JP6341456B1 - パターン導電体、導電体付きシート、発熱板、乗り物及びパターン導電体の製造方法 - Google Patents

パターン導電体、導電体付きシート、発熱板、乗り物及びパターン導電体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 パターン導電体が高い導電性を有するとともに、高い透視性を有する。【解決手段】 パターン導電体30は、一つの配置面上に配置された金属製の線状導電体31を備える。線状導電体31は、その長手方向に直交する主切断面において、複数の金属結晶を含む。線状導電体31の一つの主切断面において、配置面への法線方向に沿った長さh0は、配置面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きい金属結晶を含む。当該金属結晶の、配置面に沿った長さw0に対する配置面への法線方向に沿った長さh0の比(h0/w0)の最小値が、1.2以上である。

Description

本発明は、パターン導電体、このパターン導電体を有する導電体付きシート、パターン導電体または導電体付きシートを有する発熱板、および発熱板を有する乗り物に関する。また、本発明は、パターン導電体の製造方法に関する。
従来から、規則的または不規則的なパターンを有する導電体が、広く用いられている。例えば、車両のフロントウィンドウ(windshield;風防ガラス)に用いられるデフロスタ(霜取り装置)や建築物の窓ガラス用の加熱電極、あるいはタッチパネルセンサの位置検知電極等に利用されている。これらに用いられているパターン導電体は、通電されることによって、発熱して霜取りや暖房器具として、またはセンサとして機能する。例えば、JP2013−173402A及びJP8−72674Aでは、パターン導電体が、透視性を有した発熱板に組み込まれて窓ガラスに利用されている。この発熱板において、パターン導電体は、通電によってその抵抗加熱により昇温する。発熱板からなる窓ガラスの昇温により、窓ガラスの曇りを取り除き、又は、窓ガラスに付着した雪や氷を溶かし、当該窓ガラスを介した透視性を確保することができる。
このような用途に用いられるパターン導電体は、その機能の性質上、高い導電性を有するとともに、高い透視性を有することも求められている。パターン導電体の導電性はパターン導電体を形成する線状導電体の断面積が大きいほど高くなり、パターン導電体の透視性はパターン導電体を形成する線状導電体の線幅が小さいほど良くなる。
ところで、従来のパターン導電体では、パターン導電体を形成する線状導電体の長手方向に直交する断面(以下、これを「主切斷面」とも呼稱する)において、パターン導電体を支持する基材の面に沿った線状導電体の長さが基材の面の法線方向に沿って変化している。具体的な例としては、図15及び図16に示すように、パターン導電体を形成する線状導電体131の主切断面形状が台形形状になっている。そして、台形形状の長い方の底辺が、該パターン導電体の法線方向から視認され得る線状導電体の幅となる。主切断面が台形形状であることは、該断面が矩形の場合に比べて視認され得る幅が同じであっても其の断面積は小さくなり、図3の概念図に示す主切斷面が矩形のパターン導電体に比べて其の導電性が低くなる。また、主切断面が台形形状であることは、該断面が矩形の場合に比べてその断面積が同じであっても視認され得る線状導電体の幅が大きくなり、主切斷面が矩形のパターン導電体に比べて其の透視性を悪化させる。すなわち、断面が台形形状であることで、優れた透視性及び導電性を両立することができない。しかしながら、線状導電体の主切断面形状が台形形状になることは、パターン導電体の製造過程のエッチング工程に起因しており、線状導電体の主切断面を矩形とすることは困難であった。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、高い導電性を有するとともに、高い透視性を有するパターン導電体を提供することを目的とする。更には、このパターン導電体を有する導電体付きシート、パターン導電体または導電体付きシートを有する発熱板、およびこの発熱板を有する乗り物を提供することを目的とする。
本発明による第1のパターン導電体は、
一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を備え、
前記線状導電体はその長手方向に直交する断面において、複数の金属結晶を含み、
前記線状導電体の長手方向に直交する一つの断面において、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の、前記配置面に沿った長さwに対する前記配置面への法線方向に沿った長さhの比(h/w)の最小値が、1.2以上である。
本発明による第2のパターン導電体は、
一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を備え、
前記線状導電体は、その長手方向に直交する断面において、複数の金属結晶を含み、
前記線状導電体の長手方向に直交する一つの断面において、前記配置面への法線方向に沿った長さhは、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、前記金属結晶の面積と同一の面積を有する円の直径の平均は、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの平均の半分よりも小さい。
本発明によるパターン導電体において、
前記線状導電体は、銅及びアルミニウムのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
本発明によるパターン導電体において、
複数の開口領域を画成するパターンで前記線状導電体が配置され、
前記線状導電体の線幅Wに対する、前記開口領域の重心間距離の平均D1の比の値(D1/W)は、50以上200以下であってもよい。
本発明によるパターン導電体において、
前記線状導電体は、複数の開口領域を画成するパターンで配置され、
前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記開口領域の重心間距離の平均D1の比の値(D1/w)は、40以上500以下であってもよい。
本発明によるパターン導電体において、
複数の線状導電体が、一方向に隙間を空けて配置され、各線状導電体は、前記一方向と非平行な方向に延び、
前記線状導電体の線幅Wに対する、前記隙間の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値(D2/W)は、50以上1000以下であってもよい。
本発明によるパターン導電体において、
複数の線状導電体が、一方向に隙間を空けて配置され、各線状導電体は、前記一方向と非平行な方向に延び、
前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記隙間の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値(D2/w)は、200以上2400以下であってもよい。
本発明によるパターン導電体において、
前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記線状導電体の線幅Wの比の値(W/w)は、2以上10以下であってもよい。
本発明によるパターン導電体において、
前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さwに対する、当該金属結晶についての当該断面での前記法線方向に沿った長さhの比の値(h/w)の平均は、2以上であってもよい。
本発明によるパターン導電体において、
前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記法線方向に沿った長さの平均hは、4.0μm以上11.5μm以下であってもよい。
本発明によるパターン導電体において、
前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wは、0.5μm以上5.0μm以下であってもよい。
本発明による導電体付きシートは、上述した本発明によるパターン導電体のいずれかを備える。
本発明による発熱板は、上述した本発明によるパターン導電体のいずれか、または本発明による導電体付きシートのいずれかを備える。
本発明による乗り物は、上述した本発明による発熱板のいずれかを備える。
本発明のパターン導電体の製造方法は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を備えるパターン導電体の製造方法であって、
基材上に金属膜を設ける工程と、
前記金属膜上にレジストパターンを設け、前記レジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングする工程と、
前記レジストパターンを除去する工程と、を備え、
前記金属膜の一つの断面において、前記金属膜は、当該金属膜の法線方向に沿った長さhが当該金属膜の法線方向に沿った厚さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の、前記配置面に沿った長さwに対する前記金属膜の法線方向に沿った長さhの比(h/w)の最小値が、1.2以上である。
本発明のパターン導電体の製造方法において、前記金属膜の金属結晶を検査する工程をさらに備えてもよい。
本発明のパターン導電体の製造方法において、
