JP6346512B2 - ハイブリッド絹糸およびその生産方法 - Google Patents
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(1)配列番号:1に記載されるポリペプチド、
(2)(1)に記載されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(3)配列番号:2に記載のポリヌクレオチド、
(4)(2)または(3)に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター、
(5)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを有する、遺伝子組換えカイコ、
(6)以下の工程を含む、(5)に記載の遺伝子組換えカイコを製造する方法:
(a)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを、カイコ卵の染色体上に組込む工程、
(b)該ポリヌクレオチドが染色体上に組込まれたカイコを選択する工程、
(7)以下の工程を含む、配列番号:1のポリペプチドを含む絹糸を生産する方法:
(a)(5)に記載の遺伝子組換えカイコが吐糸した繭を取得する工程、
(b)該繭から絹糸を取得する工程、
(8)(1)のポリペプチドを含む、絹糸、
(9)(8)に記載の絹糸を使用して作製された編み物および織物、
(10)(8)に記載の絹糸から得られる立体構造物。
(a)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを、カイコ卵の染色体上に組込む工程、
(b)該ポリヌクレオチドが染色体上に組込まれたカイコを選択する工程。
(a)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを有する遺伝子組換えカイコが吐糸した繭を取得する工程、
(b)該繭から絹糸を取得する工程。
本発明者らは、組換えカイコを用いたタンパク質発現系を利用した、毛翅目昆虫のフィブロイン遺伝子を有する新規絹糸の大量発現系を構築する目的で、カイコを形質転換するための発現用コンストラクトを3種(Y11発現用コンストラクト、Y12発現用コンストラクト、Y24発現用コンストラクト)作成した。なお、いずれのコンストラクトも、インサート部分以外は共通して、pBac[3×P3DsRed2](配列番号:27)を用いた。
(工程1)
Y11ハイブリッドタンパク質を発現させる発現用コンストラクトは、次のように構築した。まず、プラスミド3302(プラスミドのインサートの配列、配列番号:10、 J. Mol. Evol. 08/2006; 63(1):42-53)をテンプレートとして用い、M13forward (-20)プライマー(配列番号:11)およびHYHFBR65プライマー(配列番号:12)によって、シマトビケラ類(Hydropsyche angustipennis)H鎖フィブロイン遺伝子の5'サイドの塩基配列を含むPCRフラグメント3302HFBMFR65(配列番号:13)を増幅した。
プラスミド3302をテンプレートとして用い、HYHFBF65プライマー(配列番号:45)およびHYHFBR68プライマー(配列番号:14)によって、PCRフラグメント3302HFBF65R68(配列番号:15)を増幅した。
それぞれ1μlのPCRフラグメント3302HFBMFR65および3302HFBF65R68ならびに48μl滅菌水を混和したものをテンプレートとして用い、HYHFBF61プライマー(配列番号:16)およびHYHFBR68プライマー(配列番号:14)によって増幅したPCRフラグメントHYHBF61R68(配列番号:17)をpCR4-TOPOベクター(invitrogen社より購入)へクローニング(PCRフラグメント等のDNA断片とクローニングベクター等とをライゲーション処理の後、形質転換)した。得られたクローンのうち、任意の5コロニーのミニプレップ(ここでは、クローンのシングルコロニーの一晩培養(50μg/mlアンピシリンを含むLB培地1ml)を、DNA自動分離装置PI-200(KURABO)によってプラスミド抽出すること)を行い、制限酵素BglIIおよびSpeIを用いた二重消化によるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF61R68(配列番号:18)を持つクローンH155を選定した。
