JP2008248873A - 吸気ホース及びその取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動吸収性を維持しつつ、耐負圧性を高める。
【解決手段】各山部11の頂部11aと各谷部12の底部12aとを繋ぐ蛇腹壁部が、各頂部11aと当該頂部の下流側に隣接する各底部12aとを繋ぎ、中心軸線Oに対して傾斜して延びる下流側の斜壁部13と、各頂部11aと当該頂部11aの上流側に隣接する各底部12aとを繋ぎ、中心軸線Oに対して略直角に延びて斜壁部13よりも長さが短くかつ膜厚が薄い上流側の縦壁部14とからなる。両端が相手材に取り付けられた取付状態で、各縦壁部14が各斜壁部13の径方向内方に入り込むように、蛇腹部10が軸方向に予備圧縮される。吸気負圧が作用すると、斜壁部13よりも膜厚が薄くて軟らかい縦壁部14が、斜壁部13の径方向内方に入り込むように変形するので、各斜壁部13が同一方向へ倒れて、負圧に対する抗力が増大する。
【選択図】図1
【解決手段】各山部11の頂部11aと各谷部12の底部12aとを繋ぐ蛇腹壁部が、各頂部11aと当該頂部の下流側に隣接する各底部12aとを繋ぎ、中心軸線Oに対して傾斜して延びる下流側の斜壁部13と、各頂部11aと当該頂部11aの上流側に隣接する各底部12aとを繋ぎ、中心軸線Oに対して略直角に延びて斜壁部13よりも長さが短くかつ膜厚が薄い上流側の縦壁部14とからなる。両端が相手材に取り付けられた取付状態で、各縦壁部14が各斜壁部13の径方向内方に入り込むように、蛇腹部10が軸方向に予備圧縮される。吸気負圧が作用すると、斜壁部13よりも膜厚が薄くて軟らかい縦壁部14が、斜壁部13の径方向内方に入り込むように変形するので、各斜壁部13が同一方向へ倒れて、負圧に対する抗力が増大する。
【選択図】図1
Description
本発明は吸気ホース及びその取付構造に関し、詳しくは蛇腹部を有し、自動車エンジン等の内燃機関の吸気系に配設される吸気ホース及びその取付構造に関する。
エンジンの吸気系に配設される吸気ホースとしての、例えばエアクリーナホースは、エアクリーナとエンジン側部材としてのスロットルボディ等とを連結している。このため、エアクリーナホースにはエンジンからの振動が伝わる。エアクリーナホースに伝わるエンジンの振動は、車両ボディに伝達されることで、車室内の騒音を大きくする一因となりうる。そこで、エアクリーナホースは、エンジンの振動を吸収するための蛇腹部を有している。
一方、エアクリーナホース内にはエンジン駆動時に負圧が作用する。そして、エアクリーナホースの蛇腹部は、柔らかいため自由に変形し易い。また、エアクリーナホースは、ゴムや樹脂の射出成形又はブロー成形により成形されるのが一般的であるが、通常のブロー成形品の場合、蛇腹部の山部と谷部とで肉厚が不均一になり易い。このため、エアクリーナホースの蛇腹部が、ホース内部に作用する負圧により、閉塞する方向に潰れるように変形し易く、これにより流路断面積が低下して吸入量が低下するという問題がある。蛇腹部の剛性を高めれば、吸気負圧による変形を抑えることはできるが、単純に蛇腹部の剛性を高くした場合には蛇腹部の振動吸収性が損なわれる。
すなわち、エアクリーナホースには、振動吸収性と耐負圧性という背反する課題が内在する。
なお、特許文献1には、蛇腹部を有する吸気ホースとして、複数の山部及び谷部が交互に形成された蛇腹部を有し、この蛇腹部の軸方向に沿う断面形状が鋸歯状とされたものが記載されている。
この特許文献1に記載された吸気ホースは、上流側の一端がエンジンルーム外に開口し、下流側の他端がエアクリーナのノーズに接続された外気取り入れホース(所謂、吸気ダクト)である。この吸気ホースの蛇腹部における各山部の頂部と各谷部の底部とを繋ぐ蛇腹壁部は、各頂部と該頂部の上流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して傾斜して延びる上流側の斜壁部と、各頂部と該頂部の下流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して略直角に延びて該斜壁部よりも長さが短い下流側の縦壁部とからなる。
