JP6345146B2 - コイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は積層インダクタ等に代表されるコイル部品に関する。
近時、インダクタ部品では、大電流化が進むと同時に高周波化も求められている。これまで、大電流化の要請を受けて、フェライト材料からFe系や合金系の金属材料に置き換える検討が進んでいる。これら金属材料を用いる場合、これまでは樹脂やガラスで磁性粒子を結合させるか、磁性粒子同士を焼結させる方法が取られてきた。しかし、樹脂を使う場合は強度の確保のため、樹脂の添加量を多くせざるをえず、その結果、磁性粒子の充填率がさがり、十分な透磁率を得ることができなかった。一方、焼結させる場合は高い透磁率が得られるが、損失の影響から周波数の制約があり、携帯機器などに用いる電子部品としては限定的なものとなっていた。このことから、樹脂やガラスを用いない方法が検討され、磁性粒子を酸化させ粒子表面に酸化被膜を作り、この酸化被膜により磁性粒子同士を結合させることで高い充填率の磁性体を作製できることがわかった。
特許文献1に開示される発明では、金属磁性体粉末の表面をガラスで被覆した金属磁性体を用いてコイルを内蔵した成形体を備える。成形体の表面は、セラミックスで被覆される。また、セラミックスが形成された成形体表面には、樹脂が含浸される。
特開2010−118587号公報
積層インダクタ等では、これまで以上に高充填で飽和特性に優れた圧粉体が望まれる。しかし、例えばグリーンシート等の積層による製造においてはかけることができる圧力に限界がある。これは、圧力による積層体内部の内部導体の変形や破壊を防ぐためである。また、磁性粒子の高充填化においては絶縁低下を伴うことが懸念される。
以上のことを考慮して、本発明は、より小型化・薄層化が見込まれる状況において、高い絶縁性と高い透磁率を併せ持つコイル部品の提供を課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下の特徴を有するコイル部品の発明を完成した。本発明によれば、コイル部品は、磁性体部と、中心軸をもつ螺旋形状に形成された内部導体と、を備える。内部導体は磁性体部に埋め込まれている。内部導体による螺旋の中心軸を上下方向に含む平面による断面において磁性体部は、導体部、コア部、カバー部及びサイド部に区画可能である。ここで、導体部は、螺旋形状の隣接する周回間に位置する。コア部は、中心軸を含み螺旋形状の周回の内側に位置する。カバー部は、螺旋形状の下端より下及び上端より上に位置する。サイド部は、螺旋形状の周回の外側に位置する。磁性体部は鉄系軟磁性粒子及び鉄より酸化しやすい元素の酸化膜を備える。ここで、隣接する前記鉄系軟磁性粒子どうしの結合の少なくとも一部は酸化膜を介している。酸素含有量は導体部の方がコア部より大きい。
好ましくは、酸素含有量は導体部の方がサイド部より大きい。
別途、好ましくは、内部導体はAgまたはCuの少なくとも一方を含む。
本発明によれば、内部導体近傍の導体部においては酸素含有量を高くして絶縁性を確保しつつ、コア部においては酸素含有量を低く抑えることで磁性粒子の金属部分の割合を高くでき透磁率に優れ、インダクタンス特性の良いコイル部品を得ることができる。また、この特性を良くできる特徴を生かせば、結果的に、コイル部品の薄型化に寄与することができる。
コイル部品の模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら本発明を詳述する。但し、本発明は図示された態様に限定されるわけでなく、また、図面においては発明の特徴的な部分を強調して表現することがあるので、図面各部において縮尺の正確性は必ずしも担保されていない。
図1はコイル部品の典型例である積層インダクタの模式的な断面図である。以下の説明では、本発明の対象であるコイル部品の具体的な実施形態の一つとして積層インダクタを挙げるが、コイル部品は、例えば、トランス、電源用コモンモードフィルタなどであってもよい。積層インダクタは、内部導体21が磁性体部(磁性体層からなる積層体)の中に埋めこまれている構造を有する。典型的には、内部導体21は螺旋形状に形成されたコイルであり、その他、渦巻き状のコイルの導線等が挙げられる。内部導体21が形作る螺旋形状は中心軸をもち、図1ではその中心軸を一点鎖線で表現している。
