JP3682213B2 - 蛇腹付ダクトの製造方法並びにそのためのブロー成形用金型 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、蛇腹付ダクトの製造方法、並びにブロー成形用金型に係り、特に、ダクト軸方向に山部と谷部が交互に連続形成された蛇腹部を有する合成樹脂製の蛇腹付ダクトと、かかる蛇腹付ダクトをブロー成形により有利に製造する方法と、更には、そのような蛇腹付ダクトのブロー成形による製造に際して、好適に使用されるブロー成形用金型に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、上述の如き合成樹脂製の蛇腹付ダクトは、蛇腹部において屈曲柔軟性が発揮され得るようになっているところから、様々な機械や装置等に設けられる、各種の気体や液体等の流体を流通せしめる配管のうち、特に、配設形態や使用状態等によって屈曲柔軟性が要求される配管用のダクトとして、好適に用いられている。
【0003】
例えば、自動車においては、エアクリーナや過給機等の吸気系部品からエンジンに空気を供給する配管たる吸気系エアダクト等が、蛇腹付ダクトにて構成されている。即ち、この蛇腹付ダクトにて構成された吸気系エアダクトにあっては、エンジン振動の入力に伴って、蛇腹部が柔軟に屈曲せしめられることにより、かかるエンジン振動の吸気系部品側への伝達が抑制され、以て、吸気系エアダクトのエンジンと吸気系部品への接続部位におけるエンジン振動に起因した位置ずれや、ボデーフレーム等における騒音や振動の発生が防止乃至は抑制され得るようになっているのである。
【0004】
ところで、このような合成樹脂製の蛇腹付ダクトは、一般に、ブロー成形により製造されている。何故なら、目的とする蛇腹付ダクトが、ダクト軸方向においてアンダーカット形状となる山部と谷部とが連続形成されてなる蛇腹部を有しているにも拘わらず、ブロー成形を採用すれば、そのような蛇腹付ダクトが、1回の金型成形操作により、一挙に且つ効率的に、製造され得ることとなるからである。
【0005】
しかしながら、ブロー成形は、公知の如く、成形される成形品の肉厚を均一な厚さと為すことが極めて困難であるといった欠点を有している。このため、かかるブロー成形により蛇腹付ダクトを製造する場合、従来では、蛇腹部における所望の屈曲柔軟性が確保され得るように、蛇腹部全体の肉厚が十分に薄くされていた。
【0006】
それ故、従来の蛇腹付ダクトにおいては、蛇腹部の全体が薄肉とされていることにより、十分な屈曲柔軟性が発揮され得るものの、その反面、薄肉とされた蛇腹部における耐圧力性が低下してしまうことが避けられず、そのため、特に、ダクト内を流通せしめられる流体の圧力等によって、ダクト内が正圧状態や負圧状態となった際に、蛇腹部が比較的に簡単に破裂したり、潰れたりする恐れが高く、それが、大きな問題となっていたのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、蛇腹部において、十分な屈曲柔軟性と高度な耐圧力性とが共に有利に発揮され得、以て屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットを十分に確保しつつ、ダクトの内圧変動に起因した蛇腹部の損傷や破損の発生が効果的に防止され得る合成樹脂製の蛇腹付ダクトを提供することにある。また、本発明にあっては、そのような蛇腹付ダクトを確実に且つ容易に製造し得る方法を提供することを、第二の解決課題とするものであり、更に、かかる蛇腹付ダクトの製造方法において有利に使用され得る成形金型を提供することを、第三の解決課題とするものである。
【0008】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる第一の課題の解決のために、ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹部を有する合成樹脂製の蛇腹付ダクトにおいて、前記蛇腹部を構成する山部の頂部部位と谷部の底部部位とが、それら山部の頂部部位と谷部の底部部位との間に位置して、該頂部部位と該底部部位とを連結する側壁部位よりも厚肉となるように形成されていることを特徴とする蛇腹付ダクトを、その要旨とするものである。
【0009】
要するに、本発明に従う蛇腹付ダクトにおいては、蛇腹部における山部の頂部部位と谷部の底部部位とが、それぞれ厚い肉厚をもって構成されているところから、蛇腹部の全体が十分に薄肉とされた従来品に比べて、山部の頂部部位と谷部の底部部位とが厚肉とされている分だけ、蛇腹部全体としての耐圧力性が有利に高められ得るのである。
【0010】
また、かかる蛇腹付ダクトにあっては、蛇腹部における山部の頂部部位と谷部の底部部位とを連結する側壁部位、つまり、蛇腹部においてダクトの中心軸方向に互いに隣り合って位置せしめられて、蛇腹部が、それに及ぼされる作用力に応じて屈曲乃至は伸縮せしめられる際に、互いに隣り合うもの同士の間隔が変化するように変形せしめられる部分が、薄い肉厚をもって形成されている。
【0011】
それ故に、本発明に係る蛇腹付ダクトにおいては、蛇腹部における山部の頂部部位と谷部の底部部位のそれぞれの肉厚が厚くされているにも拘わらず、蛇腹部の側壁部位が簡単に変形せしめられ得て、蛇腹部全体が容易に屈曲乃至は伸縮せしめられ得るようになっており、以て、この蛇腹部の屈曲乃至は伸縮によって得られる屈曲柔軟性が、十分に確保され得るのである。
【0012】
従って、かくの如き本発明に従う蛇腹付ダクトにあっては、蛇腹部において、十分な屈曲柔軟性と高度な耐圧力性とが共に有利に発揮され得、以て、屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが十分に確保され得ると共に、ダクト内を流通せしめられる流体の圧力等によってダクト内が正圧状態や負圧状態となった際に、蛇腹部が破裂したり、潰れたりするようなことが、極めて効果的に回避され得るのである。そして、それらの結果として、屈曲柔軟性が要求される配管用のダクト等として、より有利に使用され得るばかりでなく、その良好な使用状態が、長期に亘って、更に一層安定的に確保され得ることとなるのである。
【0013】
なお、このような本発明に従う蛇腹付ダクトの好ましい態様の一つによれば、ダクトの蛇腹部の外面を与える山部と谷部の外面が、それぞれ角張った角部形状とされる一方、該蛇腹部の内面を与える該山部と該谷部の内面が、それぞれ湾曲面形状とされて、該山部の前記頂部部位と該谷部の前記底部部位とが角張った角部を有して構成されることとなる。
【0014】
このような構成を採用すれば、山部と谷部の外面と内面とが何れも湾曲面形状とされている従来のものに比して、少なくとも、山部の頂部部位の角張った角部と、谷部の底部部位の角部と角部の間の部分とが、確実に厚い肉厚をもって構成され得、それによって、耐圧力性の向上が、有利に図られ得るのである。それ故に、例えば、山部の頂部部位と谷部の底部部位を連結する側壁部位を従来品と同様に薄い肉厚をもって構成する一方で、それら頂部部位と底部部位の肉厚を増大せしめることが可能となり、以て、蛇腹部全体の屈曲柔軟性を損なうことなく、耐圧力性を効果的に高めることが出来るのである。
【0015】
また、本発明に従う蛇腹付ダクトの望ましい別の態様の一つによれば、蛇腹部の側壁部位が、ダクトの軸方向に相当する該蛇腹部の中心軸に対して略垂直な方向に延出する平板形状をもって形成される。このような構成を採用すれば、山部や谷部の一つ一つの幅(ダクトの軸方向に沿った長さ)、つまり、ダクトの軸方向において互いに隣り合う側壁部位同士の距離が有利に小さく為され得て、蛇腹部の全体の軸方向長さを長くすることなく、限られた長さの範囲で、山部と谷部とが、より多く形成され得ることとなり、それによって、蛇腹部における屈曲柔軟性が効果的に高められ得るのである。それ故に、例えば、山部の頂部部位と谷部の底部部位の肉厚を多少厚くしても、蛇腹部における屈曲柔軟性の低下を抑えることが出来、従って、それら山部の頂部部位と谷部の底部部位の肉厚を厚くすることにより、耐圧力性を高めつつ、蛇腹部における屈曲柔軟性を十分に確保することが可能となるのである。
