JP5185175B2 - ダクト - Google Patents

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Description

この発明は、蛇腹状の変形部を備え、変形部の曲げ変形により湾曲部分が設けられるダクトに関するものである。
自動車には、車体の乗員室前方にエアコンユニットが設置されると共に、乗員室内に取付けられた車両内装部材(インストルメントパネルやフロアコンソール等)にエアアウトレットが配設され、エアコンユニットから送出された調温空気をエアアウトレットから乗員室内へ吹出して該乗員室内の空調が行なわれる。このため、エアコンユニットとエアアウトレットとは、車両内装部材の裏側に配設されたダクトで連結されている。
前述したダクトは、エアコンユニットおよびエアアウトレットの配置に合わせて途中に湾曲部分を設けて、他の部材に干渉しないように配設されている。例えばダクトとしては、伸縮や曲げ等の変形が可能な蛇腹状の変形部を備え、この変形部の変形によって湾曲部分を形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−108637号公報
図10に例示するダクト80のように、蛇腹状の変形部82を曲げて湾曲部分を形成した際には、当該湾曲部分の曲率が大きくなり、変形した変形部82で画成される空気流通路84を通過する空気がスムーズに変向されないことがある。このため、ダクト80における湾曲部分の空気流通路84において、曲がりの内側から気流が剥離すると共に、気流が曲がりの外側に集中して、空気流通路84の断面全体を流路として有効利用できず、圧力損失が大きくなる難点がある。また、ダクト80における湾曲部分の空気流通路84において、曲がりの内側から気流が剥離することで、変形部82の下流側に旋回流(渦)Fが発生して圧力損失が大きくなる要因となる。
すなわち本発明は、従来の技術に係るダクトに内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、湾曲部分における圧力損失を低減し得るダクトを提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明のダクトは、
直管部および曲げ変形可能な蛇腹状の変形部を有し、該変形部を曲げて車両に取り付けられるダクトにおいて、
前記直管部と前記変形部との間に偏心部を設け、
前記偏心部は、前記変形部における該偏心部との接続部位の通風断面を、前記直管部における該偏心部との接続部位の通風断面に対して、該変形部の曲がりの内側となる側へずらして繋ぎ、
曲げた前記変形部および前記偏心部によって湾曲部分を構成することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、直管部と変形部との間に変形部を曲げる方向に合わせた偏心部を設けることで、変形部および偏心部とから構成される湾曲部分の曲率を小さくすることができるので、当該湾曲部分での圧力損失を低減することができる。
請求項2に係る発明では、前記偏心部は、前記直管部との接続端から前記変形部との接続端に向かうにつれて、該変形部の曲がりの内側となる側が凹となるように湾曲していることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、偏心部を湾曲形状にすることで、ダクトの湾曲部分の曲面を滑らかにすることができ、当該湾曲部分での圧力損失をより低減することができる。
請求項3に係る発明では、前記偏心部は、前記変形部の両側に夫々設けられることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、変形部の両側に偏心部を設けることで、変形部および2つの偏心部とから構成される湾曲部分の曲率をより小さくすることができるので、当該湾曲部分での圧力損失を更に低減することができる。
請求項4に係る発明では、前記変形部を挟んで設けられた一対の直管部の中心軸線が、該変形部の直線状態において同一直線上に位置することを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、湾曲部分での圧力損失を低減することができる。
