JP2000025179A - ガスバリアー性積層ポリアミドフィルム - Google Patents

ガスバリアー性積層ポリアミドフィルム

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JP2000025179A
JP2000025179A JP10197207A JP19720798A JP2000025179A JP 2000025179 A JP2000025179 A JP 2000025179A JP 10197207 A JP10197207 A JP 10197207A JP 19720798 A JP19720798 A JP 19720798A JP 2000025179 A JP2000025179 A JP 2000025179A
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Japan
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polyamide film
gas
acid
polymerizable unsaturated
film
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JP10197207A
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English (en)
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Masayoshi Sato
昌由 佐藤
Chikao Morishige
地加男 森重
Shigeru Yoneda
茂 米田
Seiichiro Yokoyama
誠一郎 横山
Seiji Izeki
清司 伊関
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いガスバリアー性と優れた接着性、耐水
性、耐溶剤性、耐ブッロキング性を有するガスバリアー
性積層ポリアミドフィルムを提供すること。 【解決手段】 ポリアミドフィルム基材の少なくとも一
方の表面に、親水性を有する重合性不飽和単量体を含有
する重合性不飽和単量体を疎水性ポリエステル系樹脂に
グラフト共重合して得られた自己架橋性ポリエステル系
グラフト共重合体を構成成分とする接着改質層が形成さ
れるとともに、少なくとも一方の接着改質層の表面に無
機薄膜からなるガスバリアー層が形成されてなることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリアー性積
層ポリアミドフィルム、特に、生鮮食品、加工食品、医
薬品、医療機器、電子部品等の包装に用いるフィルムに
おいて重要な特性とされるガスバリアー性と防湿性に優
れ、且つ透明性及び接着性に優れたガスバリアー性積層
ポリアミドフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドフィルムは強靱製、耐ピンホ
ール性、耐屈曲性および耐熱性等に優れており、各種用
途に汎用されている。そのうち、例えば、ポリアミドフ
ィルムを包装袋として使用する際には、一般的にはポリ
アミドフィルムの少なくとも片面に必要に応じて印刷や
有機バリアー層、無機又は金属蒸着層を形成し、さらに
接着剤層を形成した上に、ドライラミネート法によって
シーラント層を形成するか、または押出ラミネート法に
よりシーラント層を形成するなどしてポリアミドフィル
ムの積層体とし、該積層体を用いて袋を作成し内容物を
充填後開口部をヒートシールして、たとえば味噌や醤油
などの調味料、スープやレトルト食品等の水分含有食品
あるいは薬品など包装して一般消費者に提供している。
【0003】ところが、ガスバリアー性積層ポリアミド
フィルムを形成する各層に水分が侵入すると、層間の接
着力が著しく低下し、包装袋として使用した場合、破袋
の原因となる。例えば、レトルト食品を沸水処理、ある
いは、レトルト処理する際は一層破袋しやすくなる。そ
こで、本発明においてはガスバリアー性積層ポリアミド
フィルムにおける各層間の接着性が良好であるととも
に、湿潤時においても高い接着性が保たれるガスバリア
ー性積層ポリアミドフィルムについて検討した。また、
吸湿によるポリアミドフィルムの寸法変化は数%あり、
無機あるは金属蒸着層を積層した場合、蒸着層がガスバ
リアー性積層ポリアミドフィルムの寸法変化に追従でき
ず、容易に剥離することが判明した。
【0004】フィルム用接着改質剤としてのコート剤と
して、数多くの材料が提案されており、中でも、ポリエ
ステルで代表される比較的極性が高いフィルムに対して
は、水溶性又は水分散性のポリエステル系樹脂又はアク
リル系樹脂を用いることが提案されている(特開昭54
−43017号公報、特公昭49−10243号公報、
特開昭52−19786号公報、特開昭52−1978
7号公報等)。しかし、これらをポリアミドフィルムに
応用した場合、上記ポリエステル系樹脂層はフィルムを
巻いてロールしたとき、ブロッキングを起こしやすいと
いう欠点があり、また上記アクリル系樹脂はフィルム及
びプライマー層に被覆される層との接着性に劣るという
欠点がある。そこで、これらの欠点を改善する目的で、
上記ポリエステル系樹脂と上記アクリル系樹脂を混合し
て用いることが提案されている(特開昭58−1246
51号公報)が、上記欠点の改善は十分とは言い難い。
【0005】更に、グラフト変性を中心とした種々の変
性ポリエステルを使用することも提案されている。例え
ば、特開平2−3307号公報、特開平2−17124
3号公報、特開平2−310048号公報では、水溶性
あるいは水分散性の親水基含有ポリエステル系樹脂に不
飽和結合含有化合物をグラフト重合させた樹脂が、ポリ
エステルフィルムのプライマーとして好適であることが
開示されている。しかし、このような、ポリエステル系
樹脂中にあらかじめ共重合等の方法で親水基を含有させ
た樹脂のグラフト変性では、高度の接着性、耐水性がな
い。
【0006】また、特開平3−273015号公報、特
公平3−67626号公報でも、ポリエステルのグラフ
ト変性樹脂がポリエステルフィルムのプライマーとして
有用であることが開示されている。しかし、これらの樹
脂についても、ポリアミドフィルムに使用した場合、凝
集力に乏しいため、乾燥状態での接着性は向上するもの
の湿潤下での接着性は乏しく、特に2次加工、3次加工
と多加工になるにつれ、膜のはがれ、キズがつくなどの
問題があるのが現状である。
【0007】一方、無機薄膜からなるバリアー層は、特
公昭51−148511号公報に、合成樹脂体表面にS
ixOy(例えばSiO2)を蒸着したガスバリアフィ
ルムが提案されている。ガスバリア性の良好なSiOx
系(x=1.3〜1.8)は、やや褐色を有している。
また、特開昭62−101428号公報に、酸化アルミ
ニウムがガスバリアー層を形成したものがあるが、酸素
バリアー性が若干劣ることや、耐屈曲性の問題もある。
また、特開平2−194944号公報には、レトルト性
を有するガスバリアフィルムとしてのAl23・SiO
2系の例として、Al23とSiO2を積層したものがあ
るが、そのガスバリア特性、耐屈曲性は、まだまだ劣
る。すなわち、食品包装材として使用する場合、耐レト
ルト性を有するためには、ある程度以上、例えば200
0Å以上の薄膜の厚みが要求されるのに対し、耐屈曲性
を向上させるには、できるだけ薄い方がよいという問題
を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ガスバリアー性積層ポリアミドフィルムの有する問題点
を解決し、高いガスバリアー性と優れた接着性、耐水
性、耐溶剤性、耐ブッロキング性を有するガスバリアー
性積層ポリアミドフィルムを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のガスバリアー性積層ポリアミドフィルム