このように蛇腹部を構成する蛇腹壁部が上流側の斜壁部と下流側の縦壁部とからなり、鋸歯状の蛇腹部を有する上記特許文献1に記載の吸気ホースでは、開口から吸気ホース内に水が侵入しても、下流側の縦壁部で水の流れを遮ることにより、エンジンへの水の侵入を防ぐことができる。
しかし、上記特許文献1に記載の吸気ホースにおいても、蛇腹部の山部と谷部とにおける肉厚の不均一さにより、吸気負圧により蛇腹部が閉塞する方向に変形し易いことには変わりない。
特に、この吸気ホースでは、蛇腹部を構成する蛇腹壁部のうち、各山部において上流側に位置する蛇腹壁部が斜壁部となり、各山部において下流側に位置する蛇腹壁部が縦壁部となっている。このため、上流側から下流側に向かって作用する吸気負圧は、上流側に位置し縦壁部よりも面積の大きい斜壁部を径方向内方に向かって下流側に引き込むよう働く。その結果、斜壁部は、縦壁部を径方向内方に向かって下流側に押し込みながら変形する。したがって、吸気負圧により各斜壁部が径方向内方に変形して閉塞する方向に変形し易いと考えられる。
実開昭61−131318号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、振動吸収性を維持しつつ、耐負圧性を高めることのできる吸気ホース及びその取付構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の吸気ホースは、複数の山部及び谷部が交互に形成された蛇腹部を有する筒状をなし、内燃機関の吸気系に配設される吸気ホースであって、各前記山部の頂部と各前記谷部の底部とを繋ぐ蛇腹壁部が、各頂部と該頂部の下流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して傾斜して延びる下流側の斜壁部と、各頂部と該頂部の上流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して略直角に延びて該斜壁部よりも長さが短くかつ膜厚が薄い上流側の縦壁部と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明の吸気ホースにおいては、各山部の頂部と各谷部の底部とを繋ぐ蛇腹壁部が、下流側の斜壁部と、上流側の縦壁部とを備えている。そして、本発明の吸気ホースでは、この縦壁部の膜厚が斜壁部よりも薄くされている。このため、本発明の吸気ホースに大きな負圧が作用すると、斜壁部よりも膜厚が薄くて軟らかい縦壁部が、斜壁部の径方向内方に入り込むように変形する。これにより、各斜壁部はいずれも同一方向への倒れが生じる。このように各斜壁部の内側に縦壁部が入り込んで各斜壁部が同一方向に倒れ込んだ蛇腹部は、斜壁部の剛性が高まることで、変形の自由度が規制される。すなわち、各斜壁部が同一方向に倒れ込んだ倒れ形状となることで、負圧に対する抗力が増大する。
特に、本発明の吸気ホースでは、蛇腹部を構成する蛇腹壁部のうち、各山部において上流側に位置する蛇腹壁部が縦壁部となり、各山部において下流側に位置する蛇腹壁部が斜壁部となっている。このため、上流側から下流側に向かって作用する吸気負圧は、上流側に位置し斜壁部よりも膜厚が薄くて軟らかい縦壁部を径方向内方に向かって下流側に引き込むように働く。その結果、縦壁部は斜壁部の径方向内方に入り込むように変形する。このため、吸気負圧による斜壁部の前記倒れ込みが確実に発生する。
したがって、本発明の吸気ホースでは、ホース内部に吸気負圧が作用しても、蛇腹部が閉塞する方向に潰れるように変形し難い。よって、流路断面積の低下による吸入量の低下を抑えることができ、エンジンの燃焼室に所望の空気量を供給しやすい。
一方、エンジンの振動は、膜厚が薄くて軟らかい縦壁部が変形することで効果的に吸収することができる。このため、エンジンの振動が、車両ボディに伝達しにくい。