請求項5に係る発明では、前記変形部は、曲がった状態で自己保持可能に構成されることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、変形部が曲がった状態で自己保持するので、別途の支持金具を用いることなく、圧力損失を有利に低減できる湾曲部分の曲がり角度を適切に維持し得る。
本発明に係るダクトによれば、湾曲部分において圧力損失を低減でき、通風性能を向上できる。
実施例のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々接続した状態で示した説明図である。 実施例のダクトを示す平面図であって、直線状態とした変形部を拡開していいる。 実施例のダクトを示す平面図であって、直線状態とした変形部を縮めている。 実施例のダクトの湾曲部分を拡大して示す平面図である。 変形部における各突状部の第2壁部が第1状態に変形し、隣り合う谷部同士が近接した状態に保持されることを示した部分断面図である。 変形部における各突状部の第2壁部が第2状態に変形し、隣り合う谷部同士が離間した状態に保持されることを示した部分断面図である。 実施例の突状部における第1壁部および第2壁部の形状を示した拡大断面図である。 変形部の曲がり角度が90°となる実験例2のダクトの平面図であって、変形部を真っ直ぐにした状態で示す。 実験例2のダクトを示す平面図であって、(a)は湾曲部分を90°とした場合を示し、(b)は湾曲部分を75°とした場合を示し、(c)は湾曲部分を60°とした場合を示し、(d)は湾曲部分を45°とした場合を示し、(e)は湾曲部分を30°とした場合を示す。 従来のダクトを示す平面図である。
次に、本発明に係るダクトにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。実施例では、図1に示すように、自動車の乗員室に設置されたエアコンユニットACと、乗員室内に設置された車両内装部材IPに配設されたエアアウトレットAOとに夫々連結され、エアコンユニットACから送出された調温空気をエアアウトレットAOへ案内するダクト10を例示する。
図1に示すように、実施例のダクト10は、筒状の直管部12と、曲げ変形可能な蛇腹状の変形部14と、直管部12および変形部14の間に設けた偏心部16とから構成されている。また、ダクト10は、変形部14および偏心部16についても基本形状が筒状であって、一方の開口端から他方の開口端に連通する空気流通路18が内部に画成されている。実施例のダクト10では、変形部14が空気流通方向に離間して途中に2ヶ所設けられると共に、エアエアコンユニットACおよびエアアウトレットAOに接続する部位が直管部12で構成されている。ここで、実施例のダクト10では、曲げた変形部14と偏心部16とにより湾曲部分10aを構成して、エアコンユニットACやエアアウトレットAO等の空気案内対象に接続されるものであって、変形部14を曲げて車両に取り付けることを前提としている。
実施例の直管部12は、円筒形であって、空気流通方向上流側から下流側の全体に亘って同一の径で形成されている(図1または図2参照)。また、直管部12は、該直管部12に画成される空気流通路18の中心軸線Cが一直線になるように直線的に形成されており、ダクト10の直線部分を構成している。ここで、ダクト10の中心軸線Cは、直管部12、変形部14および偏心部16の形状によって規定される空気流通路18において空気流通方向に交差する通風断面の中心を通る仮想線であって、空気流通路18の空気流通方向に沿って延在している。
前記変形部14は、複数(実施例では13個)の突状部20を空気流通方向に連ねて構成した伸縮および曲げ変形可能な蛇腹状の部位であって(図1〜図3参照)、直管部12に合わせた円筒形状を基本形状としている。各突状部20は、変形部14の周方向全周に亘って延在して、該変形部14における空気流通路18の一部が内部に画成されている。各突状部20は、変形部14において空気流通方向と交差する外側(筒形状の径方向外方)に突出する頂部22で接続されて、空気流通方向に対向する一対の壁部24,26から構成されている(図5〜図7参照)。そして、変形部14は、複数の突状部20の裾部分同士を接続して構成される。ここで、変形部14では、突状部20の頂部22で囲われる部位が、該変形部14における空気流通路18の最大径部となる。これに対して、変形部14では、隣り合う突状部20,20の接続部位である谷部28で囲われる部位が、該変形部14における空気流通路18の最小径部となる。