は、ポリアミドフィルム基材の少なくとも一方の表面
に、親水性を有する重合性不飽和単量体を含有する重合
性不飽和単量体を疎水性ポリエステル系樹脂にグラフト
共重合して得られた自己架橋性ポリエステル系グラフト
共重合体を構成成分とする接着改質層が形成されるとと
もに、少なくとも一方の接着改質層の表面に無機薄膜か
らなるガスバリアー層が形成されてなることを特徴とす
る。
【0010】ここで、親水性を有する重合性不飽和単量
体とは、親水基を有するか、後で親水基に変化すること
ができる基を有する重合性不飽和単量体を指す。
【0011】上記の構成からなる本発明のガスバリアー
性積層ポリアミドフィルムは、接着性、耐水性、耐溶剤
性、耐ブッロキング性が優れている。
【0012】この場合において、接着改質層が、自己架
橋性ポリエステル系グラフト共重合体を含有する塗布液
を、未延伸又は一軸延伸ポリアミドフィルムに塗布、乾
燥後、該フィルムを更に、一軸又はそれ以上延伸し、熱
固定することによって形成されたものである。
【0013】また、この場合において、親水性を有する
重合性不飽和単量体が、二重結合を有する酸無水物であ
ることができる。
【0014】また、この場合において、二重結合を有す
る酸無水物が、マレイン酸の無水物であることができ
る。
【0015】また、この場合において、重合性不飽和単
量体がスチレンを含有することができる。
【0016】さらにまた、この場合において、ガスバリ
アー層が、酸化珪素と酸化アルミニウムとの混合物から
なる薄膜であることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガスバリアー性積
層ポリアミドフィルムの実施の形態を説明する。
【0018】本発明において使用されるポリアミドフィ
ルム基材用のポリアミド樹脂としては、例えば、ε−カ
プロラクタムを主原料としたナイロン6が挙げられる。
その他のポリアミド樹脂としては、3員環以上のラクタ
ム、ω−アミノ酸、二塩基酸とジアミンなどの重縮合に
よって得られるポリアミド樹脂がある。具体的には、ラ
クタム類としては先に示したε−カプロラクタムの他
に、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラ
クタム、ω−アミノ酸としては、6−アミノカプロン
酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11
−アミノウンデカン酸、二塩基酸としては、アジピン
酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン
酸、ヘキサデカジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコ
サジエンジオン酸、2,2,4−トリメチルアジピン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸、またジアミン
類としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン
ペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、
2,2,4(または2,4,4)−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−
(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシ
リレンジアミンなどが挙げられ、これらを重縮合して得
られる重合体またはこれらの共重合体、例えばナイロン
6、7、11、12、6・6、6・9、6・12、6・
T、6・I、MXD・6、6/6・6、6/12、6/
6・T、6/6・I、6/MXD・6などが挙げられ
る。
【0019】上記ポリアミドフィルム基材は目的、性能
を損なわない限り各種添加剤を配合しても良い。例え
ば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、滑剤としての
有機潤滑剤や無機あるいは有機粒子、ブロッキング防止
剤、顔料、帯電防止剤、界面活性剤等を配合したり、耐
衝撃性や吸湿特性を改良するためにオレフィン系樹脂、
アミド系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂又
はそれらを主構成成分とする熱可塑性エラストマー等
を、あるいはEVOH、MXD6、ポリエチレンナフタ
レート等、ガスバリアー性を有する樹脂をブレンド又は
積層しても良い。
【0020】本発明で用いるポリアミドフィルム基材は
公知のフィルム製膜法によって形成することができる。
フィルム製膜法としては、Tダイ法、インフレーション
法などが適用される。また、本発明で用いるポリアミド
フィルム基材は単層である他共押出法等により得られた
多層フィルムであっても良い。特に、低吸湿性のポリア
ミド樹脂原料を使用すると酸素透過率の湿度依存性が小
さくなるのが好ましい。また、未延伸フィルムである他
一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム等任意の状態のフ
ィルムを用いることができる。特に、未延伸又は一軸延
伸ポリアミドフィルムに自己架橋性ポリエステル系グラ
フト共重合体を塗布、乾燥後、該フィルムを更に一軸又
はそれ以上延伸し、熱固定することによって形成する方
法によることが好ましい。
【0021】本発明のガスバリアー性積層ポリアミドフ
ィルムは、上記ポリアミドフィルム基材の少なくとも一
方の表面に、親水性を有する重合性不飽和単量体を含有
する重合性不飽和単量体を疎水性ポリエステル系樹脂に
グラフト共重合して得られた自己架橋性ポリエステル系
グラフト共重合体を構成成分とする接着改質層が形成さ
れるとともに、少なくとも一方の接着改質層の表面に無
機薄膜からなるガスバリアー層が形成されてなるもので
ある。
【0022】上記接着改質層を形成するには、ポリアミ
ドフィルム基材に接着改質層を構成する自己架橋性ポリ
エステル系グラフト共重合体の有機溶媒溶液若しくは分
散液又は水系溶媒溶液若しくは分散液を塗布液として用
いるのが好適である。
【0023】本発明において用いる、自己架橋性ポリエ
ステル系グラフト共重合体は親水性を有する重合性不飽
和単量体を含有する重合性不飽和単量体を疎水性ポリエ
ステル系樹脂にグラフト共重合して得られたものであ
る。
【0024】本発明において用いる自己架橋性ポリエス
テル系グラフト共重合体を得るためのグラフト共重合を
行うには、一般には、疎水性ポリエステル系樹脂を有機
溶剤中に溶解させた状態において、ラジカル開始剤及び
重合性不飽和単量体の混合物を反応せしめることにより
実施される。グラフト化反応終了後の反応生成物は、所
望の疎水性ポリエステル系樹脂−重合性不飽和単量体混
合物間のグラフト重合体の他に、グラフト化を受けなか
った疎水性ポリエステル系樹脂及び疎水性ポリエステル
系樹脂にグラフト化しなかったラジカル重合体をも含有
しているが、本発明における自己架橋性ポリエステル系
グラフト共重合体とは、これらすべてが含まれる。ここ
で、グラフト化とは、幹ポリマー主鎖に、主鎖とは異な
る重合体からなる枝ポリマーを導入することである。
【0025】本発明において、疎水性ポリエステル系樹
脂に重合性不飽和単量体をグラフト共重合させて得た自
己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体の酸価は60
0eq/106g以上であることが好ましい。より好ま
しくは、酸価は1200eq/106g以上である。反
応物の酸価が600eq/106g未満である場合は、
本発明の目的である、無機薄膜からなるガスバリアー層
との接着性が十分とはいえない。
【0026】また、本発明のガスバリアー性積層ポリア
ミドフィルムを得る目的に適合する、望ましい疎水性ポ
リエステル系樹脂と重合性不飽和単量体との重量比率
は、疎水性ポリエステル系樹脂/重合性不飽和単量体=
