JP5252628B2 - ダクト - Google Patents

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Description

この発明は、蛇腹状の変形部を備え、前記変形部の変形により折り曲げ可能なダクトに関するものである。
自動車には、車体の乗員室前方にエアコンユニットが設置されると共に、乗員室内に取付けられた車両内装部材(インストルメントパネルやフロアコンソール等)にエアアウトレットが配設され、エアコンユニットから送出された調温空気をエアアウトレットから乗員室内へ吹出して該乗員室内の空調が行なわれる。このため、エアコンユニットとエアアウトレットとは、車両内装部材の裏側に配設されたダクトで連結されている。
前述したダクトは、各車種毎に専用に設計されたものが使用されると共に、同一車種においても形状およびサイズが異なるものが複数使用されるので、形状およびサイズが異なる多数のダクトが製造されていた。しかし近年、製造コスト低減の観点から、同一車種および複数の車種での部品の共有化が希求され、全長や形状等を変更し得るよう構成したダクトが提案されている。すなわちダクトは、ダクト本体の途中に伸縮や曲げ等の変形が可能な蛇腹状の変形部を備え、この変形部の変形によってダクト本体の全長や形状の変更が可能となっている。このようなダクトは、例えば特許文献1〜3に開示されている。
実開平6−78746号公報 特開2000−108637号公報 実開昭64−53842号公報
ところで、特許文献1および2に開示された各ダクトは、蛇腹状の変形部を備えているものの、該変形部は変形した状態に保持される構造となっていない。このため、ダクトを折り曲げた状態に保持する締結部や締結具等を別途必要とし、ダクトの製造コストが嵩むと共に取付作業が面倒になる要因となっていた。また、特許文献3に開示されたダクトは、蛇腹状の変形部を構成する各突状部の両壁部の長さ、すなわち該突状部の頂部から谷部までの両壁部の長さを異ならせることで、変形した突状部の形状保持を図るよう構成されている。しかし、このような構成の変形部では、直線状に伸びた状態および縮んだ状態での形状保持はなされるが、該変形部を扇状に曲げた状態での形状保持が適切になされない問題点を内在している。
また図9に示すように、突状部54を複数連設して構成された変形部52を有するダクトD1では、ダクト本体50を略直角に折り曲げた場合に、変形部52の内接半径Rが極端に小さくなる。このため、ダクト本体50内を流通する空気は変形した変形部52内を通過する際にスムーズに変向されず、変形部52の下流側において剥離による旋回流(渦)56が発生して圧力損失が大きくなる問題があった。
本発明は、変形部が変形した状態に保持され得るダクトを提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
第1壁部と第2壁部とからなる突状部を複数連設した変形部をダクト本体に備えたダクトにおいて、
前記第1壁部は、前記突状部の頂部から谷部の方向で平坦に形成されると共に、該突状部の頂部から谷部までの直線距離が、前記第2壁部における該突状部の頂部から谷部までの直線距離より長く形成され、
前記第2壁部は、頂部側の湾曲変形基点と谷部との間が該頂部で接続する前記第1壁部側へ突出するよう湾曲して、隣り合う谷部同士近接して保持る第1状態と、頂部側の湾曲変形基点と谷部との間が該谷部で接続する前記第1壁部側へ突出するよう前記第1状態から反転して湾曲し、隣り合う谷部同士離間して保持る第2状態とに変形するよう形成され、
第2状態における前記第2壁部が、同一中心で前記湾曲変形基点および谷部を通る球面の一部をなす曲面形状となるよう構成されたことを要旨とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、突状部の第2壁部が第1状態に変形すると、隣り合う谷部同士が近接した状態に保持されると共に、各突状部の第2壁部が第1状態から反転して第2状態に変形すると、隣り合う谷部同士が離間した状態に保持され、これにより変形部は、伸びた状態、縮んだ状態および曲がった状態の各状態で保持される。従ってダクト本体は、伸縮状態だけでなく折り曲げた状態でも保持され得るので、ダクトを所定位置に配設するに先立ってダクト本体を予め所要の形状に変形させておくことができ、ダクトの取付作業の簡易化を図り得る。
