JP6346512B2 - ハイブリッド絹糸およびその生産方法 - Google Patents

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本発明は、新規の絹繊維およびその生産方法に関する。より具体的には、毛翅目昆虫のフィブロインタンパク質由来のタンパク質構造と、カイコのフィブロインタンパク質由来のタンパク質構造とをハイブリッドさせた新規絹糸および、遺伝子組換えカイコを用いた当該ハイブリッド絹糸の生産方法に関する。
カイコにより生産される絹糸はその繊維断面が三角形の形状を有することに起因して美しい光沢を放つことや、繊維が比較的細いため肌触りが良く、また、繊維と繊維の間に空気を保持することから熱伝導率が低くなり、このため絹糸を利用して製造された着衣は夏には涼しく、また冬には温かいという非常に有用性の高い特性を有することが知られている。このため、絹糸は、一般的に高級素材として取り扱われている。一方で、通常の絹糸は繊維自体が細いため、摩擦などにより比較的容易に切断されてしまうという欠点を有している。
カイコの遺伝子組換えは、田村俊樹博士らが2000年に開発したトランスポゾン由来のDNA転移活性を利用する方法(特許文献1)をベースに様々な改良(特許文献2、特許文献3)がなされたうえで、現在実施されている。組換え遺伝子としては、様々な生物種から単離された機能性タンパク質のほか、クモ糸タンパク質をコードする遺伝子(非特許文献1)のような繊維性シルクタンパク質遺伝子などが用いられ、遺伝子組換えカイコ系統が作出されてきた。なお、類縁関係がカイコなどの蛾類(鱗翅目昆虫)にきわめて近いトビケラ(Hydropsyche angustipennis)類(毛翅目昆虫)のフィブロインH鎖タンパク質をコードする遺伝子の一次配列が同定されたものの(特許文献4)、それらの遺伝子を実際に利用した新規絹繊維の開発は、その発現系構築の困難さなどの理由から、現時点においては何ら報告がなされていなかった。
特許第4132760号 特開2007−222106号 特開2007−259775号 特開2006−42620号
小島ら、Biosci, biotechnol. Biochem, 71 (12), 2943-2951
そこで本発明は、これまでのカイコの遺伝子組換え技術を応用し、上述した既存の絹糸の欠点を補い得る新規絹繊維、およびその効率的な生産方法の提供をその課題とする。
本発明は、トビケラ類などの毛翅目昆虫の産生する絹糸の特性を有する、従来には存在しなかった絹繊維、およびこれを大量に生産する方法に関する。より具体的には、本発明は、毛翅目昆虫由来のフィブロン遺伝子の部分断片と鱗翅目昆虫であるカイコ由来のフィブロイン遺伝子の部分断片とを、適切にハイブリッドさせることにより、伸度が改変された新規絹糸を提供する。さらに本発明は、遺伝子組換えカイコを用いた、当該ハイブリッド絹糸の生産方法にも関する。
具体的に、本発明は以下を提供するものである:
(1)配列番号:1に記載されるポリペプチド、
(2)(1)に記載されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(3)配列番号:2に記載のポリヌクレオチド、
(4)(2)または(3)に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター、
(5)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを有する、遺伝子組換えカイコ、
(6)以下の工程を含む、(5)に記載の遺伝子組換えカイコを製造する方法:
(a)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを、カイコ卵の染色体上に組込む工程、
(b)該ポリヌクレオチドが染色体上に組込まれたカイコを選択する工程、
(7)以下の工程を含む、配列番号:1のポリペプチドを含む絹糸を生産する方法:
(a)(5)に記載の遺伝子組換えカイコが吐糸した繭を取得する工程、
(b)該繭から絹糸を取得する工程、
(8)(1)のポリペプチドを含む、絹糸、
(9)(8)に記載の絹糸を使用して作製された編み物および織物、
(10)(8)に記載の絹糸から得られる立体構造物。
本発明によって、従来の絹繊維に比べて伸度が改変された新規絹繊維が提供される。また、本発明により、そのような絹繊維を生産するための組換えカイコ、および当該カイコを用いた新規絹繊維の生産方法が提供される。
本発明において作成されたハイブリッド絹糸をカイコにおいて発現させるための発現用コンストラクトの構成要素を模式的に表した図である。 本発明において作成された各発現用コンストラクトにより発現するハイブリッド絹糸の一次配列情報を示す図である。 図2−1の続きを示す図である。 図2−2の続きを示す図である。 図2−3の続きを示す図である。 本発明により得られた遺伝子組換えカイコ系統(Y11系統、Y12系統、Y24系統)に導入された遺伝子から、mRNAが実際に転写されていることを確認するため、絹糸腺total RNA由来のRT-PCRを行った結果を示す図である。 本発明により得られた遺伝子組換えカイコ系統(Y11系統、Y12系統、Y24系統)に導入された遺伝子から、ポリペプチドが実際に発現していることを確認するため、後部絹糸腺内腔のタンパク質のウェスタン解析を行った結果を示す図である。 発現させたハイブリッド絹糸について、強度及び伸度を測定した結果を示すグラフである。白/Cは、w1-pndの休眠系統であり、pnd(着色非休眠突然変異遺伝子)をもっていないこと以外はw1-pndとほぼ同一の遺伝的バックグラウンドを有する品種である。通常、組換えカイコの作成では、発現用コンストラクトをw1-pndにインジェクションし、その後、複数回の白/C系統によりバッククロスする。そのため、組換えカイコの遺伝的バックグラウンドは、w1-pndよりも白/Cに近くなる。このような背景から、白/Cをコントロールに用いている。また、別の対照として、日137号×支146号についても併せて記載した。 図5(A)に示されるグラフのうち、白/C、Y11、Y24の3つの系統について、強度、伸度およびヤング率を棒グラフとして比較した図である。
本発明は、配列番号:1に記載されるポリペプチドを提供する。
本発明において、用語「ポリペプチド」とは、アミノ酸残基のポリマーを指し、そしてこれは、その最小の長さの生成物には限定されない。従って、ペプチド、オリゴペプチド、ダイマー、マルチマーなどが、この定義内に包含される。これらの用語はまた、そのポリペプチドの発現後修飾(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化など)を包含する。さらに、本発明において、「ポリペプチド」は、ネイティブ配列に対する改変(例えば、欠失、付加および置換(一般的には性質が保存的である))を含むポリペプチドを、そのポリペプチドが望ましい機能または特性を維持する限り、含むものとする。これらの改変は、部位特異的変異誘発を介してのように、意図的であってもよいし、または例えば、そのポリペプチドを生成する宿主の変異またはPCR増幅に起因するエラーを介して、偶発的であってもよい。なお、機能または特性を維持するポリペプチドは、通常、本発明のアミノ酸配列と「高い相同性」を有すると考えられる。