40/60〜95/5の範囲が望ましく、更に望ましく
は55/45〜93/7、最も望ましくは60/40〜
90/10の範囲である。
【0027】疎水性ポリエステル系樹脂の上記重量比率
が40重量%未満であるとき、自己架橋性ポリエステル
系グラフト共重合体を構成成分とする接着改質層は、優
れた接着性を発揮することができない。一方、疎水性ポ
リエステル系樹脂の重量比率が95重量%より大きいと
きは、自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体を構
成成分とする接着改質層は、ブロッキングを起こしやす
くなる。
【0028】本発明で用いる自己架橋性ポリエステル系
グラフト共重合体は、有機溶媒による溶液若しくは分散
液又は水系溶媒による溶液若しくは分散液の形態にな
る。特に、水系溶媒による自己架橋性ポリエステル系グ
ラフト共重合体の分散液つまり、水分散樹脂(以下単に
「水分散樹脂」と記すことがある)の形態が、作業環
境、塗布性の点で好ましい。この様な水分散樹脂を得る
には、通常、有機溶媒中で、前記の疎水性ポリエステル
系樹脂に、親水性を有する重合性不飽和単量体を有する
重合性不飽和単量体をグラフト重合し、次いで、水添加
し、さらに有機溶媒を留去することにより達成される。
【0029】本発明のガスバリアー性積層ポリアミドフ
ィルムを製造するための、上記水分散樹脂は、レーザー
光散乱法により測定される平均粒子径は通常500nm
以下であり、半透明ないし乳白色の外観を呈する。重合
反応の調整により、多様な粒子径の水分散樹脂が得られ
るが、この粒子径は10〜500nmが適当であり、分
散安定性の点で、400nm以下が好ましく、より好ま
しくは300nm以下である。水分散樹脂の粒子径が5
00nmを越えると被覆膜表面の光沢が低下する傾向が
みられ、被覆物の透明性が低下する傾向にある。一方、
水分散樹脂の粒子径が10nm未満の場合では、本発明
の目的である疎水性が低下する傾向があるため、好まし
くない。
【0030】本発明において用いる疎水性ポリエステル
系樹脂は、本来、それ自身で水に分散または溶解しない
本質的に水不溶性である必要がある。水に分散する又は
水に溶解するポリエステル樹脂を、グラフト重合に使用
すると、本発明の目的である接着性、耐水性が悪くな
り、実用的でない。
【0031】この疎水性ポリエステル系樹脂のジカルボ
ン酸成分の組成は、通常、芳香族ジカルボン酸60〜9
9.5モル%、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジ
カルボン酸0〜40モル%、重合性不飽和単量体として
の重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸0.5
〜10モル%であることが好ましい。
【0032】芳香族ジカルボン酸が60モル%未満であ
る場合や脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボ
ン酸が40モル%を越えた場合は、接着強度が低下する
傾向にある。また、上記重合性不飽和二重結合を含有す
るジカルボン酸が0.5モル%未満の場合、ポリエステ
ル樹脂に対する重合性不飽和単量体の効率的なグラフト
化が行われにくくなり、逆に10モル%を越える場合
は、グラフト化反応の後期に余りにも粘度が上昇し、反
応の均一な進行を妨げるので好ましくない。より好まし
くは、芳香族ジカルボン酸は70〜98モル%、脂肪族
ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸0〜30モ
ル%、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸2
〜7モル%である。
【0033】芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等を挙げることが
できる。5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の親水基
含有ジカルボン酸は、本発明の目的である耐水性が低下
する点で用いる方が好ましい。脂肪族ジカルボン酸とし
ては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等を挙げることがで
き、脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とその酸無水
物等を挙げることができる。
【0034】重合性不飽和二重結合を含有するジカルボ
ン酸の例としては、α、β−不飽和ジカルボン酸とし
て、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、不飽和二重結合を含有する脂環族ジ
カルボン酸として、2,5−ノルボルネンジカルボン酸
無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることがで
きる。このうち好ましいのは、重合性の点から、フマル
酸、マレイン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸で
ある。
【0035】一方、疎水性ポリエステル系樹脂のグリコ
ール成分は、通常、炭素数2〜10の脂肪族グリコー
ル、炭素数6〜12の脂環族グリコール及び/又はエー
テル結合含有グリコールよりなるのが好ましいが、炭素
数2〜10の脂肪族グリコールとしては、エチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル
プロパンジオール等を挙げることができ、炭素数6〜1
2の脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール等を挙げることができる。
【0036】エーテル結合含有グリコールとしては、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、さらに、ビスフェノール類の二つの
フェノール性水酸基に、エチレンオキサイド又はプロピ
レンオキサイドを付加して得られるグリコール類、例え
ば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プ
ロパンなどを挙げることができる。ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等のポリエーテルグリコールも必要により使
用することができる。
【0037】本発明で使用される疎水性ポリエステル系
樹脂中に、0〜5モル%の3官能以上のポリカルボン酸
及び/又はポリオールを共重合することができる。こ
の、3官能以上のポリカルボン酸としては、(無水)ト
リメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレン
グリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセ
ロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等が使用さ
れる。一方、3官能以上のポリオールとしては、グリセ
リン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等が使用される。3官能以上
のポリカルボン酸及び/又はポリオールは、全酸性分又
は全グリコール成分に対し0.01〜5モル%、望まし
くは0.01〜3モル%の範囲で共重合されるが、5モ
ル%を越えると重合時のゲル化が起こりやすく、好まし
くない。
【0038】また、疎水性ポリエステル系樹脂の分子量
は、重量平均で5000〜50000の範囲が好まし
い。分子量が5000未満の場合は接着強度の低下があ
り、逆に50000を越えると重合時のゲル化等の問題
が起きてしまう。
【0039】また、本発明において用いる、疎水性ポリ
エステル系樹脂にグラフト共重合するのに好適な重合性
不飽和単量体としては、例示すると、フマル酸、フマル
酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルな
どのフマル酸のモノエステル又はジエステル、マレイン
酸とその無水物、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジ
エチル、マレイン酸ジブチルなどのマレイン酸のモノエ
ステル又はジエステル、イタコン酸とその無水物、イタ
コン酸のモノエステル又はジエステル、フェニルマレイ
ミド等のマレイミドなど、また、スチレン、α−メチル
スチレン、t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン
などのスチレン誘導体、ビニルトルエン、ジビニルベン
ゼンなどである。また、アクリル重合性単量体は、例え
ば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブ
チル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル
基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
のヒドロキシ含有アクリル単量体;アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メ
チルアクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド、
N−メチロ−ルメタクリルアミド、N,N−ジメチロ−
ルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミ
ド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニ
ルアクリルアミドのアミド基含有アクリル単量体;N,
N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチルメタクリレートのアミノ基含有アクリ
ル単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートのエポキシ基含有アクリル単量体;アクリル
酸、メタクリル酸及び/それらの塩(ナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩)等のカルボキシル基または
その塩を含有するアクリル単量体が挙げられる。好まし
くは、マレイン酸無水物とそのエステルである。上記モ
ノマーは1種もしくは2種以上を用いて共重合させるこ
とができる。
【0040】上記の重合性不飽和単量体のうち、「親水
性を有する重合性不飽和単量体」は、親水基を有する
か、後で親水基に変化することができる基を有する重合
性不飽和単量体を指す。親水基を有する重合性不飽和単
量体として、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、亜リ
ン酸基、スルホン酸基、アミド基、第4級アンモニウム
塩基等を含む重合性不飽和単量体を挙げることができ
る。一方、親水基に変化することができる重合性不飽和
単量体として、酸無水物基、グリシジル基、クロル基な
どを挙げることができる。これらの中で、水分散性を持
たせる点から、カルボキシル基であるのが好ましく、カ
ルボキシル基を有するか、カルボキシル基に変化するこ
とができる基を有する重合性不飽和単量体が好ましい。
特に好ましいのは、二重結合を有する酸無水物からなる
重合性不飽和単量体である。
【0041】本発明において行うグラフト重合は、一般
には、疎水性ポリエステル系樹脂を有機溶媒中に溶解さ
せた状態において、ラジカル開始剤および重合性不飽和
単量体混合物を反応せしめることにより実施される。本
発明で用いるグラフト重合開始剤としては、当業者には
公知の有機過酸化物類や有機アゾ化合物類を用いること
ができる。
【0042】有機過酸化物として、ベンゾイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシビバレート、有機アゾ化
合物として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
などを挙げることができる。また、グラフト重合を行う
ための重合開始剤の使用量は、重合性モノマーに対し
て、少なくとも0.2重量%以上、好ましくは0.5重
量%以上である。
【0043】重合開始剤の他に、枝ポリマーの鎖長を調
節するための連鎖移動剤、例えばオクチルメルカプタ
ン、メルカプトエタノール、3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシアニソールなどを必要に応じて用い得る。この場
合、重合性モノマーに対して0〜5重量%の範囲で添加
されるのが好ましい。
【0044】本発明フィルムを製造するのに用いるため
のグラフト化反応溶媒は沸点が50〜250℃の水性有
機溶媒から構成されることが好ましい。ここで、水性有
機溶媒とは20℃における水に対する溶解性が少なくと
も10g/リットル以上、望ましくは20g/リットル
以上であるものをいう。沸点が250℃を越えるもの
は、余りに蒸発速度がおそく、塗膜の高温焼付によって
も充分に取り除くことができないので不適当である。ま
た沸点が50℃より低いものでは、それを溶媒としてグ
ラフト化反応を実施する場合、50℃より低い温度でラ
ジカルに解裂する開始剤を用いねばならないので取扱上
の危険が増大し、好ましくない。疎水性ポリエステル系
樹脂をよく溶解し、かつ、親水性を有する重合性不飽和
単量体、特に二重結合を有する酸無水物を含有する重合
性不飽和単量体混合物およびその重合体を比較的良く溶
解する第一群の水性有機溶媒としては、エステル類、例
えば、酢酸エチル、ケトン類、例えば、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、環
状エーテル類例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、
1,3−ジオキソラン、グリコールエーテル類例えばエ
チレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコ
ールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエ
ーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレン
グリコールブチルエーテル、カルビトール類例えばメチ
ルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビト
ール、グリコール類若しくはグリコールエーテルの低級
エステル類例えばエチレングリコールジアセテート、エ
チレングリコールエチルエーテルアセテート、ケトンア
ルコール類例えばダイアセトンアルコール、更にはN−
置換アミド類例えばジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、N−メチルピロリドン等を例示することが
できる。
【0045】これに対し、疎水性ポリエステル系樹脂を
ほとんど溶解しないが、親水性重合性単量体混合物およ
びその重合体を比較的よく溶解する第二群の水性有機溶
媒として、水、低級アルコール類、低級カルボン酸類、
低級アミン類などを挙げることができるが、本発明の実
施に特に好ましいものとしては炭素数1〜4のアルコー
ル類およびグリコール類を挙げることができる。
【0046】グラフト化反応を単一溶媒で行う場合は、
第一群の水性有機溶媒から一種の溶媒を選んで行うこと
ができる。混合溶媒で行う場合は第一群の水性有機溶媒
から複数種選ぶ場合と、第一群の水性有機溶媒から少な
くとも一種を選びそれに第二群の水性有機溶媒から少な
くとも一種を加える場合がある。
【0047】グラフト重合反応溶媒を第一群の水性有機
溶媒からの単一溶媒とした場合と、第一群および第二群