よって、本発明の吸気ホースは、高い振動吸収性を維持しつつ、耐負圧性を高めることができる。
ここに、本発明の吸気ホースは、各縦壁部が各斜壁部の径方向内方に入り込むように蛇腹部を軸方向に予備圧縮した状態で、両端を相手材に取り付けることが好ましい。
すなわち、本発明の吸気ホースは、両端が被取付部材に取り付けられた取付状態で、各前記縦壁部が各前記斜壁部の径方向内方に入り込むように、前記蛇腹部が軸方向に圧縮されることが好ましい。
また、本発明の吸気ホースの取付構造は、複数の山部及び谷部が交互に形成された蛇腹部を有する筒状をなし、各前記山部の頂部と各前記谷部の底部とを繋ぐ蛇腹壁部が、各頂部と該頂部の下流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して傾斜して延びる下流側の斜壁部と、各頂部と該頂部の上流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して略直角に延びて該斜壁部よりも長さが短くかつ膜厚が薄い上流側の縦壁部とを備えた、内燃機関の吸気系に配設される吸気ホースと、前記吸気ホースの両端が取り付けられる相手材とからなり、前記吸気ホースの両端が前記相手材に取り付けられた取付状態で、各前記縦壁部が各前記斜壁部の径方向内方に入り込むように、前記蛇腹部が軸方向に圧縮されていることを特徴とするものである。
このように蛇腹部を軸方向に予備圧縮した状態で取り付ければ、取付の初期状態から、斜壁部の径方向内方に入り込んだ縦壁部の径方向内方端たる谷部の底部が、当該縦壁部の径方向外方端たる山部の頂部よりも軸方向において下流側に位置することになる。このため、吸気負圧による斜壁部の前記倒れ込みがより確実に発生するので、斜壁部における剛性が確実に高まり、負圧に対する効力がより増大する。したがって、吸気負圧により蛇腹部が閉塞する方向に潰れるように変形することをより確実に抑えることができる。
本発明の吸気ホース及びその取付構造は、スロットルボディやインテークマニホールド等のエンジン側部材と、エアクリーナとを連結するエアクリーナホースに好適に用いることができる。
よって、本発明によれば、高い振動吸収性と高い耐負圧性とを併有するエアクリーナホース等の吸気ホース及びその取付構造を提供することができる。
以下、本発明の吸気ホース及びその取付構造に実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明の吸気ホース及びその取付構造を自動車用のエアクリーナホースに適用したものである。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る吸気ホースの一部を示し、この吸気ホースの中心軸線Oに沿って切った部分断面図である。図2は、この吸気ホースにおける蛇腹形状を示す要部断面部である。図3は、この吸気ホースを相手材に取り付けた取付状態における蛇腹形状を示す要部断面図である。図4は、この吸気ホースに吸気負圧が作用している使用時における蛇腹形状を示す要部断面図である。
図1は、本実施形態に係る吸気ホースの一部を示し、この吸気ホースの中心軸線Oに沿って切った部分断面図である。図2は、この吸気ホースにおける蛇腹形状を示す要部断面部である。図3は、この吸気ホースを相手材に取り付けた取付状態における蛇腹形状を示す要部断面図である。図4は、この吸気ホースに吸気負圧が作用している使用時における蛇腹形状を示す要部断面図である。
なお、図1及び図2は、相手部材に取り付ける前の自然状態における本実施形態に係る吸気ホースを示し、以下の説明において、「自然状態」とは、この状態のことを意味する。また、図3は、相手材に取り付けた取付初期の状態であって、外力が作用していない状態における本実施形態に係る吸気ホースを示し、以下の説明において、「取付状態」とはこの状態のことを意味する。図4は、ホース内に吸気負圧が作用している使用状態における本実施形態に係る吸気ホースを示し、以下の説明において、「使用状態」とは、この状態のことを意味する。