本発明において、「高い相同性」とは、少なくとも30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは85%以上、よりさらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列相同性(同一性)を指す。
塩基配列やアミノ酸配列の相同性の確認は、インターネットを利用したホモロジー検索サイトを利用して行うことができる[例えば日本DNAデータバンク(DDBJ)において、FASTA、BLAST、PSI-BLAST、および SSEARCH 等の相同性検索が利用できる[例えば、日本DNAデータバンク(DDBJ)のウェブサイトの相同性検索]。また、National Center for Biotechnology Information (NCBI) において、BLASTを用いた検索を行うことができる(例えば、NCBIのホームページのウェブサイトのBLASTのページ、 Altschul, S.F. et al., J. Mol. Biol., 1990, 215(3):403-10; Altschul, S.F. & Gish, W., Meth. Enzymol., 1996, 266:460-480; Altschul, S.F. et al., Nucleic Acids Res., 1997, 25:3389-3402)]。
例えば、Advanced BLAST 2.1におけるアミノ酸配列の同一性の算出は、プログラムにblastpを用い、Expect値を10、Filterは全てOFFにして、MatrixにBLOSUM62を用い、Gap existence cost、Per residue gap cost、および Lambda ratioをそれぞれ 11、1、0.85(デフォルト値)に設定して検索を行い、同一性(identity)の値(%)を得ることができる(Karlin, S. and S. F. Altschul (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-68; Karlin, S. and S. F. Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-7)。
アミノ酸を人為的に置換する場合、性質の似たアミノ酸に置換すれば、もとのポリペプチドの機能または特性が維持されやすいと考えられる。本発明のポリペプチドには、上記アミノ酸置換において保存的置換が加えられたポリペプチドであって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドと機能的または特性的に同等なポリペプチドが含まれる。保存的置換は、ポリペプチドの活性に重要なドメインのアミノ酸を置換する場合などにおいて重要であると考えられる。このようなアミノ酸の保存的置換は、当業者にはよく知られている。
保存的置換に相当するアミノ酸のグループとしては、例えば、塩基性アミノ酸(例えばリジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性アミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性アミノ酸 (例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性アミノ酸 (例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐アミノ酸 (例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族アミノ酸 (例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)などが挙げられる。また、非保存的置換によりポリペプチドの特性などをより所望の状態へと改変させることも可能であると考えられる。
また、本発明は、配列番号:1に記載されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
また、本発明は、配列番号:2に記載されるポリヌクレオチドを提供する。
本発明において、「ポリヌクレオチド」とは、任意の長さのリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかのヌクレオチドのポリマー形態を包含する。この用語は、その分子の一次構造を指す。従って、この用語は、三本鎖DNA、二本鎖DNA、および一本鎖DNA、ならびに三本鎖RNA、二本鎖RNA、および一本鎖RNAを包含する。この用語はまた、改変体(例えば、メチル化および/またはキャップ化による)、ならびに非改変形態のポリヌクレオチドを包含する。より具体的には、用語「ポリヌクレオチド」とは、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、プリン塩基もしくはピリミジン塩基のN−グリコシドもしくはC−グリコシドである他の任意の型のポリヌクレオチド、ならびに非ヌクレオチド骨格を含む他のポリマー(例えば、ポリアミド(例えば、ペプチド核酸(PNA))ポリマー)およびポリモルホリノ(Anti-Virals,Inc.,Corvallis,OregonからNeugeneとして市販される)ポリマー、ならびにそのポリマーが塩基対形成および塩基スタッキング(例えば、DNAおよびRNAにおいて見出されるような)を可能にする構成で核酸塩基を含む場合に、他の配列特異的核酸ポリマーを包含する。
本発明のポリヌクレオチドには、当該ポリヌクレオチドと「高い相同性」を有するポリヌクレオチドが含まれる。
本発明において、「高い相同性」とは、好ましくは85%以上、よりさらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列の相同性(同一性)を指す。なお、塩基配列における相同性の確認の方法については、上述したとおりである。
また、本発明は、配列番号:1に記載されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、または配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクターを提供する。これらのベクターの一例としては、配列番号:3のベクターが挙げられる。
本発明において使用されるベクターとしては、特に制限されるものではないが、例えば、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Script等が挙げられる。また、cDNAのサブクローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクターの他に、例えば、pGEM-T、pDIRECT、pT7等が挙げられる。本発明のポリペプチドを生産する目的においてベクターを使用する場合には、特に、遺伝子組換えカイコの製造に用いる組換えベクターが有用である。
