JP2010169024A - 吸気ダクト - Google Patents
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Abstract
【課題】ダクト部の剛性を低減させてエンジンフードの変形をより一層許容することができるとともに、吸気負圧によって空気導入部が変形するのを防止して、吸気を確実に取り入れることができる吸気ダクトを提供すること。
【解決手段】エンジンフード26の下方に設置され、車両の前方から空気を取り入れる空気口24を有するダクト部22と、ダクト部22からエアクリーナに向かって空気を導入する空気導入部23と、ダクト部22の底部22aの内周面からダクト部22の上部22bに向かって突出する支柱30を備え、支柱30を有するダクト部22および空気導入部23がブロー成形によって一体成形される吸気ダクト21において、ダクト部22が熱可塑性エラストマーから構成されるとともに、空気導入部23が熱可塑性エラストマーよりも硬質の材料から構成される。
【選択図】図2
【解決手段】エンジンフード26の下方に設置され、車両の前方から空気を取り入れる空気口24を有するダクト部22と、ダクト部22からエアクリーナに向かって空気を導入する空気導入部23と、ダクト部22の底部22aの内周面からダクト部22の上部22bに向かって突出する支柱30を備え、支柱30を有するダクト部22および空気導入部23がブロー成形によって一体成形される吸気ダクト21において、ダクト部22が熱可塑性エラストマーから構成されるとともに、空気導入部23が熱可塑性エラストマーよりも硬質の材料から構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、吸気ダクトに関し、特に、車両のエンジンフードの下方に設置された吸気ダクトに関する。
自動車等の車両に設けられた吸気ダクトは、外部から取り入れた外気をエアクリーナを介してエンジンに供給することにより、エンジンの燃焼効率を高めてエンジン出力を向上させるものである。
このような吸気ダクトにあっては、車両走行中に外気を効率的に取り入れるために、車体の前方部においてエンジンフード(ボンネット)と車体フレームであるラジエータサポートとの間の隙間に、車体前方に開口する吸気口が位置するように設置される場合がある。
この吸気ダクトには、エンジンの始動により外気を取り入れるとき等に、吸気負圧(吸気によりダクト内圧が大気圧よりも低くなること)が作用する。このため、仮に、吸気ダクトがこの吸気負圧に耐え得る剛性を有していなければ、ダクトの上壁部とダクトの下壁部とが相互に近接するように変形してしまい、場合によっては圧潰的な変形により吸気口が塞がれてしまうおそれがある。そうすると、エンジンに対して必要量の外気が導入されなくなり、エンジンの出力低下等の不都合が発生する。
また、エンジンルーム内の熱風を吸気ダクトが吸込むと、所定量の空気をエンジンに供給するという吸気ダクト本来の機能を果たし得ず、燃焼効率の低下を招いてしまう。そこで、熱風吸込み防止用のフードシールをエンジンフードとダクト上壁部との間の隙間に設けることがある。
ところが、このようにエンジンフード側にシール部材が設けられていると、エンジンフードに外部荷重がかかった場合にその荷重がシール部材を介してダクト上壁部に作用することになる。
ところが、このようにエンジンフード側にシール部材が設けられていると、エンジンフードに外部荷重がかかった場合にその荷重がシール部材を介してダクト上壁部に作用することになる。
このとき、例えば、人の手による程度の外部荷重がエンジンフードに作用した場合に、仮に、吸気ダクトが変形してしまっては、やはりエンジン性能に支障を来す。このため、吸気ダクトには、例えば人の手による程度の外部荷重がエンジンフードに作用した場合であっても、それに耐え得る剛性が必要とされる。したがって、車両用ダクトにおいては、吸気負圧やシール部材を介してエンジンフードから作用する外部荷重に対して、ダクト上部壁が容易に変形しないような対策が求められる。
一方、近年、歩行者保護に関する安全対策の確立が求められており、走行中の車両が歩行者に誤って衝突した場合には、エンジンフード等のボディが適度に変形することで衝突による衝撃を吸収し得るようにした歩行者傷害軽減ボディが開発されるようになってきている。