前記変形部14は、各突状部20の頂部22側の所定位置(頂部22側の変形基点(以下、湾曲変形基点30という。))および谷部28側の所定位置(谷部28側の変形基点)が屈伸変形可能に構成されて、該変形部14を空気流通方向に伸縮したり、該変形部14を空気流通方向に交差する方向に曲げることが可能になっている(図7参照)。実施例の突状部20では、谷部28側の変形基点が谷部28に合わせて設けられている。一方、実施例の突状部20では、湾曲変形基点30が一方の壁部(実施例では後述する第2壁部26)の頂部22側に偏倚した途中部位に設けられている。より具体的には、湾曲変形基点30は、前記一方の壁部26における頂部22の近傍部分において該壁部26の肉厚と同程度の間隔で該頂部22から離間した位置に、該壁部26の全周に亘って延設されている。なお、実施例のダクト10では、変形部14の最小径部が直管部12の直径と同一に設定されている。
図5または図6に示すように、変形部14の各突状部20は、頂部22を空気流通方向に挟んで第1壁部24および第2壁部26を備えている。実施例の変形部14では、ダクト10の空気流通方向下流側に第1壁部24が設けられ、ダクト10の空気流通方向上流側に第2壁部26が設けられている(図5参照)。すなわち、変形部14では、第1壁部24と第2壁部26とが空気流通方向に交互に配置され、第1壁部24の裾部分に空気流通方向に隣り合う突状部20の第2壁部26の裾部分が接続されて谷部28を構成している。また、第1壁部24および第2壁部26は、図7に示すように、谷部28から頂部22に向かって徐々に薄くなるよう形成されている。
図7に示すように、第1壁部24は、頂部22と谷部28とを結んだ直線ラインに沿って延在するように形成され、頂部22から谷部28に向けて平坦状になっている。これに対して、第2壁部26は、頂部22側に設けられた湾曲変形基点30と谷部28との間で湾曲するように形成されて、湾曲変形基点30と谷部28とを結んだ直線ラインより該第2壁部26の湾曲面が突出している。また、突状部20は、第1壁部24における頂部22から谷部28までの直線距離S1が、第2壁部26における頂部22から谷部28までの直線距離S2より長く設定されている。
前記第2壁部26は、湾曲変形基点30および谷部28で保持された湾曲面が弾性変形可能に構成されて、該湾曲面の凸側が湾曲変形基点30と谷部28とを結ぶ直線ラインを挟んで入れ替わるようになっている(図7参照)。ここで、第2壁部26は、変形部14の伸縮または曲げ変形に応じて、該頂部22で接続する第1壁部24側へ湾曲面の凸側が突出するよう湾曲した第1状態(図5または図7の2点鎖線参照)に変形される。また、第2壁部26は、谷部28で接続する第1壁部24側へ湾曲面の凸側が突出するよう湾曲(頂部22で接続する第1壁部24側と反対側へ突出するよう湾曲)した第2状態(図6または図7の実線参照)に変形される。そして、変形部14は、第1状態の第2壁部26によって隣り合う谷部28同士が近接するよう保持され、第2状態の第2壁部26によって隣り合う谷部28同士が離間するよう保持されるようになっている。このように、変形部14は、曲がった状態で自己保持可能に構成される。すなわち、ダクト10は、車両への取り付け時に設定された湾曲部分10aの曲がり角度θを、支持金具等を別途用いることなく適切に維持し得る。なお、第2状態に変形した第2壁部26は、図6に示すように、同一中心で湾曲変形基点30および谷部28を通る半径Mの球面の一部をなす曲面形状になっている。
実施例のダクト10では、取り付け対象に合わせて変形部14の曲がり方向が予め設定されている。そして、実施例の変形部14は、曲がりの内側となる部位(曲がりの凹側)が曲がりの外側(曲がりの凸側)となる部位と比べて肉厚が薄く形成されている。これにより、曲げた変形部14の曲げ変形状態の保持性を向上することができる。
前記ダクト10において、偏心部16は、直管部12と変形部14とを接続する部位であって(図1参照)、直管部12および変形部14に合わせて円筒形状に形成されている。偏心部16は、直管部12への接続端が直管部12の直径と同じに形成されると共に、変形部14への接続端が該変形部14の最小径部と同じに形成されている。また、偏心部16は、空気流通方向上流側から下流側の全体に亘って同一の径で形成されている。すなわち、実施例のダクト10は、空気流通方向上流側の開口端から下流側の開口端までに亘って、変形部14の突状部を除いて直管部12の直径と同一のダクト径Dを基本として形成されている。更に、実施例のダクト10では、変形部14の空気流通方向に離間する両端に偏心部16が夫々設けられており、変形部14の直線状態において該変形部14を挟んで設けられた一対の直管部12,12の中心軸線Cが同一直線状に位置するよう構成される。
