JP6344811B1 - 第1保護膜形成用シート - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2016年10月5日に、日本に出願された特願2016−197523号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
保護膜の形成には、図6(a)に示すような保護膜形成用シート8を用いる。保護膜形成用シート8は、基材81上に緩衝層83及び硬化性樹脂フィルム82がこの順に積層されてなるものである。緩衝層83は、緩衝層83とこれに隣接する層へ加えられる力に対して、緩衝作用を有する。
次いで、保護膜形成用シート8を半導体ウエハ9に圧着させて、図6(b)に示すように、半導体ウエハ9のバンプ形成面9aに、保護膜形成用シート8の硬化性樹脂フィルム82を貼り合わせる。このときの硬化性樹脂フィルム82の貼り合わせは、硬化性樹脂フィルム82を加熱しながら行う。これにより、半導体ウエハ9のバンプ形成面9aと、バンプ91の表面91aには、硬化性樹脂フィルム82が密着するが、バンプ91が硬化性樹脂フィルム82を貫通すれば、バンプ91の表面91aの一部には、緩衝層83も密着する。
このような硬化性樹脂フィルム82の貼り合わせの後、さらに必要に応じて、半導体ウエハ9のバンプ形成面9aとは反対側の面(裏面)9bを研削した後、半導体ウエハ9の裏面9bに別途、この裏面9bを保護するための保護膜形成用シートを貼付する(図示略)。
次いで、硬化性樹脂フィルム82を硬化させて、図6(d)に示すように、保護膜82’を形成する。
式(w1): Gb300’≧Gc300’
の関係を満たす、第1保護膜形成用シートを提供する。
式(w2): Gb200’≧Gc200’
の関係を満たしてもよい。
式(w3): Gb400’≧Gc400’
の関係を満たしてもよい。
本発明の第1保護膜形成用シートにおいては、前記ひずみ分散測定によって得られた、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のひずみと、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のせん断弾性率Gc’と、の関数において、前記せん断弾性率Gc’が一定ではない領域が存在し、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のひずみが300%であるときの前記せん断弾性率Gc’が、前記領域に含まれてもよい。
本発明の第1保護膜形成用シートにおいては、前記硬化性樹脂フィルムが、樹脂成分を含有し、前記硬化性樹脂フィルムの充填材の含有量が45質量%以下であり、前記樹脂成分の重量平均分子量が30000以下であってもよい。
本発明の第1保護膜形成用シートは、第1基材と、前記第1基材上に形成された緩衝層と、前記緩衝層上に形成された硬化性樹脂フィルムと、を備える。
前記硬化性樹脂フィルムは、半導体ウエハのバンプを有する表面に貼付し、硬化させることによって、前記表面に第1保護膜を形成するためのものである。
そして、本発明の第1保護膜形成用シートは、下記式(w1)の関係を満たす。
Gb300’≧Gc300’ ・・・・(w1)
また、Gc300’は、前記硬化性樹脂フィルムの試験片に対してひずみ分散測定を行ったときに、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のひずみが300%のときの、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のせん断弾性率である。このときのひずみ分散測定は、前記緩衝層の試験片の場合と同じ方法で行う。すなわち、直径8mm、厚さ1mmの前記硬化性樹脂フィルムの試験片に、温度90℃、周波数1Hzの条件で、ひずみを発生させて、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のせん断弾性率G’を測定することで、ひずみ分散測定を行う。
ひずみ分散測定を行う前記試験片は、上記のように、いずれも円形のフィルム状である。
Gb200’≧Gc200’ ・・・・(w2)
前記式(w2)の関係を満たす第1保護膜形成用シートは、硬化性樹脂フィルムを前記バンプ形成面に貼付したときに、バンプ上部での硬化性樹脂フィルムの残存を抑制する効果がより高くなる。
Gb400’≧Gc400’ ・・・・(w3)
前記式(w3)の関係を満たす第1保護膜形成用シートは、硬化性樹脂フィルムを前記バンプ形成面に貼付したときに、バンプ上部での硬化性樹脂フィルムの残存を抑制する効果がより高くなる。
より具体的には、第1保護膜形成用シート1は、第1基材11の一方の表面(以下、「第1面」と称することがある)11aに、緩衝層13が積層され、緩衝層13の第1基材11が設けられている側とは反対側の表面(以下、「第1面」と称することがある)13aに、硬化性樹脂フィルム12が積層されてなる。このように、第1保護膜形成用シート1は、第1基材11、緩衝層13及び硬化性樹脂フィルム12がこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなるものである。図1中、符号12aは、硬化性樹脂フィルム12の緩衝層13が設けられている側とは反対側の表面(以下、「第1面」と称することがある)を示す。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
すなわち、第1保護膜形成用シート2は、第1基材11の第1面11aに、密着層14が積層され、密着層14の第1基材11が設けられている側とは反対側の表面(以下、「第1面」と称することがある)14aに、緩衝層13が積層されており、第1基材11、密着層14、緩衝層13及び硬化性樹脂フィルム12がこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなるものである。
例えば、本発明の第1保護膜形成用シートは、基材とは反対側の最表層(図1及び図2に示す第1保護膜形成用シートにおいては硬化性樹脂フィルム12)に剥離フィルムを備えていてもよい。
次に、本発明の第1保護膜形成用シートを構成する各層について説明する。
