JP6344481B2 - 多刃ボールエンドミル - Google Patents

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Description

本発明は、各種の金型に用いられる熱間鍛造鋼等の高硬度の難削材に対して高送りの荒加工を行っても、高品位な加工面を得ることができる多刃ボールエンドミルに関する。
本願は、2014年10月28日に、日本に出願された特願2014−219718号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
自動車工業や電子工業等において各種の部品の製造に用いられる、高硬度の金型を高能率に切削し得る長寿命のボールエンドミルとして、3枚以上のボール刃を有する超硬合金製の多刃ボールエンドミルが広く使用されている。
特許文献1には、ボール刃が第一刃部と第二刃部とから構成され、第一刃部の曲率半径が外径Dに対して0.025D以上かつ0.10D以下となっており、第二刃部の曲率半径が前記第一刃部の曲率半径よりも大きいボールエンドミルが開示されている。しかし、特許文献1のボールエンドミルは各ボール刃間の回転中心近傍におけるギャッシュが小さくなっており、高送りの荒加工時の切り屑詰まりを防止することができない。
特許文献2には、先端に3枚以上のボール刃を有し、軸心部に心残し部を設けたボールエンドミルが開示されている。しかし、特許文献2に記載のボールエンドミルはボール刃の湾曲度が小さいため、高送りの荒加工時の切削抵抗が顕著に増大し、切削性能が低下する虞がある。
特許文献3には、3枚以上のボール刃を有し、回転軸線近傍のチップポケットの不足を解消して切屑詰まりの発生を防止するために、各ボール刃のランドにシンニングを施し、回転中心近傍で各ボール刃を欠落させたボールエンドミルを提案している。しかし、特許文献3に記載のボールエンドミルは回転中心付近で切削加工ができないため、高送りの荒加工では被削材の加工面品位が劣化する可能性が高い。
特許文献4には、ボール刃と外周刃の径方向すくい角が負角であってもよいボールエンドミルが記載されている。しかし、このボールエンドミルはボール刃の湾曲度が小さいため、高送りの荒加工時の切削抵抗が顕著に増大し、切削性能が低下する虞がある。
特許第4407974号公報 特許第3840660号公報 特開2002-187011号公報 特開2006-15419号公報
従って、本発明の目的は、熱間鍛造鋼等の高硬度の難削材を高送り荒加工した場合にも、ボール刃のチッピング及び欠損を効果的に防止できるとともに切屑をスムーズに排出することができる、従来の多刃ボールエンドミルに比べて良好な切削性能を有する3枚刃以上の多刃ボールエンドミルを提供することである。
本発明の多刃ボールエンドミルは、回転軸線を中心として回転するシャンク部と、先端にボール刃部を有する切れ刃部と、前記切れ刃部の前記ボール刃部に形成された3枚以上のボール刃と、前記各ボール刃間に形成された3つ以上のギャッシュと、前記ボール刃の前記シャンク部側端部に連続する3枚以上の外周刃と、前記各ギャッシュと連続して前記各外周刃間に形成された3つ以上の刃溝とを具備する多刃ボールエンドミルであって、前記各ボール刃の湾曲度(前記各ボール刃の凸曲線の頂点から、前記回転軸線と前記切れ刃部との交点である回転中心点と前記各ボール刃の前記シャンク部側終点とを結ぶ線分に降ろした垂線の長さと前記線分との長さとの比)は35〜55%であり、前記各ギャッシュは、前記多刃ボールエンドミルの回転方向に連続する前記各ボール刃のすくい面、ギャッシュ壁面、第一ギャッシュ面、及び第二ギャッシュ面の4面から構成されており、前記各第二ギャッシュ面は前記回転中心点に近づくほど、前記各ボール刃の前記回転方向後方に連続する前記各ボール刃の二番面に入り込むように形成されていることを特徴とする。
かかる構成により、従来の多刃ボールエンドミルに比べて、ボール刃の切削抵抗を低減させ、各ギャッシュに形成されるチップポケットの占有空間を増大させているから、荒加工時の切り屑排出性が顕著に改善される。
本発明の多刃ボールエンドミルを前記先端側から見た場合に、前記回転中心点Oを中心として前記ギャッシュを通る直径0.03D〜0.2D(Dは前記切れ刃部の直径である。)の円Pを描いたとき、前記円Pの円周上において、前記各ボール刃の前記回転方向後方に前記ボール刃の前記二番面と前記第二ギャッシュ面とが順に連続し、前記円Pと、互いに隣接する第一ボール刃及び第二ボール刃との各交点P1、P3がなす円弧P1‐P3の長さと、前記円Pの円周上に位置するとともに前記第一ボール刃の前記二番面と前記第二ギャッシュ面との境界をなす交点P2と前記交点P1とがなす円弧P1‐P2の長さとの比が3.5〜6.0であることが好ましい。
かかる構成により、従来の多刃ボールエンドミルに比べて、回転速度が遅く切削性が悪い回転中心点近傍(回転中心点Oから直径0.03〜0.2Dの円内)において、各ボール刃の二番面の占有面積よりも各ギャッシュの占有面積を増大させてチップポケットの占有空間を増大させているから、荒加工時の切屑排出性が顕著に向上する。
本発明の多刃ボールエンドミルを前記先端側から見た場合に、前記回転中心点Oを中心として前記ギャッシュを通る直径0.4D〜0.6D(Dは前記切れ刃部の直径である。)の円Sを描いたとき、前記円Sの円周上において、前記各ボール刃の前記回転方向後方に前記ボール刃の前記二番面と、前記ボール刃の三番面と、及び前記ギャッシュ壁面とが順に連続し、前記円Sと、互いに隣接する第一ボール刃及び第二ボール刃との各交点S1、S3がなす円弧S1‐S3の長さと、前記円Sの円周上に位置するとともに前記第一ボール刃の前記三番面と前記ギャッシュ壁面との境界をなす交点S2と前記交点S1とがなす円弧S1‐S2の長さとの比が2.1〜3.3であることが好ましい。
かかる構成により、従来の多刃ボールエンドミルに比べて、ボール刃部の中心付近(回転中心点Oから直径0.4〜0.6Dの円内)において、各ボール刃の三番面の幅を十分に確保して剛性を向上させるとともに、各ボール刃の二番面の占有面積よりも各ギャッシュの占有面積を増大させてチップポケットの占有空間を増大させているから、荒加工時の切屑排出性が顕著に向上する。
本発明の多刃ボールエンドミルにおいて、前記回転軸線方向における前記回転中心点から前記シャンク部方向に0.15D(Dは前記切れ刃部の直径)離れた位置において、前記各ボール刃の径方向すくい角は好ましくは−29°〜−11°であり、前記各外周刃のすくい角は好ましくは−9°〜−1°である。
