JP6348080B2 - 油圧エレベータ - Google Patents

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Description

本発明は、油圧エレベータおよび油圧エレベータの診断方法に関する。
扉が開いたままで乗りかごが走行することを戸開走行と呼ぶ。戸開走行を防止すべく、既設の制御弁に加えてさらに制御弁を設けて制御系統を二重化し、既設の制御弁と追加された制御弁(追設制御弁)とが同時に作動する場合にのみ乗りかごの走行を許可するようにした油圧エレベータがある。このような油圧エレベータでは、追設制御弁が正常に動作することを確認すべく、その健全性を診断することが義務付けられている。
そこで、このような油圧エレベータでは、追設制御弁を消磁して乗りかごの下降を阻止する状態にし、その状態で乗りかごを下降方向へ動かすための制御を実行する。この結果、乗りかごが下降しなければ追設制御弁は正常であると診断することができる。
現状では追設制御弁の健全性の診断については明確な規定がなく、一般に、保守員が定期的に現場に赴いて、手動で診断している。
なお、追加された制御弁を診断する技術ではないが、2系統のバルブの健全性を診断する従来技術は知られている(特許文献1)。この特許文献1に記載の従来技術では、乗りかごを停止させた状態で、2系統のバルブのいずれかを解放した場合の乗りかごの変位を検出し、その変位量に基づいて異常の有無を検出する。
特開平04−277184号公報
特許文献1に記載の従来技術は、診断時における乗りかごの実速度または油の流量に基づいてバルブの異常を診断するものであり、前述した追設制御弁の健全性の診断とは基本的に異なる。
また従来技術では、保守員が現場に赴いて手動で追設制御弁を診断していたため、診断作業に手間がかかる。
さらに従来技術では、追設制御弁を診断するために既設制御弁を用いるが、本来、安全確保のために、既設制御弁と追設制御弁は同期して同様の動作を行うものである。従って、追設制御弁の診断のために、追設制御弁を消磁させた状態で既設制御弁を励磁するといった使い方は通常の制御方法と異なる。このため、保守員が現場で追設制御弁の診断を実施すると、制御装置は、下降指令を出力しているのに乗りかごが動かない異常状態になったと判断し、異常を誤検出してしまうおそれがある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、自動的に制御弁を診断することができるようにした油圧エレベータを提供することにある。本発明の他の目的は、診断対象の制御弁を動作させずに、自動的に診断することができるようにした油圧エレベータを提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に係る油圧エレベータは、乗りかごを油圧シリンダの伸縮により昇降させる油圧エレベータにおいて、油圧ポンプと油圧シリンダとを結ぶ主管路の途中に設けられ、油圧ポンプから油圧シリンダに給排する油圧を制御する第1の制御弁と、第1の制御弁と油圧シリンダの間に位置して第1の制御弁と直列接続されるように主管路の途中に設けられ、第1の制御弁に同期して動作することにより油圧ポンプから油圧シリンダに給排する油圧を制御する第2の制御弁と、第1の制御弁と第2の制御弁との間で主管路から分岐し、油圧タンクへ延設された戻し管路と、停電時に乗りかごを所定の階まで下降させて着床させるための停電時着床用制御弁であって、第1の制御弁と並列接続されかつ第2の制御弁と直列接続されるように、戻し管路の途中に設けられる停電時着床用制御弁と、第2の制御弁が正常か否かを診断する制御装置とを備え、制御装置は、第1の制御弁および第2の制御弁を、油圧シリンダ側から油圧タンク側へ向かう圧油の流れを禁止する位置に設定した後、停電時着床用制御弁を、主管路から戻し管路を介して油圧タンク側へ向かう圧油の流れを許可する位置に設定し、乗りかごが所定量以上下降したか否か判定し、乗りかごが所定量以上下降しないと判定した場合は、第2の制御弁は正常であると判断し、乗りかごが所定量以上下降したと判定した場合は、第2の制御弁は異常であると判断する。
本発明によれば、制御装置が停電時着床用制御弁の位置を制御するだけで、第2の制御弁が正常であるか否かを診断することができる。
