粘着層211が形成されている。
基材層210の材料としては、例えばゴム部材単独や帆布の表面にゴム部材をコートしたものが上げられる。ゴム部材としてはブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。帆布はポリエステルやナイロン等の合成繊維を用いることができる。また、基材層210の膜厚は特に制限されるものではないが、200μm〜2mmが好ましい。
粘着層211は、粘着性の高い樹脂が塗布され、乾燥されることにより、粘着性が付与され形成される。このとき、樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、−30℃以下であることが好ましい。
塗布される樹脂は水溶性、油溶性、エマルジョンタイプの何れでも使用可能であり、樹脂の粘着力の耐久性や布帛10の生地種によって、適時変更して利用することが可能である。
粘着層211の材料としては、例えば、水溶性のものとしては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、カルボキシメチルセルロース系樹脂、デンプン系樹脂等が挙げられる。
油溶性のものとしては、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
エマルジョンタイプのものとしては、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン、SBRエマルジョン、アクリルエマルジョン、アクリルシリコーンエマルジョン、ウレタンエマルジョン等の合成樹脂エマルジョン等が挙げられる。
また、塗布される樹脂種も複数種混合して利用することも可能であり、油溶性樹脂膜の上に水溶性樹脂膜を塗布し粘着力を高めることも可能である。
また、粘着層211の膜厚は特に制限されるものではないが、10μm〜1mmが好ましい。
次に、粘着ベルト88が布帛10を清掃するしくみについて、図12を参照しながら説明する。図12(a)に示される粘着ベルト88に対して、図12(b)のように粘着ベルト88とゴミ220が接触し、粘着ベルト88の粘着力によって、布帛10とゴミ220が共に粘着ベルト88に吸着する。この後、布帛10を粘着ベルト88から引き離すと、図12(c)に示されるように、布帛10の表面のゴミ220が粘着ベルト88に吸着した状態となり、布帛10からゴミ220を除去することができる。
このとき、布帛10を粘着ベルト88から引き離す際には、押さえローラ84は布帛10が粘着ベルト88の粘着力によって引き上げられることを抑制する働きを有し、布帛10の円滑な搬送とジャムを抑制するように働くこととなる。
押さえローラ84としては、特に制限はなく、導電性のものであってもよく、非導電性のものであってもよい。
粘着ベルト88が洗浄液96に浸される位置、ワイパー95によって洗浄液96が除去される位置、乾燥部98によって粘着ベルト88が乾燥される位置は制限されるものではない。ただし、乾燥部98は、ワイパー95によって洗浄液96が除去された後であって、粘着ベルト88が布帛10と接する前に粘着ベルト88を乾燥させることが好ましい。これにより、洗浄液96によって粘着力が低下した粘着ベルト88を乾燥させ、粘着力が元に戻った状態で粘着ベルト88が布帛10を吸着することができる。
次に、本実施形態における吸着部材清掃部が吸着手段を清掃する流れの一例を図13に示す。図13の紙面右側矢印は、粘着ベルト88の移動方向を概念的に示したものである。
図13(a)に示されるように、粘着ベルト88に付着したゴミ220は、粘着ベルト88に付着したまま運ばれ、図13(b)のように、粘着ベルト88ごと洗浄液96に浸される。洗浄液96によって粘着ベルト88の表面の粘着層211では、粘着剤の粘着力が低下し、この後、図13(c)のように粘着ベルト88に接触して清掃するブラシ90cによってかき落とされる。かき落とされたゴミ220は洗浄液溜まりに落とされ、集積される。
そして、図13(d)に示されるように、清掃後の粘着ベルト88はワイパー95によって多くの洗浄液96が取り除かれる。その後、乾燥部98によって粘着ベルト88に付着した洗浄液96が乾燥され、粘着ベルト88は粘着力を復活させて再利用できる状態にされる。
粘着清掃部材としては、特に制限されるものではなく、例えばブレード状のワイパーや、ブラシ状のワイパー等が挙げられる。また、粘着清掃部材として、回転ブラシ等の回転する部材を用いた場合、その回転方向は特に制限されるものではなく、粘着ベルト88の移動方向と同方向の回転でもよいし、逆向きに回転し粘着ベルト88の表面を掃き取ってもよい。