第1基材は、シート状又はフィルム状であり、その構成材料としては、例えば、各種樹脂が挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ノルボルネン樹脂等のポリエチレン以外のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体等のエチレン系共重合体(モノマーとしてエチレンを用いて得られた共重合体);ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂(モノマーとして塩化ビニルを用いて得られた樹脂);ポリスチレン;ポリシクロオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、すべての構成単位が芳香族環式基を有する全芳香族ポリエステル等のポリエステル;2種以上の前記ポリエステルの共重合体;ポリ(メタ)アクリル酸エステル;ポリウレタン;ポリウレタンアクリレート;ポリイミド;ポリアミド;ポリカーボネート;フッ素樹脂;ポリアセタール;変性ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリスルホン;ポリエーテルケトン等が挙げられる。
また、前記樹脂としては、例えば、前記ポリエステルとそれ以外の樹脂との混合物等のポリマーアロイも挙げられる。前記ポリエステルとそれ以外の樹脂とのポリマーアロイは、ポリエステル以外の樹脂の量が比較的少量であるものが好ましい。
また、前記樹脂としては、例えば、ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上が架橋した架橋樹脂;ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上を用いたアイオノマー等の変性樹脂も挙げられる。
なお、本明細書においては、第1基材の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
ここで、「第1基材の厚さ」とは、第1基材全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1基材の厚さとは、第1基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
前記硬化性樹脂フィルムがエネルギー線硬化性である場合、第1基材はエネルギー線を透過させるものが好ましい。
緩衝層は、緩衝層とこれに隣接する層へ加えられる力に対して、緩衝作用を有する。ここで「緩衝層と隣接する層」とは、主に硬化性樹脂フィルムと、その硬化物に相当する第1保護膜である。
ここで、「緩衝層の厚さ」とは、緩衝層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる緩衝層の厚さとは、緩衝層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
緩衝層は、前記樹脂等の、緩衝層の構成材料を含有する緩衝層形成用組成物を用いて形成できる。例えば、緩衝層の形成対象面に対して、緩衝層形成用組成物を押出成形することにより、目的とする部位に緩衝層を形成できる。緩衝層のより具体的な形成方法は、他の層の形成方法とともに、後ほど詳細に説明する。緩衝層形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、緩衝層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度等が挙げられる。
緩衝層形成用組成物としては、例えば、ポリα−オレフィンを含有する緩衝層形成用組成物(V)等が挙げられる。
ポリα−オレフィンの構成単位は、1種のみでもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。すなわち、ポリα−オレフィンは、1種のモノマーが重合してなる単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーが共重合してなる共重合体であってもよい。
また、ポリα−オレフィンの230℃でのメルトフローレイト(MFR)は、2〜12g/10分であることが好ましく、4〜9g/10分であることがより好ましい。
なお、本明細書において、「ポリα−オレフィンのメルトフローレイト」とは、特に断りのない限り、ASTM D1238に準拠して測定した値を意味する。
緩衝層形成用組成物(V)及び緩衝層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、ポリα−オレフィン以外の、他の成分を含有していてもよい。
前記他の成分としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。
緩衝層形成用組成物(V)及び緩衝層の前記他の成分の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
硬化性樹脂フィルムは、半導体ウエハのバンプ形成面(換言すると回路面)、及びこのバンプ形成面上に設けられたバンプを保護するための層であり、第1の態様では熱硬化性樹脂フィルムであり、第2の態様ではエネルギー線硬化性樹脂フィルムである。前記硬化性樹脂フィルムは、硬化によって第1保護膜を形成する。
硬化性樹脂フィルムは、熱硬化性及びエネルギー線硬化性のいずれであってもよいが、熱硬化性であることが好ましい。
紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプ、ブラックライト又はLEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
本発明において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味し、「非エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射しても硬化しない性質を意味する。
一方、硬化性樹脂フィルムにおいて、前記樹脂成分の重量平均分子量の下限値は、特に限定されず、例えば、5000及び8000のいずれかであってもよい。
前記樹脂成分がこれらの各条件を満たすことにより、第1保護膜形成用シートは、バンプ上部での硬化性樹脂フィルムの残存を抑制する効果がより高くなる。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
前記重量平均分子量の好ましい例としては、例えば、5000〜1000000、5000〜800000、5000〜500000、5000〜300000、5000〜200000、5000〜100000、5000〜50000、及び5000〜30000が挙げられる。
