JP3480715B2 - ブロー成形による樹脂チューブの製造方法及びそれに用いられる押出しダイ - Google Patents

ブロー成形による樹脂チューブの製造方法及びそれに用いられる押出しダイ

Info

Publication number
JP3480715B2
JP3480715B2 JP2000157865A JP2000157865A JP3480715B2 JP 3480715 B2 JP3480715 B2 JP 3480715B2 JP 2000157865 A JP2000157865 A JP 2000157865A JP 2000157865 A JP2000157865 A JP 2000157865A JP 3480715 B2 JP3480715 B2 JP 3480715B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
die
peripheral surface
gap
parison
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000157865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001334566A (ja
Inventor
明 高木
幸則 興梠
Original Assignee
東和ブロー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東和ブロー株式会社 filed Critical 東和ブロー株式会社
Priority to JP2000157865A priority Critical patent/JP3480715B2/ja
Publication of JP2001334566A publication Critical patent/JP2001334566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3480715B2 publication Critical patent/JP3480715B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ブロー成形による樹脂チューブ
の製造方法及びそれに用いられる押出しダイ、並びに樹
脂チューブに係り、特に、三次元ブロー成形の如き上型
と下型とを用いたブロー成形によって樹脂チューブを製
造する際に、好適に採用され得る樹脂チューブの製造方
法と、そのような樹脂チューブの製造方法を実施するに
あたって、該樹脂チューブを与えるパリソンを成形する
際に有利に使用され得る押出しダイと、かかる樹脂チュ
ーブの製造方法によって製造される、新規な構成を有す
る樹脂チューブに関するものである。
【背景技術】
【0002】従来から、樹脂チューブを製造する方法の
一つとして、ブロー成形による方法が、知られている。
そして、近年では、特に、三次元的に屈曲せしめられて
なる如き複雑な形状を有する樹脂チューブを製造する際
には、かかる樹脂チューブに対応した屈曲形状を呈する
成形キャビティ内にパリソンを屈曲せしめて収容した
後、このパリソンの内部に圧縮空気を吹き込んで、目的
とする樹脂チューブを得る、所謂三次元ブロー成形が、
多く採用されてきている。
【0003】ところで、よく知られているように、三次
元ブロー成形においては、上下方向に対向配置された上
型と下型とからなるブロー成形用金型が用いられ、所定
の押出し機にて押出し成形されたパリソンが、かかるブ
ロー成形用金型の下型に設けられた屈曲形状を呈するキ
ャビティ面上に載置された状態で、下型と上型とが型合
わせされて、それらの間に形成された成形キャビティ内
に収容されることとなる。
【0004】このため、そのような三次元ブロー成形を
実施した場合、成形キャビティ内に収容されたパリソン
の内部に圧縮空気を吹き込む前に、パリソンの下型キャ
ビティ面との接触部分が該キャビティ面に熱を奪われ
て、他の部分に比して柔軟性が低下してしまい、それに
よって、圧縮空気の吹き込みによるパリソンの膨張変形
時に、下型キャビティ面との接触部分に変形不足が生じ
ることがあり、また、かかるパリソンの膨張変形時にお
いて、パリソンの下型キャビティ面との接触部分と該キ
ャビティ面との間で接触抵抗が不可避的に生じるため、
この接触抵抗によって、該パリソンの下型キャビティ面
との接触部分の変形量が、その他の部分の変形量よりも
小さくなってしまうのである。
【0005】従って、三次元ブロー成形の如き上型と下
型とを用いたブロー成形によって樹脂チューブを製造す
る従来手法では、得られた樹脂チューブにおいて、成形
キャビティ内で下型側に位置する部分の肉厚が、それ以
外の部分の肉厚よりも厚くなる、所謂偏肉が発生するこ
とが避けられず、それが極めて大きな問題となっていた
のである。また、そのようにして製造された樹脂チュー
ブにあっても、材料の無駄となる厚肉部分や強度の低い
薄肉部分を有することとなり、それによって、歩留りの
低いものとなったり、或いは部分的に強度が不足する不
良品となったりするといった問題が内在していたのであ
る。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その第一の課題
とするところは、上型と下型とを用いたブロー成形によ
り樹脂チューブを製造するに際して、パリソンの下型キ
ャビティ面との接触に起因する樹脂チューブにおいての
偏肉の発生が解消乃至は抑制され得、以て可及的に均一
な肉厚を有する樹脂チューブが有利に製造され得る方法
を提供することにある。また、本発明にあっては、その
ようなブロー成形による樹脂チューブの製造方法の実施
時において、パリソンを成形する際に好適に使用され得
る押出しダイを提供することを、第二の課題とするもの
であり、更に、材料の無駄となる厚肉部分や強度の低い
薄肉部分等が無く、可及的に均一な肉厚を有し、以て優
れた歩留りと十分な強度とが安定的に確保され得る樹脂
チューブを提供することを、第三の課題とするものであ
る。
【0007】
【解決手段】そして、本発明者等は、それらの課題を解
決するために種々検討を重ねた結果、外側と内側とに二
重に位置せしめられた二つの筒状の樹脂層を有し、更
に、そのような外側樹脂層と内側樹脂層の互いの対向面
間に、軸方向に延びる隙間が設けられてなる構造のパリ
ソンを、上型と下型との間に形成される成形キャビティ
内に収容せしめて、該パリソンの内側樹脂層の内部に圧
縮空気を吹き込むことによりブロー成形を行った場合に
は、得られる樹脂チューブにおいて、偏肉の発生が有利
に抑えられ得ることを見い出したのである。
【0008】なお、このような外側樹脂層と内側樹脂層
と、それらの間の隙間からなる空気層の三層構造を有す
るパリソンの使用による偏肉発生の抑制作用は、以下に
示す如き理由によるものと推察される。即ち、上述の如
き三層構造を有するパリソンを下型キャビティ面上に載
置した場合には、パリソンの外側樹脂層における下型キ
ャビティ面との接触部分が、該下型キャビティ面に熱を
奪われて、柔軟性が低下してしまうものの、内側樹脂層
は、かかる外側樹脂層と内側樹脂層との間に設けられた
空気層の断熱作用により、外側樹脂層の部分的な温度の
低下の影響を何等受けることなく、十分な柔軟性が、全
周にわたって安定的に確保され得ることとなる。このた
め、内側樹脂層内に圧縮空気が吹き込まれた際に、内側
樹脂層は、周方向においてムラなく均等に膨張変形せし
められ、また、外側樹脂層も、十分な柔軟性が確保され
た、下型キャビティ面との非接触部分は勿論、柔軟性が
低下せしめられた、下型キャビティ面との接触部分にお
いても、内側樹脂層の膨張変形に伴って、該内側樹脂層
により直接に、或いは空気層を介して外側に押圧される
ようにして、膨張せしめられ、それによって、外側樹脂
層の下型キャビティ面との接触部分での変形不足の発生
が有利に解消乃至は抑制され得、その結果として、最終
的に得られる樹脂チューブにおける偏肉の発生が抑えら
れると考えられるのである。
【0009】また、上述の如き三層構造のパリソンにお
いては、外側と内側とに二つの樹脂層が位置せしめられ
ていることによって、一つの樹脂層からなるパリソンに
比べて変形強度が大きくされており、そのため、下型キ
ャビティ面上に載置された際の重力による変形量が小さ
くされて、外側樹脂層の下型キャビティ面に対する接触
面積が小さく為され得、その結果、内側樹脂層内への圧
縮空気の吹込みによる膨張変形時において、外側樹脂層
と下型キャビティ面との接触抵抗が減少せしめられ得る
こととなるのであり、これによっても、最終的に得られ
る樹脂チューブにおける偏肉の発生が抑えられると考え
られるのである。
【0010】すなわち、本発明は、このような知見に基
づいて完成されたものであって、その要旨とするところ
は、筒状のパリソンを成形する一方、上下方向に対向配
置された上型と下型との間に形成される、目的とする樹
脂チューブを与える成形キャビティ内に、該パリソンを
収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、該
樹脂チューブを製造するに際して、筒形状を呈し、外周
面に、軸方向に延びる外側突条が周方向に間隔をおいて
複数設けられた内側樹脂層を形成する一方、該内側樹脂
層の外周寸法よりも大きな内周寸法を有する筒形状を呈
し、内周面に、軸方向に延びる内側突条が周方向に間隔