請求項2に記載の発明は、
前記ダクト本体には、複数の前記変形部と、空気流通方向に沿う壁部からなる筒部とを、該空気流通方向に交互に配設して構成される湾曲部が備えられ、
前記湾曲部は、前記各変形部を扇状に各々変形させることで、各変形部および筒部により略円弧状に形成されることを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、扇状に変形した各変形部および該変形部の間に位置する筒部とにより略円弧状に形成される湾曲部の曲げ半径が大きくなり、該湾曲部の下流側において空気の剥離による旋回流の発生が抑制され、ダクト本体内での空気の流通がスムーズになってダクトの圧力損失を小さくし得る。
本発明に係るダクトによれば、ダクト本体を、伸縮状態だけでなく折り曲げた状態でも安定して保持することができると共に、圧力損失を小さくし得る
次に、本発明に係るダクトにつき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参照しながら、以下に説明する。実施例では、図1に示すように、自動車の乗員室に設置されたエアコンユニットACと、乗員室内に設置された車両内装部材IPに配設されたエアアウトレットAOとに夫々連結され、エアコンユニットACから送出された調温空気をエアアウトレットAOへ案内するダクトDを例示する。
実施例のダクトDは、図1および図2に示すように、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を材質とし、ダクト本体10の空気流通方向における途中に、所要間隔をおいて2つの湾曲部30,30を備えている。これによりダクト本体10は、エアコンユニットACに連結される第1本体部12と、両湾曲部30,30間に位置する第2本体部14と、エアアウトレットAOに連結される第3本体部16とに区分されている。そしてダクト本体10は、上流側の湾曲部30を変形させることにより、第1本体部12を第2本体部14に対して略直角に折り曲げることが可能であると共に、下流側の湾曲部30を変形させることにより、第3本体部16を第2本体部14に対して略直角に折り曲げることが可能である(図1、図6(c))。なお、第1本体部12の端部に空気流入口18が形成されると共に第3本体部16の端部に空気流出口20が形成され、ダクト本体10内に空気流通空間22が画成されている。
各々の湾曲部30,30は、所要数(実施例では3つ)の蛇腹状をなす変形部32と、空気流通方向に沿う壁部からなる2つの筒部34とを、該空気流通方向に交互に配設して構成されている。3つの各変形部32は、ダクト本体10の外方へ突出しかつ該ダクト本体10の周方向へ延在する突状部36を、空気流通方向へ複数(実施例では5つ)連設して構成されている。各変形部32は、各突状部36の周方向における同一位置を空気流通方向において縮閉させ得ると共に、ダクト本体10の径方向において該縮閉位置と対向する部位を空気流通方向へ伸ばして拡開させることで、空気流通方向における両端縁の角度差が30度となる扇状に変形する。これにより、3つの各変形部32が直列に配置された湾曲部30は、図1に示すように、各変形部32が30度の扇状に夫々変形することで、全体として90度の円弧状に曲がるよう構成される。
筒部34は、図1および図2に示すように、空気流通方向における両側に位置する各変形部32の最端に設けた突状部36,36の最小径部である谷部44に夫々連設され、ダクト本体10と略同一の外径とされている。これら筒部34は、単純な円筒状を呈しており、空気流通方向における伸縮および曲がり変形は不可能である。従って、3つの変形部32および2つの筒部34を交互に連設した湾曲部30は、図1に示すように、各変形部32間に筒部34が設けられることで、各変形部32が扇状に変形した際には、図9に示した突状部54のみから構成される変形部52よりも内接半径Rが大きくなり、前述したように略円弧状に曲がる。
変形部32の各突状部36は、図3および図4に示すように、最大径部の頂部42で連設される第1壁部38および第2壁部40からなる。空気流通方向に隣接する突状部36は、第1壁部38と第2壁部40とが、最小径部の谷部44で連設されている。これら第1壁部38および第2壁部40は、図5に示すように、谷部44から頂部42に向かって徐々に薄くなるよう形成されている。
