JP6349958B2 - インクジェット記録装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
特許文献2では、インクジェット記録手段の移動に付随して移動する粘着部材が設けられたインクジェット記録装置が報告されている。これによれば、ケバや糸クズが粘着部材に付着するため、吐出口まわりへのこれらケバや糸クズなどの塵の付着を低減することができ、長時間にわたりインクの不吐出が発生せず、安定した高品位の画像を得ることができるとされている。
特許文献3では、プリント用媒体素材の切断部分に生じたけば乃至繊維のほつれを除去するための処理を施してなるインクジェットプリント用媒体が報告されている。これによれば、布の搬送性不良によるプリント不良やヘッド擦れ、ノズル目詰りがなく操作性が良好なプリントができるとされている。
特許文献4では、プリント媒体の搬送を行うベルトに対し、プリント媒体が取り除かれたベルトを洗浄する洗浄部を有するインクジェットプリント装置が報告されており、洗浄部は周面が高分子多孔質媒体からなる拭き取りローラを具備している。これによれば、ベルトを清浄に、またベルト表面の粘着層の粘着力を保つことができるとされている。
吸着部材は、布帛10への吸着力を有しており、吸着方法は電気的、物理的、化学的のいずれの方法であってもよい。例えば、静電気による吸着、空気吸引による吸着、粘着物による吸着等が挙げられる。以下、本発明に係るインクジェット記録装置の構成例を吸着方法に触れつつ説明する。
本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態について説明する。本実施形態に係るインクジェット記録装置を図1、図2に示す。なお、図1は本実施形態に係るインクジェット記録装置について、側面から見た場合の模式図であり、図2は底面側から見た場合の要部を説明するための模式図である。
なお、記録ヘッド24を構成する液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生させる圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
インクカートリッジの例を図3に示す。インクカートリッジ30は各色のインクタンク32を有しており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)が図示されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜変更が可能である。また、インクカートリッジ30には、必要に応じてパネル33が備えられる。
SUSは幅広い液性のインクに対応でき熱伝導率も高いため、SUS部材で構成されているヘッドは温度調節性に優れたヘッドを形成できる。またシリコンを用いると半導体技術やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて加工することができるため、非常に微細でかつ高精度の加工が可能となる。
ニッケル部材は電鋳技術により金属薄膜が製造可能であり、高精度の形状を作成することができる。ニッケルは酸性にすることで容易に溶けてしまうためインク適応性が低いが、パラジウムなどの合金により電鋳することで、高耐久でかつ加工性に優れた金属薄膜部品を製造することができる。
送り込みローラ51、52と送り出しローラ61、62の回転量は同一もしくは送り出しローラ61、62を少し多めになるように制御し、プラテン53上の布帛10に搬送方向に対してテンションが掛かるようにして、布帛10の浮きが起こらないようにしている。
なお、図4(a)では、帯電ドラム81が2層構造となっているが、これに制限されるものではなく、静電気印加部82と接する(又は近傍の)層が絶縁層201であれば単層構造とすることもできる。
導電層202の材料としては、上記樹脂やエラストマーにカーボンを含有させたもの、金属材料等を用いることができる。また、導電層202の体積抵抗率は、105〜107Ωcmであることが好ましい。導電層202の厚さは、50〜200μmが好ましい。
また、帯電ドラム81を絶縁層201と導電層202の2層構造で形成した場合は、帯電ドラム81が回転する間に絶縁層201に帯電した正の電荷と負の電荷がある程度放電するので、布帛10を帯電ドラム81からより簡単に分離することができる。
帯電清掃部材としては、特に制限されるものではなく、例えばブレード状のワイパーや、ブラシ状のワイパー等が挙げられる。また、帯電清掃部材として、回転ブラシ等の回転する部材を用いた場合、その回転方向は特に制限されるものではなく、帯電ドラム81と同方向の回転でもよいし、逆向きに回転し帯電ドラム81の表面を掃き取ってもよい。