【0016】
なお、蛇腹部の側壁部位は、好ましくは、蛇腹部の中心軸に対して85〜95°の交角をもって交差して真っ直ぐに延出する平板形状とされる。それよって、ダクトの軸方向において互いに隣り合う側壁部位同士の距離が、より確実に小さくされて、山部と谷部とが、より一層多く形成され得ることとなり、以て蛇腹部における屈曲柔軟性が、更に一層効果的に高められ得ることとなる。
【0017】
そして、本発明においては、また、前記第二の課題を解決するために、ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹部を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造するに際して、互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更にそれら凹部及び凸部が、それぞれ角張った角部形状をもって形成されている成形金型を用いて、該成形金型の成形キャビティ内に、前記合成樹脂材料からなる筒状のパリソンを収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、ブロー成形することを特徴とする蛇腹付ダクトの製造方法を、その要旨とするものである。
【0018】
このような本発明に従う蛇腹付ダクトの製造方法においては、目的とする蛇腹付ダクトの蛇腹部の山部を与える、成形キャビティにおける蛇腹部形成部位の凹部が角張った角部形状とされた成形金型が用いられるところから、成形キャビティ内に収容されたパリソンの内部への気体の吹込みによりパリソンが膨張変形せしめられて、その一部が、該凹部内に押し込まれることによって、該凹部内に押し込まれたパリソンの一部にて、蛇腹部の山部が、該凹部に対応した角張った角部を有する外面と、湾曲面形状を呈する内面とを有する頂部部位をもって形成される。
【0019】
また、かかる本発明手法にあっては、用いられる成形金型の成形キャビティの蛇腹部形成部位における、蛇腹部の谷部を与える凸部も角張った角部形状とされているところから、成形キャビティ内に収容されたパリソンの内部への気体の吹込みよりパリソンが膨張変形せしめられることによって、該パリソンの一部が、蛇腹部形成部位の凸部の先端を与えるキャビティ面に接触せしめられた際に、該凸部の角張った角部にて、該凸部の先端のキャビティ面に沿ったパリソンの軸方向への伸長が抑制せしめられて、蛇腹部の谷部が、該凸部に対応した角張った角部を有する内面(ダクトの外側の面)と、湾曲面形状を呈する内面(ダクトの内側の面)とを有する底部部位をもって形成される。
【0020】
すなわち、かかる本発明手法においては、成形キャビティにおける蛇腹部形成部位の凹部と凸部とが、それぞれ角張った角部形状とされた成形金型が用いられているところから、それらの凹部と凸部が滑らか湾曲面形状とされた成形金型を用いて、蛇腹部の山部を、その内面と外面が何れも滑らかな湾曲面形状となるように形成すると共に、凸部に接触せしめられたパリソンの一部を、該凸部の先端面に沿って、パリソンの軸方向にスムーズに伸長せしめつつ、谷部を形成する場合と比べて、山部と谷部とを連結する側壁部位の肉厚はさほど変わらないものの、山部が、外面に角張った角部が設けられている分だけ、肉厚が厚くされた頂部部位を有して形成され、また谷部が、軸方向への伸長が抑制せしめられる分だけ、厚肉とされた底部部位を有して形成されることとなるのである。
【0021】
それ故、この本発明に従う蛇腹付ダクトの製造方法にあっては、山部の頂部部位と谷部の底部部位とが厚肉とされていることにより、蛇腹部全体としての耐圧力性が有利に高められ得、また、それら山部の頂部部位と谷部の底部部位とを連結する側壁部位が薄肉とされていることによって、蛇腹部の屈曲乃至は伸縮によって得られる屈曲柔軟性が十分に確保され得てなる蛇腹付ダクトが、余分な工程や特別な工程を、何等経ることなく、有利に製造され得る。
【0022】
従って、このような本発明に従う蛇腹付ダクトの製造方法によれば、蛇腹部における屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが十分に確保され得ると共に、使用状態でのダクトの内圧変動に起因する蛇腹部の損傷乃至は破損が効果的に防止され得る蛇腹付ダクトが、極めて有利に且つ容易に製造され得ることとなるのである。
【0023】
また、本発明にあっては、前述せる如き第二の課題を解決するために、ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹部を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造するに際して、互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更に該凹部の底部部位と該凸部の頂部部位との間に位置して、それら底部部位と頂部部位とを連結する連結部位が、前記ダクトの軸方向に相当する成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されている成形金型を用いて、該成形金型の成形キャビティ内に、前記合成樹脂材料からなる筒状のパリソンを収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、ブロー成形することを特徴とする蛇腹付ダクトの製造方法をも、その要旨とするものである。
【0024】
要するに、この本発明に従う蛇腹付ダクトの製造方法においては、目的とする蛇腹付ダクトの蛇腹部の山部の頂部部位と谷部の底部部位を与える、成形キャビティにおける蛇腹部形成部位の凹部の底部部位と凸部の頂部部位とを互いに連結する連結部位が、ダクトの軸方向に相当する成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態とされた成形金型が用いられているところから、例えば、かかる成形キャビティの蛇腹部形成部位における連結部位が、成形キャビティの軸心方向に対して傾斜して延びる形状とされた成形金型を用いる場合に比して、成形キャビティ内に収容されたパリソンの内部への気体の吹込みによりパリソンが膨張変形せしめられた際に、パリソンの一部が、連結部位に沿って、より大きな伸び率をもって伸長せしめられ得ることとなり、以て、成形キャビティの蛇腹形成部位における連結部位にて与えられる、蛇腹部における山部の頂部部位と谷部の底部部位の間に位置する側壁部位を十分に薄い肉厚をもって形成することが可能となる。また、成形キャビティの連結部位にて与えられる側壁部位が、ダクトの軸方向に対して略垂直な方向に延出する平板形状をもって形成されることとなり、それによって、山部や谷部の一つ一つの幅(ダクトの軸方向に沿った長さ)、換言すれば、ダクトの軸方向において互いに隣り合う側壁部位同士の距離が小さく為され得て、蛇腹部の全体の軸方向長さを長くすることなく、限られた長さの範囲で、山部と谷部とが、より多く形成され得ることとなる。
【0025】
それ故、このような本発明手法においては、山部の頂部部位と谷部の底部部位のそれぞれの肉厚が比較的に厚くなるように蛇腹部を形成する場合にあっても、山部の頂部部位と谷部の底部部位を連結する側壁部位を、それらの頂部部位や底部部位よりも薄い肉厚をもって形成し得ると共に、山部と谷部の形成数を可及的に多く為すことが出来るのであり、それによって、蛇腹部における屈曲柔軟性を十分に確保しつつ、蛇腹部全体としての耐圧力性が有利に高められ得る蛇腹付ダクトが、余分な工程や特別な工程を、何等経ることなく、有利に製造され得るのである。
【0026】
従って、かくの如き本発明に従う蛇腹付ダクトの製造方法によっても、蛇腹部における屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが十分に確保され得ると共に、使用状態でのダクトの内圧変動に起因する蛇腹部の損傷乃至は破損が効果的に防止され得る蛇腹付ダクトが、極めて有利に且つ容易に製造され得ることとなるのである。