洗浄液96としては、特に制限されるものではないが、例えばエタノール水溶液、イソプロピルアルコール水溶液、界面活性剤水溶液、これらの混合溶液等が挙げられる。
乾燥部98としては、特に制限されるものではないが、例えばハロゲンヒータや温風乾燥機等が挙げられる。乾燥温度としては、特に制限されるものではなく、付着した洗浄液96を乾燥させ、除去できる温度にすればよい。
このように、粘着ベルト88を用いることで強い粘着力を発揮することができるため、強固に布帛10に付着しているゴミを取り除くことができ、洗浄液96中にゴミを集めることでゴミの飛び散りを抑制し、効率よく回収することができる。
なお、吸着部材が粘着剤を塗布されてなる粘着部材(粘着ベルト88)の場合であっても、布帛10を吸着することができるのであれば、必ずしも布帛10と粘着部材とが接している必要はない。しかし、離間している場合、ゴミの剥離効果を示すことが困難であると考えられるため、布帛10と粘着ベルト88は接していることが好ましい。
<第4の実施形態>
以下、本発明に係るインクジェット記録装置のその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。本実施形態のインクジェット記録装置の模式図を図14に示す。
本実施形態におけるインクジェット記録装置は、図1に示されるインクジェット記録装置の帯電ドラム81が帯電ベルト86に変更されたものである。図14に示されるように、帯電ベルト86は駆動ローラ85によって張架されており、吸着部材押さえ部83によって、帯電ベルト86が布帛10に押圧され、帯電ベルト86が布帛10に接している。
また、吸着部材押さえ部83の数は、特に制限されるものではないが、本実施形態では2つ図示されており、これにより帯電ベルト86が布帛10と接する面積を大きくすることができ、より布帛10を吸着することができる。
帯電ベルト86の構成例を図4(b)、(c)に示す。図4(b)、(c)に示されるように、帯電ベルト86は絶縁層201のみの単層構造や導電層202と絶縁層201等を積層した多層構造にすることができる。図4(c)の2層構造の場合は、絶縁層201が布帛10や帯電ローラ203と接し、布帛10や帯電ローラ203と接触しない側は導電層202で形成されている。
帯電ベルト86の場合においても、図5に示されるように布帛10上の繊維やごみを取り除くことができる。
帯電ベルト86の絶縁層201の材料や導電層202の材料は、上述の帯電ドラム81と同様のものを用いることができる。体積抵抗率等についても、帯電ドラム81と同様の構成にすることができる。
また、帯電ベルト86の場合においても、図6に示されるように帯電ベルト86に付着したゴミ220を除去することができる。
本発明における画像形方法は、布帛を搬送する搬送手段と、インクジェット方式により前記布帛に対しインクを吐出し記録を行う記録手段と、前記布帛を清掃する清掃手段とを備えるインクジェット記録装置を用いた画像形成方法である。そして、前記清掃手段は、前記記録手段よりも前記布帛の搬送方向の上流側に備えられるとともに、前記布帛を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を清掃する吸着部材清掃部とを有することを特徴とする。
また、本発明においては、吸着部材が無端ベルト又はドラムであることが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示されるインクジェット記録装置について、印字する布帛10としてシルケット加工を行っていない幅約25cmの綿ブロード布、インクとしてDupont社製Artistri 700シリーズ顔料インク、インクジェットヘッドとしてリコー社製MH5440を用いて、布帛10にベタ画像を形成し、印字評価を行った。
清掃手段8には直径6cmのアルミニウム製管の表面にEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)厚さ4cmを付けたゴムローラーの表面に、カーボンを含有したEPDM厚さ150μmからなる導電層とETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体)厚さ40μmをコートした体積抵抗率が1015Ωcmの帯電ドラム81を使用した。この帯電ドラム81に3kVのACバイアスを印加し帯電させた。