帯電清掃部材に用いられるワイパーやブラシは、その表面が帯電してゴミを吸着したままにならないように、導電性を有しアースに接続され、電荷が残りにくいことが好ましい。
前記ブラシの材料としては、ナイロンの回りにカーボンを付着させ導電性能を持たせたエレバイや、ナイロン66を主体としナイロン6及び導電性カーボンブラックを配合したモノエイト、アクリル繊維に硫化銅を結合させた導電性能を持ったサンダーロンなどが好ましい。
さらに印字前の布帛10を巻き取っている送布部用紙管41を回転させ、布帛10の送り出しを行う送布部モータ523や、布帛10を印字部に送り込むために送り込みローラ51を回転させ位置を保持する送り込みモータ522を備えている。また、布帛10を送り出す送り出しローラ61を回転させ位置を保持する送り出しモータ521や、送り出された布帛10を巻き取る巻き取り部用紙管71を回転させる巻き取り部モータ524を備えている。そして、これらのモータを駆動制御する媒体搬送モータ駆動制御部520を備えている。
そして、制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのホストI/F506を有しており、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブルあるいはネットワークを介してホストI/F506で受信する。
例えば、CPU501は、主走査エンコーダを構成するエンコーダセンサ123からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ25に対する駆動出力値(制御値)を算出する。そして算出された駆動出力値(制御値)に基づいてキャリッジユニット移動モータ駆動制御部510を介してキャリッジユニットを移動させる主走査モータ25を駆動させる。
また同様にして送り出しエンコーダ159からの検出パルスに基づいて、媒体搬送モータ駆動制御部520を介して送り出しモータ521を駆動させる。
また、インク供給ユニット駆動制御部535を介して供給モータ31を駆動させ、供給ポンプ(不図示)を動作させることで、インクタンク32からヘッドタンク29へのインクの送液、あるいは、ヘッドタンク29からインクタンク32へのインクの逆送を行う。
インクジェット記録方式では、刺激発生手段によりインクに刺激(エネルギー)を与えて液滴として吐出、飛翔させ画像を形成する。本実施形態に係るインクジェット記録装置において前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
布帛に用いられる繊維としては、綿、麻、レーヨン、キュプラのようなセルロース繊維、絹、ナイロン、ウールなどのポリアミド繊維、ポリエステル、アクリル、ジアセテート、トリアセテートなどの合成繊維等を用いることができる。このような繊維を糸に加工し織物として布帛として用いる。織り方は特に制限はなく、金巾、ブロード、ツイル、サテン、トロピカル、タフタ、モスリン、デシン、ジョーゼット、羽二重などを利用することができ、繊維種は単一でも複数種を利用して混紡とすることも可能である。
このような布帛10としては、例えば、綿金巾、綿ブロード、綿サテン、ポリエステルトロピカル、絹羽二重、T/Cブロード等が挙げられる。なお、布帛10としては、綿素材の場合はシルケット加工等の光沢加工がされていないことが好ましい。
本発明においては布帛に限らず布地であれば適用可能であり、編物に対しても布帛同様に利用可能である。編み物としては編み方がジャージ、ニット、ダブルピケ、天竺などを利用することができ、繊維種は単一でも複数種を利用して混紡とすることも可能である。
以下、本発明に係るインクジェット記録装置のその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。本実施形態のインクジェット記録装置の模式図を図8に示す。
なお、仕切板103の材料としては特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができる。
このとき、布帛10を吸引ドラム87から引き離す際には、押さえローラ84は布帛10が吸引ドラム87によって吸着され引き上げられることを抑制する働きを有し、布帛10の円滑な搬送とジャムを抑制するように働くこととなる。
押さえローラ84としては、特に制限はなく、導電性のものであってもよく、非導電性のものであってもよい。
図10(a)では、吸引ドラム87の内側が負圧状態となっており、負圧エリア101が形成されている。吸引ドラム87の表面は内部と連通している細孔が開いており、負圧エリア101にあるときには吸引ドラム87の表面の空気を吸い込み、表面に接触した物質を吸引ドラム87の表面に吸着するようになっている。そのため、布帛10の表面から離れたゴミ220が吸引ドラム87に吸着したまま搬送されることとなる。