発現ベクターとしては、例えば、宿主をJM109、DH5α、HB101、XL1-Blue等の大腸菌とした場合においては、ベクターが大腸菌で増幅されるような上記特徴を持つほかに、大腸菌で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Wardら, Nature (1989) 341, 544-546;FASEB J. (1992) 6, 2422-2427)、araBプロモーター(Betterら, Science (1988) 240, 1041-1043 )、又はT7プロモーター等を持っていることが不可欠である。このようなベクターとしては、上記ベクターの他にpGEX-5X-1(ファルマシア社製)、「QIAexpress system」(キアゲン社製)、pEGFP、又はpET等が挙げられる。
また、ベクターには、ポリペプチド分泌のためのシグナル配列が含まれていることが好ましい。ポリペプチド分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379)を使用すればよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法を用いて行うことができる。
大腸菌以外にも、例えば、本発明のポリペプチドを製造するためのベクターとしては、哺乳動物由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3 (インビトロゲン社製)や、pEGF-BOS (Nucleic Acids. Res.1990, 18(17),p5322)、pEF 、pCDM8 )、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば「Bac-to-BAC baculovairus expression system」(ギブコBRL社製)、pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHSV、pMV、pAdexLcw )、レトロウィルス由来の発現ベクター(例えば、pZIPneo)、酵母由来の発現ベクター(例えば、「Pichia Expression Kit」(インビトロゲン社製)、pNV11、SP-Q01)、枯草菌由来の発現ベクター(例えば、pPL608、pKTH50)等が挙げられる。
CHO細胞、COS細胞、NIH3T3細胞等の動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモーター(Mulliganら, Nature (1979) 277, 108)、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushimaら, Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322)、CMVプロモーター等を持っていることが不可欠であり、細胞への形質転換を選抜するための遺伝子(例えば、薬剤(ネオマイシン、G418等)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好ましい。このような特性を有するベクターとしては、例えば、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、pOP13等が挙げられる。
本発明において、遺伝子組換えカイコの製造に用いられる組換えベクターは、例えば、pBac、pMiなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明において、より好ましい組換えベクターは、pBacが挙げられる。
さらに、本発明は、配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを有する、遺伝子組換えカイコを提供する。
また、本発明におけるカイコとしては、非休眠卵を産下する性質を有するカイコ、休眠卵を産下する性質を有するカイコ(例えば実用品種であるぐんま、200、春嶺、鐘月、錦秋、鐘和等)を使用することができる。ここで、休眠卵とは産卵後胚発生が一時的に停止する卵を言い、非休眠卵とは産卵後胚発生が停止せず、幼虫が孵化する卵を言う。
休眠卵を産下する性質を有するカイコを用いる場合は、非休眠卵を産下させ、該非休眠卵にDNAを導入する。非休眠卵を産下させる方法としては、例えばぐんまにおいては、休眠卵を15℃〜21℃で培養することで該休眠卵から生じた成虫に非休眠卵を産下させる方法、好ましくは休眠卵を16℃〜20℃で培養することで該休眠卵から生じた成虫に非休眠卵を産下させる方法、より好ましくは休眠卵を18℃で培養することで該休眠卵から生じた成虫に非休眠卵を産下させる方法、最も好ましくは休眠卵を18℃で培養することで該休眠卵から生じた幼虫を全明で飼育し、生育した成虫に非休眠卵を産下させる方法を挙げることができる。また、200においては、休眠卵を15℃〜21℃で培養することで該休眠卵から生じた成虫に非休眠卵を産下させる方法、好ましくは休眠卵を16℃〜20℃で培養することで該休眠卵から生じた成虫に非休眠卵を産下させる方法、より好ましくは休眠卵を18℃で培養することで該休眠卵から生じた成虫に非休眠卵を産下させる方法、又は休眠卵から生じた幼虫を全明で飼育し、生育した成虫に非休眠卵を産下させる方法、最も好ましくは休眠卵を25℃で培養することで該休眠卵から生じた幼虫を全明で飼育し、生育した成虫に非休眠卵を産下させる方法が挙げられる。
卵の培養は、例えば、18℃〜25℃のインキュベーター、又は定温の部屋に入れることによって行うことができ、幼虫の飼育は20℃〜29℃の飼育室で人工飼料を用いて行うことができる。
本発明の上記休眠卵の培養は、当業者においては、一般的なカイコ卵の培養法に従って行うことができる。例えば、「文部省(1978)蚕種製造.pp193、実教出版社、東京」に記載の方法に従って培養を行う。また、本発明におけるカイコ幼虫の飼育は、当業者においては、周知の方法によって行うことができる。例えば、「文部省(1978)蚕種製造.pp193、実教出版社、東京」に記載の方法に従って飼育を行う。
本発明において、産卵された卵が非休眠卵であるか否かは、卵の色で判定することができる。一般に、休眠卵は濃い茶褐色に着色し、非休眠卵は黄白色であることが知られている。よって、本発明においては、濃い茶褐色ではないこと、より好ましくは黄白色であることをもって産卵された卵が非休眠卵であると判定する。
また、さらに、本発明は、以下の工程を含む、配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを有する遺伝子組換えカイコを製造する方法を提供する:
(a)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを、カイコ卵の染色体上に組込む工程、
(b)該ポリヌクレオチドが染色体上に組込まれたカイコを選択する工程。
本発明の遺伝子組換えカイコを製造する方法は、本願出願時の当業者に良く知られており、例えば、特許第4132760、特開2007-222106、特開2007-259775(いずれも、田村俊樹ら)に開示される方法により、容易に達成されるが、これらに限定されるものではない。