吸着部材清掃部には、帯電清掃部材(ブラシ90a)の上流側にサンダーロンからなる除電ブラシ(除電部材89)を設け、帯電清掃部材には導電性ナイロンであるモノエイトからなるブラシ90aと集塵用のゴミ箱91を設けた。
印字評価については下記の項目について行った。
−初期耐久−
初期の印字物について、画像欠けや印字斑がないか目視により評価した。評価基準は下記とした。
○:50mまでの印字物について画像欠けや印字斑がない
×:50mまでの印字物について画像欠けや印字斑が認められる
−長期耐久−
インクジェット記録装置について、初期耐久を評価した後、数日間、所定の距離の布帛10について印字を行い、画像欠けや印字斑の有無を評価した。評価基準は下記とした。
○:10日間以上印字しても画像欠けや印字斑がない
△:10日間まで印字しても画像欠けや印字斑がないが、10日間以降に画像欠けや印字斑が認められる
×:10日間以内に画像欠けや印字斑が発生する
実施例1の装置について印字評価を行ったところ、100mまでの印字物に画像欠けはなく良好で、実使用上、問題ないことが確認された。印字斑も発生しておらず、良好な画質であった。このとき図18に示されるように布帛10には画像欠けがなかった。さらに10日間以上印字しても、画像欠けや印字斑が発生しなかった。
(比較例1)
実施例1について、図1に示されるインクジェット記録装置を図15に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例1と同様にして、印字評価を行った。実施例1と比較例1の相違は、実施例1における装置の除電部材89、ブラシ90aを取り除いたことである。
この装置について印字評価を行ったところ、20mまでの印字物に画像欠けはなく良好であった。しかし30m以上で帯電部に糸くずが蓄積し帯電ドラム81への電荷がリークすることで布帛表面に残留し画像欠けが発生した。このとき図19に示されるように布帛10に糸くずの跡が残り、画像欠けが発生した。
(実施例2)
実施例1について、図1に示されるインクジェット記録装置を図8に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例1と同様にして、印字評価を行った。実施例1と実施例2の相違は、実施例1における装置の帯電ドラム81が、実施例2では吸引ドラム87に変更されており、静電気印加部82と除電部材89が取り除かれ、吸引ポンプが設けられていることである。また、吸引ドラム87内部に仕切板103が設けられており、負圧エリア101と正圧エリア102が設けられている。なお、吸着部材清掃部であるブラシ90bとしては、図1におけるブラシ90aと同じものを用いた。
この装置について印字評価を行ったところ、100mまでの印字物に画像欠けはなく良好で、実使用上、問題ないことが確認された。印字斑も発生しておらず、良好な画質であった。さらに10日間以上印字しても、画像欠けや印字斑が発生しなかった。10日間の評価後(10日間の印字を行った後)には、吸引ドラム87の表面に細かい埃が吸着しており、吸引効率が衰えていることが確認された。ブラシと掃除機で清掃することによって、元の吸着力に回復した。
(比較例2)
実施例2について、図8に示されるインクジェット記録装置を図16に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例2と同様にして、印字評価を行った。実施例2と比較例2の相違は、実施例2における装置装置から正圧エリア102を構成する仕切板103及びブラシ90bを取り外したことである。
この装置について印字評価を行ったところ、10mまでの印字物に画像欠けはなく良好であった。しかし、20m以上でドラム表面に糸くずが蓄積し、蓄積の多いところでは新規の吸着ができず布帛10に糸くずが残ることで画像欠けが発生した。
(実施例3)
実施例1について、図1に示されるインクジェット記録装置を図11に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例1と同様にして、印字評価を行った。実施例1と実施例3の相違は、実施例1における装置の帯電ドラム81を粘着ベルト88に変更し、静電気印加部82と除電部材89を取り除いた。また、ブラシ90cと洗浄液96を設け、さらにワイパー95を設け、乾燥部98として温風乾燥機を設けた。
粘着ベルト88は、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)厚さ2mmからなる無端ベルトの表面にニカゾールCL−303(日本カーバイド社製、樹脂エマルジョン)厚さ100μmを塗布乾燥させて作製した。