図10(b)では、仕切板103によって、負圧エリア101と正圧エリア102に仕切られており、正圧エリア102では大気圧もしくは正圧に保たれている。図10(b)に示されるように、正圧エリア102にゴミ220が移動すると、吸引ドラム87の表面の空気は吸い込まれないようになるため、表面の吸着力がなくなる。
図10(c)では、吸引ドラム87が回転し正圧エリア102に入ることで吸引力がなくなり、吸引ドラム87の吸着力を低下させた後、吸引ドラム87に接触して清掃するブラシ90b(吸着部材清掃部)によって吸引ドラム87に付着したゴミ220がかき落とされる。吸着部材清掃部は、図8に示されるようにゴミ箱91(容器)を有していてもよく、ブラシ90bによってかき落とされたゴミをゴミ箱91に集積させることができる。
以下、本発明に係るインクジェット記録装置のその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。本実施形態のインクジェット記録装置の模式図を図11に示す。
基材層210の材料としては、例えばゴム部材単独や帆布の表面にゴム部材をコートしたものが上げられる。ゴム部材としてはブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。帆布はポリエステルやナイロン等の合成繊維を用いることができる。また、基材層210の膜厚は特に制限されるものではないが、200μm〜2mmが好ましい。
塗布される樹脂は水溶性、油溶性、エマルジョンタイプの何れでも使用可能であり、樹脂の粘着力の耐久性や布帛10の生地種によって、適時変更して利用することが可能である。
粘着層211の材料としては、例えば、水溶性のものとしては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、カルボキシメチルセルロース系樹脂、デンプン系樹脂等が挙げられる。
油溶性のものとしては、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
エマルジョンタイプのものとしては、エチレン酢酸ビニル系エマルジョン、SBRエマルジョン、アクリルエマルジョン、アクリルシリコーンエマルジョン、ウレタンエマルジョン等の合成樹脂エマルジョン等が挙げられる。
また、塗布される樹脂種も複数種混合して利用することも可能であり、油溶性樹脂膜の上に水溶性樹脂膜を塗布し粘着力を高めることも可能である。
また、粘着層211の膜厚は特に制限されるものではないが、10μm〜1mmが好ましい。
このとき、布帛10を粘着ベルト88から引き離す際には、押さえローラ84は布帛10が粘着ベルト88の粘着力によって引き上げられることを抑制する働きを有し、布帛10の円滑な搬送とジャムを抑制するように働くこととなる。
押さえローラ84としては、特に制限はなく、導電性のものであってもよく、非導電性のものであってもよい。
図13(a)に示されるように、粘着ベルト88に付着したゴミ220は、粘着ベルト88に付着したまま運ばれ、図13(b)のように、粘着ベルト88ごと洗浄液96に浸される。洗浄液96によって粘着ベルト88の表面の粘着層211では、粘着剤の粘着力が低下し、この後、図13(c)のように粘着ベルト88に接触して清掃するブラシ90cによってかき落とされる。かき落とされたゴミ220は洗浄液溜まりに落とされ、集積される。
そして、図13(d)に示されるように、清掃後の粘着ベルト88はワイパー95によって多くの洗浄液96が取り除かれる。その後、乾燥部98によって粘着ベルト88に付着した洗浄液96が乾燥され、粘着ベルト88は粘着力を復活させて再利用できる状態にされる。
洗浄液96としては、特に制限されるものではないが、例えばエタノール水溶液、イソプロピルアルコール水溶液、界面活性剤水溶液、これらの混合溶液等が挙げられる。
乾燥部98としては、特に制限されるものではないが、例えばハロゲンヒータや温風乾燥機等が挙げられる。乾燥温度としては、特に制限されるものではなく、付着した洗浄液96を乾燥させ、除去できる温度にすればよい。
なお、吸着部材が粘着剤を塗布されてなる粘着部材(粘着ベルト88)の場合であっても、布帛10を吸着することができるのであれば、必ずしも布帛10と粘着部材とが接している必要はない。しかし、離間している場合、ゴミの剥離効果を示すことが困難であると考えられるため、布帛10と粘着ベルト88は接していることが好ましい。
以下、本発明に係るインクジェット記録装置のその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。本実施形態のインクジェット記録装置の模式図を図14に示す。