前記重量平均分子量の好ましい他の例としては、例えば、8000〜1000000、8000〜800000、8000〜500000、8000〜300000、8000〜200000、8000〜100000、8000〜50000、及び8000〜30000が挙げられる。
ただし、前記重量平均分子量は、これらに限定されない。
一方、硬化性樹脂フィルムの充填材の含有量の下限値は、特に限定されない。例えば、硬化性樹脂フィルムの充填材の含有量は、0質量%以上、5質量%以上、及び10質量%以上等のいずれかであってもよい。
硬化性樹脂フィルムの充填材の含有量で好ましい例としては、0〜45質量%、0〜40質量%、及び0〜30質量%等が挙げられる。
ただし、硬化性樹脂フィルムの充填材の含有量は、これらに限定されない。
前記樹脂成分及び充填材の種類は特に限定されない。
このような硬化性樹脂フィルムとしては、例えば、樹脂成分を含有し、充填材の含有量が好ましくは0〜45質量%、より好ましくは0〜40質量%、さらに好ましくは0〜30質量%であり、前記樹脂成分の重量平均分子量が30000以下(例えば、5000〜30000、8000〜30000等)であるものが挙げられる。
好ましい熱硬化性樹脂フィルムとしては、例えば、前記樹脂成分として重合体成分(A)を含有し、さらに熱硬化性成分(B)を含有するものが挙げられる。
ここで、「熱硬化性樹脂フィルムの厚さ」とは、熱硬化性樹脂フィルム全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる熱硬化性樹脂フィルムの厚さとは、熱硬化性樹脂フィルムを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
熱硬化性樹脂フィルムは、その構成材料を含有する熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物を用いて形成できる。例えば、熱硬化性樹脂フィルムの形成対象面に熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に熱硬化性樹脂フィルムを形成できる。熱硬化性樹脂フィルムのより具体的な形成方法は、他の層の形成方法とともに、後ほど詳細に説明する。熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、熱硬化性樹脂フィルムの前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物としては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有する熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物(III)(本明細書においては、単に「樹脂層形成用組成物(III)」と略記することがある)等が挙げられる。
重合体成分(A)は、熱硬化性樹脂フィルムに造膜性や可撓性等を付与するための重合体化合物であり、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分である。なお、本明細書において重合反応には、重縮合反応も含まれる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂フィルムが含有する重合体成分(A)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000〜1000000であることが好ましく、8000〜800000であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量がこのような範囲であることで、硬化性樹脂フィルムを前記バンプ形成面に貼付したときに、バンプ上部での硬化性樹脂フィルムの残存を抑制する効果がより高くなる。
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン及びN−メチロールアクリルアミド等から選択される2種以上のモノマーの共重合体;
1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン及びN−メチロールアクリルアミド等から選択される1種又は2種以上のモノマーと、の共重合体等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イミド;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル等の置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基を意味する。
なかでも、好ましいポリビニルアセタールとしては、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が挙げられ、ポリビニルブチラールがより好ましい。
ポリビニルブチラールとしては、下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有するものが挙げられる。
熱硬化性成分(B)は、熱を反応のトリガーとして、熱硬化性樹脂フィルムを硬化させて、硬質の第1保護膜を形成するための成分である。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂フィルムが含有する熱硬化性成分(B)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エポキシ系熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)からなる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂フィルムが含有するエポキシ系熱硬化性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エポキシ樹脂(B1)としては、公知のものが挙げられ、例えば、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
また、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合した化合物等が挙げられる。
不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、その具体的な例としては、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等が挙げられ、アクリロイル基が好ましい。