をおいて複数設けられた外側樹脂層を、該内側樹脂層の
外側に、周方向において互いに隣り合う前記内側突条同
士の間における該内側樹脂層との対向面間に気体を吹き
込みながら、該内側突条のそれぞれの先端面が、それら
に対応する該内側樹脂層の前記複数の外側突条の先端面
にそれぞれ接触すると共に、該気体が吹き込まれる該内
側樹脂層との対向面間に、軸方向に延びる隙間が設けら
れて位置するように形成して、前記パリソンを、該外側
樹脂層と該内側樹脂層と、それらの間に設けられた該隙
間にて形成される、軸方向に延びる気体層とからなる三
層構造をもって成形するようにしたことを特徴とする、
ブロー成形による樹脂チューブの製造方法にある。
【0011】このような本発明に従う、ブロー成形によ
る樹脂チューブの製造方法は、内側樹脂層の外周寸法よ
りも大きな内周寸法を有する外側樹脂層の内周面に、周
方向に間隔おいて軸方向に延びるように設けられた複数
の内側突条を、その先端面において、それらの対応する
内側樹脂層の外周面に設けられた複数の外側突条の先端
面に接触せしめて、外側樹脂層を、内側樹脂層の外側に
位置せしめて、パリソンを成形するようにしたものであ
るところから、成形されたパリソンにおいて、外側樹脂
層が、内側樹脂層の外側に、周方向において互いに隣り
合う内側突条同士の間における該内側樹脂層との対向面
間に隙間をあけた状態で、安定的に位置せしめられ得る
のであり、しかも、そのようにして内側樹脂層の外側に
外側樹脂層を位置せしめる際に、外側樹脂層と内側樹脂
層との対向面間に気体を吹き込むようにしたものである
ため、外側樹脂層の周方向において互いに隣り合う内側
突条同士の間の部位と、内側樹脂層の周方向において互
いに隣り合う外側突条同士の間の部位とが、十分に離間
せしめられ得て、それらの部位の対向面間に、軸方向に
延びる気体層が確実に形成され得るのである。
【0012】それ故に、かかる本発明手法においては、
外側と内側とに二重に位置せしめられた外側樹脂層と内
側樹脂層とを有し、更に、それら外側及び内側樹脂層の
互いの対向面間に、軸方向に延びる隙間が設けられて、
外側樹脂層と内側樹脂層と、それらの間に設けられた隙
間からなる気体層の三層構造をもって構成されたパリソ
ン、つまり、前述せる如く、上型と下型との間に形成さ
れる成形キャビティ内に収容せしめた状態下でのブロー
アップによっても、成形される樹脂チューブにおける偏
肉の発生が有利に抑えられ得る特徴を発揮するパリソン
が、確実に且つ安定的に成形され得るのである。
【0013】従って、かくの如き本発明に従う、ブロー
成形による樹脂チューブの製造方法によれば、三次元ブ
ロー成形等の上型と下型とを用いたブロー成形により樹
脂チューブを製造するに際して、パリソンの下型キャビ
ティ面との接触に起因する樹脂チューブにおいての偏肉
の発生が解消乃至は抑制され得、以て可及的に均一な肉
厚を有する樹脂チューブが極めて有利に製造され得るこ
ととなるのである。
【0014】なお、本発明において、外側樹脂層の内周
寸法とは、中心軸に対して直角な方向に切断した状態下
での外側樹脂層の横断面における内周部位の周方向寸法
を言い、また、内側樹脂層の外周寸法とは、中心軸に対
して直角な方向に切断した状態下での内側樹脂層の横断
面における外周部位の周方向寸法を意味しており、更
に、筒形状を呈する外側樹脂層と内側樹脂層には、横断
面が円形乃至は楕円形とされた筒形状や外周面がテーパ
面形状とされた筒形状を呈するもの、或いは角筒形状を
呈するもの等、各種の筒形状のものが含まれるのであ
る。
【0015】また、本発明にあっては、前述せる如き第
二の課題を解決するために、筒状の内側樹脂層と、該内
側樹脂層の外周寸法よりも内周寸法の大きな筒状の外側
樹脂層を有するパリソンを成形するための押出しダイで
あって、筒状の外周面を有する心型と、該心型の筒状外
周面の外周寸法よりも内周寸法の大きな内周面を有する
筒形状を呈し、該心型に外挿配置されて、該内周面と該
心型の筒状外周面との間で、該心型の軸方向一方側に向
かって開口する第一のダイ間隙を形成し、該第一のダイ
間隙を通じて前記パリソンの前記筒状の内側樹脂層を押
し出して成形する第一の外型と、該第一の外型の外周面
の外周寸法よりも内周寸法の更に大きな内周面を有する
筒形状を呈し、該第一の外型に外挿配置されて、該内周
面と該第一の外型の外周面との間で、前記第一のダイ間
隙の開口側と同一の側に開口する第二のダイ間隙を形成
し、該第二のダイ間隙を通じて前記パリソンの前記筒状
の外側樹脂層を、前記筒状の内側樹脂層の外周面との間
に隙間が形成されるように押し出して成形する第二の外
型とを有して構成されると共に、前記第一の外型におけ
る前記第一のダイ間隙の開口部側端面に、該第一の間隙
と前記第二の間隙とを連通する溝が、該端面の周方向に
間隔をおいて複数設けられて、それら複数の溝内におい
て、該第一の間隙を通じて成形される前記パリソンの内
側樹脂層の外周面と、該第二の間隙を通じて成形される
前記パリソンの外側樹脂層の内周面とに、周方向に間隔
をおいて軸方向に延びる複数の外側突条と複数の内側突
条が、互いに対応するものの先端面同士において相互に
接触せしめられた状態で、それぞれ一体的に形成される
ように構成され、更に、前記第一の外型の内部に、気体
が流通せしめられる気体流通路が、該第一の外型におけ
る前記第一のダイ間隙の前記開口部側端面に向かって延
び出し、且つ該端面における周方向に互いに隣り合う前
記溝同士の間において外部に開口して形成されて、該気
体流通路内を流通せしめられた気体が、該端面の開口部
から、該第一のダイ間隙を通じて成形される前記パリソ
ンの内側樹脂層の外周面と、前記第二のダイ間隙を通じ
て成形される前記パリソンの外側樹脂層の内周面との間
に形成される前記隙間内に吹き出され得るようになって
いることを特徴とする押出しダイをも、その要旨とする
ものである。
【0016】要するに、このような本発明に従う押出し
ダイにおいては、第一のダイ間隙を通じて、筒状の内側
樹脂層が、外周面に、周方向に間隔をおいて軸方向に延
びる複数の外側突条が形成されつつ、押出し成形される
一方で、第二のダイ間隙を通じて、内側樹脂層の外周寸
法よりも大きな内周寸法を有する外側樹脂層が、内周面
に、周方向に間隔をおいて軸方向に延びる複数の内側突
条が形成されつつ、内側樹脂層の外側に、該内側樹脂層
の外周面との間に隙間をおいて位置せしめられ、且つ複
数の内側突条の先端面が、それらに対応する内側樹脂層
の複数の外側突条の先端面に対して、それぞれ接触され
るように押出し成形され得るようになっており、また、
そのような内側樹脂層と外側樹脂層との間の隙間内に気
体が吹き出され得るようになっているのである。
【0017】それ故、本発明に係る押出しダイにあって
は、前述せる如く、外側樹脂層と内側樹脂層と、それら
の間に設けられた軸方向に延びる隙間からなる気体層の
三層構造を有していることによって、上型と下型とを用
いたブロー成形により成形される成形品においての偏肉
の発生が有利に抑えられ得るように構成されたパリソン
が、容易に且つ確実に成形され得るのである。
【0018】従って、かくの如き本発明に従う押出しダ
イにあっては、三次元ブロー成形等の上型と下型とを用
いたブロー成形によって、偏肉がなく、可及的に均一な
肉厚を有する樹脂チューブを製造する際に、極めて有利
に用いられ得ることとなるのである。
【0019】なお、かかる本発明において、心型の筒状
外周面の外周寸法及び第一の外型の外周面の外周寸法と
は、中心軸に対して直角な方向に切断した状態下での心
型の筒状外周面及び第一の外型の外周面のそれぞれの横
断面における外周部位の周方向寸法を言い、また、第一
の外型の内周寸法及び第二の外型の内周寸法とは、中心
軸に対して直角な方向に切断した状態下での第一及び第
二の外型のそれぞれの横断面における内周部位の周方向
寸法を意味している。
【0020】そして、本発明にあっては、また、前述せ
る第三の課題の解決のために、筒形状を呈し、外周面
に、軸方向に延びる外側突条が周方向に間隔をおいて複
数設けられた内側樹脂層を形成する一方、該内側樹脂層
の外周寸法よりも大きな内周寸法を有する筒形状を呈
し、内周面に、軸方向に延びる内側突条が周方向に間隔
をおいて複数設けられた外側樹脂層を、該内側樹脂層の
外側に、周方向において互いに隣り合う前記内側突条同
士の間における該内側樹脂層との対向面間に気体を吹き
込みながら、該内側突条のそれぞれの先端面が、それら
に対応する該内側樹脂層の前記複数の外側突条の先端面
にそれぞれ接触すると共に、該気体が吹き込まれる該内
側樹脂層との対向面間に、軸方向に延びる隙間が設けら
れて位置するように形成することにより、該外側樹脂層
と該内側樹脂層と、それらの間に設けられた該隙間にて
形成される、軸方向に延びる気体層とからなる三層構造
をもって成形されたパリソンを用い、これをブロー成形
することによって製造されていることを特徴とする樹脂
チューブをも、その要旨とするものである。
【0021】このような本発明に従う樹脂チューブにお
いては、三次元ブロー成形等の上型と下型とを用いたブ
ロー成形によっても、偏肉がなく、可及的に均一な肉厚
をもって構成され得るのである。
【0022】従って、かかる本発明に従う樹脂チューブ
にあっては、材料の無駄となる厚肉部分や強度の低い薄
肉部分等を殆ど有することがなく、それによって、優れ
た歩留りと十分の強度とが安定的に確保され得ることと
なるのである。