【0027】
さらに、本発明においては、前記第二の課題の解決のために、ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹部を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造するに際して、互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更にそれら凹部及び凸部が、それぞれ角張った角部形状をもって形成されると共に、該凹部の底部部位と該凸部の頂部部位との間に位置して、それら底部部位と頂部部位とを連結する連結部位が、前記ダクトの軸方向に相当する成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されている成形金型を用いて、該成形金型の成形キャビティ内に、前記合成樹脂材料からなる筒状のパリソンを収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、ブロー成形することを特徴とする蛇腹付ダクトの製造方法をも、また、その要旨とするものである。
【0028】
要するに、この本発明に従う蛇腹付ダクトの製造方法は、成形キャビティの蛇腹部形成部位における、蛇腹部の山部と谷部をそれぞれ与える凹部と凸部が角張った角部形状とされると共に、それら山部の頂部部位と谷部の底部部位とを連結する側壁部位を与える連結部位が、成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されてなる成形金型を用いる点に大きな特徴を有するものである。
【0029】
それ故、このような本発明手法においては、前述せる如く、蛇腹部における山部の頂部部位と谷部の底部部位とが厚い肉厚をもって形成され得るのであり、また、それら山部の頂部部位と谷部の底部部位とを連結する側壁部位が薄い肉厚をもって形成され得、しかも、山部と谷部の形成数が十分に多く為され得るのである。
【0030】
従って、本発明に従う蛇腹付ダクトの製造方法によれば、蛇腹部における屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが十分に確保され得ると共に、使用状態でのダクトの内圧変動に起因する蛇腹部の損傷乃至は破損が効果的に防止され得る蛇腹付ダクトが、更に一層有利に且つ容易に製造され得るのである。
【0031】
なお、このような本発明に従う蛇腹付ダクトの製造方法において、用いられる成形金型の凹部の底部部位と凸部の頂部部位とを連結する連結部位が、成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成される場合には、好ましくは、かかる連結部位が、成形キャビティの軸心方向に対して85〜95°の交角をもって交差して真っ直ぐに延出する形態とされることとなる。
【0032】
かかる構成を採用すれば、成形キャビティ内に収容されたパリソンの内部への気体の吹込みによりパリソンが膨張変形せしめられた際に、パリソンの一部が、連結部位に沿って、大きな伸び率をもって、より確実に伸長せしめられ得るのであり、それによって、蛇腹部における側壁部位が、より十分に薄い肉厚をもって形成され得ることとなる。そして、その結果として、蛇腹部における屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが、更に一層確実に確保され得るといった利点が得られるのである。
【0033】
そして、本発明にあっては、前述せる第三の課題を解決するために、ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造する際に用いられるブロー成形用金型であって、互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更にそれら凹部及び凸部が、それぞれ角張った角部形状をもって形成されていることを特徴とするブロー成形用金型を、その要旨とするものである。
【0034】
このような本発明に従うブロー成形用金型においては、成形キャビティの蛇腹部形成部位における、蛇腹部の山部と谷部をそれぞれ与える凹部と凸部とが、何れも、角張った角部形状とされているところから、所定のパリソンを成形キャビティ内に収容せしめて、ブローアップすることにより、蛇腹部の山部が、凹部に対応した角張った角部を有する外面と、湾曲面形状を呈する内面とを有する頂部部位をもって形成されると共に、谷部が、凸部に対応した角張った角部を有する内面(ダクトの外側の面)と、湾曲面形状を呈する内面(ダクトの内側の面)とを有する底部部位をもって形成される。
【0035】
それ故、かかるブロー成形用金型を用いれば、凹部と凸部とが湾曲面形状とされた従来のブロー成形用金型を用いて形成されたダクトの蛇腹部に比して、山部の頂部部位と谷部の底部部位とを連結する側壁部位の肉厚はさほど変わらないものの、山部の頂部部位が、外面に角張った角部が設けられている分だけ厚肉とされ、且つ谷部の底部部位が、軸方向への伸長が抑制せしめられる分だけ厚肉とされた蛇腹部を形成することが出来、以て、蛇腹部全体としての耐圧力性が有利に高められ得ると共に、屈曲柔軟性が十分に確保され得てなる蛇腹付ダクトを容易に製造することが可能となるのである。
【0036】
従って、このような本発明に従うブロー成形用金型を用いれば、蛇腹部における屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが十分に確保され得ると共に、使用状態でのダクトの内圧変動に起因する蛇腹部の損傷乃至は破損が効果的に防止され得る蛇腹付ダクトを、極めて有利に且つ容易に製造することが出来るのである。
【0037】
また、本発明においては、前述せる如き第三の課題を解決するために、ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造する際に用いられるブロー成形用金型であって、互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更に該凹部の底部部位と該凸部の頂部部位との間に位置して、それら底部部位と頂部部位とを連結する連結部位が、前記ダクトの軸方向に相当する成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されていることを特徴とするブロー成形用金型を、その要旨とするものである。
【0038】
この本発明に従うブロー成形用金型においては、目的とする蛇腹付ダクトの蛇腹部の側壁部位を与える、成形キャビティにおける蛇腹部形成部位の連結部位が、成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態とされているところから、例えば、蛇腹部形成部位における連結部位が、成形キャビティの中心軸に対して傾斜して延びる形状とされた成形金型を用いる場合に比して、成形キャビティ内に収容されたパリソンがブローアップされた際に、パリソンの一部が、連結部位に沿って、より大きな伸び率をもって伸長せしめられ得、それによって、かかる連結部位にて与えられる、蛇腹部における山部の頂部部位と谷部の底部部位とを連結する側壁部位を、十分に薄い肉厚をもって形成することが出来る。また、成形キャビティの連結部位にて与えられる側壁部位が、ダクトの軸方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延びる平板形状をもって形成されることとなり、それによって、山部や谷部の一つ一つの幅(ダクトの軸方向に沿った長さ)、換言すれば、ダクトの軸方向に互いに隣り合う側壁部位同士の距離が小さく為され得て、蛇腹部の全体の軸方向長さを長くすることなく、限られた長さの範囲で、山部と谷部とが、より多く形成され得ることとなる。