コイル部品としての積層インダクタにおいては、通常は、螺旋形状の1周回に満たない導体パターンを形成した平面シートが積層され、平面シート間をビアホール等で導通させることによって内部導体21が形成される。コイルセグメントと中継セグメントとを有する。図1にはビアホールは描写されておらず、平面シート上に形成された導体パターンが示されている。内部導体21の両端からは引出導線(図示せず)がコイル部品の外側表面等にまで延びて、外部との電気的導通が図られる。
内部導体21のための導電性材料は従来の電子部品の電極として用いられる各種の材料を特に限定なく用いることができ、典型的には、AgまたはCuであり、好適には、他の金属を実質的に含まぬAgまたはCuである。または、100重量部のAgと50重量部以下の他の金属との混合物や合金であってもよく、前記他の金属としては、Au、Cu、Pt、Pdなどが非限定的に例示される。
磁性体部(図1における符号11〜15)は、全体としては、もともとは独立していた多数の鉄系軟磁性粒子どうしが結合してなる集合体として把握される。磁性体部は、多数の鉄系軟磁性粒子からなる圧粉体であるということもできる。少なくとも一部の鉄系軟磁性粒子にはその周囲の少なくとも一部、好ましくは概ね全体にわたって酸化膜(図示せず)が形成されていて、この酸化膜により磁性体部の絶縁性が確保される。隣接する鉄系軟磁性粒子どうしは、主として、それぞれの鉄系軟磁性粒子の周囲にある酸化膜を介して結合し、結果として、一定の形状を有する磁性体部が構成される。部分的には、隣接する鉄系軟磁性粒子が、金属部分どうしで結合していてもよい。従来の磁性体においては、硬化した有機樹脂のマトリクス中に磁性粒子又は数個程度の磁性粒子の結合体が分散しているものや、硬化したガラス成分のマトリクス中に磁性粒子又は数個程度の磁性粒子の結合体が分散しているものが用いられていた。本発明では、鉄系軟磁性粒子どうしの結合している部分においては、有機樹脂からなるマトリクスもガラス成分からなるマトリクスも、実質的に存在しないことが好ましい。
個々の鉄系軟磁性粒子は、少なくとも鉄(Fe)を含む軟磁性を呈する粒子であって、合金粒子であってもよいし、鉄粒子を含んでもよい。好ましくは鉄と鉄より酸化しやすい金属元素(本発明ではMと総称する。)とを少なくとも1種類以上含む合金からなる。Mは、典型的には、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)などが挙げられ、好ましくは、CrまたはAlである。鉄系軟磁性粒子はSiを含んでいてもよい。磁性体部には、イオウ(S)、ケイ素(Si)が含まれていてもよい。
磁性体部の化学組成については、例えば、磁性体部の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影し、エネルギー分散型X線分析(EDS)によるZAF法で算出することができる。
Fe、SiおよびM以外に含まれていてもよい金属元素としてはMn(マンガン)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、P(リン)、C(炭素)などが挙げられる。好適には、磁性体部は、Fe、金属元素M、Si、酸素原子で構成される。
磁性体部を構成する個々の鉄系軟磁性粒子の少なくとも一部には、その周囲の少なくとも一部に酸化膜が形成されている。酸化膜は磁性体部を形成する前の原料としての磁性粒子(以下、原料粒子ともいう。)の段階で形成されていてもよいし、原料粒子の段階では酸化膜が存在しないか極めて少なく成形過程において酸化膜を生成させてもよいし、または、原料粒子にFeより酸化しやすい酸化物をコーティング、もしくは微粒子を混合してもよい。好ましくは、酸化膜は鉄系軟磁性粒子それ自体の酸化物からなる。換言すると、酸化膜の形成のために上述の鉄系軟磁性粒子以外の材料を別途添加しないことが好ましい。成形後の鉄系軟磁性粒子に熱処理を施して磁性体部を得るときに、鉄系軟磁性粒子の表面部分が酸化して酸化膜が生成し、その生成した酸化膜を介して複数の鉄系軟磁性粒子が結合することが好ましい。酸化膜の存在は、走査型電子顕微鏡(SEM)による5000倍程度の撮影像においてコントラスト(明度)の違いとして認識することができる。酸化膜の存在により磁性体部全体としての絶縁性が担保される。