前記金属膜の金属結晶を検査する工程は、前記一つの断面に含まれ、前記金属膜の法線方向に沿った長さhが前記金属膜の法線方向に沿った厚さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶について、
当該断面での前記金属膜に沿った当該金属結晶の長さwに対する前記金属膜の法線方向に沿った当該金属結晶の長さhの比(h/w)の最小値が1.2以上となっていることを検査する工程を含んでもよい。
本発明のパターン導電体の製造方法において、
前記金属膜の金属結晶を検査する工程は、前記一つの断面に含まれ、前記金属膜の法線方向に沿った長さhが前記金属膜の法線方向に沿った厚さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶について、
当該断面での前記金属膜に沿った当該金属結晶の長さwに対する前記金属膜の法線方向に沿った当該金属結晶の長さhの比の値(h/w)の平均が2以上となっていることを検査する工程、
前記金属膜の法線方向に沿った当該金属結晶の長さの平均hが4.0μm以上11.5μm以下となっていることを検査する工程、および
前記金属膜に沿った当該金属結晶の長さの平均wが0.5μm以上5.0μm以下となっていることを検査する工程、のうち少なくとも1つをさらに含んでもよい。
本発明によれば、パターン導電体が高い導電性を有するとともに、高い透視性を有することができる。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、発熱板を備えた乗り物を概略的に示す斜視図である。特に図1では、乗り物の例として、発熱板で構成されたフロントウィンドウを備えた自動車を概略的に示している。 図2は、図1の発熱板をその板面の法線方向から示す図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、図1の発熱板に含まれるパターン導電体を示す平面図であって、パターン導電体を形成する線状導電体の配置パターンの一例を示す図である。 図5は、図1の発熱板に含まれるパターン導電体を示す平面図であって、パターン導電体を形成する線状導電体の配置パターンの他の一例を示す図である。 図6は、パターン導電体の作製に用いられる金属膜をその表裏面の法線方向に沿った断面で示す写真である。 図7は、パターン導電体の一例を示す主切断面に於ける断面図である。 図8は、パターン導電体(導電体付きシート)の製造方法の一例を説明するための図である。 図9は、パターン導電体(導電体付きシート)の製造方法の一例を説明するための図である。 図10は、パターン導電体(導電体付きシート)の製造方法の一例を説明するための図である。 図11は、パターン導電体(導電体付きシート)の製造方法の一例を説明するための図である。 図12は、図6の金属膜をパターニングすることで作製されたパターン導電体の線状導電体を、その主切断面にて示す写真である。 図13は、パターン導電体の作用を説明するための図である。 図14は、図6に対応する写真であって、従来のパターン導電体の作製に用いられる金属膜をその表裏面の法線方向に沿った断面で示す写真である。 図15は、図7に対応する、従来のパターン導電体の一例を示す主切断面の断面図である。 図16は、図14の金属膜をパターニングすることで作製されたパターン導電体の線状導電体を、その主切断面にて、示す写真である。 図17は、図13に対応する、従来のパターン導電体の作用を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1乃至図17は、本発明による一実施の形態およびその変形例を説明するための図である。このうち図1は、発熱板を備えた自動車を概略的に示す図であり、図2は、発熱板をその板面の法線方向から見た図であり、図3は、図2の発熱板の横断面図である。
図1に示されているように、乗り物の一例としての自動車1は、フロントウィンドウ、リアウィンドウ、サイドウィンドウ等の窓ガラスを有している。ここでは、フロントウィンドウ5が発熱板10で構成されている例を説明する。また、自動車1は鉛蓄電池で代表されるバッテリー等の電源7を有している。
図2及び図3に示すように、本実施の形態における発熱板10は、一対の基板11,12と、一対の基板11,12の間に配置された導電体付きシート20と、各基板11,12と導電体付きシート20とを接合する一対の接合層13,14と、を有している。なお、図1及び図2に示した例では、発熱板10、基板11,12は湾曲しているが、他の図では、理解の容易のため、発熱板10及び基板11,12を平板状にて図示している。
導電体付きシート20は、基材21と、基材21に於ける第1基板11に対面する面(これがパターン導電体30の配置面21Sに相当する)上に設けられ且つ線状導電体31を含むパターン導電体30と、パターン導電体30に通電するための一対のバスバー25と、を有する。
また、図2によく示されているように、発熱板10は、パターン導電体30に通電するための配線部15を有している。図示された例では、バッテリー等の電源7によって、配線部15から導電体付きシート20のバスバー25を介してパターン導電体30に通電し、パターン導電体30を抵抗加熱により発熱させる。パターン導電体30で発生した熱は基板11,12に伝わり、基板11,12が温められる。これにより、基板11,12に付着した結露による曇りを取り除くことができる。また、基板11,12に雪や氷が付着している場合には、この雪や氷を溶かすことができる。したがって、乗員の視界が良好に確保される。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「導電体付きシート」は板やフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、したがって、「導電体付きシート」は、「導電体付き板(基板)」や「導電体付きフィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
以下、発熱板10の各構成要素について説明する。
まず、基板11,12について説明する。基板11,12は、図1で示された例のように自動車のフロントウィンドウに用いる場合、乗員の視界を妨げないよう可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。このような基板11,12の材質としては、ソーダライムガラスや青板ガラスが例示できる。基板11,12の可視光透過率は90%以上であることが好ましい。ただし、基板11,12の一部または全体に着色するなどして、この一部分の可視光透過率を低くしてもよい。この場合、太陽光の直射を遮ったり、車外から車内を視認しにくくしたりすることができる。
また、基板11,12は、1mm以上5mm以下の厚みを有していることが好ましい。このような厚みであると、強度及び光学特性に優れた基板11,12を得ることができる。一対の基板11,12は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、或いは、材料および構成の少なくとも一方において互いに異なるようにしてもよい。
次に、接合層13,14について説明する。第1接合層13が、第1基板11と導電体付きシート20との間に配置され、第1基板11と導電体付きシート20とを互いに接合する。第2接合層14が、第2基板12と導電体付きシート20との間に配置され、第2基板12と導電体付きシート20とを互いに接合する。
このような接合層13,14としては、種々の接着性または粘着性を有した材料からなる層を用いることができる。また、接合層13,14は、可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。典型的な接合層としては、ポリビニルブチラール(PVB)からなる層を例示することができる。接合層13,14の厚みは、それぞれ0.15mm以上1mm以下であることが好ましい。一対の接合層13,14は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、或いは、材料および構成の少なくとも一方において互いに異なるようにしてもよい。或いは、一対の接合層13,14の何れか一方又は両方に、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物等の公知の紫外線吸收剤を0.01〜10質量%程度添加して、後述の紫外線遮蔽機能を賦与することも出來る。
なお、発熱板10には、図示された例に限られず、特定の機能を発揮することを期待されたその他の機能層が設けられても良い。また、1つの機能層が2つ以上の機能を発揮するようにしてもよいし、例えば、発熱板10の基板11,12、接合層13,14、後述する導電体付きシート20の基材21の、少なくとも一つに何らかの機能を付与するようにしてもよい。発熱板10に付与され得る機能としては、一例として、反射防止(AR)機能、耐擦傷性を有したハードコート(HC)機能、赤外線遮蔽(反射)機能、紫外線遮蔽(反射)機能、防汚機能等を例示することができる。
次に、導電体付きシート20について説明する。導電体付きシート20は、基材21と、基材21に於ける第1基板11に対面する面上に設けられ且つ線状導電体31を含むパターン導電体30と、パターン導電体30に通電するための一対のバスバー25と、を有する。導電体付きシート20は、基板11,12と略同一の平面寸法を有して、発熱板10の全体にわたって配置されてもよいし、図1の例における運転席の正面部分等、発熱板10の一部にのみ配置されてもよい。