本実施形態に係る吸気ホース1は、EPDM、CRやNBR/PVC等のゴム製又はTPO(熱可塑性ポリオレフィン)製で、筒状の蛇腹部10と、蛇腹部10の軸方向一端側(図1の右側)に一体に設けられた円筒状の第1接続端部20と、蛇腹部1の軸方向他端側(図1の左側)に一体に設けられた円筒状の第2接続端部(図示せず)とから構成されている。
この吸気ホース1は、軸方向一端側の第1接続端部20が相手材としてのエアクリーナ(図示せず)に接続され、軸方向他端側の第2接続端部が相手材としてのスロットルボディ等のエンジン側部材(図示せず)に接続される。このため、使用状態においては、吸気ホース1内で、軸方向一端側から軸方向他端側に向かって図1のA矢印方向に吸気が流れる。したがって、図1においては、図1の右側(軸方向一端側)が上流側となり、図1の左側(軸方向他端側)が下流側となる。
蛇腹部10は、複数の山部11及び谷部12が交互に形成されてなる。この蛇腹部10においては、各山部11の頂部11aと各谷部12の底部12aとを繋ぐ蛇腹壁部が、各頂部11aの下流側に位置する斜壁部13と、各頂部11aの上流側に位置し、斜壁部13よりも長さ(膜長)が短い縦壁部14とから構成されている。
図2に示されるように、各斜壁部13は、各頂部11aと当該頂部11aの下流側に隣接する各底部12aとを繋ぎ、自然状態において中心軸線Oに対して所定の傾斜角αをもって傾斜して延びている。また、各縦壁部14は、各頂部11aと当該頂部11aの上流側に隣接する各底部12aとを繋ぎ、自然状態において中心軸線Oに対して略直角(β=約90度)に延びている。
自然状態における斜壁部13の中心軸線Oに対する傾斜角αは特に限定されず、蛇腹部10が所定の振動吸収機能を有するように適宜設定することができる。
そして、本実施形態では、縦壁部14の膜厚tが斜壁部13の膜厚Tよりも薄くされている(t<T)。なお、第1接続端部20及び第2接続端部の膜厚は、斜壁部14の膜厚Tと略同等とされている。
また、斜壁部13の長さL1と縦壁部14の長さL2との比L1:L2は、1:0.9〜1:0.5であることが好ましい。斜壁部13の長さL1に対して縦壁部14の長さL2が大きすぎると、蛇腹部10のピッチが小さくなるので特に圧縮側の振動吸収性が低下する。一方、斜壁部13の長さL1に対して縦壁部14の長さL2が小さすぎると、縦壁部14の変形量(伸び量)が不足して耐負圧性を効果的に高めることができないばかりか、縦壁部14が軸方向に変位する変位量が小さくなるので振動吸収性が低下する。なお、本実施形態に係る吸気ホース1では、斜壁部13の長さL1と縦壁部14の長さL2との比L1:L2が、1:0.65程度である。
上記構成を有する本実施形態に係る吸気ホース1は、ゴムの射出成形又は樹脂の射出成形若しくはブロー成形により成形することができる。
すなわち、ゴム又は樹脂の射出成形により吸気ホース1を成形する場合は、例えば、上型と下型との間に、ライナーに接続された中芯型を配置し、上型及び下型と中芯型との間に形成された吸気ホース1の形状に対応するキャビティ内にゴム又は樹脂材料を射出して、膜厚Tの斜壁部14と膜厚tの縦壁部14とをもつ吸気ホース1を成形する。
そして、吸気ホース1を脱型する際は、上下型を型開きしてから、山部11の頂部11aよりも斜壁部13側の軸方向端部、すなわち図1の左側(軸方向他端側)にある吸気ホース1の第2接続端部から吸気ホース1と中芯型との間に筒状の抜き治具を挿入するとともに、同第2接続端部の外面に締め治具を装着する。こうして吸気ホース1の第2接続端部を抜き治具と締め治具とで挟持した状態で、中芯型の端面に向かってエアーを吹き付け、中芯型と抜き治具との間の隙間を介して吸気ホース1内にエアーを進入させることで、吸気ホース1を膨らませる。こうして吸気ホース1を膨らませた状態で、抜き治具及び締め治具と共に吸気ホース1を図1の左側(軸方向他端側)に引き抜くことで、吸気ホース1を脱型する。