かかる構成により、切れ刃の剛性及び刃先強度が向上する。
本発明の多刃ボールエンドミルは、上記のとおり、従来困難であったHRC40以上の高硬度材の高送り荒加工における良好な切り屑排出性を実現するために、回転中心点近傍及びボール刃部の中心付近におけるギャッシュの占有面積を従来よりも大きくしてチップポケットの占有空間を増大させており、ボール刃の三番面も十分な広さを確保して刃先剛性を高めている。そのため、高送り荒加工時のボール刃の切削負荷の増大が効果的に抑制され、もってチッピング及び折損の発生が抑制されて高品位な加工面を得られる。
本発明の一実施形態に係る三枚刃ボールエンドミルを示す側面図である。 図1の三枚刃ボールエンドミルのボール刃部を先端側から見た図である。 図1の三枚刃ボールエンドミルのボール刃部の回転中心近傍を示す部分拡大図である。 図1の三枚刃ボールエンドミルのボール刃の二番面の幅を説明するための、図3の部分拡大図である。 図1の三枚刃ボールエンドミルの切れ刃部を示す拡大斜視図である。 図1の三枚刃ボールエンドミルの切れ刃部を示す拡大側面図である。 図6の三枚刃ボールエンドミルのI-I断面図である。 図6の三枚刃ボールエンドミルのII-II側面図である。
本発明の多刃ボールエンドミルの一実施形態(以下、本実施形態という)として、超硬合金製のソリッド型3枚刃ボールエンドミルを例にとって、以下詳細に説明する。本実施形態の多刃ボールエンドミルは、回転軸線を中心として回転するシャンク部と、前記シャンク部の前記回転軸線方向先端側に設けられる切れ刃部とを備える。前記切れ刃部は、前記回転軸線回りに回転対称な形状を有し、前記切れ刃部前記回転軸線方向先端に形成されたボール刃部と、前記ボール刃部の前記回転軸線方向後端に連続する外周刃部とを有する。前記ボール刃部は、3枚以上のボール刃と、前記各ボール刃間に形成された前記ボール刃と同数のギャッシュとを有する。前記外周刃部は、前記各ボール刃の前記回転軸線方向後端と連続して前記シャンク部まで螺旋状に延びる前記ボール刃と同数の外周刃と、前記各ギャッシュの前記回転軸線方向後端と連続して前記各外周刃間に形成された前記ボール刃と同数の刃溝とを有する。
本実施形態の多刃ボールエンドミルの切れ刃(ボール刃及び外周刃)の枚数は3〜8枚が好ましい。切れ刃の枚数が、3枚未満では高能率加工が困難であり、8枚超ではボール刃の湾曲度を大きくすることができない虞がある。本実施形態の三枚刃ボールエンドミルに関する以下の説明は、特に断りがなければ他の多刃ボールエンドミルにも適用される。即ち本明細書で使用するパラメータのうち、切れ刃の枚数の相違によるパラメータ以外は全ての多刃ボールエンドミルで共通し、以下の三枚刃ボールエンドミルの欄で記載した定義はそのまま他の枚数の多刃ボールエンドミルにも適用される。
本明細書において用いる用語「高硬度材」は、例えばダイカスト鋼などの熱間鍛造鋼等の40以上のロックウェル硬度HRCを有する金属を意味する。用語「荒加工」は、仕上げ加工の前に行う切削加工であって、切削能率を上げるために切込深さ及び送り量が仕上げ加工よりも大きく設定され、もって切削負荷が仕上げ加工よりも大きい加工を意味する。また用語「高送り加工」は、高能率に切削加工するために送り速度Vf、軸方向切込み量ap及び径方向切込み量aeのいずれか1つ以上を一般的な加工条件よりも大きくした加工を意味する。高硬度材の高送り加工(高送り荒加工)の場合、例えば三枚刃ボールエンドミルでは送り速度Vfを1250 mm/min以上、軸方向切込み量apを0.3 mm以上、径方向切込み量aeを0.9 mm以上にするのが望ましい。
本実施形態の多刃ボールエンドミルはWC基の超硬合金からなるソリッド型のボールエンドミルである。超硬合金からなる多刃ボールエンドミルは、WC(炭化タングステン)粉末にCo(コバルト)粉末を混合した超硬合金粉末を金型で円柱状に成形し、得られた成形体を1300℃程度で焼成した後に、切れ刃部等に所定の仕上げ加工を実施し、さらに、必要に応じて、切れ刃部の表面に耐摩耗性硬質皮膜を被覆することにより製造される。この硬質皮膜は、例えば、TiSiN、TiAlSiN、CrSiN、AlCrSiNなどからなる。具体的には、周期律表4a、5a、6a族金属、Al、Si、及びBの元素から選択される1種以上の元素を含有する窒化物、炭窒化物、及び酸窒化物のいずれかからなる硬質皮膜を3〜5μmの厚さに被覆するのが望ましい。
本発明の一実施形態である三枚刃ボールエンドミル1について、図1〜図8を参照して説明する。図1は、三枚刃ボールエンドミル1の側面図である。図2は三枚刃ボールエンドミル1のボール刃部3aを先端側から見た図(三枚刃ボールエンドミル1の正面図)である。図3はボール刃部3aの回転中心点O近傍を示す図2の拡大図である。図4は図3のボール刃5aの二番面6aの部分拡大図である。図5は切れ刃部3の拡大斜視図である。図6は切れ刃部3の拡大側面図である。また、図7は図6のI-I断面図であり、図8は図6のII-II断面図である。
図1に示すように、三枚刃ボールエンドミル1は、三枚刃ボールエンドミル1(以下、エンドミル本体1ともいう)の先端側(図1の右側)に形成された切れ刃部3と、エンドミル本体1の後端側(図1の左側)に形成されたシャンク部2とから構成される。シャンク部2は、三枚刃ボールエンドミル1の回転軸線Axを中心とする円柱形状である。切れ刃部3はボール刃部3aと外周刃部3bとからなる。ボール刃部3aはエンドミル本体1の先端に位置する。外周刃部3bはボール刃部3aと連続し、シャンク部2の先端部とボール刃部3aの後端部と間に位置する。
図2に示すように、ボール刃部3aは、回転軸線Axに対し120度回転対称な形状を有している。ボール刃部3aには、所定のねじれ角μを有する3枚のボール刃5a、5b、5cが形成されている。ボール刃5a、5b、5cは、ボール刃部3aと外周刃部3bとの境界位置(後述する点T)から、回転中心点Oの近傍まで延在している。回転中心点Oは、回転軸線Axとエンドミル本体1との先端側の交点であり、エンドミル本体1の最先端位置である。