また、吸着部材押さえ部83の数は、特に制限されるものではないが、本実施形態では2つ図示されており、これにより帯電ベルト86が布帛10と接する面積を大きくすることができ、より布帛10を吸着することができる。
帯電ベルト86の絶縁層201の材料や導電層202の材料は、上述の帯電ドラム81と同様のものを用いることができる。体積抵抗率等についても、帯電ドラム81と同様の構成にすることができる。
また、帯電ベルト86の場合においても、図6に示されるように帯電ベルト86に付着したゴミ220を除去することができる。
また、本発明においては、吸着部材が無端ベルト又はドラムであることが好ましい。
図1に示されるインクジェット記録装置について、印字する布帛10としてシルケット加工を行っていない幅約25cmの綿ブロード布、インクとしてDupont社製Artistri 700シリーズ顔料インク、インクジェットヘッドとしてリコー社製MH5440を用いて、布帛10にベタ画像を形成し、印字評価を行った。
清掃手段8には直径6cmのアルミニウム製管の表面にEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)厚さ4cmを付けたゴムローラーの表面に、カーボンを含有したEPDM厚さ150μmからなる導電層とETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体)厚さ40μmをコートした体積抵抗率が1015Ωcmの帯電ドラム81を使用した。この帯電ドラム81に3kVのACバイアスを印加し帯電させた。
吸着部材清掃部には、帯電清掃部材(ブラシ90a)の上流側にサンダーロンからなる除電ブラシ(除電部材89)を設け、帯電清掃部材には導電性ナイロンであるモノエイトからなるブラシ90aと集塵用のゴミ箱91を設けた。
−初期耐久−
初期の印字物について、画像欠けや印字斑がないか目視により評価した。評価基準は下記とした。
○:50mまでの印字物について画像欠けや印字斑がない
×:50mまでの印字物について画像欠けや印字斑が認められる
インクジェット記録装置について、初期耐久を評価した後、数日間、所定の距離の布帛10について印字を行い、画像欠けや印字斑の有無を評価した。評価基準は下記とした。
○:10日間以上印字しても画像欠けや印字斑がない
△:10日間まで印字しても画像欠けや印字斑がないが、10日間以降に画像欠けや印字斑が認められる
×:10日間以内に画像欠けや印字斑が発生する
実施例1について、図1に示されるインクジェット記録装置を図15に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例1と同様にして、印字評価を行った。実施例1と比較例1の相違は、実施例1における装置の除電部材89、ブラシ90aを取り除いたことである。
この装置について印字評価を行ったところ、20mまでの印字物に画像欠けはなく良好であった。しかし30m以上で帯電部に糸くずが蓄積し帯電ドラム81への電荷がリークすることで布帛表面に残留し画像欠けが発生した。このとき図19に示されるように布帛10に糸くずの跡が残り、画像欠けが発生した。
実施例1について、図1に示されるインクジェット記録装置を図8に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例1と同様にして、印字評価を行った。実施例1と実施例2の相違は、実施例1における装置の帯電ドラム81が、実施例2では吸引ドラム87に変更されており、静電気印加部82と除電部材89が取り除かれ、吸引ポンプが設けられていることである。また、吸引ドラム87内部に仕切板103が設けられており、負圧エリア101と正圧エリア102が設けられている。なお、吸着部材清掃部であるブラシ90bとしては、図1におけるブラシ90aと同じものを用いた。
この装置について印字評価を行ったところ、100mまでの印字物に画像欠けはなく良好で、実使用上、問題ないことが確認された。印字斑も発生しておらず、良好な画質であった。さらに10日間以上印字しても、画像欠けや印字斑が発生しなかった。10日間の評価後(10日間の印字を行った後)には、吸引ドラム87の表面に細かい埃が吸着しており、吸引効率が衰えていることが確認された。ブラシと掃除機で清掃することによって、元の吸着力に回復した。
実施例2について、図8に示されるインクジェット記録装置を図16に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例2と同様にして、印字評価を行った。実施例2と比較例2の相違は、実施例2における装置装置から正圧エリア102を構成する仕切板103及びブラシ90bを取り外したことである。
