JP5357626B2 - ダクトの製造方法およびダクト - Google Patents
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Description
屈曲部を有するダクトを、該屈曲部における曲がりの外側をなす半体および該屈曲部における曲がりの内側をなす半体に分割して形成する製造方法において、
前記半体の少なくとも一方は、前記屈曲部をなす半体屈曲部およびダクト開口部をなす該半体の端部の間に、該半体屈曲部と反対に凸となるよう折曲げた折曲げ部が形成されるようにシート材から成形され、
両半体を、前記折曲げ部を伸ばしたもとで接合することを特徴とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、屈曲部における曲がりの外側をなす半体および該屈曲部の内側をなす半体の少なくとも一方を、半体屈曲部および半体の端部との間を折曲げた状態でシート材から成形するので、該シート材の変形量を少なく抑えて該半体を成形することができる。従って、成形された半体に、薄肉部分が形成されたり裂けが発生して成形不良となることを防止し得る。また、折曲げた状態で半体を成形する成形型の小型化が図られるので、型製作費を抑えて製造コストを低減させ得ると共に、該成形型の軽量化が図られる。
前記相手方の半体を、前記折曲げ部が形成される半体に向け延出する側壁を有する半樋状で、該側壁に前記凹縁部に整合する凸壁部が形成されるように、シート材から成形し、
前記折曲げ部を伸ばして形成した凹縁部と前記凸壁部とを整合させて前記両半体を接合することを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、両半体を接合した際に、折曲げた状態から伸ばした状態に変形させた半体の凹縁部に相手側(他方)の半体の凸壁部が整合することで、ダクトの剛性向上を図り得る。
従って、請求項3に係る発明によれば、折曲げた状態で成形した半体を、折曲げ案内部を変形中心として適切に伸ばすことができる。
前記半体における少なくとも一方の半体の前記側壁に、他方の半体側へ開いた凹縁部が形成され、
前記他方の半体の前記側壁に、前記凹縁部に整合可能に突出した凸壁部が形成され、
前記凹縁部が形成された半体は、該凹縁部の底が整合する前記屈曲壁の平坦部に対応する位置で前記側壁が前記空気流通方向に分離されたことを特徴とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、一方の半体の屈曲壁における平坦部が形成された部位では、他方の半体における凸壁部が該一方の半体の屈曲壁まで延出しており、一方の半体における屈曲壁を他方の半体で保持し得る。これにより、互いに接合される各々の半体が他方の半体の変形を防止するので、ダクトの剛性向上が図られる。
従って、請求項5に係る発明によれば、一方の半体の凸壁部と他方の半体の凸壁部とが、両半体の屈曲壁間で接合され、これら両屈曲壁が近接または離間するよう変形することが防止されてダクトの剛性向上を図り得る。
また、別の発明に係るダクトによれば、互いに接合される半体の変形を防止し、剛性向上を図り得る。
(1)ダクトDNを構成する外周ダクト半体30および内周ダクト半体40は、接合する前の単体状態において、折曲げ案内部47において折曲げが可能である。すなわち外周ダクト半体30は、外周壁31の第1外周壁31Bの長手方向における略中間部および第2外周壁31Cの長手方向における略中間部において夫々折曲げ変形が可能であり、各折曲げ案内部47で折曲げた形状で成形し得る。同様に内周ダクト半体40は、内周壁41の第1内周壁41Bの長手方向における略中間部および第2外周壁31Cの長手方向における略中間部において夫々折曲げ変形が可能であり、後述するように、各折曲げ案内部47で折曲げた形状で成形し得る。