エンドミル本体1の先端側から見た場合(図2)、各ボール刃5a、5b、5cは、エンドミル本体1の回転方向R前方に膨出し、所定の湾曲度を有する円弧形状となっている。すなわち、ボール刃5a、5b、5cは、その後端部Tからその中央近傍まで回転方向R前方に延びると共に、その中央近傍から回転中心点O近傍まで回転方向R後方に延びる。また、ボール刃5a、5b、5cの形状は、その回転軸線Ax周りの回転軌跡が、回転軸線Ax上に中心を有しエンドミル本体1の先端側に凸となる、直径Dの1つの半球をなす形状となっている。以下、この直径Dを、切れ刃部3の直径ともいう。
外周刃部3bは回転軸線Axに対し120度回転対称な形状を有している。外周刃部3bには、それぞれボール刃5a、5b、5cの後端部Tと滑らかに連続し、所定のねじれ角ηを有する螺旋状の外周刃12a、12b、12c(図1では12b、12cのみ見える。)がシャンク部2側(後端側)に向かって延設されている。言い換えると、外周刃12a、12b、12cは、シャンク部2に近づくにつれ回転方向R後方に向かうように、ボール刃5a、5b、5cから螺旋状に延びている。外周刃12a、12b、12cの回転軸線Ax周りの回転軌跡は回転軸線Axを中心とする円筒となる。この円筒の直径は、ボール刃5a、5b、5cの回転軌跡がなす半球の直径Dと等しい。
図2に示すように、3枚のボール刃5a、5b、5c間にはそれぞれギャッシュ4a、4b、4cが形成されている。ギャッシュ4a、4b、4cは、それぞれ各ボール刃5a、5b、5cの回転方向R後方に位置し、ボール刃部3aと外周刃部3bとの境界位置から回転中心点Oの近傍まで延在している。ギャッシュ4a、4b、4cは、その回転方向R後方においてボール刃5b、5c、5aとそれぞれ連続し、その回転方向R前方において後述するボール刃の二番面6a、6b、6c及び三番面7a、7b、7cとそれぞれ連続している。後述するように、ギャッシュ4a、4b、4cは、複数の面で構成され、エンドミル本体1の先端側から見た場合(図2)に略台形となる領域である。
図1に示すように、3枚の外周刃12a、12b、12c間には刃溝20a、20b、20cが形成されている。刃溝20a、20b、20cは、それぞれ各外周刃12a、12b、12cの回転方向R後方に位置する。刃溝20a、20b、20cは、回転方向Rの幅が略一定となるように、外周刃12a、12b、12cに沿って、ギャッシュ4a、4b、4cの後端からシャンク部2まで螺旋状に延びている。図5、6、8に示すように、刃溝20a、20b、20cは、その回転方向R前方において、後述する外周刃の三番面14a、14b、14cと連続する。刃溝20a、20b、20cは、その回転方向R後方において、後述する外周刃のすくい面16a、16b、16cと連続している。回転軸線Axに垂直な断面(図8)において、刃溝20a、20b、20cはエンドミル本体1の外方に膨出する円弧状となる。
図3〜7に示すように、各ボール刃5a、5b、5cの回転方向R前方に、すくい面15a、15b、15c(図5、図6では15a、15bのみ見える。)が形成されている。すくい面15a、15b、15cは、各ボール刃5a、5b、5cとそれぞれ連続する。また、各ボール刃5a、5b、5cの回転方向R後方には、ボール刃の二番面6a、6b、6cが形成されている。二番面6a、6b、6cは、各ボール刃5a、5b、5cとそれぞれ連続する。すなわち、ボール刃5a、5b、5cはすくい面15a、15b、15cと二番面6a、6b、6cとの交差稜線部に形成されている。また、二番面6a、6b、6cは、それぞれボール刃5a、5b、5cの第一逃げ面として機能する。
図7に示すように、すくい面15a、15b、15cは、各ボール刃5a、5b、5cが所定の負のすくい角δを有するように形成され、回転方向R前方を向く。図5、6に示すように、すくい面15a、15b、15cは、回転中心点Oの近傍からボール刃5a、5b、5cの後端部Tまで、ボール刃5a、5b、5cに沿って延びる。すくい面15a、15b、15cの後端は、後述する外周刃12a、12b、12cのすくい面16a、16b、16cと連続する。すくい面15a、15b、15cの回転方向Rの幅は、すくい面15a、15b、15cの先端部および後端部においては略ゼロとなり、その回転軸線Ax方向中央近傍で最大となるように滑らかに変化する。回転軸線Axに垂直な断面(図7)において、すくい面15a、15b、15cは、回転方向R前方に膨出する、所定の湾曲度を有する曲面となっている。
図5、6に示すように、二番面6a、6b、6cは、回転中心点Oの近傍からボール刃5a、5b、5cの後端部Tの近傍まで、ボール刃5a、5b、5cに沿って延びる。二番面6a、6b、6cは、その後端において、後述する外周刃の二番面13a、13b、13c、及び三番面14a、14b、14cと連続する。回転方向Rにおける二番面6a、6b、6cの幅は、後述する点V1、V2、V3よりも後端側において略一定となっており、点V1、V2、V3より先端側において徐々に小さくなり、その先端である点Y1、Y2、Y3においてゼロとなる。図7に示すように、二番面6a、6b、6cは、ボール刃5a、5b、5cが所定の逃げ角αを有するように形成される。回転軸線Axに垂直な断面(図7)において、二番面6a、6b、6cは直線となる。
図2〜5に示すように、回転中心点O近傍から二番面6a、6b、6cの後端にかけて、二番面6a、6b、6cの回転方向R後方に、第二ギャッシュ面9a、9b、9cと、ギャッシュ壁面10a、10b、10cと、ボール刃の三番面7a、7b、7cとが、径方向(回転軸線Axを通り回転軸線Axに直交する方向)内方から順に二番面6a、6b、6cにそれぞれ接続されている。
第二ギャッシュ面9a、9b、9cの先端は、その回転方向R前方において、二番面6a、6b、6cの先端と連続する。第二ギャッシュ面9a、9b、9cと二番面6a、6b、6cとの境界線は、図3における線X1‐Y1、X2‐Y2、X3‐Y3である。第二ギャッシュ面9a、9b、9cは、それぞれ境界線X1‐Y1、X2‐Y2、X3‐Y3から外周刃部3bに向かって延びる。なお、点Y1、Y2、Y3は、ボール刃の二番面6a、6b、6cと、第二ギャッシュ面9a、9b、9cと、後述する第一ギャッシュ面8a、8b、8cと、後述する心残し部11との境界となる点(四重点)である。点X1、X2、X3は、ボール刃の二番面6a、6b、6cと、ギャッシュ壁面10a、10b、10cと、第二ギャッシュ面9a、9b、9cとの境界となる点(三重点)である。