このような歩行者傷害軽減ボディにあっては、衝撃吸収による歩行者傷害の軽減を効果的に図るために、フードシールを介してエンジンフードの下方に存在する吸気ダクトが、歩行者との衝突時にエンジンフードが凹むように適度に変形することを許容し得るものでなければならない。
このような歩行者傷害軽減ボディにあっては、衝撃吸収による歩行者傷害の軽減を効果的に図るために、フードシールを介してエンジンフードの下方に存在する吸気ダクトが、歩行者との衝突時にエンジンフードが凹むように適度に変形することを許容し得るものでなければならない。
なお、仮に、エンジンフードと吸気ダクトとの間の隙間にフードシールを設けなければ、この隙間の分だけエンジンフードの変形許容量が増大するが、エンジンルーム内のスペース上の制約よりこの隙間を大きく確保することは困難である。
このため、フードシールを設けない場合であっても、エンジンフードが変形すれば、それと略同時にエンジンフードがダクト上壁部に当接してしまうため、やはり吸気ダクトはエンジンフードの適度な変形を許容し得るものでなければならない。
従来のこの種の吸気ダクトとしては、図8、図9に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図8、図9において、吸気ダクトは、ダクト上壁部1と、ダクト上壁部1に離隔して対向配置されて横長の吸気口2および吸気口2から取り入れた外気をエンジン側に供給する吸気通路3をダクト上壁部1と共に形成するダクト下壁部4とを備えており、ダクト上壁部1およびダクト下壁部4の対向端部同士がボルト締めで一体的に接合されることで中空体に形成されている。
なお、この吸気ダクトの吸気口2と反対側の端部は、図示しないエアクリーナに接続可能な図示しない接続口を有している。
なお、この吸気ダクトの吸気口2と反対側の端部は、図示しないエアクリーナに接続可能な図示しない接続口を有している。
この吸気ダクトは、吸気口2を車両の前方(図8中、左側)に向けて、車両のエンジンフード5とラジエータサポート16との間の空間に配設されて使用される。
なお、この吸気ダクトは、ラジエータサポート16上にダクト下壁部4の吸気口2側の開口先端部4aが設置された状態で、開口先端部4aにカラー17が挿通されるとともに、カラー17の内周部にボルト18が挿通され、このボルト18にナット19が螺合されることにより、ラジエータサポート16に固定される。
なお、この吸気ダクトは、ラジエータサポート16上にダクト下壁部4の吸気口2側の開口先端部4aが設置された状態で、開口先端部4aにカラー17が挿通されるとともに、カラー17の内周部にボルト18が挿通され、このボルト18にナット19が螺合されることにより、ラジエータサポート16に固定される。
また、エンジンフード5とダクト上壁部1との間の隙間には、エンジンルーム6内の熱風吸込み防止用のフードシール7が配設されており、このフードシール7は、エンジンフード5の下面に垂下されるようにしてエンジンフード5に取付けられている。このため、矢印aで示す熱気がフードシール7によって遮断される。
なお、ダクト上壁部1およびダクト下壁部4は、いずれもポリエチレン(PE)または、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料から射出成形により平坦トレー状に成形されたものである。
また、ダクト下壁部4には、吸気口2の近傍であって、ラジエータサポート16上に設置される開口先端部4aを除く部位に、ダクト下壁部4から一体に隆起してその隆起先端部とダクト上壁部1とが当接することでダクト上壁部1を支持可能な支柱8が設けられている。
この支柱8の隆起先端部は、ダクト上壁部1の裏面9と非接合状態にあり、ダクト上壁部1の裏面9に点接触によって当接可能で、かつダクト上壁部1の裏面9と滑動可能となされた球状当接滑動部10により構成されている。
また、この支柱8は、基端側の根元部11の中心に対して先端側の球状当接滑動部10の中心が直線Pで示すように、吸気通路3の奥側に所定量ずれる方向にオフセットされている。
このような構成を有する吸気ダクトにあっては、歩行者との衝突によりエンジンフード5が下方に変形してダクト上壁部1が上方から衝撃力を伴って押圧されると、ダクト上壁部1から下方への押圧力が支柱8の球状当接滑動部10に作用する。
このとき、球状当接滑動部10の中心に対して真上から鉛直方向のみに押圧力が作用する可能性は現実的には零に近いことから、ダクト上壁部1から下方に球状当接滑動部10に作用するほとんど全ての押圧力が球状当接滑動部10の中心に対して斜め下方向に作用することになる。