第1壁部38は、図5に示すように、頂部42から谷部44に向けて平坦状に形成されている。そして、第1壁部38における頂部42から谷部44までの直線距離S1は、第2壁部40における頂部42から谷部44までの直線距離S2より長く設定されている。
第2壁部40は、図5に示すように、頂部42側に設けた湾曲変形基点46と谷部44との間が該頂部42で接続する第1壁部38側へ突出するよう湾曲して、隣り合う谷部44同士が近接して保持される第1状態(図3)と、湾曲変形基点46と谷部44との間が該谷部44で接続する第1壁部38側へ突出するよう湾曲して(頂部42で接続する第1壁部38側と反対側へ突出するよう湾曲して)、隣り合う谷部44同士が離間して保持される第2状態(図4)とに変形するようになっている。実施例では、第2壁部40の湾曲変形基点46が、頂部42の近傍部分において第2壁部40の肉厚と同程度の間隔で該頂部42から離間した位置に、頂部42と前述した間隔を保持しながら第2壁部40の全周に亘って延設されている。従って第2壁部40は、湾曲変形基点46と谷部44との間の部分が湾曲して、第1状態および第2状態に変形する。そして、第2状態に変形した第2壁部40は、図4に示すように、同一中心で湾曲変形基点46および谷部44を通る半径Mの球面の一部をなす曲面形状になる。
湾曲変形基点46は、変形部32の隣り合う谷部44同士が離間している状態(図5の実線表示)において、頂部42より内側(ダクト本体10の径方向中心側)に位置する。そして前述したように、第2壁部40における頂部42と湾曲変形基点46との間隔は、該湾曲変形基点46の近傍部分における第2壁部40の肉厚と同程度となっている。これにより第2壁部40は、頂部42で接続する第1壁部38の影響を受けることなく第1状態および第2状態に変形可能であり、図5に2点鎖線で示すように、第1状態に変形した第2壁部40は、頂部42で接続する第1壁部38に強く接触することが防止される。従って、変形部32を曲げた場合には、第2壁部40の第1状態となった部位および第2状態となった部位の何れもその状態に保持され、該変形部32は曲げた状態に安定して保持される。
第2壁部40の第1状態から第2状態への変形および第2状態から第1状態への変形は、谷部44を介して連設された隣接する突状部36の第1壁部38により発現する。すなわち図3に示すように、各突状部36が空気流通方向において両側から押されると、頂部42と谷部44とがダクト本体10の内外方向においてオーバーラップして各谷部44が近接する。このとき、第2壁部40の湾曲形状は、該第2壁部40の谷部44で連設された第1壁部38側から、該第2壁部40の頂部42で連設された第1壁部38側へ反転(変形)する。このように各第2壁部40が第1状態に保持されると、各谷部44が近接した状態に保持される。
一方、縮められた各突状部36を、図4に示すように、空気流通方向において両側へ引張ると谷部44が空気流通方向へ離間するようになる。このとき、第2壁部40の湾曲形状は、該第2壁部40の頂部42で連設された第1壁部38側から、該第2壁部40の谷部44で連設された第1壁部38側へ反転(変形)する。このように各第2壁部40が第2状態に保持されると、各谷部44が離間した状態に保持される。
従って各突状部36は、ダクト本体10の周方向において第2壁部40が第1状態に変形した部位では、第2壁部40と第1壁部38とが近接して隣り合う谷部44同士が近接した状態に保持され、各突状部36の当該部位は縮閉した状態となる。また、ダクト本体10の周方向において第2壁部40が第2状態に変形した部位では、第2壁部40と第1壁部38とが離間して隣り合う谷部44同士が離間した状態に保持され、各突状部36の当該部位は拡開した状態となる。しかも、頂部42が薄肉となっており、かつ変形部32の隣り合う谷部44同士が離間して保持されている状態において、湾曲変形基点46が頂部42より内側に設定してあるので、各突状部36は、縮閉した状態と拡開した状態とに容易に変形すると共に、何れの状態に変形しても反対状態への復元力が発現し難くなり、変形した状態に適切に保持される。
従って各変形部32は、各突状部36の周方向における同一位置を中心として、ダクト本体10の径方向において該縮閉位置と対向する部位を空気流通方向へ拡開させると(伸ばすと)、該変形部32は扇状に変形した状態で保持される。このような変形部32からなる湾曲部30をダクト本体10に設けた実施例のダクトDは、各湾曲部30,30が90度に曲がった状態で形状保持されるから、ダクト本体10は折れ曲がった状態で保持され得る。