第二ギャッシュ面9a、9b、9cは、その回転方向R前方、及び点X1、X2、X3よりも径方向外方において、ギャッシュ壁面10a、10b、10cと連続する。図3、7に示すように、点X1、X2、X3から外周刃部3bに向かって延びる境界線J1、J2、J3において、第二ギャッシュ面9a、9b、9cとギャッシュ壁面10a、10b、10cとが接続される。また、第二ギャッシュ面9a、9b、9cは、その回転方向R後方において後述する第一ギャッシュ面8a、8b、8cと連続する。第二ギャッシュ面9a、9b、9cと第一ギャッシュ面8a、8b、8cとの境界線K1、K2、K3は、それぞれ点Y1、Y2、Y3から外周刃部3bに向かって延びる。第二ギャッシュ面9a、9b、9cの後端近傍において、境界線K1、K2、K3は第一ギャッシュ面8a、8b、8cとギャッシュ壁面10a、10b、10cとの境界線となる。第二ギャッシュ面9a、9b、9cの回転方向R後方の辺は、第二ギャッシュ面9a、9b、9cの後端近傍において、境界線K1、K2、K3から回転方向R前方に分岐し、ギャッシュ壁面10a、10b、10c内で境界線J1、J2、J3と交わる。すなわち、第二ギャッシュ面9a、9b、9cは、境界線X1‐Y1、X2‐Y2、X3‐Y3を底辺とし、ギャッシュ壁面10a、10b、10c内に頂点を有する略三角形となっている。
ギャッシュ壁面10a、10b、10cの先端は、その回転方向R前方において、二番面6a、6b、6cと連続する。ギャッシュ壁面10a、10b、10cと二番面6a、6b、6cとは、点X1、X2、X3に対し後端側、即ち境界線X1‐V1、X2‐V2、X3‐V3で接続される。ギャッシュ壁面10a、10b、10cは、それぞれ境界線X1‐V1、X2‐V2、X3‐V3からエンドミル本体1の後端側に延在する。なお、点V1、V2、V3は、ボール刃の二番面6a、6b、6cと、ボール刃の三番面7a、7b、7cと、ギャッシュ壁面10a、10b、10cとの境界となる点(三重点)である。
ギャッシュ壁面10a、10b、10cは、その回転方向R前方、且つ点V1、V2、V3より後端側において、三番面7a、7b、7cと連続する。ギャッシュ壁面10a、10b、10cと三番面7a、7b、7cとの境界線は、点V1、V2、V3から外周刃部3bに向かって延びる円弧状の曲線となっている。ギャッシュ壁面10a、10b、10cは、その回転方向R後方において後述する第一ギャッシュ面8a、8b、8cと連続する。第一ギャッシュ面8a、8b、8cとギャッシュ壁面10a、10b、10cとは、境界線K1、K2、K3で接続される。図2に示すように、エンドミル本体1の先端から見た場合、ギャッシュ壁面10a、10b、10cは、ボール刃の二番面6a、6b、6cと、三番面7a、7b、7cと、第一ギャッシュ面8a、8b、8cとで囲まれ、第二ギャッシュ面9a、9b、9cを包囲するように形成されている。
回転中心点O近傍から外径側にやや離れたボール刃部3aの中心付近(図2、図3)において、ボール刃の二番面6a、6b、6cの回転方向R後方にはボール刃の三番面7a、7b、7cが形成される。三番面7a、7b、7cと二番面6a、6b、6cとは、点V1、V2、V3から外周刃部3bに向かって延びる境界線で接続される。三番面7a、7b、7cは、点V1、V2、V3から、その回転方向Rの幅が、所定の大きさとなるまで漸次的に大きくなるように、外周刃部3bに向かって延びる。三番面7a、7b、7cの後端は、後述する外周刃の三番面14a、14b、14c及び刃溝20a、20b、20cと接続される。
図7に示すように、三番面7a、7b、7cはボール刃5a、5b、5cの第二逃げ面となる面である。三番面7a、7b、7cは、二番面6a、6b、6cのなす逃げ角αよりも大きい逃げ角を有するように、二番面6a、6b、6cに対し径方向内方に傾斜した面となっている。回転軸線Axに垂直な断面(図7)において、三番面7a、7b、7cは直線となる。
上述のように、ボール刃の三番面7a、7b、7cの回転方向R後方にはギャッシュ壁面10a、10b、10cが形成されている。図7に示すように、ギャッシュ壁面10a、10b、10cは、三番面7a、7b、7cに対し径方向内方に傾斜しており、回転方向R後方を向いている。回転軸線Axに垂直な断面(図7)において、ギャッシュ壁面10a、10b、10cは直線となる。
各ボール刃のすくい面15a、15b、15cの回転方向R前方には、それぞれ第一ギャッシュ面8c、8a、8bが形成されている。図3、7に示すように、第一ギャッシュ面8a、8b、8cとすくい面15b、15c、15aとは、回転中心点O近傍から外周刃部3bに向かって延びる境界線L1、L2、L3において接続される。第一ギャッシュ面8a、8b、8cの先端側部分は、その回転方向R前方において、第二ギャッシュ面9a、9b、9cと連続する。第一ギャッシュ面8a、8b、8cと第二ギャッシュ面9a、9b、9cとは、回転中心点O近傍から外周刃部3bに向かって延びる境界線K1、K2、K3において接続される。第一ギャッシュ面8a、8b、8cは、その回転方向Rの幅が漸次的に大きくなるように、回転中心点Oから外周刃部3bに向かって延びており、エンドミル本体1の先端側から見た場合(図2)、略三角形となっている。
図7に示すように、回転軸線Axに垂直な断面において、境界線K1、K2、K3は、境界線J1、J2、J3と境界線L1、L2、L3とを繋ぐ直線上に位置する。当該断面において、第二ギャッシュ面9a、9b、9cは直線であり、第一ギャッシュ面8a、8b、8cは回転軸線Ax側に僅かに後退する凹状の円弧となっている。
ギャッシュ4a、4b、4cは、それぞれ、上述した、各ボール刃5b、5c、5aの回転方向R前方に位置し、回転方向Rに連続するボール刃のすくい面15b、15c、15aと、第一ギャッシュ面8a、8b、8cと、第二ギャッシュ面9a、9b、9cと、ギャッシュ壁面10a、10b、10cとの4つの面で構成される。
図1、6、8に示すように、各外周刃12a、12b、12cの回転方向R前方には外周刃のすくい面16a、16b、16cがそれぞれ形成されている。すくい面16a、16b、16cは、外周刃12a、12b、12cとそれぞれ連続している。各外周刃12a、12b、12cの回転方向R後方に外周刃の二番面13a、13b、13cがそれぞれ形成されている。二番面13a、13b、13cは、外周刃12a、12b、12cとそれぞれ連続している。すなわち、外周刃12a、12b、12cは、すくい面16a、16b、16cと二番面13a、13b、13cとの交差稜線部に形成されている。また、二番面13a、13b、13cは、それぞれ外周刃12a、12b、12cの第一逃げ面として機能する。