基材21は、パターン導電体30を支持する基材として機能する。基材21の一方の面は、配置面21Sを形成する。基材21は、可視光線波長帯域の波長(380nm〜780nm)を透過する一般に言うところの透明である電気絶縁性のフィルムである。基材21としては、可視光を透過し、パターン導電体30を適切に支持し得るものであればいかなる材質のものでもよいが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体等の線状乃至熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリエチレンポリプロピレン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。また、基材21は、光透過性や、パターン導電体30の適切な支持性等を考慮すると、0.03mm以上0.20mm以下の厚みを有していることが好ましい。
なお、「透明」とは、当該発熱板を介して当該発熱板の一方の側から他方の側を透視し得る程度の透明性を有していることを意味しており、例えば、30%以上、より好ましくは70%以上の可視光透過率を有していることを意味する。可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。特に、自動車のフロントウインドウを構成する発熱板の場合、可視光線透過率は図3の如き発熱板10の形態に積層、複合された状態に於いて、70%以上を要求される。其の為、パターン導電体30單体の形態に於いては、其の可視光透過率は80%以上であることが好ましい。
パターン導電体30は、一対のバスバー25の間に配置された線状導電体31を有している。線状導電体31は、バッテリー等の電源7から、配線部15及びバスバー25を介して通電され、抵抗加熱により発熱する。そして、この熱が接合層13,14を介して基板11,12に伝わることで、基板11,12が温められる。
線状導電体31は、種々のパターンで配列することができる。図4に示された例では、パターン導電体30は、パターン導電体30の配置面21Sの法線方向(図4に於いてはZ軸方向であり、通常は発熱板10の表面の法線方向と合致する)からの平面視形状は、線状導電体31が多数の合同な正六角形の開口33を画成するメッシュ状のパターンで平面内を隙間なく充填して配置されることによって形成されている。所謂ハニカム乃至は龜甲模様をなす。パターン導電体30は、2つの分岐点32の間を延びて、開口33を画成する複数の接続要素34を含んでいる。すなわち、パターン導電体30の線状導電体31は、両端において分岐点32を形成する多数の接続要素34の集まりとして構成されている。また、メッシュ状のパターンは、図4の如くの、各開口部の形状及び大きさが合同で平面内で開口部33が一定の繰り返し周期をもつ周期格子には限定されず、各開口部の形状及び大きさが全て合同では無く、平面内で一定の繰り返し周期の無い不規則なメッシュパターンでもよい。
開口33の重心間距離が大きすぎると、パターン導電体30において発熱むらが発生するため、開口33の重心間距離の平均は3000μm以下となっていることが好ましい。また、開口33の重心間距離が小さすぎると、透過率が悪化し、透視性が損なわれるため、開口33の重心間距離の平均は50μm以上となっていることが好ましい。
一方、図5に示された例のように、パターン導電体30は、一対のバスバー25を連結する複数の線状導電体31からなっていてもよい。図5に示された例において、複数の線状導電体31が、一方向に隙間35を空けて配置されている。各線状導電体31は、前記一方向と非平行な方向に延びている。なお、図5に示された例では、線状導電体31は、一部のみが一方向と非平行な方向に延びているのではなく、パターン導電体30の全体に亘って、一方向と非平行な方向に延びている。各線状導電体31は、一方のバスバー25から他方のバスバー25へ延在している。そして、複数の線状導電体31は、当該線状導電体31の延在方向と非平行な方向に、互いから離間して配列されている。とりわけ、複数の線状導電体31は、当該線状導電体31の延在方向と直交する方向に配列されている。これにより、隣接する2つの線状導電体31の間には、隙間35が形成される。
隙間35が大きすぎると、パターン導電体30において発熱むらが発生するため、隙間35の大きさ、すなわち隣り合う線状導電体31の間の距離の平均は12000μm以下となっていることが好ましい。また、隙間35が小さすぎると、透過率が悪化し、透視性が損なわれるため、隣り合う線状導電体31の間の距離の平均は100μm以上となっていることが好ましい。
このようなパターン導電体30を構成するための材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、タングステン、及び、これらの金屬の1種以上を含む合金の一以上を例示することができる。ただし、後述する金属結晶を安定して確保する観点から、線状導電体31は、銅及びアルミニウムのうちの少なくとも一方を含むこと、すなわち、銅、アルミニウム、及び、これらの金屬の1種以上を含む合金のうちのいずれかであることが好ましい。
パターン導電体30は、上述したように不透明な金属材料を用いて形成され得る。その一方で、パターン導電体30によって覆われていない基材21上の領域の割合、すなわち非被覆率(開口率とも呼稱される)は、70%以上99%以下程度と高くなっている。また、線状導電体31の線幅は、2μm以上20μm以下程度となっている。このため、パターン導電体30が設けられている領域は、全体として透明に把握され、パターン導電体30の存在が発熱板10の透視性を害さないようになっている。
図3に示された例では、線状導電体31は、全体として矩形状の主切断面を有している。線状導電体31の幅W、すなわち、発熱板10の板面に沿った幅Wは2μm以上20μm以下とし、高さ(厚さ)H、すなわち、発熱板10の板面への法線方向に沿った高さ(厚さ)Hは1μm以上40μm以下とすることが好ましい。このような寸法の線状導電体31によれば、その線状導電体31が十分に細線化されているので、パターン導電体30を効果的に不可視化することができる。
なお、上述した材料からなる線状導電体は、優れた導電性を有する一方で、比較的高い反射率を有する。そして、パターン導電体30の線状導電体31によって光が反射されると、その反射した光が視認されるようになる。其の為、発熱板10を透過して観察する背後の風景を鮮明に視認し難くなり、特に該パターン導電体30を自動車等の乗物の窓に設置する用途では、乗員の視界を妨げる場合がある。また、外部から線状導電体31が視認されると、意匠性が低下する場合がある。そこで、線状導電体31が、上述した材料からなる導電金属層と、導電金属層を少なくとも部分的に覆う暗色層(図示せず)と、を有するようにしてもよい。暗色層は、導電性金属層よりも可視光の反射率が低い層であればよく、例えば黒色、濃灰色等の低明度無彩色、或いは褐色、紺色、濃緑色、濃紫色、臙脂色等の低明度有彩色等の暗色を呈する層である。又、暗色層の材料としては、黒色酸化鉄(Fe)、カーボン(炭素)、酸化銅(酸化銅(II)CuO)、窒化銅、窒化酸化銅、銅−コバルト合金等を用いることが出來る。この暗色層によって、導電性金属層が視認されづらくなり、乗員の視界を良好に確保することができる。また、外部から見たときの意匠性の低下を防ぐことができる。
ところで、従来技術における課題として、線状導電体の主切断面形状における側面が傾斜してしまうことを既に説明した。図15に示すように、線状導電体131の主切断面形状における側面131aが、パターン導電体130が支持されている面(基材121の一方の表面)への法線方向(図示された例では、導電体付きシート120の法線方向)に対して傾斜すると、視認され得る幅に比較して主切断面積が小さくなり、其の結果、導電性を劣化させてしまう。あるいは、主切断面積を大きくすると視認され得る幅が大きくなり、透視性を劣化させてしまう。本実施の形態で説明するパターン導電体30では、パターン導電体30を形成する線状導電体31の結晶構造を制御することで、図7に示すように、線状導電体31の主切断面形状における側面31aが、パターン導電体30が支持されている面(基材21の一方の表面)への法線方向に対して大きく傾斜することを効果的に防止している。とりわけ後述するフォトリソグラフィー技術を用いたパターニングによりパターン導電体30を作製することとの組み合わせにおいて、線状導電体31が切り立った側面を安定して有するようになる。以下、線状導電体31の結晶構造について説明する。
まず、線状導電体31は、その長手方向に直交する断面、即ち主切断面において、複数の金属結晶を含む。図6は、パターニングしてパターン導電体30を形成する前の本発明に係る金属膜20aをその法線方向に沿った断面にて示す写真である。本明細書において、金属結晶とは、結晶粒界によって分離された単結晶のことである。本実施例において、結晶粒界には双晶粒界を含まないものとする。双晶とは、2つの結晶が一定の結晶学的関係を保つように接合して一つの結晶固体となったものである。結晶粒界および金属結晶の形状や大きさは、日本電子社製のSEM(型番:JSM−7001F)とTSL社製のEBSD(型番:OTMソフトウェアVer.6.2)を用いて、測定することができる。一方、図7は、パターン導電体30の線状導電体31が位置する配置面への法線方向に沿った断面におけるパターン導電体30を示す図であり、線状導電体31、開口領域33または隙間35とともに、金属結晶を模式的に示している。なお、本実施の形態では基材21の一方の表面が該配置面21Sに相当する。同図は、又、線状導電体31の長手方向に直交する断面、すなわち主切断面にもなっている。尚、パターン導電体30が基材21を伴わない場合は、配置面21Sは仮想面となる。図7に示しているように、線状導電体31は、その主切断面において、配置面21Sへの法線方向に沿った高さH、配置面21Sに沿った幅Wを有している。尚、線状導電体31の高さHとは、主切断面における線状導電体31の配置面21Sへの法線方向に沿った高さのうち、最小の高さのことをいう。また、配置面21Sは図7等では平面として図示したが、パターン導電体30が彎曲している場合には、配置面21Sは曲面となる。