(2)外周ダクト半体30に設けた各凸壁部34を内周ダクト半体40に設けた凹縁部45に整合させると共に、内周ダクト半体40に設けた各凸壁部44を外周ダクト半体30に設けた凹縁部35に整合させることで、両ダクト半体30,40が長手方向で適切に位置決めされる。
(3)外周ダクト半体30と内周ダクト半体40とを、鍔部33,43との当接により接合した際に、外周ダクト半体30に設けた凸壁部34で、内周ダクト半体40の内周壁41における折曲げ案内部47を設けた部位を保持し得る。また、内周ダクト半体40に設けた凸壁部44で、外周ダクト半体30の外周壁31における折曲げ案内部37を設けた部位を保持し得る。すなわち、外周ダクト半体30で内周ダクト半体40の内周壁41を保持し得ると共に、内周ダクト半体40で外周ダクト半体30の外周壁31を保持し得るので、両半体30,40の変形を防止してダクトDNの剛性向上が図られる。
(4)外周ダクト半体30の凸壁部34と内周ダクト半体40の凸壁部44との境界部において、両ダクト半体30,40の各鍔部33,43が、外周壁31から内周壁41に亘って延在しているので、外周壁31と内周壁41とが近接または離間するように変形することが防止され、ダクトDNにおける第1ダクト部DN1および第2ダクト部DN2の剛性向上が図られる。
(1)外周ダクト半体30は、外周壁31の第1外周壁31Bの中間部および第2外周壁31Cの中間部で折曲げた外周中間成形体30Aとして成形されるため、該外周中間成形体30Aの外形サイズが外周ダクト半体30より大幅にコンパクト化される。これにより、発泡樹脂シートSから外周ダクト半体30の外周中間成形体30Aをプレス成形する際に、該発泡樹脂シートSの変形量を少なく抑えることができ、成形された外周ダクト半体30に薄肉部分が形成されたり裂けが発生して成形不良となることを防止し得る。同様に、発泡樹脂シートSから内周ダクト半体40の内周中間成形体40Aをプレス成形する際も、該発泡樹脂シートSの変形量を少なく抑えることができ、成形された内周ダクト半体40に薄肉部が形成されたり裂けが発生して成形不良がとなることを防止し得る。
(2)外周ダクト成形型PN1の小型化が図られるので、該外周ダクト成形型PN1の型製作費を抑えてダクト製造に係るコストダウンを図り得ると共に、該外周ダクト成形型PN1の軽量化が図られる。同様に、内周ダクト成形型PN2の小型化が図られるので、該内周ダクト成形型PN2の型製作費を抑えてダクト製造に係るコストダウンを図り得ると共に、該内周ダクト成形型PN2の軽量化が図られる。
(3)内周ダクト半体40に形成された凹縁部45に整合して該内周ダクト半体40の内周壁41に臨む凸壁部34を外周ダクト半体30に設けると共に、外周ダクト半体30に形成された凹縁部35に整合して該外周ダクト半体30の外周壁31に臨む凸壁部44を内周ダクト半体40に設けるようにした。これにより、外周ダクト半体30の凸壁部34で内周壁41を保持すると共に、外周ダクト半体40の凸壁部44で外周壁31を保持するようにし得るので、ダクトの剛性向上を図るようにし得る。
(4)外周ダクト半体30と内周ダクト半体40とを接合する際に、両ダクト半体30,40を折曲げ案内部37,47で適宜変形させながら接合することが可能であり、接合作業の簡易化を可能とし得る。
本願のダクトDNは、前記実施例の形態に限定されず、様々に変更が可能である。
(1)外周ダクト半体30では、外周壁31における第1外周壁31Bおよび第2外周壁31Cの両方を折曲げて成形することに限定されず、第1外周壁31Bまたは第2外周壁31Cの何れか一方だけを折曲げて成形するようにしてもよい。内周ダクト半体40においても、内周壁41における第1内周壁41Bおよび第2内周壁41Cの両方を折曲げて成形することに限定されず、第1内周壁41Bまたは第2内周壁41Cの何れか一方だけを折曲げて成形するようにしてもよい。