すくい面16a、16b、16cは、回転方向Rの寸法が略一定となるように、外周刃12a、12b、12cに沿って、ボール刃5a、5b、5cの後端部Tからシャンク部2まで螺旋状に延びている。また、すくい面16a、16b、16cの先端は、ボール刃5a、5b、5cのすくい面15a、15b、15cの後端と連続している。図8に示すように、すくい面16a、16b、16cは、各外周刃12a、12b、12cが所定の負のすくい角εを有するように形成され、回転方向R前方を向く。回転軸線Axに垂直な断面(図8)において、すくい面16a、16b、16cは、外周刃12a、12b、12cと連続する直線と、当該直線と刃溝20c、20a、20bとを滑らかに接続する径方向内方に凹む曲線とからなる。
外周刃の二番面13a、13b、13cは、回転方向Rの寸法が略一定となるように、外周刃12a、12b、12cに沿って、ボール刃5a、5b、5cの後端部Tからシャンク部2まで螺旋状に延びている。また、二番面13a、13b、13cの先端は、ボール刃5a、5b、5cの二番面6a、6b、6cの後端と連続している。二番面13a、13b、13cの回転方向R後方には、外周刃の三番面14a、14b、14cがそれぞれ形成されている。三番面14a、14b、14cは、二番面13a、13b、13cとそれぞれ連続している。三番面14a、14b、14cは、回転方向Rの寸法が略一定となるように、二番面13a、13b、13cに沿って、ボール刃5a、5b、5cの後端部Tからシャンク部2まで螺旋状に延びている。また、三番面14a、14b、14cの先端は、ボール刃5a、5b、5cの二番面6a、6b、6cの後端及び三番面7a、7b、7cの後端と連続している。
図8に示すように、外周刃の二番面13a、13b、13cは、各外周刃12a、12b、12cが所定の逃げ角βを有するように形成される。回転軸線Axに垂直な断面(図8)において、二番面13a、13b、13cは直線となる。三番面14a、14b、14cは外周刃12a、12b、12cの第二逃げ面となる面である。三番面14a、14b、14cは、二番面13a、13b、13cのなす逃げ角βよりも大きい逃げ角を有するように、二番面13a、13b、13cに対し径方向内方に傾斜した面となっている。また、回転軸線Axに垂直な断面(図8)において、三番面14a、14b、14cは、エンドミル本体1の外方に膨出する円弧となっており、その一端は二番面13a、13b、13cと滑らか連続し、他端は刃溝20a、20b、20cと連続している。
上述のように、本実施形態の三枚刃ボールエンドミル1では、各ギャッシュ4a、4b、4cが、各ボール刃のすくい面15b、15c、15a、各ギャッシュ壁面10a、10b、10c、第一ギャッシュ面8a、8b、8c、及び第二ギャッシュ面9a、9b、9cの連続する4面からなる略台形の切り屑排出領域となっている。そして、各ギャッシュ4a、4b、4cは、回転中心点O近傍からボール刃部3aと外周刃部3bとの境界部まで、ボール刃部3aに形成されている。この点が本実施形態の三枚刃ボールエンドミル1の特徴である。この特徴について、ギャッシュ4aを例に挙げて、より詳細に説明する。
ギャッシュ4aは、ギャッシュ壁面10aと、第二ギャッシュ面9aと、第一ギャッシュ面8aと、すくい面15bとからなる。ギャッシュ4aは、その回転方向R前方において、ボール刃5aの逃げ面である二番面6a及び三番面7aと連続している。図3に示すように、ボール刃5aの逃げ面とギャッシュ4aとの境界線のうち回転中心点O近傍まで延びる境界線、すなわち、二番面6aとギャッシュ4aとの境界線V1‐X1‐Y1は、点V1と回転中心点Oとを結ぶ直線よりも回転方向R前方に膨出する曲線となっている。言い換えると、第二ギャッシュ面9aと二番面6aとの境界線V1‐X1‐Y1は、二番面6aと三番面7aとの境界線よりも回転方向R前方に位置している。
境界線V1‐X1‐Y1を構成する境界線X1‐V1は、点V1から回転中心点Oに向かう方向よりも回転方向R前方に向かって、点V1から点X1まで延びる略直線である。境界線X1‐Y1は、点Y1から径方向外方(回転中心点Oから点Y1に向かう方向)に延びる直線と、この直線と境界線X1‐V1とを滑らかに接続する曲線からなる。境界線X1‐V1と境界線X1‐Y1とは点X1において滑らかに接続されている。
このように、ボール刃の二番面6a上の回転中心点Oに最も近い点Y1よりも回転方向R後方が第二ギャッシュ面9aとなっている。言い換えると、第二ギャッシュ面9aの一辺が、ボール刃の二番面6a上の回転中心点Oに最も近い点Y1から略径方向に延びる線X1‐Y1となっている。また、ギャッシュ4b、4cにおいても同様の構成となっている。
このような特徴により、回転中心点Oに近づくほど各第二ギャッシュ面9a、9b、9cが各ボール刃の二番面6a、6b、6cに入り込むように形成される。そのため、切屑が詰まりやすい回転中心点O近傍において、従来の多刃ボールエンドミルよりも広い切屑排出領域を確保することができ、もって良好な荒加工の切削性能を得られる。
各第二ギャッシュ面9a、9b、9cの形状は特に限定されないが、上述のように回転中心点O側から外径側に向かうにつれて徐々に円周方向(回転方向R)の幅が狭くなるような略三角形の形状とすることが好ましい。これにより、回転中心点O近傍では切り屑排出領域を広く確保できるとともに、外径側に向かうにつれて各第二ギャッシュ面9a、9b、9cの円周方向の幅が狭くなる分、各ボール刃の三番面7a、7b、7cの円周方向の幅を大きくできる。このため、各ボール刃5a、5b、5cの剛性が向上し、高硬度材の高送り荒加工時のチッピング等の発生が抑制される。
図3に示すように、回転中心点O近傍に心残し部11を設けることが好ましい。心残し部11は、第一ギャッシュ面8a、8b、8cと、ボール刃の二番面6a、6b、6cと、すくい面15a、15b、15cとに囲まれる。第一ギャッシュ面8a、8b、8cと心残し部11との境界線は、回転中心点Oを中心とする内接円Wに外接する、回転中心点Oに向かって凸となる円弧状の曲線である。
心残し部11と二番面6a、6b、6cとの境界線25a、25b、25cは、それぞれ、回転中心点Oから離れるように、点Y1、Y2、Y3からボール刃5a、5b、5cまで回転方向R前方に延びる直線である。心残し部11とすくい面15a、15b、15cとの境界線は、第一ギャッシュ面8a、8b、8cと心残し部11との境界線の一端と境界線25a、25b、25cの一端とを接続する曲線である。