【0023】なお、このような本発明に従う樹脂チュー
ブにおいては、内側樹脂層と外側樹脂層を与える樹脂材
料として、公知の樹脂材料が、樹脂チューブの用途や必
要とされる特性等に応じて適宜に選択されて、使用さ
れ、それら内側樹脂層と外側樹脂層とが、同一の樹脂材
料にて、或いは互いに異なる樹脂材料にて構成されるこ
ととなる。
【0024】また、本発明に従う樹脂チューブの好まし
い態様の一つによれば、前記内側樹脂層によって与えら
れる内側層が、周方向において互いに隣り合う前記外側
突条同士の間の外周面において、前記外側樹脂層によっ
て与えられる外側層の内周面に接触せしめられて構成さ
れることとなる。これによって、樹脂チューブの肉厚
が、より一層有利に均一化され得るのである。
【0025】さらに、本発明に従う樹脂チューブの別の
望ましい態様の一つによれば、前記内側樹脂層によって
与えられる内側層と前記外側樹脂層によって与えられる
外側層とが、周方向において互いに隣り合う前記外側突
条同士の間の外周面と、周方向において互いに隣り合う
前記内側突条同士の間の内周面との間に、軸方向に延び
る隙間を有して位置せしめられて構成される。
【0026】このような構成を採用すれば、内側樹脂層
によって与えられる内側層と外側樹脂層によって与えら
れる外側層との間に設けられた軸方向に延びる隙間に
て、樹脂チューブの内部から外部或いは外部から内部へ
の熱の伝達を遮断乃至は緩衝せしめる断熱層が形成され
得、それによって、優れた断熱性能が極めて効果的に発
揮され得るのである。そして、特に、かかる構成を有す
る樹脂チューブにおいて、その用途や要求特性等に応じ
て、内側樹脂層と外側樹脂層とを互いに種類の異なる樹
脂材料にて構成すれば、より優れた機能性をもって、よ
り広範囲の用途において有利に適用され得るのであり、
例えば、内側樹脂層を柔軟性に富んだ軟質の樹脂材料に
て構成する一方、外側樹脂層を、内側樹脂層を与える樹
脂材料よりも固い硬質の樹脂材料にて構成した場合に
は、樹脂チューブの内部から外部への音の伝達が有利に
遮断乃至は抑制され得るといった利点が得られ、以て、
例えば、樹脂チューブ内の吸入空気の流通による音の発
生を解消乃至は抑制し得るエンジン用吸入樹脂チューブ
等として、極めて有利に用いられ得ることとなるのであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明に係るブロー成形による樹脂チ
ューブの製造方法の具体的な構成について、かかる製造
方法によって製造される樹脂チューブと、該製造方法に
好適に使用される押出しダイス、更には、該製造方法に
従う樹脂チューブの製造工程を、それぞれ示す図面を参
照しつつ、詳細に説明することとする。
【0028】先ず、図1及び図2には、本発明手法に従
って製造された樹脂チューブの一例が、その正面形態と
横断面形態とにおいて、概略的に示されている。それら
の図からも明らかなように、樹脂チューブ10は、全体
として、二次元的に屈曲せしめられた円筒形状を呈して
おり、同一の樹脂材料からなる、内側層としての内側筒
体12と、外側層としての外側筒体14とを有して、構
成されている。また、この樹脂チューブ10を与える内
側筒体12の外周面には、所定高さ突出し、且つ内側筒
体12の全長にわたって軸方向に連続して延びる複数
(ここでは8個)の外側連結突起16が、周方向に等間
隔をおいて一体的に形成されており、更に、外側筒体1
4の内周面には、それら外側連結突起16と略同一の高
さをもって突出し、且つ外側筒体14の全長にわたって
軸方向に連続して延びる複数(ここでは8個)の内側連
結突起18が、周方向に等間隔をおいて一体的に形成さ
れている。そして、そのような内側筒体12と外側筒体
14とが、複数の外側連結突起16と複数の内側連結突
起18の互いに対応するものの先端面同士を互いに密着
せしめ、且つ周方向において互いに隣り合う外側連結突
起16同士の間に位置する内側筒体12の外周面を、周
方向において互いに隣り合う内側連結突起18同士の間
に位置する外側筒体14の内周面に接触せしめた状態
で、一体化せしめられているのである。
【0029】かくして、本実施形態では、内側と外側に
おいて同軸的に位置せしめられた、同一の樹脂材料にて
構成された略円筒状の内側筒体12と外側筒体14とか
らなり、且つそれら内側筒体12と外側筒体14とが、
その外周面と内周面とにおいて、略全周にわたって接着
せしめられた二重筒構造を有する一体品にて、樹脂チュ
ーブ10が構成されているのである。
【0030】ところで、このような樹脂チューブ10
は、例えば、図3に示される如き構造を有するパリソン
20に対してブロー成形を行うことによって、製造され
ることとなる。即ち、このパリソン20は、樹脂チュー
ブ10の内側筒体12を与える内側樹脂層22と、樹脂
チューブ10の外側筒体14を与える、該内側樹脂層2
2と同一の樹脂材料からなる外側樹脂層24とを有し
て、成っている。そして、かかるパリソン20の内側樹
脂層22は、略円筒形状を呈しており、その外周面に、
前記内側筒体12の外側連結突起16を与える外側突条
26が、所定高さ突出し、且つ内側筒体12の全長にわ
たって軸方向に連続して延びるようにして、外側連結突
起16と同一の数(ここでは8個)だけ、周方向に等間
隔をおいて一体的に形成されている。また、外側樹脂層
24は、内側樹脂層22の外径よりも大きな内径を有す
る略円筒形状を呈しており、その内周面に、前記外側筒
体14の内側連結突起18を与える内側突条28が、所
定高さ突出し、且つ外側筒体14の全長にわたって軸方
向に連続して延びるようにして、内側連結突起18と同
一の数(ここでは8個)だけ、周方向に等間隔をおいて
一体的に形成されている。
【0031】そして、このような内側樹脂層22と外側
樹脂層24とが、それぞれ内側と外側において同軸的に
配されると共に、複数の外側突条26と複数の内側突条
28の互いに対応するものの先端面同士を相互に接触せ
しめ、且つ周方向において互いに隣り合う外側突条26
同士の間に位置する内側樹脂層22の外周面と、周方向
において互いの隣り合う内側突条28同士の間に位置す
る外側樹脂層24の内周面との間に、軸方向に連続して
延びる隙間30をそれぞれ形成せしめた状態で、位置せ
しめられているのである。これによって、ここでは、パ
リソン20が、内側と外側とにおいて同軸的に位置せし
められた、同一の樹脂材料からなる内側樹脂層22と外
側樹脂層24と、それらの間に設けられた隙間30にて
形成される、軸方向に延びる空気層32とからなる三層
構造をもって、構成されているのである。
【0032】また、このような構造とされたパリソン2
0は、例えば、図4に示される如き構造を有する押出し
ダイ34を用いることによって、容易に成形され得るこ
ととなる。即ち、かかる押出しダイ34は、ダイ本体3
6と心型38と第一の外型40と第二の外型42とを有
し、それらが一体的に組み付けられて成っている。
【0033】より具体的には、ダイ本体36は、上下方
向に延びる厚肉の略円筒形状を呈しており、押出しダイ
34の外周部位を形成するように位置せしめられてい
る。また、このダイ本体36の軸方向(上下方向)中間
部の外周面には、図示しない押出し機のノズルが取り付
けられる取付穴37と、圧縮空気が流通せしめられる空
気管路(図示せず)の先端が接続される接続穴39とが
設けられており、また、それら取付穴37と接続穴39
の底部には、押出し機のノズルを通じて供給される樹脂
材料を押出しダイ34内部に導びく樹脂材料導入路41
と、空気管路から供給された圧縮空気を押出しダイ34
内部に導く空気導入路43とが、それぞれ形成されてい
る。
【0034】また、心型38は、支持ブッシュ44とマ
ンドレル46とを、更に有して構成されている。この心
型38を構成する支持ブッシュ44は、ダイ本体36の
内径よりも十分に小さな外径をもって上下方向に延びる
略薄肉の円筒形状を呈しており、上端部に、外フランジ
部48が一体的に形成されている。また、かかる支持ブ
ッシュ44においては、その軸方向(上下方向)中間部
に、段差部50が設けられて、かかる段差部50よりも
下側部位が、それよりも上側部位に比して所定寸法小径
化された小径部52とされている。更に、そのような小
径部52の軸方向中間部位には、断面半円形状をもって
所定高さ突出し、且つ周方向に連続して延びる堰状突起
54が、一体的に設けられている。また、この支持ブッ
シュ44にあっては、小径部52の下端部位が、下方に
向かうに従って次第に小径となるテーパ面形状の外周面
を有するテーパ部56とされている。
【0035】一方、マンドレル46は、ダイ本体36よ
りも長尺な細長い円柱形状を呈し、支持ブッシュ44の
内径よりも僅かに小さな外径をもって構成されている。
また、このマンドレル46の中心部には、軸方向(上下
方向)に真っ直ぐに延び、上下の両端面において外部に
開口する空気通路58が設けられている。更に、かかる
マンドレル46においては、下端部位が、下方に向かう
に従って次第に小径となるテーパ面形状の外周面を有す
るテーパ部60とされている。そして、このようなマン
ドレル46が、前記支持ブッシュ44の内孔内に、上下
方向に向かって摺動可能に挿入され、且つその挿入状態
下で、テーパ部60を含む下端部と上端部とを、支持ブ
ッシュ44の内孔から下方及び上方に突出させて、位置
せしめるように組み付けられることにより、心型38が
構成されているのである。