の水性有機溶媒のそれぞれ一種からなる混合溶媒とした
場合のいずれにおいてもグラフト重合反応を行うことが
できる。しかし、グラフト化反応の進行挙動、グラフト
化反応生成物およびそれから導かれる水分散体の外観、
性状などに差異がみられ、第一群および第二群の水性有
機溶媒のそれぞれ一種からなる混合溶媒を使用する方が
好ましい。
【0048】第一群の溶媒中では疎水性ポリエステル系
樹脂の分子鎖は広がりの大きい鎖ののびた状態にあり、
一方第一群/第二群の混合溶媒中では、広がりの小さい
糸まり状に絡まった状態にあることがこれら溶液中の共
重合ポリエステルの粘度測定により確認された。疎水性
ポリエステル系樹脂の溶解状態を調節し分子間架橋を起
こりにくくすることがゲル化防止に有効である。効率の
高いグラフト化とゲル化抑制の両立は後者の混合溶媒系
において達成される。第一群/第二群の混合溶媒の重量
比率はより望ましくは95/5〜10/90さらに望ま
しくは90/10〜20/80、最も望ましくは85/
15〜30/70の範囲である。最適の混合比率は使用
するポリエステルの溶解性などに応じて決定される。
【0049】本発明にかかわるグラフト化反応生成物は
塩基性化合物で中和することが好ましく、中和すること
によって容易に水分散化することができる。塩基性化合
物としては塗膜形成時、或いは硬化剤配合による焼付硬
化時に揮散する化合物が望ましく、アンモニア、有機ア
ミン類などが好適である。望ましい化合物の例として
は、トリエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールア
ミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタ
ノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミ
ン、イソプロピルアミン、イミノピスプロピルアミン、
エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピル
アミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−
ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピル
アミン、ジメチアルミノプロピルアミン、メチルイミノ
ビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミンなどを挙げることができる。塩基性化合物
は、グラフト化反応生成物中に含まれるカルボキシル基
含有量に応じて、少なくとも部分中和、若しくは、完全
中和によって水分散体のPH値が5.0〜9.0の範囲
であるように使用するのが望ましい。沸点が100℃以
下の塩基性化合物を使用した場合であれば、乾燥後の塗
膜中の残留塩基性化合物も少なく、金属や無機蒸着膜と
の接着性や該積層体の耐水性や耐熱水接着性が優れる。
【0050】本発明により生成される水分散性樹脂で
は、重合性不飽和単量体の重合物の重量平均分子量は5
00〜50000であるのが好ましい。重合性不飽和単
量体の重合物の重量平均分子量を500未満にコントロ
ールすることは一般に困難であり、グラフト効率が低下
し、疎水性ポリエステル系樹脂への親水性基の付与が十
分に行われない傾向がある。また、重合性不飽和単量体
がグラフト重合して得られた自己架橋性ポリエステル系
グラフト共重合体は分散粒子の水和層を形成するが、十
分な厚みの水和層をもたせ、安定な分散体を得るために
は、重合性不飽和単量体のグラフト重合物の重量平均分
子量は500以上であることが望ましい。また、重合性
不飽和単量体のグラフト重合物の重量平均分子量の上限
は溶液重合における重合性の点で50000が好まし
い。この範囲内での分子量のコントロールは重合開始剤
の量、モノマー滴化時間、重合時間、反応溶媒、モノマ
ー組成あるいは必要に応じて連鎖移動剤や重合禁止剤を
適宜組み合わせることにより行うことができる。
【0051】本発明において、疎水性ポリエステル系樹
脂に重合性不飽和単量体をグラフト重合させた反応物
は、自己架橋性を有する。常温では架橋しないが、乾燥
時の熱で、1)反応物中に存在するシラノール基の脱水
反応、2)熱ラジカルによる水素引き抜き反応等の分子
間反応を行い、架橋剤なしで架橋する。これにより初め
て、本発明の目的である接着性、耐水性を発現できる。
塗膜の架橋性については、様々の方法で評価できるが、
疎水性ポリエステル系樹脂および重合性不飽和単量体が
グラフト重合して得られた自己架橋性ポリエステル系グ
ラフト共重合体の両方を溶解するクロロホルム溶媒での
不溶分率で調べることができる。塗布層を80℃以下で
乾燥し、120℃で5分間熱処理して得られる塗膜の不
溶分率は、好ましくは50%以上、より好ましくは70
%以上である。塗膜の不溶分率が50%未満の場合は、
接着改質層の接着性、耐水性が十分でないばかりでな
く、ブロッキングを生ずることがある。
【0052】上記自己架橋性ポリエステル系グラフト共
重合体は、そのままで本発明を構成する接着改質層を形
成することができるが、さらに架橋剤(硬化用樹脂)を
配合して硬化を行うことにより、接着改質層に高度の耐
水性を付与することができる。
【0053】架橋剤としては、アルキル化フェノール
類、クレゾール類などのホルムアルデヒドとの縮合物の
フェノールホルムアルデヒド樹脂;尿素、メラミン、ベ
ンゾグアナミンなどとホルムアルデヒドとの付加物、こ
の付加物と炭素原子数が1〜6のアルコールとからなる
アルキルエーテル化合物などのアミノ樹脂;多官能性エ
ポキシ化合物;多官能性イソシアネート化合物;ブロッ
クイソシアネート化合物;多官能性アジリジン化合物;
オキサゾリン化合物など任意のものを用いることができ
る。
【0054】フェノールホルムアルデヒド樹脂として
は、例えば、アルキル化(メチル、エチル、プロピル、
イソプロピルまたはブチル)フェノール、p−tert
−アミルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンフ
ェノール、p−tert−ブチルフェノール、o−、m
−、p−クレゾール、p−シクロヘキシルフェノール、
4,4’−イソプロピリデンフェノール、p−ノニルフ
ェノール、p−オクチルフェノール、3−ペンタデシル
フェノール、フェノール、フェニルo−クレゾール、p
−フェニルフェノール、キシレノールなどのフェノール
類とホルムアルデヒドとの縮合物などを挙げることがで
きる。
【0055】アミノ樹脂としては、例えば、メトキシ化
メチロール尿素、メトキシ化メチロールN,N−エチレ
ン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メト
キシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベン
ゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキ
シ化メチルールベンゾグアナミンなどが挙げられるが好
ましくはメトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メ
チロールメラミン、およびメチロール化ベンゾグアナミ
ンなどを挙げることができる。
【0056】多官能性エポキシ化合物としては、例え
ば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそ
のオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジル
エーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリ
シジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、
テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香
酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグ
リシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジ
ルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン
酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエス
テル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタ
ンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジ
オールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリ
コールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグ
リシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、
1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプ
ロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールトリグリシジルエーテル、グリセロー
ルアルキレンオキサイド付加物のトリグリリジルエーテ
ルなどを挙げることができる。
【0057】多官能性イソシアネート化合物としては、
低分子または高分子の芳香族、脂肪族のジイソシアネー
ト、3価以上のポリイソシアネートを用いることができ
る。ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トル
エンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらの
イソシアネート化合物の3量体がある。さらに、これら
のイソシアネート化合物の過剰量と、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミンなどの低分子活性水素化合物、またはポリエステ
ルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミ
ド類などの高分子活性水素化合物とを反応させて得られ
る末端イソシアネート基含有化合物を挙げることができ
る。
【0058】ブロック化イソシアネートは上記イソシア
ネート化合物とブロック化剤とを従来公知の適宜の方法
より付加反応させて調整することができる。イソシアネ
ートブロック化剤としては、例えば、フェノール、クレ
ゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノ
ール、クロロフェノールなどのフェノール類;チオフェ
ノール、メチルチオフェノールなどのチオフェノール
類;アセトキシム、メチルエチケトオキシム、シクロヘ
キサノンオキシムなどのオキシム類;メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール
類;エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−
プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類;t−ブ
タノール、t−ペンタノールなどの第3級アルコール
類;ε−カプロラクタム、δ−パレロラクタム、ν−ブ
チロラクタム、β−プロピルラクタムなどのラクタム
類;芳香族アミン類;イミド類;アセチルアセトン、ア
セト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性
メチレン化合物;メルカプタン類;イミン類;尿素類;
ジアリール化合物類;重亜硫酸ソーダなどを挙げること
ができる。
【0059】これらの架橋剤は、それぞれ単独または2
種以上混合して用いることができる。架橋剤の配合量と
しては、自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体1
00重量部に対して、5〜40重量部が好ましい。架橋
剤の配合方法としては、(1)架橋剤が水溶性である場
合、直接グラフト共重合体の水系溶媒溶液または分散液
中に溶解または分散させる方法、または(2)架橋剤が
油溶性である場合、グラフト化反応終了後、反応液に添
加する方法がある。これらの方法は、架橋剤の種類、性
状により適宜選択し得る。さらに架橋剤には、硬化剤あ
るいは促進剤を併用することができる。
【0060】上記自己架橋性ポリエステル系グラフト共
重合体を含む塗布液は、そのままで本発明ガスバリアー
性積層ポリアミドフィルムの接着改質層を形成するのに
用いることができるが、他の目的から汎用のポリエステ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル樹脂、それらの共
重合体、各種水溶性樹脂等や各種機能性樹脂、例えばポ
リアニリンやポリピロール等の導電性樹脂や抗菌性樹
脂、紫外線吸収性樹脂、ガスバリアー性樹脂を混合して
接着改質層を形成するのに用いることができる。本発明
においては、接着改質層を形成するための塗布液に、さ
らに本発明の効果を損なわない範囲で、各種界面活性
剤、帯電防止剤、無機滑剤、有機滑剤、紫外線吸収剤等
の添加剤を含有させることができる。
【0061】本発明における接着改質層は、ポリアミド
フィルム基材の少なくとも一方の表面に、前記自己架橋
性ポリエステル系グラフト共重合体の有機溶媒溶液若し
くは分散液又は水系溶媒溶液若しくは分散液を塗布液と
して用いて形成されるのが通常である。特に、水溶液又
は水分散液とするのが、環境に対して問題になる有機溶
媒を用いない点で好ましい。塗布液中の自己架橋性ポリ
エステル系グラフト共重合体の固形分含有量は、通常、
1〜50重量%、好ましくは3〜30重量%である。
【0062】接着改質層を形成するために、自己架橋性
ポリエステル系グラフト共重合体を含む塗布液をポリア
ミドフィルム基材に塗布する方法としては、グラビア方
式、リバース方式、ダイ方式、バー方式、ディップ方式
などの公知の塗布方式を用いることができる。
【0063】塗布液の塗布量は、固形分として、通常、
0.005〜10g/m2、好ましくは、0.02〜
0.5g/m2である。塗布量が0.005g/m2未満
になると、接着改質層とポリアミドフィルム基材との間
の接着強度が低下する傾向にある。また、塗布量が10
g/m2を越えるとブロッキングが発生し、実用上問題
がある。
【0064】二軸延伸ポリアミドフィルム基材上に塗布
する場合、ポリアミドフィルム基材と接着改質層との接
着性をさらに良くする為、ポリアミドフィルムにコロナ
放電処理、火炎処理、電子線照射等による表面処理をし
てもよい。塗布液を塗布後延伸する場合でもフィルム表
面に同様の処理をあらかじめ行っておくことにより同様
の効果を得ることができる。
【0065】塗布後の自己架橋性ポリエステル系グラフ
ト共重合体の乾燥条件は特に規制は無いが、該グラフト
共重合体のもつ自己架橋性を発見するためには、ポリア
ミドフィルム基材及び該グラフト共重合体に熱劣化が起
こらない範囲内で、熱量を多くする条件が好ましい。具
体的には80〜250℃、さらに好ましくは150〜2
20℃である。ただし乾燥時間を長くすることにより、
比較的低い温度でも、十分な自己架橋性を発現するた
め、上記の条件に限るものではない。
【0066】未延伸あるいは一軸延伸後のポリアミドフ
ィルム基材に上記塗布液を塗布した後、乾燥、延伸する
場合、塗布後の乾燥温度はその後の延伸に影響しない範
囲の条件で乾燥する必要があり、ポリアミドフィルム基
材の場合、フィルム中の水分率を2%以下にして延伸
し、その後200℃以上で熱固定を行うことにより塗膜
との接着が強固になり、接着改質層とポリアミドフィル