酸化膜においては、好ましくは、Fe元素に対する上記Mで表される金属元素のモル比が、鉄系軟磁性粒子に比べて大きい。このような構成の酸化膜を得るためには、磁性体部を得るための原料粒子にFeの酸化物がなるべく少なく含まれるかFeの酸化物を極力含まれないようにして、磁性体部を得る過程において熱処理などにより磁性粒子の表面部分を酸化させることなどが挙げられる。このような処理により、Feよりも酸化しやすい金属元素Mが選択的に酸化されて、結果として、酸化膜におけるFeに対する金属Mのモル比が、鉄系軟磁性粒子におけるFeに対する金属Mのモル比よりも相対的に大きくなる。酸化膜においてFe元素よりもMで表される金属元素のほうが多く含まれることにより、合金粒子の過剰な酸化を抑制するという利点がある。
磁性体部における酸化膜の化学組成を測定する方法は以下のとおりである。まず、磁性体部を破断するなどしてその断面を露出させる。ついで、イオンミリング等により平滑面を出し走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影し、酸化膜の部分をエネルギー分散型X線分析(EDS)によりZAF法で算出する。
磁性体部における鉄系軟磁性粒子どうしは主として酸化膜を介して結合する。酸化膜を介する結合部(図示せず)の存在は、例えば、約5000倍に拡大したSEM観察像などにおいて、明確に判断することができる。酸化膜を介する結合部の存在により、機械的強度と絶縁性の向上が図られる。磁性体部全体にわたり、隣接する鉄系軟磁性粒子が有する酸化膜を介して結合していることが好ましいが、一部でも結合していれば、相応の機械的強度と絶縁性の向上が図られ、そのような形態も本発明の一態様であるといえる。また、部分的には、酸化膜を介さずに、鉄系軟磁性粒子どうしの結合が存在していてもよい。さらに、隣接する鉄系軟磁性粒子が、酸化膜を介する結合部も、鉄系軟磁性粒子どうしの結合部もいずれも存在せず単に物理的に接触又は接近するに過ぎない形態を部分的に有していてもよい。さらに、磁性体部は部分的に空隙を有していてもよい。また、空隙を埋める為に樹脂等を含浸させてもよい。
酸化膜を介する結合部を生じさせるためには、例えば、磁性体部の製造の際に酸素が存在する低酸素濃度雰囲気下で後述する所定の温度にて熱処理を加えることなどが挙げられる。
上述の、鉄系軟磁性粒子どうしの結合部の存在は、例えば、約5000倍に拡大したSEM観察像(断面写真)において、視認することができる。鉄系軟磁性粒子どうしの結合部の存在により透磁率の向上が図られる。
鉄系軟磁性粒子どうしの結合部を生成させるためには、例えば、原料粒子として酸化膜が少ない粒子を用いたり、磁性体部を製造するための熱処理において温度や酸素濃度を後述するように調節したり、原料粒子から磁性体部を得る際の成形密度を調節することなどが挙げられる。
原料粒子の組成は、最終的に得られる磁性体における合金組成に反映される。よって、最終的に得ようとする磁性体の組成に応じて、原料粒子の組成を適宜選択することができ、その好適な組成範囲は上述した磁性体の好適な組成範囲と同じである。
個々の原料粒子のサイズは最終的に得られる磁性体における磁性体部を構成する粒子のサイズと実質的に等しくなる。原料粒子のサイズとしては、透磁率と粒内渦電流損を考慮すると、d50は好ましくは2〜30μmである。原料粒子のd50はレーザー回折・散乱による測定装置により測定することができる。
原料として用いる磁性粒子は好適にはアトマイズ法で製造される。アトマイズ法においては、高周波溶解炉で主原材料となるFe、及び、必要に応じてCr、Al、SiやFeS(硫化鉄)などを添加して溶解する。ここで、各成分の重量比を確認する。このようにして得た材料からアトマイズ法によって磁性粒子を得ることができる。また、鉄粒子はカルボニル鉄粉でも良い。カルボニル鉄粉は、Feの純度が高く、小粒径のものであることから、合金粒子と鉄粒子を混合する場合には、合金粒子より小粒径のものを用いることで、酸化膜の形成を安定的にできる。