油圧エレベータの全体システムを示す構成図。 乗りかごを下降運転する処理を示すフローチャート。 停電時に乗りかごを所定の階へ着床させる処理を示すフローチャート。 追加された制御弁の健全性を診断する処理を示すフローチャート。 乗りかごの各状態における各制御弁およびポンプの動作状態を示すタイムチャート。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、以下に詳述するように、停電時に乗りかごを所定の階(例えば1階)まで下降させて着床させる停電時着床用制御弁23を、追設制御弁22の健全性を診断するために使用する。
停電時着床用制御弁23は、通常の場合、多くの油圧エレベータ1に設けられているため、停電時着床用制御弁を追設制御弁の診断用の装置として活用することで、特別な制御弁を新たに設ける必要がない。
さらに、既設制御弁21と追設制御弁22を励磁せずに、つまり、既設制御弁21と追設制御弁22を用いて乗りかご10を動かすことなく、停電時着床用制御弁23を動作させるだけで、追設制御弁22を診断することができる。なお、追設制御弁22の健全性を診断するとは、追設制御弁22が正常であるか否かを診断することを意味する。以下では、追設制御弁22を診断する、と表現する場合がある。
図1〜図5を用いて第1実施例を説明する。本実施例の油圧エレベータ1は、例えば、エレベータ装置部分(10〜17)と、油圧回路部分(20〜28)と、制御部分(30〜33,P10〜P30)とを含む。
先にエレベータ装置部分について説明する。乗りかご10は扉11を有しており、油圧シリンダ12にロープ13を介して支持されている。油圧シリンダ12は、流体圧シリンダ、または油圧ジャッキと呼ぶこともできる。なお、乗りかご10は、ロープ13を使用せずに昇降させることも可能である。例えば、乗りかご10の真下に油圧シリンダ12を配置し、シリンダロッドの先端を乗りかご10の底部に接合すれば、油圧シリンダ12だけで乗りかご10を昇降させることができる。
乗りかご10は、建物内に設けられる昇降路(図示せず)に移動可能に設けられており、油圧シリンダ12のシリンダロッドが伸縮することで乗り場15A,15Bの間を昇降する。例えば、一方の乗り場15Aは建物の1階であり、他方の乗り場15Bは建物の2階である。特に区別しない場合、乗り場15A,15Bを乗り場15と略記する。また、油圧エレベータ1は、3階建て以上の建物にも適用可能である。なお、扉11は、乗りかご10と各乗り場15A,15Bの両方にそれぞれ設けられており、かご側の扉と乗り場側の扉とは連動して開閉するようになっている。
乗り場15A,15Bには、それぞれ呼びボタン16A,16Bが設けられている。呼びボタン16A,16Bは、乗りかご10を乗り場に呼ぶための信号を発生させる。その呼び信号は後述する制御装置30へ入力される。特に区別しない場合、呼びボタン16A,16Bを呼びボタン16と略記する。なお、乗りかご10内には、行き先階を指定したり扉11を開閉したりするための図示せぬ操作盤が設けられる。
昇降路の底部には、基準となる乗り場15Aよりも下側に位置して、緩衝器14が配置されている。乗りかご10が乗り場15Aでの通常の着床位置よりも下へ降りた場合に、乗りかご10の底部に接触して緩衝する。
かご位置センサ17は、昇降路における乗りかご10の位置を検出して制御装置30へ出力する。かご位置センサ17は、例えばロータリエンコーダ、乗り場(階床)ごとに設けるリミットスイッチなど、一つまたは複数のセンサから構成することができる。
続いて、油圧回路部分を説明する。油圧ポンプ20は、電動モータ27の回転力により駆動する。電動モータ27は、電源28からの電力を動力源として、制御装置30からの制御信号に従う方向に回動する。油圧ポンプ20は、吐出運転と吸込み運転のいずれかを行う。電動モータ27が一方の方向へ回動すると、油圧ポンプ20は吐出運転となる。吐出運転時の油圧ポンプ20は、油圧タンク26内の圧油を吸い込んで、主管路24へ吐出する。これに対し、電動モータ27が一方の方向とは逆である他方の方向へ回動すると、油圧ポンプ20は吸込み運転となる。吸込み運転時の油圧ポンプ20は、主管路24から圧油を吸い込んで、油圧タンク26へ排出する。