【0039】
それ故、かかるブロー成形用金型を用いれば、山部の頂部部位と谷部の底部部位のそれぞれの肉厚が比較的に厚くなるように蛇腹部を形成した際にも、側壁部位を、山部の頂部部位や谷部の底部部位よりも薄い肉厚をもって形成することが出来ると共に、それら山部と谷部の形成数を十分に確保することが出来、それによって、蛇腹部における屈曲柔軟性を十分に確保しつつ、蛇腹部全体としての耐圧力性が有利に高められ得る蛇腹付ダクトを容易に製造することが可能となるのである。
【0040】
従って、かくの如き本発明に従うブロー成形用金型を用いる場合にあっても、蛇腹部における屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが十分に確保され得ると共に、使用状態でのダクトの内圧変動に起因する蛇腹部の損傷乃至は破損が効果的に防止され得る蛇腹付ダクトを、極めて有利に且つ容易に製造することが出来るのである。
【0041】
さらに、本発明においては、前記第三の課題の解決のために、ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造する際に用いられるブロー成形用金型であって、互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更にそれら凹部及び凸部が、それぞれ角張った角部形状をもって形成されると共に、該凹部の底部部位と該凸部の頂部部位との間に位置して、それら底部部位と頂部部位とを連結する連結部位が、前記ダクトの軸方向に相当する成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されていることを特徴とするブロー成形用金型をも、また、その要旨とするものである。
【0042】
要するに、この本発明に従うブロー成形用金型は、成形キャビティの蛇腹部形成部位における凹部と凸部が角張った角部形状とされると共に、それら凹部の底部部位と凸部の頂部側位とを連結する連結部位が、成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されている点に大きな特徴を有するものである。
【0043】
それ故、このようなブロー成形用金型にあっては、前述せる如く、蛇腹部における山部の頂部部位と谷部の底部部位とを厚い肉厚をもって形成し得るのであり、また、それら山部の頂部部位と谷部の底部部位とを連結する側壁部位を薄い肉厚をもって形成することが出来、更に、山部と谷部を可及的に多く形成することが可能となる。
【0044】
従って、本発明に従うブロー成形用金型を用いれば、蛇腹部における屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが十分に確保され得ると共に、使用状態でのダクトの内圧変動に起因する蛇腹部の損傷乃至は破損が効果的に防止され得る蛇腹付ダクトを、更に一層有利に且つ容易に製造することが出来るのである。
【0045】
なお、このような本発明に従うブロー成形用金型において、凹部の底部部位と凸部の頂部部位とを連結する連結部位が、成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成される場合には、望ましくは、かかる連結部位が、成形キャビティの中心軸に対して85〜95°の交角をもって交差して真っ直ぐに延出する形態とされることとなる。
【0046】
かくの如き構成を有するブロー成形用金型を用いれば、成形キャビティ内に収容されたパリソンがブローアップされる際に、パリソンの一部が、連結部位に沿って、大きな伸び率をもって、より確実に伸長せしめられ得るのであり、それによって、蛇腹部の側壁部位が、より十分に薄い肉厚をもって形成され得ることとなる。そして、その結果として、蛇腹部における屈曲柔軟性がより十分に発揮され得る蛇腹付ダクトが、更に一層確実に製造され得ることとなるのである。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に従う蛇腹付ダクトとその製造方法、並びにかかる蛇腹付ダクトの製造方法に用いられるブロー成形用金型のそれぞれの具体的な構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0048】
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する蛇腹付ダクトの一つの実施形態として、自動車の過給機とエンジンとを連結する吸気系エアダクトが、その正面形態において、概略的に示されている。かかる図1からも明らかなように、エアダクト10は、従来の吸気系エアダクトと同様に、全体として、長さ方向中間部分がエンジンルーム内の配設スペースに対応した屈曲形態を有する略円筒形状を呈している。そして、このエアダクト10においては、その両端部が、エンジン側の接続部12と過給機側の接続部14(何れも、図1において二点鎖線で示した)に対して、所定の取付部材(図示せず)等を用いて取り付けられて、それらエンジン側の接続部12と過給機の接続部14との間に、エンジンルーム内の配設スペースに対応して延びるように配置され得るようになっており、以て、図示しないエンジンと過給機とを連結せしめて、過給機から供給される圧縮空気をエンジン内に導き得るように構成されている。
【0049】
また、かかるエアダクト10にあっては、エンジン側の接続部12に接続される長さ方向の一方側の端部に、周方向に延びる山部16と谷部18とが、長さ方向に交互に位置するように連続して設けられてなる蛇腹部20が形成されており、更に、かかる蛇腹部20を除いた部位が、平坦な外面と内面とを有する平坦部22とされている。そして、このエアダクト10は、その全体が合成樹脂材料にて形成されており、特に、蛇腹部20が、オレフィン系エラストマにて形成されている一方、平坦部22が、ポリプロピレンにて形成されている。
【0050】
すなわち、本実施形態のエアダクト10は、柔軟性に優れた軟質の樹脂材料からなる蛇腹部20と、比較的に剛性の高い硬質の樹脂材料からなる平坦部22とが一体形成された一体品にて構成されており、それによって、優れた軽量性と成形性とが得られるようになっているばかりでなく、蛇腹部20において、容易に屈曲乃至は伸縮せしめられ得るようになっていると共に、平坦部22において、高い耐圧力性が発揮され得るようになっているのである。
【0051】
なお、このようなエアダクト10を与える合成樹脂材料の種類は、上記した例示のものに、何等限定されるものではなく、自動車の配管用ダクトの構成材料として従来から一般に使用されるものが適宜に用いられる。また、蛇腹部20と平坦部22を含むエアダクト10の全体が、一種類の合成樹脂材料にて形成されていても、何等差し支えないのである。
【0052】
ところで、図2からも明らかなように、本実施形態のエアダクト10にあっては、蛇腹部20における山部16の外面(エアダクト10の外側に位置する面)が、平坦部22の外周面から径方向外方に向かって所定高さ突出した位置において、エアダクト10の中心軸24に対して平行に延び、且つ周方向に連続して延出する、平坦な外側先端面26と、この外側先端面26の幅方向(エアダクト10の中心軸24に平行な方向)の両端から、互いに対向しつつ、径方向内方に向かって、相互の間隔が次第に広がるようにして延び出し、且つ周方向に連続して延びる、平坦な二つの外側側面28,28とにて構成されている。
【0053】
また、かかる山部16の内面(エアダクト10の内側に位置するの面)は、径方向外方に向かって凸となる凸状湾曲面形状をもって、周方向に連続して延びる内側先端面30と、該内側先端面30の幅方向(エアダクト10の中心軸24に平行な方向)の両端から、互いに対向しつつ、径方向内方に向かって、前記外側側面28,28のそれぞれに平行して延び出し、且つ周方向に連続して延びる、平坦な二つの内側側面32,32とにて構成されている。
【0054】