本発明では、磁性体部は以下の4つに区画することができる。ここで、「区画する」とは、製造の順序などを限定する趣旨ではなく、下記の領域に分けて把握することが可能であるという意味である。磁性体部を区画するにあたっては、図1に表されるような、コイル部品の断面図を考慮する。ここで、断面図は、内部導体21が形成する螺旋形状の中心軸を含むことが要され、さらに、その中心軸が上下方向になるような向きで考慮することが必要である。以下の記載における「上下」などの方向性を表す用語は、上述のような断面図を考慮するときの方向性を意味する。「内側」はコイル部品における前記中心軸に近づく方向を意味し、「外側」はコイル部品の外側表面に向かう方向を意味する。
第1の区画は導体部11である。導体部11は内部導体21が形成する螺旋形状における隣接する周回間に位置する領域である。例えば、積層インダクタにおいて、導体パターンが形成された2つの隣接する層の間の領域である。
第2の区画はコア部12である。コア部12は内部導体21が形成する螺旋形状の内側の中心軸を含む領域である。ただし、前記領域に位置していても、後述のカバー部13・14に該当する領域はコア部として認識しないこととする。
第3の区画はカバー部13・14である。カバー部13は内部導体21の下端より下に位置する領域である。カバー部14は内部導体21の上端より上に位置する領域である。
第4の区画はサイド部15である。サイド部15は内部導体21よりも外側に位置する領域である。ただし、内部導体21より外側であっても、上述のカバー部13・14に該当する領域はサイド部15として認識しないこととする。
本発明によれば、酸素含有量は導体部11の方がコア部12より大きい。酸素含有量は上述のEDSによって大小を比較する。大小の比較は、具体的には、以下のように行う。得られた積層体を中心軸と平行となるよう研磨し、ほぼ中心軸を通る位置まで削る。このあと、この削った表面に対しイオンミリング処理を行う。これにより、磁性体部の導体部11、コア部12、カバー部13・14、サイド部15の断面が見えるようになる。この各断面の分析により酸素含有量は求められる。分析方法はSEM−EDS、WDSによるマップ分析を用いて、導体部11の内部電極間の原料粒子の表面酸化膜とコア部12の中央部の原料微粒子の表面酸化膜の比較は可能である。更には、SEM−EDSのZAF法を用いることで、数値での比較が可能である。単位面積当たりに検出されるFeとO(酸素)から、O/Fe比を求め、この数値の大きい方を酸素含有量が高いとすることができる。この際、分析の精度を良くするため、各分析は同じ設定で行うようにする。
まず、導体部は上側の内部導体と反対側になる下側の内部導体に挟まれた部分を指す。ここで内部導体に挟まれた導体部11が収まるように倍率を設定し、他の設定も固定する。このあと、コア部が収まるように画像を移動させ、同様に分析を行う。
また、酸素含有量は鉄系軟磁性粒子間の酸化膜の厚さによるものである。また、酸化膜の厚みと相反する関係として、軟磁性粒子の金属割合を示すものである。酸素含有量が高ければ磁性粒子の金属割合が低くなり、酸素含有量が低ければ磁性粒子の金属割合が高くなる。この酸素含有量は磁性粒子の金属以外の酸化物の割合を示しており、酸化膜の厚みによって左右される。つまり、磁性粒子間の酸化膜の厚みにより磁性体部の磁性特性を決めることができる。これは、酸素濃度が低い条件下で熱処理することでできる。
酸化膜の厚みは、上記の酸素含有量の評価試料を用いて行った。ここでは、絶縁性を確認するため、導体部11の酸化膜の厚みの評価を行っている。まず、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて、100〜200倍の倍率で、上記と同様に導体部11の断面の中心に当たる場所を決め、中心に近い磁性粒子を選択する。次に、10000〜20000倍の倍率としてから、選択された磁性粒子と選択された磁性粒子と酸化膜を介して隣合う磁性粒子との間に接線を描き、接線と直行する方向で見たとき、選択された磁性粒子と選択された磁性粒子と酸化膜を介して接合する隣合う磁性粒子との距離が最も近い部分に接線と直行線を引き、この線上をEDS(エネルギー分散型X線分析装置)の線分析を行う。分析の範囲は接線と直行線の交点から両側に0.5〜1μmとし、両端におけるO/Feの小さい方を基準に、O/Feの値が基準の1.2倍以上のとなる部分の長さを求めた。なお、ここで隣合う磁性粒子は複数であっても良く、それぞれについて測定を行う。これを中心に近い磁性粒子から順に測定を行い、測定が10回を越えるまで行い、これらの平均値を求めた。中心に近い磁性粒子の選択については、中心から円を描き、円に掛かる磁性粒子を円の半径の小さいものから選ぶ方法とした。