主管路24は、油圧ポンプ20と油圧シリンダ12とを接続する。油圧ポンプ20から吐出される圧油が油圧シリンダ12へ供給されると、油圧シリンダ12のシリンダロッドが伸長し、これによりロープ13を介して乗りかご10が上昇する。油圧シリンダ12内の圧油が主管路24等を介して油圧タンク26に排出されると、油圧シリンダ12のシリンダロッドが縮退し、これによりロープ13を介して乗りかご10は下降する。
主管路24には、「第1の制御弁」としての既設制御弁21と、「第2の制御弁」としての追設制御弁22と、停電時着床用制御弁23とが設けられている。
既設制御弁21は、圧油の流れを制御するための制御弁であり、主管路24の途中に設けられている。既設制御弁21は、乗りかご10の運転を制御するための、例えば4ポート2位置の電磁弁であり、上昇位置(a)と下降位置(b)の間で切り替わる。
既設制御弁21は、ソレノイド21Aが励磁されていない通常時(消磁時)では、バネ21Bにより付勢されて上昇位置(a)を取る。上昇位置(a)は、油圧ポンプ20からの圧油が主管路24等を介して油圧シリンダ12へ流れるのを許可し、その逆向きの流れを阻止する。
既設制御弁21は、制御装置30からの通電信号に応じてソレノイド21Aが励磁されると、バネ21Bのバネ力に抗して上昇位置(a)から下降位置(b)へ切り替わる。下降位置(b)では、油圧シリンダ12側と油圧ポンプ20側との間で圧油が流通するのを許可する。
追設制御弁22は、既設制御弁21による運転制御を多重化するために追加された制御弁である。追設制御弁22は、既設制御弁21と同様に構成されており、既設制御弁21に連動して動作する。追設制御弁22は、既設制御弁21と油圧シリンダ12の間に位置し、既設制御弁21に直列接続されるようにして主管路24の途中に設けられている。追設制御弁22は、既設制御弁21と同様に、4ポート2位置の電磁弁として構成され、上昇位置(a)と下降位置(b)の間で切り替わる。
追設制御弁22も既設制御弁21と同様に、ソレノイド21Aが励磁されていない通常時(消磁時)では、バネ22Bにより付勢されて上昇位置(a)を取る。上昇位置(a)は、油圧ポンプ20からの圧油が主管路24等を介して油圧シリンダ12側へ流れるのを許可し、その逆向きの流れを阻止する。
追設制御弁22は、既設制御弁21と同様に、制御装置30からの通電信号に応じてソレノイド22Aが励磁されると、バネ22Aのバネ力に抗して上昇位置(a)から下降位置(b)へ切り替わる。下降位置(b)では、油圧シリンダ12側と油圧ポンプ20側の間での圧油の流れを許可する。
停電時着床用制御弁23は、停電時に乗りかご10を所定の階に着床させるための制御弁であり、通常の油圧エレベータ1であれば備えている。停電時着床用制御弁23は、既設制御弁21と追設制御弁22の間に位置して主管路24から分岐する戻し管路25の途中に設けられている。戻し管路25の開口部は油圧タンク26まで延設されている。停電時着床用制御弁23は、既設制御弁21と並列接続され、かつ追設制御弁22と直列接続されるようにして設けられている。
停電時着床用制御弁23は、例えば4ポート2位置の電磁弁として構成されており、停止位置(a)と下降位置(b)の間で切り替わる。停電時着床用制御弁23は、ソレノイド23Aが励磁されていない通常時(消磁時)では、バネ23Bにより付勢されて停止位置(a)を取る。停止位置(a)では、主管路24内の圧油が戻し管路25を介して油圧タンク26へ排出されるのを阻止する。
停電時着床用制御弁23は、制御装置30からの通電信号に応じてソレノイド23Aが励磁されると、バネ23Bのバネ力に抗して停止位置(a)から下降位置(b)へ切り替わる。下降位置(b)では、追設制御弁22と既設制御弁21の間に位置して、主管路24と油圧タンク26とが連通する。
バッテリ29は、制御装置30と追設制御弁22および停電時着床用制御弁23に対し、停電時の非常電力を供給する。図1では、一つのバッテリ29から制御装置30、各制御弁22,23へ電力を供給するかのように示すが、これに限らず、制御装置30用のバッテリと、制御弁22,23用のバッテリとを分けてもよい。
制御装置30の構成を説明する。制御装置30は、油圧エレベータ1の動作を制御する装置である。制御装置30は、例えば、マイクロプロセッサ31と、メモリ32と、入出力部33とを備える。制御装置30は、例えば図示せぬ商用電源から給電される。