心残し部11を設けることにより、ボール刃部3aの先端部の強度が向上する。心残し部11の内接円Wの直径は、好ましくは0.01〜0.30 mmであり、より好ましくは0.02〜0.25 mmである。Wの直径が0.01 mm未満では心残し部11の剛性不足となる場合があり、0.30 mm超では各ボール刃5a、5b、5cの切削性能が悪くなる場合があり、良好な加工面品位が得られない虞がある。
図3に示すように、点X1はボール刃の二番面6aとギャッシュ壁面10aと第二ギャッシュ面9aとの境界点(三重点)である。回転中心点Oと境界点X1との距離Hは、好ましくは0.03D〜0.20Dであり、より好ましくは0.04D〜0.12Dである。距離Hが0.03D未満では回転中心点O付近の切屑排出領域が狭くなる、すなわち、ギャッシュ4aの回転中心点O付近の大きさが小さくなる場合がある。そのため、切屑詰まりによるチッピングが発生する虞がある。距離Hが0.20D超では回転中心点O付近の各ボール刃の刃厚が薄くなる場合があるため、剛性不足によるチッピング及び欠損が発生する虞がある。同様のことが点X2、X3についても言える。すなわち、点X2と回転中心点Oとの距離、及び点X3と回転中心点Oとの距離は0.03D〜0.20Dが好ましく、0.04D〜0.12Dがより好ましい。
図3に示すように、本実施形態の三枚刃ボールエンドミル1をボール刃部3aの先端側から見た場合に、回転中心点Oから各ギャッシュ4a、4b、4cを通る直径0.03D〜0.2Dの仮想円Pを描いたとき、円Pと、隣接する2つのボール刃5a、5bとが、点P1、P3で交わる。交点P1から回転方向R後方側に順次ボール刃5aの二番面6aと第二ギャッシュ面9aとが配置され、これらが隣接して境界線X1‐Y1を形成している。前記境界線X1‐Y1と円Pとは点P2で交わる。このように、点P2は点X1と点Y1との間に存在する。交点P1と交点P3とがなす円弧P1‐P3の長さと、交点P1と交点P2とがなす円弧P1‐P2の長さとの比(円弧P1‐P3の長さ/円弧P1‐P2の長さ)は、好ましくは3.5〜6.0であり、より好ましくは4.0〜5.5である。前記比率が大きいほど図3の回転中心点O近傍の円周方向(回転方向R)におけるギャッシュ4aの占有面積(チップポケットの占有空間)が大きくなり、回転中心点O近傍の切り屑排出性が向上する。前記比率が、3.5未満では切屑排出領域が狭くなる場合があり、切屑詰まりによるチッピングが発生する虞がある。前記比率が6.0超ではボール刃5aの刃厚が薄くなる場合があるため、剛性不足によるチッピング及び欠損が発生する虞がある。同様のことが、隣接する2つのボール刃5b、5c、及び隣接する2つのボール刃5c、5aについても言える。なお、上記の比率は、回転中心点Oを中心とする直径0.03Dの円と直径0.2Dの円とで囲まれる領域の少なくとも一部において、上記範囲を満たすことが好ましく、この領域の全体において上記範囲を満たすことがより好ましい。
図3、図4において、点X1は、第二ギャッシュ面9aとギャッシュ壁面10aとボール刃の二番面6aとの境界点(三重点)である。点X1’は、回転中心点Oを中心とし、境界点X1を通る仮想円Xを描いたときの、円Xとボール刃5aとの交点である。点V1は、ギャッシュ壁面10aとボール刃の二番面6aとボール刃の三番面7aとが交わる境界点(三重点)である。点V1’は、回転中心点Oを中心とし、境界点V1を通る仮想円Vを描いたときの、円Vとボール刃5aとの交点である。ボール刃5aの三番面7aに隣接するボール刃5aの二番面6aの幅V1-V1’(点V1と点V1’との距離dV)と、第二ギャッシュ面9aに隣接するボール刃5aの二番面6aの幅X1-X1’(点X1と点X1’との距離dX)との比(dV/dX)は、好ましくは1.1〜4.5であり、より好ましくは1.2〜4.0である。前記比率が大きいほど、回転中心点O近傍とボール刃部3aの中間付近との間の円周方向におけるギャッシュ4aの占有面積(チップポケットの占有空間)が大きくなり、切り屑排出性が向上する。前記比率が、1.1未満の場合は回転中心点O近傍の切り屑の排出性が劣化する虞があり、4.5超の場合は回転中心点O近傍のボール刃5aの剛性不足によるチッピングが発生する虞がある。前記比率は他のボール刃5b、5cにも同様に適用される。
図2において、回転中心点Oから前記ギャッシュ4a、4b、4cを通る直径0.4D〜0.6D(Dは前記切れ刃部の直径である。)の仮想円Sを描いたとき、円Sと、隣接する2つのボール刃5a、5bとは、点S1、点S3で交わる。なお、図2では円Sを直径0.5Dの円としている。点S1から回転方向R後方側に順次ボール刃5aの二番面6aとボール刃5aの三番面7aとギャッシュ壁面10aとが配置され、互いに隣接している。ボール刃5aの三番面7aとギャッシュ壁面10aとの境界線と円Sとは点S2で交わる。円弧S1‐S3の長さと、円弧S1‐S2の長さとの比(円弧S1‐S3の長さ/円弧S1‐S2の長さ)は、好ましくは2.1〜3.3であり、より好ましくは2.2〜3.1である。前記比率が大きいほど、ボール刃部3aの中間付近(回転軸線Ax方向における中央部近傍)の円周方向(回転方向R)におけるギャッシュ4aの占有面積(チップポケットの占有空間)が大きくなるので、切り屑排出性が向上し、ボール刃部3aの中心付近の三番面7aも広く形成できる。そのため、刃先剛性を高めることができる。前記比率が、2.1未満では切り屑の排出性が劣化する虞があり、3.3超ではボール刃の剛性不足によるチッピングが発生する虞がある。上記比率は、隣接する2つのボール刃5b、5c、及び隣接する2つのボール刃5c、5aにも同様に適用される。なお、上記の比率は、回転中心点Oを中心とする直径0.4Dの円と直径0.6Dの円とで囲まれる領域の少なくとも一部において、上記範囲を満たすことが好ましく、この領域の全体において上記範囲を満たすことがより好ましい。