前記偏心部16は、変形部14における該偏心部16との接続部位の通風断面を、直管部12における該偏心部16との接続部位の通風断面に対して、該変形部14の曲がりの内側となる側へずらすように繋いでいる(図2または図4参照)。すなわち、偏心部16は、直管部12との接続部位から変形部14との接続部位に向かうにつれて、変形部14の曲がりの内側となる側へ中心軸線Cが傾くように形成されている(図2または図3参照)。実施例では、偏心部16が直管部12との接続部位から変形部14との接続部位に向かうにつれて、変形部14の曲がりの内側となる側が凹になるように湾曲形成されている。
前記ダクト10では、前述の如く変形部14および偏心部16により湾曲部分10aが構成される。そして、ダクト10では、空気流通方向上流側の直管部12と空気流通方向下流側の直管部12との間に湾曲部分10aの曲がり角度θに応じて規定される曲率を小さく(曲率半径を大きく)するのが、圧力損失低減の観点から好ましい。すなわち、ダクト10では、変形部14を曲げた状態において、空気流通方向上流側の直管部12の接続部位から変形部14の曲がりの内側に伸ばしたラインと空気流通方向下流側の直管部12の接続部位から変形部14の曲がりの内側に伸ばしたラインとが交差する交差点を中心として、該交差点から直管部12の接続部位を通る中心軸線Cまでを半径とする円弧に対して、偏心部16および変形部14の中心軸線Cが整合または近似する関係に設定するのがよい(図4参照)。そして、ダクト10では、ダクト径D、湾曲部分10aの曲がり角度θ、直管部12の接続部位とこの直管部12の接続部位に偏心部16を挟んで向かい合う変形部14の接続部位との水平距離(以下、偏心距離Lという。)および直管部12の中心軸線Cと直線状態にある変形部14の中心軸線Cとの間のずれ寸法(以下、偏心度Eという。)等の諸条件を勘案して、湾曲部分10aが構成される(図2または図4参照)。
(実施例の作用)
前記ダクト10では、直線状態における変形部14の中心軸線Cが、直管部12の中心軸線Cに対して該変形部14の曲がりの内側となる側へ偏心部16,16によってずらされいるので、変形部14が直管部12に対して曲がりの内側とする側へ突出している(図2参照)。すなわち、ダクト10は、外観から変形部14を曲げる方向が判り易いので、車両への取り付け作業性がよく、取り付け効率を向上することができる。また、ダクト10は、湾曲部分10aが予め形成されるものと異なり、該ダクト10の取り付け時に変形部14を曲げて湾曲部分10aを形成している。従って、ダクト10は、変形部14を直線的に伸ばした状態で搬送や保管等において取り扱うことができ、取り扱い易く、例えば運搬において多量に搬送することが可能であるので運搬コストを低減できる。
前記ダクト10では、変形部14を、直管部12から空気流通方向に交差する方向に突出した側を内にして曲げることで、変形部14および偏心部16,16によって湾曲部分10aが構成される(図1参照)。ダクト10は、湾曲部分10aの曲がり角度θが同一であれば、変形部14のみで湾曲部分を構成する場合と変形部14の曲がり角度が変わらない。しかしながら、実施例のダクト10によれば、変形部14のみで湾曲部分を構成する場合と比べて、湾曲部分10aの曲がり角度θが同一であっても、偏心部16が変形部14と直管部12との間で湾曲部分10aの一部を構成するので、湾曲部分10aの曲率半径を大きくできると共に、湾曲部分10aの曲率を全体として小さくすることができる(図4参照)。なお、図4では、実施例と同一の変形部を有する従来例で説明したダクト80を破線で示している。このように、ダクト10では、湾曲部分10aで画成される空気流通路18の曲率を小さくし得るので、湾曲部分10aの空気流通路18において曲がりの内側から気流が剥離して、曲がりの外側に気流が集中することを抑制することができる。すなわち、空気流通路18において、気流の偏在を抑制することで、該空気流通路18の断面積全体を気流が通過する空間として有効利用することができる。また、湾曲部分10aの空気流通路18において、曲がりの空気流通方向下流側において旋回流の発生を抑えることができ、該空気流通路18における気流の圧力損失を低減できる。従って、実施例のダクト10によれば、湾曲部分10aを設けて車両に取り付けても該湾曲部分10aに起因する圧力損失を低減し得るので、通風性能を改善することができる。