本発明の遺伝子組換えカイコを製造するにおいては、まず、本発明のポリヌクレオチドを含むカイコ卵を生産する。次いで、そのように生産されたカイコ卵から生じたカイコの中から、実際に本発明のポリヌクレオチドを発現する遺伝子組換えカイコを選択する。
カイコ卵へのDNAの導入方法の具体例を記すが、本発明におけるカイコ卵へのDNAの導入方法は、この方法に限定されるものでない。例えば、カイコ卵へDNA注入用の管を使用して直接卵内へDNAを導入することが可能であるが、好ましい態様としては、前もって物理的又は化学的に卵殻に穴を空け、該穴からDNAを導入する。この際、DNA注入用の管を挿入角度が該卵の腹側の側面に対してほぼ垂直となるように該穴から卵内に挿入することができる。
本発明において、物理的に卵殻に穴を空ける方法としては、例えば針、微小レーザー等を用いて穴を空ける方法が挙げられる。好適には針を用いた方法によって卵殻に穴を空けることができる。該針は、カイコの卵殻に穴を空けることができるものであれば、その針の材質、強度等は、特に制限されない。なお、本発明における針とは、通常、先端が尖った棒状の針を指すが、この形状に限定されず、卵殻に穴を空けることができるものであれば、全体の形状は特に制限されない。例えば、先端の尖ったピラミッド型の物質、又は先端の尖った三角錐の形状の物質もまた、本発明の「針」に含まれる。本発明においては、タングステン針を好適に使用することができる。本発明の針の太さ(直径)は、後述のキャピラリーが通過可能な穴を空けることができる程度の太さであればよく、通常2〜20μm、好ましくは5〜10μmである。一方、化学的に卵殻に穴を空ける方法としては、例えば薬品(次亜塩素酸等)等を用いて穴を空ける方法が挙げられる。
本発明において、穴を空ける位置としては、該穴からDNA注入用の管を挿入した場合に卵の腹側の側面に対する挿入角度を、ほぼ垂直にできる位置ならば特に制限はないが、好ましくは腹側の側面又はその反対側であり、より好ましくは腹側の側面であり、よりさらに好ましくは卵の腹側側面のやや後端よりの中央部である。
本発明において、「ほぼ垂直」とは、70°〜120°を意味し、好ましくは80°〜90°を意味する。本発明において、「将来的に生殖細胞になる位置」としては、通常、卵の腹側の卵表に近い位置(通常、卵表から0.01mm〜0.05mmの位置)であり、好ましくは、卵の腹側中央の卵表に近い位置でやや後極よりの位置である。
本発明のDNA注入用の管は、その管の材質、強度、内径等は特に制限されないが、DNA注入用の管を挿入する前に、物理的又は化学的に卵殻に穴を空ける場合は、空けられた穴を通過できる太さ(外径)であることが好ましい。本発明のDNA注入用の管としては、例えば、ガラスキャピラリー等を挙げることができる。
本発明のDNAの導入方法において、好ましい態様としては、上記のカイコ卵に物理的又は化学的に穴を空け、DNA注入用の管を挿入角度が該卵の腹側の側面に対してほぼ垂直となるように該穴から卵内に挿入し、DNAを注入する工程を、針とDNA注入用の管が一体型となったマニュピュレーターを使用して行う。通常、該マニュピュレーターを構成要素の1つとする装置を使用して本発明は好適に実施される。
このような装置としては、解剖顕微鏡、照明装置、可動式のステージ、顕微鏡に金具で固定した粗動マニュピュレーター、このマニュピュレーターに付けたマイクロマニュピュレーター、DNAを注射するための空気圧を調整するインジェクターから構成されている。インジェクターに用いる圧力は窒素ボンベから供給され、圧力のスイッチはフットスイッチによっていれることができる。注射はガラススライド等の基板上に固定した卵に対して行い、卵の位置は移動式のステージによって決める。また、マイクロマニュピュレーターのガラスキャピラリーは4本のチューブで繋がれた操作部によって操作する。実際の手順は、卵に対するタングステン針の位置を粗動マニュピュレーターで決め、ステージのレバーで水平方向に卵を動かし穴を空ける。続いて、マイクロマニュピュレーターの操作部のレバーを操作して、穴の位置にガラスキャピラリーの先端を誘導し、再びステージのレバーによりキャピラリーを卵に挿入する。この場合、卵の腹側の側面に対し垂直にガラスキャピラリーが挿入される必要がある。フットスイッチを入れDNAを注射し、レバーを操作して卵からキャピラリーを抜く。空けた穴を瞬間接着剤等でふさぎ、一定の温度及び、一定の湿度のインキュベーターで保護する。本発明に使用される装置としては、好適には、特許第1654050号に記載の装置又は該装置を改良した装置が挙げられる。
また、本発明の態様においては、DNAの導入に用いるカイコ卵が基板に固定されていることが好ましい。本発明の基板として、例えば、スライドグラス、プラスチック板等を用いることができるが、これらに特に制限されない。本発明の上記態様においては、カイコ卵内の将来的に生殖細胞になる位置に正確にDNAを注射するために、卵の方向を揃えて固定することが望ましい。また、上記態様においては、基板へ固定するカイコ卵の数には、特に制限はない。また、複数個のカイコ卵を用いる場合、カイコ卵を基板へ固定する方向性としては、好ましくは背腹の向きが一定となるような方向である。本発明の上記カイコ卵の基板への固定は、例えば、水性の糊をあらかじめ塗布した市販の台紙(バラ種台紙)の上に産卵させ、台紙に水を加えて卵をはがし、次いで濡れた状態の卵を基板に整列させ、風乾することによって行う。卵はスライドグラス上に卵の方向を揃えて固定することが好ましい。また、卵の基盤への固定は両面テープや接着剤等を用いることによっても可能である。
カイコ卵にDNAが導入されたか否かは、例えば、注射したDNAを卵から再度抽出して測定する方法(Nagaraju, J., Kanda, T., Yukuhiro, K., Chavancy, G., Tamura, T. and Couble, P.(1996)Attempt of transgenesis of the silkworm(Bombyx mori L) by egg-injection of foreign DNA. Appl. Entomol. Zool., 31, 589-598)や、注射したDNAの卵内での発現を見る方法(Tamura, T., Kanda, T., Takiya, S., Okano, K. and Maekawa, H. (1990). Transient expression of chimeric CAT genes injected into early embryos of the domesticated silkworm, Bombyx mori. Jpn. J. Genet., 65, 401-410)等によって確認することができる。
また、さらに遺伝子組換えカイコを選択するには、例えば、選択マーカーを用いて行うことができる。発現させるポリペプチドをコードするポリペプチドと同時に、選択マーカーをコードするポリペプチドおよび当該選択マーカーを恒常的に所望の部位において発現させるプロモーターを形質転換することで、当該選択マーカーの発現に基づき、適切に遺伝子が組み替えられたカイコを選択することができる。本発明における選択マーカーとしては、当業者において一般的に使用されるマーカー、例えば、CFP、GFP、YFP、DsRed等の蛍光タンパク質を使用することができる。また、選択マーカーの発現を制御するプロモーターとしては、例えば、制御下にある遺伝子が、カイコの眼において発現することが知られている3×P3プロモーターなどを使用することができる。これらのマーカーを用いることにより、実体蛍光顕微鏡でカイコの目を観察するだけで、適切に遺伝子が組換えられたカイコを選択することができる。また、異なる蛍光色を用いることで、複数のマーカーを同時に使用することもできる。