エポキシ樹脂(B1)のエポキシ当量は、100〜1000g/eqであることが好ましく、300〜800g/eqであることがより好ましい。
熱硬化剤(B2)は、エポキシ樹脂(B1)に対する硬化剤として機能する。
熱硬化剤(B2)としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられ、フェノール性水酸基、アミノ基、又は酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基又はアミノ基であることがより好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(以下、「DICY」と略記することがある)等が挙げられる。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(B2)としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合してなる化合物等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
熱硬化剤(B2)のうち、例えば、ビフェノール、ジシアンジアミド等の非樹脂成分の分子量は、特に限定されないが、例えば、60〜500であることが好ましい。
さらに、このような効果がより顕著に得られる点から、熱硬化性成分(B)の含有量は、重合体成分(A)の種類に応じて、適宜調節することが好ましい。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂フィルムは、硬化促進剤(C)を含有していてもよい。硬化促進剤(C)は、樹脂層形成用組成物(III)の硬化速度を調整するための成分である。
好ましい硬化促進剤(C)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂フィルムは、充填材(D)を含有していてもよい。熱硬化性樹脂フィルムが充填材(D)を含有することにより、熱硬化性樹脂フィルムを硬化して得られた第1保護膜は、熱膨張係数の調整が容易となる。例えば、第1保護膜の熱膨張係数を第1保護膜の形成対象物に対して最適化することで、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。また、熱硬化性樹脂フィルムが充填材(D)を含有することにより、第1保護膜の吸湿率を低減したり、放熱性を向上させたりすることもできる。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これら無機充填材を球形化したビーズ;これら無機充填材の表面改質品;これら無機充填材の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填材は、シリカ又はアルミナであることが好ましい。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂フィルムは、カップリング剤(E)を含有していてもよい。カップリング剤(E)として、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものを用いることにより、熱硬化性樹脂フィルムの被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(E)を用いることで、熱硬化性樹脂フィルムを硬化して得られた第1保護膜は、耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。
好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
重合体成分(A)として、他の化合物と結合可能なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いる場合、樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂フィルムは、架橋剤(F)を含有していてもよい。架橋剤(F)は、重合体成分(A)中の前記官能基を他の化合物と結合させて架橋するための成分であり、このように架橋することにより、熱硬化性樹脂フィルムの初期接着力及び凝集力を調節できる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲内において、上述の重合体成分(A)、熱硬化性成分(B)、硬化促進剤(C)、充填材(D)、カップリング剤(E)及び架橋剤(F)以外の、他の成分を含有していてもよい。
前記他の成分としては、例えば、エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、汎用添加剤等が挙げられる。前記汎用添加剤は、公知のものであり、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(染料、顔料)、ゲッタリング剤等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂フィルムの前記他の成分の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
樹脂層形成用組成物(III)は、さらに溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有する樹脂層形成用組成物(III)は、取り扱い性が良好となる。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III)等の熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
前記エネルギー線硬化性樹脂フィルムは、エネルギー線硬化性成分(a)を含有する。
エネルギー線硬化性樹脂フィルムにおいて、エネルギー線硬化性成分(a)は、未硬化であることが好ましく、粘着性を有することが好ましく、未硬化でかつ粘着性を有することがより好ましい。
ここで、「エネルギー線硬化性樹脂フィルムの厚さ」とは、エネルギー線硬化性樹脂フィルム全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるエネルギー線硬化性樹脂フィルムの厚さとは、エネルギー線硬化性樹脂フィルムを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