また、支柱8は、根元部11の中心に対して球状当接滑動部10の中心がオフセットされており、球状当接滑動部10がオフセットされている方向に予め傾倒している。このため、この支柱8は、根元部11に対して球状当接滑動部10がオフセットされた方向に傾倒し易くされている。
一方、ラジエータサポート16上に設置されたダクト下壁部4の開口先端部4aよりも車体後方側においては、支柱8の下方には、支柱8の根元部11が下方に変形することを拘束するようなものが存在しないことから、支柱8の根元部11は、ダクト下壁部4から下方側に隆起するような変形が可能である。
このため、エンジンフード5に外部荷重が作用すれば、その全ての外部荷重により、ダクト上壁部1の裏面9と非接合状態にある球状当接滑動部10が裏面9に対して滑動(滑りつつ移動)するとともに支柱8が根元部11で変形する(支柱8が倒れる側の根元部11がダクト下壁部4から下方に隆起するように変形する)ことに伴って、支柱8が斜め下方向に傾倒する。その結果、ダクト上壁部1の沈み込みを伴って、エンジンフード5のさらなる変形が許容される。
しかしながら、このような従来の吸気ダクトにあっては、ダクト上壁部1およびダクト下壁部4がPEまたは、PP等の合成樹脂材料から構成され、ダクト下壁部4から隆起する支柱8を設けることにより、歩行者との衝突によりエンジンフード5が下方に変形したときに、ダクト上壁部1の沈み込みを伴って、支柱8が変形することでエンジンフード5のさらなる変形を許容するようにしているが、ダクト上壁部1およびダクト下壁部4の剛性を充分に低下することができないため、エンジンフード5のより一層の変形を許容することができないおそれがある。
すなわち、上述したように、吸気ダクトは、エンジンの始動時に外気を取り入れるとき等に吸気負圧が作用した場合に、吸気ダクトがこの吸気負圧に耐え得る剛性を有する必要があるため、ダクト上壁部1、ダクト下壁部4および支柱8の剛性を低くすることができない。
したがって、外気を取り入れるときの吸気負圧に耐え得る剛性を確保する必要がある以上、ダクト上壁部1、ダクト下壁部4および支柱8の剛性を低下させるには限界があり、エンジンフード5の変形をより一層許容することを望むことができない。
なお、従来の吸気ダクトでは、フードシール7によってエンジンルーム6内の熱風が吸気ダクトに吸込まれてしまうのを防止しているが、ダクト下壁部4の変形に伴ってラジエータサポート16とダクト下壁部4との間に隙間が形成された場合には、ラジエータサポート16とダクト下壁部4との隙間から、矢印bで示すようにエンジンルーム6の熱風が吸込まれてしまうおそれがある。
このため、図9に示すように、ラジエータサポート16とダクト下壁部4の間にスポンジ等のシール部材20を介装してラジエータサポート16とダクト下壁部4の隙間を埋める必要があり、このようにすると、部品点数が増大して吸気ダクトの製造コストが増大してしまう。
また、吸気ダクトは、ダクト下壁部4がカラー17、ボルト18およびナット19によってラジエータサポート16に取付けられているため、吸気ダクトの取付けのための部品点数が増大して吸気ダクトの製造コストが増大してしまう。
また、吸気ダクトと別体のエンジンフード5に設けられたフードシール7によって熱風の吸込みを防止するようにしているため、部品点数が増大して吸気ダクトの製造コストが増大してしまう。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、ダクト部の剛性を低減させてエンジンフードの変形をより一層許容することができるとともに、吸気負圧によって空気導入部が変形するのを防止して、吸気を確実に取り入れることができる吸気ダクトを提供することを目的とする。
本発明に係る吸気ダクトは、上記目的を達成するため、(1)エンジンフードの下方に設置され、車両の前方から空気を取り入れる空気口を有するダクト部と、前記ダクト部からエアクリーナに向かって空気を導入する空気導入部と、前記ダクト部に設けられ、前記ダクト部の底部内周面から前記ダクト部の上部内周面に向かって突出する支柱とを備え、前記支柱を有するダクト部および前記空気導入部がブロー成形によって一体成形される吸気ダクトにおいて、前記ダクト部が熱可塑性エラストマーから構成されるとともに、前記空気導入部が前記熱可塑性エラストマーよりも硬質の材料から構成されている。
