JP5004550B2 - 曲部を有する樹脂チューブの製造方法 - Google Patents

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本発明は、曲部を有する樹脂チューブの製造方法に係り、特に、かかる樹脂チューブを、ブロー成形を利用して有利に製造する方法に関するものである。
従来から、樹脂チューブを製造する方法の一種として、ブロー成形による方法が、知られている。また、近年では、そのようなブロー成形のうち、所謂多次元ブロー成形が、1個又は複数個の曲部を有し、全体が二次元的又は三次元的に屈曲乃至は湾曲せしめられてなる樹脂チューブの製造に際して、好適に採用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
すなわち、例えば、長さ方向の中間部に1個の曲部を有し、全体として「くの字」状に曲げられた樹脂チューブを製造する際には、多くの場合、平面視が「くの字」の凹所形態を有するキャビティ面をそれぞれ備えた上型と下型とを有し、それら上下型の型合せによって、目的とする樹脂チューブに対応した「くの字」状に曲げられた形状の成形キャビティを形成するブロー成形用金型と、かかるブロー成形用金型に対して相対的に移動可能とされたダイヘッドを有し、このダイヘッドから筒状のパリソンを熱可塑化状態で押し出す押出機とが、用いられる。
そして、先ず、押出機のダイヘッドが、下型のキャビティ面に沿うように、下型に対して相対移動せしめられつつ、かかるダイヘッドからパリソンが押し出されることにより、パリソンが、下型のキャビティ面上に、「くの字」状に曲げられた状態で載置される。次いで、下型と上型とが型合せされて、それらの間に「くの字」形状を呈する成形キャビティが形成されると共に、この成形キャビティ内にパリソンが収容され、その後、かかるパリソンの内部に圧縮空気等の気体が吹き込まれる。かくして、全体として「くの字」状を呈する、曲部を有する樹脂チューブが、確実に且つ容易に製造されることとなる。
ところが、このようなブロー成形を利用した従来手法によって製造された、曲部を有する樹脂チューブにおいては、以下の如き製造上の問題から、肉厚が不均一となってしまうことが、往々にしてあったのである。
すなわち、上記の如き従来手法では、押出成形されたパリソンが、先ず、下型のキャビティ面上に載置された後、下型と上型とが型合せされることで、それらの間に形成される成形キャビティ内に、上側のキャビティ面と僅かな隙間を開けて収容されるようになっている。そのため、成形キャビティ内に収容されたパリソンの内部に圧縮空気を吹き込む前に、パリソンの下型キャビティ面との接触部分が、該キャビティ面に多くの熱を奪われて、かかる接触部分以外の部分、つまり成形キャビティ内で上型側に位置する部分に比して、可塑性乃至は柔軟性が低下してしまうようになる。これによって、圧縮空気の吹き込みによるパリソンの膨張変形時に、下型キャビティ面との接触部分の変形量が、それ以外の部分の変形量よりも小さくなってしまい、その結果、最終的に得られる樹脂チューブの肉厚が、成形キャビティ内で下型側に位置する部分よりも上型側に位置する部分の方が薄くなってしまうことがあったのである。
また、従来手法においては、パリソンが、成形キャビティ内に曲げられた状態で収容されるため、圧縮空気の吹き込みによるパリソンの膨張変形時に、パリソンの曲部の外側部分を構成する樹脂材料の流動性が、その内側部分を構成する樹脂材料の流動性よりも高くなる。それによって、パリソンの曲部の外側部分が、内側部分よりも大きく膨張変形せしめられるようになり、その結果、最終的に得られる樹脂チューブの肉厚が、曲部の内側部分よりも外側部分の方が薄くなってしまうこともあったのである。
そして、このような肉厚が不均一となった樹脂チューブにあっては、強度にバラツキが生ずるだけでなく、例えば、両側端部に接続されるべき相手物への接続が困難となってしまうといった恐れさえもあったのである。
