JP6349123B2 - 車両のドア部構造 - Google Patents
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Description
そして、ドア部材の外周には、閉じたドア部材と車体との間の隙間を塞ぐウェザストリップが設けられる(特許文献1、2)。
よって、ドア部材を閉じる際に枠形状とされているサッシュ部が撓み易く、サッシュ部が車体に対して底付きし易いが、このサッシュ部が撓むことを抑制できる。
その結果、撓んだサッシュ部が車体に対して底付きする際に発生する高い破裂音についても効果的に抑制できる。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1の説明図である。図1(A)は、自動車1の車体2の側面図である。図1(B)は、フロントドア6およびリアドア7を取り外した自動車1の車体2の側面図である。自動車1は、車両の一例である。
図1の自動車1は、車体2を有する。車体2は、エンジン室3、乗員室4、荷室5を有する。乗員室4の側面には、サイドシル11、ルーフレール12、Aピラー13、Bピラー14、Cピラー15が設けられる。
ルーフレール12は、乗員室4の上部で前後方向に延在する。
Aピラー13は、乗員室4の前側において、サイドシル11とルーフレール12とを連結する。
Cピラー15は、乗員室4の後側において、サイドシル11とルーフレール12とを連結する。
Bピラー14は、Aピラー13とCピラー15との間で、サイドシル11とルーフレール12とを連結する。
そして、Aピラー13、ルーフレール12、Bピラー14およびサイドシル11により、乗員室4に人員が乗り降りするためのフロント乗降口8が画成される。また、Bピラー14、ルーフレール12、Cピラー15およびサイドシル11により、乗員室4に人員が乗り降りするためのリア乗降口9が画成される。
Aピラー13には、フロントヒンジ部材21が取り付けられる。フロントドア6は、その前縁がフロントヒンジ部材21によりAピラー13に取り付けられる。フロントドア6は、その前縁を中心として車体2の幅方向に回転可能に、車体2に取り付けられる。閉じたフロントドア6は、Bピラー14に取り付けられたフロントロック機構22により閉じた状態に保持される。
Bピラー14には、リアヒンジ部材23が取り付けられる。リアドア7は、その前縁がリアヒンジ部材23によりBピラー14に取り付けられる。リアドア7は、その前縁を中心として車体2の幅方向に回転可能に、車体2に取り付けられる。閉じたリアドア7は、Cピラー15に取り付けられたリアロック機構24により閉じた状態に保持される。
フロントドア6、およびリアドア7を閉じることで、乗員室4が外から隔離される。乗員は、フロントドア6またはリアドア7を開いて乗員室4に乗降する。
図2のフロントドア6は、アウターパネル31、インナーパネル32、ドアガラス33、フロントサッシュ部材34、リアサッシュ部材35、アッパサッシュ部材36、ウェザストリップ37、を有する。
フロントサッシュ部材34は、ドアパネル38の上縁の前端に取り付けられ、ドアパネル38の前上角から上へ突出する。
リアサッシュ部材35は、ドアパネル38の上縁の後端に取り付けられ、ドアパネル38の後上角から上へ突出する。
アッパサッシュ部材36は、フロントサッシュ部材34の上端とリアサッシュ部材35の上端との間に架け渡すように取り付けられる。
これにより、これらのサッシュ部材34〜36は、フロントドア6の上縁を下縁とする枠形状を形成する。フロントドア6を閉じた状態において、フロントサッシュ部材34がAピラー13の上部内側に沿って延在し、アッパサッシュ部材36がルーフレール12の内側に沿って延在し、リアサッシュ部材35がBピラー14の上部内側に沿って延在する。
なお、ここでは、フロントサッシュ部材34、リアサッシュ部材35、およびアッパサッシュ部材36でサッシュ部材を構成する例を説明しているが、これらは1つのサッシュ部材から形成されてよい。
図3には、フロントドア6のアッパサッシュ部材36、ウェザストリップ37、および車体2のルーフレール12、が図示されている。
図3のウェザストリップ37は、アッパサッシュ部材36に取り付けられる基底部41と、基底部41から上へ向かって突出するアウタリップ42と、基底部41から上へ向かって突出するインナーリップ43と、を有する。ウェザストリップ37は、ゴム、ウレタンなどの弾性部材により形成される。
そして、フロントドア6を閉じた状態では、車体2のルーフレール12が二点鎖線の位置にくる。これにより、ウェザストリップ37のアウタリップ42は、ルーフレール12に当たって押し曲げられるように変形する。また、インナーリップ43も、ルーフレール12に当たって変形する。
このように閉じたフロントドア6と車体2との間の隙間は、弾性変形したウェザストリップ37により塞がれる。
そして、この数kHz程度の高い破裂音は、ドアパネル38が閉じられた後にサッシュ部材34〜36が振れて車体2に対して底付きし、底付きしたサッシュ部材34〜36と車体2との間から空気が勢い良く漏れ出ることにより、高い破裂音が生じていると考えられる。また、この高い破裂音は、ドアパネル38を閉じた後に速度が増加すると考えられるアッパサッシュ部材36の特に後端部分から発生していると考えられる。そして、Aピラー13の上部、ルーフレール12周りの逃げ場を失った空気がウェザストリップ37から高速に吹き出すことで、破裂音が生じていると考えられる。