この構成により、支柱を有するダクト部を熱可塑性エラストマーから構成するとともに、ダクト部と一体成形される空気導入部を熱可塑性エラストマーよりも硬質の材料から構成したので、例えば、人の手による程度の外部荷重がエンジンフードに作用した場合に、支柱によりダクト部の上部に加わる外部荷重を支えることができるため、吸気ダクトが変形するのを防止することができ、外気を確実に取り入れてエンジン性能が低下するのを防止することができる。
また、ダクト部の剛性を従来よりも低くすることができるので、エンジンフードに大きな外力が加わって変形したときに、ダクト部の上部が底部側に撓むことで、ダクト部をエンジンフードの変形に追随して変形させることができる。このため、エンジンフードの変形をより一層許容することができ、走行中の車両が歩行者に誤って衝突した場合等には、歩行者への衝撃を緩和することができる。
また、ダクト部の剛性を従来よりも低くすることができるため、ダクト部の上部が底部側に撓んだ場合に、ダクト部を元の状態に容易に復帰させることができ、ダクト部の上部と底部との隙間を確保することができる。このため、ダクト部が外気を取り入れるための空気口を確保してエンジン性能が低下するのを防止することができるとともに、吸気ダクトの再利用を図ることができる。
また、空気導入部の剛性がダクト部の剛性よりも大きいので、吸気負圧によって空気導入部が変形するのを防止して、吸気を確実に取り入れることができ、エンジン性能が低下するのを防止することができる。
このように、エンジンフードの変形のより一層の許容と、吸気負圧による空気導入部の変形の抑制との両立を図ることができる。
上記(1)に記載の吸気ダクトにおいて、(2) 前記ダクト部の上部外周面に前記ダクト部の幅方向に亘って設けられ、前記エンジンルームを閉塞した状態にある前記エンジンフードの下面に当接自在なフードシールと、前記ダクト部の底部外周面に設けられ、車体フレームに形成された開口部に抜け止め係止される係止突起と、前記ダクト部の底部外周面に前記ダクト部の幅方向に亘って設けられ、車体フレーム側に向かって突出する突部とがブロー成形によって前記ダクト部に一体成形されるものから構成されている。
この構成により、ブロー成形によってダクト部に一体形成されたフードシールの上端をエンジンフードに当接させることにより、ダクト部の上方からエンジンルーム内の熱風が吸気ダクトに吸込まれてしまうのを防止することができる。
また、ブロー成形によってダクト部に一体成形された係止突起を車体フレームの開口部に抜け止め係止することにより、ダクト部を車体フレームに固定することができる。また、係止突起が熱可塑性エラストマーから構成されるので、ダクト部が大きく変形したときに、係止突起が変形して車体フレームの開口部から抜け出るので、吸気ダクトを破損し難くすることができ、吸気ダクトを再利用することができる。
また、係止突起を車体フレームの開口部に抜け止め係止させたときに、底部外周面から突出する突部がダクト部の底部を押圧することにより、突部を上部側に撓ませることで、エンジンルーム内の熱風によりダクト部が変形した場合に、突部がダクト部の底部から突出しようと弾性変形しようとして車体フレームに押し付けられるので、突部と車体フレームの間に隙間が形成されないようにすることができる。このため、ダクト部の下方からエンジンルーム内の熱風が吸気ダクトに吸込まれてしまうのを防止することができる。
このようにフードシール、係止突起および突部をブロー成形によってダクト部に一体成形したので、吸気ダクトの部品点数が増大するのを防止して、吸気ダクトの製造コストを低減することができる。
本発明によれば、ダクト部の剛性を低減させてエンジンフードの変形をより一層許容することができるとともに、吸気負圧によって空気導入部が変形するのを防止して、吸気を確実に取り入れることができる吸気ダクトを提供することができる。
以下、本発明に係る吸気ダクトの実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、構成を説明する。
まず、構成を説明する。
図1、図2において、吸気ダクト21は、ダクト部22およびダクト部22と一体的に設けられた空気導入部23とを備えている。
ダクト部22は、サントプレーン(登録商標)等の熱可塑性エラストマーから構成されており、空気導入部23は、サントプレーンよりも硬質のポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料から構成されている。なお、熱可塑性エラストマーは、常温ではゴム弾性を有し、高温で可塑化される高分子材料である。