また、評価の対象となる磁性粒子は絶縁性の確認をする視点から、粒径がSEM観察像のコントラストでX方向、Y方向のいずれも1μm以上、また鉄粒子以外のものとした。
導体部11の酸素含有量を高くすることによって絶縁性が確保され、内部導体21どうしの間隔を狭めることができ、コア部12の酸素含有量を低くすることによって鉄系軟磁性粒子の金属割合を高くでき、高い透磁率を得ることができる。結果的に、コイル部品の薄型化に寄与し得る。
好ましくは、酸素含有量は導体部11の方がサイド部15より大きい。酸素含有量は上述のZAF法によって大小を比較する。大小の比較は、具体的には、上述のZAF法により導体部11の酸素含有量を求めたあと、このまま倍率、他の設定を変えることなく、サイド部15の観察ができるよう観察するエリアを移動させ、同様にして酸素含有量を求める。
導体部11の方がサイド部15より酸素含有量が高い状態を得るためには、より酸素濃度を低く設定することによりできる。内部導体が存在しないサイド部15は積層体の外側から酸素を取り込むことで、酸化膜の形成を促進することになる。しかし、酸素濃度を低く設定することで、外部からの酸素の取り込みが少なくなることで、酸化膜の厚みは薄く形成される。これによりサイド部は透磁率を高くできる。
好ましくは、内部導体はAgまたはCuの少なくともいずれかを含んでいる。Ag、またはCuの内部導体とすることで、原料粒子のFeより酸化しやすい金属元素M、または原料粒子表面にある酸化物の酸化を進め、酸化膜の形成を促進させることができる。ここで、熱処理を低酸素濃度雰囲気とすることで、内部導体とFeより酸化しやすい金属元素Mとの間での標準電極電位差により、酸化しやすい金属元素Mは酸化すると共に、AgまたはCuは還元される。つまり、内部導体に用いる材料の選択により低酸素濃度雰囲気での熱処理であっても導体部11において必要とされる抵抗を得ることができる。また、内部導体は酸素含有量の少ない金属として存在し、高い導電性を得ることができる。このため、電気抵抗によるロスの少ない部品となり、小型化と高効率化を達成できる。
以下、本発明のコイル部品の製造方法の説明として、積層インダクタの典型的かつ非限定的な製造方法を説明する。積層インダクタの製造にあたっては、まず、ドクターブレードやダイコータ等の塗工機を用いて、予め用意した磁性体ペースト(スラリー)を、樹脂等からなるベースフィルムの表面に塗工する。これを熱風乾燥機等の乾燥機で乾燥してグリーンシートを得る。上記磁性体ペーストは、軟磁性合金粒子と、典型的には、バインダとしての高分子樹脂と、溶剤とを含む。
上述の磁性体ペーストには、好適にはバインダとしての高分子樹脂が含まれる。高分子樹脂の種類は特に限定はなく、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。磁性体ペーストの溶剤の種類は特に限定はなく、例えば、エチルアルコールとトルエンの混合溶媒などを用いることができる。磁性体ペーストにおける軟磁性合金粒子、高分子樹脂、溶剤などの配合比率などは適宜調節することができ、それによって、磁性体ペーストの粘度などを設定することも可能である。
磁性体ペーストを塗工および乾燥してグリーンシートを得るための具体的な方法は従来技術を適宜参照することができる。このとき、コイル部品における上記各区画の酸素含有割合や鉄含有割合を調節するために区画ごとに材料組成を変えることもできる。
次いで、打ち抜き加工機やレーザ加工機等の穿孔機を用いて、グリーンシートに穿孔を行ってスルーホール(貫通孔)を所定配列で形成する。スルーホールの配列については、各シートを積層したときに、導体を充填したスルーホールと周回パターンとで内部導体21が形成されるように設定される。内部導体を形成するためのスルーホールの配列および導体パターンの形状については、従来技術を適宜参照することができる。