この装置について印字評価を行ったところ、10mまでの印字物に画像欠けはなく良好であった。しかし、20m以上でドラム表面に糸くずが蓄積し、蓄積の多いところでは新規の吸着ができず布帛10に糸くずが残ることで画像欠けが発生した。
実施例1について、図1に示されるインクジェット記録装置を図11に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例1と同様にして、印字評価を行った。実施例1と実施例3の相違は、実施例1における装置の帯電ドラム81を粘着ベルト88に変更し、静電気印加部82と除電部材89を取り除いた。また、ブラシ90cと洗浄液96を設け、さらにワイパー95を設け、乾燥部98として温風乾燥機を設けた。
粘着ベルト88は、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)厚さ2mmからなる無端ベルトの表面にニカゾールCL−303(日本カーバイド社製、樹脂エマルジョン)厚さ100μmを塗布乾燥させて作製した。
吸着部材清掃部には、ナイロン製のブラシ90cと、洗浄液96と、洗浄液96を受ける洗浄液溜まり97とを設け、洗浄液96として1重量%のエタノール水溶液水を使用した。
この装置について印字評価を行ったところ、100mまでの印字物に画像欠けはなく良好で、実使用上、問題ないことが確認された。印字斑も発生しておらず、良好な画質であった。継続して使用していると、10日間の印字では画像欠けはなかったが、10日後に粘着力が衰えて布帛10上に糸くずが残り、画像欠けが発生した。
比較例1について、図15に示されるインクジェット記録装置を図17に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は比較例1と同様にして、印字評価を行った。比較例1と比較例3の相違は、比較例1における帯電ドラム81を粘着ベルト88にしたことである。粘着ドラム99にはニトムズ社製コロコロワイド伸縮シャフトを用いた。
この装置について印字評価を行ったところ、5mまでは粘着力があったが、その後、布帛10の表面に糸くずが残留し、残留した糸くずによって画像欠けが発生した。
実施例1について、図1に示されるインクジェット記録装置を図14に示されるインクジェット記録装置に代えた以外は実施例1と同様にして、印字評価を行った。実施例1と実施例4の相違は、実施例1における装置の帯電ドラム81が、実施例4では帯電ベルト86に変更されていることである。また、図14のように吸着部材押さえ部83を2つとした。帯電ベルト86は、EPDMからなる無端ベルトの表面にETFE層を形成し作製した。
この装置について印字評価を行ったところ、100mまでの印字物に画像欠けはなく良好で、実使用上、問題ないことが確認された。印字斑も発生しておらず、良好な画質であった。
4 送布部
5 搬送機構部
6 排布部
7 巻き取り部
8 清掃手段
9 維持回復機構
10 布帛
11L、11R 側板
21 主ガイド部材
22 従ガイド部材
23 キャリッジ
24 インクジェットヘッド
25 主走査モータ
26 駆動プーリ
27 従動プーリ
28 タイミングベルト
29 ヘッドタンク
30 インクカートリッジ
31 供給モータ
32 インクタンク
33 パネル
41 送布部用紙管
51、52 送り込みローラ
52a、62a 軸
53 プラテン
61、62 送り出しローラ
71 巻き取り用紙管
81 帯電ドラム
82 静電気印加部
83 吸着部材押さえ部
84 押さえローラ
85 駆動ローラ
86 帯電ベルト
87 吸引ドラム
88 粘着ベルト
89 除電部材
90a、90b、90c ブラシ
91 ゴミ箱
92 キャップ
93 ワイパーブレード
94 空吐出受け
95 ワイパー
96 洗浄液
97 洗浄液収容部
98 乾燥部
99 粘着ドラム
101 負圧エリア
102 正圧エリア
103 仕切板
121 エンコーダスケール
154、157、161 コードホール
123、155、158、162 エンコーダセンサ
156 ロータリエンコーダ(送り込みエンコーダ)
159 ロータリエンコーダ(送り出しエンコーダ)
160 光学センサ(媒体センサ)
163 ロータリエンコーダ(清掃部エンコーダ)
201 絶縁層
202 導電層
203 帯電ローラ
204 ACバイアス供給部
210 基材層
211 粘着層
220 ゴミ
500 制御部
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 NVRAM
505 ASIC
506 ホストI/F
508 ヘッド駆動制御部
509 ヘッドドライバ
510 キャリッジユニット移動モータ駆動制御部
513 I/O
514 操作パネル
515 センサ
520 媒体搬送モータ駆動制御部
