JP6349630B2 - ダクト - Google Patents
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(1)本発明のダクトは、接合されて筒状をなす一対の半筒状のダクト半体を有し、前記ダクト半体は、パリソンまたはシートを成形金型で成形した樹脂成形体であり、前記成形金型の凸状の成形面で成形される内面部と、前記内面部に一体成形される凹凸部と、を有する、ことを特徴とする。
まず、第1実施形態のダクト10の基本構成を図1、図2に基づいて説明する。
図1に示すように、ダクト10は、筒状(この例では、円筒状)を呈しており、円筒面状の外周面11および円筒面状の内周面12を備える。なお、ダクト10の断面形状は、円形状の他、楕円形状、四角形状、多角形状など各種の形状から選択可能である。
次に、ダクト10の具体的な構成例1〜4を図3に基づいて説明する。なお、これら構成例1〜4の成形方法については、後述する。
図3(a)に示すように、構成例1では、中空成形した樹脂成形体でダクト半体20A,20Bを構成し、各ダクト半体20A,20Bの内部に、外面部22および内面部23に沿って中空部25を形成する。そして、接合される一対のダクト半体20A,20Bの2組の接合面21A,21Bのうち、一方の組の接合面21A,21B同士は、ヒンジ部26で回動可能に連結する。このヒンジ部26は、ダクト半体20A,20Bに一体成形した部分、あるいは、ダクト半体20A,20Bとは別の部品のいずれでも差し支えない。なお、この例では、一対のダクト半体20A,20Bの両方を中空構造の成形体としたが、一対のダクト半体20A,20Bのうち一方のみを中空構造としてもよい。
図3(b)に示すように、構成例2では、構成例1(図3(a)参照)の各ダクト半体20A,20Bに、外面部22から内面部23側に凹む補強リブ27を成形する。この補強リブ27により、ダクト半体20A,20Bの中空構造による剛性の低下や、熱収縮による変形を抑制することができる。補強リブ27の形状は、任意の形状から選択可能であり、幅や長さ、個数も任意である。また、補強リブ27は、ダクト半体20A,20Bのうち少なくとも一方に成形してもよい。
図3(c)に示すように、構成例3では、ダクト半体20A,20Bを中実な樹脂成形体で構成する。この構成例3においても、接合される一対のダクト半体20A,20Bの2組の接合面21A,21Bのうち、一方の組の接合面21A,21B同士をヒンジ部26で回動可能に連結することが可能である。
図3(d)に示すように、構成例4では、一対のダクト半体20A,20Bをヒンジ部で連結せず、それぞれ個別に成形する。各ダクト半体20A,20Bの断面形状は、構成例1〜3(図3(a)〜(c)参照)などから選択可能である。
続いて、第1実施形態のダクト10の成形方法1,2を図4、図5に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、成形方法1は、例えば、上記構成例1,2(図3(a),(b)参照)をブロー成形によって中空成形する方法であり、発泡剤が添加された熱可塑性樹脂を溶融したパリソン31と、このパリソン31を所定の形状に成形する成形金型30とを用いる。
図5(a)および(b)に示すように、成形方法2は、例えば、上記構成例3(図3(c)参照)のダクト10を成形する方法であり、この成形方法2では、第1成形面41と第2成形面51とのクリアランス33を狭く設定するなどして、第1成形面41と第2成形面51の間においてパリソン31を圧縮成形する。これにより、中実な一対のダクト半体20A,20Bとヒンジ部26とが一体成形されたダクト10の発泡成形体が得られる。
図6(a)に示すように、成形方法3では、凸状の成形面52に凹部56を形成すると共に、凹部56に連通する真空吸引用の空気通路57を備えた真空手段58を第2分割型50に設ける。これにより、図6(b)に示すように、空気通路57を真空吸引することで、パリソン31を凹部56に沿って成形し、ダクト半体20A,20Bの内面部23に突起28(本発明にいう「凹凸部」に相当)を一体成形することができる。このような突起28は、整流機能や吸音機能を備える機能部として構成することができる。
さらに、図7(a)および(b)に示される成形方法4のように、凹部56で成形する突起28を中空構造に構成することも可能である。
ダクト10の成形は、パリソン31を成形素材とした成形法に格別に限定されるものではない。例えば、筒状のパリソン31の代わりに、溶融状態の複数枚のシートを一対の分割金型の間に配置し、複数枚のシートと分割金型との間の密閉空間を吸引するなどして、複数枚のシートの間に中空部を有する樹脂成形体を成形してもよい。あるいは、1枚または複数枚の溶融状態のシートを一方の分割金型側に真空成形したり圧空成形したりすることで、中実な樹脂成形体を成形してもよい。
次に、上記構成例1〜4(図3(a)〜(d)参照)において、一対のダクト半体20A,20Bを接合する方法を図9に基づいて説明する。
次に、上記構成例1〜4(図3(a)〜(d)参照)において、一対のダクト半体20A,20Bを係合する係合例1〜3を図10〜図12に基づいて説明する。
ダクト半体20A,20Bの2組の接合面21A,21Bは、上記接合方法(図9参照)により接合する他、各種の機械要素により係合してもよい。
図11に示すように、係合例2では、フランジ状の取り付けブラケット65を係合部62として成形し、これら2つの取り付けブラケット65を重ね合わせる。そして、重ね合わせた取り付けブラケット65を、ダクト10の取り付け対象(例えば、車両の構成部品)に各種の締結部材で取り付ける。
