JP7348504B2 - 成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形体及びその製造方法に関する。
特許文献1には、加熱して軟化状態とした発泡樹脂シートを分割金型のキャビティ(空間)に配置し、その後、当該キャビティを減圧吸引することで発泡樹脂シートを二次発泡させて発泡樹脂シートを膨張させる方法が提案されている。このような方法によって一対の金型によって規定される空間の形状を有した成形体を製造することができる。
特開2001-310380号公報
しかし、近年の成形体は複雑化しており、キャビティが複雑な形状を要することがある。このような場合、特に屈曲する箇所等において、樹脂の回り込みが十分に起こらず、空間の形状に賦形されない成形不良が発生する。さらには、発泡樹脂シートに別の樹脂シートを溶着させる場合等において、適切に溶着されないという問題も発生する。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、成形不良の起きにくい成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、成形体であって、成形時に使用する一対の金型によって規定される空間と略同一の形状を有し、樹脂成形体と、表皮部材とを備え、前記樹脂成形体は、発泡樹脂からなり、屈曲部を備え、ここで、前記屈曲部における肉厚は、前記空間の形状に応じて前記樹脂成形体の前記屈曲部以外の肉厚よりも薄く構成され、前記表皮部材は、前記樹脂成形体の、前記屈曲部の谷となる一方側に配置されるものが提供される。
上記構成を有する成形体によって、成形不良の発生を抑制することができる。以上のような有利な効果を奏する。
成形体1の正面側斜視図を示している。 成形体1の背面側斜視図を示している。 成形体1の肉厚を説明するための端面図を示している。 ヒンジ部33を折り曲げる前の成形体1の斜視図を示している。 ヒンジ部33を折り曲げる前の成形体1の端面図を示している。 金型71,72の構成を説明するための端面図を示している。 成形体1を製造するための成形機2の態様を示している。 成形体1の製造において、金型71,72が開放された態様を示している。 成形体1の製造において、金型72の減圧吸引によって発泡樹脂シート21及び非発泡樹脂シート22を金型72の形状に賦形した態様を示している。 成形体1の製造において、金型71,72が閉じられた態様を示しており、特に、図10Aが全体を示し、図10Bが図10Aにおける点線で囲まれた箇所の拡大図を示し、図10Cが図10Bの状態から発泡樹脂シート21が膨張した態様を示している。 変形例に係る成形体1を示す斜視図を示している。 変形例に係る成形体1を示す端面図を示している。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.全体構成
第1節では、本実施形態に係る成形体1の構成について説明する。図1は、成形体1の正面側斜視図を示している。図2は、成形体1の背面側斜視図を示している。図3は、成形体1の肉厚を説明するための端面図を示している。図4は、ヒンジ部33を折り曲げる前の成形体1の斜視図を示している。図5は、ヒンジ部33を折り曲げる前の成形体1の端面図を示している。図6は、金型71,72の構成を説明するための端面図を示している。
1.1 基本構成
まず、成形体1の基本構成について概説する。成形体1は、成形時に使用する一対の金型71,72によって規定される空間Sと略同一の形状を有する(図5及び図6参照)。図1~図3に示されるように、成形体1は、樹脂成形体11と、表皮部材12とを備える。具体的には、成形体1は二層構造となっている。つまり、成形体1は、第1の層としての樹脂成形体11と、第2の層としての表皮部材12とを備えている。
(樹脂成形体11及び屈曲部13)
樹脂成形体11は、発泡樹脂M2(図7参照)からなる成形体である。樹脂成形体11の発泡倍率は、特に限定されないが、例えば1.5~6倍である。また、樹脂成形体11は、屈曲部13を備える。屈曲部13に関連して、成形体1では、屈曲部13の曲率半径rが100mm以下であるものが少なくとも含まれることに留意されたい。また、屈曲部13の両端の2つの接平面P1,P2が成す角θが150度以下であるものが少なくとも含まれる。さらには、角θが90度以下であってもよい。このような短い曲率半径rや鋭角を成す角θは、急激な屈曲を意味する。このように急激な屈曲を含む場合、一般的には成形時に成形不良が発生しやすい。