また、樹脂のブロー成形により吸気ホース1を成形する場合は、例えば、厚肉部と薄肉部とが軸方向に交互に配置されるとともに、必要に応じてこれら厚肉部及び薄肉部の肉厚が軸方向に徐々に変化するように、パリソンの肉厚を適切に制御することで、膜厚Tの斜壁部14と膜厚tの縦壁部14とをもつ吸気ホース1を得ることができる。
そして、この吸気ホース1は、前述のとおり、軸方向一端側の第1接続端部20が図示しないエアクリーナに取り付けられるとともに、軸方向他端側の第2接続端部が図示しないエンジン側部材に取り付けられて、取付状態とされる(図3参照)。このとき、本実施形態では、蛇腹部10を軸方向に予備圧縮した状態で、吸気ホース1の両端が相手材に取り付けられる。
この取付状態の吸気ホース1においては、各斜壁部13は、自然状態と比べて、上流側により大きく傾いて倒れている。すなわち、取付状態の吸気ホース1における斜壁部13の中心軸線Oに対する傾斜角α1は、自然状態の吸気ホース1における斜壁部13の中心軸線Oに対する傾斜角αよりも小さい(α1<α)。また、取付状態の吸気ホース1における縦壁部14の中心軸線Oに対する傾斜角(上流側において縦壁部14が中心軸線Oとなす角)β1は、自然状態の吸気ホース1における縦壁部14の中心軸線Oに対する傾斜角(上流側において縦壁部14が中心軸線Oとなす角)βよりも小さい(β1<β)。
また、取付状態の吸気ホース1においては、各縦壁部14は、当該縦壁部14の下流側に隣接する各斜壁部13の径方向内方に入り込んでいる。すなわち、各斜壁部13の径方向内方に入り込んだ各縦壁部14の径方向内方端たる谷部12の底部12aが、当該縦壁部14の径方向外方端たる山部11の頂部11aよりも軸方向において下流側に位置している。
使用状態で吸気ホース1内に吸気負圧が作用すると、斜壁部13よりも膜厚が薄くて軟らかい縦壁部14が、斜壁部13の径方向内方に入り込むように変形する(図4参照)。これにより、各斜壁部13はいずれも同一方向への倒れが生じる。すなわち、使用状態における斜壁部13の中心軸線Oに対する傾斜角α2は、取付状態における斜壁部13の中心軸線Oに対する傾斜角α1よりも小さくなる(α2<α1)。なお、使用状態における縦壁部14の中心軸線Oに対する傾斜角β2も、取付状態における縦壁部14の中心軸線Oに対する傾斜角β1よりも小さくなる(β2<β1)。
このように各斜壁部13の内側に各縦壁部14が入り込んで各斜壁部13が同一方向に倒れ込んだ蛇腹部10は、斜壁部13の剛性が高まることで、変形の自由度が規制され、負圧に対する抗力が増大する。
特に、本実施形態に係る吸気ホース1では、蛇腹部10を構成する蛇腹壁部のうち、各山部11において上流側に位置する蛇腹壁部が縦壁部14となり、各山部11において下流側に位置する蛇腹壁部が斜壁部13となっている。このため、上流側から下流側に向かって作用する吸気負圧は、上流側に位置し斜壁部13よりも膜厚が薄くて軟らかい縦壁部14を径方向内方に向かって下流側に引き込むように働く。その結果、縦壁部14は斜壁部13の径方向内方に入り込むように変形する。このため、吸気負圧による斜壁部13の前記倒れ込みが確実に発生する。
したがって、本実施形態に係る吸気ホース1では、ホース内部に吸気負圧が作用しても、蛇腹部10が閉塞する方向に潰れるように変形し難い。よって、流路断面積の低下による吸入量の低下を抑えることができ、エンジンの燃焼室に所望の空気量を供給しやすい。
一方、エンジンの振動は、膜厚が薄くて軟らかい縦壁部14が変形することで効果的に吸収することができる。特に本実施形態に係る吸気ホース1では、斜壁部13の長さL1と縦壁部14の長さL2との比L1:L2が適切に設定されているので、振動吸収性が高い。このため、エンジンの振動が、車両ボディに伝達しにくい。
よって、本実施形態に係る吸気ホース1は、高い振動吸収性を維持しつつ、耐負圧性を高めることができる。