吸着部材清掃部には、ナイロン製のブラシ90cと、洗浄液96と、洗浄液96を受ける洗浄液溜まり97とを設け、洗浄液96として1重量%のエタノール水溶液水を使用した。
この装置について印字評価を行ったところ、100mまでの印字物に画像欠けはなく良好で、実使用上、問題ないことが確認された。印字斑も発生しておらず、良好な画質であった。継続して使用していると、10日間の印字では画像欠けはなかったが、10日後に粘着力が衰えて布帛10上に糸くずが残り、画像欠けが発生した。
(比較例3)
比較例1について、図15に示されるインクジェット記録装置を図17に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は比較例1と同様にして、印字評価を行った。比較例1と比較例3の相違は、比較例1における帯電ドラム81を粘着ベルト88にしたことである。粘着ドラム99にはニトムズ社製コロコロワイド伸縮シャフトを用いた。
この装置について印字評価を行ったところ、5mまでは粘着力があったが、その後、布帛10の表面に糸くずが残留し、残留した糸くずによって画像欠けが発生した。
(実施例4)
実施例1について、図1に示されるインクジェット記録装置を図14に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例1と同様にして、印字評価を行った。実施例1と実施例4の相違は、実施例1における装置の帯電ドラム81が、実施例4では帯電ベルト86に変更されていることである。また、図14のように吸着部材押さえ部83を2つとした。帯電ベルト86は、EPDMからなる無端ベルトの表面にETFE層を形成し作製した。
この装置について印字評価を行ったところ、100mまでの印字物に画像欠けはなく良好で、実使用上、問題ないことが確認された。印字斑も発生しておらず、良好な画質であった。
上記実施例1〜4及び比較例1〜3の印字評価の結果を下記表1に示す。
2 記録手段
4 送布部
5 搬送機構部
6 排布部
7 巻き取り部
8 清掃手段
9 維持回復機構
10 布帛
11L、11R 側板
21 主ガイド部材
22 従ガイド部材
23 キャリッジ
24 インクジェットヘッド
25 主走査モータ
26 駆動プーリ
27 従動プーリ
28 タイミングベルト
29 ヘッドタンク
30 インクカートリッジ
31 供給モータ
32 インクタンク
33 パネル
41 送布部用紙管
51、52 送り込みローラ
52a、62a 軸
53 プラテン
61、62 送り出しローラ
71 巻き取り用紙管
81 帯電ドラム
82 静電気印加部
83 吸着部材押さえ部
84 押さえローラ
85 駆動ローラ
86 帯電ベルト
87 吸引ドラム
88 粘着ベルト
89 除電部材
90a、90b、90c ブラシ
91 ゴミ箱
92 キャップ
93 ワイパーブレード
94 空吐出受け
95 ワイパー
96 洗浄液
97 洗浄液収容部
98 乾燥部
99 粘着ドラム
101 負圧エリア
102 正圧エリア
103 仕切板
121 エンコーダスケール
154、157、161 コードホール
123、155、158、162 エンコーダセンサ
156 ロータリエンコーダ(送り込みエンコーダ)
159 ロータリエンコーダ(送り出しエンコーダ)
160 光学センサ(媒体センサ)
163 ロータリエンコーダ(清掃部エンコーダ)
201 絶縁層
202 導電層
203 帯電ローラ
204 ACバイアス供給部
210 基材層
211 粘着層
220 ゴミ
500 制御部
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 NVRAM
505 ASIC
506 ホストI/F
508 ヘッド駆動制御部
509 ヘッドドライバ
510 キャリッジユニット移動モータ駆動制御部
513 I/O
514 操作パネル
515 センサ
520 媒体搬送モータ駆動制御部
521 送り出しモータ
522 送り込みモータ
523 送布部モータ
524 巻き取り部モータ
525 維持モータ
534 維持回復ユニット駆動制御部
535 インク供給ユニット駆動制御部
540 清掃ユニット制御部
541 ユニット駆動モータ
542 帯電電圧供給部
600 ホスト
601 プリンタドライバ
特開2001−277656号公報 特開平6−15818号公報 特開平7−70951号公報 特開平11−192694号公報

Claims (7)

  1. 布帛を搬送する搬送手段と、