また、第1ダンパ部材51および第2ダンパ部材52は、サッシュ部材34〜36による枠形状に対して、ドアの開閉方向の内側へ突出して設けられる。
第1ダンパ部材51および第2ダンパ部材52は、サッシュ部材34〜36による枠形状についての、撓みやすくて変形し易い上部に設けられる。
図4には、リアサッシュ部材35、アッパサッシュ部材36、カバー部材61、第1ダンパ部材51、が図示されている。
第1ダンパ部材51は、たとえば衝撃吸収性能に優れたシリコンその他の弾性を有する樹脂成型部品である。第1ダンパ部材51を弾性部品とすることで、車体2に当たった後に第1ダンパ部材51が跳ね返り難くなる。第1ダンパ部材51が二度当たりなどして、別の音源とならないようにできる。第1ダンパ部材51は、カバー部材61についての、ドアの開閉方向の内側に取り付けられる。
これにより、第1ダンパ部材51は、リアサッシュ部材35およびアッパサッシュ部材36よりドアパネル38の開閉方向の内側へ突出して設けられる。よって、フロントドア6を閉じる際に車体2と当たり、第1ダンパ部材51が車体2に対して直接に底付きし難くなる。また、アッパサッシュ部材36がドアパネル38に対して振れようとするエネルギを吸収できる。
また、このように第1ダンパ部材51および第2ダンパ部材52を配置することにより、車両のデザイン性に影響を与えることなく、高い破裂音の発生を抑制できる。また、側面衝突時のドアパネル38の変形などに対して影響を与えることもない。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
本実施形態では、第1ダンパ部材51および第2ダンパ部材52を、ウェザストリップ37と一体に形成する。ウェザストリップ37に、ダンパ部が設けられる。
図5の、ウェザストリップ37は、アッパサッシュ部材36に取り付けられる基底部41と、基底部41から上へ向かって突出するアウタリップ42と、基底部41から上へ向かって突出するインナーリップ43と、アウタリップ42とインナーリップ43との間に突出する第2ダンパ部71と、を有する。第2ダンパ部71は、ウェザストリップ37用のゴム、ウレタンなどの弾性部材により形成される。
また、このように第1ダンパ部材51および第2ダンパ部材52をウェザストリップ37と一体化することにより、車両のデザイン性に影響を与えることなく、高い破裂音の発生を抑制できる。また、側面衝突時のドアパネル38の変形などに対して影響を与えることもない。
この他にもたとえば、第1ダンパ部材51は、サッシュ部材34〜36による枠形状に対して取り付けられ、第2ダンパ部材52は、ウェザストリップ37と一体化されてもよい。
また、ダンパ部材は、1つでも、3つ以上でもよい。ただし、1つのダンパ部材では、枠形状のサッシュ部材34〜36の全体が車体2に対して底付きし難くするためには、不十分である。サッシュ部材34〜36の全体が車体2に対して底付きし難くするためには、少なくとも2つ以上のダンパ部材を用いる必要がある。
この他にもたとえばウェザストリップ37のリップの一部を、他の部分より柔らかく形成し、これを当接部としてもよい。この場合、当接部から空気が漏れ出易くなる。空気を積極的に漏れ出させて、高い破裂音を生じ難くできる可能性がある。
この他にもたとえば、第2ダンパ部材52は、フロントサッシュ部材34とアッパサッシュ部材36との接続部分などに設けてもよい。
あるいは、第2ダンパ部材52は、フロントサッシュ部材34の前下端からアッパサッシュ部材36の上後端までの長さの半分となる位置に設けてもよい。
これらの場合でも、高い破裂音の発生を効果的に抑制できる。
この他にも本発明は、サッシュ部材34〜36を用いるリアドア7に適用してよい。
また、自動車1以外の車両において、ドアなどの開閉部分に本発明を適用してよい。
Claims (2)
- 人が乗降する乗降口を有する車体と、
前記乗降口を塞ぐドア部材と、
前記ドア部材の前部を前記車体に回転可能に取り付けるヒンジ部材と、
閉じた前記ドア部材と前記車体との合わせ部分に設けられ、閉じた前記ドア部材と前記車体との隙間を塞ぐシール部材と、
前記合わせ部分の一部に設けられ、前記ドア部材を閉じる際に前記ドア部材と前記車体との間に挟まれる複数の当接部と、
を有し、
前記ドア部材は、
前記ヒンジ部材により前記車体に対して回動可能に取り付けられるドアパネル、前記ドアパネルの上に前記ドアパネルを下縁とする枠形状を形成するサッシュ部、および、前記ドアパネルから前記サッシュ部内へ進退可能なドアガラス、を有し、
前記複数の当接部は、
前記サッシュ部による枠形状の上後角となる位置に設けられる第1当接部と、
前記サッシュ部による枠形状についての上後角から前下角までの間となる位置に設けられる第2当接部と、
を含み、
前記第2当接部は、前記サッシュ部による枠形状の後上角と前下角を結ぶ線分の中点についての垂直方向となる位置に設けられる、
車両のドア部構造。 - 前記複数の当接部の中の少なくとも一部の当接部は、前記シール部材と一体に形成される、
請求項1記載の車両のドア部構造。
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