スルーホールに充填するため、および、導体パターンの印刷のために、好ましくは導体ペーストが使用される。導体ペーストには導電性材料と、典型的にはバインダとしての高分子樹脂と溶剤とが含まれる。
導体粒子としての導電性材料の粒子径は適宜選択することができ、体積基準において、d50が好ましくは1〜10μmである。導体粒子のd50は、レーザ回折散乱法を利用した粒子径・粒度分布測定装置(例えば、日機装(株)製のマイクロトラック)を用いて測定される。
導体ペーストには、好適にはバインダとしての高分子樹脂が含まれる。高分子樹脂の種類は特に限定はなく、例えば、エチルセルロース(EC)等のセルロース樹脂などが挙げられる。導体ペーストの溶剤の種類は特に限定はなく、例えば、ブチルカルビトール等のグリコールエーテルなどを用いることができる。導体ペーストにおける導電性材料、高分子樹脂、溶剤などの配合比率などは適宜調節することができ、それによって、導体ペーストの粘度などを設定することも可能である。
次いで、スクリーン印刷機やグラビア印刷機等の印刷機を用いて、導体ペーストをグリーンシートの表面に印刷し、これを熱風乾燥機等の乾燥機で乾燥して、導体パターンを形成する。印刷の際に、上述のスルーホールにも導体ペーストの一部が充填される。その結果、スルーホールに充填された導体ペーストと、印刷された導体パターンとが内部導体21の形状を構成することになる。
得られたグリーンシートを内部導体21がらせん状となる様に積層し、積層方向に圧力を加えてグリーンシートを圧着した後、コイル部品サイズに切断し積層体を形成する。
得られた積層体は、焼成炉等の加熱装置を用いて、低酸素濃度雰囲気または大気中で、加熱処理前に脱脂を行う。酸素濃度は0.1〜21%の範囲で、温度は300〜500℃で1〜2時間とする。このあと、低酸素濃度雰囲気中で、脱脂後の積層体を熱処理する。熱処理雰囲気は、低酸素濃度雰囲気とし、酸素濃度で0.0005〜0.1%、または好ましくは0.0005〜0.005%とした。昇温過程において好ましくは300〜500℃にて、1〜600分間保持し、その後、さらに温度を上げる。最高温度は、好ましくは600℃以上であり、より好ましくは600〜850℃であり、最高温度において好ましくは0.5時間以上、より詳細には0.5〜5時間保持することが望ましい。
通常は、熱処理の後に外部端子を形成する。ディップ塗布機やローラ塗布機等の塗布機を用いて、予め用意した導体ペーストを積層インダクタの長さ方向両端部に塗布し、これを焼成炉等の加熱装置を用いて、例えば、約700℃、約1hrの条件で焼付け処理を行うことにより、外部端子が形成される。外部端子用の導体ペーストは、上述した導体パターンの印刷用のペーストや、それに類似したペーストを適宜用いることができる。
コイル部品については、いわゆるスラリービルド法でコイル部品を製造してもよい。スラリービルド法の非限定的な例として、磁性体ペーストをスクリーン印刷等により印刷して磁性体印刷膜を形成し、その上に導体ペーストをスクリーン印刷して導体パターンを形成する。その上に磁性体ペーストをスクリーン印刷して導体パターンの一部を露出させて塗布する。同様にして、前記一部露出パターンに連続させて導体パターンと磁性体印刷膜とを交互に形成し、最後に磁性体印刷膜を塗布した後に、コイル部品サイズに切断し積層体を形成する。得られた積層体について、その後の加熱その他の処理については上述の方法を採り入れることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に記載された態様に限定されるわけではない。
以下のようにして積層インダクタを製造した。図1の積層インダクタの模式的な断面図を元に説明する。