521 送り出しモータ
522 送り込みモータ
523 送布部モータ
524 巻き取り部モータ
525 維持モータ
534 維持回復ユニット駆動制御部
535 インク供給ユニット駆動制御部
540 清掃ユニット制御部
541 ユニット駆動モータ
542 帯電電圧供給部
600 ホスト
601 プリンタドライバ
Claims (7)
- 布帛を搬送する搬送手段と、
インクジェット方式により前記布帛に対しインクを吐出し記録を行う記録手段と、
前記布帛を清掃する清掃手段とを備え、
前記清掃手段は、前記記録手段よりも前記布帛の搬送方向の上流側に備えられるとともに、前記布帛を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を清掃する吸着部材清掃部とを有し、
前記吸着部材は、前記布帛と接しつつ又は近傍で回動する帯電部材又は無端状の多孔材であり、
前記吸着部材に帯電部材を用いる場合、前記清掃手段は、前記帯電部材に静電気を印加する静電気印加部を有し、かつ、前記吸着部材清掃部は、前記帯電部材の表面の静電気を除去する除電部材と、前記帯電部材の表面を清掃する帯電清掃部材とを有し、
前記吸着部材に無端状の多孔材を用いる場合、前記清掃手段は、前記多孔材の内側を吸引する多孔材吸引部を有し、かつ、前記吸着部材清掃部は、前記多孔材の外周面から前記吸着部材を清掃することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記吸着部材に帯電部材を用いる場合、前記布帛と前記帯電部材とが接する又は近傍の位置から前記帯電部材の回転方向に沿って順に、前記除電部材、前記帯電清掃部材及び前記静電気印加部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記吸着部材に無端状の多孔材を用いる場合、前記多孔材吸引部は、前記布帛と前記多孔材とが接する又は近傍の位置を除いた部分であって、前記多孔材の内側で、かつ前記多孔材の外周面に接する少なくとも一部に吸引しない正圧部分を設け、
前記吸着部材清掃部は、前記多孔材の外周面から前記正圧部分と対向する位置で、前記多孔材の表面を清掃することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 布帛を搬送する搬送手段と、
インクジェット方式により前記布帛に対しインクを吐出し記録を行う記録手段と、
前記布帛を清掃する清掃手段とを備え、
前記清掃手段は、前記記録手段よりも前記布帛の搬送方向の上流側に備えられるとともに、前記布帛を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を清掃する吸着部材清掃部とを有し、
前記吸着部材は、粘着剤を塗布されてなる粘着部材であって、
前記吸着部材清掃部は、洗浄液により前記粘着部材の粘着力を低下させるとともに、前記粘着部材に付着した付着物を除去する粘着清掃部材と、前記粘着部材に付着した前記洗浄液を除去する洗浄液除去部材とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記布帛と前記吸着部材とが接する又は近傍の位置よりも前記布帛の搬送方向の下流側であって、前記吸着部材側から前記布帛を押さえる押圧部材を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記吸着部材が無端ベルト又はドラムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 布帛を搬送する搬送手段と、
インクジェット方式により前記布帛に対しインクを吐出し記録を行う記録手段と、
前記布帛を清掃する清掃手段とを備えるインクジェット記録装置を用いた画像形成方法であって、
前記清掃手段は、前記記録手段よりも前記布帛の搬送方向の上流側に備えられるとともに、前記布帛を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を清掃する吸着部材清掃部とを有し、
前記吸着部材は、前記布帛と接しつつ又は近傍で回動する帯電部材又は無端状の多孔材であり、
前記吸着部材に帯電部材を用いる場合、前記清掃手段は、静電気印加部により前記帯電部材に静電気を印加し、かつ、前記吸着部材清掃部は、除電部材により前記帯電部材の表面の静電気を除去し、帯電清掃部材により前記帯電部材の表面を清掃し、
前記吸着部材に無端状の多孔材を用いる場合、前記清掃手段は、多孔材吸引部により前記多孔材の内側を吸引し、かつ、前記吸着部材清掃部は、前記多孔材の外周面から前記吸着部材を清掃することを特徴とする画像形成方法。
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