そこで、図3及び図5に示されるように、本実施形態では、屈曲部13における肉厚t1は、成形時に使用する一対の金型71,72によって規定される空間Sの形状に応じて樹脂成形体11の屈曲部13以外の肉厚t2よりも薄く構成される、という工夫がなされている。好ましくは、屈曲部13における肉厚t1は、樹脂成形体11の屈曲部13以外の肉厚t2から連続的に薄くなるように構成されるとよい。具体的には、屈曲部13の中心に近づくにつれて連続的に肉厚t2から肉厚t1になるように構成される。
なお、曲率半径rについては、具体的には例えば、r=100,98,96,94,92,90,88,86,84,82,80,78,76,74,72,70,68,66,64,62,60,58,56,54,52,50,48,46,44,42,40,38,36,34,32,30,28,26,24,22,20,18,16,14,12,10,8,6,4,2,1mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
また、角θについては、具体的には例えば、θ=150,147.5,145,142.5,140,137.5,135,132.5,130,127.5,125,122.5,120,117.5,115,112.5,110,107.5,105,102.5,100,97.5,95,92.5,90,87.5,85,82.5,80,77.5,75,72.5,70,67.5,65,62.5,60,57.5,55,52.5,50,47.5,45,42.5,40,37.5,35,32.5,30,27.5,25,22.5,20,17.5,15,12.5,10度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
さらに、肉厚t1,t2については、具体的には例えば、(t1/t2)=0.9,0.89,0.88,0.87,0.86,0.85,0.84,0.83,0.82,0.81,0.8,0.79,0.78,0.77,0.76,0.75,0.74,0.73,0.72,0.71,0.7,0.69,0.68,0.67,0.66,0.65,0.64,0.63,0.62,0.61,0.6,0.59,0.58,0.57,0.56,0.55,0.54,0.53,0.52,0.51,0.5,0.49,0.48,0.47,0.46,0.45,0.44,0.43,0.42,0.41,0.4,0.39,0.38,0.37,0.36,0.35,0.34,0.33,0.32,0.31,0.3であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
(表皮部材12)
図1に示されるように、表皮部材12は、樹脂成形体11の、屈曲部13の谷(凹部)となる一方側に配置される。表皮部材12は、一例では、通気性を有する不織布で構成され、具体的にはナイロン繊維、セルロース繊維、アラミド繊維などを挙げることができるが、その例に限定されない。
1.2 機能的構成
続いて、成形体1の機能的構成について説明する。成形体1は自動車の内装部品であり、成形体1にはおもて面34が形成され、自動車の搭乗者はおもて面34に例えば飲物の容器といった物品を置くことができる。このように、おもて面34は物品の荷重が加わる部分であるため、成形体1は、成形体1のうちおもて面34の形成領域を補強する補強部32を備えている。
すなわち、成形体1は、基部31と、補強部32と、ヒンジ部33とを備える。また、成形体1には突出部35が形成される。突出部35は、成形体1の凹状の空間を2つの領域に分けている。
(基部31)
図1及び図2に示されるように、基部31は、基部本体311と、フランジ壁312とを備えている。基部本体311は凹状に形成され、基部本体311の縁にはフランジ壁312が接続されている。基部本体311はベース壁315と立設壁316とを備えている。ベース壁315は板状部材である。なお、図1及び図2において、ベース壁315は平板であるが、これを湾曲させてもよい。
ベース壁315は補強部32によって支持されており、ベース壁315に荷重が加わった場合において、ベース壁315の変形が抑制される。ベース壁315は、第1の縁部313と、第2の縁部314と、おもて面34と、裏面36とを有する。第1の縁部313にはフランジ壁312が接続されている。おもて面34は裏面36の反対側に形成され、裏面36は補強部32に間隔をあけて対向している。裏面36は補強部32に支持される面である。