この吸気ダクト21は、ブロー成形によって材料の異なるダクト部22および空気導入部23が一体成形されている。
例えば、第1の押出機からサントプレーンを押出してサントプレーンを第1の流路を介してノズルからパリソンとして垂下した後に、第1の押出機を閉弁して第2の押出機からサントプレーンとは異なるPEまたはPPを押出して、このPEまたはPPが第2の流路を介してノズルからパリソンとして垂下させる。このパリソンが、サントプレーンとPEまたはPPが連続したパリソンとなり、このパリソンを用いてブロー成形を行うことにより、吸気ダクト21を成形する。
ダクト部22には、車両の前方から空気を取り入れる空気口24が形成されており、空気口から取り入れた空気を空気導入部23に導入するようになっている。空気導入部23は、後端開口が図示しないエアクリーナに接続されており、ダクト部22から取り入れられた空気をエアクリーナに導入するようになっている。
吸気ダクト21は、図3に示すように、エンジンルーム25内に収納されており、このエンジンルーム25を覆うエンジンフード26の下方に設置されている。
また、車両の車体前部(エンジンルーム25の前部)には、車両の左右方向に延在するように、車体フレームとしての鉄製のラジエータサポート27が設けられており、このラジエータサポート27の下方にはラジエータ33が支持されている。
このラジエータサポート27にはダクト部22が取付けられるようになっており、ダクト部22の前方にはラジエータサポート27に固定される一対の取付けアーム28a、28bが形成されている。この取付けアーム28a、28bは、ダクト部22の底部22aの一部が前方に延出したものであり、取付けアーム28a、28bはダクト部22の底部22aに含まれる。
この取付けアーム28a、28bの下面には係止突起29が設けられており、この係止突起29は、ブロー成形によりダクト部22と一体的に成形される。この係止突起29は、図4(b)に示すように、ラジエータサポート27の開口部27aよりも大径に形成されており、係止突起29が開口部27aに挿通されたときにラジエータサポート27の下面に係止して、ラジエータサポート27に抜け止め係止されるようになっている。また、係止突起29の内部には、ブロー成型時に空洞部29aが形成されている(図2参照)。
また、ダクト部22の底部22aの幅方向略中央部には支柱30が形成されており、この支柱30は、ブロー成形によりダクト部22と一体的に成形されている。
支柱30は、図4(a)に示すように、ダクト部22の底部22aをダクト部22の上部22b側に折り曲げることにより、ダクト部22の底部22aからダクト部22の上部22bの内周面に向かって突出しており、先端部が上部22bに当接または微小な隙間を介して近接するようになっている。
また、ダクト部22の上部22bの外周面にはフードシール31が形成されており、このフードシール31は、図4(a)に示すように、ダクト部22の上部22bを上方に折り曲げることにより、ダクト部22の上部22bから上方に突出している。なお、図4(a)は、ダクト部22の断面図であり、図4(b)は、図4(a)のC−C方向矢視断面図である。
このフードシール31は、ダクト部22の幅方向に亘って設けられており、エンジンフード26を閉塞した状態にあるエンジンフード26の下面に当接自在になっている。また、ダクト部22の底部22aの外周面には突部32が形成されており、突部32は、図5(a)に示すように、ダクト部22の底部22aを下方に折り曲げることにより、ダクト部22の底部22aから下方に向かって突出している。
この突部32は、ラジエータサポート27の上面に当接し、係止突起29がラジエータサポート27の開口部27aを通してラジエータサポート27に抜け止めされたときに、ラジエータサポート27に押し付けられることにより、図5(b)に示すように平坦状に弾性変形してラジエータサポート27の上面に密着するようになっている。
このように本実施の形態では、ダクト部22に係止突起29、支柱30および突部32がブロー成形によって一体成形されている。
このような構成を有する吸気ダクト21にあっては、支柱30を有するダクト部22を熱可塑性エラストマーから構成するとともに、ダクト部22と一体成形される空気導入部23をPEまたはPPから構成したので、例えば、人の手による程度の外部荷重がエンジンフード26に作用した場合に、支柱30によりダクト部22の上部22bに加わる外部荷重を支えることができるため、吸気ダクト21が変形するのを防止することができ、ダクト部22の空気口24から車両の前方の空気を取り入れることができ、エンジン性能が低下するのを防止することができる。