図2において、回転中心点Oとボール刃5bの終点Tとを結ぶ線分O-T上に、ボール刃5bの凸曲面(凸曲線、円弧)上の頂点(線分O-Tからの距離が最長となる凸曲線上の点)U1から線分O-Tに向かって垂線を引き、前記垂線と線分O-T上との交点をU2とする。線分U1-U2の長さと線分O-Tの長さとの比(線分U1-U2の長さ/線分O-Tの長さ×100%)をボール刃5bの湾曲度とする。前記湾曲度は、35〜55%であり、好ましくは40〜50%である。湾曲度が、35%未満ではチップポケットが過小になり、55%を超えるとボール刃の剛性が不足する。ボール刃5bの終点Tとは、ボール刃5bと外周刃12bとの交点であり、本実施形態では図2、図3の場合はボール刃部3aの先端(回転中心点O)から前記終点Tまでの回転軸線Ax方向の長さが0.5Dに設定されているが、設計仕様により適宜変更され得る。上記湾曲度の規定は他のボール刃5a、5cにも同様に適用される。
本実施形態の三枚刃ボールエンドミル1において、高硬度の難削材に対して高送りの荒加工を行ってもチッピング及び欠損を少なくし、長寿命とするために、各外周刃12a〜12cが35〜45°のねじれ角η(例えばη=40°)を有するとともに、各ボール刃5a〜5cのねじれ角μが前記ねじれ角η(例えばμ=36°)に対してη−μ≦7°の関係を満たし、もって両者がなめらかに連結しているのが好ましい。ここで、各ボール刃の「ねじれ角μ」は、特に断りがなければ各ボール刃5a、5b、5cの終点(図1、図2におけるT)からエンドミル本体1の回転軸線Axに沿ってボール刃部3aの先端方向に0.02Dの範囲内で測定したねじれ角である。
本実施形態の三枚刃ボールエンドミル1において、外周刃12a〜12cの切削性能を向上させるとともに、剛性を高めて高硬度の難削材の高送り荒加工における側面切削時のチッピングを抑えるために、各外周刃12a〜12cのねじれ角ηは、好ましくは35〜45°の範囲内とし、より好ましくは37〜43°の範囲内にする。図1に示すように、ねじれ角ηは各外周刃12a〜12cと回転軸線Axとがなす角度である。外周刃12a〜12cのねじれ角ηが35°未満であると、各外周刃にかかる抵抗が大きくなる場合があるため、チッピングが起こるおそれがある。一方、ねじれ角ηが45°より大きいと、被削材にかかる負荷増大によるビビリ振動が発生し、加工面品位の低下を招く虞がある。
図1に示すように、各ボール刃5a〜5cのねじれ角μは各外周刃12a〜12cのねじれ角ηに対してη−μ≦7°の関係を満たすことが好ましい。η−μ>7°であると、各外周刃12a〜12cと各ボール刃5a〜5cとの連結点T(ボール刃の終点且つ外周刃の始点)で切れ刃は大きく曲がり、チッピングや欠損の原因となる場合がある。η−μ≦6°がより好ましく、η−μ≦5°が特に好ましい。なお、ねじれ角の差η−μの下限値は0°が好ましい。
図7に示すI-I断面(ボール刃部3aの先端(回転中心点O)から回転軸線Ax方向に0.15Dだけ離隔した位置での断面)に示すように、各ボール刃5a〜5cのすくい面15a〜15cは回転方向R前方に凸の曲面状であるのが好ましい。各すくい面15a〜15cの凸曲面の湾曲度は、凸曲面の両端(すくい面15a〜15cの径方向外方端と内方端)を結ぶ線分の長さgに対する凸曲面の頂点(当該線分との距離が最大となる凸曲面(図7においては凸曲線)上の点)から前記線分に降ろした垂線の長さhの比h/gにより表される(図7では、すくい面15cについてのみg、hを図示している)。各すくい面15a〜15cの凸曲面の湾曲度h/gは1〜10%(例えば3%)が好ましい。湾曲度h/gが、1%未満ではボール刃部3aの剛性及び刃先強度が不足する場合があり、10%超では切削性が落ちるため溶着による欠けが発生し易くなる虞がある。湾曲度h/gのより好ましい範囲は1〜8%である。
図7において、各ボール刃5a〜5cの径方向すくい角δ(図7 ではボール刃5aのすくい角δのみ示す。)は、好ましくは−29〜−11°(例えばδ=−19°)であり、より好ましくは−26〜−14°である。各ボール刃5a〜5cの径方向すくい角が、−29°未満では各ボール刃5a〜5cの切削性能が不十分となる場合があり、−11°超では各ボール刃5a〜5cの剛性及び刃先強度が低くなる場合がある。いずれの場合も高硬度材の安定切削が困難となる虞がある。なお、ボール刃5aの径方向すくい角δとは、図7に示す断面図において、ボール刃5aにおけるすくい面15aの接線と、回転軸線Axとボール刃5aとを通る直線とのなす角である。ボール刃5b、5cの径方向すくい角についても同様である。
図7において、各ボール刃5a〜5cの逃げ角α(図7ではボール刃5aの逃げ角αのみ示す。)は、好ましくは6〜23°(例えばα=12°)であり、より好ましくは8〜21°である。逃げ角が6°未満であると切削抵抗が高くなる場合があり、高能率な切削においてビビリ振動が生じやすくなる虞がある。一方、逃げ角が23°超であると切削抵抗は低減するが、各ボール刃5a〜5cの剛性が低下する場合があり、高能率な切削でチッピング及び欠損が生じやすくなる虞がある。なお、ボール刃5aの逃げ角αとは、図7に示す断面図において、ボール刃5aと回転軸線Axとを通る直線と、ボール刃5aの二番面6aとのなす角である。ボール刃5b、5cの逃げ角についても同様である。
図8に示すII-II断面(ボール刃部3aの先端(回転中心点O)から回転軸線Ax方向に0.75Dだけ離隔した位置での断面)より、各外周刃12a〜12cの径方向すくい角ε(図8では外周刃12aのすくい角εのみ示す。)は、好ましくは−9〜−1°(例えばε=−5°)であり、より好ましくは−7〜−3°である。各外周刃12a〜12cの径方向すくい角が−9°未満では各外周刃12a〜12cの切削性能が不十分となる場合があり、また−3°超では各外周刃12a〜12cの剛性及び刃先強度が低くなる場合がある。いずれの場合も高硬度材の安定切削が困難となる虞がある。なお、外周刃12aのすくい角εとは、図8に示す断面図において、外周刃12aにおけるすくい面16aの接線と、回転軸線Axと外周刃12aとを通る直線とのなす角である。外周刃12b、12cのすくい角についても同様である。
図8において、各外周刃12a〜12cの逃げ角β(図8 では外周刃12aの逃げ角βのみ示す。)も、好ましくは6〜23°(例えばβ=11°)であり、より好ましくは8〜21°である。逃げ角が6°未満であると切削抵抗が高くなる場合があり、高能率な切削においてビビリ振動が生じやすくなる虞がある。一方、逃げ角が23°超であると切削抵抗は低減するが、各外周刃12a〜12cの剛性が低下する場合があるため、高能率な切削でチッピング及び欠損が生じやすくなる虞がある。なお、外周刃12a〜12cの逃げ角αとは、図8に示す断面図において、外周刃12a〜12cとその二番面13a、13b、13cとのなす角である。