また各突状部36は、周方向における何れの位置でも空気流通方向へ拡開し得るので、各湾曲部30は、図1に示した状態だけでなく、何れの方向へも曲がり得る。従って、第1本体部12と第2本体部14、第2本体部14と第3本体部16は、相互に対して何れの方向にも90度に折り曲げることが可能である。更に、湾曲部30における変形部32の各突状部36は、全周に亘って空気流通方向へ拡開した状態に変形することも可能であるから、ダクト本体10は直線状で伸縮させることも可能である。従って実施例のダクトDは、図1に示した形状のみならず、様々な形状に伸縮させたり曲げることができ、複数の形状、サイズのダクトとして使用が可能である。
なお実施例のダクトDは、図6に示す過程を経て成形されると共に車両に組み付けられる。先ず図6(a)に示すように、図示しないブロー成形型を利用して、直線状態でかつ前述した湾曲部30における変形部32の各突状部36が拡開した形状にブロー成形される。すなわち、各突状部36の第2壁部40は、該第2壁部40の谷部44で連設された第1壁部38側へ湾曲する第2状態で成形される。ブロー成形されたダクトDは、図6(b)に示すように、ダクト本体10を長手方向の両側から押すことにより、湾曲部30の変形部32における各突状部36の各第2壁部40が第2状態から第1状態に反転(変形)し、これにより突状部36が縮閉した状態となって各変形部32は縮まる。ダクト本体10はこの状態で車両用部品として組み付けられる組み付け場所まで搬送され、次いで、図6(c)に示すように、各第2壁部40の周方向における一部分を第2状態に反転(変形)させて変形部32を屈曲させると、ダクト本体10は変形部32が屈曲した状態に形状保持される。従ってダクトDは、図6(c)に示した形状に予め折り曲げた状態としたもとで、図1に示すように、エアコンユニットACおよびエアアウトレットAOとに夫々連結させることで、車両内装部材IPの裏側に配設される。
(通風実験)
出願人は、図7および図8に示した各タイプの湾曲部30を備えたダクトDの通風実験を行ない、圧力損失を測定した。すなわち、図7(a)のTYPE1は、実施例に示した湾曲部30であって、3つの変形部32および2つの筒部34を空気流通方向に沿って交互に配置した構成とされ、各変形部32が30度ずつ変形して90度に曲がるようにしたものである。また、図7(b)〜(d)のTYPE2〜TYPE4の各湾曲部30は、3つの変形部32および2つの筒部34を空気流通方向に沿って交互に配置した構成した点ではTYPE1と同じであるが、各変形部32と筒部34との連設態様が異なっている。すなわち、TYPE1の湾曲部30は、各筒部34が、上流側の変形部32における突状部36の谷部44と連設されると共に下流側に位置する変形部32における突状部36の谷部44と連設されている。これに対し、TYPE2の湾曲部30は、筒部34が、上流側の変形部32における突状部36の頂部42に連設されると共に下流側の変形部32における突状部36の頂部42と連設され、TYPE1よりも筒部34の径が大きくなっている。TYPE3の湾曲部30は、各筒部34が、上流側の変形部32における突状部36の谷部44に連設されると共に下流側の変形部32における突状部36の頂部42と連設され、筒部34の径が下流に向かって漸次大きくなる形態としたものである。TYPE4の湾曲部30は、各筒部34が、上流側の変形部32における突状部36の頂部42に連設されると共に下流側の変形部32における突状部36の谷部44と連設され、筒部34の径が下流に向かって漸次小さくなる形態としたものである。
また、図8(a)のTYPE5および図8(b)のTYPE6の湾曲部30は、2つの変形部32および1つの筒部34を空気流通方向に沿って交互に配置した構成とされ、各変形部32が45度の扇状に変形することで90度に曲がるようにしたものである。なおTYPE5とTYPE6とは、筒部34における空気流通方向の長さLが異なっており、TYPE6のほうが長さLを大きく設定してある。