また、ダクト部22を熱可塑性エラストマーから構成してダクト部22の剛性を従来よりも低くすることができるので、エンジンフード26に歩行者が衝突する等して大きな外力が加わってダクト部22が変形したときに、図6に示すように、ダクト部22の上部22bが底部22a側に撓むことで、ダクト部22をエンジンフード26の変形に追随して変形させることができる。このため、エンジンフード26の変形をより一層許容することができ、走行中の車両が歩行者に誤って衝突した場合等には、歩行者への衝撃を緩和することができる。
また、ダクト部22の剛性を従来よりも低くすることができるため、ダクト部22の上部22bが底部22a側に撓んだ場合に、ダクト部22を元の状態に容易に復帰させることができ、ダクト部22の上部22bと底部22aとの隙間を確保することができる。このため、ダクト部22が外気を取り入れるための空気口24を確保してエンジン性能が低下するのを防止することができるとともに、吸気ダクト21の再利用を図ることができる。
また、空気導入部23の剛性をダクト部22の剛性よりも大きくしたので、吸気負圧によって空気導入部23が変形するのを防止して、ダクト部22から吸気を確実に取り入れることができ、エンジン性能が低下するのを防止することができる。
本実施の形態では、このように、エンジンフード26の変形のより一層の許容と、吸気負圧による空気導入部23の変形の抑制との両立を図ることができる。
また、本実施の形態では、ブロー成形によってダクト部22の上面にフードシール31を一体成形し、このフードシール31の上端をエンジンフード26に当接させることにより、図4(a)の矢印cで示すように、ダクト部22の上方からエンジンルーム25内の熱風が空気口24を通して吸気ダクト21に吸込まれてしまうのを防止することができる。
また、ブロー成形によってダクト部22に係止突起29を一体成形し、この係止突起29をラジエータサポート27の開口部27aに抜け止め係止することにより、ダクト部22をラジエータサポート27に固定することができる。
また、係止突起29が熱可塑性エラストマーから構成されるので、ダクト部22が大きく変形したときに、係止突起29が変形してラジエータサポート27の開口部27aから抜け出るので、吸気ダクト21を破損し難くすることができ、吸気ダクト21を再利用することができる。
また、係止突起29をラジエータサポート27の開口部27aに抜け止め係止させたときに、図5(b)に示すように、底部22aの外周面から下方に突出する突部32がダクト部22の底部22aを押圧することにより、突部32を上部22b側に撓ませることで、図5(c)に示すように、エンジンルーム25内の熱風によりダクト部22が変形した場合に、突部32がダクト部22の底部22aから突出しようと弾性変形しようとしてラジエータサポート27に押し付けられるので、突部32とラジエータサポート27の間に隙間が形成されないようにすることができる。このため、図4(a)で矢印dで示すようにダクト部22の下方からエンジンルーム25内の熱風が吸気ダクト21に吸込まれてしまうのを防止することができる。
このようにフードシール31、係止突起29および突部32をブロー成形によってダクト部22に一体成形したので、吸気ダクト21の部品点数が増大するのを防止して、吸気ダクト21の製造コストを低減することができる。
なお、本実施の形態では、取付けアーム28a、28bに係止突起29を設けているが、これに限らず、図7に示すようにピンによって取付けアーム28a、28bを位置決めするようにしてもよい。
図7に示すように、取付けアーム28a、28bの下面に軸線方向に亘って同一径のピン41を設け、このピン41をラジエータサポート27の開口部27aに挿通して取付けアーム28a、28bをラジエータサポート27に位置決めするようにしてもよい。
この場合には、エンジンフード26によってフードシール31を強く押圧することにより、ラジエータサポート27にダクト部22を押し付けることで吸気ダクト21をラジエータサポート27に支持すればよい。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る吸気ダクトは、ダクト部の剛性を低減させてエンジンフードの変形をより一層許容することができるとともに、吸気負圧によって空気導入部が変形するのを防止して、吸気を確実に取り入れることができるという効果を有し、車両のエンジンフードの下方に設置された吸気ダクト等として有用である。