金属結晶は、線状導電体31の主切断面において、配置面21Sに沿った長さw、パターン導電体30の配置面21Sへの法線方向に沿った長さhを有している。また、当該断面において、配置面21Sへの法線方向に沿った長さhが、線状導電体31の高さHの3分の1より大きくなっている金属結晶20a1を含む。そして、当該金属結晶20a1は、例えば図7に示すように、配置面21Sに沿った長さwに対する、配置面21Sへの法線方向に沿った長さhの比h/wの最小値が、1.2以上、好ましくは1.9以上、より好ましくは2.5以上、さらに好ましくは4.0以上となっている。
また、線状導電体31の主切断面において、線状導電体31の高さHの3分の1より大きくなっている金属結晶20a1の、配置面21Sへの法線方向に沿った長さhの平均hが4.0μm以上11.5μm以下、配置面21Sに沿った長さwの平均wが0.5μm以上5.0μm以下、配置面21Sに沿った長さwに対する配置面21Sへの法線方向に沿った長さhの比の値h/wの平均が2以上、好ましくは4以上となっている。
あるいは、線状導電体31の主切断面において、配置面21Sへの法線方向に沿った長さhが線状導電体31の高さHの3分の1より大きくなっている金属結晶20a1について、金属結晶20a1の面積と同一の面積を有する円の直径の平均は、高さHの半分よりも小さくなっている。
また、線状導電体31の主切断面において、線状導電体31の高さHの3分の1より大きくなっている金属結晶20a1の、配置面21Sに沿った長さwの平均wに対する、線状導電体31の幅Wの比の値W/wが2以上10以下となっている。
ここで、パターン導電体30が図4に示す複数の開口領域33を画成するパターンで配置される場合を考える。図7に図示の如く、線状導電体31の幅Wに対する、各開口領域33の重心間距離の平均D1の比の値D1/Wが、50以上200以下となっている。さらに、線状導電体31の主切断面において、線状導電体31の高さHの3分の1より大きくなっている金属結晶20a1の、配置面21Sに沿った長さwの平均wに対する、各開口領域33の重心間距離の平均D1の比の値D1/wが、40以上500以下となっている。
あるいは、パターン導電体30が図5に示す一方向に隙間35を空けるパターンで配置される場合を考える。図7に図示の如く、線状導電体31の幅Wに対する、各隙間35の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値D2/Wが、50以上1000以下となっている。さらに、線状導電体31の主切断面において、線状導電体31の高さHの3分の1より大きくなっている金属結晶20a1の、配置面21Sに沿った長さwの平均wに対する、各隙間35の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値D2/wが、200以上2400以下となっている。
なお、金属結晶の形状や配向は、その製造過程において制御することができる。詳細には、金属膜20aをパターニングすることでパターン導電体を作製する場合には、金属膜20aを作製する際の条件を調節することで、金属膜20aに含まれる金属結晶の形状や配向を制御することができる。一具体例として、金属膜20aは、銅の電解精製によって得られる膜とすることができる。電解精製によって得られる金属膜20aでは、金属膜中の金属結晶が電界精製による成長方向に伸長する。とりわけ、金属結晶が伸長する方向は、電界精製で用いる液(浴とも呼稱する)についての、銅化合物及び其の他の浴組成物の組成、及び/又は、電流密度、浴温度、浴攪拌条件の一以上を調節することで制御する事ができる。浴組成としては、硫酸銅浴、青化銅浴、ピロ燐酸銅浴等を用いることが出來る。硫酸銅浴を用いる場合は、硫酸銅五水和物の濃度(例えば、45g/l以上250g/l以下)、硫酸ニッケルとして供給されるニッケルの濃度(例えば、200mg/l以上10000mg/l以下)、チオ硫酸又は其のナトリウム塩、カリウム塩等のチオ硫酸塩の濃度(例えば、100mg/l以上10000mg/l)、硫酸の濃度(例えば、30g/l以上250g/l以下)、塩素イオンの濃度(例えば、5mg/l以上80mg/l以下)、液温(例えば、15℃以上35℃以下)、電流密度(例えば、0.1A/dm以上6A/dm以下)の一以上を調節することで、制御することができる。また、金属膜20aを作製する際に、添加剤として水溶性タンパク質を加えてもよい。
図6及び図14は、それぞれ、銅の電解精製により作製された厚さ12μmの金属膜のサンプル1及びサンプル2を示している。サンプル1及びサンプル2は、互いに異なる条件にて作製されており、互いに異なる結晶構造を有している。図6に示すサンプル1において、金属結晶は、同図に於ける上下方向(Z軸方向)に長手方向を有しており、金属結晶の長手方向が金属膜20aの法線方向に沿う配向性を有している。一方、図14に示すサンプル2は、従来技術のパターン導電体に用いられる金屬膜であり、図6のサンプル1に比べて明確な金属結晶の配向性および規則性を有していない。すなわち、サンプル1が上述した本実施の形態の実施例であり、サンプル2は本実施の形態に対する比較例である。
次に、図8〜図11を参照して、パターン導電体30を有する導電体付きシート20の製造方法の一例について説明する。図8〜図11は、パターン導電体30を有する導電体付きシート20の製造方法の一例を順に示す断面図である。
まず、図8に示すように、基材21上に線状導電体31を形成する金属膜20aを設ける。基材21としては、前記例示の物の中から選定する。
金属膜20aは種々の公知の銅メッキ方法に於いて、作製する際の条件を調節することで、金属膜20a中における金属結晶の形状及び配向を制御することができる。一具体例として、金属膜20aは金属電解精製によって得られる金属の膜とすることができる。上述したように電界精製に用いられる液に関連した条件等を調節することで、厚み方向への金属結晶が配向した金属膜を作製することができる。
次に、金属膜20aの金属結晶20a1が上述の形状を満たすことが検査される。すなわち、金属膜20aの一つの断面に含まれる、金属膜20aの法線方向に沿った長さhが、金属膜20aの法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶20a1について、当該断面での金属膜20aに沿った金属結晶20a1の長さwに対する金属膜20aの法線方向に沿った金属結晶20a1の長さhの比(h/w)の最小値が1.2以上となっていること、当該断面での金属膜20aに沿った金属結晶20a1の長さwに対する金属膜20aの法線方向に沿った長さhの比の値(h/w)の平均が2以上となっていること、当該断面での金属膜20aの法線方向に沿った長さの平均hが4.0μm以上11.5μm以下となっていること、および、当該断面での金属膜20aに沿った金属結晶20a1の長さの平均wが0.5μm以上5.0μm以下となっていることを検査する。
なお、上述の検査工程は、金属膜20aが基材21上に設けられる前に行われてもよい。すなわち、金属結晶の検査結果が良好であったものについてのみ、金属膜20aが基材21上に設けられるようにしてもよい。
金属結晶の検査結果が良好であったものについて、図9に示すように、金属膜20a上にレジストパターン40を設ける。レジストパターン40は、形成されるべきパターン導電体30に対応した形となっているが、レジストパターン40の幅は、形成されるパターン導電体30の線状導電体31の幅より広くなっている。例えば、幅5μmの線状導電体31を形成する場合、レジストパターン40の幅は30μmとなっている。
次に、図10に示すように、レジストパターン40をマスクとして、金属膜20aをエッチングする。上述したように形成される線状導電体31の幅に対してレジストパターン40の幅が十分に大きいと、エッチング液は、まずレジストパターン40の隙間から金属膜20aを溶解する。そして溶解した金属膜20aの部分にエッチング液が侵入して、図10の矢印Aで示すように、基材21に沿った方向に、金属膜20aを溶解させる。すなわち、エッチングが金属膜20aの側方から進行する。本件発明者らが確認したところ、エッチングは金属結晶単位で進行する傾向があった。したがって、本実施形態のように金属膜20a中の金属結晶20a1の伸長方向が金属膜20aの法線方向を向いていると、エッチングによって形成される線状導電体31は、その長手方向に直行する主切断面において、矩形に近い形状となる。これは、エッチングによる金属の腐食が、金属結晶単位で進むことから、エッチングにより形成された線状導電体31の側面31aが、金属結晶20a1の配向方向となる金属膜20aの法線方向に切り立つようになるためと推測される。具体的には、線状導電体31の長手方向に直交する断面において、線状導電体31の側面31aと配置面21Sとがなす線状導電体31の外側の角度θが約90°、具体的には70°≦θ≦110°、好ましくは80°≦θ≦100°の角度に切り立つようになる。
なお、エッチング工程は、温度が40℃以上で、エッチング液を金属膜20aに垂直な方向、すなわち細長状の金属結晶20a1の長手方向に沿った方向に0.1MPa以上のスプレー圧で噴出させて行うことが好ましい。このような場合、細長状の金属結晶の結晶粒界の間にエッチング液が入り込み、安定して伸長方向が金属膜の法線方向に沿った金属結晶20a1ごとにエッチング工程を進行させることができる。なお、スプレー圧は、エッチング液を噴出させるスプレーに圧力計を設置することで測定することができる。