【0036】また、かくの如き構造とされた心型38に
あっては、ダイ本体36の内孔内に、同軸的に挿入さ
れ、且つその挿入状態下で、支持ブッシュ44から下方
に突出せしめられたマンドレル46の下端部と、支持ブ
ッシュ44の外フランジ部48及びマンドレル46の上
端部とを、ダイ本体36の内孔から下方及び上方に突出
させて、位置せしめられている。そして、かかる支持ブ
ッシュ44の外フランジ部48が、その外周部位におい
て、ダイ本体36の上面と、それに対向位置せしめられ
た取付円板62の下面との間で挟持されると共に、それ
らダイ本体36と取付円板62とに対して、ボルト固定
されており、また、マンドレル46の上端部が、取付円
板62の中心部に設けられた貫通孔に対して、上下方向
に摺動可能に挿通せしめられている。これによって、心
型38が、ダイ本体36の内孔内において、その中心部
に、上下方向に延びるようにして同軸的に配置されて、
固定されており、また、そのような固定状態下で、該心
型38のマンドレル46が、ダイ本体36に対して、上
下方向に相対移動せしめられ得るようになっているので
ある。
【0037】さらに、そのようにして心型38が内挿さ
れたダイ本体36の内孔内には、その上部に、スペーサ
ブッシュ64が、その下部内周面と心型38の支持ブッ
シュ44における小径部52の上部外周面との間で環状
空間66を形成せしめつつ、内挿されている。また、こ
の環状空間66は、スペーサブッシュ64の軸方向中間
部位を厚さ方向に貫通する貫通孔68によって、ダイ本
体36の取付孔37の底部に設けられた前記樹脂材料導
入路41に連通せしめられている。
【0038】一方、第一の外型40は、内側と外側にそ
れぞれ位置せしめられた内側ブッシュ70と外側ブッシ
ュ72とを有して構成されている。そして、この内側ブ
ッシュ70は、心型38の支持ブッシュ38の外径より
も一周り大きな内径と、ダイ本体36の内径よりも十分
に小さな外径とをもって、上下方向に延びる略薄肉の円
筒形状を呈しており、その上端部に、ダイ本体36の内
径よりも僅かに小さな外径を有する外フランジ部74
が、一体的に形成されている。また、かかる内側ブッシ
ュ70の下部部位には、心型38の支持ブッシュ38に
おける前記テーパ部56よりも一周り大きなテーパ筒形
状を呈する上側テーパ筒部71と、マンドレル46の前
記テーパ部60よりも一周り大きく、且つテーパ角度も
少し大きなテーパ筒形状を呈する下側テーパ筒部73と
が形成されている。
【0039】一方、外側ブッシュ72は、内側ブッシュ
70の外径よりも一周り大きな内径と、ダイ本体36の
内径よりも十分に小さな外径と、内側ブッシュ70の外
フランジ部74の厚さ分だけ、内側ブッシュ70よりも
短い長さとをもって上下方向に延びる略薄肉の円筒形状
を呈しており、その上端部に、内側ブッシュ70の外フ
ランジ部74と同一外径を有する外フランジ部76が、
一体的に設けられている。また、この外側ブッシュ72
における外フランジ部76の上面には、径方向に連続し
て延びる溝部78が形成されている。更に、かかる外側
ブッシュ72の下部部位には、内側ブッシュ70の前記
上側テーパ筒部71よりも一周り大きなテーパ筒形状と
された上側テーパ筒部75と、内側ブッシュ70の前記
下側テーパ筒部73よりも一周り大きなテーパ筒形状と
された下側テーパ筒部77とが、形成されている。更に
また、この外側ブッシュ72の軸方向中間部の外周面に
は、心型38の支持ブッシュ44の外周面に設けられた
堰状突起54と同様な構造を有する堰状突起80が設け
られている。
【0040】また、図5及び図6に示されるように、こ
こでは、特に、内側ブッシュ70の下端部に、径方向外
方に向かって厚肉化されてなる厚肉部82が設けられて
いる一方、外側ブッシュ72の下端部に、径方向内方に
向かって厚肉化されてなる厚肉部84が設けられてい
る。そして、この内側ブッシュ70の厚肉部82の下面
に、所定深さをもって径方向に連続して延びる矩形溝8
6が、周方向に等間隔をおいて複数(ここでは8個)設
けられており、また、かかる厚肉部82の外周面におい
て、周方向において互いに隣り合う矩形溝86同士の間
の中間位置には、所定深さをもって軸方向に連続して延
びる半円形溝88が、周方向に等間隔をおいて複数(こ
こでは8個)設けられている。一方、外側ブッシュ72
の厚肉部84の下面にも、所定深さをもって径方向に連
続して延びる矩形溝90が、周方向に等間隔をおいて複
数(ここでは8個)設けられており、また、かかる厚肉
部84の外周面において、周方向において互いに隣り合
う矩形溝90同士の間の中間位置にも、所定深さをもっ
て軸方向に連続して延びる半円形溝92が、周方向に等
間隔をおいて複数(ここでは8個)設けられている。
【0041】そして、図4乃至図6からも明らかなよう
に、上述の如き構造とされた内側ブッシュ70の外側
に、外側ブッシュ72を、径方向に間隔をおいて同軸的
に位置せしめつつ、内側ブッシュ70の外フランジ部7
4の下面と外側ブッシュ72の外フランジ部76の上面
とを相互に接触させると共に、内側ブッシュ70の厚肉
部82の外周面と外側ブッシュ72の厚肉部84の内周
面とを、それら両方の厚肉部82,84にそれぞれ設け
られた複数の矩形溝86,90同士と複数の半円形溝8
8,92同士を互いに対応せしめて、相互に接触させた
状態で、それら内側ブッシュ70と外側ブッシュ72と
が組み付けられて、第一の外型40が構成されている。
【0042】これにより、第一の外型40においては、
内側ブッシュ70と外側ブッシュ72との間に、上下方
向に延びる円筒状の空間からなる、気体流通路としての
空気流通路96が形成されており、また、この空気流通
路96が、その上部において、外側ブッシュ72におけ
る外フランジ部76の溝部78と内側ブッシュ70の外
フランジ部74の下面にて囲まれてなる上側連通口98
を通じて、外方に開口せしめられるようになっている。
更に、かかる第一の外側40にあっては、内側ブッシュ
70と外側ブッシュ72のそれぞれの厚肉部82,84
同士の接触部位に、互いに対応せしめられた複数の半円
形溝88,92同士にて、上下方向に延び、且つ該接触
部位の下面において開口する下側連通口100が、周方
向に等間隔をおいて、半円形溝88,92の数と同じ数
(ここでは8個)だけ形成されており、これら複数の下
側連通口100を通じて、空気流通路96が、下方に向
かって開口せしめられている。また、内側ブッシュ70
と外側ブッシュ72のそれぞれの厚肉部82,84同士
の接触部位の下面、つまり第一の外型40の下面には、
互いに対応せしめられた複数の矩形溝86,90同士に
て、径方向に連続して延びる突条形成溝102が、周方
向に等間隔をおいて、矩形溝86,90の数と同じ数
(ここでは8個)だけ形成されている。
【0043】そして、かくの如き構造とされた第一の外
型40が、ダイ本体36の内孔内の下側部位に、心型3
8における支持ブッシュ44の小径部52に対して径方
向に間隔をおいて、該小径部52との間に、前記環状空
間66に連通する円筒状空間104を形成しつつ、同軸
的に挿入せしめられ、また、かかる挿入状態下におい
て、後述する如く、ダイ本体36の上部に固定された心
型38の支持ブッシュ44の外側フランジ部48と、ダ
イ本体36の下部に固定された固定ブッシュ112との
間で、スペーサブッシュ64と第二の外型42の上側ブ
ッシュ108とを介して移動不能に挟持されており、以
て、ダイ本体36の内孔内において位置固定に設けられ
ている。
【0044】かくして、本実施形態では、ダイ本体36
の内孔内における心型38と第一の外型40との間に、
第一のダイ間隙106が、前記環状空間66と円筒状空
間104とにて形成されているのである。そして、この
第一のダイ間隙106が、その上部において、スペーサ
ブッシュ64の貫通孔68を通じて、ダイ本体36に設
けられた取付穴37の樹脂材料導入路41に連通せしめ
られている一方、下部において、心型38のマンドレル
46のテーパ部60と第一の外型40における内側ブッ
シュ70の下側テーパ筒部73との間の隙間を通じて、
下方に向かって開口せしめられている。また、第一の外
型40内に形成された空気流通路96は、上側連通口9
8を通じて、ダイ本体36に設けられた接続穴39の空
気導入路43に連通せしめられているのである。
【0045】なお、前述せる如く、ここでは、第一の外
型40における内側ブッシュ70の下側テーパ筒部73
が、心型38のマンドレル46のテーパ面部60よりも
テーパ角度の大きなテーパ筒形状とされているところか
ら、それら下側テーパ筒部73とテーパ面部60との間
の隙間からなる第一のダイ間隙106の下側部分が下方
に向かうに従って次第に狭くされており、それによっ
て、かかる第一のダイ間隙106の下方への開口幅が、
心型38のマンドレル46の上方への移動に伴って広く
なり、また、該マンドレル46の下方への移動によって
狭くなるようになっている。また、第一のダイ間隙10
6が、心型38の支持ブッシュ44の外周面に設けられ
た堰状突起54により、軸方向中間部位において狭窄化
されていると共に、心型38における支持ブッシュ44
のテーパ部56と第一の外型40における内側ブッシュ
70の上側テーパ筒部71との間と、マンドレル46の
テーパ部60と外側ブッシュ72の下側テーパ筒部73
との間において、下方に向かうに従って徐々に小径化さ
れている。
【0046】また一方、図4に示されるように、第二の