例えば、エネルギー線硬化性樹脂フィルムの硬化時における、エネルギー線の照度は、180〜280mW/cm2であることが好ましい。そして、前記硬化時における、エネルギー線の光量は、450〜1000mJ/cm2であることが好ましい。
エネルギー線硬化性樹脂フィルムは、その構成材料を含有するエネルギー線硬化性樹脂フィルム形成用組成物を用いて形成できる。例えば、エネルギー線硬化性樹脂フィルムの形成対象面にエネルギー線硬化性樹脂フィルム形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位にエネルギー線硬化性樹脂フィルムを形成できる。エネルギー線硬化性樹脂フィルム形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、エネルギー線硬化性樹脂フィルムの前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
エネルギー線硬化性樹脂フィルム形成用組成物としては、例えば、前記エネルギー線硬化性成分(a)を含有するエネルギー線硬化性樹脂フィルム形成用組成物(IV)(本明細書においては、単に「樹脂層形成用組成物(IV)」と略記することがある)等が挙げられる。
エネルギー線硬化性成分(a)は、エネルギー線の照射によって硬化する成分であり、エネルギー線硬化性樹脂フィルムに造膜性や、可撓性等を付与するための成分でもある。
エネルギー線硬化性成分(a)としては、例えば、エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000〜2000000の重合体(a1)、及びエネルギー線硬化性基を有する、分子量が100〜80000の化合物(a2)が挙げられる。前記重合体(a1)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000〜2000000の重合体(a1)としては、例えば、他の化合物が有する基と反応可能な官能基を有するアクリル系重合体(a11)と、前記官能基と反応する基、及びエネルギー線硬化性二重結合等のエネルギー線硬化性基を有するエネルギー線硬化性化合物(a12)と、が重合してなるアクリル系樹脂(a1−1)が挙げられる。
これらの中でも、前記官能基は、水酸基であることが好ましい。
前記官能基を有するアクリル系重合体(a11)としては、例えば、前記官能基を有するアクリル系モノマーと、前記官能基を有しないアクリル系モノマーと、が共重合してなるものが挙げられ、これらモノマー以外に、さらにアクリル系モノマー以外のモノマー(非アクリル系モノマー)が共重合したものであってもよい。
また、前記アクリル系重合体(a11)は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
前記アクリル系重合体(a11)を構成する前記非アクリル系モノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、前記アクリル系重合体(a11)が有する官能基と反応可能な基として、イソシアネート基、エポキシ基及びカルボキシ基からなる群より選択される1種又は2種以上を有するものが好ましく、前記基としてイソシアネート基を有するものがより好ましい。前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、例えば、前記基としてイソシアネート基を有する場合、このイソシアネート基が、前記官能基として水酸基を有するアクリル系重合体(a11)のこの水酸基と容易に反応する。
ジイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;
ジイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物等が挙げられる。
これらの中でも、前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートであることが好ましい。
ここで、「重量平均分子量」とは、先に説明したとおりである。
エネルギー線硬化性基を有する、分子量が100〜80000の化合物(a2)中の前記エネルギー線硬化性基としては、エネルギー線硬化性二重結合を含む基が挙げられ、好ましいものとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
前記アクリレート系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル]プロパン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン等の2官能(メタ)アクリレート;
トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等の多官能(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(IV)及びエネルギー線硬化性樹脂フィルムは、前記エネルギー線硬化性成分(a)として前記化合物(a2)を含有する場合、さらにエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)も含有することが好ましい。
前記重合体(b)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
これらの中でも、前記重合体(b)は、アクリル系重合体(以下、「アクリル系重合体(b−1)」と略記することがある)であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル等が挙げられる。
前記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。
前記置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル等が挙げられる。