立設壁316は板状部材であり、立設壁316はベース壁315から立ち上がるように延びている。本実施形態において立設壁316は第2の縁部314に接続されている。立設壁316は突出部35を有する。立設壁316の縁にはフランジ壁312が接続されている。
フランジ壁312は板状部材であり、本実施形態においてフランジ壁312は環状に形成されている。フランジ壁312の内側縁はベース壁315及び立設壁316に接続されている。フランジ壁312の外側縁にはヒンジ部33が形成されており、フランジ壁312外側縁はヒンジ部33を介して補強部32に連結している。フランジ壁312には開口部317が形成されており、開口部317には、成形体1を自動車の車内部品に固定する固定部材(例えばボルト)が挿入される。
(補強部32及びヒンジ部33)
補強部32は、ヒンジ部33を介して基部31に回動可能に接続されている。本実施形態において、成形体1には、補強部32及びヒンジ部33が2個ずつ設けられているが、個数は2個に限定されるものではなく、1個でもよいし、3個以上であってもよい。
ヒンジ部33は、薄肉形成されている。具体的には、ヒンジ部33の肉厚は補強部32の肉厚及び基部31の肉厚よりも薄くなっている。このため、ヒンジ部33は、製造者又は製造装置が補強部32をベース壁315の裏面36へ向けて倒すように補強部32を曲げ加工可能に構成されている。
補強部32は凹状に形成された板状部材である。補強部32は補強リブ321と固定部322とを有する。補強部32が曲げられた状態において、補強リブ321はベース壁315の裏面36に向かって突出するように形成されている。補強部32は基部31を補強するように設けられている。なお、補強リブ321も屈曲部14を有するが、意匠面とならないため、屈曲部13と異なり肉厚を薄くする構成はとっていない。もちろんあくまでも一例であり、屈曲部14を屈曲部13の構成に代えてもよい。
具体的には、本実施形態において補強リブ321はベース壁315の裏面36に当接しており、これにより、ベース壁315は補強部32に支持され、その結果、基部31が補強部32によって補強される。なお、本実施形態では補強リブ321はベース壁315に当接しているが、それに限定されるものではない。介在部材が補強リブ321とベース壁315との間に設けられ、補強リブ321がベース壁315に当接していなくてもよい。補強リブ321はベース壁315の裏面36に溶着されている。固定部322には開口部323が形成され、開口部323には、成形体1を自動車の車内部品に固定する固定部材(例えばボルト)が挿入される。
2.成形体1の製造方法
第2節では、成形体1の製造方法について説明する。図7は、成形体1を製造するための成形機2の態様を示している。
2.1 成形機2の構成
成形機2は、樹脂供給装置4と、Tダイ5と、金型71と、金型72とを備える。樹脂供給装置4は、ホッパー41と、押出機42と、インジェクタ44と、アキュームレータ45を備える。押出機42とアキュームレータ45は、連結管61を介して連結される。アキュームレータ45とTダイ5は、連結管62を介して連結される。
(ホッパー41及び押出機42)
ホッパー41は、原料樹脂M1を押出機42のシリンダ43内に投入するために用いられる。原料樹脂M1の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット状である。原料樹脂M1は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。原料樹脂M1は、ホッパー41からシリンダ43内に投入された後、シリンダ43内で加熱されることによって溶融されて溶融樹脂になる。また、シリンダ43内に配置されたスクリューの回転によってシリンダ43の先端に向けて搬送される。スクリューは、シリンダ43内に配置され、その回転によって溶融樹脂を混練しながら搬送する。スクリューの基端にはギア装置が設けられており、ギア装置によってスクリューが回転駆動される。
(インジェクタ44)