特開平9−239817号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にしてなされたものであって、その解決課題とするところは、曲部を有する樹脂チューブを、可及的に均一な肉厚をもって有利に製造し得る方法を提供することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、その要旨とするところは、筒状のパリソンを成形する一方、二次元的に屈曲乃至は湾曲したくの字状を呈する円筒形状の樹脂チューブを与える成形キャビティ内に、該パリソンを収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、ブロー成形して、該くの字状の樹脂チューブを製造するに際して、くの字形状における角部が上下方向において該くの字形状の両端部よりも下方に位置するように、上面がくの字状に凹陥した凹所とされて、該凹所の凹陥形状に沿って、前記樹脂チューブにおけるくの字形状の外側部分を与える半割円筒面形状の下型側キャビティ面(第一のキャビティ面)が形成されている下型(第一の型)と、下面が該下型の凹所と凹凸嵌合可能とされたくの字状に突出する凸部とされて、該凸部の突出形状に沿って、前記樹脂チューブにおけるくの字形状の内側部分を与える半割円筒面形状の上型側キャビティ面(第二のキャビティ面)が形成されている上型(第二の型)とを用い、それら下型側キャビティ面と上型側キャビティ面とによって、くの字形状における角部が最下部に位置するように該くの字が水平方向に横転した形態において、前記成形キャビティが形成されるように構成して、前記成形されるパリソンを、該下型における該下型側キャビティ面に接触させて、該下型側キャビティ面に沿って接触配置した後、該下型に前記上型を型合わせすることにより、該下型側キャビティ面と該上型における前記上型側キャビティ面との間で前記成形キャビティを形成すると共に、該パリソンを該成形キャビティ内に収容せしめて、ブロー成形するようにしたことを特徴とする曲部を有する樹脂チューブの製造方法にある。
なお、このような本発明に従う、曲部を有する樹脂チューブの製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記パリソンが、押出機にて押出成形されると共に、該パリソンの押出成形が、該押出機のダイヘッドと前記第一の型のうちの少なくとも何れか一方を、それらのうちの少なくとも何れか他方に対して相対的に移動させつつ実施される。
すなわち、この本発明に従う曲部を有する樹脂チューブの製造方法にあっては、先ず、押出成形されたパリソンが、目的とする樹脂チューブの形状に対応した曲部を有するように曲げられて、第一の型における第一のキャビティ面に接触配置される。また、そのような配置状態下で、パリソンのうち、曲部の外側部分、つまり、パリソン内への気体の吹き込みによる膨張変形時に樹脂材料が高い流動性を示す曲部の外側部分が、第一の型における第一のキャビティ面の外側部分形成面に接触せしめられる一方、そのような曲部の外側部分よりも、膨張変形時における樹脂材料の流動性の低い曲部の内側部分は、第一のキャビティ面に、何等、接触せしめられることがないようになっている。そして、その後、第一の型と第二の型との型合せにより形成された成形キャビティ内に、パリソンが収容され、そのときに、パリソンの曲部の内側部分が、第二の型における第二のキャビティ面の内側部分形成面との間に僅かな隙間を設けた状態下において、成形キャビティ内で、かかる内側部分形成部と対応位置せしめられるようになる。
それ故、このような本発明手法においては、成形キャビティ内に収容されたパリソンの内部に圧縮空気を吹き込む前に、第一のキャビティ面、特に外側部分形成面と接触するパリソンの曲部の外側部分が、たとえ、外側部分形成面に多くの熱を奪われて、可塑性乃至は柔軟性が低下してしまうようなことがあっても、パリソン内への気体の吹き込み時に、パリソンの曲部の外側部分における樹脂材料が高い流動性を発揮することによって、パリソンにおける第一のキャビティ面との接触部分、特に、かかる接触部分のうち、パリソンの曲部の外側部分の膨張変形量が、成形キャビティ内で第二の型側に位置する部分の膨張変形量よりも小さくなってしまうようなことが、可及的に防止され得る。
また、パリソンの曲部の内側部分が、第一のキャビティ面と接触せしめられることなく、しかも第二のキャビティ面の内側部分形成面との間に僅かな隙間を設けた状態で、成形キャビティ内に収容配置されるところから、第一のキャビティ面の外側部分形成面に接触位置せしめられるパリソンの曲部の外側部分とは異なって、第一のキャビティ面や第二のキャビティ面に熱を奪われるようなことがなく、それ故、成形キャビティ内への収容下で、十分に高い可塑性乃至は柔軟性が維持せしめられ得る。そして、それによって、パリソン内への気体の吹き込み時に、パリソンの曲部の内側部分が、樹脂材料の流動性において、曲部の外側部分よりも劣るものであるにも拘わらず、かかる外側部分と、何等遜色のない程度に膨張変形せしめられ得るようになる。