外型42は、上下に位置する上側ブッシュ108と下側
ブッシュ110を有して、構成されている。この第二の
外側42を構成する上側ブッシュ108は、第一の外型
40における外側ブッシュ72の外径よりも一周り大き
な内径と、ダイ本体36の内径よりも僅かに小さな外径
とをもって上下方向に延びる略薄肉円筒形状を呈してお
り、その下端部の内周面が、第一の外型40における外
側ブッシュ72の上側テーパ筒部75よりも一周り大き
なテーパ面形状とされている。また、上側ブッシュ10
8の上部部位には、該上部部位を厚さ方向に貫通する貫
通孔109が、形成されている。一方、下側ブッシュ1
10は、その内周面が、第一の外型40における外側ブ
ッシュ72の下側テーパ筒部77よりも一周り大きなテ
ーパ面形状とされている。
【0047】そして、このような上側ブッシュ108
が、ダイ本体36の内孔内に、第一の外型40における
外側ブッシュ72の上側部位に対して径方向に間隔をお
いて、該外側ブッシュ72との間に、上下方向に延びる
略円筒状の空間を形成しつつ、同軸的に挿入せしめられ
ると共に、該外側ブッシュ72の外フランジ部76と前
記スペーサブッシュ64とを介して、ダイ本体36の上
面に固定された心型38の支持ブッシュ44の外フラン
ジ部48と、ダイ本体36の下面にボルト固定された固
定ブッシュ112との間で移動不能に挟持されて、位置
せしめられている。また、下側ブッシュ110は、第一
の外型40の内側及び下側ブッシュ70,72における
下側テーパ筒部73,77に対して、所定間隔をおい
て、該下端部との間に上下方向に延びるテーパ筒状の空
間を形成しつつ、同軸的に外挿せしめられると共に、上
側ブッシュ108の下面内周部と、前記固定ブッシュ1
12にボルト固定された固定リング114の上面内周部
との間で移動不能に挟持されて、位置せしめられてい
る。
【0048】これによって、それら上側ブッシュ108
と下側ブッシュ110とが上下に移動不能に位置せしめ
られて、第二の外型42が構成されており、また、この
第二の外型42が、ダイ本体36とそれに固設された固
定ブッシュ112の内孔内において、第一の外側40に
対して径方向に所定の間隔をあけつつ、位置固定に設け
られているのである。そして、そのような第二の外型4
2と第一の外型40との間に、第二のダイ間隙116
が、上側及び下側ブッシュ108,110と外側ブッシ
ュ72との間に形成される前記略円筒状の空間とテーパ
筒状の空間とにて形成されているのである。
【0049】また、かくして形成された第二のダイ間隙
116は、その上部において、上側ブッシュ108の前
記貫通孔109を通じて、ダイ本体36に設けられた取
付穴37の樹脂材料導入路41に連通せしめられている
一方、下部において、第一の外型40の外側ブッシュ7
2における下側テーパ筒部77と第二の外型42の下側
ブッシュ110との間の隙間を通じて、下方に向かって
開口せしめられている。そして、図5からも明らかなよ
うに、ここでは、特に、かかる第二のダイ間隙116
が、第一の外型40の下面に、周方向に等間隔をおいて
複数設けられた前記突条形成溝102のそれぞれにて、
前記第一のダイ間隙106に対して、下側開口部におい
て連通せしめられているのである。なお、この第二のダ
イ間隙106も、前記第一のダイ間隙106と同様に、
第一の外型40の外側ブッシュ72の外周面に設けられ
た堰状突起80により、軸方向中間部位において狭窄化
されていると共に、該外側ブッシュ72の上側テーパ筒
部75と第二の外型42における上側ブッシュ108の
下端部との間と、外側ブッシュ72の下側テーパ筒部7
7と第二の外型42の下側ブッシュ110との間におい
て、下方に向かうに従って徐々に小径化されている。
【0050】而して、かくの如き構造を有する押出しダ
イ34を用いて、図3に示されるようなパリソン20を
成形し、また、このパリソン20から、図1及び図2に
示される如き、目的とする樹脂チューブ10を製造する
際には、例えば、先ず、図7に示されるように、押出し
ダイ34のダイ本体36における取付穴37に、図示し
ない押出し機のノズル118を取り付けると共に、該ダ
イ本体36の接続穴39とマンドレル46の上端部に、
圧縮空気が流通せしめられる空気管路(図示せず)の先
端部120,122をそれぞれ接続せしめる。
【0051】そして、前記押出し機のノズル118か
ら、所定の溶融樹脂材料124を供給して、この溶融樹
脂材料124を、ダイ本体36の樹脂材料導入路41と
スペーサブッシュ64の貫通孔68と第二の外型42に
おける上側ブッシュ108の貫通孔109とを通じて、
第一のダイ間隙106内と第二のダイ間隙116内に導
入する一方、それら第一及び第二のダイ間隙106,1
16内に導入された溶融樹脂材料124を、第一のダイ
間隙106と第二のダイ間隙116のそれぞれの下側開
口部から下方に押し出す。それによって、第一のダイ間
隙106から押し出された溶融樹脂材料124にて、円
筒状の内側樹脂層22を形成する一方、第二のダイ間隙
116から押し出された溶融樹脂材料124にて、内側
樹脂層22よりも大径の円筒形状を呈する外側樹脂層2
4を形成する。
【0052】その際、第一の外型40の下面に、周方向
に等間隔をおき、且つ第一及び第二のダイ間隙106,
116を、それらの下側開口部において相互に連通する
ように形成された複数の突条形成溝102内に、第一の
ダイ間隙106から押し出される溶融樹脂材料124の
一部と、第二のダイ間隙116から押し出される溶融樹
脂材料124の一部とが、それぞれ侵入せしめられて、
内側樹脂層22の外周面と外側樹脂層24の内周面と
に、外側突条26と内側突条28とが、該外周面と該内
周面の周方向に等間隔をおいて軸方向に延び、且つ互い
に対応するものの先端面同士において相互に接触せしめ
られた状態で、それぞれ、一体的に形成される。これに
よって、内側樹脂層22の周方向において互いに隣り合
う外側突条26同士の間の外周面と、外側樹脂層24の
周方向において互いに隣り合う内側突条28同士の間の
内周面とが互いに離間せしめられて、それらの外周面と
内周面との間に、軸方向に延びる隙間が形成された状態
で、内側樹脂層22と外側樹脂層24とが、内側と外側
とにおいて安定的に位置せしめられつつ、形成されるこ
ととなるのである。
【0053】また、上述の如くして内側樹脂層22と外
側樹脂層24を形成する際には、ダイ本体36の接続穴
39に接続された空気管路の先端部120から、比較的
に低圧の圧縮空気を供給し、この圧縮空気を、ダイ本体
36の空気導入路43を通じて、第一の外型40内の空
気流通路96内に導入せしめると共に、かかる空気流通
路96内を流通せしめて、該空気流通路96の下側連通
口100から、第一のダイ間隙106と第二のダイ間隙
116とを通じて押出し成形された内側樹脂層22と外
側樹脂層24との間に吹き出させる。これによって、内
側樹脂層22の周方向において互いに隣り合う外側突条
26同士の間の外周面と、外側樹脂層24の周方向にお
いて互いに隣り合う内側突条28同士の間の内周面との
間に形成される、前述せる如き隙間内に圧縮空気が充満
せしめられて、それらの隙間にて、軸方向に延びる空気
層32が形成されることとなる。かくして、図3に示さ
れる如く、内側と外側とに同軸的に位置せしめられた内
側樹脂層22と外側樹脂層24と、それらの間において
軸方向に延びるように形成された空気層32とからなる
三層構造を有するパリソン20を得るのである。
【0054】なお、ここでは、第一の外型40内の空気
流通路96内から内側樹脂層22と外側樹脂層24の間
に空気が吹き出されると同時に、マンドレル46の上端
部に接続された空気管路の先端部122から、マンドレ
ル46内の空気通路58内に、比較的に低圧の圧縮空気
が供給され、この圧縮空気が、該空気通路58の下側開
口部から内側樹脂層22内に吹き込まれることとなる。
これにより、内側樹脂層22と外側樹脂層24との間に
吹き込まれた圧縮空気の圧力による内側樹脂層22の潰
れ変形が防止されるようになっている。なお、内側樹脂
層22と外側樹脂層24との間に吹き出される圧縮空気
の圧力と、内側樹脂層22内に吹き込まれる圧縮空気の
圧力の大きさは、何れも、限定されるものではないもの
の、一般には、前者が1.06×105 Pa程度とさ
れ、また後者が1.11×105 〜1.22×105
a程度とされる。
【0055】また、前述せる如く、ここで用いられる押
出しダイ34における第一のダイ間隙106の下側開口
部位の幅が、心型38のマンドレル46の上方への移動
に伴って広くなり、また、該マンドレル46の下方への
移動によって狭くなるようになっているところから、か
かるマンドレル46のダイ本体36に対する上下方向へ
の相対移動によって、第一のダイ間隙106を通じて押
出し成形される内側樹脂層22の肉厚が、任意に調節さ
れ得るようになっている。更に、かかる押出しダイ34
では、第一のダイ間隙106と第二のダイ間隙116と
が、それらの下側部位において、下方に向かうに従って
次第に小径化されていると共に、心型38の支持ブッシ
ュ44の外周面と第一の外型40における外側ブッシュ
72の外周面に設けられた堰状突起54,80により、
軸方向中間部位において、それぞれ狭窄化されていると
ころから、第一及び第二のダイ間隙106,116を通
じて押出し成形される内側樹脂層22と外側樹脂層24
において、ウェルド不良の発生が防止され得るようにな
っているのである。