前記反応性官能基は、架橋剤の種類等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、架橋剤がポリイソシアネート化合物である場合には、前記反応性官能基としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基等が挙げられ、これらの中でも、イソシアネート基との反応性が高い水酸基が好ましい。また、架橋剤がエポキシ系化合物である場合には、前記反応性官能基としては、カルボキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられ、これらの中でもエポキシ基との反応性が高いカルボキシ基が好ましい。ただし、半導体ウエハや半導体チップの回路の腐食を防止するという点では、前記反応性官能基はカルボキシ基以外の基であることが好ましい。
樹脂層形成用組成物(IV)における前記熱硬化性成分、光重合開始剤、充填材、カップリング剤、架橋剤及び汎用添加剤の含有量は、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
樹脂層形成用組成物(IV)が含有する溶媒としては、例えば、樹脂層形成用組成物(III)における溶媒と同じものが挙げられる。
樹脂層形成用組成物(IV)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
樹脂層形成用組成物(IV)等のエネルギー線硬化性樹脂フィルム形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
密着層は、第1基材及び緩衝層の密着性を向上させ、第1保護膜形成用シートにおいて、第1基材及び緩衝層の剥離を高度に抑制する。したがって、密着層を備えた第1保護膜形成用シートは、その使用時において、第1基材、密着層及び緩衝層の積層構造をより安定して維持できる。
好ましい密着層としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)等を含有するものが挙げられる。
ここで、「密着層の厚さ」とは、密着層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる密着層の厚さとは、密着層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
密着層は、その構成材料を含有する密着層形成用組成物を用いて形成できる。例えば、密着層の形成対象面に対して、密着層形成用組成物を押出成形することにより、目的とする部位に密着層を形成できる。密着層のより具体的な形成方法は、他の層の形成方法とともに、後ほど詳細に説明する。密着層形成用組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、密着層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
密着層形成用組成物としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)を含有する密着層形成用組成物(VI)等が挙げられる。
なお、本明細書において、「エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂のメルトフローレイト」とは、特に断りのない限り、JIS K7210:1999に準拠して測定した値を意味する。
密着層形成用組成物(VI)及び密着層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂以外の、他の成分を含有していてもよい。
前記他の成分としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。
密着層形成用組成物(VI)及び密着層の前記他の成分の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
前記第1保護膜形成用シートは、上述の各層を対応する位置関係となるように順次積層することで製造できる。各層の形成方法は、先に説明したとおりである。
本発明の第1保護膜形成用シートは、例えば、以下のように使用できる。
すなわち、まず第1保護膜形成用シートを、その硬化性樹脂フィルムにより半導体ウエハのバンプ形成面に貼り合わせる。このとき、硬化性樹脂フィルムを加熱しながら貼り合わせることで、硬化性樹脂フィルムを軟化させ、硬化性樹脂フィルムをバンプ形成面に密着させる。
次いで、必要に応じて、半導体ウエハのバンプ形成面とは反対側の面(すなわち裏面)を研削した後、この裏面に、この裏面を保護するための保護膜形成用シート(本明細書においては、「第2保護膜形成用シート」と称する)を貼付する。第2保護膜形成用シートとしては、例えば、硬化によって、半導体ウエハ及び半導体チップの裏面を保護するための第2保護膜を形成できる、第2保護膜形成フィルムを備えたものが挙げられる。第2保護膜形成用シートは、第2保護膜形成フィルム以外に、さらにダイシングシートを備えて構成されたものであってもよい。
次いで、硬化性樹脂フィルムを硬化させることにより、半導体ウエハのバンプ形成面に第1保護膜を形成する。
以下、本発明の第1保護膜形成用シートを半導体ウエハのバンプ形成面へ貼り合わせてから、第1保護膜を形成するまでの過程について、図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
第1保護膜形成用シート1の使用時には、まず、図3(a)に示すように、第1保護膜形成用シート1を、その硬化性樹脂フィルム12が半導体ウエハ9のバンプ形成面9aに対向するように配置する。
なお、本明細書において、「バンプの高さ」とは、バンプのうち、バンプ形成面から最も高い位置に存在する部位での高さを意味する。
なお、本明細書において、「バンプの幅」とは、バンプ形成面に対して垂直な方向からバンプを見下ろして平面視したときに、バンプ表面上の異なる2点間を直線で結んで得られる線分の最大値を意味する。
なお、本明細書において、「隣り合うバンプ間の距離」とは、隣り合うバンプ同士の表面間の距離の最小値を意味する。
以上により、図3(b)に示すように、半導体ウエハ9のバンプ形成面9aに、第1保護膜形成用シート1の硬化性樹脂フィルム12を貼り合わせる。
次いで、図3(c)に示すように、硬化性樹脂フィルム12から第1基材11及び緩衝層13を剥離させる。
次いで、硬化性樹脂フィルム12を硬化させることにより、図3(d)に示すように、バンプ形成面9aに第1保護膜12’を形成する。
第1保護膜形成用シート2の使用時にも、まず、図4(a)に示すように、第1保護膜形成用シート2を、その硬化性樹脂フィルム12が半導体ウエハ9のバンプ形成面9aに対向するように配置する。
このとき、第1保護膜形成用シート2は、第1保護膜形成用シート1を用いた場合と同様の方法で、半導体ウエハ9に圧着させることができる。