従って、かくの如き本発明に従う曲部を有する樹脂チューブの製造方法によれば、樹脂チューブにおける曲部の内側部分と外側部分との間の肉厚差の発生を効果的に防止することが出来、以て、目的とする、曲部を有する樹脂チューブが、可及的に均一な肉厚をもって、極めて有利に製造することが可能となる。そして、その結果として、均一な強度を有すると共に、両側端部に接続されるべき相手物への接続が容易とされた優れた品質性能を発揮する、曲部を有する樹脂チューブを安定的に得ることが出来るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明手法に従って製造された樹脂チューブの一例として、自動車の吸気系ダクト等に好適に使用される樹脂チューブが、一部を切り欠いた正面形態において概略的に示されている。かかる図1から明らかなように、この樹脂チューブ10は、例えばポリプロピレン等の熱可塑性樹脂材料を用いて形成された単層構造を有している。そして、全体として、略「くの字」形態を呈するように、二次元的に屈曲乃至は湾曲せしめられた円筒形状を呈している。つまり、樹脂チューブ10が、軸方向中間部の一個所に、その中間部を径方向の一方向に曲げる曲部12を有して、構成されている。また、かかる樹脂チューブ10においては、曲部12の外側に位置する半周分の部分からなる外側部分14の内外面と、曲部12の内側に位置する、残りの半周分の部分からなる内側部分16の内外面とが、それぞれ、所定の曲率で湾曲する湾曲面とされている。
而して、このような曲部12を有する樹脂チューブ10は、本発明手法に従って、以下に示す如きブロー成形によって製造されることとなるが、そこでは、例えば、図2に示されるようなブロー成形用金型18が、用いられる。
このブロー成形用金型18は、上下方向に対向配置された、第一の型としての下型20と、第二の型としての上型22とを有している。下型20は、全体として、略矩形のブロック形状を呈しており、上型22との対向面(上面)に、その長さ方向(図2中、左右方向)の両端部側から中央部に向かって徐々に高さが低くなるような略「くの字」形態を有する凹所24が、設けられている。また、この凹所24の幅方向(図2における紙面に垂直な方向)の略中央部には、略半円状の横断面形状を有して、下型20の長さ方向に連続して延びる溝状のキャビティ形成凹部26が形成され、更に、このキャビティ形成凹部26の内面の全体が、第一のキャビティ面としての下型側キャビティ面28とされている。つまり、下型20に設けられたキャビティ形成凹部26が、水平方向に延び、且つその延出方向中間部の一個所において下側に向かって凸となるように「くの字」状に曲げ変形せしめられた円筒体の下側略半周分の部分からなる半割円筒体の外面形状に対応した半割円筒面形状を呈する下型側キャビティ面28を有して、構成されている。
かくして、ここでは、下型側キャビティ面28の全体形状が、目的とする樹脂チューブ10を、曲部12の外側部分14の全体を含む部分と曲部12の内側部分16の全体を含む部分とに、径方向に二分してなる半割円筒体のうち、曲部12の外側部分14の全体を含む部分からなる半割円筒体の外面形状に対応した半割円筒面形状とされている。そして、それによって、かかる下型側キャビティ面28の延出方向の中間部が、樹脂チューブ10における外側部分14の全体の外面形状に対応した外側部分形成面30とされているのである。
また、このような下型20にあっては、例えば油圧シリンダやサーボモータ等を利用した駆動手段(図示せず)によって、図2中の左右方向と紙面に垂直な方向、つまり水平面上において直交する方向に移動可能とされた移動テーブル31上に固定されている。そうして、移動テーブル31の移動に伴って、下型20が、水平方向に移動せしめられ得るようになっている。
一方、上型22も、全体として、略矩形のブロック形状を呈しており、下型20との対向面(下面)に、上型22の長さ方向(図2中、左右方向)の両側端部から中央部に向かって徐々に高くなるように下方に向かって突出する縦断面「くの字」状の山形形状を有して、下型20の凹所24と凹凸嵌合可能とされた凸部32が、一体形成されている。また、この凸部32の幅方向(図2における紙面に垂直な方向)の略中央部には、略半円状の横断面形状を有して、上型22の長さ方向に連続して延びる溝形態を呈するキャビティ形成凹部34が形成され、更に、このキャビティ形成凹部34の内面の全体が、第二のキャビティ面としての上型側キャビティ面36とされている。つまり、上型22に設けられたキャビティ形成凹部34が、水平方向に延び、且つその延出方向中間部の一個所において下側に向かって凸となるように「くの字」状に曲げ変形せしめられた円筒体の上側略半周分の部分からなる半割円筒体の外面形状に対応した半割円筒面形状を呈する上型側キャビティ面36を有して、構成されている。