また、本発明は、以下の工程を含む、本願発明のポリペプチドを含む絹糸を生産する方法を提供する:
(a)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを有する遺伝子組換えカイコが吐糸した繭を取得する工程、
(b)該繭から絹糸を取得する工程。
得られた繭は、発蛾防止とカビなどが繁殖しないように、乾燥して水分率を低下させる。乾燥した繭から絹糸を取り出しやすくするために、湯や蒸気を用いて繭層の外側から内側までを均一に煮る。煮上がった繭から糸口を出し、10個前後の繭を合わせ、糸を小枠に巻き取る。
また、本発明は、上記方法によって得られる絹糸を提供する。さらに本発明は当該絹糸を使用して作製された編み物および織物を提供する。加えて本発明は、当該絹糸から得られる立体構造物を提供する。
本発明の立体構造物の例としては、ランプシェード、ワンピース・ジャケット・ショール等の洋装品、着物、帯、洋服、パネル、壁紙、椅子のシート、名刺、本の表装等が挙げられるがこれに限定されない。ランプシェード、ワンピース・ジャケット・ショール等の洋装品、着物、帯、洋服、パネル、壁紙、椅子のシート、名刺、本の表装等は周知の方法によって作成することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)毛翅目昆虫由来のフィブロイン遺伝子を有する新規絹糸を発現させるための発現用コンストラクトの作成
本発明者らは、組換えカイコを用いたタンパク質発現系を利用した、毛翅目昆虫のフィブロイン遺伝子を有する新規絹糸の大量発現系を構築する目的で、カイコを形質転換するための発現用コンストラクトを3種(Y11発現用コンストラクト、Y12発現用コンストラクト、Y24発現用コンストラクト)作成した。なお、いずれのコンストラクトも、インサート部分以外は共通して、pBac[3×P3DsRed2](配列番号:27)を用いた。
本発明を完成させるうえで構築された3種類の発現用コンストラクトは、それぞれ次のような特徴を有している。Y11発現用コンストラクト(配列番号:6)は、pBac[3×P3DsRed2]に、カイコフィブロインH鎖プロモーター(2978位から4103位まで)、カイコフィブロインH鎖遺伝子のエクソン1(4104位から4145位まで)、カイコフィブロインH鎖遺伝子のイントロン(4146位から5116位まで)、カイコフィブロインH鎖遺伝子のエクソン2(5117位から5461位まで)、トビケラフィブロインH鎖遺伝子の反復配列を改変した配列(5462位から8119位まで)、カイコフィブロインH鎖C末端の配列(8120位から8296位まで)、6×Hisタグ(8297位から8314位まで)及びカイコフィブロインH鎖遺伝子3'UTR(8324位から8623位まで)がインサートされている。なお、当該インサート配列は、配列番号:5で示される。
Y12発現用コンストラクト(配列番号:9)は、pBac[3×P3DsRed2]に、カイコフィブロインH鎖プロモーター(2978位から4103位まで)、カイコフィブロインH鎖遺伝子のエクソン1(4104位から4145位まで)、カイコフィブロインH鎖遺伝子のイントロン(4146位から5116位まで)、カイコフィブロインH鎖遺伝子のエクソン2(5117位から5461位まで)、トビケラフィブロインH鎖遺伝子の反復配列を改変した配列(5462位から8113位まで)、トビケラフィブロインH鎖C末端の配列(8114位から8326位まで)、6×Hisタグ(8327位から8344位まで)及びカイコフィブロインH鎖遺伝子3'UTR(8354位から8653位まで)がインサートされている。なお、当該インサート配列は、配列番号:8で示される。
Y24発現用コンストラクト(配列番号:3)は、pBac[3×P3DsRed2]に、カイコフィブロインH鎖プロモーター(2978位から4103位まで)、カイコフィブロインH鎖遺伝子のエクソン1(4104位から4145位まで)、カイコフィブロインH鎖遺伝子のイントロン(4146位から5116位まで)、カイコフィブロインH鎖遺伝子のエクソン2(5117位から5461位まで)、トビケラフィブロインH鎖遺伝子の反復配列を改変した配列(5462位から6739位まで)、トビケラフィブロインH鎖C末端の配列(6740位から6952位まで)、6×Hisタグ(6953位から6970位まで)及びカイコフィブロインH鎖遺伝子3'UTR(6980位から7279位まで)がインサートされている。なお、当該インサート配列は、配列番号:2で示される。
これらの発現用コンストラクトの模式図が、図1に示される。
Y11発現用コンストラクトの調製
(工程1)
Y11ハイブリッドタンパク質を発現させる発現用コンストラクトは、次のように構築した。まず、プラスミド3302(プラスミドのインサートの配列、配列番号:10、 J. Mol. Evol. 08/2006; 63(1):42-53)をテンプレートとして用い、M13forward (-20)プライマー(配列番号:11)およびHYHFBR65プライマー(配列番号:12)によって、シマトビケラ類(Hydropsyche angustipennis)H鎖フィブロイン遺伝子の5'サイドの塩基配列を含むPCRフラグメント3302HFBMFR65(配列番号:13)を増幅した。
(工程2)
プラスミド3302をテンプレートとして用い、HYHFBF65プライマー(配列番号:45)およびHYHFBR68プライマー(配列番号:14)によって、PCRフラグメント3302HFBF65R68(配列番号:15)を増幅した。
(工程3)
それぞれ1μlのPCRフラグメント3302HFBMFR65および3302HFBF65R68ならびに48μl滅菌水を混和したものをテンプレートとして用い、HYHFBF61プライマー(配列番号:16)およびHYHFBR68プライマー(配列番号:14)によって増幅したPCRフラグメントHYHBF61R68(配列番号:17)をpCR4-TOPOベクター(invitrogen社より購入)へクローニング(PCRフラグメント等のDNA断片とクローニングベクター等とをライゲーション処理の後、形質転換)した。得られたクローンのうち、任意の5コロニーのミニプレップ(ここでは、クローンのシングルコロニーの一晩培養(50μg/mlアンピシリンを含むLB培地1ml)を、DNA自動分離装置PI-200(KURABO)によってプラスミド抽出すること)を行い、制限酵素BglIIおよびSpeIを用いた二重消化によるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF61R68(配列番号:18)を持つクローンH155を選定した。
(工程4)