一方、図8(c)に示すTYPE7は、図9に示したダクトD1と同じく、筒部34を有さない単一の変形部32から構成したものである。なお、図7および図8に示すように、TYPE1〜6の各湾曲部30およびTYPE7の変形部32は、何れも15個の突状部36から構成されているが、筒部34の有無、筒部34の配設数、筒部34の長さLの違いにより、曲がった際の内接半径Rが異なる。すなわち、2つの筒部34を設けたTYPE1〜4の湾曲部30は、変形時の内接半径Rが同一でかつ最も大きく、筒部34を有さないTYPE7の変形部32は、変形時の内接半径Rが最も小さくなっている。また、TYPE5およびTYPE6の湾曲部30は、筒部34の長さLが大きいTYPE6の方がTYPE5より変形時の内接半径Rが大きくなる。
なお、通風実験におけるダクト本体10および湾曲部30の各部の諸元および条件は次のようにした。
・ダクト本体10の内径:73.0mm(TYPE1〜7)
・第1本体部12の長さ:54.0mm(TYPE1〜4)
67.7mm(TYPE5)
52.5mm(TYPE6)
100.0mm(TYPE7)
・第2本体部14の長さ:168.0mm(TYPE1〜4)
193.4mm(TYPE5)
165.0mm(TYPE6)
250.0mm(TYPE7)
・第3本体部16の長さ:54.0mm(TYPE1〜4)
67.7mm(TYPE5)
52.5mm(TYPE6)
100.0mm(TYPE7)
・湾曲部30の数:2個
・TYPE1〜4の湾曲部30における筒部34の長さL:30mm
・TYPE5の湾曲部30における筒部34の長さL:20mm
・TYPE6の湾曲部30における筒部34の長さL:50mm
・流通空気量:2m/min
Figure 0005252628
表1は、前述した実験条件に基き、TYPE1〜7の2つの各湾曲部30を備えたダクトDの通風実験における実験結果を示したものである。表1から明らかなように、筒部34を有さないTYPE7の変形部32を備えたダクトDの圧力損失が111.3Paと最も大きく、筒部34を備えたTYPE1〜6の湾曲部30を備えた各ダクトDの圧力損失は、何れもTYPE7のダクトDよりも小さくなっている。このことから、湾曲部30に筒部34を設け、変形した該湾曲部30の内接半径Rを大きくすることが、ダクトDの圧力損失を小さくすることに有効であることが確認できた。
そして、最も圧力損失が小さいのは、実施例に示したTYPE1の湾曲部30を備えたダクトDであり、またTYPE3とTYPE5およびTYPE6の湾曲部30を備えた各ダクトDの圧力損失は、TYPE1より大きいが略同じであった。更に、TYPE2とTYPE4の湾曲部30を備えた各ダクトDは、TYPE3,5および6の湾曲部30を備えたダクトDよりも圧力損失が大きいことが判明した。なお、TYPE5,6の湾曲部30を備えたダクトDにおいて、変形部32と筒部34の連設形態をTYPE2または4と同じくした場合には、圧力損失がより大きくなることが予想できる。
以上の実験結果から、ダクトDの圧力損失を小さくするには、筒部34を、上流側の変形部32における突状部36の谷部44に連設すると共に下流側の変形部32における突状部36の谷部44と連設する形態(TYPE1,5,6)が、圧力損失を小さくするのに有効であることが理解できる。更に、筒部34の形成数を多くすることも、圧力損失を小さくするのに有効であることが確認できた。
前述のように構成された実施例のダクトDでは、各突状部36の第2壁部40が第1状態に変形すると、隣り合う谷部44同士が近接した状態に保持され、各突状部36の第2壁部40が第2状態に変形すると、隣り合う谷部44同士が離間した状態に保持される。これにより変形部32は、伸びた状態、縮んだ状態および曲がった状態の各状態で保持され、ダクト本体10は伸縮状態だけでなく折り曲げた状態でも保持され得る。従って実施例のダクトDは、ダクト本体10を縮めた状態で保持して搬送することができるので、車両等への組み付け前でのダクトDの輸送効率を改善できる。更に実施例のダクトDは、車両内装部材IPの裏側へ配設するに先立ってダクト本体10を予め所要の形状に変形させたもとで、エアコンユニットACとエアアウトレットAOに夫々連結することができるため、車両内装部材IPの狭い内側での折り曲げ作業を必要とせず、取付作業の簡易化を図り得る。
また実施例のダクトDでは、各湾曲部30を、5つの突状部36からなる3つの変形部32および2つの筒部34を空気流通方向に沿って交互に配置した構成としたことで、各変形部32の変形による該湾曲部30の曲げ半径を大きくして内接半径Rを大きくできる。従って、湾曲部30の下流側において空気の剥離による旋回流の発生が抑制され、ダクト本体10内での空気の流通がスムーズになってダクトの圧力損失を小さくし得る。なお、筒部34の配設数を変更したり、該筒部34の長さLを変更することで、湾曲部30の変形時の曲げ半径を調整し得るので、更に圧力損失を小さくすることも可能である。