ここで、図12は、図6の金属膜20a(サンプル1に係る金属膜)をパターニングすることで作製されたパターン導電体30(サンプル1に係るパターン導電体)の線状導電体31を、その主切断面にて、示す写真である。また、図16は、図14の金属膜120a(サンプル2に係る金属膜)をパターニングすることで作製されたパターン導電体130(サンプル2に係るパターン導電体)の線状導電体131を、その主切断面にて、示す写真である。図12に示すように、金属結晶の長手方向が厚さ方向に配向性を示す図6の金属膜20a(サンプル1に係る金属膜)を用いた場合、作製されたパターン導電体30(サンプル1に係るパターン導電体)の線状導電体31の側面31aは切り立っており、配置面21Sと該側面31aとのなす角度θは、図12の左側及び右側の側面共に93°となっている。主切断面が矩形に近い形状となっているため、図12に示した線状導電体31は、優れた透視性及び導電性を両立することができる。一方、図16に示すように、金属結晶が長手方向を持たない図14の金属膜120a(サンプル2に係る金属膜)を用いた場合、作製されたパターン導電体130(サンプル2に係るパターン導電体)の線状導電体131の側面131aは、パターン導電体130が配置されている面の法線方向から大きく傾斜しており、配置面121Sと該側面131aとのなす角度θは、図16の左側では117°及び図16の右側の側面では114°となっている。主切断面が台形形状となっているため、図16に示した線状導電体は、図12に示した線状導電体31に比べて、優れた透視性及び導電性を両立できない。
また、以下の表1は、サンプル1(実施例1)に係るパターン導電体30の線状導電体31およびサンプル2(比較例)に係るパターン導電体130の線状導電体131に関し、高さHが12μm、幅Wが10μmとなる当該線状導電体31,131の一断面に含まれる金属結晶について、金属結晶の面積と同一の面積を有する円の直径(等面積円直径、平均粒径)の平均、金属結晶のパターン導電体30に対する配置面21Sへの法線方向に沿った長さh(縦の長さ)、金属結晶の配置面21Sに沿った長さw(横の長さ)、および、縦の長さhの横の長さwに対する比h/wの最大値、最小値および平均を計測した結果を示している。ここで、表1での金属結晶におけるこれらの値は、当該一断面において、縦の長さhが、線状導電体31の高さHの3分の1より大きくなっている金属結晶についての調査結果のみを示している。
また、サンプル1と同様の条件にて作製された金属膜のサンプル3を用いて、サンプル1に係るパターン導電体30の作製方法と同様にして、サンプル3に係るパターン導電体30を作製した。すなわち、サンプル3は、サンプル1とは別の本実施の形態の実施例である。サンプル3(実施例2)に係るパターン導電体30の線状導電体31についても、高さHが12μm、幅Wが10μmとなる線状導電体31の一断面に含まれる金属結晶について、サンプル1及びサンプル2と同様に調査を行った。サンプル3に係るパターン導電体30の線状導電体31についての結果を合わせて表1に示す。
サンプル1に係るパターン導電体30においては、縦の長さhが線状導電体31の高さH(12μm)の3分の1よりも大きくなっている金属結晶20a1について、横の長さwに対する縦の長さhの比(h/w)の最小値が1.2以上となっていた。また、金属結晶20a1の面積と同一の面積を有する円の直径(等面積円直径、平均粒径)の平均は、線状導電体31の高さHの半分よりも小さくなっていた。すなわち、細長状であって高さ(縦)方向に配向性を有する金属結晶20a1が存在していた。とりわけ、本実施例においては、横の長さwに対する縦の長さhの比の値h/wの平均が、4.0となっていた。つまり、全体として、線状導電体31中の金属結晶20a1は、高さ(縦)方向に配向性を有していることが理解される。したがって、上述してきたように、エッチングが金属結晶単位で進行して、線状導電体31の主切断面の形状が矩形に近い形状となっていた。主切断面が矩形に近い形状となると、透視性及び導電性がともに優れた線状導電体31とすることができる。
また、サンプル3に係るパターン導電体30においては、縦の長さhは、線状導電体31の高さH(12μm)の3分の1よりも大きくなっている金属結晶20a1について、横の長さwに対する縦の長さhの比の最小値が1.9以上となっていた。このような金属結晶20a1を有する場合、上述したエッチングがより安定して金属結晶単位で進行するようになり、より安定して線状導電体31の主切断面の形状が矩形に近い形状となる。具体的には、横の長さwに対する縦の長さhの比の最小値が1.9以上であると、線状導電体31の長手方向に直交する断面における線状導電体31の側面31aと配置面21Sとがなす線状導電体31の外側の角度θを70°≦θ≦110°の角度に切り立つ形状にすることができる。主切断面がより矩形に近い形状となると、透視性及び導電性がともにより優れた線状導電体31とすることができる。
一方、サンプル2に係るパターン導電体130においては、横の長さwに対する縦の長さhの比の値h/wの平均が、1.6となった。つまり、全体として、線状導電体131中の金属結晶は、ほとんど配向性を有していないことが理解される。したがって、エッチングが金属結晶単位で進行すると、線状導電体131の主切断面形状は台形形状になってしまう。上述したように、主切断面が台形形状であると、線状導電体の優れた透視性、導電性を両立できない。
以上のようなエッチング工程により、金属膜20aがパターンニングされてパターン導電体30が作製される。なお、エッチング工程におけるエッチング方法は特に限られることはなく、公知の方法が採用できる。公知の方法としては、例えば、エッチング液を用いるウェットエッチングや、プラズマエッチングなどが挙げられる。
エッチング工程の次に、図11に示すように、レジストパターン40を除去するレジストパターン除去工程が実施され、導電体付きシート20が得られる。以上に説明してきた各工程を経ることで、パターン導電体30が製造される。なお、基材21が不要である場合、図8示した金属膜20aと基材21の間に剥離層を設けておくことで、後から基材21を剥離することもできる。
従来のパターン導電体30では、図15に示したように、線状導電体31の長手方向に直交する断面における線状導電体31の側面31aと配置面21Sとがなす線状導電体31の外側の角度θが110°を超えている。このようなパターン導電体30を含む発熱板110が図17に示すような自動車のフロントウインドウ等に用いられると、図17に示すように、自動車の後方からフロントウインドウに光L3が入射した際に、パターン導電体130の線状導電体131の外側の側面131aで反射した光は、反射角が小さいために、発熱板110の内部で全反射して自動車の内部に向かう光L4となり得る。このような光L4は、自動車の乗員の視界を損ない得る。
一方、本実施の形態においては、図12に示したように、線状導電体31の長手方向に直交する断面における線状導電体31の側面31aと配置面21Sとがなす線状導電体31の外側の角度θが70°≦θ≦110°の角度に切り立つ。この場合、図13に示すように、例えば一般的な自動車のフロントウインドウ5にパターン導電体30を含む発熱板10が用いられると、自動車の後方からフロントウインドウ5に光L1が入射した際に、パターン導電体30の線状導電体31の外側の側面31aで反射した光L1は、自動車の外部に抜ける光L2となりやすい。したがって、自動車の後方からフロントウインドウに光が入射しても、自動車の乗員の視界が損なわれにくい。とりわけ、線状導電体31の側面31aと配置面21Sとがなす線状導電体31の外側の角度θが80°≦θ≦100°の角度に切り立つ場合、一般的な自動車に限らず、どのような乗り物の窓であっても、窓の一方から入射した光L1は、パターン導電体30線状導電体31の外側の側面31aで反射しても他方へ抜ける光L2となりやすい。したがって、乗り物の乗員の視界はより損なわれにくい。
以上のように、本実施の形態によれば、パターン導電体30は、当該パターン導電体30が位置している配置面21S(図示された実施の形態において、基材21の一方の表面)上に配置された金属製の線状導電体31を備え、線状導電体31は、その主切断面において、複数の金属結晶を含み、線状導電体31の一つの主切断面において、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った長さhは、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶20a1を含み、当該金属結晶20a1の、パターン導電体30が配置されている面に沿った長さwに対するパターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った長さhの比(h/w)の最小値を、1.2以上としている。このようなパターン導電体30によれば、金属結晶単位でパターニングが進行する。フォトリソグラフィー技術を用いたパターニングを行う場合、エッチングをする際に、金属結晶単位で金属膜20aのエッチングが進行し得る。この結果、作製された線状導電体31の側面31aは、パターン導電体30が配置されている面の法線方向に対して大きく傾斜することはない。パターン導電体を形成する線状導電体は、その主切断面において、矩形に近くなる。主切断面が矩形に近くなることで、断面積を大きくしながら、線状導電体31の視認され得る幅を小さくすることができる。すなわち、パターン導電体30が高い導電性を有するとともに、高い透視性を有することができる。