前記偏心部16は、直管部12との接続端から変形部14との接続端に向かうにつれて、該変形部14の曲がりの内側となる側が凹となるように湾曲しているので、ダクト10の湾曲部分10aの曲面を滑らかにすることができ、当該湾曲部分10aでの圧力損失をより低減することができる。また、ダクト10では、変形部14の両側に偏心部16を設けることで、変形部14および2つの偏心部16,16とから構成される湾曲部分10aの曲率をより小さくすることができるので、当該湾曲部分10aでの圧力損失を更に低減することができる。
前記ダクト10は、各突状部20の周方向における同一位置を空気流通方向において縮閉すると共に、該変形部14の径方向において縮閉位置と対向する部位を空気流通方向へ伸ばして拡開することで、変形部14を適宜の曲がり角度の扇状に変形し得る。ここで、第2壁部26の第1状態から第2状態への変形および第2状態から第1状態への変形は、谷部28を介して連設された隣接する突状部20の第1壁部24により発現する。すなわち、図5に示すように、各突状部20が空気流通方向において両側から押されると、頂部22と谷部28とがダクト10の内外方向においてオーバーラップして各谷部28が近接する。このとき、第2壁部26の湾曲形状は、該第2壁部26の谷部28で連設された第1壁部24側から、該第2壁部26の頂部22で連設された第1壁部24側へ反転(変形)する。このように、各第2壁部26が第1状態に保持されると、各谷部28が近接した状態に保持される。
一方、縮められた変形部14は、図6に示すように、空気流通方向において両側へ引張ると谷部28が空気流通方向へ離間するようになる。このとき、第2壁部26の湾曲形状は、該第2壁部26の頂部22で連設された第1壁部24側から、該第2壁部26の谷部28で連設された第1壁部24側へ反転(変形)する。このように、各第2壁部26が第2状態に保持されると、各谷部28が離間した状態に保持される。
前記変形部14は、曲げた際に、各突状部20の周方向において曲がりの内側に位置する第2壁部26が第1状態に変形して隣り合う谷部28同士が近接した状態に保持されるので、各突状部20の当該部位は縮閉した状態で保持される。また、変形部14は、各突状部20の周方向において曲がりの外側に位置する第2壁部26が第2状態に変形して隣り合う谷部28同士が離間した状態に保持されるので、各突状部20の当該部位は拡開した状態で保持される。このように、ダクト10は、変形部14を曲げた状態で形状保持できる。従って、ダクト10は、変形部14を伸縮状態だけでなく折り曲げた状態でも保持できるので、ダクト10を所定位置に配設するに先立って変形部14を予め所要の形状に変形させておくことができ、ダクト10の取付作業の簡易化を図り得る。
前記変形部14は、各突状部20の壁部24,26の頂部22側を薄く形成し、また突状部20における曲がりの内側となる部位が曲がりの外側となる部位より薄肉に形成されているので、突状部20同士を縮閉する曲がりの内側部位を変形させ易く、突状部20同士を拡開する曲がりの外側部位において形状保持性を向上することができる。また、突状部20では、隣り合う谷部28同士が離間している状態(図7の実線表示)において、湾曲変形基点30が頂部22より内側(ダクト10の径方向中心側)に位置していおり、頂部22と湾曲変形基点30との間隔が、第2壁部26の湾曲変形基点30近傍の肉厚と同程度となっている。これにより、第2壁部26は、第1状態および第2状態に変形し易くなり、図7に2点鎖線で示すように、第1状態に変形した第2壁部26が、頂部22で接続する第1壁部24への干渉が防止される。従って、変形部14は、複数の突状部20が縮閉した状態と拡開した状態とに容易に変形すると共に、何れの状態に変形しても第2壁部26の反対状態への復元力が発現し難くいので、変形した状態に適切に保持される。