シマトビケラ類(Hydropsyche angustipennis)H鎖フィブロイン遺伝子の3'サイドの塩基配列を含むプラスミドhy-04C12(プラスミドのインサートの配列、配列番号:19、J. Mol. Evol. 08/2006; 63(1):42-53)をテンプレートとして用い、HYHBF621プライマー(配列番号:20)およびHYHFBR611プライマー(配列番号:21)によって増幅したPCRフラグメントHYHBF621R611(配列番号:22)をpCR4-TOPOベクター (Invitrogen社)へクローニングした。得られたクローンのうち、任意に20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素BglIIおよびNotIを用いた二重消化、及びABI 3730 DNAシーケンサーによるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF621R611(配列番号:23)を持つクローンH433を選定した。
(工程3)で作成したpCR4.HYHFBF61R68(配列番号:18)及び、(工程4)で作成したpCR4.HYHFBF621R611(配列番号:23)を、制限酵素BglIIおよびNotIで二重消化して生じる5,118 bpのDNA断片pCR4.HYHFBF61R68.H155/BglIINotI及び1,523 bpのpCR4.HYHFBF621R611.H433/BglIINotIを、それぞれゲル抽出精製(ここでは、制限酵素による二重消化反応液を1% SeaKem GTG アガロースゲル及び1xTAEバッファによる電気泳動の後、当該DNA断片をゲルから切り出し、ZymoClean Gel DNA Recovery Kit(Zymo Research)によって精製)し、両者を次の量で混合の上、Ligation High ライゲーションキット(TOYOBO)によるライゲーション処理の後、形質転換を行った。
pCR4.HYHFBF61R68.H155/BglIINotI 4.00μl (40fmol)
pCR4.HYHFBF621R611.H433/BglIINotI 0.75μl (20fmol)
得られたクローンのうち、任意に20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素SmaIおよびSalIを用いた二重消化によるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF61R611(配列番号:24)を持つクローンH452を選定した。
pHC.eGFP(配列番号:25)を、制限酵素SnaBIおよびSalIを用いて二重消化して生じた5,956 bpのDNA断片pHC.eGFP.01/SnaBISalIと、(工程5)において得られたpCR4.HYHFBF61R611(配列番号:24)を制限酵素SmaIおよびSalIを用いて二重消化して生じた2,653 bpのDNA断片pCR4.HYHFBF61R611.H452/SmaISalIとを、それぞれゲル抽出精製し、両者を次の量で混合の上、Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。
pHC.eGFP.01/SnaBISalI 0.5μl
pCR4.HYHFBF61R611.H452/SmaISalI 1.0μl
得られたクローンのうち20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素NotI消化によるインサートチェックの結果から、pHC.BmHaF61R611(配列番号:26)を持つクローンH465を選定した。
pBac[3xP3DsRed2](配列番号:27)と(工程6)で得られたpHC.BmHaF61R611を、制限酵素AscIおよびFseIを用いて二重消化して生じたそれぞれ6,534 bp及び5,658 bpのDNA断片を、それぞれゲル抽出精製し、両者を混合の上、Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。得られたクローンから、ベクター(pBac[3xP3DsRed2BmHaF61R611])(配列番号:6)をミニプレップによって単離し、ABI3730 DNAシーケンサーによってコンストラクトの塩基配列を確認した。
(工程7)で得られたベクター(pBac[3xP3DsRed2BmHaF61R611]を持つクローンを50μg/mlアンピシリンを含むLB培地50ml中で一晩培養したものから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHaF61R611]をHiSpeed Plasmid Midi Kit(QIAGEN)を用いて精製し、112μg/100μl 濃度および量の注射用DNAを調製した。