(2)側壁32,42の凸壁部34,44は、外周ダクト半体30または内周ダクト半体40の何れか一方にのみ設けるようにしてもよい。そして、外周ダクト半体30の側壁32に凸壁部34を設けた場合には、内周ダクト半体40にだけ該凸壁部34が整合する前記凹縁部45を設ければよい。また、内周ダクト半体40の側壁42に凸壁部44を設けた場合には、外周ダクト半体30にだけ該凸壁部44が整合する前記凹縁部35を設ければよい。
(3)側壁32,42に設ける凸壁部34,44は、実施例に示した先細テーパ(台形状)に限定されず、矩形状、三角形状または逆テーパ形状等であってもよい。
(4)実施例では、シート材Sとして発泡樹脂シートを例示したが、該シート材Sは、非発泡の樹脂シートであってもよい。
(5)実施例では、プレス成形によりシート材から外周ダクト半体30および内周ダクト半体40を成形する方法を例示したが、これら各半体30,40は、真空成形によりシート材から成形してもよい。
31A 外周屈曲部(半体屈曲部),32 側壁,33 鍔部(接合部),34 凸壁部
35 凹縁部,36 折曲げ部,37 折曲げ案内部,38 平坦部
40 内周ダクト半体(曲がりの内側をなす半体),41 内周壁(屈曲壁)
41A 内周屈曲部(半体屈曲部),42 側壁,43 鍔部(接合部),44 凸壁部
45 凹縁部,46 折曲げ部,47 折曲げ案内部,48 平坦部
C 中間屈曲部(屈曲部),DN ダクト,S 発泡樹脂シート(シート材)
Claims (5)
- 屈曲部を有するダクトを、該屈曲部における曲がりの外側をなす半体および該屈曲部における曲がりの内側をなす半体に分割して形成する製造方法において、
前記半体の少なくとも一方は、前記屈曲部をなす半体屈曲部およびダクト開口部をなす該半体の端部の間に、該半体屈曲部と反対に凸となるよう折曲げた折曲げ部が形成されるようにシート材から成形され、
両半体を、前記折曲げ部を伸ばしたもとで接合する
ことを特徴とするダクトの製造方法。 - 前記折曲げ部が形成される半体を、相手方の半体に向け延出する側壁を有する半樋状で、該側壁の前記折曲げ部に対応する部位に、該折曲げ部を伸ばした際に相手方の半体に向け開いた凹縁部が形成されるように、シート材から成形し、
前記相手方の半体を、前記折曲げ部が形成される半体に向け延出する側壁を有する半樋状で、該側壁に前記凹縁部に整合する凸壁部が形成されるように、シート材から成形し、
前記折曲げ部を伸ばして形成した凹縁部と前記凸壁部とを整合させて前記両半体を接合する請求項1記載のダクトの製造方法。 - シート材からの前記半体の成形時に、前記折曲げ部と共に該折曲げ部に沿って延在する薄肉状の折曲げ案内部を該半体に成形し、該折曲げ案内部で変形させて該折曲げ部を伸ばすようにした請求項1または2記載のダクトの製造方法。
- 一端部に開設された空気流入口から他端部に開設された空気流出口に空気が流通し、屈曲部を有したダクトであって、前記屈曲部における曲がりの外側をなす屈曲壁および該屈曲壁における該ダクトの空気流通方向に沿う両縁から前記屈曲部における曲がりの内側に向け延出する側壁により半樋状に形成された半体と、前記屈曲部における曲がりの内側をなす屈曲壁および該屈曲壁における該ダクトの空気流通方向に沿う両縁から前記屈曲部における曲がりの外側に向け延出する側壁により半樋状に形成された半体とを備え、両半体を互いの側壁の当接により接合して構成されるダクトにおいて、
前記半体における少なくとも一方の半体の前記側壁に、他方の半体側へ開いた凹縁部が形成され、
前記他方の半体の前記側壁に、前記凹縁部に整合可能に突出した凸壁部が形成され、
前記凹縁部が形成された半体は、該凹縁部の底が整合する前記屈曲壁の平坦部に対応する位置で前記側壁が前記空気流通方向に分離された
ことを特徴とするダクト。 - 前記一方の半体に形成した凸壁部と前記他方の半体に形成した凸壁部とが隣接して形成されている請求項4記載のダクト。
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