あるいは、本実施の形態によれば、パターン導電体30は、当該パターン導電体30が位置している配置面21S(図示された実施の形態において、基材21の一方の表面)上に配置された金属製の線状導電体31を備え、線状導電体31は、その主切断面において、複数の金属結晶を含み、線状導電体31の一つの主切断面において、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った長さhは、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶20a1を含み、当該一つの主切断面において、金属結晶の面積と同一の面積を有する円の直径の平均を、パターン導電体が配置されている面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの半分よりも小さくしている。このようなパターン導電体30によっても、金属結晶単位でパターニングが進行し得る。この結果、作製された線状導電体31の側面31aは、パターン導電体30が配置されている面の法線方向に対して大きく傾斜することはない。パターン導電体を形成する線状導電体は、その主切断面において、矩形に近くなる。主切断面が矩形に近くなることで、断面積を大きくしながら、線状導電体31の視認され得る幅を小さくすることができる。すなわち、前述のパターン導電体と同様に、パターン導電体30が高い導電性を有するとともに、高い透視性を有することができる。
また、本実施の形態において、パターン導電体30を形成する線状導電体31は、銅及びアルミニウムのうちの少なくとも一つを含む。このようなパターン導電体30によれば、線状導電体31が安価で電気伝導性の良い金属からなっているので、パターン導電体30の製造コストを下げるとともに、高い導電性を有することができる。
さらに、本実施の形態において、複数の開口領域33を画成するパターンで線状導電体31が配置され、線状導電体31の線幅Wに対する、開口領域33の重心間距離の平均D1の比の値(D1/W)は、50以上200以下である。このようなパターン導電体30によれば、開口領域33が線状導電体31の幅より十分に大きいので、パターン導電体30の透視性を十分に確保することができる。また、開口領域33が線状導電体31の幅に対して大きすぎないことで、パターン導電体30の機能、例えばデフロスタとして用いる場合にムラなく発熱させる機能等を、損なうことなく発揮することができる。
また、本実施の形態において、線状導電体31は、複数の開口領域33を画成するパターンで配置され、線状導電体31の長手方向に直交する一つの主切断面に含まれる、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った長さhが、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての、当該主切断面でのパターン導電体が位置している配置面21S(図示された実施の形態において、基材21の一方の表面)に沿った長さの平均wに対する、開口領域33の重心間距離の直径の平均D1の比の値(D1/w)は、40以上500以下である。このようなパターン導電体30によれば、エッチングにおいて、形成される線状導電体31の側方からエッチングが進行することになるのに十分な線状導電体の間隔となる。エッチングはまずレジストパターン40の隙間から進行するが、D1/wが40以上であれば金属膜を側方からエッチングにより浸食して、切り立った側面を有する線状導電体31を形成することができる。また、線状導電体31の間隔が大きすぎると、エッチングの制御が困難になり得る。したがって、D1/wが500以下であることが好ましい。
さらに、本実施の形態におけるパターン導電体30において、複数の線状導電体31が、一方向に隙間35を空けて配置され、各線状導電体31は、一方向と非平行な方向に延び、線状導電体31の線幅Wに対する、隙間35の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値(D2/W)は、50以上1000以下である。このようなパターン導電体30によれば、隙間35が線状導電体31の幅より十分に大きいので、パターン導電体30の透視性を十分に確保することができる。また、隙間35が線状導電体31の幅に対して大きすぎないことで、パターン導電体30の機能、例えばむらなく発熱させる機能等を、損なうことなく発揮することができる。
また、本実施の形態において、複数の線状導電体31が、一方向に隙間35を空けて配置され、各線状導電体31は、一方向と非平行な方向に延び、線状導電体の一つの主切断面に含まれる、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った長さhが、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての、当該断面でのパターン導電体30が配置されている面(図示された実施の形態において、基材21の一方の表面)に沿った長さの平均wに対する、隙間35の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値(D2/w)は、200以上2400以下である。このようなパターン導電体30によれば、エッチングにおいて、形成される線状導電体31の側方からエッチングか進行することになるのに十分な線状導電体の隙間となる。エッチングはまずレジストパターン40の隙間から進行するが、D2/wが200以上であれば金属膜を側方からエッチングにより浸食して、切り立った側面を有する線状導電体31を形成することができる。また、線状導電体31の隙間35が大きすぎると、エッチングの制御が困難になり得る。したがって、D2/wが2400以下であることが好ましい。
さらに、本実施の形態において、線状導電体31の一つの主切断面に含まれる、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った長さhがパターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での面(図示された実施の形態において、基材21の一方の表面)に沿った長さの平均wに対する、線状導電体31の線幅Wの比の値(W/w)は、2以上10以下である。このようなパターン導電体30によれば、線状導電体31の幅に対して、十分な数の金属結晶が含まれていることになる。エッチングは、金属結晶単位で進行するので、十分に細かくエッチングを進行させることができる。したがって、エッチングを制御して、線状導電体31の主切断面を矩形に近づけることができる。すなわち、パターン導電体30が高い導電性を有するとともに、高い透視性を有することができる。また、線状導電体31の幅に対して、金属結晶が細かくなりすぎていると、当該金属結晶が崩れやすくなってしまい、エッチングにおいて線状導電体31の主切断面を矩形にすることができなくなってしまう。したがって、本実施の形態のように、W/wは、2以上10以下であることが好ましい。
また、本実施の形態において、線状導電体31の一つの主切断面に含まれる、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った長さhが、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての、当該断面でのパターン導電体30が配置されている面(図示された実施の形態において、基材21の一方の表面)に沿った長さwに対する、当該金属結晶についての当該断面での法線方向に沿った長さhの比の値(h/w)の平均は、2以上である。このようなパターン導電体30によれば、当該断面において、大きな断面積を有する金属結晶の配向性が、当該断面でのパターン導電体30が配置されている面(図示された実施の形態において、基材21の一方の表面)の法線方向に沿っている。したがって、エッチングによって、線状導電体31の主切断面を矩形に近づけることができる。すなわち、パターン導電体30が高い導電性を有するとともに、高い透視性を有することができる。
さらに、本実施の形態において、線状導電体31の一つの主切断面に含まれる、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った長さhが、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての、当該断面での前記法線方向に沿った長さhの平均hは、4.0μm以上11.5μm以下である。このようなパターン導電体30によれば、パターン導電体が配置されている面(図示された実施の形態において、基材21の一方の表面)への法線方向に沿った金属結晶の長さhがパターン導電体が配置されている面(図示された実施の形態において、基材の一方の表面)への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくしながら、当該金属結晶単位でエッチングを進行させることができる。したがって、パターン導電体30が高い導電性を有するとともに、高い透視性を有することができる。