ム基材との接着性が飛躍的に向上する。水分率が2%以
上になると乾燥温度にもよるが、結晶化が起こり易くな
り、平面性の悪化や延伸性が損なわれる場合がある。
【0067】ガスバリアー性積層ポリアミドフィルムの
接着改質層の表面を、さらに接着性や印刷性をよくする
ために、該接着改質層表面にさらにコロナ放電処理、火
炎処理、電子線照射等による表面処理をしても良い。
【0068】本発明においては、接着改質層はポリアミ
ドフィルム基材の一方の表面又は両方の表面に形成す
る。かかる接着改質層がポリアミドフィルム基材の一方
の表面に形成されている場合には、該接着改質層の表面
に無機薄膜からなるガスバリアー層を形成し、接着改質
層がポリアミドフィルム基材の両方の表面に形成されて
いる場合は、その一方の表面又は両方の表面に無機薄膜
からなるガスバリアー層を形成することができる。
【0069】本発明において、無機薄膜からなるガスバ
リアー層を形成するのに用いる無機物質は、一般に知ら
れているものをそのまま使用することができ、例えば、
アルミニウム、珪素、ジルコニウム、マグネシウムなど
の金属又はこれらの金属酸化物、酸化チタンなどを典型
的なものとして例示することができる。
【0070】無機薄膜からなるガスバリアー層の形成に
は、真空蒸着法、スパッター法、イオンプレーティング
などのPVD法(物理蒸着法)、あるいはCVD法(化
学蒸着法)などが適宜用いられる。例えば、真空蒸着法
においては、蒸着源材料として無機物、例えば、Al2
3とSiO2やAlとSiO2の混合物等を用いること
ができ、また、加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘
導加熱、電子ビーム加熱等を用いることができる。ま
た、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入し
たり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反
応性蒸着を用いてもよい。また、ポリアミドフィルム基
材にバイアス等を加えたり、ポリアミドフィルム基材の
温度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明の目的を
損なわない限りに於いて、作成条件を変更してもよい。
スパッター法やCVD法等のほかの作成法でも同様であ
る。
【0071】本発明における好ましい無機薄膜は、酸化
アルミニウム、酸化硅素薄膜であるが、この薄膜は、通
常、酸化アルミニウムと酸化硅素との混合物又は化合物
等とから成り立っていると考えられる。ここでいう酸化
アルミニウムは、Al、AlO、Al23等の各種アル
ミニウム酸化物の混合物から成り立ち、酸化アルミニウ
ム内での各々の含有率等は製造条件で異なる。また、酸
化珪素は、Si、SiO、SiO2等から成り立ってい
ると考えられ、これらの比率も製造条件で異なる。本発
明における該薄膜の酸化アルミニウムの比率としては、
20〜99重量%であって、好ましくは5〜45重量%
である。しかして、酸化珪素、酸化アルミニウム量が5
重量%未満では、蒸着膜中に格子欠陥が生じて十分なガ
スバリアー性が得られ難くなり、また酸化珪素・酸化ア
ルミニウム系蒸着膜中の酸化アルミニウム量が45重量
%超になると、膜の柔軟性が低下し、熱水処理時におけ
る寸法変化によって膜の破壊(割れや剥離)が生じやす
くなってガスバリア性が低下するといった問題が生じ、
本発明の目的にそぐわなくなる。また、この成分中に、
特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高々3
%まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さとして
は、特にこれを限定するものではないが、ガスバリア性
及び可撓性の点からは、10〜5000Åが好ましく、
更に好ましくは、50〜2000Åであるが、該薄膜層
内の組成比率、及び薄膜の厚さは、各使用用途における
要求品質にあわせて無機薄膜組成を選択すればよい。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明する。本
明細書中の各測定項目は以下の方法に従った。
【0073】1)接着性評価 ラミネートしたものを東洋測器社製「テンシロンUTM
2」を用いて90度剥離し、ガスバリアー層と基層材間
のS−Sカーブを測定して求めた。また、70℃温水中
に30分間浸積後1時間放置した後の接着性評価も行っ
た。
【0074】2)酸素透過率 酸素透過度測定装置([OX−TRAN10/50A]
Modern Controls社製)を使用し、70
℃温水中に30分間浸積後1時間放置し、湿度0%、温
度25℃で測定した。
【0075】(疎水性ポリエステル系樹脂の調製)撹拌
機、温度計、および部分還流式冷却器を具備したステン
レススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレ
ート345重量部、1,4−ブタンジオール211重量
部、エチレングリコール270重量部及びテトラ−n−
ブチルチタネート0.5重量部を仕込み、160℃から
220℃まで、4時間かけてエステル交換反応を行っ
た。次いで、フマル酸14重量部及びセバシン酸160
重量部を加え、200℃から220℃まで1時間かけて
昇温し、エステル化反応を行った。次いで255℃まで
昇温し、反応系を徐々に減圧した後、0.22mmHg
の減圧下で1時間30分反応させ、疎水性ポリエステル
系樹脂(A−1)を得た。得られたポリエステルは、淡
黄色透明であった。
【0076】同様の方法で、別の疎水性ポリエステル系
樹脂(A−2)を得た。(A−1)、(A−2)につ
き、NMRで測定した共重合組成及び重量平均分子量を
表−1に示す。
【0077】(実施例1)撹拌機、温度計、還流装置と
定量滴下装置を備えた反応器に疎水性ポリエステル系樹
脂(A−1)75部、メチルエチルケトン56部及びイ
ソプロピルアルコール19重量部を入れ、65℃で加
熱、撹拌し、樹脂を溶解した。この樹脂が完全に溶解し
た後、無水マレイン酸15重量部をポリエステル溶液に
添加した。次いで、スチレン10重量部及びアゾビスジ
メチルバレロニトリル1.5重量部を12部のメチルエ
チルケトンに溶解した溶液を0.1cc/minでポリ
エステル溶液中に滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。
反応溶液から分析用のサンプリングを行った後、メタノ
ール5部を添加した。次いで、水300重量部とトリエ
チルアミン15重量部を反応溶液に加え、1時間撹拌し
た。その後、反応器内温を100℃に上げ、メチルエチ
ルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のアンモニア
を蒸留により留去し、自己架橋性ポリエステル系グラフ
ト重合体(B−1)を得た。自己架橋性ポリエステル系
グラフト重合体(B−1)は淡黄色透明であった。
【0078】該自己架橋性ポリエステル系グラフト重合
体(B−1)を、固形分濃度10重量%になるように
水:イソプロピルアルコール=9:1(重量比)で希釈
して塗布液を調整した。
【0079】ナイロン6レジンを280℃で溶融押出し
し、15℃の冷却ロールで冷却して厚さ185μmの未
延伸フィルムを得、この未延伸フィルムを周速の異なる
85℃の一対のロール間で縦方向に3.5倍延伸した。
次いで前記の塗布液をダイコーター方式で塗布し、70
℃の熱風で乾燥し、次いでテンター温度100℃で横方
向に3.5倍延伸し、さらに200〜220℃で熱固定
し厚さ15μmの二軸延伸コーティングポリアミドフィ
ルムを得た。最終的なコート剤塗布量は0.1g/m2
あった。さらに該ポリアミドフィルムに以下のような方
法で無機薄膜層を形成した。即ち、蒸着材料としてSi
2 (純度:99.9%)と粒子状(3〜5mm程度)
のAl23を使用し、これらの蒸着材料を電子ビーム加