図12(a)に示すように、係合例3では、例えば、ダクト半体20Bの接合面21Bに凹部66を成形し、ダクト半体20Aの接合面21Aには、凹部66に嵌合可能な凸部67を成形する。この構成によれば、締結部品を用いることなく、接合面21A,21B同士を係合することができる。また、凹部66および凸部67は、図12(b)に示すように、ダクト10の軸方向全体に亘って成形する他、部分的に短く成形してもよく、各種の形態から選択可能である。
以上、説明したダクト10の効果について述べる。
ダクト10によれば、その内周面12を構成するダクト半体20A,20Bの内面部23を、成形金型30の凸状の成形面52によって成形するので、機能性を備える部品をダクト半体20A,20Bの内面部23にインサート成形したり、成形後のダクト半体20A,20Bの内面部23に高い精度で組み付けたりすることができる。また、機能性を備える部分(突起28など)をダクト半体20A,20Bの内面部23に一体成形することもできる。なお、この効果を利用した構造は、後述する第2実施形態および第3実施形態において例示する。
続いて、第2実施形態のダクト10を図13に基づいて説明する。
第1実施形態の効果において述べた通り、上記構成例1〜4(図3(a)〜(d)参照)では、ダクト10の内周面12に機能部品を組み付けることができる。
次に、第3実施形態のダクト10を図14〜図16に基づいて説明する。
第1実施形態の効果において述べた通り、上記構成例1〜4(図3(a)〜(d)参照)では、機能性を備える部分をダクト10の内周面12に一体成形することができる。
続いて、第4実施形態のダクト80を図17、図18に基づいて説明する。
上記第1〜第3実施形態では、直線状のダクト10を例示したが、本発明は、この他、湾曲または屈曲したダクトにも適用可能である。
続いて、第4実施形態のダクト80の成形方法6,7を図19、図20に基づいて説明する。
図19(a)に示すように、成形方法6は、ブロー成形でダクト半体90を成形する方法であり、発泡剤が添加された熱可塑性樹脂を溶融したパリソン101と、このパリソン101を所定の形状に成形する成形金型100とを用いる。成形金型100は、互いに合わさる第1分割型110および第2分割型120で構成されており、これら第1分割型110および第2分割型120は、パリソン101を挟んで配置される。第1分割型110には、複数のブローピン102が設けられる。第1分割型110および第2分割型120のそれぞれには、第1成形面111および第2成形面121が設けられる。
図20(a)に示すように、成形方法7では、真空成形および圧空成形でダクト半体90を成形する方法であり、発泡剤が添加された熱可塑性樹脂を溶融したシート131と、このシート131を所定の形状に成形する成形金型130とを用いる。成形金型130は、互いに合わさる第1分割型140および第2分割型150で構成されており、第1分割型140および第2分割型150は、シート131を挟んで配置される。なお、シート131の層構成は、単層でも多層でもよい。
20A ダクト半体
20B ダクト半体
21A 接合面
21B 接合面
22 外面部
23 内面部
26 ヒンジ部
28 突起(凹凸部)
30 成形金型
31 パリソン
35 シート
42 凹状の成形面
52 凸状の成形面
62 係合部
65 取り付けブラケット
72 整流板部(凹凸部)
80 ダクト
90 ダクト半体
90A ダクト半体
90B ダクト半体
91P 接合面
91Q 接合面
92 外面部
93 内面部
100 成形金型
101 パリソン
112 凹状の成形面
122 凸状の成形面
130 成形金型
131 シート
152 凸状の成形面
Claims (4)
- 接合されて筒状をなす一対の半筒状のダクト半体を有するダクトの製造方法であって、
発泡剤を含有する溶融したパリソンまたは発泡剤を含有する溶融したシートを第1成形面が設けられた第1分割型と第2成形面が設けられた第2分割型の間に位置させて第1分割型および第2分割型を型締めし、発泡成形体である前記ダクト半体を得る工程を含み、
前記第1成形面は、凹状の成形面を有し、
前記第2成形面は、前記ダクト半体の内面部を成形する凸状の成形面を有し、
前記ダクト半体を得る工程において、前記ダクト半体の内面部に一体成形された凹凸部が形成され、
前記第2成形面には、真空引きされ、前記ダクト半体の内面部に凹凸部を形成するための凹部が設けられている、
ことを特徴とするダクトの製造方法。 - 前記第1成形面は、
2つの前記凹状の成形面と、
前記凹状の成形面の間に形成された第1潰し部と、を有し、
前記第2成形面は、
2つの前記凸状の成形面と、
前記凸状の成形面の間に形成された第2潰し部と、を有し、
前記ダクト半体を得る工程において、接合される前記一対のダクト半体の2組の接合面のうちの一方の組の接合面同士を回動可能に連結するヒンジ部で連結された前記一対のダクト半体が一体形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のダクトの製造方法。 - 前記ダクト半体を得る工程において、接合される前記一対のダクト半体の2組の接合面のうち、他方の組の接合面同士を係合する係合部を有するように、前記一対のダクト半体が一体成形される、
ことを特徴とする請求項2に記載のダクトの製造方法。 - 前記第1分割型および前記第2分割型は、前記ダクト半体を得る工程において、型締めしたときの前記第1成形面と前記第2成形面とのクリアランスが前記ダクト半体を中実な構造に成形するように設定されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のダクトの製造方法。
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