かくして、かかる上型側キャビティ面36が、目的とする樹脂チューブ10を、曲部12の外側部分14の全体を含む部分と曲部12の内側部分16の全体を含む部分とに、径方向に二分してなる半割円筒体のうち、曲部12の内側部分16の全体を含む部分からなる半割円筒体の外面形状に対応した半割円筒面形状を呈している。そして、これにより、上型側キャビティ面36の延出方向の中間部が、目的とする樹脂チューブ10における内側部分16の全体の外面形状に対応した内側部分形成面38とされているのである。
また、そのような上型22にあっては、例えば油圧シリンダ等の駆動手段(図示せず)によって、上下方向に移動可能とされている。そして、移動テーブル30により、下型20が、上型22と上下方向に対向するように位置せしめられた状態下において、上型22が下方に移動せしめられることにより、それら下型20と上型22とが互いに型合せされる一方、そのような型合せ状態から、上型22が上方に移動せしめられることで、下型20と上型22とが型開きされるようになっている。また、下型20と上型22とが型合せされたときに、下型20のキャビティ形成凹部26と上型22のキャビティ形成凹部34との間に、下型側キャビティ面28と上型側キャビティ面36とに囲まれて、目的とする樹脂チューブ10の外形形状に対応した形状を有する成形キャビティ(40)が形成されるようになっているのである(図5参照)。
そして、かくの如き構造とされたブロー成形用金型18を用いて、目的とする樹脂チューブ10を得る際には、先ず、図3に示されるように、下型20が、移動テーブル31の移動により、所定の押出機の先端のダイヘッド42の近くまで移動せしめられると共に、ダイヘッド42に取り付けられた押出ダイ44から、筒状のパリソン46が、可塑化状態のままで押出成形される。このとき、パリソン46が、下型20に溝形態をもって設けられたキャビティ形成凹部26の延出方向の延長上に位置するように、下型20の位置が調節される。
次に、パリソン46が、押出ダイ44から更に連続的に押出成形される一方で、下型20が、移動テーブル31の移動により、下型20のキャビティ形成凹部26の延出方向(図3に示される矢印方向)において、押出ダイ44(ダイヘッド42)に対して相対的に移動せしめられる。これにより、図4に示されるように、押出成形されたパリソン46が、下型20のキャビティ形成凹部26内に収容されて、下型側キャビティ面28に載置される。
その際、パリソン46は、自重により、下型側キャビティ面28に沿って、長さ方向の中間部の一個所で、下方に凸となるように「くの字」状に曲げられて、下型側キャビティ面28の略全面に対して、下側の略半周分の部分において接触配置される。そうして、下型側キャビティ面28と接触するパリソン46の下側略半周分の部分のうち、長さ方向の中間部が、下型側キャビティ面28の外側部分形成面30に対して接触せしめられる。
そして引き続き、移動テーブル31の移動により、下型20が、上型22の直下の位置まで移動せしめられた後、上型22が下方に移動させられて、下型20に接近せしめられる。これにより、図5に示されるように、下型側キャビティ面28上にパリソン46が載置された下型20と上型22とが型合せされて、下型20のキャビティ形成凹部26と上型22のキャビティ形成凹部34との間に成形キャビティ40が形成されると共に、この成形キャビティ40内にパリソン46が収容配置される。
このとき、パリソン46の両端部が、下型20と上型22の互いの型合せ部位に挟まれて、潰されることで、パリソン46の内部が密閉される。また、成形キャビティ40内で、パリソン46の下側略半周分の部分が、外側部分形成面30を含む下型側キャビティ面28の略全面に接触位置せしめられる一方、残りの上側略半周分の部分が、上型22における内側部分形成面38を含む上型側キャビティ面36との間に隙間を開けた状態で、位置せしめられる。なお、このような配置下では、外側部分形成面30を含む下型側キャビティ面28と接触するパリソン46の下側略半周分の部分が、下型側キャビティ面28に熱を奪われて、可塑性乃至は柔軟性が、多少、失われるようになるが、内側部分形成面38を含む上型側キャビティ面36との間に隙間を開けて位置するパリソン46の上側略半周分の部分は、熱を奪われることなく、十分な可塑性乃至は柔軟性が維持される。