磁性体部は、表1のとおりの原料粒子を用いた。表中、FeSiCr(1)粒子は、3.5wt%のSi、4.0wt%のCr、残部Feの組成、粒子のサイズは6μmの平均粒径、FeSiCr(2)粒子は、2.0wt%のSi、2.0wt%のCr、残部Feの組成、粒子のサイズは6μmの平均粒径、FeSiAl粒子は、3.5wt%のSi、4.0wt%のAl、残部Feの組成、粒子のサイズは6μmの平均粒径、FeSi粒子は、3.0wt%のSi、残部Feの組成、粒子のサイズは6μmの平均粒径、Fe粒子は0.4wt%の不純物、残部Feの組成、粒子のサイズは2μmの平均粒径、である原料粒子とした。また、実施例7では、FeSiCr(1)粒子とFeSiAl粒子の60:40(重量比)の混合物を、実施例8では、FeSiCr(1)粒子とFeSiCr(2)粒子の50:50(重量比)の混合物を、実施例10、11ではFeSiCr粒子とFe粒子の90:10(重量比)の混合物、として製造した。
コイル状導体21は、約10.5周の螺旋状となるように、導体パターン及びビアを設けた。コイル状導体21は、表1のとおりの原料を用い、熱処理して得られた。それぞれの金属粒子として体積基準のd50は5μmであり、実施例8では、Cu粒子をAgコーティングしたものを用いた。
熱処理は、表1のとおりの雰囲気下で行った。それぞれは酸素濃度を示しており、実施例においては、0.00005〜0.1%の範囲とし、比較例においては、21、1、0.000001未満とした。0.000001未満は窒素・水素混合ガス(窒素中に水素1%とするガス)により行った。なお、熱処理の前には、それぞれ積層体の脱脂を行い、酸素濃度1%、常温から300℃までを昇温速度100℃/時間、保持時間2時間として行った。
積層インダクタを以下のように製造した。
合金系磁性粒子85wt%、ブチルカルビトール(溶剤)が13wt%、ポリビニルブチラール(バインダ)2wt%からなる磁性体ペーストを調製した。ドクターブレードを用いて、この磁性体ペーストをプラスチック製のベースフィルムの表面に塗工し、これを熱風乾燥機で、約80℃、約5minの条件で乾燥した。このようにしてベースフィルム上にグリーンシートを得た。その後、グリーンシートをカットした。
続いて、必要に応じてシートに穿孔して所定配列の貫通孔を形成した。その後、印刷機を用いて、金属粒子が85wt%で、ブチルカルビトール(溶剤)が13wt%で、エチルセルロース(バインダ)が2wt%からなる導体ペーストを所定のシートの表面に印刷し及び/又は貫通孔に充填し、これを熱風乾燥機で、約80℃、約5minの条件で乾燥した。
続いて、吸着搬送機とプレス機を用いて、必要な印刷及び/又は充填が施された各シートを所定の順序で積み重ねて熱圧着後、コイル部品サイズに切断して積層体を得た。その後、焼成炉を用い、それぞれの雰囲気下で700℃1時間の熱処置を行った。この熱処理によって、合金系磁性粒子が密集して磁性体が形成し、また、導体ペースト中の金属粒子が焼結して内部導体21が形成され、これにより部品本体を得た。
続いて、外部電極を形成した。上記内部導体と同じ金属粒子を85wt%、ブチルカルビトール(溶剤)を13wt%で、エチルセルロース(バインダ)を2wt%含有する導体ペーストを塗布機で、部品本体の表面に塗布し、これを焼成炉で、約700℃、約0.5hrの条件で焼付け処理を行った。焼付け時の雰囲気は熱処理時と同じ雰囲気に合わせた。その結果、溶剤及びバインダが消失し、上記金属粒子が焼結した。その後、Ni/Snめっきを施すことによって外部電極を形成して、積層インダクタが完成した。
積層インダクタの寸法は、2.0mm×1.2mm×1.0mmとした。また、導体部11の螺旋形状の隣接する周回間の距離はそれぞれ16μmに設定した。
各実施例、各比較例の積層インダクタの特徴を表1に記載する。
Figure 0006345146
(評価方法)
酸素含有量については、EDSによって大小を比較する。上記に示したように磁性体部の導体部11、コア部12、カバー部13・14、サイド部15の各箇所の断面が見える試料を作成する。それぞれの断面について、SEM−EDSのZAF法により、単位面積当たりに検出されるFeとO(酸素)から、O/Fe比を求める。ここでは、各箇所の評価する範囲は、カバー部13・14を上下方向(カバー部13・14のいずれが上でも良い)に見たとき、各箇所の上下方向、左右方向の中心に当たる場所決め、この部分を中心として200倍の倍率で、0.05mm×0.05mmに相当する範囲として行った。ここで得られたO/Fe比の数値を用い、導体部11の断面のO/Fe比に対するコア部12の断面のO/Fe比を求め、酸素含有量の比較を行った。また、同様に、導体部11の断面のO/Fe比に対するサイド部15の断面のO/Fe比を求めた。ここで得られたそれぞれの酸素含有量の比較を、導体部の酸素含有量に対するコア部の酸素含有量、導体部の酸素含有量に対するサイド部の酸素含有量を求め、酸素含有量の比較を行った。