また、本実施形態に係る吸気ホース1では、各縦壁部14が各斜壁部13の径方向内方に入り込むように蛇腹部10を軸方向に予備圧縮した状態で、相手材に取り付けられている。このため、吸気負圧による斜壁部13の前記倒れ込みがより確実に発生するので、斜壁部13における剛性が確実に高まり、負圧に対する効力がより増大する。したがって、吸気負圧により蛇腹部10が閉塞する方向に潰れるように変形することをより確実に抑えることができる。
(実施形態2)
図5に示される本実施形態に係る吸気ホース1は、前記実施形態1に係る吸気ホース1において、蛇腹部10の軸方向一端側(図5の右側)の端部にある縦壁部14を逆傾斜壁部15に変更したものである。
図5に示される本実施形態に係る吸気ホース1は、前記実施形態1に係る吸気ホース1において、蛇腹部10の軸方向一端側(図5の右側)の端部にある縦壁部14を逆傾斜壁部15に変更したものである。
すなわち、この吸気ホース1では、蛇腹部10が、軸方向一端側(図5の右側)の端部に、斜壁部13とは逆向きに傾斜した逆傾斜壁部15を有している。
したがって、本実施形態に係る吸気ホース1では、ゴム又は樹脂の射出成形により成形した吸気ホース1を脱型する際の作業性が向上する。
すなわち、上型及び下型と中芯型との間に形成されたキャビティ内にゴム又は樹脂材料を射出して吸気ホース1を成形した後、吸気ホース1を脱型する際、前述のとおり、上下型を型開きしてから、図5の左側(軸方向他端側)にある吸気ホース1の第2接続端部から吸気ホース1と中芯型との間に筒状の抜き治具を挿入するとともに、吸気ホース1の第2接続端部の外面に締め治具を装着する。そして、中芯型の端面に向かってエアーを吹き付け、中芯型と抜き治具との間の隙間を介して吸気ホース1内に第2接続端部側からエアーを進入させることで、吸気ホース1の蛇腹部10等を膨らませる。このとき、蛇腹部10の軸方向一端側(エアーの進行方向)の端部に逆傾斜壁部15が存在すると、エアーにより第1接続端部20が膨らみ易くなる。また、こうして吸気ホース1を膨らませた状態で、抜き治具及び締め治具と共に吸気ホース1を図5の左側(軸方向他端側)に引き抜く際も、吸光ホース1の第1接続端部20が中芯型から抜け易くなる。したがって、吸気ホース1を脱型する際の作業性が向上する。
その他の構成及び作用効果は前記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
(実施形態3)
図6に示される本実施形態に係る吸気ホース1は、前記実施形態1に係る吸気ホース1において、蛇腹部10の軸方向一端側(図6の右側)の端部にある縦壁部14を逆傾斜湾曲壁部16に変更したものである。
図6に示される本実施形態に係る吸気ホース1は、前記実施形態1に係る吸気ホース1において、蛇腹部10の軸方向一端側(図6の右側)の端部にある縦壁部14を逆傾斜湾曲壁部16に変更したものである。
すなわち、この吸気ホース1では、蛇腹部10が、軸方向一端側(図6の右側)の端部に、斜壁部13とは逆向きに傾斜し、かつ径方向内方側が凸曲面となるように湾曲した逆傾斜湾曲壁部16を有している。
逆傾斜壁部15の代わりに逆傾斜湾曲部16を有する本実施形態に係る吸気ホース1では、逆傾斜壁部15を有する前記実施形態2に係る吸気ホースと同様、エアーにより第1接続端部20が膨らみ易くなり、また第1接続端部20が中芯型から抜け易くなる。したがって、本実施形態に係る吸気ホース1によっても、前記実施形態2に係る吸気ホース1と同様、ゴム又は樹脂の射出成形により成形した吸気ホース1を脱型する際の作業性が向上する。
その他の構成及び作用効果は前記実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
1…吸気ホース 10…蛇腹部
11…山部 12…谷部
11a…頂部 12a…底部
13…斜壁部 14…縦壁部
15…逆傾斜壁部 16…逆傾斜湾曲壁部
11…山部 12…谷部
11a…頂部 12a…底部
13…斜壁部 14…縦壁部
15…逆傾斜壁部 16…逆傾斜湾曲壁部