その後、図6に示されるように、下型20と上型22の互いの型合せ部位にて潰されたパリソン46の一端部に、針状の空気ノズル48が刺し通された後、この空気ノズル48を通じて、所定圧力の圧縮空気が吹き込まれる。これにより、パリソン46が膨張変形せしめられて、成形キャビティ40の形状、つまり下型側キャビティ面28と上型側キャビティ面36とに対応した形状に成形され、以て、下型側キャビティ面28の外側部分形成面30にて形成された外側部分14と、上型側キャビティ面36の内側部分形成面38にて形成された内側部分16とからなる曲部12を有すると共に、軸方向両端部が閉塞せしめられた中間成形体50が、得られるようになる。そして、その後、この中間成形体50がブロー成形用金型18から離型せしめられてから、中間成形体50の軸方向両端部が切断、除去されることで、かかる両端部に開口部が形成され、以て、図1に示される如き軸方向中間部に曲部12が設けられた、全体として、「くの字」状の円筒体からなる樹脂チューブ10が製造されることとなる。
そして、このような圧縮空気の吹込みによるパリソン46の膨張変形工程では、上記せるように、パリソン46の下側略半周分の部分の可塑性乃至は柔軟性が、下型側キャビティ面28との接触により、多少、失われるようになるが、そのような下型側キャビティ面28と接触するパリソン46の下側略半周分の部分のうち、特に、外側部分形成面30との接触部分が、外側部分形成面30に沿って、パリソン46の外側に向かって凸となる凸状湾曲形態とされるため、かかる接触部分を構成する樹脂材料が圧縮空気の膨張圧力により高い流動性を発揮するようになる。これによって、パリソン46における外側部分形成面30との接触部分が、パリソン46内に吹き込まれた圧縮空気にて、軸方向と周方向とに向かって十分に膨張変形せしめられることとなる。
一方、上型側キャビティ面36と隙間を開けて位置せしめられたパリソン46の上側略半周分の部分のうち、特に、内側部分形成面38と対応する部分は、パリソン46の内側に向かって凹陥する凹状湾曲形態とされることで、かかる対応部分を構成する樹脂材料の流動性が、多少、低いものとなるものの、上記せるように、パリソン46の成形キャビティ40内への収容下で、十分な可塑性乃至は柔軟性が安定して維持される。このため、パリソン46における内側部分形成面38との対応部分にあっても、圧縮空気の吹込みにより、軸方向と周方向とに向かって十分に膨張変形せしめられるようになる。
それ故、ここでは、成形キャビティ40内に収容されたパリソン46の内部への圧縮空気の吹込みによるパリソン46の膨張変形によって、外側部分形成面30との接触部分にて形成される曲部12の外側部分14と、内側部分形成面38との対応部分にて形成される曲部12の内側部分16との間で、肉厚差が生ずるようなことが、可及的に防止され得るようになる。
従って、かくの如き本実施形態手法によれば、従来手法とは異なって、曲部12を有する樹脂チューブ10が、全体として、可及的に均一な肉厚をもって、極めて有利に製造され得る。そして、その結果、均一な強度を有すると共に、例えば吸気系の接続配管等、接続されるべき相手物に対する確実且つ容易な接続を可能とする優れた品質性能を発揮する樹脂チューブ10が、安定的に得られることとなるのである。
また、このような本実施形態手法においては、押出ダイ44からのパリソン46の押出成形時に、移動テーブル31の移動により、下型20が、下型20の下型側キャビティ面28に沿って、押出ダイ44に対して相対移動せしめられるようになっているため、押出成形されたパリソン46が、下型側キャビティ面28に対して確実に接触位置せしめられ、それによって、曲部12を有する樹脂チューブ10が、より安定的に且つ容易に得られることとなる。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、第一の型としての下型20のみが、押出機のダイヘッド42(押出ダイ44)に対して相対移動可能とされていたが、ダイヘッド42のみ、或いは下型20とダイヘッド42の両方を、互いに相対移動可能に構成しても良い。なお、押出成形されたパリソンが、第一の型における第一のキャビティ面上に確実に接触配置可能となっておれば、第一の型やダイヘッドが移動不能とされていても、何等差し支えない。
また、前記実施形態では、第一の型と第二の型とが、上下方向において型開閉せしめられる下型20と上型22とにて構成されていたが、それら第一の型と第二の型とを、左右乃至は前後方向において型開閉せしめられるように構成された二つの分割型にて構成することも出来る。