【0056】そして、上述の如くして、内側樹脂層22
と外側樹脂層24と空気層32の三層構造を有するパリ
ソン20を、押出しダイ34から連続的に押出し成形す
る一方で、図8に示されるように、押出しダイ34を、
下型126に設けられた屈曲形状を呈するキャビティ面
128に沿って上下及び左右方向に移動せしめる等し
て、パリソン20を、下型126のキャビティ面128
上に、該キャビティ面128の形状に沿った屈曲形状を
もって載置せしめる。
【0057】次いで、図9に示されるように、キャビテ
ィ面128上にパリソン20が載置された下型126に
対して、上型130を型合わせして、それら下型126
と上型128の間に、目的とする樹脂チューブ(10)
に対応した形状を有する成形キャビティ132を形成す
ると共に、該成形キャビティ132内に、パリソン20
を収容せしめる。その際、押出しダイ34から押出し成
形されたパリソン20の両端部が、下型126と上型1
30の互いの型合わせ部位に挟まれて、潰され、それに
よって、成形キャビティ132内に収容されたパリソン
20の内部が密閉されることとなる。
【0058】その後、図10に示されるように、下型1
26と上型130の互いの型合わせ部位に潰されたパリ
ソン20の一端部に、針状の空気ノズル134を刺し通
した後、この空気ノズル134を通じて、パリソン20
の内側樹脂層22内に、5.07×105 Pa程度の圧
力の圧縮空気を吹き込んで、パリソン20を膨張変形せ
しめて、成形キャビティ132に対応した形状を有する
中間成形体136を得る。
【0059】その際、内側樹脂層22は、温度の低い下
型126のキャビティ面128に接触せしめられた外側
樹脂層24の内側に、空気層32を介して位置せしめら
れているところから、内部に吹き込まれた圧縮空気によ
る膨張圧力によって、径方向と軸方向に、略均等に膨張
変形せしめられる。また、外側樹脂層24は、下型12
6のキャビティ面128との接触によって、ある程度冷
却され、また、該キャビティ面128との間で接触抵抗
が生ずるものの、この外側樹脂層24も、内側樹脂層2
2の膨張変形に追従して、内側樹脂層22内に吹き込ま
れた圧縮空気による膨張圧力によって、径方向と軸方向
に、略均等に膨張変形せしめられこととなる。
【0060】そして、その後、図示されてはいないもの
の、従来と同様に、下型126と上型130とを型開き
して、成形キャビティ132内で冷却固化された中間成
形体136を取り出した後、この中間成形体136の両
端部を切除し、以て図1及び図2に示される如く、内側
筒体12と外側筒体14とからなる二重筒構造を有す
る、目的とする樹脂チューブ10を得るのである。
【0061】このように、本実施形態では、押出しダイ
34から押出し成形されるパリソン20の内側樹脂層2
2と外側樹脂層24とが、何れも、径方向及び軸方向に
略均等に膨張変形せしめられて、目的とする樹脂チュー
ブ10が得られるようになっているところから、内側樹
脂層22にて与えられる内側筒体12の肉厚と、外側樹
脂層24とにて与えられる外側筒体14の肉厚とが、そ
れぞれ、周方向及び軸方向において略均一な肉厚とされ
得、それによって、それら内側筒体12の肉厚と外側筒
体14の肉厚を合わせた肉厚を有する樹脂チューブ10
が、周方向及び軸方向において略均一な肉厚をもって、
極めて有利に製造され得ることとなるのである。
【0062】そして、そのようにして製造された樹脂チ
ューブ10にあっては、材料の無駄となる厚肉部分や強
度の低い薄肉部分等が、部分的に存在せしめられること
がなく、それによって、優れた歩留りと十分の強度とが
安定的に確保され得ることとなるのである。
【0063】また、本実施形態において製造される樹脂
チューブ10においては、内側樹脂層22にて与えられ
る内側筒体12の周方向において互いに隣り合う外側突
条26同士の間の外周面と、外側樹脂層24にて与えら
れる外側筒体14の周方向において互いに隣り合う内側
突条28同士の間の内周面とが、互いに接触せしめられ
て一体化されて、樹脂チューブ10が構成されていると
ころから、該樹脂チューブ10の肉厚が、より一層有利
に均一化され得ることとなる。
【0064】さらに、本実施形態にあっては、前述の如
き特別な構造を有する押出しダイ34が用いられている
ことによって、均一な肉厚を有する樹脂チューブ10を
与え得る、内側樹脂層22外側樹脂層24と空気層32
とからなる三層構造のパリソン20が極めて容易に且つ
確実に成形され得るのである。従って、換言すれば、こ
のような押出しダイ34が、均一な肉厚を有する樹脂チ
ューブ10の製造に際して、極めて有利に使用され得る
こととなるのである。
【0065】ところで、本実施形態では、上述せる如
く、内側筒体12の周方向において互いに隣り合う外側
突条26同士の間の外周面と、外側筒体14の周方向に
おいて互いに隣り合う内側突条28同士の間の内周面と
が相互に接触せしめられた状態で、一体化されて、樹脂
チューブ10が製造されていたが、図11に示されるよ
うに、それら内側筒体12の外周面と外側筒体14の内
周面とを離間せしめて、それらの間に軸方向に延びる隙
間137を形成せしめた状態で、樹脂チューブ139を
製造することも可能である。このような樹脂チューブ1
39は、例えば、パリソン20の内側樹脂層22内への
圧縮空気の吹込み時間を短くすることによって、容易に
得られることとなる。そして、かくの如き構造とされた
樹脂チューブ139にあっては、内側筒体12の外周面
と外側筒体14の内周面との間に設けられた隙間137
によって、軸方向に延びる空気層141が形成され、こ
の空気層141が、樹脂チューブ139の内部から外部
或いは外部から内部への熱の伝達を遮断乃至は緩衝せし
める断熱層として機能し、それによって、優れた断熱性
能が効果的に発揮され得るのである。
【0066】また、図12に示される如く、内側筒体1
2の周方向において互いに隣り合う外側突条26同士の
間の外周面と、外側筒体14の周方向において互いに隣
り合う内側突条28同士の間の内周面とが、部分的に接
触せしめられた状態で、一体化せしめてなる樹脂チュー
ブ143を得ることも、勿論、可能である。
【0067】さらに、本実施形態では、パリソン20の
内側樹脂層22と外側樹脂層24とが、同一の樹脂材料
にて構成されていたが、それら、互いに種類の異なる樹
脂材料にて構成することも、可能である。その際には、
例えば、図13に示される如き構造の押出しダイ138
が、用いられることとなる。なお、図13においては、
図4に示される押出しダイ34と同一の構造とされた部
材及び部位については、図中、同一の符号を付すことに
より、その詳細な説明は省略した。
【0068】すなわち、この押出しダイ138は、互い
に異なる種類の溶融樹脂材料を押し出す二つの押出し機
(図示しない)のノズル140,142がそれぞれ取り
付けられる二つの取付穴144,146を有しており、
また、それら二つの取付穴144,146の底部には、
第一のダイ間隙106と第二のダイ間隙116との連通
せしめられる樹脂材料導入路148,150が、それぞ
れ別個に設けられている。そして、このような押出しダ
イ138にあっては、二つの取付穴144,146に取
り付けられたノズル140,142から供給された2種
類の溶融樹脂材料152,154が、二つの樹脂材料導
入路148,150を通じて、第一のダイ間隙106内
と第二のダイ間隙116内とに、それぞれ、別々に導か
れ、更に、それら第一のダイ間隙106と第二のダイ間
隙116のそれぞれの下側開口部から下方に押し出され
る。これによって、図3に示される如きパリソン20と
同様な構造を有するものの、内側樹脂層22と外側樹脂
層24とが、互いに種類の異なる樹脂材料からなるパリ
ソン156が成形されることとなるのである。
【0069】そして、このようなパリソン156に対し
て、前述せる如きブロー成形操作を行うことによって、
内側筒体12と外側筒体14とが互いに異なる樹脂材料
からなる樹脂チューブ10が得られるのであるが、特
に、それら内側筒体12を柔軟性に富んだ軟質の樹脂材
料にて構成する一方、外側筒体14を、内側筒体12を
与える樹脂材料よりも固い硬質の樹脂材料にて構成した
場合には、樹脂チューブ10の内部から外部への音の伝
達が有利に遮断乃至は抑制され得るといった利点が得ら
れることとなる。そして、このような樹脂チューブ10
にあっては、例えば、樹脂チューブ10内の吸入空気の
流通による音の発生を解消乃至は抑制し得るエンジン用
吸入樹脂チューブ等として、極めて有利に用いられ得る
こととなるのである。
【0070】ここにおいて、本発明者等は、本発明に従
う樹脂チューブの製造方法が前述の如き優れた特徴を有
していることを確認するために、本発明手法に従って、
実際に樹脂チューブを製造し、この得られた樹脂チュー
ブに対して、以下に示す如き測定試験を行った。
【0071】すなわち、先ず、図13に示される如き構
造の押出しダイ138を用いて、図3に示されるような
構造を有し、且つ内側樹脂層22と外側樹脂層24とが
互いに種類の異なる樹脂材料にて構成されたパリソン1
56を三つ成形し、この三つのパリソン156に対し
て、それぞれ、前述せる如きブロー成形操作を行うこと
により、図1及び図2に示される如き構造を有し、且つ
内側筒体12と外側筒体14とが別の種類の樹脂材料に
て構成された、三つの樹脂チューブ10(本発明例1〜
3)を得た。