メモリ32には、オペレーティングシステム(図示せず)などの基本的コンピュータプログラムの他に、通常運転制御プログラムP10と、停電時着床運転制御プログラムP20と、制御弁健全性診断制御プログラムP30とを記憶する。通常運転制御プログラムP10は、乗りかご10を通常運転する場合の制御プログラムである。停電時着床運転制御プログラムP20は、停電時に乗りかご10の位置を制御するプログラムである。制御弁健全性診断制御プログラムP30は、追設制御弁22の健全性を診断するためのプログラムである。各プログラムP10〜P30の内容は後述する。
マイクロプロセッサ31は、各プログラムP10〜P30を所定の契機で実行することで、所定の機能を実現する。入出力部33は、制御装置30が外部の装置と信号を送受するための回路である。
制御装置30は、各制御弁21,22,23へ励磁信号を出力する。また制御装置30は、電動モータ27の回動を制御する。さらに制御装置30は、乗りかご10の運転に関して異常を検出した場合や、追設制御弁の診断結果などを外部へ出力する。異常検出信号や診断結果は、例えば、油圧エレベータのメンテナンスを請け負う管理会社や、油圧エレベータの所有者などの所定の連絡先に通知することができる。制御装置30は、一つの装置として構成される必要はなく、複数の装置を連携させて構成してもよい。
図2のフローチャートを用いて、通常運転制御プログラムP10の処理のうち下降運転時の処理を説明する。
利用者が2階の乗り場15Bの乗り場ボタン16Bを操作し、乗りかご10を呼ぶと、その乗り場呼びは制御装置30へ送信されて登録される(S10)。ここでは理解の容易のために、2階建ての建物の場合を説明する。従って、下方向への呼びは、2階の乗り場15Bで発生する。3階建て以上の建物に油圧エレベータ1を設置した場合、下方向への呼びは、2階の乗り場または3階の乗り場のいずれかで発生する。
制御装置30は、下方向の呼びが登録されると(S10)、追設制御弁22のソレノイド22Aへ通電して励磁する(S11)。追設制御弁22への通電と同時に制御装置30は、既設制御弁21のソレノイド21Aにも通電して励磁する(S12)。
追設制御弁22は、ソレノイド22Aが励磁されると、上昇位置(a)から下降位置(b)へ切り替わる。同様に、既設制御弁21は、ソレノイド21Aが励磁されると、上昇位置(a)から下降位置(b)へ切り替わる。これにより、主管路24は、油圧ポンプ20から油圧シリンダ12に至るまでの範囲で連通する。
制御装置30は、電動モータ27へ制御信号を出力して、油圧ポンプ20を吸込み運転させる(S13)。油圧シリンダ12内の圧油は、油圧ポンプ20の吸込み運転により吸い出され、主管路24、各制御弁21,22、油圧ポンプ20を介して、油圧タンク26へ排出される。これにより、油圧シリンダ12のシリンダロッドが縮退し、乗りかご10は、下降する(S14)。乗りかご10の下降速度は、圧油が油圧タンク26へ排出されるときの流速に依存する。本実施例では、油圧ポンプ20を吸込み運転させることで、油圧シリンダ12から圧油を強制的に吸い出すため、乗りかご10および利用者の重量で下降させる場合に比べて、下降速度を早くできる。なお、上昇時および停止時の通常運転制御については、図5のタイムチャートで後述する。
図3のフローチャートを用いて、停電時に乗りかごを着床させる停電時着床運転制御プログラムP20の処理を説明する。
制御装置30は、例えば、商用電源などからの給電が所定の短時間以上途絶えると、停電の発生を検出する。制御装置30は、停電の発生を検出すると、追設制御弁22のソレノイド22Aに通電して励磁すると共に(S20)、停電時着床用制御弁23のソレノイド23Aにも通電して励磁する(S21)。追設制御弁22は、励磁されると上昇位置(a)から下降位置(b)へ切り替わる。停電時着床用制御弁23は、励磁されると停止位置(a)から下降位置(b)へ切り替わる。
なお、既設制御弁21は、バッテリ29でバックアップされていないため、停電発生時に励磁されない。従って、既設制御弁21は上昇位置(a)のままである。停電のために電動モータ27を回動させることができないため、油圧ポンプ20は停止している。
油圧シリンダ12内の圧油は、乗りかご10および内部の利用者の重量に従って、主管路24へ流出する。主管路24に流れ込んだ圧油は、追設制御弁22を出た後、戻し管路25へ流れ込む。戻し管路25内に流れ込んだ圧油は、停電時着床用制御弁23を介して、油圧タンク26へ排出される。このようにして油圧シリンダ12内の圧油が油圧タンク26へ排出されることで、乗りかご10は下降する(S22)。本実施例では、乗りかご10は、所定の階としての1階へ着床して停止する。なお、3階建て以上の建物の場合、乗りかご10は、停電時に、最上階以外の各階のうち乗りかご10に最も近い階床を所定の階(最寄り階)として着床する。
図4のフローチャートを用いて、追設制御弁22の健全性を診断するプログラムP30の処理を説明する。診断制御プログラムP30は、例えば、前回の実行時から所定時間が経過した場合などを契機に起動する。
制御装置30は、診断開始に先立って、利用者が油圧エレベータ1を利用していないことを確認する(S30)。例えば、利用者不在を検出するための所定時間以上、乗り場呼びおよびかご呼びのいずれも登録されなかった場合に、制御装置30は利用者がいないと判定する。
制御装置30は、追設制御弁22のソレノイド22Aへの通電を断って、消磁する(S31)。これにより、追設制御弁22は、バネ22Bのバネ力により、上昇位置(a)へ切り替わる。続いて制御装置30は、停電時着床用制御弁23のソレノイドへ通電して、励磁する(S32)。これにより、停電時着床用制御弁23は、下降位置(b)へ切り替わる。なお、既設制御弁21は励磁されていないため、上昇位置(a)になっている。油圧ポンプ20は停止している。
ステップS31,32を実行した結果、戻し管路25は油圧タンク26に連通するが、主管路24と戻し管路25との間は追設制御弁22により遮断されることになる。従って、追設制御弁22が正常に機能している場合、油圧シリンダ12内の圧油が主管路24および戻し管路25などを介して、油圧タンク26へ流出することはない。
これに対し、もしも追設制御弁22に何らかの作動不良が生じていたり、閉弁時のシール性能が低下していたりした場合、油圧シリンダ12内の圧油は、主管路24から追設制御弁22、戻し管路25、停電時着床用制御弁23を介して、油圧タンク26へ徐々に流出する。
そこで、制御装置30は、ステップS31,S32を実施した場合、その一定時間経過後に、乗りかご10が規定値以上下降したか判定する(S33)。一定時間が経過しても乗りかご10が停止したままでいるか、または下降したとしても、その下降量が規定値未満である場合(S33:NO)、制御装置30は、追設制御弁22は正常であると判定する(S34)。制御装置30は、追設制御弁22は正常であることを確認すると、通常の運転制御に戻る(S35)。
これに対し、ステップS31,S32の実行から一定時間経過後に、乗りかご10が規定値以上下降した場合(S33:YES)、制御装置30は、追設制御弁22は異常であると判定する(S36)。そこで、制御装置30は、油圧エレベータ1の運転を停止する(S37)。制御装置30は、油圧エレベータ1の運転を停止した旨を、エレベータ管理会社やエレベータ保有者へ電子メールなどで通知することもできる。
図5のタイムチャートを用いて、油圧エレベータ1の各状態における各制御弁21,22,23の励磁状態と、油圧ポンプ20の運転状態と、乗りかご10の位置変化との関係を説明する。
油圧エレベータ1の各状態として、通常運転における乗りかご10の上昇時、通常運転における乗りかご10の停止時、通常運転における乗りかご10の下降時、停電時、追設制御弁22の診断時、を例に挙げて説明する。
乗りかご10を上昇させる場合、制御装置30は、乗りかご10を上昇させるための走行指令を出力する。すなわち制御装置30は、既設制御弁21および追設制御弁22を消磁して、それぞれ上昇位置(a)に設定する。さらに、制御装置30は、電動モータ27を回動させて、油圧ポンプ20を吐出運転させる。これにより、油圧ポンプ20から吐出された圧油は、既設制御弁21および追設制御弁22、主管路24を介して油圧シリンダ12に流入する。油圧シリンダ12のシリンダロッドは、流入する圧油に応じて伸長し、ロープ13を介して乗りかご10を上昇させる。
乗りかご10が利用者の所望する階へ到達した場合、制御装置30は、停止指令を出力する。すなわち制御装置30は、電動モータ27を停止させ、油圧ポンプ20からの圧油吐出を停止させる。このとき既設制御弁21および追設制御弁22はそれぞれ消磁されており、上昇位置(a)を取る。上昇位置(a)では、油圧ポンプ20側から油圧シリンダ12側へ向かう圧油の流れのみが許可され、その逆向きの流れは阻止される。従って、油圧シリンダ12の圧油は、各制御弁21,22を介して油圧タンク26へ排出されることはない。このためシリンダロッドの長さも変わらず、乗りかご10は停止し続ける。なお、停電時着床用制御弁23は、後述する停電が発生するまで励磁されない。
乗りかご10を下降させる場合、制御装置30は、乗りかご10を下降させるための走行指令を出力する。すなわち制御装置30は、既設制御弁21および追設制御弁22をそれぞれ励磁して、弁位置を上昇位置(a)から下降位置(b)へ切り替える。さらに制御装置30は、電動モータ27を上昇時の回転方向とは逆に回転させて、油圧ポンプ20を吸込み運転させる。これにより、油圧シリンダ12内の圧油は、主管路24、追設制御弁22、既設制御弁21、油圧ポンプ20を介して、油圧タンク26へ排出される。油圧シリンダ12内の圧油が油圧タンク26へ排出されるに従って、シリンダロッドは縮退し、ロープ13を介して乗りかご10は昇降路を下降する。
一方、停電が発生した場合、電源28から電動モータ27への給電は停止する。従って、油圧ポンプ20は作動しない。しかし制御装置30と、追設制御弁22と、停電時着床用制御弁23とは、バッテリ29によりバックアップされている。このため制御装置30は、以下に述べるように各制御弁21,22を操作することで、たとえ停電時であっても、乗りかご10を最寄り階まで移動させることができる。
制御装置30は、追設制御弁22および停電時着床用制御弁23をそれぞれ励磁して、下降位置(b)に切り替える。これにより、油圧シリンダ12内の油圧は、主管路24から追設制御弁22、戻し管路25、停電時着床用制御弁23を介して、油圧タンク26へ流出する。油圧シリンダ12のシリンダロッドは、油圧タンク26へ流出する圧油の流速に応じて縮退し、ロープ13を介して乗りかご10を所定の階(例えば1階)まで下降させる。
追設制御弁22の健全性を診断する場合、制御装置30は、既設制御弁21および追設制御弁22のそれぞれを消磁させたままで、停電時着床用制御弁23のみを励磁する。油圧ポンプ20も停止させたままである。
ここで、「停電時」の各部20〜23の動きと「追設制御弁診断時」の各部20〜23の動きとを比較するとわかるように、「追設制御弁診断時」では停電時着床用制御弁23のみが励磁されている点で異なり、その他の動きは同じである。つまり、追設制御弁22の診断時に、制御装置30は走行指令を出力する必要はなく、所定の場所に取り付けられている停電時着床用制御弁23だけを励磁すればよい。
既設制御弁21および追設制御弁22をそれぞれ消磁して上昇位置(a)に設定し、停電時着床用制御弁23だけを励磁して下降位置(b)に設定することで、以後の乗りかご10の下降量に基づき追設制御弁22の健全性を診断できる。
このように構成される本実施例によれば、制御装置30は、所定の場所に設けられた停電時着床用制御弁23の弁位置を制御するだけで、追設制御弁22が正常であるか否かを診断することができる。これにより、追設制御弁22の診断を自動的に行うことができ、保守作業の効率および油圧エレベータ1の信頼性を向上できる。
また本実施例では、本来的に同期して同一動作すべき既設制御弁21および追設制御弁22を、診断のために、それぞれ異なる励磁状態(追設制御弁22を消磁、既設制御弁21を励磁)に設定する必要はない。このため、本実施例では、走行指令を出力しているにもかかわらず乗りかご10が停止したままであるという状態が発生することはなく、制御装置30が異常状態を誤検知するのを防止できる。つまり、本実施例によれば、制御装置30は、走行指令を出力することなく、停電時着床用制御弁23のみを励磁するだけで、追設制御弁22の診断準備を整えることができる。
さらに本実施例では、油圧エレベータ1が標準的に備える停電時着床用制御弁23を、追設制御弁22の診断にも使用できるように利用する。従って、追設制御弁22の自動診断のために新たな弁や回路などを追加する必要がなく、追加コストを増大させずに保守作業を効率化することができる。
なお、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、前述した実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
1:油圧エレベータ、10:乗りかご、12:油圧シリンダ、13:ロープ、15A,15B:乗り場、20:油圧ポンプ、21:既設制御弁、22:追設制御弁、23:停電時着床用制御弁、24:主管路、25:戻し管路、26:油圧タンク、27:電動モータ、28:電源、29:バッテリ、30:制御装置

Claims (1)

  1. 乗りかごを油圧シリンダの伸縮により昇降させる油圧エレベータにおいて、
    油圧ポンプと前記油圧シリンダとを結ぶ主管路の途中に設けられ、前記油圧ポンプから前記油圧シリンダに給排する油圧を制御する第1の制御弁であって、前記油圧ポンプ側から前記油圧シリンダ側への圧油の流れを許可し、逆向きの流れを阻止する上昇位置と、前記油圧シリンダ側と前記油圧ポンプ側との間の圧油の流れを許可する下降位置とを備える第1の制御弁と、
    前記第1の制御弁と前記油圧シリンダの間に位置して前記第1の制御弁と直列接続されるように前記主管路の途中に設けられ、前記第1の制御弁に同期して動作することにより前記油圧ポンプから前記油圧シリンダに給排する油圧を制御する第2の制御弁であって、前記油圧ポンプ側から前記油圧シリンダ側への圧油の流れを許可し、逆向きの流れを阻止する上昇位置と、前記油圧シリンダ側と前記油圧ポンプ側との間の圧油の流れを許可する下降位置とを備える第2の制御弁と、
    前記第1の制御弁と前記第2の制御弁との間で前記主管路から分岐し、油圧タンクへ延設された戻し管路と、
    停電時に前記乗りかごを所定の階まで下降させて着床させるための停電時着床用制御弁であって、前記第1の制御弁と並列接続されかつ前記第2の制御弁と直列接続されるように、前記戻し管路の途中に設けられており、前記主管路から前記戻し管路を介して前記油圧タンク側へ向かう圧油の流れを許可する下降位置と、前記主管路から前記戻し管路を介して前記油圧タンク側へ向かう圧油の流れを阻止する停止位置とを備える停電時着床用制御弁と、
    前記第2の制御弁が正常か否かを診断する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記第1の制御弁および前記第2の制御弁を前記上昇位置に設定し、
    前記停電時着床用制御弁を前記下降位置に設定し、
    前記油圧ポンプを停止させた状態で、前記乗りかごが所定時間内に前記所定量以上下降したか否か判定し、
    前記乗りかごが前記所定時間内に前記所定量以上下降しないと判定した場合は、前記第2の制御弁は正常であると判断し、
    前記乗りかごが前記所定時間内に前記所定量以上下降したと判定した場合は、前記第2の制御弁は異常であると判定し、
    前記油圧ポンプは、油圧タンクから圧油を吸い込んで前記油圧シリンダ側へ吐出する吐出運転と、前記油圧シリンダ側の圧油を吸い込んで前記油圧タンクへ吐出する吸込み運転のいずれかを実行することができ、
    前記乗りかごを上昇させる場合は、前記第1の制御弁および前記第2の制御弁をそれぞれ前記上昇位置に設定して、前記油圧ポンプを前記吐出運転させ、
    前記乗りかごを下降させる場合は、前記第1の制御弁および前記第2の制御弁をそれぞれ前記下降位置に設定して、前記油圧ポンプを前記吸込み運転させ、
    前記乗りかごを停止させる場合は、前記第1の制御弁および前記第2の制御弁をそれぞれ前記上昇位置に設定し、
    停電時に前記乗りかごを前記所定の階まで下降させて着床させる場合は、前記第2の制御弁および前記停電時着床用制御弁を前記下降位置に設定し、
    前記第2の制御弁が正常か否かを診断する場合は、前記第1の制御弁および前記第2の制御弁をそれぞれ前記上昇位置に設定し、前記停電時着床用制御弁を前記下降位置に設定して、前記油圧ポンプを停止させる、
    油圧エレベータ。
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