シリンダ43には、シリンダ43内に発泡剤を注入するためのインジェクタ44が設けられる。インジェクタ44から注入される発泡剤は、物理発泡剤、化学発泡剤、及びその混合物が挙げられるが、物理発泡剤が好ましい。物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系物理発泡剤、及びブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤、更にはそれらの超臨界流体を用いることができる。超臨界流体としては、二酸化炭素、窒素などを用いて作ることが好ましく、窒素であれば臨界温度-149.1℃、臨界圧力3.4MPa以上、二酸化炭素であれば臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPa以上とすることにより得られる。化学発泡剤としては、酸(例:クエン酸又はその塩)と塩基(例:重曹)との化学反応により炭酸ガスを発生させるものが挙げられる。化学発泡剤は、インジェクタ44から注入する代わりに、ホッパー41から投入してもよい。
(アキュームレータ45及びTダイ5)
原料樹脂M1と発泡剤が溶融混練されてなる発泡樹脂M2は、シリンダ43の樹脂押出口から押し出され、連結管61を通じてアキュームレータ45内に注入される。アキュームレータ45は、シリンダ46とその内部で摺動可能なピストン47を備えており、シリンダ46内に発泡樹脂M2が貯留可能になっている。そして、シリンダ46内に発泡樹脂M2が所定量貯留された後にピストン47を移動させることによって、連結管62を通じて発泡樹脂M2をTダイ5内に設けられたスリットから押し出して垂下させて発泡樹脂シート21を形成する。
(金型71,72)
発泡樹脂シート21は、金型71,72間に導かれる。金型71には凹状のキャビティ711が形成されている。金型72には凸状のコア721が形成されている。金型71,72には、図示省略の多数の減圧吸引孔が設けられている。また、金型71,72には、キャビティ711を取り囲むように、ピンチオフ部712,722が形成されている。
2.2 製造方法の流れ
図8は、成形体1の製造において、金型71,72が開放された態様を示している。図9は、成形体1の製造において、金型72の減圧吸引によって発泡樹脂シート21及び非発泡樹脂シート22を金型72の形状に賦形した態様を示している。図10は、成形体1の製造において、金型71,72が閉じられた態様を示しており、特に、図10Aが全体を示し、図10Bが図10Aにおける点線で囲まれた箇所の拡大図を示し、図10Cが図10Bの状態から発泡樹脂シート21が膨張した態様を示している。成形体1の製造方法は、配置工程と、成形工程と、切除工程と、回動工程と、溶着工程とを備える。
(配置工程)
配置工程では、発泡樹脂シート21と非発泡樹脂シート22とを一対の金型71,72間に配置する。より具体的には、図7及び図8に示されるように、配置工程では、溶融状態の発泡樹脂M2をTダイ5のスリットから押し出して形成した1枚の発泡樹脂シート21を、金型71,72の間に配置する。発泡樹脂シート21と金型72との間には、非発泡樹脂シート22が配置される。
(成形工程)
続いて、成形工程では、一対の金型71,72を型閉じして両側から吸引し、その後これを開放することで、発泡樹脂シート21がより発泡して樹脂成形体11となり且つ非発泡樹脂シート22が表皮部材12となることによって、成形体1を製造する。具体的には、成形工程は、吸引工程と、型閉じ工程と、膨張工程とを備える。吸引工程では、金型72の減圧吸引孔から発泡樹脂シート21及び非発泡樹脂シート22を吸引する。これにより、発泡樹脂シート21及び非発泡樹脂シート22が、金型72のコア721に沿った形状に賦形される(図9参照)。
型閉じ工程では、図10Aに示されるように、金型71,72を互いに近接させて型閉じする。これにより、ピンチオフ部712とピンチオフ部722とが接触し、金型71,72によって空間Sが形成される。ここで、一対の金型71,72で規定される空間Sは、屈曲空間S1を備え、屈曲空間S1の厚さd1が空間Sの屈曲空間S1以外の厚さd2よりも薄く構成されることに留意されたい。好ましくは、屈曲空間S1における厚さは、空間Sの屈曲空間S1以外の厚さから連続的に薄くなるように構成される。
このような構成により、再掲となるが、屈曲部13における肉厚t1は、成形時に使用する一対の金型71,72によって規定される空間Sの形状に応じて樹脂成形体11の屈曲部13以外の肉厚t2よりも薄く構成されることとなる。また、屈曲空間S1の曲率半径Rが100mm以下であるものが少なくとも含まれ、屈曲空間S1の両端の2つの接平面Q1,Q2が成す角φが150度以下であるものが少なくとも含まれる。さらには、角φが90度以下であってもよい。すなわち、厚さd1,d2が肉厚t1,t2に対応し、曲率半径Rが曲率半径rに対応し、角φが角θに対応する。