(工程1)から(工程3)までは、上述のY11発現用コンストラクトのコンストラクションと同様である。
シマトビケラ類(Hydropsyche angustipennis)H鎖フィブロイン遺伝子の3'サイドの塩基配列を含むプラスミドhy-04C12(配列番号:19)をテンプレートとして用い、HYHBF621プライマー(配列番号:20)およびHYHFBR612プライマー(配列番号:28)によって増幅したPCRフラグメントHYHBF621R612(配列番号:29)をpCR4-TOPOベクターへクローニングした。得られたクローンのうち、任意に20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素BglIIおよびSpeIを用いた二重消化、及びABI 3730 DNAシーケンサーによるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF621R612(配列番号:30)を持つクローンH102を選定した。
(工程3)で作成したpCR4.HYHFBF61R68(配列番号:18)及び(工程9)で作成したpCR4.HYHFBF621R612(配列番号:30)を、それぞれを制限酵素BglIIおよびNotIで二重消化して生じた5,145 bpのDNA断片pCR4.HYHFBF61R68.H155/ BglIINotI及び1,734 bpのDNA断片pCR4.HYHFBR621R612.H102/BglIINotIを、それぞれゲル抽出精製し、両者を次の量で混合の上、Ligation Highライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。
pCR4.HYHFBF61R68.H155/BglIINotI 4μl (40fmol)
pCR4.HYHFBR621R612.H102/BglIINotI 1μl (20fmol)
得られたクローンのうち、任意に10コロニーのミニプレップを行い、制限酵素NotI消化及びABI 3730 DNAシーケンサーによるインサートチェックの結果、pCR4.HYHFBF61R612(配列番号:31)を持つクローンH405を選定した。
pHC.eGFP(配列番号:25)を、制限酵素SnaBIおよびMluIを用いて二重消化して生じた5,752 bpのDNA断片pHC.eGFP.01/SnaBIMluI及び、(工程10)において得られたpCR4.HYHFBF61R612(配列番号: 31)を制限酵素SmaIおよびMluIを用いて二重消化して生じた2,887 bpのDNA断片pCR4.HYHFBF61R612.H405/ SmaIMluIを、それぞれゲル抽出精製し、両者を次の量で混合の上、Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。
pHC.eGFP.01/SnaBIMluI 0.5μl
pCR4.HYHFBF61R612.H405/SmaIMluI 1.0μl
得られたクローンのうち、任意に20コロニーのミニプレップを行い、制限酵素NotI消化及びABI 3730 DNAシーケンサーによるインサートチェックの結果、pHC.BmHaF61R612(配列番号:32)を持つクローンを選定した。
pBac[3xP3DsRed2](配列番号:27)と、(工程11)で得られたpHC.BmHaF61R612(配列番号:32)を、制限酵素AscIおよびFseIを用いて二重消化して生じたそれぞれ6,533 bp及び5,690 bpのDNA断片を、それぞれゲル抽出精製し、両者混合の上Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。得られたクローンから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHaF61R612](配列番号:9)をミニプレップによって単離し、ABI3730 DNAシーケンサーによってコンストラクトの塩基配列を確認した。
(工程12)で得られたベクターpBac[3xP3DsRed2BmHaF61R612]を持つクローンを50μg/mlアンピシリンを含むLB培養液50ml中で一晩培養したものから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHaF61R612]をHiSpeed Plasmid Midi Kitを用いて精製し、162μg/100μl 濃度および量の注射用DNAを調製した。
上述のY12発現用コンストラクトの作成工程の(工程11)で得られた中間産物pHC.BmHaF61R612(配列番号:32)を出発材料として、以下の工程を経ることにより調製した。