また、第1保護膜形成用シート2を用いていることにより、上記のように、半導体ウエハ9のバンプ形成面9aに硬化性樹脂フィルム12を貼り合わせる過程において、密着層14は、第1基材11及び緩衝層13の剥離を高度に抑制し、第1基材11、密着層14及び緩衝層13の積層構造がより安定して維持される。
次いで、図4(c)に示すように、硬化性樹脂フィルム12から第1基材11、密着層14及び緩衝層13を剥離させる。
次いで、硬化性樹脂フィルム12を硬化させることにより、図4(d)に示すように、バンプ形成面9aに第1保護膜12’を形成する。
・重合体成分
重合体成分(A)−1:下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有するポリビニルブチラール(積水化学工業社製「エスレックBL−10」、重量平均分子量25000、ガラス転移温度59℃)
重合体成分(A)−2:アクリル酸ブチル(以下、「BA」と略記する)(55質量部)、アクリル酸メチル(以下、「MA」と略記する)(10質量部)、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」と略記する)(20質量部)及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(15質量部)を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量800000、ガラス転移温度−28℃)。
エポキシ樹脂(B1)−1:液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL983U」)
エポキシ樹脂(B1)−2:多官能芳香族型エポキシ樹脂(日本化薬社製「EPPN−502H」)
エポキシ樹脂(B1)−3:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON HP−7200」)
・熱硬化剤
熱硬化剤(B2)−1:ノボラック型フェノール樹脂(昭和電工社製「BRG−556」)
・硬化促進剤
硬化促進剤(C)−1:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製「キュアゾール2PHZ−PW」)
・充填材
充填材(D)−1:エポキシ基で修飾された球状シリカ(アドマテックス社製「アドマナノ YA050C−MKK」)
<第1保護膜形成用シートの製造>
(熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物の製造)
重合体成分(A)−1、エポキシ樹脂(B1)−1、エポキシ樹脂(B1)−2、エポキシ樹脂(B1)−3、熱硬化剤(B2)−1、及び硬化促進剤(C)−1を、これらの含有量の割合が表1に示す値となるようにメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物として、固形分濃度が55質量%である樹脂層形成用組成物(III)を得た。なお、表1中の含有成分の欄の「−」との記載は、熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物がその成分を含有していないことを意味する。
小型Tダイ押出機(東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」)を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(東レ社製「ルミラー(登録商標)」、厚さ100μm)に対して、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル社製「エバフレックス(登録商標)EV260」、密度950kg/m3、融点72℃未満、メルトフローレイト(190℃)6g/10分)と、エチレン−α−オレフィンコポリマー(三井化学社製「タフマーDF640」、密度864kg/m3、融点50℃未満、メルトフローレイト(190℃)3.6g/10分、メルトフローレイト(230℃)6.7g/10分)と、を共押出成形することにより、前記PET製フィルムからなる第1基材上に、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる密着層、及びエチレン−α−オレフィンコポリマーからなる緩衝層(厚さ400μm)を、この順に積層した。
次いで、剥離フィルム上の熱硬化性樹脂フィルムと、第1基材上に形成した前記緩衝層とを貼り合わせて、第1基材上に、密着層、緩衝層、熱硬化性樹脂フィルム及び剥離フィルムがこの順に積層されてなる、図2に示す構成の第1保護膜形成用シートを得た。
(緩衝層及び熱硬化性樹脂フィルムのせん断弾性率G’の測定)
緩衝層形成用組成物の塗工量を変更した点以外は、上記と同様の方法で、厚さ1000μmの緩衝層を形成した。次いで、この緩衝層を直径8mmの円板状に裁断して、緩衝層の試験片を得た。
また、熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物の塗工量を変更した点以外は、上記と同様の方法で、厚さ1000μmの熱硬化性樹脂フィルムを形成した。次いで、この熱硬化性樹脂フィルムを直径8mmの円板状に裁断して、熱硬化性樹脂フィルムの試験片を得た。
せん断粘度測定装置の試験片の設置箇所をあらかじめ90℃で保温しておき、この設置箇所へ、上記で得られた緩衝層及び熱硬化性樹脂フィルムの試験片を載置し、試験片の上面に測定治具を押し当てることで、試験片を前記設置箇所に固定して設置した。
次いで、温度90℃、測定周波数1Hzの条件で、発生させたひずみを0.01%〜1000%まで段階的に上昇させ、与えたひずみにおける、前記試験片のせん断弾性率G’を測定した。結果を図5に示す。図5中、「実施例1」と表示している測定値が、熱硬化性樹脂フィルムの試験片についての測定値である。
上記で得られた第1保護膜形成用シートの熱硬化性樹脂フィルムを半導体ウエハのバンプに接触させて、第1保護膜形成用シートを加熱しながら半導体ウエハに圧着させた。半導体ウエハとしては、バンプの高さが210μmであり、バンプの幅が250μmであり、バンプ間の距離が400μmであるものを用いた。また、第1保護膜形成用シートの加熱温度は90℃とし、圧力は0.5MPaとした。これにより、半導体ウエハのバンプ形成面に熱硬化性樹脂フィルムを貼り合わせた。