すなわち、かかる工程によって、屈曲空間S1にも適切に発泡樹脂シート21及び非発泡樹脂シート22が回り込み、金型71,72の形状に沿って賦形されることとなる。そして、非発泡樹脂シート22が発泡樹脂シート21に適切に溶着されうる。これにより、成形不良が抑制される。
型閉じ工程が完了した状態において、ヒンジ部33が形成される部分は、金型71,72間の間隔が非常に狭められており、発泡樹脂シート21及び非発泡樹脂シート22は押し潰されている。これにより、成形体1には薄肉化されたヒンジ部33が形成される。また、発泡樹脂シート21及び非発泡樹脂シート22のうち空間S外にある部位はバリ25となる。さらに、膨張工程では、金型71,72の減圧吸引孔から空間Sを減圧する。これにより、発泡樹脂シート21を膨張させる。空間Sが減圧されると、発泡樹脂シート21の発泡が促進されて発泡樹脂シート21が膨張する(図10B及び図10C参照)。
(切除工程)
続いて、金型71,72を型開きして、成形体1を金型71,72から取り出す。発泡樹脂シート21と非発泡樹脂シート22とが溶着し、それぞれ成形体1における樹脂成形体11と表皮部材12となっている。切除工程では、成形体1に形成されたバリ25を切除する。
(回動工程)
続いて、回動工程では、成形体1のヒンジ部33を軸として成形体1の補強部32の全体を回動させる。具体的には、成形体1の補強部32をベース壁315の裏面36へ向けて倒すように成形体1の補強部32を曲げ加工する。なお、回動工程は、製造者が実施してもよいし、製造装置で実施してもよい。
(溶着工程)
溶着工程では、成形体1のベース壁315の裏面36と、成形体1の補強部32の補強リブ321とを溶着する。これにより、曲げ加工された補強部32が、ヒンジ部33の弾性力により、元の状態すなわち曲げ加工される前の状態に戻ってしまうことを防止することができる。溶着工程では、超音波溶着を採用している。
このような製造方法によって、屈曲箇所を含むような複雑な形状の成形体1を成形不良の発生を抑制して製造することができる。
3.変形例
第3節では、成形体1に係る変形例について説明する。すなわち、下記のような態様によって成形体1や成形体1を実施してもよい。
(1)屈曲部13の肉厚を屈曲部13以外の箇所に比べて離散的に変化させてもよい。図11は、変形例に係る成形体1を示す斜視図を示している。図12は、変形例に係る成形体1を示す端面図を示している。このように、屈曲部13を含む領域131が肉厚t1で略均一に構成されるとよい。
(2)屈曲部13を有する2層の成形体1であって、屈曲部13の肉厚t1が他の箇所の肉厚t2に比して薄くに形成されるものであれば、実施形態に説明した成形体1に限定されない。
(3)金型71,72を新たに加工するのはコストがかかるため、成形体1の製造にあたっては厚さd1,d2に変化のない従来の金型71,72を用いてもよい。かかる場合、成形時に別部材を金型71,72に組み込むことで成形体1の肉厚を調節することができる。
(4)表皮部材12は、樹脂成形体11の、屈曲部13の谷(凹部)となる一方側に配置されているが、これに加えて屈曲部13の山(凸部)となる他方側にも配置されてよい。
4.結言
このように、成形不良の起きにくい成形体及びその製造方法を提供することができる。
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記成形体において、前記屈曲部の曲率半径が100mm以下であるもの。
前記成形体において、前記屈曲部の両端の2つの接平面が成す角が150度以下であるもの。
前記成形体において、前記角が90度以下であるもの。
前記成形体において、前記屈曲部における肉厚は、前記樹脂成形体の前記屈曲部以外の肉厚から連続的に薄くなるように構成されるもの。
樹脂成形体と表皮部材とを有する成形体の製造方法であって、配置工程と、成形工程とを備え、前記配置工程では、発泡樹脂シートと非発泡樹脂シートとを一対の金型間に配置し、ここで、前記一対の金型で規定される空間は、屈曲空間を備え、前記屈曲空間の厚さが前記空間の前記屈曲空間以外の厚さよりも薄く構成され、前記成形工程では、前記一対の金型を型閉じして両側から吸引し、その後これを開放することで、前記発泡樹脂シートがより発泡して前記樹脂成形体となり且つ前記非発泡樹脂シートが前記表皮部材となることによって、前記成形体を製造する方法。