かくして、このような内面と外面とを有する山部16においては、平坦面形状を呈する外側先端面26と径方向外方に向かって凸となる凸状湾曲面形状を有する内側先端面30とにて、山部16の先端側部分を与える頂部部位34が、二つの外側側面28,28が延び出す外側先端面26の幅方向両端の角部において、それぞれ、角張った形状とされた構造を有して形成されていると共に、平坦部22の外周面よりも径方向外方に所定高さ突出して位置せしめられている。また、互いに平行して延びる平坦な外側側面28,28と内側側面32,32の相互に対応するもの同士にて、山部16の基部側部分を与える二つの側壁部位36,36が、それぞれ平板形状をもって、前記頂部部位34の幅方向両端部から、径方向内方に向かって一体的に延び出すようにして、形成されているのである。
【0055】
一方、蛇腹部20における谷部18は、その外面(エアダクト10の外側に位置する面)が、平坦部22の内周面から径方向内方に向かって所定深さ没入した位置において、エアダクト10の中心軸24に対して平行に延び、且つ周方向に向かって連続して延出する、平坦な外側底面38と、この外側底面38の幅方向(エアダクト10の中心軸24に平行な方向)の両端から、互いに対向しつつ、径方向外方に向かって、相互の間隔が次第に広がるようにして延び出し、且つ周方向に連続して延びる、平坦な二つの外側側面28,28とにて構成されている。なお、この外側側面28、28は、前記山部16の外側側面28、28と同一のものである。
【0056】
また、かかる谷部18の内面(エアダクト10の内側に位置するの面)は、径方向内方に向かって凸となる凸状湾曲面形状をもって、周方向に連続して延びる内側底面40と、該内側底面40の幅方向(エアダクト10の中心軸24に平行な方向)の両端から、径方向外方に向かって、前記外側側面28,28のそれぞれに平行して延び出し、且つ周方向に連続して延びる、平坦な二つの内側側面32,32とにて構成されている。なお、この内側側面32、32も、前記山部16の内側側面32、32と同一のものである。
【0057】
これによって、上述の如き内面と外面とを有する谷部18においては、平坦面形状を呈する外側底面38と径方向内方に向かって凸となる凸状湾曲面形状を有する内側底面40とにて、谷部16の底部側の部分を与える底部部位42が、二つの外側側面28,28が延び出す外側底面38の幅方向両端の角部において、それぞれ、角張った形状とされた構造を有して形成されていると共に、平坦部22の内周面よりも径方向内方に所定深さ没入して、位置せしめられている。また、互いに平行して延びる平坦な外側側面28,28と内側側面32,32の相互に対応するもの同士にて、谷部18の開口部側部分を与える二つの側壁部位36,36が、それぞれ平板形状をもって、前記底部部位42の幅方向両端部から、径方向外方に向かって一体的に延び出すようにして、形成されている。
【0058】
なお、前述せる如く、この二つの側壁部位36,36は、前記山部16の頂部部位34の幅方向両端部から径方向内方に向かって一体的に延出せしめられるものでもある。即ち、かかる二つの側壁部位36,36にあっては、山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42との間に位置せしめられて、それら頂部部位34と底部部位42とを連結するように形成されているのである。
【0059】
そして、本実施形態においては、特に、蛇腹部20における山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42のそれぞれの肉厚が、蛇腹部20以外の部位からなる平坦部22の肉厚よりも厚くされており、また、それら山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42を連結する側壁部位36、36の肉厚が、平坦部22の肉厚よりも薄くされて、頂部部位34や底部部位42よりも十分に薄肉とされている。
【0060】
しかも、山部16の頂部部位34が、二つの外側側面28,28が延び出す外側先端面26の幅方向両端の角部において、それぞれ、角張った形状とされた構造を有して形成されているところから、頂部部位34の二つの角部が湾曲形状とされた従来構造を有するものに比して、頂部部位34の肉厚が、少なくとも、二つの角部の部分において確実に厚く為され得るようになっているのである。また、谷部18の底部部位34にあっても、二つの外側側面28,28が延び出す外側底面38の幅方向両端の角部において、それぞれ、角張った形状とされた構造を有して形成されているため、かかる底部部位42の二つの角部が湾曲形状とされた従来構造を有するものに比して、底部部位42の肉厚が、少なくとも、それら二つの角部の間の部分、つまり底部部位42の幅方向中央部分において確実に厚く為され得るようになっているのである。
【0061】
さらに、ここでは、そのような厚肉の山部16の頂部部位34や谷部18の底部部位42よりも十分に肉厚が薄くされた側壁部位36、36の外面を与える二つの外側側面28,28が、エアダクト10の中心軸24に対して、それぞれ85°と95°の大きさの交角(図2において、θ1 ,θ2 にて示される角)をもって交差する方向に向かって延出せしめられている。これによって、二つの薄肉の側壁部位36,36が、エアダクト10の中心軸24に対して85°と95°の大きさの交角をもって交差する略垂直な方向に向かって延出せしめられて形成されており、以て、山部16と谷部18の一つ一つにおけるエアダクト10の中心軸24に沿った幅寸法が比較的に小さくされ得て、蛇腹部20の全体の軸方向長さを長くすることなく、限られた長さの範囲で、山部16と谷部18とが、より多く形成され得るようになっている。
【0062】
また、本実施形態においては、前述せるように、山部16の頂部部位34が、平坦部22の外周面よりも径方向外方に所定高さ突出して位置せしめられていると共に、谷部18の底部部位42が、平坦部22の内周面よりも径方向内方に所定深さ没入して位置せしめられていることによって、それら山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42を連結する二つの側壁部位36,36の径方向に対応する方向の長さ、つまり、各側壁部位36の幅が、従来の一般的なエアダクトの蛇腹部のそれに比して、十分に大きくされているのである。
【0063】
このように、本実施形態のエアダクト10にあっては、蛇腹部20における山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42のそれぞれの肉厚が、それら頂部部位34と底部部位42を連結する側壁部位36よりも十分に厚く、しかも平坦部22の肉厚よりも厚くされているところから、蛇腹部20が柔軟な合成樹脂材料にて形成されているにも拘わらず、蛇腹部20の全体が薄い肉厚において形成された従来品に比して、山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42とが厚肉とされている分だけ、蛇腹部20全体としての耐圧力性が有利に高められ得るのである。
【0064】
また、かかるエアダクト10においては、山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42とを連結する側壁部位36、換言すれば、蛇腹部20においてエアダクト10の軸方向に互いに隣り合って位置せしめられる部分であって、蛇腹部20が屈曲乃至は伸縮せしめられる際に、互いに隣り合うもの同士の間隔が変化するように変形せしめられる部分が、薄い肉厚と大きな幅をもって形成されているところから、蛇腹部20が、より容易に且つ大きなストロークで屈曲及び伸縮せしめら得るのであり、また、側壁部位36が、エアダクト10の中心軸24に対して略垂直な方向に延び出すように形成されていることによって、蛇腹部20の限られた長さの範囲で、山部16と谷部18とが、より多く形成されており、それらによって、蛇腹部20において優れた屈曲柔軟性が発揮され得るのである。
【0065】