シマトビケラ類(Hydropsyche angustipennis)H鎖フィブロイン遺伝子の3'サイドの塩基配列を含むプラスミドhy-04C12(プラスミドのインサートの配列、配列番号:19、J. Mol. Evol. 08/2006; 63(1):42-53)をテンプレートとして用い、HYHBF621プライマー(配列番号:20)およびHYHFBR611プライマー(配列番号:21)によって増幅したPCRフラグメントHYHBF621R611(配列番号:22)をpCR4-TOPOベクター (Invitrogen社)へクローニングした。得られたクローンのうち、任意に20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素BglIIおよびNotIを用いた二重消化、及びABI 3730 DNAシーケンサーによるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF621R611(配列番号:23)を持つクローンH433を選定した。
(工程5)
(工程3)で作成したpCR4.HYHFBF61R68(配列番号:18)及び、(工程4)で作成したpCR4.HYHFBF621R611(配列番号:23)を、制限酵素BglIIおよびNotIで二重消化して生じる5,118 bpのDNA断片pCR4.HYHFBF61R68.H155/BglIINotI及び1,523 bpのpCR4.HYHFBF621R611.H433/BglIINotIを、それぞれゲル抽出精製(ここでは、制限酵素による二重消化反応液を1% SeaKem GTG アガロースゲル及び1xTAEバッファによる電気泳動の後、当該DNA断片をゲルから切り出し、ZymoClean Gel DNA Recovery Kit(Zymo Research)によって精製)し、両者を次の量で混合の上、Ligation High ライゲーションキット(TOYOBO)によるライゲーション処理の後、形質転換を行った。
pCR4.HYHFBF61R68.H155/BglIINotI 4.00μl (40fmol)
pCR4.HYHFBF621R611.H433/BglIINotI 0.75μl (20fmol)
得られたクローンのうち、任意に20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素SmaIおよびSalIを用いた二重消化によるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF61R611(配列番号:24)を持つクローンH452を選定した。
(工程6)
pHC.eGFP(配列番号:25)を、制限酵素SnaBIおよびSalIを用いて二重消化して生じた5,956 bpのDNA断片pHC.eGFP.01/SnaBISalIと、(工程5)において得られたpCR4.HYHFBF61R611(配列番号:24)を制限酵素SmaIおよびSalIを用いて二重消化して生じた2,653 bpのDNA断片pCR4.HYHFBF61R611.H452/SmaISalIとを、それぞれゲル抽出精製し、両者を次の量で混合の上、Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。
pHC.eGFP.01/SnaBISalI 0.5μl
pCR4.HYHFBF61R611.H452/SmaISalI 1.0μl
得られたクローンのうち20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素NotI消化によるインサートチェックの結果から、pHC.BmHaF61R611(配列番号:26)を持つクローンH465を選定した。
(工程7)
pBac[3xP3DsRed2](配列番号:27)と(工程6)で得られたpHC.BmHaF61R611を、制限酵素AscIおよびFseIを用いて二重消化して生じたそれぞれ6,534 bp及び5,658 bpのDNA断片を、それぞれゲル抽出精製し、両者を混合の上、Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。得られたクローンから、ベクター(pBac[3xP3DsRed2BmHaF61R611])(配列番号:6)をミニプレップによって単離し、ABI3730 DNAシーケンサーによってコンストラクトの塩基配列を確認した。
(工程8)
(工程7)で得られたベクター(pBac[3xP3DsRed2BmHaF61R611]を持つクローンを50μg/mlアンピシリンを含むLB培地50ml中で一晩培養したものから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHaF61R611]をHiSpeed Plasmid Midi Kit(QIAGEN)を用いて精製し、112μg/100μl 濃度および量の注射用DNAを調製した。
Y12発現用コンストラクトの調製
(工程1)から(工程3)までは、上述のY11発現用コンストラクトのコンストラクションと同様である。
(工程9)
シマトビケラ類(Hydropsyche angustipennis)H鎖フィブロイン遺伝子の3'サイドの塩基配列を含むプラスミドhy-04C12(配列番号:19)をテンプレートとして用い、HYHBF621プライマー(配列番号:20)およびHYHFBR612プライマー(配列番号:28)によって増幅したPCRフラグメントHYHBF621R612(配列番号:29)をpCR4-TOPOベクターへクローニングした。得られたクローンのうち、任意に20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素BglIIおよびSpeIを用いた二重消化、及びABI 3730 DNAシーケンサーによるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF621R612(配列番号:30)を持つクローンH102を選定した。
(工程10)
(工程3)で作成したpCR4.HYHFBF61R68(配列番号:18)及び(工程9)で作成したpCR4.HYHFBF621R612(配列番号:30)を、それぞれを制限酵素BglIIおよびNotIで二重消化して生じた5,145 bpのDNA断片pCR4.HYHFBF61R68.H155/ BglIINotI及び1,734 bpのDNA断片pCR4.HYHFBR621R612.H102/BglIINotIを、それぞれゲル抽出精製し、両者を次の量で混合の上、Ligation Highライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。
pCR4.HYHFBF61R68.H155/BglIINotI 4μl (40fmol)
pCR4.HYHFBR621R612.H102/BglIINotI 1μl (20fmol)
得られたクローンのうち、任意に10コロニーのミニプレップを行い、制限酵素NotI消化及びABI 3730 DNAシーケンサーによるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF61R612(配列番号:31)を持つクローンH405を選定した。