熱型真空蒸着装置により加熱して蒸発させ、コロナ放電
処理を施したナイロン6フィルムを蒸着装置の巻き出し
ロールにセットし、蒸発源上を走行させて無機薄膜層を
形成したガスバリアー性積層ポリアミドフィルムを得
た。なお、蒸着材料は混合せず、ハース内をカーボン板
で2つに仕切り、加熱源とした1台の電子銃を時分割で
照射してSiO2とAl23を蒸着させ、膜厚さ200
Å、酸化アルミニウム含有率25重量%の無機薄膜を形
成した。該蒸着膜上に、2液型ポリウレタン系接着剤
(武田薬品社製「A310/A10」)を乾燥厚さ5g
/m2になるように塗布し、その上に40℃における圧
縮弾性率が9kgf/mm2のポリエチレンフィルム
(55μm)をドライラミネートした後、エージング
し、ガスバリア性積層フィルムを得た。
【0080】(実施例2)無水マレイン酸15重量部を
8重量部に、スチレン10重量部を17重量部に変えた
以外は、実施例1と同様に、自己架橋性ポリエステル系
重合体(B−2)を得た。該自己架橋性ポリエステル系
グラフト共重合体(B−2)は淡黄色透明であった。該
自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体(B−2)
及び、無機薄膜層を実施例1と同様に積層したガスバリ
アー性積層ポリアミドフィルムを得た。得られた該ガス
バリアー性積層ポリアミドフィルムの評価結果を表−2
に示した。
【0081】(実施例3)疎水性ポリエステル系樹脂
(A−1)の代わりに疎水性ポリエステル系樹脂(A−
2)を用い実施例1と同様に自己架橋性ポリエステル系
グラフト共重合体(B−3)を得た。該自己架橋性ポリ
エステル系グラフト共重合体(B−3)は淡黄色透明で
あった。該自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体
(B−3)、及び無機薄膜層を実施例1と同様な方法で
積層したガスバリアー性積層ポリアミドフィルムを得
た。得られた該ガスバリアー性積層ポリアミドフィルム
の評価結果を表−2に示した。
【0082】(比較例1)上記ポリアミドフィルムの少
なくとも片面に、直接、実施例1と同様の方法で無機薄
膜層を形成した。得られた該ガスバリアー性積層ポリア
ミドフィルムの評価結果を表−2に示した。
【0083】(比較例2)撹拌機、温度計、還流装置と
定量滴下装置を備えた反応器に疎水性ポリエステル系樹
脂(A−1)75重量部、メチルエチルケトン56重量
部及びイソプロピルアルコール19重量部を入れ、65
℃で加熱、撹拌し、疎水性ポリエステル系樹脂を溶解し
た。疎水性ポリエステル系樹脂が完全溶解した後、メタ
クリル酸17.5重量部とアクリル酸エチル7.5重量
部の混合物及びアゾビスジメチルバレロニトリル1.2
重量部を25重量部のメチルエチルケトンを溶解した溶
液を0.2cc/minでポリエステル溶液中に滴下
し、さらに2時間撹拌を続けた。反応溶液から分析用の
サンプリングを行った後、水300重量部とトリエチル
アミン25重量部を反応溶液に加え、1時間撹拌した。
その後、反応器内温を100℃に上げ、メチルエチルケ
トン、イソプロピルアルコール、過剰のトリエチルアミ
ンを蒸留により留去し、自己架橋性ポリエステル系グラ
フト共重合体(B−4)を得た。得られた自己架橋性ポ
リエステル系グラフト共重合体(B−4)は淡黄色透明
であった。
【0084】上記自己架橋性ポリエステル系グラフト共
重合体及び無機薄膜層を実施例1と同様な方法で積層し
たガスバリアー性積層ポリアミドフィルムを得た。得ら
れた該ガスバリアー性積層ポリアミドフィルムの評価結
果を表−2に示した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【発明の効果】本発明ガスバリアー性積層ポリアミドフ
ィルムによれば、親水性を有する重合性不飽和単量体を
含有する重合性不飽和単量体を疎水性ポリエステル系樹
脂にグラフト共重合して得られた自己架橋性ポリエステ
ル系グラフト共重合体を構成成分とする接着改質層をポ
リアミドフィルム基材上に設け、さらに該接着改質層上
に無機薄膜層を形成したガスバリアー性積層ポリアミド
フィルムは、接着性に優れ、かつ、耐水性、ガスバリア
性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のガスバリアー性積層ポリアミ
ドフィルムの断面の一例を示す図である。(b)は本発
明のガスバリアー性積層ポリアミドフィルムの断面の他
の例を示す図である。(c)は本発明のガスバリアー性
積層ポリアミドフィルムの断面の、さらに他の例を示す
図である。
【符号の説明】
1 ポリアミドフィルム基材 2 接着改質層 3 ガスバリアー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 茂 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 横山 誠一郎 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 伊関 清司 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F100 AA00C AA00E AA19C AA19E AA20C AA20E AK12B AK12D AK12J AK24B AK24D AK24J AK41B AK41D AK41J AK46A AK48 AK51G AL04B AL04D BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA13 CC00B CC00D EH66 EJ37A EJ38A EJ42A EJ55 GB15 GB23 GB41 GB66 JB05B JB05D JB06B JB12B JB12D JD02C JD02E JK06 JM02C JM02E JN01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドフィルム基材の少なくとも一
    方の表面に、親水性を有する重合性不飽和単量体を含有
    する重合性不飽和単量体を疎水性ポリエステル系樹脂に
    グラフト共重合して得られた自己架橋性ポリエステル系
    グラフト共重合体を構成成分とする接着改質層が形成さ
    れるとともに、少なくとも一方の接着改質層の表面に無
    機薄膜からなるガスバリアー層が形成されてなることを
    特徴とするガスバリアー性積層ポリアミドフィルム。
  2. 【請求項2】 接着改質層が、自己架橋性ポリエステル
    系グラフト共重合体を含有する塗布液を、未延伸又は一
    軸延伸ポリアミドフィルムに塗布、乾燥後、該フィルム
    を更に、一軸又はそれ以上延伸し、熱固定することによ
    って形成されたものであることを特徴とする請求項1記
    載のガスバリアー性積層ポリアミドフィルム。
  3. 【請求項3】 親水性を有する重合性不飽和単量体が、
    二重結合を有する酸無水物であることを特徴とする請求
    項1又は2記載のガスバリアー性積層ポリアミドフィル
    ム。
  4. 【請求項4】 二重結合を有する酸無水物が、マレイン
    酸の無水物であることを特徴とする請求項3記載のガス
    バリアー性積層ポリアミドフィルム。
  5. 【請求項5】 重合性不飽和単量体がスチレンを含有す
    ることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のガス
    バリアー性積層ポリアミドフィルム。
  6. 【請求項6】 ガスバリアー層が、酸化珪素と酸化アル
    ミニウムとの混合物からなる薄膜であることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4又は5記載のガスバリアー性積
    層ポリアミドフィルム。
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