前記成形体の製造方法において、前記屈曲空間の曲率半径が100mm以下であるもの。
前記成形体の製造方法において、前記屈曲空間の両端の2つの接平面が成す角が150度以下であるもの。
前記成形体の製造方法において、前記角が90度以下であるもの。
前記成形体の製造方法において、前記屈曲空間における厚さは、前記空間の前記屈曲空間以外の厚さから連続的に薄くなるように構成されるもの。
もちろん、この限りではない。
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 :成形体
11 :樹脂成形体
12 :表皮部材
13 :屈曲部
131 :領域
14 :屈曲部
2 :成形機
21 :発泡樹脂シート
22 :非発泡樹脂シート
25 :バリ
31 :基部
311 :基部本体
312 :フランジ壁
313 :第1の縁部
314 :第2の縁部
315 :ベース壁
316 :立設壁
317 :開口部
32 :補強部
321 :補強リブ
322 :固定部
323 :開口部
33 :ヒンジ部
34 :おもて面
35 :突出部
36 :裏面
4 :樹脂供給装置
41 :ホッパー
42 :押出機
43 :シリンダ
44 :インジェクタ
45 :アキュームレータ
46 :シリンダ
47 :ピストン
5 :Tダイ
61 :連結管
62 :連結管
71 :金型
711 :キャビティ
712 :ピンチオフ部
72 :金型
721 :コア
722 :ピンチオフ部
M1 :原料樹脂
M2 :発泡樹脂
P1 :接平面
P2 :接平面
Q1 :接平面
Q2 :接平面
R :曲率半径
S :空間
S1 :屈曲空間
d1 :厚さ
d2 :厚さ
r :曲率半径
t1 :肉厚
t2 :肉厚
θ :角
φ :角

Claims (10)

  1. 成形体であって、
    成形時に使用する一対の金型によって規定される空間と略同一の形状を有し、
    樹脂成形体と、表皮部材とを備え、
    前記樹脂成形体は、
    発泡樹脂からなり、
    屈曲部を備え、ここで、前記屈曲部における肉厚は、前記空間の形状に応じて前記樹脂成形体の前記屈曲部以外の肉厚よりも薄く構成され、
    前記樹脂成形体の発泡倍率は、1.5~6倍であり、
    前記表皮部材は、前記樹脂成形体の、前記屈曲部の谷となる一方側に配置されるもの。
  2. 請求項1に記載の成形体において、
    前記屈曲部の曲率半径が100mm以下であるもの。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の成形体において、
    前記屈曲部の両端の2つの接平面が成す角が150度以下であるもの。
  4. 請求項3に記載の成形体において、
    前記角が90度以下であるもの。
  5. 請求項1~請求項4の何れか1つに記載の成形体において、
    前記屈曲部における肉厚は、前記樹脂成形体の前記屈曲部以外の肉厚から連続的に薄くなるように構成されるもの。
  6. 樹脂成形体と表皮部材とを有する成形体の製造方法であって、
    配置工程と、成形工程とを備え、
    前記配置工程では、非発泡樹脂シートと、溶融状態にあるシート状の発泡樹脂とを一対の金型間に配置し、ここで、前記一対の金型で規定される空間は、屈曲空間を備え、前記屈曲空間の厚さが前記空間の前記屈曲空間以外の厚さよりも薄く構成され、
    前記成形工程では、前記一対の金型を型閉じして両側から吸引し、その後これを開放することで、前記発泡樹脂がより発泡して前記樹脂成形体となり且つ前記非発泡樹脂シートが前記表皮部材となることによって、前記成形体を製造する方法。
  7. 請求項6に記載の成形体の製造方法において、
    前記屈曲空間の曲率半径が100mm以下であるもの。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の成形体の製造方法において、
    前記屈曲空間の両端の2つの接平面が成す角が150度以下であるもの。
  9. 請求項8に記載の成形体の製造方法において、
    前記角が90度以下であるもの。
  10. 請求項6~請求項9の何れか1つに記載の成形体の製造方法において、
    前記屈曲空間における厚さは、前記空間の前記屈曲空間以外の厚さから連続的に薄くなるように構成されるもの。
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