従って、このような本実施形態のエアダクト10を用いれば、エンジン振動の過給機側への伝達を有利に抑制することが可能となって、かかるエンジン振動の過給機側への伝達による様々な不具合の発生が効果的に防止され得ると共に、エアダクト10内を流通せしめられる圧縮気体の圧力によって、蛇腹部20が破裂したり、損傷したりするようなことが、極めて効果的に回避乃至は抑制され得て、良好な使用状態が、長期に亘って、より一層安定的に確保され得ることとなるのである。
【0066】
ところで、このような優れた特徴を有するエアダクト10は、例えば、以下に示す如き構造を有する成形用金型を用いたブロー成形を行うことによって、有利に製造され得ることとなる。
【0067】
すなわち、図3に示されるように、ここで用いられるブロー成形用金型44は、上下に対向配置された上型46と下型48とを有して成っている。また、この上型46と下型48のそれぞれの対向面には、目的とするエアダクト10の半周分の外形形状に対応した形状の凹所形態を有する上型側キャビティ形成部50と下型側キャビティ形成部52とが、それぞれ形成されている。そして、このような上型46と下型48とが型合せされることによって、それらの対向面間に、上型側キャビティ形成部50と下型側キャビティ形成部52とにて、目的とするエアダクト10を与える成形キャビティ54が形成され得るようになっているのである。
【0068】
なお、成形キャビティ54を形成する上型側キャビティ形成部50と下型側キャビティ形成部52は、エアダクト10の平坦部22と蛇腹部20のそれぞれの半周分の外周面形状に対応した形状を有する平坦部形成凹所56と蛇腹部形成凹所58とを、それぞれ有して成っており、それによって、成形キャビティ54に対して、エアダクト10の平坦部22を与える平坦部形成部位60と蛇腹部20を与える蛇腹部形成部位62とが形成されるようになっている。
【0069】
そして、図3及び図4からも明らかなように、上型側キャビティ形成部50の蛇腹部形成凹所58の底面と、下型側キャビティ形成部52の蛇腹部形成凹所58の底面には、互いに対応する位置に、周方向に連続して延びる周溝64が、軸方向に一定の間隔をおいて、それぞれ複数形成されており、また、それによって、それら複数の周溝64のうち、軸方向に互いに隣り合う周溝64同士の間に、突条66が、周方向に連続して延びるように、それぞれ形成されている。
【0070】
さらに、この上型側及び下型側キャビティ形成部50,52のそれぞれの蛇腹部形成凹所58においては、そこに設けられた周溝64の底面と突条66の先端面が、それぞれ平坦面とされていると共に、それら周溝64の底面と突条66の先端面とを連結する連結面68も平坦面とされている。そして、かかる連結面68は、エアダクト10の中心軸24の延出方向に相当する成形キャビティ54の軸心方向に対して、それぞれ垂直に近い85°と95°の大きさの交角(図4において、θ3 ,θ4 にて示される角)をもって交差する方向に向かって延出せしめられている。
【0071】
かくして、本実施形態のブロー成形用金型44にあっては、エアダクト10の蛇腹部20を与える成形キャビティ54の蛇腹部形成部位62に、蛇腹部形成凹所58の複数の周溝64と突条66とによって、蛇腹部20の山部16に対応した、角張った角部形状を呈する凹部70と、該蛇腹部20の谷部18に対応した、角張った角部形状を呈する形状の凸部72とが、成形キャビティ54の軸心方向に向かって交互に連続して形成されており、また、それら凹部70の底部部位と凸部72の頂部部位を連結する連結部位74が、成形キャビティ54の軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されているのである。
【0072】
そして、かくの如き構造とされたブロー成形用金型44を用いて、目的とするエアダクト10を製造する際には、先ず、図5に示されるように、所定の合成樹脂材料からなる筒状のパリソン76を、図示しない押出し機の先端に取り付けられた押出しダイ78から連続的に押出し成形する一方で、押出しダイ78を、下型48に設けられた屈曲形状を呈する下型側キャビティ形成部52に沿って左右方向に移動せしめる等して、パリソン76を、下型側キャビティ形成部52上に、該下型側キャビティ形成部52の形状に沿った屈曲形状をもって、載置せしめる。
【0073】
なお、本工程では、パリソン76の成形途中で、該パリソン76の形成材料が、ポリプロピレンからオレフィン系エラストマに切り替えられ、その後、再びポリプロピレンに切り替えられることにより、パリソン76が、下型側キャビティ形成部52の平坦部形成凹所56上に載置される部分がポリプロピレンにて形成される一方、蛇腹部形成凹所58上に載置される部分がオレフィン系エラストマにて形成された、異なる二種類の樹脂材料からなる一体成形品とされる。これによって、最終的に得られるエアダクト10の平坦部22が硬質の樹脂材料たるポリプロピレンにて構成され、また、蛇腹部20が、柔軟性に優れたオレフィン系エラストマにて構成されることとなる。また、勿論、エアダクト10が一種類の樹脂材料にて構成される場合には、パリソン76は、その一種類の樹脂材料で形成されることは言うまでもないところである。
【0074】
次いで、図6に示されるように、下型側キャビティ形成部52上にパリソン76が載置された下型48に対して、上型46を型合せして、それら下型48と上型46との間に、目的とするエアダクト10に対応した形状を有する成形キャビティ54を形成すると共に、該成形キャビティ54内に、パリソン76を収容せしめる。その際、パリソン76の両端部が、下型48と上型46の互いの型合せ部位に挟まれて、潰され、それによって、成形キャビティ54内に収容されたパリソン76の内部が密閉されることとなる。
【0075】
その後、図7に示される如く、下型48と上型46の互いの型合せ部位に潰されたパリソン76の一端部に、針状の空気ノズル80を刺し通した後、この空気ノズル80を通じて、パリソン76内に、適当な圧力の圧縮空気を吹き込んで、パリソン76を膨張変形せしめて、成形キャビティ54に対応した形状を有する中間成形体82を得る。
【0076】
このとき、図8に示されるように、成形キャビティ54の蛇腹部形成部位62内に配置されたパリソン76の一部が、その膨張変形に伴って、該蛇腹部形成部位62の凹部70内に押し込まれ、この凹部70内に押し込まれたパリソン76の一部にて、頂部部位34の外面が該凹部70の形状に対応した角張った角部形状を呈し、且つその内面が湾曲面形状とされた山部16が形成される。そして、かくして形成された山部16にあっては、頂部部位34の外側の角部が角張った形状とされているため、張部部位34の外側及び内側の角部が何れも湾曲面形状とされたものに比して、頂部部位34の肉厚が、少なくとも、角張った角部の部分において厚くされるのである。
【0077】
また、かかる中間成形体82の成形工程では、上述の如くして、パリソン76の一部が蛇腹部形成部位62の凹部70内に押し込まれる一方で、蛇腹部形成部位62内に配置されたパリソン76の他の部分にて、該蛇腹部形成部位62の凸部72により、それに対応した角張った角部形状を呈する谷部18が形成されることとなる。なお、この谷部16の形成時には、先ず、該パリソン76の凹部70内に押し込まれる部位以外の部分が、該凸部72を与える、上型46及び下型48の各突条66の先端面に接触せしめられることとなるが、その際、各突条66の先端面が平坦面とされていると共に、その角部が角張った形状とされているため、例えば、かかる突条66の角部が湾曲面形状とされている場合とは異なって、各突条66の先端面に接触せしめられたパリソン76における成形キャビティ54の軸心方向への延びが、各突条66の角部にて規制され、以て、形成される谷部16の底部部位42が、径方向内方に向かって凸となる凸状湾曲面形状とされる。そして、それによって、かかる谷部16の底部部位42の肉厚が、少なくとも、その幅方向中央部分において十分に厚くされるのである。
【0078】