    インクジェット方式により前記布帛に対しインクを吐出し記録を行う記録手段と、
    前記布帛を清掃する清掃手段とを備え、
    前記清掃手段は、前記記録手段よりも前記布帛の搬送方向の上流側に備えられるとともに、前記布帛を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を清掃する吸着部材清掃部とを有し、
    前記吸着部材は、前記布帛と接しつつ又は近傍で回動する帯電部材又は無端状の多孔材であり、
    前記吸着部材に帯電部材を用いる場合、前記清掃手段は、前記帯電部材に静電気を印加する静電気印加部を有し、かつ、前記吸着部材清掃部は、前記帯電部材の表面の静電気を除去する除電部材と、前記帯電部材の表面を清掃する帯電清掃部材とを有し、
    前記吸着部材に無端状の多孔材を用いる場合、前記清掃手段は、前記多孔材の内側を吸引する多孔材吸引部を有し、かつ、前記吸着部材清掃部は、前記多孔材の外周面から前記吸着部材を清掃することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記吸着部材に帯電部材を用いる場合、前記布帛と前記帯電部材とが接する又は近傍の位置から前記帯電部材の回転方向に沿って順に、前記除電部材、前記帯電清掃部材及び前記静電気印加部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記吸着部材に無端状の多孔材を用いる場合、前記多孔材吸引部は、前記布帛と前記多孔材とが接する又は近傍の位置を除いた部分であって、前記多孔材の内側で、かつ前記多孔材の外周面に接する少なくとも一部に吸引しない正圧部分を設け、
    前記吸着部材清掃部は、前記多孔材の外周面から前記正圧部分と対向する位置で、前記多孔材の表面を清掃することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 布帛を搬送する搬送手段と、
    インクジェット方式により前記布帛に対しインクを吐出し記録を行う記録手段と、
    前記布帛を清掃する清掃手段とを備え、
    前記清掃手段は、前記記録手段よりも前記布帛の搬送方向の上流側に備えられるとともに、前記布帛を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を清掃する吸着部材清掃部とを有し、
    前記吸着部材は、粘着剤を塗布されてなる粘着部材であって、
    前記吸着部材清掃部は、洗浄液により前記粘着部材の粘着力を低下させるとともに、前記粘着部材に付着した付着物を除去する粘着清掃部材と、前記粘着部材に付着した前記洗浄液を除去する洗浄液除去部材とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 前記布帛と前記吸着部材とが接する又は近傍の位置よりも前記布帛の搬送方向の下流側であって、前記吸着部材側から前記布帛を押さえる押圧部材を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記吸着部材が無端ベルト又はドラムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 布帛を搬送する搬送手段と、
    インクジェット方式により前記布帛に対しインクを吐出し記録を行う記録手段と、
    前記布帛を清掃する清掃手段とを備えるインクジェット記録装置を用いた画像形成方法であって、
    前記清掃手段は、前記記録手段よりも前記布帛の搬送方向の上流側に備えられるとともに、前記布帛を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を清掃する吸着部材清掃部とを有し、
    前記吸着部材は、前記布帛と接しつつ又は近傍で回動する帯電部材又は無端状の多孔材であり、
    前記吸着部材に帯電部材を用いる場合、前記清掃手段は、静電気印加部により前記帯電部材に静電気を印加し、かつ、前記吸着部材清掃部は、除電部材により前記帯電部材の表面の静電気を除去し、帯電清掃部材により前記帯電部材の表面を清掃し、
    前記吸着部材に無端状の多孔材を用いる場合、前記清掃手段は、多孔材吸引部により前記多孔材の内側を吸引し、かつ、前記吸着部材清掃部は、前記多孔材の外周面から前記吸着部材を清掃することを特徴とする画像形成方法。
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