以上、本発明の実施形態である多刃ボールエンドミルについて説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では三枚刃ボールエンドミルについて説明したが、これに限定されない。例えば刃数を四枚刃、五枚刃または六枚刃等に変更した以外、ギャッシュの構成等を上記実施形態の三枚刃ボールエンドミルと同一構成とした多刃ボールエンドミルも、本発明の効果を奏する。
本発明に係る多刃ボールエンドミルによれば、切削抵抗の低減と荒加工時の切り屑排出性の向上を同時に達成できる。そのため、各種の金型に用いられる熱間鍛造鋼等の高硬度の被削材に対して高送り荒加工を行った場合でも、高品位な加工面を得ることができる。
1:三枚刃ボールエンドミル(エンドミル本体)
2:シャンク部
3:切れ刃部
3a:ボール刃部
3b:外周刃部
4a、4b、4c:ギャッシュ
5a、5b、5c:ボール刃
6a、6b、6c:ボール刃の二番面
7a、7b、7c:ボール刃の三番面
8a、8b、8c:第一ギャッシュ面
9a、9b、9c:第二ギャッシュ面
10a、10b、10c:ギャッシュ壁面
11:心残し部
12a、12b、12c:外周刃
13a、13b、13c:外周刃の二番面
14a、14b、14c:外周刃の三番面
15a、15b、15c:ボール刃のすくい面
16a、16b、16c:外周刃のすくい面
20a、20b、20c:刃溝
25a、25b、25c:心残し部とボール刃の逃げ面(二番面)との境界線
Ax:回転軸線
D:切れ刃部の直径
H:回転中心点と境界点X1との距離
J1、J2、J3:ギャッシュ壁面と第二ギャッシュ面との境界線
K1、K2、K3:第一ギャッシュ面と第二ギャッシュ面との境界線
L1、L2、L3:第一ギャッシュ面とボール刃のすくい面との境界線
O:回転中心点
P:仮想円
P1、P3:隣接する2つのボール刃と円Pとの交点
P2:ボール刃の二番面と第二ギャッシュ面とがなす境界線と円Pとの交点
R:回転方向
S:工具径(切れ刃部の直径D)の50%の長さを直径とする仮想円
S1、S3:隣接する2つのボール刃と仮想円Sとの交点
S2:ボール刃の三番面とギャッシュ壁とがなす境界線と仮想円Sとの交点
T:ボール刃の終点
U1:ボール刃の凸曲面の頂点
U2:ボール刃の凸曲面の頂点から線分O‐Tに降ろした垂線の終点
V:点V1、V2、V3を通る仮想円
V1、V2、V3:ボール刃の二番面とボール刃の三番面とギャッシュ壁面との境界点(三重点)
X:点X1、X2、X3を通る仮想円
X1、X2、X3:ボール刃の二番面とギャッシュ壁面と第二ギャッシュ面との境界点(三重点)
Y1、Y2、Y3:ボール刃の二番面と第二ギャッシュ面と第一ギャッシュ面と心残し部との境界点(四重点)
W:心残し部の内接円
g:凸曲面の長さ
h:凸曲面の高さ
α:ボール刃の逃げ角
β:外周刃の逃げ角
δ:ボール刃の径方向すくい角
ε:外周刃の径方向すくい角

Claims (4)

  1. 回転軸線を中心として回転するシャンク部と、
    先端にボール刃部を有する切れ刃部と、
    前記切れ刃部の前記ボール刃部に形成された3枚以上のボール刃と、
    前記各ボール刃間に形成された3つ以上のギャッシュと、
    前記ボール刃の前記シャンク部側端部に連続する3枚以上の外周刃と、
    前記各ギャッシュと連続して前記各外周刃間に形成された3つ以上の刃溝とを具備する多刃ボールエンドミルであって、
    前記各ボール刃の凸曲線の頂点から、前記回転軸線と前記切れ刃部との交点である回転中心点と前記各ボール刃の前記シャンク部側終点とを結ぶ線分に降ろした垂線の長さと前記線分の長さとの比として規定される前記各ボール刃の湾曲度は35〜55%であり、
    前記各ギャッシュは、前記多刃ボールエンドミルの回転方向に連続する前記各ボール刃のすくい面、ギャッシュ壁面、第一ギャッシュ面、及び第二ギャッシュ面の4面から構成されており、
    前記各第二ギャッシュ面は前記回転中心点に近づくほど、前記各ボール刃の前記回転方向後方に連続する前記各ボール刃の二番面に入り込むように形成されていることを特徴とする多刃ボールエンドミル。
  2. 請求項1に記載の多刃ボールエンドミルにおいて、前記多刃ボールエンドミルを前記先端側から見た場合に、前記切れ刃部の直径をDとし、前記回転中心点Oを中心として前記ギャッシュを通る直径0.03D〜0.2Dの円Pを描いたとき、前記円Pの円周上において、前記各ボール刃の前記回転方向後方に前記ボール刃の前記二番面と前記第二ギャッシュ面とが順に連続し、
    前記円Pと、互いに隣接する第一ボール刃及び第二ボール刃との各交点P1、P3がなす円弧P1‐P3の長さと、前記円Pの円周上に位置するとともに前記第一ボール刃の前記二番面と前記第二ギャッシュ面との境界をなす交点P2と前記交点P1とがなす円弧P1‐P2の長さとの比が3.5〜6.0であることを特徴とする多刃ボールエンドミル。
  3. 請求項1または2に記載の多刃ボールエンドミルにおいて、前記多刃ボールエンドミルを前記先端側から見た場合に、前記切れ刃部の直径をDとし、前記回転中心点Oを中心として前記ギャッシュを通る直径0.4D〜0.6Dの円Sを描いたとき、前記円Sの円周上において、前記各ボール刃の前記回転方向後方に前記ボール刃の前記二番面と、前記ボール刃の三番面と、及び前記ギャッシュ壁面とが順に連続し、
    前記円Sと、互いに隣接する第一ボール刃及び第二ボール刃との各交点S1、S3がなす円弧S1‐S3の長さと、前記円Sの円周上に位置するとともに前記第一ボール刃の前記三番面と前記ギャッシュ壁面との境界をなす交点S2と前記交点S1とがなす円弧S1‐S2の長さとの比が2.1〜3.3であることを特徴とする多刃ボールエンドミル。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の多刃ボールエンドミルにおいて、
    前記多刃ボールエンドミルを前記先端側から見た場合の前記切れ刃部の直径をDとしたとき、前記回転軸線方向における前記回転中心点から前記シャンク部方向に0.15D離れた位置において、前記各ボール刃の径方向すくい角は−29°〜−11°であり、
    前記各外周刃のすくい角は−9°〜−1°であることを特徴とする多刃ボールエンドミル。
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