酸化膜の厚みは、上記の酸素含有量の評価試料を用いて行い、導体部11の酸化膜の厚みの評価を行っている。まず、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて、100倍の倍率で、上記と同様に導体部11の断面の中心に当たる場所を決め、中心に近い磁性粒子を選択する。次に、この磁性粒子を中心に10000倍の倍率とし、この磁性粒子とこの磁性粒子と酸化膜を介して隣合う磁性粒子との間に接線を描き、接線と直行する方向で見たとき、選択された磁性粒子と選択された磁性粒子と酸化膜を介して接合する隣合う磁性粒子との距離が最も近い部分に接線と直行線を引き、この線上をEDS(エネルギー分散型X線分析装置)の線分析を行う。分析の範囲は接線と直行線の交点から両側に0.5μmとし、両端におけるO/Feの小さい方を基準に、O/Feの値が基準の1.2倍以上のとなる部分の長さを求めた。これを中心に近い磁性粒子から順に測定を行い、測定が10回を越えるまで行い、これらの平均値を求めた。
なお、比較例3については、厚みとして検出することはできなかった。(表2では、「−」として表記している。)
インダクタンス測定は、LCRメータを用い、1MHzの周波数で行った。各実施例、各比較例ともに10個測定して平均値を求めた。評価結果を以下の表2に記載する。
Figure 0006345146
このように低酸素濃度雰囲気の熱処理によりFeの割合の高い原料粒子を用いることができる。これにより、これまで磁性体部に占めるFeの割合を92.5〜97wt%とすることができ、これまで以上に飽和特性を高くでき、コイル部品としての飽和電流を高くすることが可能となる。結果的に、コイル部品の薄型化に寄与し得る。
また、熱処理時の酸素濃度を下げると、部品本体表面の酸化膜が全体的に薄くなってしまうが、熱処理後にリン酸処理を行うこともできる。これにより、酸化膜の薄い部分や仮に酸化膜の形成されていない欠陥があっても、リン酸処理によりリン酸塩系の化合物を形成することで酸化膜の補強ができる。これにより、より信頼性を高くできる。
また、磁性体部の導体部とコア部で酸素含有量が異なっても、低酸素濃度雰囲気下で熱処理することで、酸化膜の形成速度を遅くでき、熱膨張などによるクラック等の発生を抑えることができる。これにより、特性面だけでなく薄層化にも対応でき、導体間を狭くしても信頼性を落とすことなく、コイル部品の薄型化を可能になる。
11 導体部、 12 コア部、 13・14 カバー部、
15 サイド部、 21内部導体

Claims (3)

  1. 磁性体部と、中心軸をもつ螺旋形状に形成された内部導体と、を備え、
    内部導体は磁性体部に埋め込まれていて、
    前記中心軸を上下方向に含む平面における断面において磁性体部は、
    (1)前記螺旋形状の隣接する周回間に位置する導体部、
    (2)前記中心軸を含み前記螺旋形状の周回の内側に位置するコア部、
    (3)前記螺旋形状の下端より下または上端より上に位置するカバー部、及び
    (4)前記螺旋形状の周回の外側に位置するサイド部、
    に区画可能であり、
    磁性体部は鉄系軟磁性粒子及び少なくとも1種以上の鉄より酸化しやすい元素の酸化膜を備え、隣接する前記鉄系軟磁性粒子どうしの結合の少なくとも一部は前記酸化膜を介しており、
    磁性体部の断面から検出されるFeとOから求められるO/Fe比を酸素含有量としたとき、酸素含有量は導体部の方がコア部より大きい、
    コイル部品。
  2. 磁性体部の断面から検出されるFeとOから求められるO/Fe比を酸素含有量としたとき、酸素含有量は前記導体部の方が前記サイド部より大きい請求項1記載のコイル部品。
  3. 前記内部導体はAgまたはCuの少なくとも一方を含む請求項1又は2記載のコイル部品。
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