前述した実施例のダクト10の製造方法について簡単に説明する。ブロー成形型は、変形部14が直線状態で、かつ伸ばされた状態にあるダクト10の外形に合わせて形成されている。先ず、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)等の熱可塑性樹脂を材質とするチューブ状のパリソンを、ぶら下げるようにブロー成形型にセットする。この際、パリソンは、直管部12の中心軸線Cに合わせてブロー成形型にセットされるので、該ブロー成形型の変形部14に対応する部位においてパリソンが変形部14の曲がりの外側となる側に偏倚して配置される。そして、ブロー成形型を閉めた後,コンプレッサーから圧縮空気をパリソンに吹き込んむとパリソンが膨らみ、パリソンにおける変形部14の曲がりの外側になる部位がブロー成形型の内面に先に当たり、パリソンにおける変形部14の曲がりの内側になる部位がブロー成形型の内面に遅れて当たる。すなわち、ブロー成形型に後に当たる変形部14の曲がりの内側となる部位が、ブロー成形型に先に当たる変形部14の曲がりの外側となる部位と比べて薄肉に形成される。なお、パリソンにおける直管部12となる部位は、ブロー成形型の内面に当たるタイミングがほぼ同じなので全周の肉厚がほぼ同じになる。このように、前述したダクト10の製造方法によれば、変形部14の肉厚を曲がりの内外で簡単に調節することができ、直管部12、変形部14および偏心部16が一体形成されたダクト10を得られる。
(通風実験)
実施例で説明した偏心部および変形部からなる湾曲部分を有するダクトと、従来技術で説明した変形部のみからなる湾曲部分を有するダクトとの解析モデルを作成し、直管部の中心軸線と直線状態にある変形部の中心軸線との間のずれ寸法である偏心度Eおよび湾曲部分の曲がり角度θの条件を変えて、通風性をコンピュータ上での解析により検証した。実験例および参考例のダクトは、変形部14の両側に偏心部16,16が設けられると共に、各偏心部16の変形部14との接続側と反対に直管部12が夫々設けられ、変形部14および該変形部14を挟む2つの偏心部16,16から湾曲部分10aが構成されている(図8参照)。比較例のダクトは、変形部の両側に直管部が設けられ、変形部だけにより湾曲部分が構成されている。実験例、参考例および比較例のダクトは、湾曲部分を1ヶ所のみ設けており、変形部の構成(突状部の数や形状)は同一である。
実験例および参考例のダクトでは、変形部14の空気流通方向上流側に位置する直管部12の長さN1(空気の流入口から変形部14の空気流通方向上流側に位置する偏心部16の偏心起点までの寸法)を270mmに設定すると共に、変形部14の空気流通方向下流側に位置する直管部12の長さN2(変形部14の空気流通方向下流側に位置する偏心部16の偏心起点から流出口までの寸法)を150mmとした(図8参照)。また、実験例、参考例および比較例のダクトは、直管部の内径を73mm、偏心部の内径を73mm、変形部の最大径部の内径を83mm、変形部の最小径部の内径を73mmに設定した。すなわち、実験例、参考例および比較例では、ダクト径Dを73mmに設定した。
実験例、参考例および比較例のダクトでは、90°の湾曲部分10aを構成する変形部14の突状部数を13個とし(図9(a)参照)、75°の湾曲部分10aを構成する変形部14の突状部数を11個とし(図9(b)参照)、60°の湾曲部分10aを構成する変形部14の突状部数を9個とし(図9(cb)参照)、45°の湾曲部分10aを構成する変形部14の突状部数を7個とし(図9(d)参照)、30°の湾曲部分10aを構成する変形部14の突状部数を5個とした(図9(e)参照)。変形部14は、谷部を互いに離間した伸ばした状態において、突状部20の1ピッチの寸法Tが10mmに設定されている(図8参照)。また、実験例および参考例のダクトでは、直管部12の接続部位とこの直管部12の接続部位に偏心部16を挟んで向かい合う変形部14の接続部位との水平距離である偏心距離Lを、直管部12の内径と同じ73mmに設定してある(図8参照)。比較例のダクトは、変形部の空気流通方向上流側に位置する直管部12の長さを343mm(実験例の対応する直管部の長さ+ダクト径D)に設定すると共に、変形部の空気流通方向下流側に位置する直管部の長さを223mm(実験例の対応する直管部の長さ+ダクト径D)とした。更に、実験例、参考例および比較例では、ダクトの一端から空気を168m/hの流量で吹き込み、ダクトの他端から大気圧0の疑似大気空間に空気を吹き出す解析モデルを設定した。ここで、実験例1では、偏心度Eをダクト径Dの1/8の寸法(1/8D)に設定し、実験例2では、偏心度Eをダクト径Dの2/8の寸法(2/8D)に設定した。また、参考例1では、偏心度Eをダクト径Dの3/8の寸法(3/8D)に設定し、参考例2では、偏心度Eをダクト径Dの4/8の寸法(4/8D)に設定した。そして、実験例、参考例および比較例のダクトにおいて、湾曲部分の曲がり角度θ(30°,45°,60°,75°,90°)を変えて、圧力損失(単位:Pa)を算出した。この結果を以下の表1に示す。