次いで、熱硬化性樹脂フィルムから第1基材、密着層及び緩衝層を剥離させ、熱硬化性樹脂フィルムを露出させた。
次いで、走査型電子顕微鏡(SEM、キーエンス社製「VE−9700」)を用いて、半導体ウエハのバンプ形成面に対して垂直な方向と60°の角度を為す方向から、半導体ウエハのバンプの表面を観察し、バンプ上部での熱硬化性樹脂フィルムの残存の有無を確認した。結果を表1に示す。
<第1保護膜形成用シートの製造及び評価>
熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物の製造時において、各成分の種類及び含有量の割合のいずれか一方又は両方を、表1に示すとおりとした点、緩衝層の試験片のせん断弾性率G’を測定しなかった点以外は、実施例1と同じ方法で、第1保護膜形成用シートを製造及び評価した。結果を図5及び表1に示す。図5中、「実施例2」、「実施例3」、「比較例1」、「比較例2」と表示している測定値が、それぞれ、これら実施例又は比較例での、熱硬化性樹脂フィルムの試験片についての測定値である。
さらに、実施例1〜2においては、Gc200’及びGc400’も直接測定できなかったが、Gb200’>Gc200’、Gb400’>Gc400’の関係を満たすことも明らかであり、式(w2)及び(w3)の関係も満たしていた。一方、実施例3においては、式(w2)の関係を満たしていたが、式(w3)の関係を満たしていなかった。
さらに、実施例1〜3においては、熱硬化性樹脂フィルムのひずみとせん断弾性率G’(Gc’)との関数(関数Fc)において、せん断弾性率Gc’が一定ではない領域(変動領域Rc)が存在していた。そして、実施例1〜2では、熱硬化性樹脂フィルムの300%というひずみを直接観測できなかったが、実施例3では、熱硬化性樹脂フィルムのひずみが300%であるときのせん断弾性率Gc’が前記領域(変動領域Rc)に含まれていた。
そして、比較例1〜2の第1保護膜形成用シートを用いた場合、半導体ウエハのバンプ上部において、熱硬化性樹脂フィルムが残存していることを確認できた。これら比較例でのSEMの撮像データでは、バンプの上部を含む表面の全域に縞状の模様が存在し、さらにバンプの大きさが見かけ上、実施例の場合よりも明らかに大きくなっていたことから、バンプの表面における、熱硬化性樹脂フィルムの残存を明確に確認できた。SEMの撮像データから、バンプの上部に残存している熱硬化性樹脂フィルムの厚さを算出したところ、比較例1では約9.4μmであり、比較例2では約4.8μmであった。
Claims (6)
- 第1基材と、前記第1基材上に形成された緩衝層と、前記緩衝層上に形成された硬化性樹脂フィルムと、を備え、
前記硬化性樹脂フィルムは、半導体ウエハのバンプを有する表面に貼付し、硬化させることによって、前記表面に第1保護膜を形成するためのものであり、
温度90℃、周波数1Hzの条件で、直径8mm、厚さ1mmの前記緩衝層の試験片にひずみを発生させて、前記緩衝層の試験片のせん断弾性率G’を測定する、ひずみ分散測定を行ったときに、前記緩衝層の試験片のひずみが300%のときの、前記緩衝層の試験片のせん断弾性率がGb300’であり、
温度90℃、周波数1Hzの条件で、直径8mm、厚さ1mmの前記硬化性樹脂フィルムの試験片にひずみを発生させて、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のせん断弾性率G’を測定する、ひずみ分散測定を行ったときに、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のひずみが300%のときの、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のせん断弾性率がGc300’であり、
前記Gb300’と、前記Gc300’とが、
式(w1): Gb300’≧Gc300’
の関係を満たす、第1保護膜形成用シート。 - 前記緩衝層の試験片のひずみが200%のときの、前記緩衝層の試験片のせん断弾性率Gb200’と、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のひずみが200% のときの、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のせん断弾性率Gc200’とが、
式(w2): Gb200’≧Gc200’
の関係を満たす、請求項1に記載の第1保護膜形成用シート。 - 前記緩衝層の試験片のひずみが400%のときの、前記緩衝層の試験片のせん断弾性率Gb400’と、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のひずみが400%のときの、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のせん断弾性率Gc400’とが、
式(w3): Gb400’≧Gc400’
の関係を満たす、請求項1又は2に記載の第1保護膜形成用シート。 - 前記ひずみ分散測定によって得られた、前記緩衝層の試験片のひずみと、前記緩衝層の試験片のせん断弾性率Gb’と、の関数において、前記せん断弾性率Gb’が一定ではない領域が存在し、前記緩衝層の試験片のひずみが300%であるときの前記せん断弾性率Gb’が、前記領域に含まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の第1保護膜形成用シート。
- 前記ひずみ分散測定によって得られた、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のひずみと、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のせん断弾性率Gc’と、の関数において、前記せん断弾性率Gc’が一定ではない領域が存在し、前記硬化性樹脂フィルムの試験片のひずみが300%であるときの前記せん断弾性率Gc’が、前記領域に含まれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の第1保護膜形成用シート。
- 前記硬化性樹脂フィルムが、樹脂成分を含有し、
前記硬化性樹脂フィルムの充填材の含有量が45質量%以下であり、
前記樹脂成分の重量平均分子量が30000以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の第1保護膜形成用シート。
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