pHC.BmHaF61R612をテンプレートとして用い、HYHFBR73プライマー(配列番号:33)およびHYHFBF617プライマー(配列番号:34)によって、7,266bpのPCRフラグメントBmHFBR73F617Ha(配列番号:35)を増幅した。
(工程14)で得られたPCRフラグメントBmHFBR73F617Haを、Ligation High ライゲーションキットによるセルフライゲーション処理の後、形質転換を行った。得られたクローンから(pHC.BmHFBR73F617Ha)(配列番号:36)をミニプレップによって精製した。
pBac[3xP3DsRed2](配列番号:27)と、(工程15)で得られたpHC.BmHFBR73F617Haを、制限酵素AscI および FseIを用いて二重消化して生じたそれぞれ6,534 bp及び4,323 bpのDNA断片を、それぞれゲル抽出精製し、両者混合の上、Ligation High ライゲーションキットによるライゲーション処理の後、形質転換を行った。得られたクローンから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHFBR73F617Ha](配列番号:3)をミニプレップによって単離し、ABI3730 DNAシーケンサーによってコンストラクトの塩基配列を確認した。
(工程16)で得られたベクターpBac[3xP3DsRed2BmHFBR73F617Ha]を持つクローンを50μg/mlアンピシリンを含むLB培養液50ml中で一晩培養したものから、ベクターpBac[3xP3DsRed2BmHFBR73F617Ha]をHiSpeed Midi prep kitを用いて精製し、注射用DNAを調製した。
作成された3種類の発現用コンストラクト(Y11発現用コンストラクト、Y12発現用コンストラクト、Y24発現用コンストラクト)を用いて、定法により、カイコの遺伝子組み換えを行った。具体的には、以下のとおりである。
組換えカイコの作出には白眼、白卵で非休眠であるw1pnd系統を使用した。カイコの飼育は人工飼料(日本農産工業、原種用)を用い、25℃で飼育した。
特許第4132760号の通り行った。すなわち、成虫を交尾させた後、5〜10℃の低温で一晩保存し、次の日雌蛾を表面に糊が塗布されたバラ種台紙の上に移し、室温で一斉に産卵させた。産卵開始から2時間以内に卵を台紙ごと回収し、その一部をシャーレーに移し、上から蒸留水を加え5〜10分放置し、卵が台紙からはがれやすくした後、卵を蒸留水中に浮遊させた。そのまま、卵が濡れた状態でスライドグラス上に移し、解剖顕微鏡で観察しながら卵の方向をきめ、卵を整列させたまま風乾することによって、卵はスライドグラス上に固定し張り付けた。さらに少量の瞬間接着剤を用いて、固定を補強した。
組換えカイコの作出は、産卵直後の卵にベクター、ヘルパーmRNA及びヘルパープラスミドの混合液を注射することにより行った(Tamura et al. Nat Biotechnol 18: 81-84. 2000)。ベクターとしては、3種類の発現用コンストラクトそれぞれ200ng/μl、ヘルパーmRNAとしては、pGEMe-pigORF-p(A)90から合成したトランスポゾンpiggyBacの転移酵素のmRNAを100ng/μl、ヘルパープラスミドとしては、pHA3PIG を200ng/ml用いた。
本発明により得られた遺伝子組換えカイコ系統(Y11系統、Y12系統、Y24系統)に導入された遺伝子から、mRNAが実際に転写されていることを確認するため、絹糸腺total RNA由来のRT-PCRを行った(図3)。
カイコ終齢幼虫の絹糸腺を液体窒素で凍結し、-80℃で保存した。凍結保存した絹糸腺を液体窒素で冷却した乳鉢で粉砕し、IsoGen-LS(日本ジーン)を用いた定法でtotal RNAを抽出精製した。
SMART RACE cDNA Amplification Kit(Clontech)及びTRIKANT2 oligo dT プライマー(配列番号:39)を用いて1 μgのtotal RNAから1st-strand cDNAを調製した(45℃で90分間の反応)。
鋳型に1st-strand cDNAを用い、HYHFBF614プライマー(配列番号:40)及びTRIKANT F3 プライマー(配列番号:41)によるPCRを行った後、アガロースゲル電気泳動によりPCRフラグメント(約1.2kb長)を確認した。なお、調製された1st-strand cDNAの品質n関するポジティブコントロールとして、BmA3-RT-Uプライマー(配列番号:42)及びBmA3-RT-Lプライマー(配列番号:43)によるPCRを行い、カイコ細胞性A3アクチン遺伝子転写産物(配列番号:44)由来のPCRフラグメント(約0.4kb長)の検出を行った。