(工程11)
pHC.eGFP(配列番号:25)を、制限酵素SnaBIおよびMluIを用いて二重消化して生じた5,752 bpのDNA断片pHC.eGFP.01/SnaBIMluI及び、(工程10)において得られたpCR4.HYHFBF61R612(配列番号: 31)を制限酵素SmaIおよびMluIを用いて二重消化して生じた2,887 bpのDNA断片pCR4.HYHFBF61R612.H405/ SmaIMluIを、それぞれゲル抽出精製し、両者を次の量で混合の上、Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。
pHC.eGFP.01/SnaBIMluI 0.5μl
pCR4.HYHFBF61R612.H405/SmaIMluI 1.0μl
得られたクローンのうち、任意に20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素NotI消化及びABI 3730 DNAシーケンサーによるインサートチェックの結果、pHC.BmHaF61R612(配列番号:32)を持つクローンを選定した。
(工程12)
pBac[3xP3DsRed2](配列番号:27)と、(工程11)で得られたpHC.BmHaF61R612(配列番号:32)を、制限酵素AscIおよびFseIを用いて二重消化して生じたそれぞれ6,533 bp及び5,690 bpのDNA断片を、それぞれゲル抽出精製し、両者混合の上Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。得られたクローンから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHaF61R612](配列番号:9)をミニプレップによって単離し、ABI3730 DNAシーケンサーによってコンストラクトの塩基配列を確認した。
(工程13)
(工程12)で得られたベクターpBac[3xP3DsRed2BmHaF61R612]を持つクローンを50μg/mlアンピシリンを含むLB培養液50ml中で一晩培養したものから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHaF61R612]をHiSpeed Plasmid Midi Kitを用いて精製し、162μg/100μl 濃度および量の注射用DNAを調製した。
Y24発現用コンストラクトの調製
上述のY12発現用コンストラクトの作成工程の(工程11)で得られた中間産物pHC.BmHaF61R612(配列番号:32)を出発材料として、以下の工程を経ることにより調製した。
(工程14)
pHC.BmHaF61R612をテンプレートとして用い、HYHFBR73プライマー(配列番号:33)およびHYHFBF617プライマー(配列番号:34)によって、7,266bpのPCRフラグメントBmHFBR73F617Ha(配列番号:35)を増幅した。
(工程15)
(工程14)で得られたPCRフラグメントBmHFBR73F617Haを、Ligation High ライゲーションキットによるセルフライゲーション処理の後、形質転換を行った。得られたクローンから(pHC.BmHFBR73F617Ha)(配列番号:36)をミニプレップによって精製した。
(工程16)
pBac[3xP3DsRed2](配列番号:27)と、(工程15)で得られたpHC.BmHFBR73F617Haを、制限酵素AscI および FseIを用いて二重消化して生じたそれぞれ6,534 bp及び4,323 bpのDNA断片を、それぞれゲル抽出精製し、両者混合の上、Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。得られたクローンから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHFBR73F617Ha](配列番号:3)をミニプレップによって単離し、ABI3730 DNAシーケンサーによってコンストラクトの塩基配列を確認した。
(工程17)
(工程16)で得られたベクターpBac[3xP3DsRed2BmHFBR73F617Ha]を持つクローンを50μg/mlアンピシリンを含むLB培養液50ml中で一晩培養したものから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHFBR73F617Ha]をHiSpeed Midi prep kitを用いて精製し、注射用DNAを調製した。
(実施例2)ハイブリッド絹糸を生産する遺伝子組換えカイコの作成
作成された3種類の発現用コンストラクト(Y11発現用コンストラクト、Y12発現用コンストラクト、Y24発現用コンストラクト)を用いて、定法により、カイコの遺伝子組み換えを行った。具体的には、以下のとおりである。
(系統と飼育)
組換えカイコの作出には白眼、白卵で非休眠であるw1pnd系統を使用した。カイコの飼育は人工飼料(日本農産工業、原種用)を用い、25℃で飼育した。
(蚕種の取扱い)
特許第4132760号の通り行った。すなわち、成虫を交尾させた後、5〜10℃の低温で一晩保存し、次の日雌蛾を表面に糊が塗布されたバラ種台紙の上に移し、室温で一斉に産卵させた。産卵開始から2時間以内に卵を台紙ごと回収し、その一部をシャーレーに移し、上から蒸留水を加え5〜10分放置し、卵が台紙からはがれやすくした後、卵を蒸留水中に浮遊させた。そのまま、卵が濡れた状態でスライドグラス上に移し、解剖顕微鏡で観察しながら卵の方向をきめ、卵を整列させたまま風乾することによって、卵はスライドグラス上に固定し張り付けた。さらに少量の瞬間接着剤を用いて、固定を補強した。
(インジェクション)
組換えカイコの作出は、産卵直後の卵にベクター、ヘルパーmRNA及びヘルパープラスミドの混合液を注射することにより行った(Tamura et al. Nat Biotechnol 18: 81-84. 2000)。ベクターとしては、3種類の発現用コンストラクトそれぞれ200ng/μl、ヘルパーmRNAとしては、pGEMe-pigORF-p(A)90から合成したトランスポゾンpiggyBacの転移酵素のmRNAを100ng/μl、ヘルパープラスミドとしては、pHA3PIG を200ng/ml用いた。
卵への注射は、Tamura et al. (2000)にしたがって行った。組換えカイコのスクリーニングはInoue らの方法(Inoue et al. Insect Biochem Mol Biol 35: 51-59. 2005)により、蛍光実態顕微鏡観察を用いてDsRed赤色蛍光を発する個体を選抜した。
(実施例3)コンストラクトの発現の確認1
本発明により得られた遺伝子組換えカイコ系統(Y11系統、Y12系統、Y24系統)に導入された遺伝子から、mRNAが実際に転写されていることを確認するため、絹糸腺total RNA由来のRT-PCRを行った(図3)。
(total RNAの調製)
カイコ終齢幼虫の絹糸腺を液体窒素で凍結し、-80℃で保存した。凍結保存した絹糸腺を液体窒素で冷却した乳鉢で粉砕し、IsoGen-LS(日本ジーン)を用いた定法でtotal RNAを抽出精製した。