また、本実施の形態において、前記一つの主切断面に含まれる、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った長さhが、パターン導電体30が配置されている面への法線方向に沿った線状導電体31の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての、当該断面でのパターン導電体30が配置されている面(図示された実施の形態において、基材21の一方の表面)に沿った長さwの平均wは、0.5μm以上5.0μm以下である。このようなパターン導電体30によれば、比W/wが2以上10以下のときに、線幅Wが2μm以上20μm以下の線状導電体31を、パターン導電体30が高い導電性を有するとともに、高い透視性を有することができるように、作成することができる。
なお、上述した一実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
図4に於いては、パターン導電体30は、各開口部33が全て合同な正六角形から構成されていたが、本発明に於いてはこれに限らない。パターン導電体30の各開口部33の全ての形状及び大きさが同一ではない、即ち、これら開口部33のうちの少なくとも一部の形状、大きさ、或いは形状及び大きさが他の開口部33と異なる形態でも良い。
例えば、パターン導電体30の各開口部33が四角形、五角形、六角形、七角形、及び八角形を含んで構成され、且つ各開口部33の面積も一定では無く、ある上限値と下限値との間で分布を持つものでも良い。斯かるパターン導電体としては、例えば、特許第5224203号公報、特開2012−178556号公報等に開示のものを挙げることが出來る。
又、図3に於いては、導電体付きシート20は基材21の一方の面上にパターン導電体30が積層形成されていたが、本発明に於いてはこれに限らない。例えば、基材21が無く、パターン導電体30のみ単層で構成された導電体付きシート20が図3に於ける第1接合層13と第2接合層14との間に積層された形態(其の他の構成は図3と同樣)でも良い。
斯かる形態の発熱板10の製造方法を挙げると、例えば、先ず、第1基板11上に第1接合層13及び図11の如く基材21の一方の面上にパターン導電体30を積層した導電体付きシート20を其のパターン導電体30側を第1接合層13側に対峙させた向きで重ね合せる。次いで、該重ね合せ体を加熱しながら加圧してこれら各層を積層一体化する。次いで、得られた積層体から基材21のみ剥離除去して、第1基板11上、第1接合層13、及びパターン導電体30を此の順で積層した積層体を得る。次いで、斯かる積層体のパターン導電体30上に第2接合層14及び第2基板12を此の順位重ね合せる。而かる後、該重ね合せ体を加熱しながら加圧してこれら各層を積層一体化する。以上の工程により、第3図の積層体から基材21のみ省いた構成の発熱板を得る。
パターン導電体30は、発熱板10に組み込まれて、自動車のフロントウィンドウ、サイドウィンドウやサンルーフに用いてもよい。また、自動車以外の、鉄道車輛、航空機、船舶、宇宙船等の乗り物の窓或いは透明な扉に用いてもよい。
また、パターン導電体30が組み込まれた発熱板10は、乗り物以外にも、特に室内と室外とを区画する箇所、例えばビルや店舗、住宅の窓或いは透明な扉等の建築物用窓に組み込まれるパターン導電体として使用することもできる。
更に、パターン導電体30は、タッチパネルセンサに用いられる導電体としても使用することができる。
1 自動車
5 フロントウィンドウ
7 電源
10 発熱板
11 第1基板
12 第2基板
13 第1接合層
14 第2接合層
15 配線部
20 導電体付きシート
20a 金属膜
20a1 金属結晶
21 基材
25 バスバー
30 パターン導電体
31 線状導電体
31a 側面
32 分岐点
33 開口
34 接続要素
35 隙間
40 レジストパターン

Claims (29)

  1. パターン導電体を備える発熱板であって、
    前記パターン導電体は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を有し、
    前記線状導電体はその長手方向に直交する断面において、複数の金属結晶を含み、
    前記線状導電体の長手方向に直交する一つの断面において、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の、前記配置面に沿った長さwに対する前記配置面への法線方向に沿った長さhの比(h/w)の最小値が、1.2以上であり、
    前記線状導電体は、複数の開口領域を画成するパターンで配置され、
    前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記開口領域の重心間距離の平均D1の比の値(D1/w)は、40以上500以下である、発熱板。
  2. パターン導電体を備える発熱板であって、
    前記パターン導電体は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を有し、
    前記線状導電体はその長手方向に直交する断面において、複数の金属結晶を含み、
    前記線状導電体の長手方向に直交する一つの断面において、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の、前記配置面に沿った長さw に対する前記配置面への法線方向に沿った長さh の比(h /w )の最小値が、1.2以上であり、
    複数の線状導電体が、一方向に隙間を空けて配置され、各線状導電体は、前記一方向と非平行な方向に延び、
    前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記隙間の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値(D2/w)は、200以上2400以下である、発熱板。
  3. パターン導電体を備える発熱板であって、
    前記パターン導電体は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を有し、
    前記線状導電体は、その長手方向に直交する断面において、複数の金属結晶を含み、
    前記線状導電体の長手方向に直交する一つの断面において、前記配置面への法線方向に沿った長さhは、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の面積と同一の面積を有する円の直径の平均は、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの半分よりも小さく、
    前記線状導電体は、複数の開口領域を画成するパターンで配置され、
    前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記開口領域の重心間距離の平均D1の比の値(D1/w)は、40以上500以下である、発熱板。
  4. パターン導電体を備える発熱板であって、
    前記パターン導電体は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を有し、
    前記線状導電体は、その長手方向に直交する断面において、複数の金属結晶を含み、
    前記線状導電体の長手方向に直交する一つの断面において、前記配置面への法線方向に沿った長さh は、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の面積と同一の面積を有する円の直径の平均は、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの半分よりも小さく、
    複数の線状導電体が、一方向に隙間を空けて配置され、各線状導電体は、前記一方向と非平行な方向に延び、
    前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記隙間の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値(D2/w)は、200以上2400以下である、発熱板。
  5. 前記線状導電体の線幅Wに対する、前記開口領域の重心間距離の平均D1の比の値(D1/W)は、50以上200以下である、請求項1または3のいずれか一項に記載の発熱板。
  6. 前記線状導電体の線幅Wに対する、前記隙間の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値(D2/W)は、50以上1000以下である、請求項2または4のいずれか一項に記載の発熱板。
  7. 隣り合う前記線状導電体の間の距離の平均は、100μm以上12000μm以下である、請求項2,4または6のいずれか一項に記載の発熱板。
  8. 前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記線状導電体の線幅Wの比の値(W/w)は、2以上10以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の発熱板。
  9. パターン導電体を備える発熱板であって、
    前記パターン導電体は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を有し、
    前記線状導電体はその長手方向に直交する断面において、複数の金属結晶を含み、
    前記線状導電体の長手方向に直交する一つの断面において、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の、前記配置面に沿った長さw に対する前記配置面への法線方向に沿った長さh の比(h /w )の最小値が、1.2以上であり、
    前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記線状導電体の線幅Wの比の値(W/w)は、2以上10以下である、発熱板。