【0072】次いで、かくして得られた三つの樹脂チュ
ーブ10(本発明例1〜3)を用い、それら各樹脂チュ
ーブ10の任意の横断面において、上下左右の四方に位
置せしめられる部位の肉厚を、それぞれ測定した。そし
て、そのようにして得られた測定値における最大値と最
小値の差を、各樹脂チューブ毎に求めた。その結果を下
記表1に示した。
【0073】また、比較のために、従来から公知のブロ
ー成形による樹脂チューブの製造手法に従って、一層構
造を有する三つの樹脂チューブ(比較例1〜3)を製造
した。そして、かくして得られた三つ樹脂チューブ(比
較例1〜3)を用いて、それら各樹脂チューブの任意の
横断面において、上下左右の四方に位置せしめられる部
位の肉厚をそれぞれ測定し、また、そのようにして得ら
れた測定値における最大値と最小値の差を、各樹脂チュ
ーブ毎に求めた。その結果を下記表1に併せて示した。
なお、ここで得られる三つ樹脂チューブ(比較例1〜
3)の製造に際しては、特に、キャビティ面にテフロン
(登録商標)コーティングが施されてなるブロー成形型
を用いた。
【0074】
【表1】
【0075】上記表1の結果からも明らかなように、本
発明手法に従って製造された三つの樹脂チューブ(本発
明例1〜3)は、任意の横断面において、上下左右の四
方に位置せしめられる部位の肉厚の最大値と最小値との
差が、0.2〜0.3mm程度で、極めて小さな値とな
っており、これによって、本発明手法に従って製造され
る樹脂チューブが、周方向において略均一な肉厚をもっ
て構成されていることが確認され得るのである。これに
対して、従来より公知の手法に従って製造された三つの
樹脂チューブ(比較例1〜3)は、任意の横断面におい
て、上下左右の四方に位置せしめられる部位の肉厚の最
大値と最小値との差が、1.3〜1.47mm程度で、
極めて大きな値となっており、これによって、従来手法
に従って製造される樹脂チューブが、周方向において、
極めて不均一な肉厚をもって構成されていることが認め
られるのである。
【0076】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであっ
て、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受
けるものではない。
【0077】例えば、前記実施形態では、押出しダイ3
4,138の心型38が、マンドレル46と支持ブッシ
ュ44の組付体にて構成され、また、第一の外型40
が、内側ブッシュ70と外側ブッシュ72の組付体にて
構成され、更に、第二の外型42が、上側ブッシュ10
8と下側ブッシュ110の組付体にて構成されていた
が、それら心型38と第一の外型40と第二の外型42
とが、それぞれ一つの部材にて構成されていても、何等
差し支えないのである。
【0078】また、それら三つの型38,40,42の
互いの組付構造も、前記実施形態に示されるものに、特
に限定されるものではなく、心型38と第一の外型40
との間に第一のダイ間隙106が形成されると共に、第
一の外型40と第二の外型42との間に第二のダイ間隙
116が形成されるものであれば、如何なる構造も、採
用され得るのであり、更に、それら第一及び第二のダイ
間隙106,116の配設構造も、前記実施形態に示さ
れるものに、何等限定されるものではない。
【0079】更にまた、第一の外型40に形成される気
体流通路としての空気流通路96の配設構造も、第一の
外型40における第一のダイ間隙106の開口部側端面
に向かって延び出し、且つ該端面における周方向に互い
に隣り合う突条形成溝102同士の間において外部に開
口するものであれば、前記実施形態に示されるものに、
決して限定されるものでないことは、言うまでもないと
ころである。
【0080】また、そのような空気流通路96内を流通
せしめられて、第一のダイ間隙106を通じて成形され
るパリソン20の内側樹脂層22の外周面と、第二のダ
イ間隙116を通じて成形されるパリソン20の外側樹
脂層24の内周面との間に形成される隙間30内に吹き
出される気体を、空気以外のものに代えても良いのであ
る。
【0081】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0082】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う、ブロー成形による樹脂チューブの製造方法に
よれば、三次元ブロー成形等の上型と下型とを用いたブ
ロー成形により樹脂チューブを製造するに際して、パリ
ソンの下型キャビティ面との接触に起因する樹脂チュー
ブにおいての偏肉の発生が解消乃至は抑制され得、以て
可及的に均一な肉厚を有する樹脂チューブが極めて有利
に製造され得ることとなるのである。
【0083】また、本発明に従う押出しダイにあって
は、三次元ブロー成形等の上型と下型とを用いたブロー
成形によって、偏肉がなく、可及的に均一な肉厚を有す
る樹脂チューブを製造する際に、極め有利に用いられ得
るのである。
【0084】さらに、本発明に従う樹脂チューブにあっ
ては、材料の無駄となる厚肉部分や強度の低い薄肉部分
等を殆ど有することがなく、それによって、優れた歩留
りと十分の強度とが安定的に確保され得ることとなるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手法に従って製造される樹脂チューブの
一例を示す正面説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面拡大説明図である。
【図3】本発明手法に従って製造される樹脂チューブを
与えるパリソンの一例を示す横断面説明図である。
【図4】本発明手法において用いられる押出しダイの一
例を示す縦断面説明図である。
【図5】図4における部分拡大説明図である。
【図6】図5におけるVI矢視拡大説明図である。
【図7】本発明手法に従って樹脂チューブを製造する工
程の一例を示す説明図であって、押出しダイの内部に溶
融樹脂材料を供給して、かかる押出しダイからパリソン
を押出し成形している状態を示す。
【図8】本発明手法に従って樹脂チューブを製造する工
程の別の例を示す説明図であって、押出しダイから押出
し成形されたパリソンを、下型のキャビティ面上に載置
している状態を示す。
【図9】本発明手法に従って樹脂チューブを製造する工
程の更に別の例を示す説明図であって、下型と上型の間
に形成される成形キャビティ内にパリソンを収容せしめ
た状態を示す。
【図10】本発明手法に従って樹脂チューブを製造する
工程の他の例を示す説明図であって、成形キャビティ内
に収容されたパリソンの内部に圧縮空気を吹き込んで、
パリソンを膨張変形せしめた状態を示す。
【図11】本発明手法に従って製造される樹脂チューブ
の別の例を示す図2に対応する図である。
【図12】本発明手法に従って製造される樹脂チューブ
の他の例を示す図2に対応する図である。
【図13】本発明手法において用いられる押出しダイの
別の例を示す図7に対応する図である。
【符号の説明】
10 樹脂チューブ 12 内側筒体 14 外側筒体 20 パリソン 22 内側樹脂層 24 外側樹脂層 26 外側突条 28 内側突条 30 隙間 32 空気層 34 押出しダイ 36 ダイ本体 38 心型 40 第一の外型 42 第二の外型 96 空気流通路 102 突条形成溝 106 第一のダ
イ間隙 116 第二のダイ間隙 126 下型 128 キャビティ面 130 上型 132 成形キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 47/00 - 47/96 B29C 49/00 - 49/80

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のパリソンを成形する一方、上下方
    向に対向配置された上型と下型との間に形成される、目
    的とする樹脂チューブを与える成形キャビティ内に、該
    パリソンを収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き
    込んで、該樹脂チューブを製造するに際して、 筒形状を呈し、外周面に、軸方向に延びる外側突条が周
    方向に間隔をおいて複数設けられた内側樹脂層を形成す
    る一方、該内側樹脂層の外周寸法よりも大きな内周寸法
    を有する筒形状を呈し、内周面に、軸方向に延びる内側
    突条が周方向に間隔をおいて複数設けられた外側樹脂層
    を、該内側樹脂層の外側に、周方向において互いに隣り
    合う前記内側突条同士の間における該内側樹脂層との対
    向面間に気体を吹き込みながら、該内側突条のそれぞれ
    の先端面が、それらに対応する該内側樹脂層の前記複数
    の外側突条の先端面にそれぞれ接触すると共に、該気体
    が吹き込まれる該内側樹脂層との対向面間に、軸方向に
    延びる隙間が設けられて位置するように形成して、前記
    パリソンを、該外側樹脂層と該内側樹脂層と、それらの
    間に設けられた該隙間にて形成される、軸方向に延びる
    気体層とからなる三層構造をもって成形するようにした
    ことを特徴とする、ブロー成形による樹脂チューブの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 筒状の内側樹脂層と、該内側樹脂層の外