(変更例)
本願が対象とするダクトDは、前述した実施例の形態に限定されず、様々な変更可能である。
(1)湾曲変形基点46の形成位置は、頂部42から第2壁部40の肉厚と同程度の間隔で離間した位置に限定されず、第1状態に変形した第2壁部40が該第1状態に保持され得れば、頂部42との間隔を、第2壁部40の肉厚より小さく設定してもよいし、第2壁部40の肉厚より大きく設定してもよい。
(2)湾曲変形基点46を、頂部42と一致させてもよい。この場合、第2壁部40は、全体が湾曲して第1状態および第2状態に変形するようになる。
(3)実施例では、90度に曲がる湾曲部30を例示したが、変形部32における突状部36の配設数、変形部32および筒部34の配置数等を変更することで、90度以下または90度以上に曲がるよう構成することも可能である。
(4)ダクト本体10は、円筒形状に限らず、四角形や五角形等の角筒形状であってもよい。
(5)本願が対象とするダクトは、自動車に配設されるものに限らず、これ以外の車両や建物等に配設されるものも対象とされる。
湾曲部を変形させた実施例のダクトを、エアコンユニットおよびエアアウトレットに夫々接続した状態で示した説明図である。 図1に示すダクトを、湾曲部を縮めた状態で示した説明図である。 湾曲部を構成する各変形部における各突状部の第2壁部が第1状態に変形し、隣り合う谷部同士が近接した状態に保持されることを示した部分断面図である。 湾曲部を構成する各変形部における各突状部の第2壁部が第2状態に変形し、隣り合う谷部同士が離間した状態に保持されることを示した部分断面図である。 実施例の突状部における第1壁部および第2壁部の形状を示した拡大断面図である。 (a)は、実施例のダクトをブロー成形後の状態で示す全体図であり、(b)は、各変形部を縮めた状態で示す全体図であり、(c)は、湾曲部を扇状に変形させた状態で示す全体図である。 湾曲部の形態の違いによるダクトの圧力損失を測定するため、実験に使用した各変形部の形状を示した図面であって、(a)はTYPE1(実施例)の湾曲部を示し、(b)はTYPE2の湾曲部を示し、(c)はTYPE3の湾曲部を示し、(d)はTYPE4の湾曲部を示す。 湾曲部の形態の違いによるダクトの圧力損失を測定するため、実験に使用した各変形部の形状を示した図面であって、(a)はTYPE5の湾曲部を示し、(b)はTYPE6の湾曲部を示し、(c)はTYPE7の変形部を示す。 ダクト本体が変形部で急激に折れ曲がるため、該変形部の下流側において剥離による旋回流(渦)が発生し、圧力損失が大きくなることを示した説明図である。
符号の説明
10 ダクト本体,32 変形部,34 筒部,36 突状部,38 第1壁部
40 第2壁部,42 頂部,44 谷部,46 湾曲変形基点,S1 直線距離
S2 直線距離

Claims (2)

  1. 第1壁部と第2壁部とからなる突状部を複数連設した変形部をダクト本体に備えたダクトにおいて、
    前記第1壁部は、前記突状部の頂部から谷部の方向で平坦に形成されると共に、該突状部の頂部から谷部までの直線距離が、前記第2壁部における該突状部の頂部から谷部までの直線距離より長く形成され、
    前記第2壁部は、頂部側の湾曲変形基点と谷部との間が該頂部で接続する前記第1壁部側へ突出するよう湾曲して、隣り合う谷部同士近接して保持る第1状態と、頂部側の湾曲変形基点と谷部との間が該谷部で接続する前記第1壁部側へ突出するよう前記第1状態から反転して湾曲し、隣り合う谷部同士離間して保持る第2状態とに変形するよう形成され、
    第2状態における前記第2壁部が、同一中心で前記湾曲変形基点および谷部を通る球面の一部をなす曲面形状となるよう構成された
    ことを特徴とするダクト。
  2. 前記ダクト本体には、複数の前記変形部と、空気流通方向に沿う壁部からなる筒部とを、該空気流通方向に交互に配設して構成される湾曲部が備えられ、
    前記湾曲部は、前記各変形部を扇状に各々変形させることで、各変形部および筒部により略円弧状に形成される請求項1記載のダクト。
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