本発明により得られた遺伝子組換えカイコ系統(Y11系統、Y12系統、Y24系統)に導入された遺伝子から、ポリペプチドが実際に発現していることを確認するため、後部絹糸腺内腔のタンパク質のウェスタン解析を行った(図4)。
吐糸直前のカイコ終齢幼虫の絹糸腺を1xPBS中で切開し、回収された内腔タンパク質を等量の尿素を含む溶液(8M urea, 40mM Tris pH6.8, 2% SDS, 100mM DTT)に混和してサンプルとした。
サンプルを70℃で15分間加温した後プレキャストゲル(NuPAGE 4-12% Bis-Tris Gel、インビトロジェン)にロードし、1x MOPS SDS バッファにより 200Vで50分間の電気泳動をおこなった。
泳動を終えたゲルから不要な部分を取り除いた後、同サイズのPVDFメンブレンとともに転写バッファ(48mM Tris, 39mM Glycine, pH9.2 and 5% MeOH)で30分間平衡化した後、転写バッファをアイスブロックで冷却しながら100Vで30分間のウェットブロッティングを行った。
ブロット後のPVDFメンブレンのシグナル検出には、ECL Advance Western Blotting Detection Kit(GEヘルスケア)を用いた。抗体にはHRP標識抗Hisタグ抗体(Anti-His [C-Term]-HRP antibody、インビトロジェン)を使用した。
本発明により得られた新規絹糸(Y11、Y12、Y24)の物理的性質を評価するため、これらの絹糸の強度、伸度およびヤング率の測定を行った(図5A、B)。
煮繭は真空煮繭機((有)ハラダ,VP型))を用いて、最高温度97℃から最低温度50℃まで15分かけ、漸次降下させながら行った。この間、減圧、復圧処理を2回行った。
繰糸は繭検定用自動繰糸機(日産自動車(株),CT2型)を用いて、旧繭検定方法に準じて(目的繊度27d,繰糸速度200m/min)で行った。なお、繰糸湯温度は40℃、索緒湯温度は78℃、集緒器の口径は430μmとした。
測定に関しては、検尺器を用いて各絹糸について、100回繊度糸を作製し、温度20℃、湿度65%の部屋に24時間放置後、テンシロン(ORIENTEC(株),RTA-100)を用いて物理的性質を比較した。測定に用いた試料長は100mm、延伸速度100mm/min、試験回数50回とした。
毛翅目昆虫であるトビケラのフィブロイン遺伝子由来の反復配列を導入した絹糸(Y11、Y12、Y24)と標準蚕品種の日137号×支146号絹糸の物理的性質を比較すると、トビケラ類の遺伝子由来の反復配列を導入した絹糸は、いずれも伸度が大きく、またヤング率が小さかった(図5A)。特に、2乃至3亜目に分かれる毛翅目昆虫(トビケラ類)すべてで保存されているアミノ酸配列モチーフ(SXSXSXSX(配列番号:46))をより強調した配列を有し、カイコにおいて準必須アミノ酸でありタンパク質発現の妨げとなることが予想されたプロリン残基を意図的に除外したY24は、最も伸度が大きく、ヤング率が小さかった。従って、このY24が、最も弾性力のある繊維であることが分かった(図5AおよびB)。
Claims (10)
- 配列番号:1に記載されるポリペプチド。
- 請求項1に記載されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
- 配列番号:2に記載のポリヌクレオチド。
- 請求項2または3に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
- 配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを有する、遺伝子組換えカイコ。
- 以下の工程を含む、請求項5に記載の遺伝子組換えカイコを製造する方法:
(a)配列番号:2に記載のポリヌクレオチドを、カイコ卵の染色体上に組込む工程、
(b)該ポリヌクレオチドが染色体上に組込まれたカイコを選択する工程。 - 以下の工程を含む、配列番号:1のポリペプチドを含む絹糸を生産する方法:
(a)請求項5に記載の遺伝子組換えカイコが吐糸した繭を取得する工程、
(b)該繭から絹糸を取得する工程。 - 請求項1のポリペプチドを含む、絹糸。
- 請求項8に記載の絹糸を使用して作製された編み物又は織物。
- 請求項8に記載の絹糸から得られる立体構造物。
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