21 吸気ダクト
22 ダクト部
22a 底部
22b 上部
23 空気導入部
24 空気口
25 エンジンルーム
26 エンジンフード
27 ラジエータサポート(車体フレーム)
27a 開口部
29 係止突起
30 支柱
31 フードシール
32 突部
22 ダクト部
22a 底部
22b 上部
23 空気導入部
24 空気口
25 エンジンルーム
26 エンジンフード
27 ラジエータサポート(車体フレーム)
27a 開口部
29 係止突起
30 支柱
31 フードシール
32 突部
Claims (2)
- エンジンフードの下方に設置され、車両の前方から空気を取り入れる空気口を有するダクト部と、前記ダクト部からエアクリーナに向かって空気を導入する空気導入部と、前記ダクト部に設けられ、前記ダクト部の底部内周面から前記ダクト部の上部内周面に向かって突出する支柱とを備え、前記支柱を有するダクト部および前記空気導入部がブロー成形によって一体成形される吸気ダクトにおいて、
前記ダクト部が熱可塑性エラストマーから構成されるとともに、前記空気導入部が前記熱可塑性エラストマーよりも硬質の材料から構成されることを特徴とする吸気ダクト。 - 前記ダクト部の上部外周面に前記ダクト部の幅方向に亘って設けられ、前記エンジンルームを閉塞した状態にある前記エンジンフードの下面に当接自在なフードシールと、前記ダクト部の底部外周面に設けられ、車体フレームに形成された開口部に抜け止め係止される係止突起と、前記ダクト部の底部外周面に前記ダクト部の幅方向に亘って設けられ、車体フレーム側に向かって突出する突部とがブロー成形によって前記ダクト部に一体成形されることを特徴とする請求項1に記載の吸気ダクト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009013114A JP2010169024A (ja) | 2009-01-23 | 2009-01-23 | 吸気ダクト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009013114A JP2010169024A (ja) | 2009-01-23 | 2009-01-23 | 吸気ダクト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010169024A true JP2010169024A (ja) | 2010-08-05 |
Family
ID=42701397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009013114A Pending JP2010169024A (ja) | 2009-01-23 | 2009-01-23 | 吸気ダクト |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010169024A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014234734A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | 日産自動車株式会社 | 吸気マニホールド |
JP2015200235A (ja) * | 2014-04-09 | 2015-11-12 | 本田技研工業株式会社 | 吸気装置 |
-
2009
- 2009-01-23 JP JP2009013114A patent/JP2010169024A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014234734A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | 日産自動車株式会社 | 吸気マニホールド |
JP2015200235A (ja) * | 2014-04-09 | 2015-11-12 | 本田技研工業株式会社 | 吸気装置 |
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