さらに、本工程におけるパリソン76の膨張変形時には、前記凹部70内に押し込まれたパリソン76の一部が、蛇腹部形成部位62における凹部70の底部部位と凸部72の頂部部位を連結する連結部位74に沿って伸長せしめられて、前記山部16の頂部部位34と前記谷部18の底部部位42とを連結する側壁部位36が形成されることとなる。そして、ここでは、前述せる如く、連結部位74が、成形キャビティ54の軸心方向に対して略垂直な85°と95°の大きさの交角をもって交差する、上型46及び下型48の各連結面68にて与えられて、該成形キャビティ54の軸心方向に対して、略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態とされているため、例えば、連結部位74が、成形キャビティ54の軸心方向に対して傾斜して延びる形態とされている場合に比して、側壁部位36を与えるパリソン76の一部が、連結部位74に沿ってより大きな伸び率をもって、成形キャビティ54の軸心方向に略垂直な方向に真っ直ぐ伸長せしめられ、それによって、かかる側壁部位36の肉厚が、十分に薄くされることとなる。
【0079】
そして、かくの如くして中間成形体82を形成した後、図示されてはいないものの、従来と同様に、下型46と上型48とを型開きして、成形キャビティ54内で冷却固化された中間成形体82を取り出し、その後、この中間成形体82の両端部を切除する。これによって、図1及び図2に示される如く、外面形状が角張った角部形状とされた山部16と谷部18が、軸方向に交互に連続して多数形成され、それら山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42がそれぞれ厚肉とされる一方、該頂部部位34と該底部部位42を連結する側壁部位36の肉厚が薄肉とされが蛇腹部20が一体的に設けられた、目的とするエアダクト10を得るのである。
【0080】
このように、本実施形態においては、従来のブロー成形とは異なる特別な工程や余分な工程を何等行うことなく、従来と同様な工程に従って作業を進めることにより、前述せる如き優れた特徴を発揮するエアダクト10が、極めて容易に且つ確実に製造され得ることとなるのである。
【0081】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないのであって、本発明が、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではないことが理解されるべきである。
【0082】
例えば、前記実施形態では、エアダクト10が、全体として屈曲形態を有する円筒形状とされていたが、その全体形状は、特にこれに限定されるものではなく、例えば、全体として真っ直ぐな形態を有する角筒形状や横断面楕円形状とされていても、何等差し支えないのである。
【0083】
また、前記実施形態では、蛇腹部20が、エアダクト10の長さ方向の一方側の端部に、一つだけ形成されていたが、かかる蛇腹部20をエアダクト10の長さ方向に複数個設けたり、エアダクト10の全長に亘って蛇腹部20を形成することも、勿論可能である。
【0084】
さらに、前記実施形態では、上型46と下型48のそれぞれの蛇腹部形成部位62において、エアダクト10の蛇腹部20における山部16と谷部18とを与える凹部70と凸部72が、それぞれ角張った角部形状とされると共に、該山部16の張部部位34と谷部18の底部部位42を連結する側壁部位36を与える連結部位74が、成形キャビティ54の軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐ延びる形態とされたブロー成形用金型44が用いられていたが、そのようなブロー成形用金型44に代えて、例えば、蛇腹部形成部位62の凹部70と凸部72が、それぞれ角張った角部形状とされるものの、連結部位74が、成形キャビティ54の軸心方向に対して、所定の傾斜角度をもって傾斜して延びる形態とされたブロー成形用金型や、蛇腹部形成部位62の連結部位74が、成形キャビティ54の軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐ延びる形態とされるものの、凹部70と凸部72の内面及び外面が、何れも湾曲面形状とされたブロー成形用金型を用いることも可能である。
【0085】
そして、前者のブロー成形用金型を用いる場合には、蛇腹部20の山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42が何れも角張った角部形状とされて、それら頂部部位34と底部部位42が厚い肉厚と為され得るのであり、それ故に、例えば、比較的に肉厚の薄いパリソンを用いることによって、側壁部位36を薄肉と為しつつ、山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42を、それぞれ厚肉と為すことが出来るのである。また、後者のブロー成形用金型を用いる場合には、側壁部位36が大きな伸び率をもって伸長せしめられて、その肉厚が十分に薄く為され得るのであり、それ故に、例えば、肉厚の厚いパリソンを用いることによって、山部16の頂部部位34と谷部18の底部部位42の肉厚を十分な厚さで確保しつつ、側壁部位36を肉厚を十分に薄く為すことが出来るのである。
【0086】
更にまた、前記実施形態では、ブロー成形用金型44が、上下方向に対向配置された上型46と下型48とにて構成されていたが、かかるブロー成形用金型を左右方向に対向配置された二つの型を有する割型にて構成しても、勿論良いのである。
【0087】
また、前記実施形態では、パリソン76を形成する押出しダイ78が左右方向に移動せしめられることにより、下型48の下型側キャビティ形成部52上に、成形されたパリソン76を屈曲せしめて載置し、その後、下型48に型合せされた上型46との間で形成された成形キャビティ54内で、かかるパリソン76をブローアップする、所謂三次元ブロー成形を利用して、目的とするエアダクト10を製造していたが、その他、例えば、押出しダイ78を位置固定とする一方、下型48を上下方向や左右方向に移動せしめることにより、パリソン76を下型48の下型側キャビティ形成部52上に、屈曲させて載置するようにした三次元ブロー成形により、エアダクト10を製造するようにしても良い。また、上下方向に対向配置された上型46と下型48とからなるブロー成形用金型44に代えて、左右方向に対向配置された二つの型を有するブロー成形用金型を用い、この金型の成形キャビティ内に、位置固定の押出しダイにて成形されたパリソンを配置した後、該パリソンをブローアップする、一般的なブロー成形を採用することも、勿論可能である。
【0088】
加えて、前記実施形態では、自動車の過給機とエンジンとを連結する蛇腹付のエアダクトとその製造方法、並びにそれに用いられるブロー成形用金型に対して、本発明を適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車に設けられる、蛇腹付エアダクト以外の配管用の蛇腹付ダクトや、自動車以外の機械や装置に設けられる配管用の蛇腹付ダクトの何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0089】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0090】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う蛇腹付ダクトにあっては、蛇腹部において、十分な屈曲柔軟性と高度な耐圧力性とが共に有利に発揮され得、以て、屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが十分に確保され得ると共に、ダクト内を流通せしめられる流体の圧力等によってダクト内が正圧状態や負圧状態となった際に、蛇腹部が破裂したり、潰れたりするようなことが、極めて効果的に回避され得るのである。そして、それらの結果として、屈曲柔軟性が要求される配管用のダクト等として、より有利に使用され得るばかりでなく、その良好な使用状態が、長期に亘って、更に一層安定的に確保され得ることとなるのである。