  10. パターン導電体を備える発熱板であって、
    前記パターン導電体は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を有し、
    前記線状導電体は、その長手方向に直交する断面において、複数の金属結晶を含み、
    前記線状導電体の長手方向に直交する一つの断面において、前記配置面への法線方向に沿った長さh は、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の面積と同一の面積を有する円の直径の平均は、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの半分よりも小さく、
    前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記線状導電体の線幅Wの比の値(W/w)は、2以上10以下である、発熱板。
  11. 前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さwに対する、当該金属結晶についての当該断面での前記法線方向に沿った長さhの比の値(h/w)の平均は、2以上である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発熱板。
  12. 前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記法線方向に沿った長さの平均hは、4.0μm以上11.5μm以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発熱板。
  13. 前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さhが、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wは、0.5μm以上5.0μm以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の発熱板。
  14. 前記パターン導電体の非被覆率は、70%以上である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の発熱板。
  15. 70%以上の可視光透過率を有している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の発熱板。
  16. 前記線状導電体の線幅は、2μm以上20μm以下である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の発熱板。
  17. 前記線状導電体は、銅及びアルミニウムのうちの少なくとも一つを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の発熱板。
  18. 前記パターン導電体を支持する基材をさらに備える、請求項1〜17のいずれか一項に記載の発熱板。
  19. 一対の基板と、
    前記一対の基板と前記パターン導電体とを接合する接合層と、をさらに備える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の発熱板。
  20. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の発熱板を含む窓。
  21. 請求項20に記載の窓を備える乗り物。
  22. 請求項2,4,6または7のいずれか一項に記載の発熱板を含む窓を備え、
    複数の線状導電体が、水平方向に隙間を空けて配置され、各線状導電体は、鉛直方向に離間した一対のバスバーの間を延びる、乗り物。
  23. 前記窓は、鉛直方向に対して傾斜している、請求項21または22に記載の乗り物。
  24. パターン導電体を備える発熱板の製造方法であって、
    前記パターン導電体は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を有し、
    基材上に金属膜を設ける工程と、
    前記金属膜上にレジストパターンを設け、前記レジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングする工程と、
    前記レジストパターンを除去する工程と、を備え、
    前記金属膜の一つの断面において、前記金属膜は、当該金属膜の法線方向に沿った長さhが当該金属膜の法線方向に沿った厚さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の、前記配置面に沿った長さwに対する前記金属膜の法線方向に沿った長さhの比(h/w)の最小値が、1.2以上であり、
    前記金属膜がエッチングされることで形成される複数の線状導電体は、複数の開口領域を画成するパターンで配置され、
    前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記開口領域の重心間距離の平均D1の比の値(D1/w)は、40以上500以下である、発熱板の製造方法。
  25. パターン導電体を備える発熱板の製造方法であって、
    前記パターン導電体は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を有し、
    基材上に金属膜を設ける工程と、
    前記金属膜上にレジストパターンを設け、前記レジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングする工程と、
    前記レジストパターンを除去する工程と、を備え、
    前記金属膜の一つの断面において、前記金属膜は、当該金属膜の法線方向に沿った長さh が当該金属膜の法線方向に沿った厚さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の、前記配置面に沿った長さw に対する前記金属膜の法線方向に沿った長さh の比(h /w )の最小値が、1.2以上であり、
    前記金属膜がエッチングされることで形成される複数の線状導電体は、一方向に隙間を空けて配置され、各線状導電体は、前記一方向と非平行な方向に延び、
    前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記隙間の一方向に沿った寸法の平均D2の比の値(D2/w)は、200以上2400以下である、発熱板の製造方法。
  26. パターン導電体を備える発熱板の製造方法であって、
    前記パターン導電体は、一つの配置面上に位置するように設けられた金属製の線状導電体を有し、
    基材上に金属膜を設ける工程と、
    前記金属膜上にレジストパターンを設け、前記レジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングする工程と、
    前記レジストパターンを除去する工程と、を備え、
    前記金属膜の一つの断面において、前記金属膜は、当該金属膜の法線方向に沿った長さh が当該金属膜の法線方向に沿った厚さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶を含み、当該金属結晶の、前記配置面に沿った長さw に対する前記金属膜の法線方向に沿った長さh の比(h /w )の最小値が、1.2以上であり、
    前記金属膜がエッチングされることで複数の線状導電体が形成され、
    前記一つの断面に含まれる、前記配置面への法線方向に沿った長さh が、前記配置面への法線方向に沿った前記線状導電体の高さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶についての当該断面での前記配置面に沿った長さの平均wに対する、前記線状導電体の線幅Wの比の値(W/w)は、2以上10以下である、発熱板の製造方法。
  27. 前記金属膜の金属結晶を検査する工程をさらに備える、請求項24〜26のいずれか一項に記載の発熱板の製造方法。
  28. 前記金属膜の金属結晶を検査する工程は、前記一つの断面に含まれ、前記金属膜の法線方向に沿った長さhが前記金属膜の法線方向に沿った厚さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶について、
    当該断面での前記金属膜に沿った当該金属結晶の長さwに対する前記金属膜の法線方向に沿った当該金属結晶の長さhの比(h/w)の最小値が1.2以上となっていることを検査する工程を含む、請求項27に記載の発熱板の製造方法。
  29. 前記金属膜の金属結晶を検査する工程は、前記一つの断面に含まれ、前記金属膜の法線方向に沿った長さhが前記金属膜の法線方向に沿った厚さHの3分の1よりも大きくなっている金属結晶について、
    当該断面での前記金属膜に沿った当該金属結晶の長さwに対する前記金属膜の法線方向に沿った当該金属結晶の長さhの比の値(h/w)の平均が2以上となっていることを検査する工程、
    当該断面での前記金属膜の法線方向に沿った当該金属結晶の長さの平均hが4.0μm以上11.5μm以下となっていることを検査する工程、および
    当該断面での前記金属膜に沿った当該金属結晶の長さの平均wが0.5μm以上5.0μm以下となっていることを検査する工程、のうち少なくとも1つをさらに含む、請求項28に記載の発熱板の製造方法。
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