Figure 0005185175
表1によれば、前述したダクト径Dおよび偏心距離L等の条件のもとで、実験例1および実験例2では、全ての曲がり角度θにおいて比較例より圧力損失が低減することが確認された。また、通風性能改善効果は、ダクトの湾曲部分の曲がり角度θが大きくなるのに従って大きくなり、参考例1であっても、45°以上の曲がり角度であれば比較例と比べて圧力損失を低減できる。更に、実験例および参考例より判るように、比較例から偏心度Eを大きくしていくのにつれて圧力損失が低減していくが、偏心度Eがある値を越えると圧力損失が増加する。前述したダクト径Dおよび偏心距離L等の条件であっては、実験例2の条件が圧力損失を最も低減できる。すなわち、実験例2のダクトでは、空気流通方向上流側の直管部と空気流通方向下流側の直管部との間に理想的な中心軸線に対し、偏心部および変形部の中心軸線が近似していると考えられる。
(変更例)
本願が対象とするダクトは、前述した実施例の形態に限定されず、様々な変更可能である。
(1)実施例では、変形部の突状部を除く直管部、変形部の谷部および偏心部を同一のダクト径で形成したが、直管部における偏心部に接続する接続部位、変形部の谷部および偏心部を同一のダクト径で形成し、直管部の途中部分やエアアウトレット等への接続側を拡開したり、縮径したりしてもよい。
(2)湾曲変形基点の形成位置は、頂部から第2壁部の肉厚と同程度の間隔で離間した位置に限定されず、第1状態に変形した第2壁部が該第1状態に保持され得れば、頂部との間隔を、第2壁部の肉厚より小さく設定してもよいし、第2壁部の肉厚より大きく設定してもよい。
(3)湾曲変形基点を、頂部と一致させてもよい。この場合、第2壁部は、全体が湾曲して第1状態および第2状態に変形するようになる。
(4)実施例では、90度に曲がる湾曲部を例示したが、変形部における突状部の配設数等を変更することで、90度以下または90度以上に曲がるよう構成することも可能である。
(5)ダクトは、円筒形状に限らず、四角形や五角形等の角筒形状であってもよい。
(6)本願が対象とするダクトは、自動車に配設されるものに限らず、これ以外の車両や建物等に配設されるものも対象とされる。
(7)実施例では、変形部として曲げた状態で自己保持可能な構成を例に挙げたが、これに限定されず、ダクトを車両に対して取り付ける支持金具で変形部を曲げた状態に保持してもよい。
(8)変形部が曲げた状態で自己保持する構成は、実施例の例に限定されず、その他の構成を採用し得る。
10a 湾曲部分,12 直管部,14 変形部,16 偏心部,20 突状部,
22 頂部,24 第1壁部,26 第2壁部,28 谷部,30 湾曲変形基点,
C 中心軸線,S1 直線距離,S2 直線距離

Claims (5)

  1. 直管部および曲げ変形可能な蛇腹状の変形部を有し、該変形部を曲げて車両に取り付けられるダクトにおいて、
    前記直管部と前記変形部との間に偏心部を設け、
    前記偏心部は、前記変形部における該偏心部との接続部位の通風断面を、前記直管部における該偏心部との接続部位の通風断面に対して、該変形部の曲がりの内側となる側へずらして繋ぎ、
    曲げた前記変形部および前記偏心部によって湾曲部分を構成する
    ことを特徴とするダクト。
  2. 前記偏心部は、前記直管部との接続端から前記変形部との接続端に向かうにつれて、該変形部の曲がりの内側となる側が凹となるように湾曲している請求項1記載のダクト。
  3. 前記偏心部は、前記変形部の両側に夫々設けられる請求項1または2記載のダクト。
  4. 前記変形部を挟んで設けられた一対の直管部の中心軸線が、該変形部の直線状態において同一直線上に位置する請求項3記載のダクト。
  5. 前記変形部は、曲がった状態で自己保持可能に構成される請求項1〜4の何れか一項に記載のダクト。
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