【0091】
また、本発明に従う蛇腹付ダクトの製造方法によれば、蛇腹部における屈曲柔軟性の発揮によって得られるメリットが十分に確保され得ると共に、使用状態でのダクトの内圧変動に起因する蛇腹部の損傷乃至は破損が効果的に防止され得る蛇腹付ダクトが、極めて有利に且つ容易に製造され得るのである。
【0092】
さらに、本発明に従うブロー成形用金型を用いれば、屈曲柔軟性が要求される配管用のダクト等として、より有利に使用され得るばかりでなく、その良好な使用状態が、長期に亘って、更に一層安定的に確保され得る蛇腹付ダクトを、容易に且つ工業的に有利に製造することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う蛇腹付ダクトの一例を示す正面説明図である。
【図2】図1のII−II断面における部分拡大断面説明図である。
【図3】本発明手法に従って、図1に示された蛇腹付ダクトを製造する際に用いられるブロー成形用金型の一例を示す縦断面説明図である。
【図4】図3における部分拡大説明図である。
【図5】本発明手法に従って、図1に示された蛇腹付ダクトを製造する際における一工程例を示す説明図であって、目的とする蛇腹付ダクトを与えるパリソンを成形する一方、かかるパリソンを、ブロー成形用金型の下型の下型側キャビティ形成部上に載置している状態を示している。
【図6】本発明手法に従って、図1に示された蛇腹付ダクトを製造する際における別の工程例を示す説明図であって、ブロー成形用金型内に形成される成形キャビティ内に、パリソンを収容せしめた状態を示している。
【図7】本発明手法に従って、図1に示された蛇腹付ダクトを製造する際における更に別の工程例を示す説明図であって、成形キャビティ内に収容されたパリソンの内部に圧縮空気を吹き込んで、パリソンを膨張変形せしめて、中間成形体を得た状態を示している。
【図8】図7における部分拡大説明図である。
【符号の説明】
10 エアダクト 16 山部
18 谷部 20 蛇腹部
34 頂部部位 36 側壁部位
42 底部部位 44 ブロー成形用金型
46 上型 48 下型
50 上型側キャビティ形成部 52 下型側キャビティ形成部
54 成形キャビティ 62 蛇腹部形成部位
70 凹部 72 凸部
74 連結部位 76 パリソン
Claims (8)
- ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹部を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造するに際して、
互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更にそれら凹部及び凸部が、それぞれ角張った角部形状をもって形成されている成形金型を用いて、該成形金型の成形キャビティ内に、前記合成樹脂材料からなる筒状のパリソンを収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、ブロー成形することを特徴とする蛇腹付ダクトの製造方法。 - ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹部を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造するに際して、
互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更に該凹部の底部部位と該凸部の頂部部位との間に位置して、それら底部部位と頂部部位とを連結する連結部位が、前記ダクトの軸方向に相当する成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されている成形金型を用いて、該成形金型の成形キャビティ内に、前記合成樹脂材料からなる筒状のパリソンを収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、ブロー成形することを特徴とする蛇腹付ダクトの製造方法。 - ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹部を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造するに際して、
互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更にそれら凹部及び凸部が、それぞれ角張った角部形状をもって形成されると共に、該凹部の底部部位と該凸部の頂部部位との間に位置して、それら底部部位と頂部部位とを連結する連結部位が、前記ダクトの軸方向に相当する成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐ延出する形態をもって形成されている成形金型を用いて、該成形金型の成形キャビティ内に、前記合成樹脂材料からなる筒状のパリソンを収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、ブロー成形することを特徴とする蛇腹付ダクトの製造方法。 - 前記成形金型の二つの型の前記蛇腹部形成部位における凹部の底部部位と凸部の頂部部位とを連結する前記連結部位が、前記成形キャビティの軸心方向に対して85〜95°の交角をもって交差して真っ直ぐに延出する形態をもって形成されている請求項2又は請求項3に記載の蛇腹付ダクトの製造方法。
- ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造する際に用いられるブロー成形用金型であって、
互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更にそれら凹部及び凸部が、それぞれ角張った角部形状をもって形成されていることを特徴とするブロー成形用金型。 - ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造する際に用いられるブロー成形用金型であって、
互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更に該凹部の底部部位と該凸部の頂部部位との間に位置して、それら底部部位と頂部部位とを連結する連結部位が、前記ダクトの軸方向に相当する成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されていることを特徴とするブロー成形用金型。 - ダクト軸方向に山部と谷部とが交互に連続的に形成されてなる蛇腹を有する蛇腹付ダクトを、所定の合成樹脂材料を用いたブロー成形により製造する際に用いられるブロー成形用金型であって、
互いに対向配置されて、互いの対向面間に、目的とする前記蛇腹付ダクトを与える成形キャビティを形成する二つの型を有し、且つそれら二つの型の該成形キャビティにおける前記蛇腹部の形成部位が、該蛇腹部の前記山部と谷部にそれぞれ対応した凹部と凸部とから構成され、更にそれら凹部及び凸部が、それぞれ角張った角部形状をもって形成されると共に、該凹部の底部側部位と該凸部の頂部側部位との間に位置して、それら底部側部位と頂部側部位とを連結する連結部位が、前記ダクトの軸方向に相当する成形キャビティの軸心方向に対して略垂直な方向に真っ直ぐに延出する形態をもって形成されていることを特徴とするブロー成形用金型。 - 前記二つの型の前記蛇腹部形成部位における凹部の底部側部位と凸部の頂部側部位とを連結する前記連結部位が、前記成形キャビティの軸心方向に対して85〜95°の交角をもって交差して真っ直ぐに延出する形態をもって形成されている請求項6又は請求項7に記載のブロー成形用金型。
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