Claims (5)
- 複数の山部及び谷部が交互に形成された蛇腹部を有する筒状をなし、内燃機関の吸気系に配設される吸気ホースであって、
各前記山部の頂部と各前記谷部の底部とを繋ぐ蛇腹壁部が、各頂部と該頂部の下流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して傾斜して延びる下流側の斜壁部と、各頂部と該頂部の上流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して略直角に延びて該斜壁部よりも長さが短くかつ膜厚が薄い上流側の縦壁部と、を備えていることを特徴とする吸気ホース。 - 両端が相手材に取り付けられた取付状態で、各前記縦壁部が各前記斜壁部の径方向内方に入り込むように、前記蛇腹部が軸方向に圧縮されることを特徴とする請求項1に記載の吸気ホース。
- 前記吸気ホースはエアクリーナホースである請求項1又は2に記載の吸気ホース。
- 複数の山部及び谷部が交互に形成された蛇腹部を有する筒状をなし、各前記山部の頂部と各前記谷部の底部とを繋ぐ蛇腹壁部が、各頂部と該頂部の下流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して傾斜して延びる下流側の斜壁部と、各頂部と該頂部の上流側に隣接する各底部とを繋ぎ、中心軸線に対して略直角に延びて該斜壁部よりも長さが短くかつ膜厚が薄い上流側の縦壁部とを備えた、内燃機関の吸気系に配設される吸気ホースと、
前記吸気ホースの両端が取り付けられる相手材とからなり、
前記吸気ホースの両端が前記相手材に取り付けられた取付状態で、各前記縦壁部が各前記斜壁部の径方向内方に入り込むように、前記蛇腹部が軸方向に圧縮されていることを特徴とする吸気ホースの取付構造。 - 前記吸気ホースはエアクリーナホースである請求項4に記載の吸気ホースの取付構造。
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JP2007095219A JP2008248873A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 吸気ホース及びその取付構造 |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
KR101431082B1 (ko) * | 2011-03-29 | 2014-09-22 | 노르마 저머니 게엠베하 | 방향성 유체 배관 |
JP2018052411A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 株式会社Subaru | 内燃機関の吸気装置 |
JP2018100722A (ja) * | 2016-12-20 | 2018-06-28 | 株式会社ブリヂストン | コルゲート管、複合管、コアピース付きホースおよびコアピース付きホースの製造方法 |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007095219A patent/JP2008248873A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101431082B1 (ko) * | 2011-03-29 | 2014-09-22 | 노르마 저머니 게엠베하 | 방향성 유체 배관 |
US9309999B2 (en) | 2011-03-29 | 2016-04-12 | Norma Germany Gmbh | Directional fluid line |
JP2018052411A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 株式会社Subaru | 内燃機関の吸気装置 |
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