(1st-strand cDNAの調製)
SMART RACE cDNA Amplification Kit(Clontech)及びTRIKANT2 oligo dT プライマー(配列番号:39)を用いて1 μgのtotal RNAから1st-strand cDNAを調製した(45℃で90分間の反応)。
(PCR)
鋳型に1st-strand cDNAを用い、HYHFBF614プライマー(配列番号:40)及びTRIKANT F3 プライマー(配列番号:41)によるPCRを行った後、アガロースゲル電気泳動によりPCRフラグメント(約1.2kb長)を確認した。なお、調製された1st-strand cDNAの品質n関するポジティブコントロールとして、BmA3-RT-Uプライマー(配列番号:42)及びBmA3-RT-Lプライマー(配列番号:43)によるPCRを行い、カイコ細胞性A3アクチン遺伝子転写産物(配列番号:44)由来のPCRフラグメント(約0.4kb長)の検出を行った。
(実施例4)コンストラクトの発現の確認2
本発明により得られた遺伝子組換えカイコ系統(Y11系統、Y12系統、Y24系統)に導入された遺伝子から、ポリペプチドが実際に発現していることを確認するため、後部絹糸腺内腔のタンパク質のウェスタン解析を行った(図4)。
(タンパク質のサンプリング)
吐糸直前のカイコ終齢幼虫の絹糸腺を1xPBS中で切開し、回収された内腔タンパク質を等量の尿素を含む溶液(8M urea, 40mM Tris pH6.8, 2% SDS, 100mM DTT)に混和してサンプルとした。
(SDS−PAGE)
サンプルを70℃で15分間加温した後プレキャストゲル(NuPAGE 4-12% Bis-Tris Gel、インビトロジェン)にロードし、1x MOPS SDS バッファにより 200Vで50分間の電気泳動をおこなった。
(ウェスタンブロット)
泳動を終えたゲルから不要な部分を取り除いた後、同サイズのPVDFメンブレンとともに転写バッファ(48mM Tris, 39mM Glycine, pH9.2 and 5% MeOH)で30分間平衡化した後、転写バッファをアイスブロックで冷却しながら100Vで30分間のウェットブロッティングを行った。
(シグナリング)
ブロット後のPVDFメンブレンのシグナル検出には、ECL Advance Western Blotting Detection Kit(GEヘルスケア)を用いた。抗体にはHRP標識抗Hisタグ抗体(Anti-His [C-Term]-HRP antibody、インビトロジェン)を使用した。
(実施例5)ハイブリッド絹糸の物理的性質の測定
本発明により得られた新規絹糸(Y11、Y12、Y24)の物理的性質を評価するため、これらの絹糸の強度、伸度およびヤング率の測定を行った(図5A、B)。
(煮繭)
煮繭は真空煮繭機((有)ハラダ,VP型))を用いて、最高温度97℃から最低温度50℃まで15分かけ、漸次降下させながら行った。この間、減圧、復圧処理を2回行った。
(繰糸)
繰糸は繭検定用自動繰糸機(日産自動車(株),CT2型)を用いて、旧繭検定方法に準じて(目的繊度27d,繰糸速度200m/min)で行った。なお、繰糸湯温度は40℃、索緒湯温度は78℃、集緒器の口径は430μmとした。
(強度、伸度およびヤング率の測定)
測定に関しては、検尺器を用いて各絹糸について、100回繊度糸を作製し、温度20℃、湿度65%の部屋に24時間放置後、テンシロン(ORIENTEC(株),RTA-100)を用いて物理的性質を比較した。測定に用いた試料長は100mm、延伸速度100mm/min、試験回数50回とした。
(結果と考察)
毛翅目昆虫であるトビケラのフィブロイン遺伝子由来の反復配列を導入した絹糸(Y11、Y12、Y24)と標準蚕品種の日137号×支146号絹糸の物理的性質を比較すると、トビケラ類の遺伝子由来の反復配列を導入した絹糸は、いずれも伸度が大きく、またヤング率が小さかった(図5A)。特に、2乃至3亜目に分かれる毛翅目昆虫(トビケラ類)すべてで保存されているアミノ酸配列モチーフ(SXSXSXSX(配列番号:46))をより強調した配列を有し、カイコにおいて準必須アミノ酸でありタンパク質発現の妨げとなることが予想されたプロリン残基を意図的に除外したY24は、最も伸度が大きく、ヤング率が小さかった。従って、このY24が、最も弾性力のある繊維であることが分かった(図5AおよびB)。
カイコのフィブロインは、分子量が約35万ダルトン前後のフィブロインH鎖と分子量が3万弱のフィブロインL鎖、及び分子量2.5万のP25の3種類のタンパク質からできている。このフィブロインH鎖とL鎖の結合には、フィブロインH鎖のC末端に存在するシステイン残基が関与していることが、既に公知であった。このことから、カイコフィブロインL鎖との結合に支障が全くない、カイコフィブロインH鎖のC末端配列(配列番号:37)を有するY11が、最も安定な繊維となるのではないかと当初予想されていた。しかし、上記の結果のとおり、むしろ、トビケラ(Hydropsyche angustipennis)由来のC末端(配列番号:38)を有するY12およびY24の方が、伸度が大きく、またヤング率が小さかったことは、当初の予測を覆すものであった。さらに、Y12とY24を比較した場合、Y24が最も弾性力のある繊維であることを示した上記結果は、当初の知見からは全く予想することができない結果であった。
本発明は、トビケラ類などの毛翅目昆虫由来の絹繊維およびその大量生産方法にかかる発明である。本願発明の絹繊維は、伸縮性に富んだ絹糸であるため、ストッキングやニット等の原料とすることを始めとした幅広い用途における需要があり、従って、繊維産業に広く利用することができる。

Claims (10)

  1. 配列番号:1に記載されるポリペプチド。
  2. 請求項1に記載されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  3. 配列番号:2に記載のポリヌクレオチド。
  4. 請求項2または3に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  5. 配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを有する、遺伝子組換えカイコ。
  6. 以下の工程を含む、請求項5に記載の遺伝子組換えカイコを製造する方法:
    (a)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを、カイコ卵の染色体上に組込む工程、
    (b)該ポリヌクレオチドが染色体上に組込まれたカイコを選択する工程。
  7. 以下の工程を含む、配列番号:1のポリペプチドを含む絹糸を生産する方法:
    (a)請求項5に記載の遺伝子組換えカイコが吐糸した繭を取得する工程、
    (b)該繭から絹糸を取得する工程。
  8. 請求項1のポリペプチドを含む、絹糸。
  9. 請求項8に記載の絹糸を使用して作製された編み物又は織物。
  10. 請求項8に記載の絹糸から得られる立体構造物。
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