さらに、前記実施形態では、1個の曲部12を有する樹脂チューブ10の製造手法に関して詳述したが、曲部12を複数個有する樹脂チューブ10に対しても、本発明手法は有利に適用され得る。つまり、製造されるべき樹脂チューブ10の形状は、「くの字」状に屈曲乃至は湾曲せしめられてなるものに、何等限定されるものではない。そして、そのような複数の曲部12を有する樹脂チューブ10を製造する際には、第一の型たる下型20として、曲部12の個数に対応した数の外側部分形成面30を有する下型側キャビティ面28が形成されたものが用いられ、また、第二の型たる上型22としても、曲部12の個数に対応した数の内側部分形成面38を有する上型側キャビティ面36が形成されたものが用いられる。
更にまた、樹脂チューブ10は、複層構造とされていても、勿論良い。
また、前記実施形態において使用される如き下型20と上型22とを用いて、例えば、周方向に連続して延びる突条等が端部の外周面に一体形成された樹脂チューブ10を製造する場合等の如く、アンダーカットとなる部位を一体的に有する樹脂チューブ10を得る場合には、そのようなアンダーカット部が設けられる部分を形成する、水平方向に分割可能なスライド型等が組み付けられた下型20や上型22等が、使用されることとなる。
加えて、本実施形態では、本発明を、自動車の吸気系ダクト等に好適に使用される樹脂チューブの製造方法に適用したものの具体例を示したが、本発明は、曲部を有する樹脂チューブの製造方法の何れに対しても有利に適用され得ることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明手法に従って製造された樹脂チューブの一例を示す、一部切欠図を含む正面説明図である。 本発明手法に従って、図1に示される樹脂チューブを製造する際に用いられる第一の型と第二の型のそれぞれの例を示す縦断面説明図である。 本発明手法に従って、図1に示される樹脂チューブを製造するに際して、その工程の一例を示す説明図であって、パリソンを押出成形している状態を示している。 図3に引き続いて行われる工程を示す説明図であって、押出成形されたパリソンを第一の型における第一のキャビティ面に接触配置した状態を示している。 図4に引き続いて行われる工程を示す説明図であって、押出成形されたパリソンを成形キャビティ内に収容した状態を示している。 図5に引き続いて行われる工程を示す説明図であって、成形キャビティ内に収容されたパリソンの内部に圧縮空気を吹き込んだ状態を示している。
符号の説明
10 樹脂チューブ 12 曲部
14 外側部分 16 内側部分
20 下型 22 上型
28 下型側キャビティ面 30 外側部分形成面
36 上型側キャビティ面 38 内側部分形成面
40 成形キャビティ 42 ダイヘッド
46 パリソン

Claims (2)

  1. 筒状のパリソンを成形する一方、二次元的に屈曲乃至は湾曲したくの字状を呈する円筒形状の樹脂チューブを与える成形キャビティ内に、該パリソンを収容した後、該パリソンの内部に気体を吹き込んで、ブロー成形して、該くの字状の樹脂チューブを製造するに際して、
    くの字形状における角部が上下方向において該くの字形状の両端部よりも下方に位置するように、上面がくの字状に凹陥した凹所とされて、該凹所の凹陥形状に沿って、前記樹脂チューブにおけるくの字形状の外側部分を与える半割円筒面形状の下型側キャビティ面が形成されている下型と、下面が該下型の凹所と凹凸嵌合可能とされたくの字状に突出する凸部とされて、該凸部の突出形状に沿って、前記樹脂チューブにおけるくの字形状の内側部分を与える半割円筒面形状の上型側キャビティ面が形成されている上型とを用い、それら下型側キャビティ面と上型側キャビティ面とによって、くの字形状における角部が最下部に位置するように該くの字が水平方向に横転した形態において、前記成形キャビティが形成されるように構成して、前記成形されるパリソンを、該下型における該下型側キャビティ面に接触させて、該下型側キャビティ面に沿って接触配置した後、該下型に前記上型を型合わせすることにより、該下型側キャビティ面と該上型における前記上型側キャビティ面との間で前記成形キャビティを形成すると共に、該パリソンを該成形キャビティ内に収容せしめて、ブロー成形するようにしたことを特徴とする曲部を有する樹脂チューブの製造方法。
  2. 前記パリソンが、押出機にて押出成形されると共に、該パリソンの押出成形が、該押出機のダイヘッドと前記下型のうちの少なくとも何れか一方を、それらのうちの少なくとも何れか他方に対して相対的に移動させつつ実施される請求項1に記載の曲部を有する樹脂チューブの製造方法。
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