    周寸法よりも内周寸法の大きな筒状の外側樹脂層を有す
    るパリソンを成形するための押出しダイであって、 筒状の外周面を有する心型と、該心型の筒状外周面の外
    周寸法よりも内周寸法の大きな内周面を有する筒形状を
    呈し、該心型に外挿配置されて、該内周面と該心型の筒
    状外周面との間で、該心型の軸方向一方側に向かって開
    口する第一のダイ間隙を形成し、該第一のダイ間隙を通
    じて前記パリソンの前記筒状の内側樹脂層を押し出して
    成形する第一の外型と、該第一の外型の外周面の外周寸
    法よりも内周寸法の更に大きな内周面を有する筒形状を
    呈し、該第一の外型に外挿配置されて、該内周面と該第
    一の外型の外周面との間で、前記第一のダイ間隙の開口
    側と同一の側に開口する第二のダイ間隙を形成し、該第
    二のダイ間隙を通じて前記パリソンの前記筒状の外側樹
    脂層を、前記筒状の内側樹脂層の外周面との間に隙間が
    形成されるように押し出して成形する第二の外型とを有
    して構成されると共に、 前記第一の外型における前記第一のダイ間隙の開口部側
    端面に、該第一の間隙と前記第二の間隙とを連通する溝
    が、該端面の周方向に間隔をおいて複数設けられて、そ
    れら複数の溝内において、該第一の間隙を通じて成形さ
    れる前記パリソンの内側樹脂層の外周面と、該第二の間
    隙を通じて成形される前記パリソンの外側樹脂層の内周
    面とに、周方向に間隔をおいて軸方向に延びる複数の外
    側突条と複数の内側突条が、互いに対応するものの先端
    面同士において相互に接触せしめられた状態で、それぞ
    れ一体的に形成されるように構成され、 更に、前記第一の外型の内部に、気体が流通せしめられ
    る気体流通路が、該第一の外型における前記第一のダイ
    間隙の前記開口部側端面に向かって延び出し、且つ該端
    面における周方向に互いに隣り合う前記溝同士の間にお
    いて外部に開口して形成されて、該気体流通路内を流通
    せしめられた気体が、該端面の開口部から、該第一のダ
    イ間隙を通じて成形される前記パリソンの内側樹脂層の
    外周面と、前記第二のダイ間隙を通じて成形される前記
    パリソンの外側樹脂層の内周面との間に形成される前記
    隙間内に吹き出され得るようになっていることを特徴と
    する押出しダイ。
  3. 【請求項3】 筒形状を呈し、外周面に、軸方向に延び
    る外側突条が周方向に間隔をおいて複数設けられた内側
    樹脂層を形成する一方、該内側樹脂層の外周寸法よりも
    大きな内周寸法を有する筒形状を呈し、内周面に、軸方
    向に延びる内側突条が周方向に間隔をおいて複数設けら
    れた外側樹脂層を、該内側樹脂層の外側に、周方向にお
    いて互いに隣り合う前記内側突条同士の間における該内
    側樹脂層との対向面間に気体を吹き込みながら、該内側
    突条のそれぞれの先端面が、それらに対応する該内側樹
    脂層の前記複数の外側突条の先端面にそれぞれ接触する
    と共に、該気体が吹き込まれる該内側樹脂層との対向面
    間に、軸方向に延びる隙間が設けられて位置するように
    形成することにより、該外側樹脂層と該内側樹脂層と、
    それらの間に設けられた該隙間にて形成される、軸方向
    に延びる気体層とからなる三層構造をもって成形された
    パリソンを用い、これをブロー成形することにより製造
    されてなり、且つ、前記内側樹脂層によって与えられる
    内側層が、周方向において互いに隣り合う前記外側突条
    同士の間の外周面において、前記外側樹脂層によって与
    えられる外側層の内周面に接触せしめられて、構成され
    ていることを特徴とする樹脂チューブ。
  4. 【請求項4】 前記内側樹脂層と前記外側樹脂層とが、
    同一の樹脂材料にて構成されている請求項3に記載の樹
    脂チューブ。
  5. 【請求項5】 前記内側樹脂層と前記外側樹脂層とが、
    互いに種類の異なる樹脂材料にて構成されている請求項
    3に記載の樹脂チューブ。
JP2000157865A 2000-05-29 2000-05-29 ブロー成形による樹脂チューブの製造方法及びそれに用いられる押出しダイ Expired - Fee Related JP3480715B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000157865A JP3480715B2 (ja) 2000-05-29 2000-05-29 ブロー成形による樹脂チューブの製造方法及びそれに用いられる押出しダイ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000157865A JP3480715B2 (ja) 2000-05-29 2000-05-29 ブロー成形による樹脂チューブの製造方法及びそれに用いられる押出しダイ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001334566A JP2001334566A (ja) 2001-12-04
JP3480715B2 true JP3480715B2 (ja) 2003-12-22

Family

ID=18662422

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000157865A Expired - Fee Related JP3480715B2 (ja) 2000-05-29 2000-05-29 ブロー成形による樹脂チューブの製造方法及びそれに用いられる押出しダイ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3480715B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4281454B2 (ja) * 2003-07-31 2009-06-17 株式会社吉野工業所 ブロー成形二重容器および合成樹脂製二重容器の製造方法
JP5004550B2 (ja) * 2006-11-04 2012-08-22 小島プレス工業株式会社 曲部を有する樹脂チューブの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001334566A (ja) 2001-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4764565B2 (ja) 熱可塑性プラスチックからなる中空体の製造方法、該中空体の製造装置
KR20080043330A (ko) 금속성 재료의 압출 다이
JP5795940B2 (ja) 熱可塑性物質製パイプを製造するための装置
CN110087855B (zh) 用于多管腔管状产品的挤出机装置
JP3480715B2 (ja) ブロー成形による樹脂チューブの製造方法及びそれに用いられる押出しダイ
CN101605648A (zh) 用于生产导管的方法和装置以及根据所述方法生产的导管
JP5651352B2 (ja) 押出装置及びそれに用いられる成形用金型
CN215661729U (zh) 一种PE—Xc管挤出机的出料装置
JP2002071060A (ja) 蛇腹付ダクト及びその製造方法
JP2007015148A (ja) ジョイントブーツの製造方法
JP4081106B2 (ja) ジョイントブーツの製造方法
JP4291302B2 (ja) ジョイントブーツの製造方法
JP4291325B2 (ja) 樹脂製ジョイントブーツの製造方法
JP5004550B2 (ja) 曲部を有する樹脂チューブの製造方法
CN215445376U (zh) 一种扩口双壁波纹管结构
JP4074303B2 (ja) ジョイントブーツの製造方法
JP5558017B2 (ja) ジョイントブーツの製造方法
JP4871686B2 (ja) 2重壁ブロー成形体の製造方法
JP4098791B2 (ja) ジョイントブーツの製造方法
CN2700091Y (zh) 塑料波纹管双层承插口在线成型装置
JPH08332667A (ja) 管状体の製造方法
KR100807461B1 (ko) 밀봉 소자의 제조 방법 및 밀봉 소자
KR101101236B1 (ko) 삼중관 압출 금형 및 이를 이용한 삼중관 제조장치
JP3027753B1 (ja) 合成樹脂中空状成形品の製造方法
JPH0450896B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071010

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081010

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081010

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091010

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101010

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees