JP6346669B2 - プライマー組成物及び積層部材 - Google Patents

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Description

本発明は、プライマー組成物及び積層部材に関し、詳しくはプライマー層を形成するためのプライマー組成物、並びにこのプライマー組成物から形成されたプライマー層を備える積層部材に関する。
各種基材、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂製のフィルムには、塗装が施されたり、印刷を施すためにインクが設けられたり、ガスバリア性付与のために金属蒸着層が設けられることがある。基材が極性基を備えない場合などのように、基材と塗膜、インク、金属等との接着性が低い場合には、基材にコロナ放電、プラズマ処理、フレーム処理、紫外線照射処理、溶剤処理等の表面処理が施されることがある。
しかし、これらの表面処理は、危険を伴う作業を含むという問題がある。また、表面処理によって向上した接着性は、経時的に低下しやすいという問題もある。
そこで、従来、基材の接着性を向上するために、接着性に優れたプライマーを基材に塗布することがおこなわれている。
このようなプライマーとして、例えばトルエンなどの有機溶剤を主成分とするプライマーが挙げられるが、プライマーが有機溶剤を含有すると、作業環境の悪化を招くなどの問題が生じる。
また、国際公開WO2010/038643号には、水酸基を有する不飽和化合物と、不飽和カルボン酸エステル、スチレン、不飽和カルボン酸、不飽和炭化水素、ビニルエステル及びハロゲン化ビニルからなる群のうち1つ以上の不飽和化合物とを単量体とする共重合体からなる主剤(A)と、イソシアネート基を有する化合物からなる硬化剤(B)と、1分子中にカルボン酸基を2個以上または無水カルボン酸基を1個以上有する化合物(C)を含有するプライマーが、開示されている。
しかし、特許文献1に開示されているような多官能イソシアネートなどの架橋剤を含有する二液硬化型のプライマーには、主剤と硬化剤とを混合したら速やかに使用しなければならないために取り扱い性が悪いという問題があった。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、基材に塗布されることでこの基材に接着性を付与することができ、且つ取り扱い性の良好な親水性のプライマー組成物、及びこのプライマー組成物から形成されたプライマー層を備える積層部材を提供することを目的とする。
本発明に係るプライマー組成物は、三価以上の多価カルボン酸残基と金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基とのうち少なくとも一方を備えるポリエステル樹脂と、
変性ポリオレフィン樹脂とを含有し、
前記ポリエステル樹脂の前記変性ポリオレフィン樹脂に対する質量比の値が8/2〜2/8の範囲内である。
前記ポリエステル樹脂の酸価は、2〜100mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂中の全多価カルボン酸残基に対する、前記金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基の百分比が、1〜60モル%の範囲内であることが好ましい。
前記変性ポリオレフィン樹脂は、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有することが好ましい。
前記酸変性ポリオレフィン樹脂は、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。
前記変性ポリオレフィン樹脂は、塩素化されていないことが好ましい。
本発明に係る積層部材は、
基材と、
前記基材上にあり、前記プライマー組成物から作製されたプライマー層とを備える。
前記積層部材は、更に前記プライマー層上にある金属製又は樹脂製の外層を備えてもよい。
本発明によれば、基材に接着性を付与することができ、且つ取り扱い性の良好な親水性のプライマー組成物を得ることができる。
また、本発明によれば、基材に接着性を付与することができ、且つ取り扱い性の良好な親水性のプライマー組成物から形成されたプライマー層を備える積層部材を得ることができる。
本発明の一実施形態における積層部材を示す断面図である。
本実施形態に係るプライマー組成物は、ポリエステル樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂とを含有する。
プライマー組成物は、例えば図1に示されるような積層部材1を得るために用いられる。積層部材1は、基材2と、基材2上にありプライマー組成物から作製されたプライマー層3と、プライマー層3上にある金属製又は樹脂製の外層4とを備える。
ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸残基とグリコール残基とを備える。
ポリエステル樹脂は、三価以上の多価カルボン酸残基と、金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基とのうち、少なくとも一方を備える。すなわち、ポリエステル樹脂中の多価カルボン酸残基は、三価以上の多価カルボン酸残基と、金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基とのうち、少なくとも一方を含有する。多価カルボン酸残基が三価以上の多価カルボン酸残基を含有する場合、三価以上の多価カルボン酸残基には未反応のカルボキシル基が残存しやすい。このため、多価カルボン酸残基が三価以上の多価カルボン酸残基を含有する場合、ポリエステル樹脂は多価カルボン酸残基に由来するカルボキシル基を備える。また多価カルボン酸残基が金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基を含有する場合、ポリエステル樹脂は金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基に由来する金属スルホネート基を備える。このため、ポリエステル樹脂は、極性を有する基であるカルボキシル基及び金属スルホネート基のうち少なくとも一方を備え、そのためポリエステル樹脂に水溶性が付与されると共に、金属、極性を有する部位を備える樹脂等に対する接着性も付与される。
ポリエステル樹脂の酸価は、2〜100mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。この場合、ポリエステル樹脂に高い水溶性が付与されると共に、ポリエスエル樹脂に基材2、金属、樹脂等に対する高い接着性も付与される。ポリエステル樹脂の酸価は、5〜100mgKOH/gの範囲内であればより好ましく、20〜80mgKOH/gの範囲内であれば更に好ましく、30〜70mgKOH/gの範囲内であれば更に好ましく、35〜68mgKOH/gの範囲内であれば特に好ましい。尚、ポリエステル樹脂の酸価は、ポリエステル樹脂中の多価カルボン酸残基とグリコール残基とのモル比、ポリエステル樹脂中の全多価カルボン酸残基に対する三価以上の多価カルボン酸残基の割合などを、適宜変更することで、調整される。すなわち、ポリエステル樹脂中の多価カルボン酸残基とグリコール残基とのモル比、及びポリエステル樹脂中の三価以上の多価カルボン酸残基の量は、ポリエステル樹脂の酸価が好ましくは2〜100mgKOH/g、より好ましくは5〜100mgKOH/g、更に好ましくは20〜80mgKOH/g、更に好ましくは30〜70mgKOH/gの範囲内、特に好ましくは35〜68mgKOH/gの範囲内になるように、調整される。
ポリエステル樹脂が金属スルホネート基を有する多価カルボン酸残基を備える場合、ポリエステル樹脂中の全多価カルボン酸残基に対する金属スルホネート基を有する多価カルボン酸残基の百分比は、1〜60モル%の範囲内であることが好ましく、1〜30モル%の範囲内であればより好ましく、1〜20モル%の範囲内であれば更に好ましく、2〜18モル%の範囲内であれば特に好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、3000〜100000の範囲内であることが好ましく、4000〜80000の範囲内であればさらに好ましく、5000〜60000の範囲内であれば特に好ましい。この重量平均分子量が低すぎると、プライマー層3の常温下でのタック性が上昇する傾向があり、高すぎるとポリエステル樹脂の溶剤に対する溶解性又は分散性が低下する傾向がある。このポリエステル樹脂の重量平均分子量は、ポリエステル樹脂の合成条件を適宜設定することで、容易に調整される。尚、ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される値(ポリスチレン換算)である。
一方、変性ポリオレフィン樹脂は、極性を有する基を備えるように変性されたポリオレフィン樹脂である。すなわち、変性ポリオレフィン樹脂は、無極性な部位であるポリオレフィンの骨格と、変性により導入された極性を有する部位とを備える。変性ポリオレフィン樹脂が無極性なポリオレフィン骨格を備えるため、変性ポリオレフィン樹脂は無極性の材料に対する接着性を有する。さらに、変性ポリオレフィン樹脂は極性を有する部位を備えるため、変性ポリオレフィン樹脂は水溶性を有する。
ポリエステル樹脂の変性ポリオレフィン樹脂に対する質量比の値は、8/2〜2/8の範囲内である。ポリエステル樹脂の質量比が上記の範囲内であることで、プライマー組成物に適度な極性を有する部位が付与され、プライマー組成物から形成されるプライマー層3に金属、極性を有する樹脂等に対する良好な接着性が付与される。また、変性ポリオレフィン樹脂の質量比が上記の範囲内であることで、プライマー組成物に適度な無極性な部位が付与され、プライマー組成物から形成されるプライマー層3に無極性の材料等に対する良好な接着性が付与される。これにより、プライマー組成物から形成されるプライマー層3が、金属、樹脂等に対して優れた接着性を有する。ポリエステル樹脂の変性ポリオレフィン樹脂に対する質量比の値は、7/3〜3/7の範囲内であれば特に好ましい。この場合、プライマー組成物から形成されるプライマー層3が、金属、樹脂等に対して特に優れた接着性を有する。
ポリエステル樹脂及び変性ポリオレフィン樹脂について、更に詳しく説明する。
ポリエステル樹脂について説明する。
三価以上の多価カルボン酸残基は、例えばヘミメリット酸残基、トリメリット酸残基、トリメジン酸残基、メロファン酸残基、ピロメリット酸残基、ベンゼンペンタカルボン酸残基、メリット酸残基、シクロプロパン−1,2,3−トリカルボン酸残基、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸残基、及びエタンテトラカルボン酸残基からなる群から選択される少なくとも一種の基を含有することができる。
金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基としては、金属スルホネート基を備えるジカルボン酸残基が挙げられる。より具体的には、金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基は、例えば5−スルホイソフタル酸残基、2−スルホイソフタル酸残基、4−スルホイソフタル酸残基、2−スルホテレフタル酸残基、及び4−スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基からなる群から選択される少なくとも一種の基を含有することができる。
ポリエステル樹脂中の多価カルボン酸残基は、三価以上の多価カルボン酸残基と金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基以外に、芳香族ジカルボン酸残基、脂肪族ジカルボン酸残基等のジカルボン酸残基を更に含有してもよい。芳香族ジカルボン酸残基は、例えばテレフタル酸残基、イソフタル酸残基、フタル酸残基、ジフェン酸残基、ナフタル酸残基、1,2−ナフタレンジカルボン酸残基、1,4−ナフタレンジカルボン酸残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸残基、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸残基からなる群から選択される少なくとも一種を含む。脂肪族ジカルボン酸残基は、例えば直鎖、分岐及び脂環式のシュウ酸残基、マロン酸残基、コハク酸残基、マレイン酸残基、イタコン酸残基、グルタール酸残基、アジピン酸残基、ピメリン酸残基、2,2−ジメチルグルタール酸残基、スベリン酸残基、アゼライン酸残基、セバシン酸残基、ドデカン二酸残基、1,3−シクロペンタンジカルボン酸残基、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸残基、ジグリコール酸残基、及びオジプロピオン酸残基からなる群から選択される少なくとも一種を含む。芳香族ジカルボン酸残基のうちのテレフタル酸残基、イソフタル酸残基及び2,6−ナフタレンジカルボン酸残基、並びに脂肪族ジカルボン酸残基のうちのコハク酸残基、アジピン酸残基、セバシン酸残基、ドデカン二酸残基、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸残基は、反応の容易性、得られる樹脂の接着性、耐候性、耐久性等の点から好適である。特に芳香族ジカルボン酸残基及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸残基が多価カルボン酸残基の主成分であることが最適である。
グリコール残基は、例えばエチレングリコール残基、ジエチレングリコール残基、トリエチレングリコール残基、テトラエチレングリコール残基、ペンタエチレングリコール残基、ヘキサエチレングリコール残基、ヘプタエチレングリコール残基、オクタエチレングリコール残基等のポリエチレングリコール残基;プロピレングリコール残基、ジプロピレングリコール残基、トリプロピレングリコール残基、テトラプロピレングリコール残基等のポリプロピレングリコール残基;1,3−プロパンジオール残基、1,3−ブタンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、1,5−ペンタンジオール残基、1,6−ヘキサンジオール残基、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール残基、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール残基、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール残基、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール残基、1,2−シクロヘキサンジメタノール残基、1,3−シクロヘキサンジメタノール残基、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基、4,4’−ジヒドロキシビフェノール残基、4,4’−メチレンジフェノール残基、4,4’−イソプロピリデンジフェノール残基、1,5−ジヒドロキシナフタリン残基、2,5−ジヒドロキシナフタリン残基、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)残基、及びビスフェノールS残基からなる群から選択される少なくとも一種の基を含有することができる。
特に、グリコール残基は、エチレングリコール残基;ジエチレングリコール残基;1,4−ブタンジオール残基等のブタンジオール残基;1,6−ヘキサンジオール残基等のヘキサンジオール残基;1,4−シクロヘキサンジメタノール残基;ネオペンチルグリコール残基;並びにビスフェノールA残基からなる群から選択される少なくとも一種の基を含有することが好ましい。この場合、ポリエステル樹脂の合成が容易であり、且つポリエステル樹脂が高い耐久性を有する。
ポリエステル樹脂は、例えばエステル形成性官能基を備える化合物を含む反応性原料を重合させることで得られる。エステル形成性官能基とは、カルボキシル基又はヒドロキシル基と反応してエステル結合を形成しうる官能基を意味する。エステル形成性官能基には、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のエステル形成性誘導基及びヒドロキシル基のエステル形成性誘導基が含まれる。カルボキシル基のエステル形成性誘導基とは、カルボキシル基に何らかの化合物が反応することにより得られ、ヒドロキシル基と反応してエステル結合を形成しうる基である。カルボキシル基のエステル形成性誘導基の具体例として、例えばカルボキシル基を無水物化して得られる基、カルボキシル基をエステル化して得られる基、カルボキシル基を酸クロライド化して得られる、及びカルボキシル基をハロゲン化して得られる基が挙げられる。ヒドロキシル基のエステル形成性誘導基とは、ヒドロキシル基に何らかの化合物が反応することにより得られ、カルボキシル基と反応してエステル結合を形成しうる基である。ヒドロキシル基のエステル形成性誘導基の具体例としては、ヒドロキシル基をアセテート化して得られる基が挙げられる。特にエステル形成性官能基がカルボキシル基又はヒドロキシル基であることは、ポリエステル樹脂の製造時の反応性が良好となる点で好ましい。
反応性原料には、ポリエステル樹脂中の多価カルボン酸残基に対応する多価カルボン酸成分と、ポリエステル樹脂中のグリコール残基に対応するグリコール成分とが含まれる。多価カルボン酸成分は、多価カルボン酸と、多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とからなる群から選択される、少なくとも一種の化合物を含む。多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とは、多価カルボン酸中のカルボキシル基をカルボキシル基のエステル形成性誘導基に置換した化合物である。グリコール成分は、グリコールと、グリコールのエステル形成性誘導体とからなる群から選択される、少なくとも一種の化合物を含む。グリコールのエステル形成性誘導体とは、グリコール中のヒドロキシル基をヒドロキシル基のエステル形成性誘導基に置換した化合物である。
反応性原料に含まれる多価カルボン酸成分とグリコール成分とのモル比率は1:1〜2.5の範囲内であることが好ましい。
ポリエステル樹脂は、反応性原料から、公知のポリエステル製造方法により合成される。例えば多価カルボン酸とグリコールとを一段階の反応で反応させる直接エステル化反応によりポリエステル樹脂が合成される。
多価カルボン酸成分に多価カルボン酸のエステル形成性誘導体が含まれ、グリコール成分にグリコールが含まれる場合には、多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とグリコールとのエステル交換反応である第一段反応と、第一段反応による反応生成物が重縮合する第二段反応とを経て、ポリエステル樹脂が合成されてもよい。第一段反応においては、反応系中に反応性原料全てが最初から含まれていてもよく、反応性原料の一部がエステル重縮合反応時に反応系に添加されてもよい。第一段反応においては、反応系中に反応性原料全てが最初から含まれている場合には、例えば反応系が窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、常圧条件下で、150〜260℃まで徐々に昇温加熱されることでエステル交換反応が進行する。第二段反応は、例えば6.7hPa(5mmHg)以下の減圧下、160〜280℃の温度範囲内で進行する。
第一段反応及び第二段反応において、任意の時期に反応系中に触媒として、従来公知のチタン、アンチモン、鉛、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルカリ金属化合物等が添加されてもよい。
変性ポリオレフィン樹脂について説明する。
変性ポリオレフィン樹脂は、上述の通り極性を有する基を備えるように変性されたポリオレフィン樹脂である。変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂を酸、塩素及びラジカル重合性モノマーから選ばれる少なくとも一種の極性付与剤で変性して得られる樹脂を含有することができる。変性ポリオレフィン樹脂は、更にエチレンα−オレフィン共重合体で変性されていてもよい。特に変性ポリオレフィン樹脂は、酸変性ポリオレフィン樹脂と、ラジカル重合性モノマーである(メタ)アクリルアミドで変性されたポリオレフィン樹脂とのうち、少なくとも一方を含有することが好ましい。極性付与剤は塩素を含まないことが好ましい。すなわち、変性ポリオレフィン樹脂が塩素化されていないことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、例えば炭素数2〜8のアルケンを含むモノマーの重合体である。炭素数2〜8のアルケンは、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有することができる。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、例えば不飽和カルボン酸類で変性されている。不飽和カルボン酸類は、不飽和カルボン酸とその誘導体とのうち少なくとも一方を含む。不飽和カルボン酸の誘導体とは、不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸のエステル等である。
不飽和カルボン酸類は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、及び不飽和ジカルボン酸のハーフアミドからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有することができる。特に不飽和カルボン酸類がマレイン酸と無水マレイン酸とのうち少なくとも一方を含有することが好ましい。すなわち、酸変性ポリオレフィン樹脂がマレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、例えば不飽和カルボン酸類とアルケンとを共重合させることで得られる。不飽和カルボン酸類とアルケンとは、ランダム共重合していても、ブロック共重合していても、グラフト共重合していてもよい。
(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミドとメタクリルアミドとのうち少なくとも一方を含む。すなわち、(メタ)アクリルアミド変性ポリオレフィン樹脂は、アクリルアミドとメタクリルアミドとのうち少なくとも一方で変性されている。
(メタ)アクリルアミド変性ポリオレフィン樹脂は、例えば(メタ)アクリルアミドとアルケンとが共重合することで得られる。(メタ)アクリルアミドとアルケンとは、ランダム共重合していても、ブロック共重合していても、グラフト共重合していてもよい。
変性ポリオレフィン樹脂の具体例としては、日本製紙株式会社製の商品名アウローレン、三菱化学株式会社製の商品名APTOLOK、LOTTE CHEMICAL CORPORATION製の商品名GENPOLY、東洋紡株式会社製の商品名ハードレン、住化ケムテックス株式会社製の商品名スミフィット、日本製紙株式会社製の商品名スーパークロン、日本ポリプロ株式会社製の商品名ウィンテック、三井化学株式会社製の商品名タフマーXM、住友化学株式会社製の商品名タフセレン、出光リテール販売株式会社製の商品名LMPO等が、挙げられる。
プライマー組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤は水であることが好ましく、水と親水性有機溶剤とを含有する混合溶剤であってもよい。親水性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ及びブチルセロソルブ等のグリコールエーテル類、シクロヘキサノン等のケトン類などが挙げられる。溶剤が親水性有機溶剤を含有する場合、溶剤全体に対する親水性有機溶剤の百分比は0.1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
溶剤が水或いは水と50質量%以下の親水性有機溶剤とを含有する混合溶剤である場合に、プライマー組成物中でポリエステル樹脂及び変性ポリオレフィン樹脂が、溶剤に溶解していることが好ましい。この場合、プライマー組成物は水性であるとみなせる。
プライマー組成物は、レベリング剤を含有してもよい。例えば溶剤がアルコール、グリコールエーテル等の親水性有機溶剤を含有する場合、この親水性有機溶剤はレベリング剤として機能することができる。
プライマー組成物は、架橋剤を含有してもよい。架橋剤は、例えばオキサゾリン系架橋剤,カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤からなる群から選択される少なくとも一種を含有することができる。
プライマー組成物は、更に消泡剤、造膜助剤、顔料、染料等の適宜の添加剤を含有してもよい。
本実施形態における積層部材1について、図1を参照して説明する。積層部材1は、基材2、この基材2上にあるプライマー層3、及びプライマー層3上にある外層4を備える。すなわち、基材2、プライマー層3及び外層4が、この順番に積層している。
基材2の形状は、例えば板状、シート状又はフィルム状である。基材2の材質は特に制限されないが、本実施形態では、基材2が無極性の材質製であっても、基材2とプライマー層3との間の接着性が高い。
基材2は、例えば熱可塑性樹脂等の樹脂製又は鋼板等の金属製である。基材2は、特に熱可塑性樹脂製のフィルムであることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリグリコール酸、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸;ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体等のポリオレフィン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアリレート樹脂;並びにこれらの樹脂のうち二種以上を含む混合物が、挙げられる。基材2はポリオレフィン樹脂製であることが好ましく、ポリプロピレン樹脂製であれば特に好ましい。
基材2にプライマー組成物を塗布してから乾燥させることで、基材2上にプライマー層3を形成することができる。
基材2がポリプロピレン樹脂フィルム等のポリオレフィン樹脂フィルムである場合の、プライマー層3の形成方法について説明する。
ポリオレフィン樹脂を乾燥してから、溶融押出することで、未延伸のポリオレフィン樹脂シートを得る。このポリオレフィン樹脂シートを、加熱ロール等で一方向に延伸することで、一軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを得る。さらに、一軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを加熱しながら、前記方向と直交する方向に延伸し、続いて加熱処理を施すことで配向を完了させることで、二軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを得る。
このように二軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを作製する過程における任意の段階で、未延伸のポリオレフィン樹脂シート、一軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム又は二軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムに、プライマー組成物を塗布してから乾燥させることで、プライマー層3を形成することができる。
例えば、プライマー層3をオフライン法により形成することができる。すなわち、二軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを完成させてから、この二軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムにプライマー組成物を塗布してから乾燥させることで、プライマー層3を形成することができる。
プライマー層3をインライン法により形成することもできる。すなわち、ポリオレフィン樹脂から二軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを作製する過程の途中で、プライマー層3を形成することもできる。この場合、例えば未延伸のポリオレフィン樹脂シートにプライマー組成物を塗布してから乾燥させることでプライマー層3を形成してから、未延伸のポリオレフィン樹脂シートを二方向に順次延伸し、更に加熱処理を施すことで、二軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを作製することができる。尚、一軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムにプライマー組成物を塗布してから乾燥させることでプライマー層3を形成してから、一軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを延伸し、更に加熱処理を施すことで、二軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを作製することもできる。
本実施形態では、特にプライマー組成物が水性である場合、すなわちプライマー組成物中の溶剤が水であり或いは水と50質量%以下の親水性有機溶剤とを含有する混合溶剤である場合、プライマー組成物からプライマー層3が形成される過程において、有機溶剤が揮発せず、或いは有機溶剤の揮発量が抑制される。このため、ポリオレフィン樹脂から二軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを作製する過程でプライマー組成物から溶剤が揮発しても、溶剤が延伸時や加熱処理時の熱によって発火することが抑制される。従って、オフライン法とインライン法のいずれにおいても、発火の危険性を抑制しながら、プライマー組成物からプライマー層3を形成することができる。
また、プライマー組成物が水性の組成物であれば、有機溶剤が環境に放出されにくいため、環境に優しい。
プライマー層3上には、適宜の樹脂製又は金属製の外層4が形成される。例えば外層4として、写真感光層、ジアゾ感光層、マット層、磁性層、インクジェットインキ受容層、ハードコート層、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、印刷インキ、UVインキ等からなる層、ドライラミネート又は押し出しラミネートによる接着剤の層、金属、無機物又はそれらの酸化物からなる真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD又はプラズマ重合で形成される薄膜層、有機バリアー層等が挙げられる。プライマー層3は、種々の樹脂製又は金属製の外層4との間で良好な接着強度が得られる。
本実施形態では、樹脂製又は金属製の基材2上でプライマー組成物が成膜されることでプライマー層3が形成された場合の基材2とプライマー層3との間の接着強度が高い。プライマー層3上で樹脂製又は金属製の外層4が形成された場合のプライマー層3と外層4との間の接着強度も高い。しかし、プライマー層3の常温下でのタック性は低い。このため、例えばプライマー層3に金属製又は樹脂性の部材が単に押しつけられただけでは、この部材はプライマー層3に貼り付きにくい。このため、例えばプライマー層3が形成されてからプライマー層3上に外層4が形成されるまでの間にプライマー層3が何らかの部材に貼り付いたり、プライマー層3上に夾雑物が付着したりしにくい。また、積層部材1が基材2及びプライマー層3を備えるが外層4を備えないためにプライマー層3が外部に露出する場合にも、プライマー層3が何らかの部材に貼り付いたり、プライマー層3上に夾雑物が付着したりしにくい。
[ポリエステル樹脂溶液A,B,Cの調製]
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、精留塔、冷却コンデンサーを備える容量1000mlの反応容器を準備した。この反応容器内に、下記表1のA欄、B欄及びC欄の各々に示す原料を入れて、混合物を得た。この混合物を、常圧下、窒素雰囲気中で攪拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて250℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この混合物を250℃の温度下で0.67hPa(0.5mmHg)まで徐々に減圧してから、この状態で2時間保持することで、重縮合反応を進行させた。これにより、ポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂100質量部と、ブチルセロソルブ40質量部と、水260質量部とを混合し、これらを攪拌しながら80〜90℃の温度下に2時間保持することで、ポリエステル樹脂濃度25質量%のポリエステル樹脂溶液を得た。
[ポリエステル樹脂溶液Dの調製]
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、精留塔、冷却コンデンサーを備える容量1000mlの反応容器を準備した。この反応容器内に、下記表1のD欄に示す原料のうち無水トリメリット酸を除くものを入れて、混合物を得た。この混合物を、常圧下、窒素雰囲気中で攪拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて250℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この混合物にD欄に示す無水トリメリット酸を加え、250℃の温度下で0.67hPa(0.5mmHg)まで徐々に減圧してから、この状態で2時間保持することで重縮合反応を進行させた。これにより、ポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂100質量部と、ブチルセロソルブ40質量部と、水255質量部と、25%アンモニア水5質量部とを混合し、これらを攪拌しながら80〜90℃の温度下に2時間保持することで、ポリエステル樹脂濃度25質量%のポリエステル樹脂溶液を得た。
[ポリエステル樹脂溶液Eの調製]
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、精留塔、冷却コンデンサーを備える容量1000mlの反応容器を準備した。この反応容器内に、下記表1のE欄に示す原料のうち無水ピロメリット酸を除くものを入れて、混合物を得た。この混合物を、常圧下、窒素雰囲気中で攪拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて250℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この混合物にE欄に示す無水ピロメリット酸を加え、200℃の温度下で0.67hPa(0.5mmHg)まで徐々に減圧してから、この状態で2時間保持することで重縮合反応を進行させた。これにより、ポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂100質量部と、ブチルセロソルブ40質量部と、水255質量部と、25%アンモニア水5質量部とを混合し、これらを攪拌しながら80〜90℃の温度下に2時間保持することで、ポリエステル樹脂濃度25質量%のポリエステル樹脂溶液を得た。
[ポリエステル樹脂溶液F,Gの調製]
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、精留塔、冷却コンデンサーを備える容量1000mlの反応容器を準備した。この反応容器内に、下記表1のF欄及びG欄の各々に示す原料のうち無水トリメリット酸を除くものを入れて、混合物を得た。この混合物を、常圧下、窒素雰囲気中で攪拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて250℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この混合物にF欄及びG欄の各々に示す無水トリメリット酸を加え、250℃の温度下で0.67hPa(0.5mmHg)まで徐々に減圧してから、この状態で2時間保持することで重縮合反応を進行させた。これにより、ポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂100質量部と、ブチルセロソルブ40質量部と、水250質量部と、25%アンモニア水10質量部とを混合し、これらを攪拌しながら80〜90℃の温度下に2時間保持することで、ポリエステル樹脂濃度25質量%のポリエステル樹脂溶液を得た。
[プライマー組成物の調製]
ポリエステル樹脂溶液、変性ポリオレフィン樹脂溶液及び必要により添加剤を、表2乃至表4に示す固形分割合で混合し、混合溶液を得た。レベリング剤としてブチルセロソルブをこの混合溶液に対して20質量%加えることで、プライマー組成物を得た。
[評価]
・プライマー層の作製
基材として未処理のポリプロピレンフィルムを用意した。この基材の上に、プライマー組成物をバーコーターで塗布してから、120℃で5分間加熱した。これにより、基材上に厚み約1μmのプライマー層を形成した。
・基材接着性試験
基材上のプライマー層にセロハン粘着テープを密着させて引き剥がし、残存するプライマー層の様子を観察した。その結果、プライマー層の剥離が認められない場合を「A」、プライマー層の一部で剥離が認められる場合を「B」、プライマー層の大半の部分で剥離が認められる場合を「C」と、評価した。
・常温タック性試験
基材上のプライマー層に重ねる部材として、未処理のポリプロピレンフィルムを用意した。この部材を、プライマー層に重ねた状態で、部材とプライマー層とを、温度25℃、湿度60%、加圧力0.1MPa、圧着時間1時間の条件で、貼り合わせた。続いて、プライマー層と部材との間の、常温下でのタック性を確認した。その結果、プライマー層と部材との界面でタックが認められない場合を「A」、界面の一部でタックが認められる場合を「B」、界面の大半の部分でタックが認められる場合を「C」と、評価した。
・塗料層接着性試験
基材上のプライマー層の上に、アクリル樹脂系の水性白塗料をバーコーターで塗布してから、120℃で5分間加熱した。これにより、プライマー層の上に厚み約2μmの塗料層を形成した。この塗料層にセロハン粘着テープを密着させて引き剥がし、残存する塗料層の様子を観察した。その結果、塗料層の剥離が認められない場合を「A」、塗料層の一部で剥離が認められる場合を「B」、塗料層の大半の部分で剥離が認められる場合を「C」と、評価した。
・アルミ蒸着層接着性試験
プライマー層を形成した部材の上に、真空蒸着工程により厚み約1μmのアルミ蒸着層を形成した。アルミ蒸着層を形成した部材上に、セロハン粘着テープを密着させて引き剥がし、残存するアルミ蒸着層の様子を観察した。その結果、アルミ蒸着層の剥離が認められない場合を「A」、アルミ蒸着層の一部で剥離が認められる場合を「B」、アルミ蒸着層の大半の部分で剥離が認められる場合を「C」と、評価した。
尚、表中の変性ポリオレフィン樹脂溶液は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体であり、その詳細は次の通りである。
・APTOLOK BW-5550:三菱化学株式会社製、商品名APTOLOK BW-5550。無水マレイン酸変性ポリプロピレンとメトキシポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)−2−プロピルアミンとの共重合体の水性分散体。重量平均分子量135000。
・アウローレンAE-301:日本製紙株式会社製、商品名アウローレンAE-301。無水マレイン酸・アクリル変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体。重量平均分子量80000〜100000。
・Genpoly HGW9566:LOTTE CHEMICAL CORPORATION製、商品名Genpoly HGW9566。無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の水性分散体。重量平均分子量40000以上。
また、表中の添加剤の詳細は、次の通りである。
・エポクロスWS-700:株式会社日本触媒製、商品名エポクロスWS-700、オキサゾリン系架橋剤。
・カルボジライトSV-02:日清紡ケミカル株式会社製、商品名カルボジライトSV-02、カルボジイミド系架橋剤。
上記表に示す通り、実施例1〜28では、プライマー層と基材、塗料層及びアルミ蒸着層との間に高い接着性が得られた。
これに対し、比較例1〜3,7〜9では、プライマー層と基材との接着性は維持されるものの、プライマー層とアルミ蒸着層及び塗料層との接着性が低下した。これは、プライマー組成物中のポリエステル樹脂の割合が低いために、プライマー組成物中の極性部位が少なくなり、その結果、無極性の材料であるポリプロピレン製の基材との接着性は維持されるが、アルミ蒸着層及び塗料層との接着性が低下したものと推察される。
また、比較例4〜6,10〜12では、プライマー層の基材との接着性、アルミ蒸着膜との接着性、及び塗料層との接着性が、いずれも低下した。プライマー層の基材との接着性が低下したのは、プライマー組成物中の変性ポリオレフィン樹脂の割合が低いために、プライマー組成物中の無極性部位が少なくなり、その結果、無極性の材料であるポリプロピレン製の基材との接着性が低下しためであると推察される。更に、それに伴ってアルミ蒸着層及び塗料層の接着性試験時にアルミ蒸着層及び塗料層がプライマー層ごと基材から剥離しやすくなることでアルミ蒸着層及び塗料層との接着性が見かけ上低下したものと推察される。

Claims (7)

  1. 多価カルボン酸残基とグリコール残基とを備えるポリエステル樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂とを含有し、
    前記多価カルボン酸残基が、金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基を含み、
    前記ポリエステル樹脂中の前記多価カルボン酸残基全体に対する、前記金属スルホネート基を備える多価カルボン酸残基の百分比が、1〜60モル%の範囲内であり、
    前記変性ポリオレフィン樹脂が、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有し、
    前記ポリエステル樹脂の前記変性ポリオレフィン樹脂に対する質量比の値が8/2〜2/8の範囲内である親水性プライマー組成物。
  2. 前記ポリエステル樹脂の酸価が2〜100mgKOH/gの範囲内である請求項1に記載の親水性プライマー組成物。
  3. 前記多価カルボン酸残基が、三価以上の多価カルボン酸残基を更に含む請求項1又は2に記載の親水性プライマー組成物。
  4. 前記酸変性ポリオレフィン樹脂が、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂のうち少なくとも一方を含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の親水性プライマー組成物。
  5. 前記変性ポリオレフィン樹脂が、塩素化されていない請求項1乃至のいずれか一項に記載の親水性プライマー組成物。
  6. 基材と、
    前記基材上にあり、請求項1乃至のいずれか一項に記載の親水性プライマー組成物から作製されたプライマー層とを備える積層部材。
  7. 前記プライマー層上にある金属製又は樹脂製の外層を備える請求項に記載の積層部材。
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